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ウォールマリア陥落事件に関する資料
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- 1 : 2014/12/12(金) 00:08:05 :
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この書類はウォールマリア陥落事件を記した書記に自分個人が注釈・編集を加えたものであり、845年当時の情勢を知るうえで大変貴重なものである
なお、この後に出てくる「私」とはこの書記の執筆者(詳細不明)であり、今ここで筆を執っている自分のことではない
また、この書記の詳細な執筆年も不明であるが、少なくとも850年のトロスト区防衛戦以降のものであることが文脈から読み取れるため、執筆者の記憶に誤差が生じている可能性も留意されたい
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- 2 : 2014/12/12(金) 00:41:31 :
- 私の生家は今は無きシガンシナ区(※1)の大通り沿いにあり、調査兵団の出陣や駐屯兵団の新兵就任式典(※2)等は窓から観察することができた
そしてまた、巨人との戦いに敗れ、傷ついた姿で帰還してきた兵士たちの姿も、私にとっては見慣れたものであった(※3)
私の父は町内どころかマリア内でも有数の資産家であり、このような最前線の町ではなく内地で暮らすことも可能だったのだが、生まれつきらしいどケチな性格(※4)と愛郷精神により、周囲からの冷たい視線(※5)を受けながらも町に居座り続けたのだった
そんな日常が果てしなく続くかと思われたある日、ちょうど昼過ぎ辺りだったか、マリアとは反対側の壁付近で大きな爆発音が鳴り響いた
私は最初は砲弾か何かを落としたのだと思って気にも留めなかった(※6)が、もう一度、先程よりも大きな爆発音が鳴り響くと同時に悲鳴が聞こえた
さすがに何かあったなと悟った私が大通りへ飛び出したその瞬間、先程まで私がいた場所(※7)に大きな岩の破片が刺さった
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- 3 : 2014/12/12(金) 01:00:42 :
- ※1ウォールマリア最南に位置する当時の最前線にあたる町
※2毎年新たに着任した兵士が隊列を組んで行進するのが慣例となっていた
※3当時の調査兵団の活動頻度は明確になっていないが、資料等から壁外遠征は一年に一度ほどであったと推測される
※4前述のようにシガンシナ区は当時の最前線であり、最も危険度が高かった。そのため王政府(当時)はその町の住民を英雄として祭り上げ、税に融通を聞かせることで人口の減少を防いでいた。文中のどケチとは減税への執着であると思われる(最も、住民のほとんどが危機感など持ち合わせておらず、減税や名声等のメリットしか考えていなかったと思われる)
※5当時の壁内は一部を除いて裕福であったとは言い難く、資産家や商人の元締め等は羨望の的であると同時に嫉妬の目を向けられることも多かった
※6事実、町の住民の大半が地震や事故の類と勘違いしていた
※7明確な場所はわからないが、おそらく彼(あるいは彼女)の生家であると思われる
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