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アルミン「アニの絵画プロジェクト」
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- 1 : 2013/11/16(土) 00:10:49 :
- どうも、高い高いしてあげるの会、代表取締役のアニハーです。
2話です。
1話アニ「アルミンの友達100人プロジェクト」
http://www.ssnote.net/archives/2464
↑を読んでいない方はこちらからお願いします。
1話ごとに1人称が入れ替わります。
良ければコメントなどください。泣いて喜びます。
↓も良ければ見てください
処女作
アルミン「泣いている理由を30文字以内で答えろ」
http://www.ssnote.net/archives/672
↑のアニ視点 アニ「未回答」
http://www.ssnote.net/archives/1458
エレン「って事があってよー」アルミン「www エレンアホすぎワロタ」
http://www.ssnote.net/archives/1021
アルミン「駄目な首席と鈍感男をくっつける」
http://www.ssnote.net/archives/1103
アルミン「座学トップのイケメンと女型の巨人の暇潰し」
http://www.ssnote.net/archives/1339
パート2
http://www.ssnote.net/archives/2253
コニー「天才オシャレ頭の誕生日」
http://www.ssnote.net/archives/1376
エレン「罰ゲーム」
http://www.ssnote.net/archives/1971
アルミン「ビーチフラッグやるぞ」エレン「御意」
http://www.ssnote.net/archives/1775
一応雑談スレ
http://www.ssnote.net/archives/2347
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- 2 : 2013/11/16(土) 00:11:44 :
- 時間があるときに更新します
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- 3 : 2013/11/16(土) 00:14:57 :
- 楽しみだ期待です!
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- 4 : 2013/11/16(土) 00:31:20 :
- 期待そして応援
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- 5 : 2013/11/16(土) 01:06:16 :
- 頑張ってください!
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- 6 : 2013/11/16(土) 07:37:15 :
- 期待です!
頑張ってください!
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- 7 : 2013/11/16(土) 10:18:23 :
- わくわく(´∀` )
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- 8 : 2013/11/16(土) 10:19:49 :
- 期待してます!
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- 9 : 2013/11/16(土) 18:35:02 :
- 期待してます
-
- 10 : 2013/11/16(土) 18:35:29 :
- 期待
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- 11 : 2013/11/16(土) 19:31:31 :
- 皆さんコメントありがとうございます!
書き始めます
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- 12 : 2013/11/16(土) 19:33:28 :
- アニ「アルミン、この色とこの色合わせたら何になるんだい?」
パレットに出された2色の絵具をぐりぐりと乱暴にかき混ぜるアニ。
混ぜてから聞かないでよ....
アルミン「む....紫だよ」
アニがポロっと筆を落とした。
アニ「先に言いなよ!茶色を作りたかったのに!!」
そんな事言われても....
アルミン「アニって絵とか描いたことないの?」
筆を拾い上げアニに手渡す。
アニ「私にそんな趣味があると思う?ありがとう」
言いながら筆を受けとる。
アルミン「無いと思う」
あるなら、それも魅力的だとは思うけど。
まあそれは、言わないでおこう。
そのアニがなぜ今、絵を描いているのか....
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- 13 : 2013/11/16(土) 19:36:08 :
- それは僕がアニに告白してから少し経った日のことだ....
アニ「絵画展覧会?」
ミカサ「そう。と言っても訓練兵団内で行われる小規模なイベントだけど....」
その日僕は、アニ、ミカサ、エレン、クリスタの5人で夕食を食べていた。
何かの会話で思い出したかのように、展覧会を知らせる紙をポケットから取り出した。
エレン「その展覧会とやらは、訓練兵が描いた絵を展示するのか?」
スプーンをミカサに向けて話すエレン。
ミカサ「そう」
アルミン「展示すると言っても僕らは、絵を描いてないし参加できそうもないね」
食べる手を止めて僕は言った。
アニ「参加するつもりもないけど」
そっぽを向くアニ。
ミカサ「展覧会までまだ一月以上ある。そこで提案。私たちも、それぞれ絵を描いて参加してみよう」
クリスタ「おもしろそう!私やりたーい」
パンを一口サイズにちぎるクリスタが手をあげる。
ミカサ「エレンは?」
エレン「ん~めんどくさいし、俺はいいかな」
ミカサ「優秀作品はなんと豚肉」
エレン「なんだと!?ミカサお前も描け!」
エレンが机を叩いて勢いよく立ち上がる。
サシャがいまここにいない理由がよくわかったよ....
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- 14 : 2013/11/16(土) 19:38:45 :
- ミカサ「アルミンは?」
ミカサが僕を見る。
アルミン「皆が参加するなら....」
エレン「じゃあ決まりだな!」
決められちゃったよ....そんなに豚肉が食べたいのか?
ミカサ「アニは?」
全員がアニを見る。
アニ「私はいい、絵なんて描けないし....豚肉もいらない」
クリスタ「そっかー残念....」
そっぽを向いたまま言うアニの肩をミカサが突然つついた。
アニ「ん?」
ミカサ「ゴニョゴニョ....」
アニの耳元でミカサが何かを囁く。
アニ「ちょっ!!ミカサ!」
するとアニが顔を真っ赤に染めてミカサの方を向く。
??
ミカサは何て言ったんだろう。
アニ「なに見てんのさ!」
アニが今度は僕を睨む。
え?僕だけ!?
クリスタ「アニ?どうしたの?」
クリスタがアニの袖を掴んだ。
可愛い。
アニ「クリスタ....大丈夫、何でもないから」
まだアニの顔は赤い。
ミカサ「アニも参加するって」
アニに拍手するミカサ。
エレン「お!じゃあ誰かが優秀作に選ばれたら肉分けようぜ肉!」
アニ「ちょっと待って!私まだ出るなんか....」
ミカサ「アニ!頑張ろう?」
ミカサがアニに微笑む。
数日前までのことを思うと、信じられない光景だ。
アニ「....私も豚肉欲しいし、仕方なく描くよ....」
さっきと言ってる事が違うよ?
エレン「アルミン」
アルミン「ん?」
エレン「そろそろ座っていいか?」
どうぞ?というかなんでずっと立ってたの....
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- 15 : 2013/11/16(土) 19:39:00 :
- バイトなんでここまで
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- 16 : 2013/11/16(土) 20:04:14 :
- 頑張れ
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- 17 : 2013/11/16(土) 22:08:42 :
- ニヤニヤが止まらないw
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- 18 : 2013/11/16(土) 22:11:18 :
- いいね!
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- 20 : 2013/11/17(日) 12:17:40 :
- 少し更新します。
よければ見てください
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- 21 : 2013/11/17(日) 12:20:37 :
- というわけで僕らは、展覧会に向けて絵を描いている。
参加者は前もって教官に申し出れば、しばらくの間、自由時間にいくつか空いている部屋の使用を許可された。
僕とアニがいるのは、多目的室の隣にある準備室だ。
多目的といっても訓練以外することない僕ら訓練兵にとって、ほとんど使用することのない部屋。
その準備室となると尚更使用しないため、落ち着いて絵も描けると思いここを選んだ。
....別にアニに悪戯しようなどとは考えてない。
アニ「アルミン、ここは何色にするんだい?」
アニのパレットは、沢山の色が譲らぬ自己主張をしあい、既にダークサイド化している。
アルミン「やっぱり木は緑じゃないかな?色を少し濃くして影を表現したりすることも必要だね」
アニの絵を覗く。
これは酷い....
まるで子供の絵日記じゃないか....
[きょうは おじいちゃんと ぴくにっくにいきました とてもたのしかたです。]
こんな文章が頭で完成する。
アニ「....アルミン?」
ん?
アニ「私の絵どう思う?」
うう....困る質問だな...
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- 22 : 2013/11/17(日) 12:23:21 :
- アルミン「こ....個性的でいいとおもうよ?」
アニ「それって誉めてるの?」
アルミン「うん....」
アニ「ならいいけど....」
正直、こんな絵を展覧会に出品してしまったらアニが訓練兵団の笑い者になってしまう....
なんとかしなければ。
アニを救えるのは僕だけなんだ!
アニ「影を描くのは難しいよ....」
アニが筆を動かしながら言う。
ああ!絵日記に突然ブラックホールが....おじいちゃん逃げて!
とりあえずパレットを洗うべきではないだろうか。
ダークサイド化したパレットに今さらどれだけ綺麗な色を加えようが、その世界が変わることはない。
それにしても....
本当に絵を描くのは、初めてみたいだね。
まあ、僕自信も小さい頃、おじいちゃんに教えて貰った程度にしかできないから、偉そうなことは言えないけど....
せめて僕でもわかるような基礎知識は教えてあげよう。
とりあえず、この平面世界をどうにかする。
アルミン「アニ」
後ろからアニの肩を叩く。
アニ「ん?」
振り返るアニ。
可愛い。
アルミン「遠近法とか知らないの?」
僕から目をそらし遠くを見るアニ。
その後、何か思い付いたのか再び僕と目を合わせる。
アニ「......私は近距離攻撃しかできない」
言ったあとに少しはにかむ。
アニ「....駄目?」
アルミン「駄目」
つまらないから駄目。
可愛いけど....駄目。
描くだけでなく知識もないのか。
でもどう教えようか....
ん~
....絵画の参考書でも見にいこうかな?
そう思い僕は、扉の方へ向かった。
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- 23 : 2013/11/17(日) 12:24:18 :
- 誤字は気にしない!きに....しない....
とりあえずここまで
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- 24 : 2013/11/17(日) 12:27:29 :
- おじいちゃんがツボったwww
おじいちゃん逃げて!
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- 25 : 2013/11/17(日) 12:47:59 :
- アニかわいいなぁ
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- 26 : 2013/11/17(日) 14:38:59 :
- ブラックホールてwww
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- 27 : 2013/11/17(日) 14:40:20 :
- この、アニかわいい
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- 28 : 2013/11/17(日) 14:45:11 :
- ボケアニいいなw
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- 29 : 2013/11/17(日) 15:26:44 :
- アニハーさんマジでアルアニ界の神ですね
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- 31 : 2013/11/17(日) 17:08:35 :
- >>29※このコメントをお気に入りに追加しました。
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- 32 : 2013/11/17(日) 19:16:18 :
- ちょっと更新します!
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- 33 : 2013/11/17(日) 19:22:56 :
- アニ「ちょっとアルミン!どこいくんだい?」
アルミン「ん?ちょっと参考書を見に行こうと思って....」
アニ「そんな事いちいち報告しなくていいよ!」
えー!?
むちゃくちゃだよ....
「行かないでアルミン」とか言ってくれればな~
まあ、アニに限って言うわけないか....
そう言えばアニは、告白の返事を考えてくれたんだろうか?
僕は思いきって聞いてみることにした。
アルミン「アニ」
アニ「何さ」
冷たく返事するアニ。
心は既に、描かれたブラックホールの中に吸い込まれてしまったようだ....夢中に筆を動かしている。
アルミン「告白の返事....考えてくれた?」
しばらく沈黙するアニ。
アニ「....金色ってどうやって作るんだろう」
??
アルミン「アニ?」
再び名を呼ぶとアニは、ゆっくりと顔をこちらに向けた。
アニ「は....早く行きなよ!顔を黒く塗り潰されたいのかい!?」
ひぃぃ
アルミン「ごめんなさーい!」
勢いよく外に飛び出す。
はあ~怖い。
何もあそこまで怒ることないじゃないか....
-
- 34 : 2013/11/17(日) 19:26:43 :
- ため息をひとつ吐いて、書物室に足を進めた。
僕に気が無いなら、いっそのこと振ってくれれば楽なのに....
考える。
彼女はそう言った。
本当に考えてくれてるのかな?
もしかしてこのまま無かったことにするつもりじゃないよね?
急に不安になってきた....
!
駄目だ駄目だ!今はアニの絵の酷さをなんとかしないと....
あのレベルの絵ならその辺の巨人でも描けちゃうぞ?
ハハハ、言いすぎか....
ミカサ「アルミン」
アルミン「わあ!!」
突然の呼びかけに思わず声をあげた。
アルミン「びっくりした....ミカサか」
ミカサ「向こうから歩いてくるのが見えた。考え事?」
気づかなかった....
アルミン「うん....アニの絵が思ったより酷くてさ....教えようにも僕も知識があるわけじゃないからね。ちょっと参考書でも見に行こうとしてたところさ」
ミカサ「アルミンは優しい。きっとアニも喜ぶ」
だといいけどね....
アルミン「そういうミカサはどうしたの?」
ミカサ「私は二人の進行状況を確認しに来た」
そう言えば自分の絵のこと、すっかり忘れてた....
絵画のテーマは自然。
僕は川を描くことにしていたのだが....それどころじゃない....
アルミン「僕たちは、ほとんど進んでないよ。ミカサは?」
ミカサ「私とエレンはまあまあといった状態。多分展覧会までには完成すると思う。サシャやクリスタも同様」
....つまり遅いのは僕達だけか。
困ったな。
ミカサ「アルミンが参考書を見ている間、私がアニの絵を指導してくる」
ミカサが?
アルミン「できるの?」
ミカサ「小さい頃お母さんに教えて貰った。今でもたまに描いてる」
アルミン「そうたんだ?描いてるところ見たこと無いよ?」
ミカサ「エレンに見つかるとバカにされるから隠れて描いてる」
へー。
ミカサにエレン以外の趣味があったんだ?
ミカサ「じゃあ....アニのこと見てくる」
アルミン「うん、よろしくたのむよ」
そう言って僕はミカサに背を向け、再び足を進めた。
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- 35 : 2013/11/17(日) 19:27:13 :
- ここまで
-
- 36 : 2013/11/17(日) 22:33:21 :
- 金色…( ゚д゚)ハッ!
そうか…ライナーを描くんだね!
-
- 37 : 2013/11/17(日) 22:45:51 :
- エルヴィンだな。
-
- 39 : 2013/11/17(日) 23:02:09 :
- >>38
吹いたwwww
-
- 40 : 2013/11/18(月) 00:34:27 :
- ....ふむふむ
なるほど~....わからん。
僕はバタンと本を閉じた。
ふぅ。専門用語ばかり分かっても肝心なコツとかが書いてない。
やっぱり絵も訓練と同じで日々の努力で上達していくものなのだろうか。
結局大した収穫はなかったな....帰ろう。
取り出した本をもとの位置にもどし、僕は書物室を後にする。
コニー「よお!アルミンじゃねぇか!」
準備室に戻る途中、コニーに話しかけられた。
アルミン「やあコニー、相変わらず元気だね」
コニー「そうか?でもそうかもな!もうすぐ豚肉が食えるからなー」
コニーが口からでたヨダレを拭く。
アルミン「コニーも展覧会に参加するの?」
コニー「まさか。俺が絵を描けると思うか?」
思わない。
コニー「俺が描くわけじゃなくてこいつが描くんだ!」
コニーはそう言うと[こいつ]と呼ばれる人間を僕の視界に引っ張ってきた。
モブ「ども....」
アルミン「こんばんは」
コニー「こいつ、趣味が絵を描くことらしいんだ!だからよ、俺が票を入れてやるから豚肉を少し分けろって手を組んだんだ」
アルミン「票?」
コニーに聞く。
コニー「なんだ?しらねぇのか?優秀作は投票の多さできまるんだぜ?その票は俺達訓練兵が1人1票誰かの作品を投票して、今言ったように、最も票が多かった奴が優秀作品に選ばれるんだ」
そうなんだ....まさかコニーに教えられる日がくるなんてね....僕ももっといろんなことを勉強しないと....
コニー「アルミンも出るのか?」
アルミン「うん....そのつもり」
コニー「じゃあお互い頑張ろうぜ!余ったら豚肉わけてやるからよ!」
モブ「必ず勝つよ!」
選ばれる気満々だな....
アルミン「ありがとう。じゃあね!コニー、それとダズ」
コニー「またな!」
モブ「うん!」
ダズは絵が趣味なのか....知らなかった。
よーし!僕も頑張るぞ!
そんな事を思ってるうちに準備室にたどり着く。
静かに扉を開けた。
アルミン「アニ、ミカサ、進んでるかい?」
しかし、そこには二人の姿が無かった。
あれ?
二人ともどこ行ったんだろ....
寂しくなってエレンと3人で描いてるのかな?
僕が一人ぼっちじゃないか....
まあいいや....今のうちに自分の絵を進めよう。
-
- 41 : 2013/11/18(月) 00:35:14 :
- >>39何に?w
-
- 42 : 2013/11/18(月) 06:40:48 :
- >>41
エルヴィンは髪の毛ないじゃないですか、にw
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- 43 : 2013/11/18(月) 08:03:21 :
- >>42なるほどw
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- 44 : 2013/11/18(月) 14:42:31 :
- コニーこそ絵日記になりそう
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- 45 : 2013/11/18(月) 16:32:02 :
- アニハーさんの書くアニはほんとかわいい。
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- 47 : 2013/11/18(月) 19:03:35 :
- 更新します
-
- 48 : 2013/11/18(月) 19:07:02 :
- しばらく時間がたつ。
うーん結構描けてきたけど、これだけ集中するとさすがに目や肩が痛い。
そろそろ就寝時間だし、今日はこれくらいにしとくかな。
ぐーっとその場でのびをする。
ふう....
ガチャ
扉が開く音が聞こえた。
アニがひょこっと顔だけを出す。
アニ「あんたまだいたの?」
アルミン「うん。でもそろそろ寮に戻るよ」
言いながら僕は、汚れたパレットを洗う。
ふふふ、ちなみに僕のパレットは、ダークサイドではなく、七色に染められたレインボーワールドさ。
アニ「そっか」
中に入り、バタンと扉を閉めるアニ。
アルミン「アニも遅かったね?どこいってたの?」
アニ「ミカサとクリスタで寮の自室で描いてたよ」
そう言ったアニは、両手で持つその絵をイーゼルに乗せた。
自室ってことは、エレンも一人だったのか....
ところで....
アルミン「あれから進んだ?」
アニ「ん、ちょっと進んだ」
そう言うとアニは、イーゼルに乗った絵をこちらに向ける。
は?
凄い!
絵日記じゃなくなってる。
流石に上手いとは言えないが、最初を知ってる分、感動は計り知れない。
ミカサは、どんな教え方をしたらアニのブラックホールをドロップアウトさせることができたんだろうか。
-
- 49 : 2013/11/18(月) 19:09:06 :
- 影の表現、遠近法も上手くなって、少しは見れる絵になってきた。
いったい何枚紙板を犠牲にしたのだろうか....
アニ「何か言いなよ」
アニが僕を睨みつける。
そうだった。
アルミン「えっと....絵を素直に見せてくれるところが可愛い!」
ちょっとイジワルしてみる。
アニ「え?あ....アンポンタン!私の事じゃない!絵を見なよ絵を!」
アルミン「そんなに怒らないでよ....」
アニ「う....うるさい!この..すっとこどっこい!」
アルミン「酷いなぁ」
顔を真っ赤にして絵の後ろに隠れるアニ。
うむ、実に可愛い。
これは、絵になるね....
オホン、一応解説するとアニが絵に変身するという意味ではない。
これ以上、イジワルするのは危険だ。イーゼルごと絵をぶん投げてくるかもしれない....と、僕のたっぷりつまった汁だく脳みそが、全身に信号を送った。
アルミン「かなり上達したね。ミカサの指導が良かったのかな?」
アニ「うん、ミカサの教え方がよかった」
少し微笑み、自分の絵を見るアニ。
アニ「クリスタも教え方が上手だった」
僕もクリスタに教えてもらおうかな?
アニ「アルミンは?そんなに興味ないけど」
アニが首を長くして僕の絵を覗く。
本当に興味ないの?
アルミン「僕は....こんな感じ」
絵をアニに向ける。
アルミン「どうかな?」
アニ「....」
アニ?
アニ「えっと....絵を素直に見せてくれるところが可愛い!」
........。
アルミン「それ、僕が言った台詞だよね?仕返しのつもり?」
アニ「....駄目?」
アルミン「駄目」
僕が言うと、アニは舌打ちをした。
この子面白いな。
-
- 50 : 2013/11/18(月) 19:09:26 :
- バイトなのでここまで
-
- 51 : 2013/11/18(月) 19:39:49 :
- アニがヤッターマンのドロンジョ化してるwww
-
- 52 : 2013/11/18(月) 19:46:28 :
- >>51まじかwww アルドロになるな
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- 53 : 2013/11/19(火) 10:26:06 :
- 続きは~?
-
- 54 : 2013/11/19(火) 17:30:15 :
- >>52
アルドロてww
-
- 56 : 2013/11/19(火) 19:00:27 :
- 更新します
-
- 57 : 2013/11/19(火) 19:02:12 :
- それから数日が過ぎた。
絵も描いていると意外と楽しいものだ。
今日もいつものようにアニと二人で絵を描くために準備室に向かう。
アルミン「アニ?いるかい?」
扉を開けるとそこにアニの姿は無かった。
まだ来てないのかな?
いつものポジションにイーゼルをたて、その上に自分の絵を置き、前にある椅子に腰をかける。
展覧会まで後半月。正直、とても優秀作品に選ばれるような絵ではない....
今は楽しいから描いているといった感じかな?
絵を描けるこの自由時間が楽しみだった。
勿論、描くのが楽しいってのもあるけど、それ以上にアニと話せるのが嬉しい。
ガチャ
扉が開く音がした。
エレン「おっすアルミン」
エレンが姿を見せる。
アルミン「なんだエレンか」
エレン「なんだってひでぇな」
今の話のくだりだと普通アニが来ると思うのは僕だけじゃないはず。
アルミン「ごめんごめん、冗談だよ。どうしたの?」
エレン「これを見てわからんか?」
そう言ってエレンは、僕に自分の絵を掲げた。
エレン「ここで描いていいか?」
-
- 58 : 2013/11/19(火) 19:03:19 :
- 高い高いの会ってなんですか?
-
- 59 : 2013/11/19(火) 19:05:42 :
- アルミン「ミカサは?」
エレン「自室で描くって言ってたぜ?一人で描くと集中出来なくてな」
ということはアニもそうなのか....
残念。
エレン「アニの椅子借りていいよな?」
エレンがアニの椅子を指差す。
アルミン「いいんじゃない?」
僕が言うとエレンは、乱暴に椅子に座る。
エレン「アルミン、おまえの絵はどんな感じだ?」
アルミン「こんな感じだけど」
僕はそう言ってエレンに絵を向ける。
エレン「おまえやっぱ器用だよな、上手いぞ」
アルミン「そうかな?ありがとう」
上手いのかな?自分ではよくわからない。
エレン「俺のはどうだ?」
エレンが僕に絵を見せる。
木が一本。
....だけ。
アルミン「どう反応すればいいのか困るよ」
エレン「だよな」
苦笑いをするエレン。
エレン「バーンとあの超大型大樹を描きたかったんだけどいまいち迫力がないよな」
両手を広げてその大きさを表現する。
アルミン「それなら少し離したところに小さい木を描くとかして大きさを表現するとか?ちょっといいかな....」
エレンの筆を借りて彼の絵に手を加えた。
アルミン「こんな感じはどうかな?」
エレン「おお!やるな!流石アルミン」
よせやい!照れるじゃないか。
アルミン「というか、ミカサは教えてくれなかったの?」
エレン「最初は教えてくれてたんだかよ、最近はアニとクリスタとばっかり描いてるから聞けねぇんだ」
ああ、確かにね。
さらにエレンは続ける。
エレン「んで一人で描いてたんだが、なんかインパクトがなくてな。中盤まで描いてたんだがこの超大型大樹を描こうと思って新しく描き始めたってわけだ」
もう時間がないのによくそんな勇気があるね....
勇気と言うより無謀....か。
エレン「それにしてもミカサ達最近仲いいよな?」
エレンが片方の眉を上げながら言う。
アルミン「ミカサも初めての女友達だからね、やっぱり楽しいんじゃないかな」
エレン「そうか....まあどうでもいいけどよ」
言い終わると絵を描き始めるエレンの耳は赤く染まっていた。
なんか可哀想だし....手伝ってやるかな。
-
- 60 : 2013/11/19(火) 19:05:54 :
- ここまで
-
- 61 : 2013/11/19(火) 19:06:51 :
- >>58僕もわからない。
今は、アニハー隊の名前の候補になってます
-
- 62 : 2013/11/19(火) 21:26:39 :
- 1話から改めて読み直すと、エレン確かにカワイソスw
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- 63 : 2013/11/19(火) 21:38:27 :
- 期待×100000000000
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- 65 : 2013/11/19(火) 23:31:35 :
- エレンの絵を手伝ってからしばらく時間が過ぎたころ。
突然扉が勢いよく開かれた。
バターン
クリスタ「やっほー!!捗ってるかね諸君!」
男臭い準備室の封印を解き放ったのは、クリスタだった。
エレン「おい、クリスタ....びっくりするだろ!」
クリスタ「ごめんね、ちょっと様子を見にきたの」
小さい足を動かし僕の側による。
クリスタ「ふむふむ、アルミンいい感じだね!川の表現も上手だし、これだけ綺麗な川なら私、泳ぎたいな~。アルミンも一緒に泳ごうね!」
承知....
っは!いかん!私には妻が....
あぶないあぶない。
もう少しで天使の繭に包み込まれるところだった....。
アルミン「ありがとうございます」
クリスタ「何で敬語なの?」
クスクスと笑うクリスタは軽やかなステップでエレンの後ろに立つ。
クリスタ「わぁ、おっきいね!他の力を借りずに逞しく生きるこの勇敢な姿。まさにエレンって感じ!素敵」
エレン「ありがとうございます、ありがとうございます」
ダブルスイング・サンクスだと!?
へらへら笑うエレン。
エレンは彼女の繭に包み込まれてしまったか....
-
- 66 : 2013/11/19(火) 23:33:04 :
- 妻っておいwww
アニは我のものじゃ
-
- 67 : 2013/11/19(火) 23:34:17 :
- 死に急ぐな....エレン。
ミカサに見つかる前に自分を取り戻せ!!羽化れる暇はないぞ?
....座布団ください。
クリスタ「二人とも変だよ?」
心配そうに僕らを見るクリスタ。
君のせいだよ。
エレン「おまえは自分の絵書かなくて大丈夫なのか?」
エレンが口を開く。
するとクリスタは人差し指を立て、左右に動かしながら言った。
クリスタ「ちっちっち、甘いよイェーガー君」
エレン「イェーガー君!?」
クリスタ「私はもう完成してるの」
自慢気に腰に手を当てるクリスタ。
可愛い。
エレン「え?早いな....手抜きか?」
クリスタ「そんなことないよ!ちゃんと描いたもん!」
針を刺せば破裂しそうなほど、プクーと口を膨らませるクリスタ。
エレン「じゃあ見せろよ」
手のひらを上にして伸ばすエレン。
クリスタ「ダメダメ!展覧会までのお楽しみにだよ」
アルミン「僕らのは、見たのに....」
思わず声にでる。
クリスタ「男の子が細かいこと気にしたらモテないよ?」
クリスタが僕に笑みを向ける。
アルミン「ハハハ、それはどうも」
クリスタ「あっ、そろそろ自由時間も終わりだよ?私は寮に戻るね」
出口に向かうクリスタ。
エレン「おう!またな!」
アルミン「じゃあね、クリスタ」
僕らの見送りを受け取り、クリスタは部屋から出ていった。
エレン「ふぅ、じゃあ俺達も寮に戻るか」
アルミン「そうだね」
特に合図したわけでもないが、二人同時に立ち上がり、帰り支度をする。
エレン「頑張ろうぜアルミン!」
僕に拳を差し出すエレン。
アルミン「ああ、頑張ろう!」
彼の拳に自分の拳を軽くぶつける。
アルミン「絶対優秀作に選ばれて!」
エレン「豚肉パーティーだ!!」
互いに笑いあう。
たまには....男同士で描くのも悪くないね。
-
- 68 : 2013/11/19(火) 23:34:45 :
- ここまで!
-
- 69 : 2013/11/19(火) 23:35:09 :
- >>66僕のアニです
-
- 70 : 2013/11/20(水) 01:35:48 :
- 羽化は誤字ではないんです・・・
-
- 71 : 2013/11/20(水) 01:40:54 :
- 続き、楽しみにしてます!
-
- 72 : 2013/11/20(水) 01:42:21 :
- >>71ありがとー!そっちもはよ書きんしゃい
-
- 73 : 2013/11/20(水) 01:43:37 :
- >>72 はぁい(・∀・) 頑張りますっ
-
- 74 : 2013/11/20(水) 21:21:15 :
- 続き期待してます!
執筆頑張ってください!
-
- 75 : 2013/11/20(水) 23:33:09 :
- >>74ありがとうございます!一生懸命がんばります!
-
- 76 : 2013/11/21(木) 13:36:18 :
- 更新しますー
-
- 77 : 2013/11/21(木) 13:37:29 :
- 展覧会一週間前。
来るのが当たり前になった準備室で、終盤にさしかかった絵を描く。
隣には、今にも眠りそうなアニ姫。
絵の進行が遅いのか、どうやら夜遅くここに忍び込んで描いているらしい。
それを知った僕は、彼女を手伝おうとしたが、「もし教官に見つかったとき男女二人だと問題が大きくなる」と言って断られた。
ちなみに僕は悪戯するつもりはない。
-
- 78 : 2013/11/21(木) 13:39:48 :
- アニ「アルミン、ちょっと見てよ」
アルミン「はいはいなんでしょう」
アニに呼ばれて我に帰る。
言われた通りにアニの絵を見た。
その絵には、絵日記の面影はない。
アニ「ここをもう少し明るくしたいんだけど....どう思う?」
アニが筆の先で場所を指す。
アルミン「そうかな?僕はそのままでもいいと思うけど....」
少し絵から距離をとり、もう一度絵を見直す。
アルミン「うん、これくらいが丁度いい」
アニ「ふーん、じゃあ....そうするよ」
珍しいな。
アルミン「素直だね....なんか怖い」
アニ「....失礼だね。私はいつだって素直だよ」
それはない....
アニ「アルミンは私より絵がうまいからさ、意見を聞いとくよ」
しょんぼりするアニ。
可愛い。
アルミン「アニも当初の絵日記に比べたら、かなり上達したよ!」
アニ「絵日記?」
しまった....
アルミン「違う違う!絵が元気って言ったんだよ!」
身体中から汗が噴き出すのがわかった。
アニ「何それ?意味がわからない」
目を細め僕を睨むアニ。
-
- 79 : 2013/11/21(木) 13:42:36 :
- アルミン「そそそそんなことよりさ!時間がないし早く描こうよ」
うまく口が動かない。
アニ「逃げた....」
ボソッと呟き、そのまま絵に顔を戻しで作業を再会するアニ。
ハハハ....
どうしよう....
そんなことを考えながら、僕も作業を再会する。
コマ送りのように時間は過ぎ....そしてついに絵を完成させた。
一応確認のため、絵をまじまじと見つめる。
うん、僕なりに頑張った....これ以上手を加えなくてもよさそうだ。
そう思うと尋常じゃない達成感が僕を包む。
凄く嬉しい。たとえ優秀作に選ばれなくても僕は満足だ....
趣味として取り入れてみるかな?
-
- 80 : 2013/11/21(木) 13:45:03 :
- アニ「完成した?」
アニが横目で僕を見ている。
アルミン「うん、終わったよ....疲れた」
僕が言うとアニは鼻で笑う。
アニ「あんた体力ないからね」
アルミン「ハハハ....そうだね」
女の子に言われると傷つくな....特に好きな子だと尚更だ。
アニ「終わったんなら、たまには早く寝たら?」
作業を続けながら言うアニ。
アルミン「心配してくれてる?」
アニ「してない」
僕の淡い期待はアニの一言で消え去る。
アルミン「アニの絵、手伝おうか?」
アニ「いい、私ももうすぐ終わるから」
首を横に振るアニ。
アルミン「そっか....じゃあ寮に戻るね」
僕はそう言って椅子から立ち上がり、落とさぬよう、絵をもちあげた。
アニ「そうしなよ」
アルミン「じゃあ....おやすみ、アニ」
アニ「ん、おやすみ」
アニに背を向けて扉の方に向かう。
アニ「アルミン」
ん?何だろ。
アニ「よかったら明日....手伝ってくれないかい?」
絵が邪魔をしてアニの顔が見えない。
アルミン「も、もちろんだよ!」
きっとアニも、僕の顔は見えないだろう。
それでも僕は笑顔で答えた。
彼女は今どんな表情をしてるんだろう....
覗くのは簡単だ。しかしそれをすれば、今の表情はきっと消えてしまうだろう。
だから僕は頭のなかで想像するだけにする。
見えないアニを見たまま動けなかった。
鼓動は、耳に聞こえるほど大きく打ち、自然と体も熱くなる。
今の状況をうまく言葉で言い表せない。
まだまだ勉強が足りないや....
分かるのはひとつだけ。
僕は....本当にこの子が好きなんだなってことだ。
-
- 81 : 2013/11/21(木) 13:45:27 :
- とりあえずここまで
-
- 82 : 2013/11/21(木) 15:51:18 :
- アルミンが可愛い
-
- 83 : 2013/11/21(木) 18:54:46 :
- >>82ありがとうございます
-
- 84 : 2013/11/22(金) 08:48:29 :
- こっそり更新
-
- 85 : 2013/11/22(金) 08:49:37 :
- アニの絵が完成したのは展覧会前日だった。
何とか自由時間内に書き終えた絵を多目的室に運ぶ。
サシャ「あ!アニとアルミン!間に合って良かったです」
サシャが到着した僕らを出迎える。
ミカサ「アニの絵はここに置いて。アルミンはここ」
前もって配られた絵の配置を記す紙を見ながらミカサが指をさす。
訓練後の脱力感に、絵にトドメをさした疲れが手伝い、へろへろになる僕は、ミカサの指示通りの場所に絵を置く。
エレン「本当にギリギリだったな、アニ」
アニ「うん」
しれっとした顔でエレンに答えるアニ。疲れてるのは僕だけらしい。
エレン「ミカサに手伝ってもらったのになんでこんなにかかったんだ?」
ミカサ「私は助言しただけで手を出してはいない」
エレンの問いかけにミカサが答える。
ミカサ「闘ったのはアニ自身」
アニ「なんで戦闘みたいな言い方するんだい?」
アニが会話に割り込む。
クリスタ「でも、間に合って良かったね」
アニの腕を掴みながら言うクリスタ。
微かに顔を赤く染めるアニを、僕のアニちゃん専用ビックアイが見逃さなかった。
-
- 86 : 2013/11/22(金) 08:52:26 :
- ザコ教官「注目せよ!」
何処からともなく姿を表した教官の叫びにより、まったりとした雰囲気が打ち消される。
教官が口を開く。
ザコ教官「明日はいよいよ展覧会だ!日々の....
....
....
まあ要するに、明日は頑張ろうってことが言いたいらしい。
教官は、話を終えると多目的室から姿をけした。
エレン達と話していたから気がつかなかったけど....参加者は結構多いみたいだ。まあ、賞品目的が多いんだろう。僕らもそうだからね....
わらわらと多目的室から出る訓練兵がいる中、僕たちは部屋の隅に集まった。
エレン「いいか?誰が優秀作になってもみんなで豚肉は分けるんだぞ?」
エレンが僕らに呼び掛けた。
クリスタ「そんなに食べたいんだね」
クリスタが手を口元にやり、フフフと笑う。
僕だって、どちらかと言えば食べたいがエレンほどの執着心はない。
ミカサ「明日の昼の自由時間から投票可能になる」
ミカサが紙を見ながら話す。
アルミン「そう言えば、僕ら参加者にも投票権はあるの?」
ミカサ「ある」
サシャ「自分に入れてもいいんですか?」
ミカサ「かまわない」
そうか....じゃあ0票という屈辱からは免れるね。いや、1票も変わらないか。
まるで壁外調査に行く我が子を見送る母親のように、明日そうなるかもしれない自分の哀れな絵を見つめながら僕は思った。
でも、そんな哀れな絵でも初めて自分で描いた絵なんだ....僕の中ではきっとあの絵が一番だよ。
なんてね。
親バカってやつかな?
-
- 87 : 2013/11/22(金) 12:44:50 :
- 次の更新はちょっと遅れるかもです
-
- 88 : 2013/11/22(金) 16:58:00 :
- 気長に待ちます
-
- 89 : 2013/11/22(金) 17:39:01 :
- >>88ありがとうございます
-
- 90 : 2013/11/22(金) 18:21:12 :
- 末永く待ちます
-
- 91 : 2013/11/22(金) 18:24:43 :
- 永遠に待ってます
-
- 93 : 2013/11/23(土) 12:10:53 :
- そんなに遅れなかった。
更新します!
-
- 94 : 2013/11/23(土) 12:12:01 :
- 展覧会終了後、僕とアニは準備室の清掃をしていた。
自由に使っていいと言われて、その言葉に甘えたらこんな罠があったなんて....
アルミン「残念だったねアニ」
椅子に腰をおろして頬杖をつくアニに話しかけた。
というかサボらないでよ。
アニ「まあ、わかってたことだからね」
結局、僕とアニの絵には数票しか入らず、優秀作品との投票数は、天と地程の差があった。
アルミン「食べたかった....豚肉」
アニ「あの子、全部食べちゃったからね」
賞品の豚肉を渡された優秀作品の作者は、僕らに分けることなく直ぐに調理し、自らの胃袋に賞品を贈呈した。
アルミン「まさか彼女が選ばれるなんてね」
優秀作品が発表された瞬間の彼女を思い出すと実に腹立たしい。
まるで王にでもなったかのようなあの満足気な顔....
アニ「でも確かに絵は良かった」
その絵を思い出しているのか、目を閉じながらアニが言う。
アルミン「まあ、食事抜きにしてまで描いていたからね」
豚肉に対する執念はエレン以上かも。
-
- 95 : 2013/11/23(土) 12:13:53 :
- アニ「私さ」
アニが目を開きこちらを見る。
アニ「あんたに票をいれたんだよ」
アルミン「本当?凄く嬉しいよ!ありがとう」
思わず声を張り上げた。
アニ「そんなに喜ぶことかい?」
アルミン「そりゃあ好きな子から貰えるものはなんだって喜ぶよ!」
僕が言うとアニはそっぽを向いた。
アニ「そんなこと、よく平気で言えるね」
平気じゃないよ、本当は君といるだけでこんなに胸が張り裂けそうなんだよ?
何故か言葉が出ず、ただ微笑むことしかできなかった。
少し落ち着いてから僕は言う。
アルミン「僕もアニに入れたんだよ」
アニ「そうかい....」
照れているのか、なかなか顔をこちらに向けない。
アニ「あんたさっき、貰えるものはなんだって喜ぶっていったかい?」
突然なんだ?
アルミン「好きな子からね」
アニ「うるさい!!」
一番重要なのに....
-
- 96 : 2013/11/23(土) 12:15:54 :
- アニ「あんたに絵をあげるよ」
アニは急に立ち上がった。
アルミン「え?あの絵は少しの間、多目的室に飾られるんだよ?」
アニ「それとは別」
そう言うとアニは、準備室に置かれた2つの棚の隙間から紙板を取り出した。
いつの間にそんなところに絵が....
紙板の裏を見せながら僕の前に立ったアニは、黙ったまま僕を見つめる。
アルミン「いつ描いたの?」
アニ「ミカサ達と自室に居るとき....」
絵の完成が遅れたのはこれのせいか....
アルミン「これを....僕に?」
僕は言ったが、アニの返事はない。
アルミン「アニ?」
アニ「....やっぱり見せるのやめる!!」
アルミン「ええ!?」
絵をギュッと抱き締め、今にも泣きそうな顔をするアニ。
アルミン「ここまで来て今さら見せないなんてひどいよ!」
アニ「だって....」
アルミン「だってじゃありません!」
僕が力強く言うとアニは渋々、絵をくるりと回す。
やっと披露されたアニの絵を見て、僕は唖然とした。
-
- 97 : 2013/11/23(土) 12:17:53 :
- 絵の正体....それは、とびっきりの笑顔でこちらを見る僕だ。
どうして僕なんだ?
アニ「はい、おしまい」
再び回転させて絵の裏を僕に見せる。
アルミン「ちょっと待ってよ!」
手を伸ばし絵を掴んだ。
アニ「何だい?」
アルミン「何だい?じゃないよ!」
聞きたいことは山ほどあるが....
アルミン「どうして僕を描いたの?」
アニ「ミカサに言われたから」
ふと、展覧会の存在を知った日、ミカサがアニの耳元で囁いたときの光景を思い出した。
アルミン「僕の絵を描けって?」
アニ「ちょっと勘違いされててね」
勘違い?
さらにアニは続ける。
アニ「目的は違うけどその意見を利用した」
話すごとに声が小さくなっていくアニ。
アルミン「目的?」
アニ「えっと....告白のお礼だよ」
体に雷が落ちたような衝撃が走る。
アルミン「え?それって....」
アニ「勘違いするんじゃないよ!あんたを恋人にするわけじゃないから!」
再び雷が落ちた。4発くらい落ちた。
-
- 98 : 2013/11/23(土) 12:21:27 :
- アニ「告白なんて、初めてされて....その、ちっとも嬉しくなかったから」
意味がわからん。
アニ「これはただのお礼だよ、返事じゃない」
アルミン「じゃあ別にフラれたわけじゃないんだ?」
アニ「フラれたいの?」
アルミン「やだ」
アニ「じゃあ....受け取ってくれるかい?」
照れくさそうに、絵を僕に差し出す。
好きな子が僕の為に描いてくれた絵だ。
それを受けとる以外の術を僕はまだ知らない....
知りたくもない!!
アルミン「ありがとうアニ!家宝にするよ」
アニ「家宝って....大袈裟だよ」
アニから絵を受け取り、もう一度描かれたハンサムボーイを確認する。
アニ「ごめんなさい、変な絵で....」
うつ向く彼女。
アルミン「そんなことないさ」
ふむ....
アルミン「僕っていっつもこんな顔で笑ってるんだ?」
絵を見ながらアニに聞いた。
アニ「そうだよ」
アニ、絵が上手になったんだね。
一生懸命練習したのかな?
僕のため?
どんどん胸が熱くなる。
アルミン「でもなんか凄い笑ってるな、恥ずかしい」
その胸の高鳴りを紛らわそうと僕が言った。
アニ「うん、描くときに思い浮かべたのがその顔だったから」
アルミン「え?」
アニ「ってのは嘘。本当はその顔しか覚えてなかっただけ」
そう言って僕に微笑むアニ。
胸が熱い。
僕が君の絵を描くなら今の顔を描きたい。
君は....どれだけ僕を夢中にさせる気なのさ
こんなに胸が熱くて痛いのに....
なんか幸せだね、片思いって。
2話おわり
-
- 99 : 2013/11/23(土) 12:23:32 :
- おわりです。
1話読んでないといろいろわからない内容だけど大丈夫かな?
よければ感想などいただけませんか?
ここまで読んでくれた方ありがとうございます!
高い高いしてあげる!
-
- 100 : 2013/11/23(土) 12:49:30 :
- お疲れ様でした!
ほっこりしたよ
-
- 101 : 2013/11/23(土) 13:12:53 :
- アルアニいいねー(笑)
続き期待してます‼
-
- 103 : 2013/11/23(土) 17:54:11 :
- アルアニは正義!!!!!
3話に期待!!!!!!!!
-
- 104 : 2013/11/23(土) 18:04:54 :
- め・ちゃ・く・ちゃ
良かった。
神はあなただったか
-
- 105 : 2013/11/23(土) 18:15:17 :
- お疲れ様~
凄く良かった続きも期待や!!
-
- 107 : 2013/11/24(日) 10:00:52 :
- 羽化のくだりセンスを感じた
-
- 108 : 2013/11/24(日) 10:13:52 :
- >>107伝わってよかったwww ありがとうございます!
-
- 109 : 2013/11/24(日) 10:28:56 :
- アルアニはいいですね~!
すごい面白かったです!3話に期待!
-
- 110 : 2013/11/24(日) 10:38:04 :
- >>109ありがとうございます!頑張ります
-
- 111 : 2013/11/24(日) 10:54:03 :
- 全部読んでました!すごくよかった! 次回作も期待です!
-
- 112 : 2013/11/24(日) 10:57:32 :
- >>111読んでくれてありがとう!
-
- 113 : 2013/12/03(火) 00:20:02 :
- http://www.ssnote.net/archives/3882
次!
-
- 114 : 2013/12/31(火) 09:05:29 :
- 良かったです
-
- 115 : 2013/12/31(火) 10:18:01 :
- >>114ありがとうございます!
-
- 116 : 2015/08/15(土) 12:39:16 :
- すげぇ!
-
- 117 : 2020/10/06(火) 13:28:32 :
- 高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
http://www.ssnote.net/archives/80410
恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
http://www.ssnote.net/archives/86931
害悪ユーザーカグラ
http://www.ssnote.net/archives/78041
害悪ユーザースルメ わたあめ
http://www.ssnote.net/archives/78042
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http://www.ssnote.net/archives/80906
害悪ユーザー提督、にゃる、墓場
http://www.ssnote.net/archives/81672
害悪ユーザー墓場、提督の別アカ
http://www.ssnote.net/archives/81774
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http://www.ssnote.net/archives/84057
害悪ユーザースルメ、カグラ、提督謝罪
http://www.ssnote.net/archives/85091
害悪ユーザー空山
http://www.ssnote.net/archives/81038
【キャロル様教団】
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何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
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