このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
この作品は執筆を終了しています。
十神「例えお前が変わってしまっても…俺は…」
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- 1 : 2014/12/24(水) 05:51:02 :
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※鬱展開注意…。
※おそらく既出ネタ。
※キャラ崩壊
※設定の変更・ねつ造注意
※ダンガンロンパシリーズのネタバレ等注意
※その他もろもろ注意
でお願いします。
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- 2 : 2014/12/24(水) 05:51:39 :
苗木君…ごめんなさい…
なんで…あたし…が!?
オレはついてなかったんだ!!おまえらだって一歩間違えれば…!!
ボクが弱いからいけないんだ…もっと強くなれれば…
すまねぇ…みんな…兄弟…不二咲…
兄弟は…兄弟は僕の中に生き続けている!!
僕が守らなくちゃ…彼女を…
みなさん来世でお会いしましょう…
すまなかったな…朝日奈…
ねぇ…苗木?絶望した?
苗木「う…うわあああああああああああああああああああああああああああああああ!?」ガバッ
十神「どうした、苗木…悪夢でも見たのか…」
苗木「う…うん、驚かせてごめん…」
十神「昔の夢か…あの学園にいたころの…」
苗木「どんどん消えていくんだ…死んだみんなが…」
十神「…無理もないな…俺たちはこんな生活を続けている…気の休まるときなどないからな…」
ボクたちは江ノ島盾子から逃れ、希望ヶ峰学園を後にした…。
今、ボクらは外にはびこる絶望の手からひたすらに逃げている…。
ここは、誰もいない廃墟…。
疲れがたまっていたボクはみんなのおかげでここで休ませてもらっていた…。
十神クンは、ボクの看病をしてくれていたというわけだ…。
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- 3 : 2014/12/24(水) 05:51:59 :
苗木「ごめんね…ボクがこんな弱音はいてちゃ…ダメだよね…」
十神「…なんだ…おまえ…霧切に言われた超高校級の希望とかなんとかが気になってるのか…?」
苗木「そ…そんなことないよ…」
十神「…確かに…あの場にいて、誰もが絶望していたとき…おまえだけは絶望しなかった…おまえは強い…だがな…おまえが精神的に強いだけじゃどうにもならないこともある…」
苗木「わかってる…」
十神「おまえにばかり負担をかけすぎているのはすまないと思っている…おまえだって苦しんでいるのはわかっているのだからな…」
苗木「ありがとう…十神クン…」
十神クンはずいぶんと丸くなった…こんなこと彼に言ったら怒られると思うけど…。
彼は人の上に立つ者として育てられてきた…。よく周りを見ていると思う。
ボクの生きている世界なんかよりも過酷な世界。
彼はどれだけの裏切りや絶望を経験してきたんだろう…。
十神「言っているそばから、他人の心配か?…もっと自分を大切にしたらどうだ…」
苗木「なんでばれたのかな?…ありがとう…ごめんね…」
十神「謝るな…今は少しでも休め…寝不足で足手まといなど困るのだからな…」
苗木「うん、そうだね…もう少し眠らせてもらうよ…」
十神「霧切たちが戻ってくるのはもう少し先だろう…それまでしっかり休息をとるんだな…」
眠るのは少し怖い…。
また、繰り返しあのときの夢を見てしまいそうだから…。
それでも身体は疲れていた…。
ボクは泥のように夢の世界へと溶けていった…。
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- 4 : 2014/12/24(水) 05:52:19 :
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十神(苗木は頑張っている…本人の力量以上にだ…明るく振舞おうと、少しでも俺たちを元気づけようと…だが、いつまでもそんなふうでいられるはずがない…おまえは英雄なんかじゃない…普通の人間なんだ…だからこそ、俺たちがこいつを追いこんではいけない…俺たちもこいつを支えてやらなくては…)
本人は気付いていないのか…苗木の顔はやつれている…。
もちろん俺たちも健康とはいいがたいが、苗木は先頭にたって頑張ろうとしている…。
一番負担が大きいのは苗木だろう…。
お前は強すぎる…。
弱い人間は自分が弱いことが悲しいが、強い人間は泣けないのことが悲しいのだろうか…。
おまえが今さら弱音をはこうが…誰もおまえを嫌いになったりなどしない…。
俺も…強くあらねばいけないな…。
苗木「ん…ボクは寝ていたのか…」
不思議と悪夢は見なかった…。
ただ静寂の広がる世界にボクはいた。
今、この現実も音ひとつない世界だ…。
誰もいない廃墟には、何もない…。
そこにかつては人がいたという歴史さえも感じられない。
十神「苗木!!…逃げるぞ!!」
苗木「え!?」
その沈黙を破ったのは十神クンだった。
逃げる…?何から?
まだ覚醒しきっていない頭で考える。
まさか、絶望の集団に見つかった!?
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- 5 : 2014/12/24(水) 05:52:47 :
十神「ここは、もうダメだ!!今すぐ逃げるぞ!!」
苗木「待って!!みんなは…どこにいるの!?」
十神「今は、あいつらを探している余裕はない!!…大丈夫だ!!あいつらも馬鹿じゃない!!きっと逃げているはずだ!!」
苗木「う…うん!!」
ボクは十神クンと駆け出した…。
霧切さん、葉隠クン、腐川さん、朝日奈さん!!
無事でいてくれ!!
絶望を振り切るように、前へと走る…。
ボクたちを希望として認めない連中から…世界にはびこる絶望から…。
なんで放っておいてくれないんだろう…。
そんなに希望が嫌いなんだろうか…。
十神「奴らはまだ俺たちがどこにいるのかまでは気付いていないだろう…囲まれては面倒だ…様子を見て裏口から逃げよう!!」
苗木「うん…わかった!!」
十神「!?…苗木…すぐにあっちに行くぞ!!」
苗木「!?…なんで!?裏口はこっちじゃないか!!…って」
ボクは絶句した…十神クンの言っていることを理解した…。
なんなんだ…これ…?
言葉は理解していても、頭ではわからない…。
十神「見るな!!苗木!!」
そこには変わり果てた…霧切さんの姿があった。
たぶん、霧切さんだよね…?
爆発にでも巻き込まれたのか…その身体は焼け爛れている…。
でも、わかる、わかってしまう…。印象的な手袋だけは残っていたから…。
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- 6 : 2014/12/24(水) 05:53:16 :
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事態が飲み込めない…ボクはその場に立ちすくんでしまった…。
十神「何をしてるんだ!?苗木!?ここで死ぬつもりか!?」
十神クンがボクの手を引っ張る…。
ボクはふらふらしながらも走る。
生への執着か…これは人間の本能なのか…。
ボクは走りながらも、霧切さんの死体について考えていた…。
どう考えても、あれは彼女だった。
どんなに強くあろうとしても。
失うものは失ってしまう…。
改めて、認識する…。
ボクたちが今いる世界はそういう世界なんだ…。
なんとか逃げのびたか…。
細心の注意を払ってはいた…。
だが、多勢に無勢…。
俺たちを追い詰めようとしているのは巨大な何かだ。
それは組織ではない。それは集団ではない。
人の心に必ず存在している…悪意だ…。
苗木には黙っていたが、あの状況でおそらく他のものたちが生きているとは考えづらかった…。
葉隠、朝日奈、腐川、そして…霧切…。
十神「こんなに簡単に逝ってしまうのか…!!」
俺は涙した。
今、苗木は近くにはいない…。
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- 7 : 2014/12/24(水) 05:53:38 :
苗木には俺の涙など見せられない…。
俺まで心が折れてしまえば、今の苗木を誰が支えるというのだ!!
自分を騙せ!!
俺はあいつを何がなんでも支えてやらなくてはならないんだ!!
苗木「はは…あっはっはっはっはっはっはっは!!」
苗木!?
聞いたことのない声で苗木は笑っている…。
すぐに苗木のもとへ駆けつける…。
苗木「十神クン…どうしたの?」
十神「どうしたの…だと!?…それはこちらのセリフだ…!!おまえこそどうしたと言うのだ!!」
苗木「どうもしていないよ…大丈夫ボクは幸運だからね…」
アハハハハハハハハハハハ!!
そういうとまた苗木は笑いだす…。
俺は止めることができなかった。
俺は弱い…。
俺には何もできないのか…。
苗木は声が枯れてしまっても…
声がでなくなっても、ずっと、笑っていた…。
ほどなくして、俺たちは未来機関へと拾われた…。
未来機関の人間は最初は戸惑っていた…。
なにせ、俺たちの容姿は今までとはずいぶん異なっていたのだからな…。
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- 8 : 2014/12/24(水) 05:54:39 :
苗木「ねぇ…十神クン…また、暴飲暴食ばかりしているの?」
十神「食べるときに食べておかなければ…どうする」
苗木「君は本当に変わったね…」
十神「おまえこそ…変わったな…」
俺の体重は多大なるストレスによるものだろうか…。
日に日に増して言っている…。
苗木はというと…今までの自分を振り払おうとでもしているのか…。
背は伸び、顔つきも変わり、髪の色までも変色していた…。
あの過酷な環境で生きた結果か…。
はたまた、苗木自身が弱い自分を否定しつづけた結果か…。
苗木「ねぇ…十神クン…希望は絶望なんかに負けないよね…」
十神「ん…急にどうした?」
苗木「いやさ…どんなに絶望に負けたとしても、最後には希望が勝つんだと思ってさ…ボクは信じているよ…この先なにがあったとしても…希望が最後に勝利するってね…」
十神「苗木…」
例え…苗木がどんなに変わってしまっても…、例え絶望になろうとも…、
俺はおまえを見捨てたりはしない…。
いつか、お前を救って見せる…。
必ず…!!
この後、俺たちは未来機関により、新世界プログラムの中へと連れて行かれることになった…。
【END】
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