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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

天を仰いで地の底で~リヴァイ誕生日記念

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  1. 1 : : 2014/12/25(木) 02:04:13
    リヴァイ兵長お誕生日おめでとうございます!

    いつもながらお誕生日当日に立てていつ終わることやら…な、お誕生日記念SSです。


    調査兵団に入るずっとずっと前のリヴァイ少年の物語を、比較的シリアスに書こうと思います。


    執筆中はコメント制限させていただきますが、応援メッセージをいただけると暗くて孤独な作業に光がみえます(遭難か!?)ので、良かったら研究日誌に書きこんでいってください。
    なすたまの研究室
    http://www.ssnote.net/groups/749
  2. 2 : : 2014/12/25(木) 02:28:06
    人間には二種類いる。



    持つ者と持たざる者だ。

    持たざる者は、持つ者に憧れ、羨み、やがて妬み恨み嫉む。



    努力すれば、いつか手に入る…



    そんな絵本のような生ぬるい思考回路では、この世界では1週間だって生き残れないだろう。


    持たざる者に残された道はひとつ

    持つ者から奪うこと。



    それがこの光の届かぬ地面の下―華やかな王都とは対照的な地下街の掟。


    殺伐とした地下の世界しか知らない少年は、崩落した岩盤の隙間からかすかに見える地上より、さらに高くにある空を見上げていた。


    何を考えているのかまったく読めない、大人びた冷めた瞳の少年。


    少年は、リヴァイと呼ばれていた。
  3. 3 : : 2014/12/25(木) 23:11:00

    三重の壁の女神に守られし華やかな王都。

    選ばれたもの達だけが住むことを許された最も安全な場所。
    偉大なる王と貴族達の富と権力の象徴。


    しかし、美しき都の足元には、広大な空間が口を開けていた。

    それは、かつて構想された壮大な地下都市移住計画の残骸。


    打ち捨てられた地下区画は、選ばれなかった者達―持たざる者達が行き場所を求めてたどり着き、独自の発展を遂げた貧民窟を形成していた。


    地上に上がる階段には所有権を主張するシンジケートが存在し、高額の通行料を払わなければ地下を出ることすらかなわない。


    生まれてから一度も地上の光を見ることなく生涯を終える者も珍しくない世界。


    王都がきらびやかな表の顔なら、地下街は表に出せない裏側を一手に担う裏の顔。


    人間の本性の汚い部分の寄せ集め
    それが地下街の性質だった。


    日光の射さない地下の湿った空気はカビ臭く、リヴァイは不機嫌に眉を寄せていた。


    少年の纏うシャツは、高価でこそないが地下街には珍しく清潔に洗濯されており、細い眉をしかめた表情と相まって、少年の神経質な印象を強くしていた。
  4. 4 : : 2014/12/25(木) 23:53:32
    「よお、クソガキ。首尾はどうだ?」


    不意に背後から現れた痩せ型の背の高い男が話しかける。

    長めに伸びた黒髪にくたびれた黒いソフト帽を目深にかぶっている。


    黒い顎髭は一見まばらだが先細りに整えられていた。


    リヴァイとは対照的に、無造作に捲られたシャツにはしわが寄っている。
    はだけたベストの内側には、ナイフが鈍く光っていた。

    腰にはベルト付きホルスターがぶら下がり、リボルバーが納められている。


    男の瞳はナイフよりも鋭い光を放ち、自然体のようでいて周囲に気を巡らせていて一分の隙もない。


    『不用意に近づく阿呆は、容赦なく首を掻き切る』
    そんな狂気を押し込めようともしない。


    地下街でも札付きの危険人物。


    「上々だ、ケニー」


    その危険人物に怯む様子もなく名を呼ぶと、リヴァイは懐から包みを取り出し、男に放り投げた。
  5. 5 : : 2014/12/26(金) 00:16:42
    ケニーはリヴァイが放り投げた包みを造作もなく捕らえると、その場で包みをほどいて中を確かめる。


    「ふん…相変わらずの出来だ。いいだろう。…じいさん変わりなかったか?」


    包みの中から弾丸を一発取り出すと、ケニーは腰からリボルバーを抜き出し、手に入れたばかりの弾丸を籠めた。


    「…ああ…だが、婆さんの具合が良くないらしい。薬を買うのに金が要ると言っていた」


    ケニーがリボルバーを構える様を感情のこもらない目で見つめながらリヴァイは答えた。


    「…そうか。じゃあ、せいぜい高く買ってやらなきゃな」


    そういうと、ソフト帽の男はリヴァイに銃口を向けた。


    眉根を寄せたリヴァイの表情は変わらない。
    ただ、自分に向けられる銃口をじっと見ていた。

    ケニーはなんの躊躇いもなく、薄笑いを浮かべながら撃鉄を上げ、引き金を引いた。




    ガーンッ!




    銃声が響き、血飛沫が舞う。





    リヴァイの背後の岩に張り付いていた鼠の肉片が飛び散った。



    「…チッ…汚ねぇな…」



    白いシャツに付いた血液に、リヴァイは不機嫌な眉をさらに寄せた。
  6. 6 : : 2014/12/26(金) 00:44:19
    「弾筋見切っていたか。まぁ合格だ、リヴァイ」


    ケニーは悪びれる様子もなく肩をすくめた。


    リヴァイは汚れたシャツをハンカチで拭っている…が、

    「血の汚れは擦ると余計に広がって厄介だ…」

    と呟くと、ハンカチをしまった。



    「おーおー!あのデカネズミが砕け散りやがったか…じいさんの弾ぁ、威力強すぎだろ。今夜のディナーが台無しだ!」


    ケニーはがに股で歩みより、岩のネズミの残骸と銃痕を確かめると、大袈裟に嘆いた。


    「ネズミの肉はどぶ臭くて好きじゃねぇんだろ?良かったじゃねぇか」


    リヴァイは冷ややかな目で長身の射撃手を見上げた。


    「ったく、可愛いげがねぇなぁ…。ほらよ!じいさんに追加料金だ。気に入った。また作れと言っておけ」


    ケニーは懐から小さな袋を取りだし、リヴァイの眼前に付きだした。
    黒髪の不機嫌な少年は、眉ひとつ動かさずに袋を受けとると、長身の男に背を向けた。



    「じいさんのとこから寄り道しないでまっすぐ帰ってこいよ。今夜はシチューよッ!」


    細身の小さな背中をからかうように、ケニーは声を裏返らせた。


    少年の背からは凶悪な空気が漂ってきたが、返事はなかった。

  7. 7 : : 2014/12/26(金) 23:20:21

    古い煉瓦造りの細い路地を歩く。


    老朽化が進む石造りの街並みに煉瓦だの木材だのペラペラのトタンだので好き勝手に無計画に増築された家屋がデタラメに建ち並ぶ。


    地下街育ちでも、この街の全容を知るものなど皆無だろう。

    欲望のままに、知らない誰かの思いつきで、今このときも街は変化し続けている。


    地図など役に立たない。


    自分の活動区域外に足を踏み入れれば、2度と出てこられない
    迷い混んだ者を身ぐるみ剥いでやろうと虎視眈々と狙う輩が、そこかしこで息を潜めている。



    魔窟



    地下街を端的に表すに相応しい言葉だ。


    禍々しい者達の集う場所。


    リヴァイは、ケニーから預かった金の入った袋を携え、入り組んだ路地に淀みなく歩を進め、傾いだ木の扉をノックした。


    返事は待たずに、扉を開ける。


    背を丸めた小柄な老人が、ランプの灯りの元で鼻眼鏡をかけて作業中であった。


    「…すまんが、今手が離せん。そこにかけてくれ」


    老人は手元から視線を外さずに、脇の椅子を示した。


    リヴァイは無言で椅子に腰かけ、老人の作業を見守りつつ、室内をぐるりと見回した。


    火薬を扱うだけあって、老人の作業場は無駄なものは排除され、整頓されており、塵のひとつもなく清潔に保たれていた。


    リヴァイは傾いた椅子の背もたれを跨ぎ、組んだ腕に顔を埋めて、ランプの灯りと作業に集中する老人を眺めた。
  8. 8 : : 2014/12/26(金) 23:52:41
    しばらく沈黙が続き、カチャカチャという作業の音だけが続いていた。


    殺伐とした扉の外の世界から隔離された清浄な空間。


    リヴァイは、キリキリと尖った心が、この部屋でだけは少しだけ穏やかでいられるような気がしていた。


    トン


    工具を作業机の上に置く音。

    そして老人は、ふぅ、と一息ついた。


    「待たせたな、リヴァイよ…ケニーは何て?」


    鼻眼鏡の奥の瞳は作業中の厳しい職人のものではなく、穏やかな優しさを湛えていた。


    リヴァイは黙ってケニーからの袋を老人に差し出す。

    老人が受け取って中を確認する間に、伝言を伝えた。



    「気に入ったからまた作れとよ…追加料金だそうだ」


    「助かるよ…これで婆さんの薬が何日分か買える」


    ぶっきらぼうなリヴァイの口調を気に止めることなく、老人は素直に喜んだ。


    「…あいつは別に婆さんを助けようと思ってるわけじゃねぇ…」


    老人に向けてリヴァイは警告した。


    「あいつは…ケニーは必要があれば婆さんを人質にしてあんたを脅すことだってやるだろう。

    今回はたまたま、治療費の足しになる金を渡すのが、あんたを効率的に働かすのに一番手っ取り早いと考えただけだ。

    だから…あまりアイツを信頼するな…」



    珍しく饒舌なリヴァイに老人は頷いた。


    「これでも地下街暮らしは長いからな…ごろつきのやり口はわかっているさ」


    老人は、部屋の奥の暗がりに目を移す。


    「それでも、今は婆さんの治療費が必要なんだ…一緒に苦労してくれた婆さんを、少しでも楽にしてやりたいんだよ」


    部屋の奥の暗がりには更に部屋があり、ベッドから離れるのがやっとの老人の伴侶が座っていた。
  9. 9 : : 2014/12/27(土) 00:20:16
    部屋の奥の扉からこちらを見ていた老女がリヴァイを手招きする。


    リヴァイは表情を変えずに老女の招きに応じ、奥の間に足を踏み入れた。


    「こんばんは、リヴァイ。あんた、相変わらず細っこいねぇ…」


    老女はリヴァイを見て目を細める。


    「うちの息子もね、そりゃあ細い子だったよ…満足に食べさせてもやれなかったしねぇ…」


    リヴァイは相槌を打つでもなく、黙って老女の傍らに立っている。

    老女は老女で、リヴァイが自分の話を聞いていてもいなくてもお構い無しで話続ける。


    「こんな地下街で育ったのに、優しい子だった…優し過ぎたんだよね…孤児の友達を助けるために、集団抗争に巻き込まれて…ううっ…」


    老女の話は、嗚咽で途切れた。


    「おい、またその話か…リヴァイだってそんな昔の話を何度も聞かされたって面白くもなんともないだろうよ」


    作業机から老人がたしなめると、老女は鼻を啜りながら、作り笑いをしてリヴァイに詫びた。


    「ああ、そうだね…そうだよねぇ、ごめんよ…。これに懲りずに、またあんたの顔をこの婆に見せに来ておくれよ、リヴァイ…」


    リヴァイは老女の言葉に返答はしなかった。

    代わりに、深いしわの刻まれた老女の手の甲に自分の手をそっと重ねた。


    老女が嬉しそうに頬を緩めたのを確認すると、リヴァイはゆっくりと手を離し、老人達の安寧の家と外界をつなぐ扉へと向かった。


    「作業の進み具合を確認しに、また来る」


    振り返らずにそう告げると、傾いだ木の扉を開けた。
  10. 10 : : 2014/12/27(土) 01:09:15
    ほとんど光の射さない地下街にも、一応は昼と夜はある。
    そして、夜の地下街はより凶悪な表情を露にする。


    弾丸職人の作業場兼自宅から出たときには、既に夕刻を回っていた。


    入り組んだ路地を抜け、坂を登り階段を降り、行き止まりの壁を軽い身のこなしで乗り越え、寝ぐらに向かう。


    少し広い通りに出たとき、両手に何か包みを抱えた同じ年頃の少年たちが全力で駆けてきて、リヴァイとすれ違った。


    ボロを着て、垢だらけの汚れた顔から察するに、ストリートチルドレン…親のいない孤児達だろう。


    大方、行商の荷馬車から金目のものか食料をくすねてきたのだろう。


    彼らは持たざる者で、持つ者から奪うことでしか命を繋ぐ事が出来ないのだから仕方ない。

    そんな光景は地下街では日常茶飯事だ。


    特に感慨もなく飄々泰然と通りすぎようとしたリヴァイだったが、行く手を阻まれ歩みを止めた。


    「てめぇ!あのこそ泥ガキどもとグルだろう!?」


    リヴァイの前に立ちはだかった大男は、言うが早いかその重い拳を固め、感情の感じられない細身の少年に力一杯殴りかかる。


    その時


    ギラリと不気味な光が走った。

    次の瞬間、殴りかかった大男は、突然力が抜けたようにへなへなと地面に膝をついた。


    何が起きたのか、大男自身にもわからなかった。


    血飛沫が飛ぶまで、更に1秒。

    大男の拳と肩、それから膝裏から、パッと血の花が咲いたかのようだった。



    リヴァイはいつの間にか大男の背後に移動しており、血のついたナイフを嫌そうに振った。


    「後遺症が残るほど深くは切ってねぇ。安心しろ。だが…2度はないぞ?」


    リヴァイは腰に隠し持っていたナイフを取り出すと、人並み外れた瞬発力と鍛えられた技で、切られている本人にすら気づかれない程の素早さで切りつけたのだった。


    「…おい、あいつ…ケニーのとこの…」

    「ちっ…切り裂きケニーの秘蔵ッ子じゃあ、分が悪すぎる…」


    リヴァイを取り囲んでいた男たちは、身を引いて距離をとり、目配せをしながらひそひそと話した。

    男達を気にするそぶりもなくリヴァイが歩き始めると、もう道を塞ごうとする者はいなかった。


    『切り裂きケニーの秘蔵ッ子』


    リヴァイは、男達の言うように自分が現在ケニーの庇護下にあることも、その事で地下街では特別視されていることにも自覚はあった。
    しかし、そう呼ばれることに反吐が出そうなほどの憤りを抑えられず、足元の石を蹴った。
  11. 11 : : 2014/12/28(日) 01:14:59
    寝ぐらにしている建物までは、両側を迫り出した建物に挟まれた幅の狭い入り組んだ階段を降りて行く。


    所々にある踊場や、路地裏のお世辞にも品があるとは言えない布がかけられた建物の入り口付近には、ボディラインを強調した布の少ないスカートを纏った女達が、にやにやと意味ありげな笑みと視線とを無遠慮に絡ませてくる。


    丸くふくれた胸や弛んだ太ももを露にした女達は、今日を生きる糧を手に入れるために春をひさいでいるのであった。


    リヴァイを見る女達の反応は様々で、端から金づるにはなりそうもないと見向きもしないものもいれば、淫蕩な視線で舌なめずりをするように口元を歪めるもの、教えてあげるから寄っていきなよとからかうように笑うものもいる。


    たくさんの女達がいて、リヴァイに向ける表情はそれぞれ違っていたが、皆一様に己の命を精一杯生きていた。


    女達が顧客獲得に励むのを横目で見ながら、特に興味を引かれた様子もなく、歩みを進める。


    複雑な経路を迷いなく抜けて、錆の浮いた年代物の金属扉の前に立つ。

    そしてリヴァイは、きいきいと軋む金属扉を開き、ケニーの待つ寝ぐらに戻った。
  12. 12 : : 2014/12/28(日) 02:07:24
    「帰ったぞ」

    先に帰っているはずの同居人に帰宅を告げながら、リヴァイは血液のついたシャツを脱いだ。

    岩場でケニーが弾丸の試し撃ちをしたときのネズミの血。


    早いところ洗わないとしみになるな…


    シャツの汚れを確認しつつ、着替えを取りに奥の間に進もうとして―
    リヴァイは動きを止めた。



    玄関を開けて直ぐの部屋には続き部屋があり、その続き部屋から聞こえる音に眉を顰める。


    続き部屋には扉はない。
    部屋と部屋を仕切っているのは、頼りなくぶら下がった薄手の布だけだ。


    その布越しに、漏れ聞こえてきたのは吐息と荒い息遣い。


    薄布越しに見える薄暗い部屋の中では、異様に白く艶かしく光っているように見えるのは…人間の脚…女の脚だ。

    柔らかな脂を感じさせる弛んだ脚の間には、骨ばった筋肉質の男の体があり、獲物に巻き付いて離さない蛇のように、しっかりと脚が絡み付いている。


    男の腰が前後に動くと、絡み付かせた脚も動き、女は肉を揺らしながら艶かしいその肢体をのけ反らせる。
    男はのけ反った女の豊満な胸を鷲掴みにし、その先端にしゃぶりつく。

    女の濡れた唇からは、吐息混じりに喘ぎ声が洩れた。



    「…いつまでそこで見てるつもりだ?」



    女の胸をしゃぶりながら、ケニーは布越しに立つリヴァイに問うた。


    「それとも仲間に入れて欲しいか?ハッ!」


    見せつけるように激しく腰をグラインドさせると、女は荒い息で、今度はケニーにしがみついた。


    「…もうっ!こ、子供にこんなとこ見せて…この…変態っ」


    女は自分を組み敷く男に抗議したが、その声色には明らかに別種の興奮が含まれていた。
    もちろん、それを見逃すケニーではなかった。


    「見られて興奮してんじゃねえよ、このアバズレが!」


    罵ると同時に、更に動きの激しさを増す。



    リヴァイは目の前の男女の痴態に顔色ひとつ変えず、

    「しばらく外に出てくる」

    と告げると、脱いだシャツを引っかけて再び外に出た。
  13. 13 : : 2014/12/28(日) 03:12:31
    引っ掻けたシャツから覗く細く引き締まった筋肉に、街娼達は色めきだった。


    しかし、リヴァイは女達の好奇の目を意に介さず、足早に路地を駆け、集合井戸までやって来た。


    とにかくシャツの汚れを洗い流さねば


    潔癖な少年は、ポンプ式の井戸を操作して水を汲み上げると、シャツを桶に浸け、ごしごしと擦り始めた。

    家を出る前に掴んできた重曹を付け、擦りながら血痕がとれたかを確認する。


    しばらく擦り洗いをして、ようやくシャツは元通りの白さを取り戻した。


    すすぎ洗いをして水気を絞る。

    さて、どうにか洗濯は完了した。
    干すのは帰ってからだが…


    ケニーのあの様子だと、あと30分はお楽しみだろう。


    井戸を見つめながら、リヴァイは上半身裸のまま脇に腰かけ、どう時間を潰そうかと思案していた。

    冬ではないが、シャツなしで長時間いられるほど暖かいとは言いがたい気温だった。


    「…冷えるな…」

    リヴァイはそういって肩をすくめ、両腕を重ねて暖を取ろうとしていたその時


    集合井戸に、よろよろよちよちと小さな白い毛玉のような生き物が現れた。
  14. 14 : : 2014/12/28(日) 23:51:16
    毛玉の下側からは短い四肢が覗いており、たどたどしい歩き方ながらも一丁前にふんふんと地面や井戸のポンプの根本の匂いを嗅ぎまわっている。


    リヴァイは黙って毛むくじゃらの生き物の動きを見ている。


    …子犬か…?


    毛玉の動物は、匂いを嗅ぎ歩くのが楽しいのか、毛玉に更に小さな毛玉が付いたような尻尾をフリフリとふりながら、リヴァイに近づいてくる。


    まだ歩き方もおぼつかない足取りで、石畳に足を取られ、何度も転びそうになりながらも体勢を立て直して、地面に腰を下ろしたリヴァイの側にやって来た。


    ふかふかの白い毛玉はやや煤けてはいるものの、子犬特有の柔らかな毛であった。

    切り裂きケニーの威光により、地下街のごろつきも一目置く存在であるリヴァイにも怯えることなく、子犬はふんふんと熱心に匂いを嗅いでいる。



    「…チッ…汚ねぇな…だが…温かそうじゃねえか、お前…」



    リヴァイは子犬の柔らかな毛に覆われた頭を撫でた。

    子犬は鼻をならし、頭を撫でるリヴァイの手を小さな舌でペロリと舐めた。


    「クソッ…反則だ…」


    ふかふかの毛皮を着た生き物のあまりの無邪気さに、普段は潔癖な少年は思わず両手で子犬を撫で擦り、ついには膝の上に乗せてよしよしと手懐けていた。


    「…あったけぇな、お前…」


    白い子犬はリヴァイの膝に抱えられ、安心したように丸くなった。
  15. 15 : : 2014/12/29(月) 00:50:44
    子犬はリヴァイのズボンの匂いをひとしきり嗅いだ後、顎の下を撫でるべく目の前に差し出された人指し指に吸い付いた。


    子犬は夢中でリヴァイの指に舌を沿わせ、短い前脚で母犬の乳房を揉みしだくように、交互にリヴァイの足を押す。

    乳どころか1滴の水もでないリヴァイの指を懸命に吸う子犬の様子に、リヴァイは哀れみを覚えた。


    「なんだお前…腹減ってんのか。母犬とはぐれちまったのか?」


    リヴァイが話しかけても答えるわけもなく、鼻をピスピスと鳴らしながら乳を飲む動作を続ける子犬を抱き上げる。


    ふさふさの毛に隠されて分かりづらいかったが、抱き上げると見た目よりもずっと軽く、毛の下の体が痩せ細っているのがよくわかった。


    吸い付いていた指を離された子犬は、悲しそうにクゥン、と鳴いて項垂れた。


    「チッ…」


    リヴァイは子犬を抱えたまま立ち上がり、井戸の水をハンカチに含ませて指に巻き付け、子犬の口元に差し出した。


    子犬は再び吸いつき、ハンカチから少しずつ滴る水に喉をならした。


    「これも所詮は一時しのぎだ…親はどこで何してやがる…クソッ」


    リヴァイは言葉では悪態をついたが、子犬が吸い付いた指はそのままに子犬の体を抱えて母犬の居場所を探して歩き出した。
  16. 16 : : 2014/12/29(月) 01:59:18

    「野良犬なんざ珍しくないしねぇ…まぁ、捕まえて食っちまう輩もいるし…どうだろね…。
    ねぇ、ちょいとあんた達!この辺で身重か子育て中の犬を知ってるのは居ないかい!?」


    子犬を連れてリヴァイが向かった先は、路地裏の怪しげな宿屋の女主人の元だった。


    地下街の宿屋が単なる宿泊機能だけのまともな宿屋であるはずもなく、ここはお抱えの売春婦や、路地で客を取る街娼に部屋を貸して生計を立てていた。


    街娼達は普段から街の様子を見ているし、自分達の身の安全に関わるので、街で起きた事件やきな臭い動きに敏感だ。

    故に、リヴァイは街の情報を効率よく収集するために宿屋とは懇意にしており、頻繁に足を運んでいた。


    「しっかし、あんたがそんな情報を欲しがるなんてねぇ。いつもは地下街のごろつきの勢力状況だの、密売の動きだの、およそガキの依頼とはかけ離れた事ばっか聞いてくるアンタがねぇ!!」


    宿屋の女主人は面倒見が良く、だからこそ商売女達からの信頼が厚く、相談という形で情報が集まる。

    しかし、その分おしゃべりでお節介なきらいがある。


    「…行き掛かり上仕方なく、だ。仕事じゃねぇし、好きでやってる訳じゃない」

    呵々大笑する女主人に、苦虫を噛み潰したような顔をしてリヴァイは返答した。


    「いやぁ、嫌みでもなんでもなく、アタシは安心したのさ。アンタも年相応の部分があるんだってね!
    可愛い子犬じゃないか、守っておやりよ」


    気っ風の良い女主人のペースにいささか調子を狂わされて、眉間にしわを寄せながらリヴァイは反論した。

    「チッ…俺は別に…早いところ親に返して清々したいだけだ」


    子犬は指をしゃぶり疲れたのか、リヴァイの腕の中でうとうとと眠り始めていた。


    「…ねぇ…その子犬、ひょっとして野良の雑種じゃないんじゃなぁい?」

    女主人の大声に集まってきた商売女の一人が、甘ったるい声で首をかしげた。


    「あー。多少煤けちゃあいるけど、ずいぶんふかふかで真っ白だものね。あれでしょ、王都の一部の金持ちの間で犬を飼うのが流行っているんでしょ?」

    また別の女が応じる。


    「そうそう。犬の中でもケットウだかブランドだかってのがあるってさぁ」


    「ほう…その話、詳しく聞かせてくれないか?」


    女達のお喋りを黙って聞いていたリヴァイが、口を開いた。
  17. 17 : : 2014/12/29(月) 12:36:57
    女達から話を聞いたリヴァイは、眠る白い子犬を静かに抱いたまま、情報屋の宿屋を出ようと踵を返す。

    その様子に、女主人は素早くリヴァイを呼び止め、振り返らせた。


    「今回の情報料はサービスにしといてやるよ。アンタの珍しい姿を観れたからね」


    女主人はそういって片目をつぶってみせた。


    「情報料はありがたいが、そんな気色悪いサービスは遠慮する」


    辛辣に答えるが、女主人にはなんら影響していないようで、そのまま続けて話続ける。


    「まあまあ…アンタ、そのままの格好で探しに行くつもりなのかい?
    いくらなんでも、半裸で夜の街をふらつくなんざ、男娼でもやらないよ」


    リヴァイは未だ上半身裸のままで子犬を抱いていた。


    女主人の言い分はもっともだ。
    何よりこのままでは探し物には目立ちすぎる。
    かといって、今すぐ子犬を連れて寝ぐらに戻る訳にもいかない。

    沈黙するリヴァイに、女主人はにやりと笑ってこう言った。


    「安心しなよ。サービスで貸してやるよ。アンタに似合う上着をさ」


    その口調に、リヴァイは良からぬ思惑を感じて眉根を寄せた。
  18. 18 : : 2014/12/29(月) 14:35:59
    ようやく宿屋を出られた時には、リヴァイはいつになく疲労を感じていた。


    女主人の呼びかけで女達が手に手に上衣をもって集まってきたからだ。
    もちろん、女物の上衣だ。


    引き締まった筋肉こそ付いているが全体には華奢な少年に服を選ぶ行為は、下卑た男達ばかりを相手に体を売っている女達にとっては新鮮な娯楽と化していた。


    「こっちの透かしの入ったブラウスのが似合うんじゃない?」

    「いやぁ、私のフリルのが可愛いよぉ」

    「取っておきのレースのを貸してあげるよ!ほら、ねえ!王都の貴族のお小姓みたいじゃないかい!?」

    「顔がスッとして綺麗だから、選び甲斐があるねぇ」

    「ほらほら、そんなに眉間にしわを寄せないの!しわが取れなくなるじゃないか」


    女達は取っ替え引っ替え服を当てては、わいわいと品定めをする。

    しばらく黙っていたが、一向に決まる気配がなく、リヴァイはついには苛立ちを抑えきれなくなり、手近にあったシャツを手にすると、有無を言わさぬ気迫で女達のお喋りを遮った。


    「これを借りる。世話になった」


    子犬を抱えて立ち去りながら、シャツを羽織る。

    ボタンを止めようとして、V字に開いた胸元に大胆にフリルが施されていることに気づき、リヴァイは舌打ちした。
  19. 19 : : 2014/12/29(月) 14:58:42
    フリルのシャツについてはまったくもって不本意ではあったが、女達からの情報は有用だった。


    いわく、王都では、同じ特徴をもつ犬同士を何代にも渡りを交配させ、品種として安定させて血統書というものをつけ、そうした血統書付きの犬を愛玩用に飼育することが流行している。


    しかし、血統書付きの犬になるまでには何代もの交配が必要とされるが同じ特徴をもつ犬が自然発生的に生じるはずもない。
    必然的に近親交配が多くなり、生まれてくる子犬の中には奇形であったり、特有の疾患を持っていることも多い。


    また、血統としての特徴を持たない子犬が生まれることも多い。


    それらの『売り物にならない』子犬の末路は推して知るべし、ということらしかった。


    同じ母犬の腹から生まれても、高値で取引されて王都の裕福な家庭で贅沢に飼われる子犬もいれば、地下街の闇の中で命を絶たれる子犬もいる。


    「勝手な話だな…」


    人間の都合で、同じ母犬から生まれた同じはずの命が、重みの違うものとして扱われる。
    当の犬達にはなんら落ち度がなくとも、選択肢など与えられない。


    抱えた子犬の寝顔を見ながら、リヴァイはこの子犬は血統書付きかそうではないのか、どちらに分類されるのだろうかと考えていた。

    どちらであっても、柔らかく温かな生き物であることには変わりなかった。
  20. 20 : : 2014/12/29(月) 16:27:19
    宿屋の女主人の情報網から、愛玩用の血統書付きの犬を繁殖しているブリーダーの居場所の見当はついた。

    地下街のより下層の、より物騒な区域にある施設が、この辺では一番近いということだった。


    ところどころ朽ち落ちた階段を、特に気にするそぶりもなくリヴァイは飄々と降りて行く。

    途中で眠りから醒めた子犬が、腕の中でふんふんと周囲の空気の匂いを嗅ぎはじめた。


    短い毛玉のような尻尾をぷるぷると振っている。


    「覚えのあるところまで来たのか?」


    子犬の反応に、思わず話しかけた。
    子犬は無論返事などしなかったが、代わりにもぞもぞとリヴァイの腕の中から逃れようと身をよじり始めた。


    もがく子犬を取り落とさぬように腰を下ろし、そっと地面に降ろしてやる。


    子犬は地面の匂いをふんふんと確認すると、えっちらおっちらと荒れた階段を下り始めた。

    リヴァイは黙って子犬の先導にペースを合わせ、ゆっくりと付いていく。


    子犬が鼻をならして止まったのは、粗末な木製の小屋の前だった。
  21. 21 : : 2014/12/29(月) 18:24:59
    毛玉からわずかに覗く短い脚で子犬は木製の扉を引っ掻いた。
    しかし、子犬の力では扉が開くはずもない。


    リヴァイは子犬を抱き上げると、反対の手で扉に掛けられた錆びた鉄の輪を持ち、ノックした。


    しばらくすると、中から目付きの悪い陰気な中背の男が扉を細く開け、訪問者に対応した。
    扉はあまりに細く開けられたため、中の様子は確認できなかったが、獣の臭いだけでなく、ひどく据えた汚物の臭いが漂ってきた。


    「…何か用か?」


    陰気な男はリヴァイを見下ろし、尋ねた。


    「母犬を探している。見覚えはあるか?」


    子犬を男の前に差し出すと、陰気な男は一瞬目を見開き、愛想笑いを浮かべた。


    「ああ、そりゃうちの犬だ。探していたところだ。わざわざありがとよ、嬢ちゃん」

    男はリヴァイのフリルのシャツを見て、少女と見間違ったようだった。
    作り笑いを浮かべたまま、子犬を受け取ろうと手を伸ばす。

    リヴァイは男の言葉に眉をひそめて嫌悪感を露にしたが、特に訂正はせず、黙って子犬を男の目の前から手元に戻す。


    「そうか、そいつは良かった。母犬を確認してからこいつは返す。ずいぶん痩せてるからな。ちゃんと乳を貰えてるのか確認してからだ」


    リヴァイの言葉に、男の顔から作り笑いが消えた。
  22. 22 : : 2014/12/29(月) 20:08:15
    「俺が優しく言ってるうちにそいつを返した方が身のためだぜ、嬢ちゃん。綺麗な顔に傷作りたかぁないだろ?」


    男の声色が怒気を帯びる。


    「さぁ、早く渡してもらおうか」


    黙っているリヴァイに畳み掛けるようにドスの効いた声で迫り、子犬を目掛けて手を伸ばす。


    瞬間


    リヴァイの瞳は男の隙を見逃さず、油断して伸ばした腕の親指の付け根を片手で捉え、一瞬で手関節をねじりあげるように捻る。

    男は何が起きたのか理解できないまま、気がつけば肘も肩も不自然な方向に曲げられており、身動きができなくなっていた。


    「な…!?なに!?なんだ、この…クソッ!」


    男はリヴァイの手を振りほどこうと身じろぎするが、電流が走るような激痛に見舞われる。


    「おっと、動くなよ…動けば動くほど痛みは強くなる。無理をすれば簡単に折れるぞ」


    「くっ…このアマ…!調子に乗りやがって…!っいててててっ」


    リヴァイは痛みに混乱する男に冷淡に忠告する。


    「…『俺』が優しく言っているうちにそこをどけろ。その汚い顔を更に歪めたくはないだろうが?」


    男の返答を待たずに、リヴァイは片手に子犬を抱きかかえたまま、もう片方の手で男の関節を捉えたまま体ごと押し込むようにして扉の奥に侵入した。
  23. 23 : : 2014/12/29(月) 22:44:03
    室内に入ったリヴァイの目に入った光景は、凄絶と呼ぶにふさわしかった。


    獣の臭いとその糞尿の臭気がむせ返るほどに立ちこめ、更に腐臭も加わって目に滲みるほどの悪臭のなか、おびただしい数のケージが無造作に重ねられていた。


    ケージのひとつひとつは小さく、その狭い空間に身動きも出来ないほどに押し込められた生き物は、極端に痩せ細り、毛はボサボサで艶がまったくないか、皮膚病にでもかかっているようで、まばらな毛の間に爛れた皮膚を纏っていた。


    糞尿はケージの中に垂れ流し、毛繕いをしようにも方向転換も出来ないほどに押し込められてはそれも叶わず、ただ生かされているだけの生き物。


    乳房だけが異様に発達し垂れ下がっているケージの生き物には、生気のない瞳でふかふかの毛並みの子犬に授乳しているものがいた。

    それでようやく、ケージの中の生き物が母犬であることが辛うじてわかるくらいに、子犬と母犬の外見は解離していた。


    「おい…これはいったい…どういう状況だ?」


    リヴァイは室内のすべてに感じている嫌悪を隠そうともせずに、関節を固めたままの陰気な男に問う。

    男が口を開こうとした時、ケージの影からもう一人、体格の良い大男が襲いかかってきた。


    「このガキ!!何してやがる!!」


    殴りかかる大男に向けて、陰気な男を関節ごと突飛ばす。

    空いた両手で子犬を守りながら、リヴァイは間髪いれずに姿勢を低くし、回転するように足払いをかけた。


    二人の男が足元を掬われてバランスを崩したところへ、中段蹴りを追加して陰気な男の背を蹴り倒す。


    大男はその下敷きになって床に倒れた。



    「こいつの母犬はどれだ?」



    倒れた二人の男が重なったその背を踏みつけ、リヴァイは口を開いた。

    リヴァイの両手の中では、ふかふかの毛並みの子犬が無垢な瞳をくりくりとさせていた。
  24. 24 : : 2014/12/29(月) 23:35:54
    母犬は、他のケージの犬達と同じく痩せ細り、皮膚病に冒された肌は爛れて瘡蓋と血液が滲んでいた。
    瞳はうつろで、生きる意志が感じられなかった。


    それでも、リヴァイが抱えた子犬がきゅうんと鼻をならすとピクリと反応し、力なく横たわりながらも子犬が乳房に吸い付くと子犬を舐めて世話をしようとした。



    母犬の本能とは、こんなに酷い状況に置かれても我が子を守り育てようとするものか。



    リヴァイは無言のまま、母犬と子犬を見つめていた。


    リヴァイの保護した子犬の他にも兄弟犬が4頭ほどおり、皆母犬とは似ても似つかないふわふわの毛並みで無邪気にじゃれあっていた。


    「ここはパピ-ミルと呼ばれてる。子犬の生産工場さ」


    先ほど倒した陰気な男が口を開いた。
    おかしな真似をしないよう、リヴァイによって後ろ手に縛り上げられている。


    「王都で血統書付きの犬が流行っているのは知ってるだろ?子犬は高値で取引される」


    リヴァイは子犬と母犬から目を離さず、男の話が聞こえているのかいないのか、反応は見せない。

    陰気な男は喋り続ける。


    「売れるからには作らなきゃだろ?それも効率よく、低コストでだ。ビジネスだからな」


    ケージの中の母犬達は汚物にまみれ、不潔な体を身繕いすることもできずに、爛れた皮膚の痒みに耐えかねてケージの金具に体を擦り付け、傷をつくる。

    そこから膿が湧き、腐敗が始まり悪臭を漂わせる。


    「母犬はドル箱だが消耗品だ。発情期の度に交配して子供を産ませる。一年に何度も産ませられる。産めなくなったらお払い箱だ」


    母犬がケージから出られるのは、交配のときだけ。
    雄犬を無理矢理乗せられて、人為的に交尾をさせられ、出産しては子供を取り上げられる。


    「そういう商売なんだよ。需要があんだから仕方ないだろ?お前も地下街で生きてんだ。綺麗事じゃ食っていけないのもわかんだろ?」


    地下街で生きていくために、抵抗できない生き物は搾取される。
    一切の自由を奪われ、狭いケージに閉じ込められ、最低限の食料しか与えられずに一生を終えるもの達。



    「商品だから仕方ないだろ?それがコイツらの運命ってやつさ。諦めてもらうしかねぇよな」



    持たざる者は持つ者から奪うより生きてはいけない。


    しかし、それすらできない持たざる者は、ただすべてを諦めて搾取される他ないのだろうか。


    ケージの犬達は、地下街に生きる者達の縮図のようだ。


    地下街で自由を奪われたまま、一生を終える人生。



    男の言葉と、ケージの母犬のガラス玉のような瞳。
    生気に満ちた子犬の無邪気な瞳。
    ぐるぐると万華鏡のようにそれらが回り


    リヴァイの中で、何かが壊れた。
  25. 25 : : 2014/12/30(火) 00:12:22
    ――――――――
    ――――――
    ――――


    「…い!…おい!クソガキ!もう十分だろ?そこまでにしとけよ」


    ソフト帽に髭が特徴の同居人に腕を掴まれて正気に戻る。




    リヴァイの目の前には、破壊され歪んだケージの数々と、怯えた瞳のみすぼらしい犬達。

    そして、部屋の隅には、犬達よりもずっと怯えて泣きながら震えている二人の男達がいた。



    「ったく、いつまでも帰らねぇから探しに来てみりゃあ…何やってんだ、てめぇは」


    ケニーが呆れ顔でソフト帽越しに頭を掻いている。


    リヴァイは、自分が今何をしていたのか、ハッキリと思い出せずに茫然としていた。



    断片的に記憶しているのは…


    ケージに閉じ込められた犬達に猛烈な怒りを覚え、次から次に壊しながら解放したこと。


    解放されても、これまでケージから出される度に恐怖の経験しかなかった犬達は怯えきって動こうともしなかったこと。
    それが余計に腹立たしくて、そんな風に扱い続けた人間に更に怒りを強くしたこと。


    その矛先であるブリーダーの男達を、男娼のなかでも最も劣悪と言われる男娼館に売り飛ばし、死ぬまで変態の相手をさせてやる、と脅しながら痛めつけたこと。



    『商品だから諦めろ』



    彼らが言った言葉をそっくりそのまま返したのを思い出した。


    リヴァイは、自分でもなぜそこまで激しく反応し、衝動を抑制できなかったのかがわからなかった。


    今まで常に冷静に判断し、選択してきたはずだった。


    これまでにない自分の内側の衝動に一番驚いているのは、彼自身であった。
  26. 26 : : 2014/12/30(火) 00:52:59
    「しっかし派手にやったなぁ、おい」


    ケニーは、なぜか面白がっているような口ぶりだった。


    「小屋のあちこちに穴ぁ開いてるわ、金属のケージはグニャグニャだわ…一体どんだけ暴れたんだよ、お前…
    あれか、やっぱ俺の濡れ場見たコーフンの収まりがつかなかったか?」


    「てめぇと商売女とのお粗末な情事ごときで今更オタつくかよ」


    同居人の軽口に、ついいつものように辛辣な言葉が口をつく。


    「けっ。思春期ふぜいが見栄張るなよ」


    「口を閉じてろよ、外道が」


    惨状をそのままに、憎まれ口で応酬する。
    するとケニーはニヤリと笑い、真顔に戻る。


    「調子戻ってんじゃねえか。で?どうする?」


    「どうするって…」


    地下街で名を馳せる切り裂きケニーは、年若い同居人に解説する。


    「やっちまったことに説教なんざする気はねぇよ。てめぇの尻拭いくらいてめぇでやりやがれ。

    てめぇが犬コロの飼い方が気にくわなくて、この小屋ぶっ潰したなら、まあそれもいいだろう。

    だがな、コイツらだけを懲らしめたところで、同じような場所で同じような商売してるやつなんざ、ゴマンといるだろうが。

    ソイツらはどうするんだ?
    全部しらみ潰しに叩き潰してくのか?

    てめぇは何だ?正義の味方か?」



    耳が痛かった。


    ケニーの言う通り、ここひとつを正した所で世界は何ら変わらないだろう。

    自分だって地下街で表立って人には言えないようなことで食いつないでいる身分だ。
    正義の味方を気取るなど烏滸がましい。


    リヴァイは己を制御出来なかったことを自戒した。


    だが
    全てを守れなかったとしても、目の前のこの小さな子犬とその母犬の命を守りたいと願うことは、悪くない気がした。


    「ああ、俺はたしかに考えなしに暴れすぎた…反省しよう。
    だが、今後この施設での犬の飼い方には口出しさせてもらう。

    俺ひとりが守れるものなんか、たかが知れてるが…知ってしまった以上は知らんふりもできないからな」


    リヴァイは真っ直ぐにケニーの瞳を見つめて、そう宣言した。
  27. 27 : : 2014/12/30(火) 01:22:23
    「ハッ!…だそうだぜ、兄さん方!異論はあるか?」


    怯えきった大男と陰気な男は、力なく首を振った。


    「…掃除と片付けは手伝おう。ここの清潔観念は、徹底して叩き直す。それから、もうひとつ…」



    リヴァイの申し出に、ケニーは吹き出した。



    「クソガキにもガキらしく可愛いところがあるじゃねぇか」


    「…黙れ、エロ親父」


    「まぁ、そう言うなって。わかった、じゃあそれは特別に俺がプレゼントしてやろう」


    「…プレゼント…?」


    ケニーの言葉にリヴァイは眉をひそめて首をかしげた。


    「お前…自分の誕生日も忘れたのか?頭大丈夫かよ?」


    「…チッ…誕生日だからって、何も変わりゃしないだろうが」


    生まれた日を祝ったところで何も変わらない。
    祝う相手も、祝ってくれる相手もいない。
    だからリヴァイは自分の誕生日など気にしたこともなかった。

    しかし、次のケニーの言葉は意外なものだった。


    「何言ってやがる。今夜はシチューだと言ったろうが」


    「…は?」


    「チーズも肉も牛乳も入った贅沢品だぞ、シチューは。誕生日祝いだから特別メニューにしたんだろうが」


    自分の誕生日を祝ってくれようという人がいたことに、リヴァイは驚きを隠せず、目を見開いた。


    しかし、次の瞬間、気づいた。




    「人の誕生日祝おうって日に商売女連れ込んでサカってるんじゃねぇ!この外道が!!!」



    いやあ、ついムラムラしちまって…とケニーは不敵に笑った。

  28. 28 : : 2014/12/30(火) 01:57:10
    数週後―


    「じいさん、進み具合はどうだ?」


    リヴァイは弾丸職人の元を訪ねていた。


    「おう、注文分は出来てるぞ、もっていけ」


    老人は丁寧に梱包した包みをリヴァイに放った。
    リヴァイは造作なく受けとると、中を確かめて懐にしまった。


    「あれから婆さんの方はどうだ?」


    リヴァイは奥の間に視線を移す。
    ベッドから起き上がるのがやっとの老女は、変わらず椅子に腰かけていた。

    違っているのは、傍らにふかふかの毛並みの犬のつがいと子犬がいることだった。


    母犬と父犬は、いまだ毛の生え揃わない部分はあるが、皮膚病は治癒に向かっていた。

    何より、清潔な環境で優しい気質の老夫婦のもとで室内を自由に過ごしているためか、瞳に生き生きとした光が戻ってきていた。


    「あの子達を連れてきた時には、それはびっくりしたものだよ…自分達が食うのに精一杯なのに、病気の婆さんを抱えて犬の一家の面倒など、みられるわけがないってね…」


    職人は犬達を見ながら目を細める。



    「それが、子犬が一匹また一匹と売れる度にびっくりするような金が入ってくるようになって、今じゃあ婆さんの薬代にも困らなくなったよ。ありがとうな、リヴァイ」


    リヴァイがパピーミルで飼育環境の改善と共にブリーダーに提示した条件。

    それは、保護した子犬をその母犬と父犬、兄弟犬とともに引き取ることだった。


    リヴァイは犬の一家を職人に託し、犬には安定した環境を、老人と老女には自然繁殖を条件に、ブリーダーとしての収入を得ることができるように手配したのだった。



    「…あいつらはこの地下街で生まれて、望まれて地上に…広い空のもとに向かうことができる。地下街で生きるゴロツキの憧れみたいな存在だ」


    「そうだな…お前もあの子犬達のように、王都へ…地上に行きたいのかい、リヴァイ?」



    「…俺か…俺が行きたいのは…」





    王都よりももっと向こう


    動きを遮る壁のない世界


    淀んだ空気ではなく
    広い世界を自由に駆けめぐる新鮮な空気を吸いに


    視界を遮ることなく一面に広がる天を仰ぎに


    この地の底の地下街から、いつか…






    少年は、地下街から今日も欠けた空を仰ぎ見る。

    いつか外の世界へと旅立つ日を夢に見て。




    【完】

  29. 29 : : 2014/12/30(火) 02:05:46
    退廃的な地下街と、そこで生きる人々の暮らしと少年時代のリヴァイをハードボイルドに…とイメージして取り組みました、リヴァイ兵長お誕生日記念作。

    いかがでしたでしょうか。

    途中まではたしかにハードボイルドっぽかった気がしますが、途中ちょっとギャグっぽくなっちゃったのはご愛嬌です…。


    ケニーとリヴァイの関係も、もう少し無機質にしても良かったかも…と思いながらも、一緒に暮らしていた頃は仲は悪くもなかったのかな、なんて妄想してたらケニーがなかなかいい感じのおっさんになりました…。


    執筆終了に伴いコメント解禁しますので、ご意見ご感想をお手柔らかにお願いします。
  30. 30 : : 2014/12/30(火) 08:49:22
    まずは、ケニーとリヴァイの過去のお話というのがとても良かったです。

    冷酷そうに見えるリヴァイには、温かさというものがあって、手加減をしてやる、というところがリヴァイらしいなと思いました。また、犬を思っているリヴァイも愛らしいと感じました。

    実を言うと、世界観にはまりまくって尚且つ〝娼婦〟や〝男娼〟という言葉を使いつつ、文が繊細で、なすたまさん独特のかっこよさのある文がとても大好きです。

    また、最初らへんは「シリアスな感じだなー」って思ってたのが、途中からギャグっぽくなり、「ふふ…」と笑ってしまいました(笑)

    最後ですが、執筆お疲れ様でした!
  31. 31 : : 2014/12/30(火) 10:19:11
    >>蘭々さん

    執筆中からの応援ならびにコメント&お星さまありがとうございます。

    ケニーと暮らす少年リヴァイは、大人びていますがまだ少年なので、冷酷になりきれない甘さや、自分の境遇に対するやり場のない憤りがある設定にしました。

    お若い皆様には少々過激な場面や職業の人々も出してしまいました。

    性を職業にする人々は、社会の暗部を描くのにわかりやすく、また、そうして生きる人々の悲しみや辛さだけでなく、逞しさが伝わると良いなと思って情報屋の場面を入れてみました。結果、あの辺りからギャグっぽくなりましたよね…はぁ…。

    少年リヴァイ、お楽しみいただけましたら幸いです。
    最後まで読んでいただいてありがとうございました!

  32. 32 : : 2014/12/30(火) 10:29:42
    執筆お疲れさまです。

    ケニーがいいおっさんでツボでした(笑)
    また、売春宿の描写も怪しく退廃的でけれども美しく引き込まれました。

    貧しく汚い世界でも、それなりに仲良く暮らしてたリヴァイとケニーが十数年後には敵になってしまうのがまたやりきれないなあ、と感じました。

  33. 33 : : 2014/12/30(火) 10:56:31
    >>ありゃりゃぎさん

    執筆中からの応援とコメント&お星さま、ありがとうございます!

    おっさんキャラの第一人者のありゃりゃぎさんに褒めていただけるとは!尻尾ふります、私♪


    リヴァイの思考過程のベースを築いた人物がケニーで、ケニーがリヴァイのことを、アイツは俺の誇りと述べるくらい愛着があって…
    微妙な師弟(?)関係が敵同士になるやりきれなさもまた、原作世界の魅力なのかもしれませんね…。


    シビアなの続いて疲労したので、次作は軽めのギャグに逃げようと思います(笑)

    読了いただきありがとうございました。


  34. 34 : : 2014/12/30(火) 12:25:05
    執筆お疲れ様でした!

    地下街の構造や背景、地上との光と闇が描かれていて、とても読み応えのある文章でした。

    子犬を抱いたフリルシャツのリヴァイを想像すると可愛かったです。10代前半ぐらいですかね…?



  35. 35 : : 2014/12/30(火) 17:19:11
    >>キミドリさん

    コメント&お星さまありがとうございます!

    地下街は解体前の東洋の魔窟、九竜城をイメージしました。行ったことはないんですが(笑)
    読み応えがあるといっていただいて光栄です。


    フリルシャツの少年リヴァイは、そうです、10代前半です。訓練兵団に入った頃のエレン達の年齢のイメージで書きました。

    きっとよく似合ってます、フリル♪

  36. 36 : : 2014/12/31(水) 08:38:18
    とにかく感動しました…。

    悔いなき選択をまだ読了していないので、地下街に関してはほぼ無知識の私でもわかりやすく読めました。

    ケニーのリヴァイへの素直じゃない愛情表現、リヴァイの生き物への素直じゃない愛情表現…笑
    こういうお話は読んでて暖かい気持ちになりました!

    執筆お疲れ様でした。
  37. 37 : : 2014/12/31(水) 11:25:31
    >>つーるさん

    コメント&お星さまありがとうございます!

    悔いなき選択、私もOVAしかみていないので、地下街の構造とか売春宿の辺りとかは私の妄想です。

    ケニーとリヴァイの関係性には謎がまだ多いので今一歩踏み込めず、ふんわりぼかしたままにしてしまいました。

    お楽しみいただけましたら何よりです。
    感想ありがとうございました!
  38. 38 : : 2015/01/01(木) 21:46:44
    執筆、お疲れさまでした。

    なすたまさん、OVA化モノですよ、これ!どこに頼みましょう…そ、そうかΣ( ° д ° )講●社か!!!

    ひとつひとつの描写がとても丁寧で、職人の老夫婦が住む家の、地下街の退廃から少し離れた雰囲気や

    犬小屋施設の醜悪な環境(これについては、臭いまで感じとれました。いやぁさすがです。)、地下街の雰囲気を充分すぎるほど

    表現できていて、リヴァイの過去を語るのに、相応しい作品だと思います。原作読むときも、これからリヴァイ見たとき、

    この作品思い出すだろうなぁ。はぁ…私も頑張らないと。長くなりましたが、素敵な作品を、ありがとうございました。

  39. 39 : : 2015/01/01(木) 23:56:24
    >>数珠繋ぎさん

    いつもコメント&お星さまありがとうございます!
    OVA化…滅相もない…!
    けど、そうまで言っていただけるのは光栄です。
    シリアス頑張りました(笑)

    パピーミルは、現実のペット産業で一部の悪質業者が問題になっています。
    アレルギーのある私は直接ボランティアはできないのですが、友人の活動を応援したり、チャリティイベントに協力したりと普段から関心をもっているので、つい細かく描写してしまいました。

    人道的に扱われない不幸な動物が一匹でも少なくなるよう願っています。

    リヴァイ少年を原作の兵長と重ねて読んでくださって、ありがとうございました!
    嬉しいです!
  40. 40 : : 2015/01/08(木) 13:06:08
    ピックアップトップおめでとうございます(((o(*゚▽゚*)o)))

    読み応えのある文章ってまさにこういうものなんだなぁと納得の一作でした!!

    今回も勉強になりました( ´ ▽ ` )ノ
  41. 41 : : 2015/01/08(木) 18:44:25
    >>Canzoneさん

    コメント&お星様ありがとうございます!
    ピックアップトップ、やはり嬉しいものですねぇ♪

    長らくピックアップの小さいところにいたので、一日限りのトップな気がしますが…それでも嬉しいです。


    読み応えのある文章といっていただいてありがとうございます。

    SSっぽい書き方ではないので、お若い読者の多いssnoteでは受け入れてもらいづらいかなと思いながらも…
    今回の内容を考えると、どうしても


    ケニー「よお、クソガキ。首尾はどうだ?」

    リヴァイ「上々だ、ケニー」


    みたいな書き方はちょっと違うかなって…。
    自分的には、この書き方でよかったと思っています。


    勉強になるとか、そんな…。
    私もCanzoneさんや他の作家さんの作品から勉強中です。
    今後もよろしくお願いします。

  42. 42 : : 2015/01/16(金) 05:48:00
    リヴァイの誕生日が過ぎた中、読ませていただきました。

    ケニーとの過去は、こんなのだったのだろうと、思い浮かべさせることができるなんて、やはりすごいですね!

    執筆、お疲れ様でした。
  43. 43 : : 2015/01/16(金) 07:56:16
    >>Cometさん

    コメント&お星さまありがとうございます!
    読んでいただけて嬉しいです!

    ケニーとの過去のリヴァイ、お楽しみいただけましたでしょうか。

    少年リヴァイを妄想するの、楽しかったです。
    フォローもありがとうございます!
  44. 44 : : 2015/02/05(木) 20:44:40
    描写とか表現の仕方がスゴくて
    感動しました。
    この作品を見つけられて良かったと思います。

    ありがとうございました。
  45. 45 : : 2015/02/05(木) 22:10:36
    >>点眼さん

    少し前の作品を見つけて下さってありがとうございます。
    この作品には私も思い入れがあるので、コメントいただいてとても嬉しいです。

    こちらこそ、ありがとうございました。
  46. 46 : : 2020/10/06(火) 10:03:49
    高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
    http://www.ssnote.net/archives/80410

    恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
    http://www.ssnote.net/archives/86931

    害悪ユーザーカグラ
    http://www.ssnote.net/archives/78041

    害悪ユーザースルメ わたあめ
    http://www.ssnote.net/archives/78042

    害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル)
    http://www.ssnote.net/archives/80906

    害悪ユーザー提督、にゃる、墓場
    http://www.ssnote.net/archives/81672

    害悪ユーザー墓場、提督の別アカ
    http://www.ssnote.net/archives/81774

    害悪ユーザー筋力
    http://www.ssnote.net/archives/84057

    害悪ユーザースルメ、カグラ、提督謝罪
    http://www.ssnote.net/archives/85091

    害悪ユーザー空山
    http://www.ssnote.net/archives/81038

    【キャロル様教団】
    http://www.ssnote.net/archives/86972

    何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
    コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
    http://www.ssnote.net/archives/86986

    http://www.ssnote.net/categories/%E9%80%B2%E6%92%83%E3%81%AE%E5%B7%A8%E4%BA%BA/populars?p=18
  47. 47 : : 2020/10/27(火) 14:01:01
    http://www.ssnote.net/users/homo
    ↑害悪登録ユーザー・提督のアカウント⚠️

    http://www.ssnote.net/groups/2536/archives/8
    ↑⚠️神威団・恋中騒動⚠️
    ⚠️提督とみかぱん謝罪⚠️

    ⚠️害悪登録ユーザー提督・にゃる・墓場⚠️
    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️
    10 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:30:50 このユーザーのレスのみ表示する
    みかぱん氏に代わり私が謝罪させていただきます
    今回は誠にすみませんでした。


    13 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:59:46 このユーザーのレスのみ表示する
    >>12
    みかぱん氏がしくんだことに対しての謝罪でしたので
    現在みかぱん氏は謹慎中であり、代わりに謝罪をさせていただきました

    私自身の謝罪を忘れていました。すいません

    改めまして、今回は多大なるご迷惑をおかけし、誠にすみませんでした。
    今回の事に対し、カムイ団を解散したのも貴方への謝罪を含めてです
    あなたの心に深い傷を負わせてしまった事、本当にすみませんでした
    SS活動、頑張ってください。応援できるという立場ではございませんが、貴方のSSを陰ながら応援しています
    本当に今回はすみませんでした。




    ⚠️提督のサブ垢・墓場⚠️

    http://www.ssnote.net/users/taiyouakiyosi

    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️

    56 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:53:40 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ごめんなさい。


    58 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:54:10 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ずっとここ見てました。
    怖くて怖くてたまらないんです。


    61 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:55:00 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    今までにしたことは謝りますし、近々このサイトからも消える予定なんです。
    お願いです、やめてください。


    65 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:56:26 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    元はといえば私の責任なんです。
    お願いです、許してください


    67 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    アカウントは消します。サブ垢もです。
    もう金輪際このサイトには関わりませんし、貴方に対しても何もいたしません。
    どうかお許しください…


    68 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:42 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    これは嘘じゃないです。
    本当にお願いします…



    79 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:01:54 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ホントにやめてください…お願いします…


    85 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:04:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    それに関しては本当に申し訳ありません。
    若気の至りで、謎の万能感がそのころにはあったんです。
    お願いですから今回だけはお慈悲をください


    89 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:05:34 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    もう二度としませんから…
    お願いです、許してください…

    5 : 墓場 : 2018/12/02(日) 10:28:43 このユーザーのレスのみ表示する
    ストレス発散とは言え、他ユーザーを巻き込みストレス発散に利用したこと、それに加えて荒らしをしてしまったこと、皆様にご迷惑をおかけししたことを謝罪します。
    本当に申し訳ございませんでした。
    元はと言えば、私が方々に火種を撒き散らしたのが原因であり、自制の効かない状態であったのは否定できません。
    私としましては、今後このようなことがないようにアカウントを消し、そのままこのnoteを去ろうと思います。
    今までご迷惑をおかけした皆様、改めまして誠に申し訳ございませんでした。

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miyatama55

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