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貴女を守ります。命が果てるまで~あの人は太陽~*エレハン*
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- 1 : 2014/11/23(日) 01:19:00 :
- エレン×ハンジです!
シリアス寄りです♪
初のエレハンですが、がんばります!
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- 11 : 2014/11/24(月) 10:15:15 :
俺が悪いんだ…俺が!!
俺が選択を…間違えたから…!
みんな、死んだ…
俺が選択を間違えなければ……みんな…
みんな生きてたのに……!
なんで…なんで!!
エレン「うぅ…グスッ…えぐっ…」ポロポロ
此処は旧調査兵団本部。
そこに一人の少年の泣き声が静かに響いていた
ハンジ「今回も酷い有り様だったね……」
一人の女性が静かに言った
ハンジ「特に…エレンにはダメージが大きかったみたい…」
ハンジ・ゾエ 調査兵団で分隊長を務めている人物が
先程から泣きじゃくる少年を眺めて言った
ハンジ「……リヴァイ、何か言ってあげなよ…」コソッ
リヴァイ「…チッ…おい、エレン!」
リヴァイ 調査兵団で兵士長を務めている人物はツカツカとエレンに歩み寄った
エレン「ひぐっ…うっ…なっ…なんでっ…しょう…か…うぐっ…兵…ちょっ…グスッ…」
エレンは自分の頬を流れる涙を拭って、しゃくりあげるのを必死にこらえてやっとの思いで言った
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- 14 : 2014/11/26(水) 23:22:13 :
- リヴァイは大きな溜め息をつき、
リヴァイ「仕方ないだろ…命はいずれ果てるものだ。あいつらは少し早く逝っちまっただけだ…そう気を落とすな…」
そう言って、リヴァイは工レンの隣の椅子に腰を掛けた
その言葉に、驚きを隠せないといった様子でエレンが、
エレン「しかし!……いや、でも兵長は…どうして耐えれるのですか!?自分の大好きな人達が死んで、何も思わないのですか!?」
エレンの叫び声が食堂に響く
だが、リヴァイは静かに口を開らいた
リヴァイ「俺だって、言いたい事や思い残した事は山ほどある…」
エレン「!!」
エレンは兵長も同じだった事に驚き目を見開く
リヴァイ「だがな、エレンよ…この兵団に入団した時点でそういう状況は覚悟の上だ…」
リヴァイ「つまりは、お前はまだ未熟、という事だ…」
エレン「っ!…」
リヴァイ「そして、これからも今のような状況が沢山あるだろう、それをどう乗り切るかは、エレン、お前自身だ」
エレン「…………」
エレンは思わず、俯く
すると、今まで口を閉ざしていたハンジが元気づけるように言う
ハンジ「ま、頑張れって事だよ!」
エレン「………はい…」
エレンはぐっと歯をくいしばり、やっとの思いでそう返事をした
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- 15 : 2014/11/28(金) 20:58:42 :
- ハンジ「後で私の部屋においで!私と話をしよう!!………ー応言っとくけど、巨人の話じゃないからね?」
エレン「…え、いや、迷惑になるのでいいですよ…」
エレンの優しさからか、ハンジの誘いを戸惑いながらもはっきりと断った
エレンの反応を見たハンジは負けじと言い返す
ハンジ「いや、遠慮しなくてもいいんだよ!私達も、ちょっとでもエレンの心の傷が癒えるように全力を尽くすから!!」
そしてハンジは、隣で不機嫌そうに椅子に腰を掛けているリヴァイに、ねっ?っと言って納得させるように促した
その様子を見て、エレンは行くと言わないと帰してもらえない事を察し、
エレン「…はい…伺わせていただきます…」
と言うしか無かったのだった
ハンジ「じゃ、私とリヴァイはもうすぐ会議があるから。エレン、また後で」
そう言うや否や足早に立ち去ろうとするハンジをエレンは慌てて呼び止める
エレン「えっ!?ちょ、ちょっと待って下さい!何時頃に終わるんですか?」
すると、ハンジ…ではなく、いつの間にか隣に立っていたリヴァイが答える
リヴァイ「8時30分頃だ…」
エレンは素早く敬礼し、
エレン「はっ、では8時30分頃に伺わせていただきます!!」
すると、廊下の奥から呑気な声が響く
ハンジ「んじゃ、そう言う事で~、エレン、グッバイ♪」
リヴァイ「無視しておけ」
エレン「は、はい…」
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- 16 : 2014/12/02(火) 23:26:04 :
- 食堂に一人になった俺は考える
俺は強くなるために…巨人を駆逐するために、この兵団に入団した
母さんを守れなかった悔しさ、尊敬する先輩の方々を守れなかった挙げ句、多分、足手まといだっただろう
何故、みんな死んで行く?
罪のない人々が、何故?
俺には分からない…ずっとそうだ、母さんは何も悪い事をしていない
奴ら、巨人に害のある事なんて、壁の中にいる人間はしていなかった筈だ…
なのに何故?
俺が弱かったから?
俺が仲間を信じたいと思ったから…?
俺が選択を……間違えたから…?
いや、違う…あいつら……あいつら巨人がいるからだ!
俺はこのまま仲間の死を見つめるだけなのはいやだ!
俺が、俺が強くならないと……俺が…
エレン「天国の皆さん…見ていて下さいね。俺、必ず強くなって、貴方達の分まで…皆を守りますから!」
そうボソッと呟くと、
エレン「ハンジさんの会議が8時30分に終わるから……それまでには何か用意しないと…あっ、確か前にゲルガーさんいもらったワインが…」
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- 17 : 2014/12/11(木) 23:56:11 :
- in調査兵団本部 廊下
ハンジ「…今回は、本当に酷いね…このままで調査兵団は成り立っていけるのかな…」
会議室に向かう途中、ハンジがポツリと呟いた
リヴァイ「…エレンは、俺の班の奴らを信頼していた…だから、仲間を信じた」
ハンジに続き、リヴァイもポツリと呟く
リヴァイ「…あいつの選択は間違っていない」
ハンジ「…でも、彼は自分自身を責め続けている…思いやりのある、優しい子だから…私達の倍は辛いんだろうね…」
ハンジ「…だから…私達にできる事は、精一杯してやりたい!」
リヴァイ「…あぁ……」
リヴァイ「…俺は、お前も思いやりのある、良い奴だと思うが…」
ハンジ「…え…?…」
ハンジは俯き加減だった首を、ふいにリヴァイの方へ向けた
リヴァイ「…お前は、悲しいと思ったら泣ける…楽しいと思ったら笑える…俺は涙を流す事も、笑う事もできねぇ…
俺より随分人間らしいじゃねぇか…それに…」
リヴァイ「…お前は仲間の事を一番に考える、良い奴じゃねぇか…」
ハンジ「……リヴァイも、そうだよ…自分の事よりも、仲間の事を優先する…」
リヴァイ「…ふん…」
話の区切りがちょうど良い所で、会議室の前に着いた
ハンジ「…私達も、頑張らなきゃね!」
ハンジはそう言って、ドアを開けた
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- 18 : 2014/12/27(土) 10:06:20 :
- ~会議終了後 ハンジの部屋~
ハンジ「あ、エレーン!」
ハンジは自分の部屋の前に立っていたエレンに声を掛け、小走りで近づいた
エレンはそれに気付き、顔を上げる
ハンジ「ごめんね、エレン!待った?」
エレン「えっ、待ってませんよ!」
ハンジ「なら良かった!」
ハンジ「じゃあ、入って」
ガチャ
ハンジの部屋を見た途端、リヴァイの眉がピクッと動いた
リヴァイ「…おい、クソメガネ…お前…」
明日は掃除だ、そう言うつもりだっただろうが、ハンジの言葉に遮られた
ハンジ「まぁまぁ、三人分座る所は確保してるから!」
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- 19 : 2015/01/30(金) 16:19:58 :
- リヴァイ「そんな問題じゃねぇ…とにかく、明日は掃除だ。分かったな?」
すると、不服そうにハンジは口を尖らせる
ハンジ「ちぇ~…せっかくの休憩が台無しだよ…」
そんな二人のやり取りを見、エレンはこそりと微笑んだ
エレン「あの…ハンジさん、リヴァイ兵長!」
すると、リヴァイに頬を引っ張られていたハンジが、目だけを動かしてエレンを見る
ハンジ「ん?にゃに?エリェン」※通訳…ハンジ「ん?なに?エレン」
そんなハンジにエレンは苦笑いを浮かべた
そして、少し恥じらう様に鼻の先をポリポリと掻くと
エレン「あの、明日、休憩なんですよね…?」
ハンジは、リヴァイに引っ張られ、赤くなった頬を擦りながら
ハンジ「うん、そうだよ」
すると、リヴァイが、少し睨みを効かせながら
リヴァイ「だが、こいつは明日、部屋の掃除があるぞ?」
そう言って、ハンジを軽く小突く
エレン「…あの、時間があればでいいんですが…」
エレン「明日、シーナに買い物に行きませんか?」
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- 20 : 2015/01/31(土) 16:39:36 :
- すると、リヴァイが少し眉間にしわを寄せると、
リヴァイ「だから、こいつは…」
すると、ハンジがリヴァイの言葉を遮る様に声を上げる
ハンジ「いいね!行こう行こう!」
すると、エレンの顔はみるみる内に喜色が溢れる
しかし、リヴァイはまだ納得しないのか、怒気を含めた声で
リヴァイ「おい、俺は許可してねぇぞ。それとお前は俺の監視が必要だ」
すると、シュンと下を向き、エレンは項垂れる
エレン「…でも」
すると、今度は、ハンジが明るい声でリヴァイにある提案を持ち掛けた
ハンジ「じゃあさ!明日は1日、私がエレンの監視役っていうのはどうだい?」
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- 21 : 2015/02/08(日) 16:20:41 :
- すると、リヴァイは心底呆れた顔になる
リヴァイ「無理に決まってんだろ」
しかし、エレンはというと、リヴァイとは裏腹に、嬉しそうな、喜色溢れた顔に変わる
エレン「ハンジさん!ナイスアイデアです!団長に聞いてみましょうよ!」
リヴァイ「無理だと言ってるんだ。一応、俺が監視役っていうのは、総統の元決まってるんだぞ」
すると、ハンジは頬に空気を溜め、ふてくされた様な声で言う
ハンジ「そんなの分からないだろ!?」
リヴァイ「ならエルヴィンに聞いてこい」
エレン「ハンジさん!行きましょう!」
エレンはそう言って、ハンジの手を握りしめた
すると、ハンジの頬は、微かに紅に染まる
その微かな変化を見逃さなかったのか、リヴァイは眉間に皺を寄せる
リヴァイ「おい、エレン。手を離せ」
エレン「あっ、すみません」
エレンは慌てて手を離そうとするが、ハンジはその手をギュッと握る
ハンジ「いいじゃん、手。行こう!エルヴィンの所に!」
エレン「はっ、はい!」
エレンは頬を真っ赤に染め、頷いた
リヴァイ「…チッ」
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- 22 : 2015/02/09(月) 21:07:52 :
- 期待です!!
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- 23 : 2015/02/09(月) 21:10:27 :
- ありがとうございます♪
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- 24 : 2015/02/21(土) 17:27:50 :
- ガチャ___
静かな団長室にドアノブを回す音が響く
ハンジ「エルヴィン、入るよ」
そう言って部屋に入って来たものの、口を開いてる間に、体の半分は部屋に入って来ていた
エルヴィン「...ハンジか」
エルヴィンは机に向かい、書類処理をしていたが、彼女らの存在に気付き、顔を上げる
そして、困った様な笑みを見せると、
エルヴィン「ノックをしろと何度言った?」
と言った
ハンジは苦笑いを浮かべ、へへへー、と笑う
ハンジ「ごめんごめん、つい、ね」
エルヴィンは肩を竦めた
エルヴィン「で、何の用だ?ハンジ」
すると、ハンジは後ろを振り向くと、ドアの向こう側___廊下を見て、手招きをする
すると、壁に隠れていた少年___エレンがおどおどと出てきた
エルヴィンは物珍しい物を見る様な目で二人を交互に見る
エルヴィン「...巨人に関する新しい情報か何かか?」
ハンジは首を横にふるふると振ると、真剣な眼差しをエルヴィンへ向けた
エルヴィンは何事かと、眉間に皺を寄せながら、次の言葉を待つ
ハンジはエルヴィンにツカツカと歩み寄ると、彼の机を、バンッと叩いた
ハンジ「エルヴィン、お願いがあるんだ」
エルヴィンは柔らかな笑みをハンジに向けた
エルヴィン「私に出来る事なら、何でも聞いてあげよう」
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- 25 : 2015/02/21(土) 18:01:12 :
- ウォール・シーナの、いつもに増して賑やかなある通り
その通りを、一際目立つ二人が歩いていた
兵服だから良く目立つ、という意味だ
それに、二人共、身長は170cmと長身の分類に入る
そんな二人は、楽しく会話をしながら、足取り軽く歩いていた
ハンジ「今日は何かのお祭りか何かかな?やけに人が多いね」
それに、エレンは頷く
エレン「そうですね、、多いです...」
エレンは人混みの中、ハンジとはぐれないように、必死に足を動かした
ハンジ「おっと...エレン、はぐれないようにね」
ハンジは人とぶつかりそうになっているが、ヒラリとかわした
エレン「は、はい」
エレンはかわすのに必死だった為、返事をするのもやっとの思いだ
ハンジは横目でエレンの様子を伺うと、手を差し出した
ハンジ「エレン、手を繋ごう」
エレン「はい!?」
ハンジ「こうやったらはぐれないだろ?」
ハンジはそう言って、自分の右手と左手の指を絡ませた
エレン「あっ、はい!」
エレンは返事をすると、差し出されたハンジの手を、そっと握った
エレン「!」
ハンジ「あっ、ごめんね、エレン。手、冷たかったね」
ハンジはそう言って、慌てて手を離そうとしたが、エレンはその手を、ギュッと握った
エレン「大丈夫です!俺、暑かったんで!寧ろ冷たくて気持ち良い位です!」
エレンはそう言って、自分の頬に、ハンジの手を当てた
ハンジ「わぁ、温かい」
しかし、エレンは嘘をついた
本当は寒かった
とても、とても
でも、何で嘘をついてまで喜ばせ様とするのだろう
上官だから?
違う
世話になっているから?
違う
じゃあ、好きだから?
それは______
ハンジ「エレン?」
エレン「!...あ、すみません」
エレンは、慌てて謝った
ハンジ「いや、謝ることはないよ。でも、何か考えてたのかなーって」
エレン「あ、いや...ま、まぁそんな感じですかね」
ハンジはふーんと言った
エレンは何か話題を変えようと、辺りを見回す
すると、ある出店が目に入る
エレン「あっ、ハンジさん!あれ食べに行きませんか?」
エレンはそう言って指を指す
ハンジはエレンの指先が示す物を見る
ハンジ「...あれは...飲み物屋さん?」
エレン「ほら、温かい飲み物もありますって!ハンジさん、冷えてたから」
エレンはそう言って、ハンジの手を引いた
ハンジ「そうだね!ありがとう、エレン」
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- 26 : 2015/02/22(日) 01:27:51 :
- エレン「何にしようかな...」
エレンはメニューを見るなり、顎に手を当て、考える
ハンジ「エレン、好きなの選んでいいよ。私が奢ってあげるから」
すると、エレンは慌てて手と首を振る
エレン「いいですよ!女性の方に奢ってもらうなんて、俺、男失格です!」
ハンジはそんなエレンの反応を楽しむかの様にくすくすと笑うと、
ハンジ「ならエレンは女の子だね!」
と言って微笑んだ
エレンは顔を真っ赤にし、相変わらず首をブンブンと振る
エレン「俺は男ですよ!ハンジさん!俺がハンジさんの分まで払いますから!」
ハンジはあはは、と苦笑すると、肩を竦める
ハンジ「上官が部下に奢ってもらうなんて、可笑しな話だろ?それに、私は歳上だからね」
エレンはそう言われ、はい、と返事をするしかなかった
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- 27 : 2015/02/22(日) 02:48:43 :
- 温かい飲み物を手に、色々と店を見て歩く
花屋、靴屋、飲食店、服屋______
色々な店がそれぞれの輝きを放つ中、二人の興味をそそる店があった
ハン・エレ「綺麗...」
二人は同じ事を、しかも同時に呟いた
その事に気がついた二人は、はっ...と肩を飛び上がらせる
ハンジ「あっはは!エレンと私、気が合うみたいだね」
ハンジはそう言って笑い飛ばす
しかし、エレンはというと、どうしようもない恥ずかしさに、頭から煙が見えそうな程真っ赤になっている
エレン「そっ、そうですね!」
エレンは慌てて返事をする
二人が思わず綺麗...と呟いた店の正体、それは...
ハンジ「この宝石なんて、エレンに似合うんじゃないかな?」
そう、宝石店だ
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- 28 : 2015/03/17(火) 18:20:10 :
- エレン「お、俺男ですから!ほ、宝石なんて...」
エレンがおどおどとした様子で答える
目があちらこちらに泳ぎまくっている
ハンジはその様子を、いとおしそうに眺める
ハンジ「エレンって、本当に可愛い子だね」
ハンジはそう囁くと、更に顔が赤く染まる
エレン「だ、だから!俺は男ですってば!」
エレンはそう叫ぶと、ふいっとそっぽを向く
すると、エレンの目に、青色に輝く宝石が止まる
エレン「これ、綺麗ですね」
エレンはその宝石を食い入る様に見つめながら手にする
ハンジ「本当だ。綺麗だね」
すると、奥から店員が声をかける
「あぁ、それはサファイアといって、9月の誕生石なんだよ。仕事のお守りにも使われるね」
エレン「へぇ、そうなんですか」
エレンは、店員に一度見たきりで、またサファイアを見つめる
ハンジ「そんなに気に入ったのかい?買ってあげようか?」
ハンジがにこり...いや、ニヤッと笑う
ハンジの予想通り、エレンは顔を真っ赤にする
エレン「い、いいいりません!そ、それに、9月生まれはハンジさんでしょ!」
ハンジは、目を点にして動きを止める
エレン「...え?どうかしました?」
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- 29 : 2015/03/17(火) 18:32:31 :
- ハンジは、後ろで手を組むと、恥ずかしそうに、微かに頬を紅く染める
ハンジ「あ、いや、誕生日、覚えてくれてたんだなって思ってさ」
もじもじとらしくない上官に、エレンは自然と頬を緩める
ハンジさんも、一応女性なんだな
そんな思いを巡らせる
ハンジ「な、なんだよ、エレン。笑うなよ!」
エレン「いや、何からしくないなぁって」
ハンジは顔を真っ赤にする
ハンジ「どーせ私みたいな性別も分からないような奴が恥ずかしがったって、可愛くなんかありませんよーだ!」
ハンジはそういって、べーっと舌を伸ばした
エレン「ハンジさんは可愛いですよ!」
エレンの突然の言葉に、ハンジは、はぅ!?という奇声を上げる
エレン「ほら、今みたいなところとか...というか、はぅって何ですか」
エレンはそういって、ハンジの発した奇声に笑い声を上げる
ハンジ「う、うるさいよエレン!ほ、ほら、次いくよ!次!」
ハンジの促しに、エレンは呑気に返事をする
エレン「はぁい」
これは面白いものを見つけた、とでもいうかの様に、ニヤニヤとするエレンだった
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- 30 : 2015/03/19(木) 22:49:51 :
- 店を出ると、少し離れたところにつないであった、馬に跨がる
ハンジ「さぁてと~、次は、少~し遠いけど、私のオススメの場所にでも行くとしますか!」
ハンジが、ぐっと伸びをしながらエレンに呼び掛ける
しかし、エレンの表情はというと、あまり浮かない顔をしている
ハンジ「ん?エレン、どうかした?」
エレンは頬をぽりぽりと掻く
エレン「い、いえ、何もないです...」
ハンジはそう、というと、手綱をぎゅっと握る
ハンジ「さぁ、エレン!前進せよぉぉお!」
エルヴィンの真似をし、馬を走らせるハンジ
エレンはそれに慌ててついて行く
エレン「ちょっ、ちょっと待って下さいよ!」
ハンジは、後ろで嘆くエレンをチラッと見ると、にかっと笑う
ハンジ「エレン、はぐれないでよ!」
エレンの、浮かない表情はどこへやら
ハンジの笑顔を見ると、自然に笑みを溢していた
エレン「はいっ!」
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- 31 : 2015/03/19(木) 23:16:16 :
少し馬を走らせ、うっそうと木々が生える森を抜けたところに、開けた場所があった
その中央には、夕陽に照らされ、きらきらと輝く、大きな湖があった
エレンは、ぽつりと呟く
エレン「...綺麗...です」
ハンジは、静かに馬から降りると、水際まで歩いていく
そして、そっとしゃがみ込むと、そっと水をすくう
透き通った水が、ハンジの大きくはない手から、零れ落ち、辺りに静かな水音が響く
エレンは、その様子をじっと見つめた
ハンジ「ここさ...私が大切な人を失って、おかしい程泣いてた時期に、リヴァイが連れて来てくれたんだよね」
ハンジがぽつりと呟いた
エレンも、そっと地面に足をつける
そして、ハンジの隣まで歩いて行くと、静かに座る
ハンジ「私は何故か、この場所がとても落ち着けたんだ」
ハンジは、透き通る水を、目を細めて眺めながら、エレンに問い掛ける
ハンジ「エレンは、ここが好きかい?」
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- 32 : 2015/03/19(木) 23:52:04 :
- エレンは、顔をハンジの方に向ける
エレン「...はい...なんだか、とても落ち着きます」
ハンジも顔を上げ、エレンの方に向ける
ハンジ「私は、この場所に来て、思ったんだ」
そういってハンジは、湖のどこか遠く見るかの様に、目を細める
ハンジ「私は、この世界の、悪いところしか見ていなかった。だから、この世界が大嫌いだった。何の罪もない人々が、食われるのが、大嫌いだった」
ハンジは、エレンの方を見、ふっと微笑む
ハンジ「でも、リヴァイがここに連れて来てくれた時...この景色を見たとき...あぁ、この世界にも、良いところがあるじゃないかって」
エレンは首を傾げた
エレン「す、すみません...何を言ってるのか、さっぱり...」
ハンジ「要するにね...ほら、ここでは、緑が生い茂ってるし、普段、あまり意識して聞くことのない、小鳥の囀ずりだって聞こえる」
エレンは、ますます首を傾げる
ハンジ「ここでは...ここの動物は、皆、のびのびと生きているだろ?私も、そんな風になりたいなぁってね。生きる希望ってやつ?そんな大げさじゃないけどさ」
エレンは、少しずつ納得していくかの様に、頷く
エレン「ほぅほぅ...?」
ハンジ「ははは、エレンには早かったのかな」
ハンジはそういって笑った
エレン「ハンジさんは...!」
エレンは、俯き、突然に言葉を発した
ハンジは、驚いた様子でエレンを見ている
ハンジ「...なんだい、エレン」
俯いた顔を上げたエレンの顔には、怒りでも、悲しみでもなく、笑顔があった
エレン「ハンジさんは、俺の太陽です。俺が落ち込んでる時も、明るく接してくれた...俺にとって...眩しかったです」
エレンは微笑む
温かく
ハンジは、黙って聞いていた
エレン「昨日、俺は本当に自分を責めて...落ち込んでいました。でも、そんな時も、明るく声を掛けてくれました。その時、ハンジさんの持つ優しさに...暖かさに気づいたんです」
エレン「世間は、巨人になれる俺を白い目で見ました。勿論、リヴァイ兵長も例外ではありません。でも、ハンジさん...貴方だけは違っていました」
ハンジは、目を見開いた
-
- 33 : 2015/03/20(金) 00:06:24 :
- エレン「貴方は、こんな俺にも優しく接してくれ、嫌がる事なく支えてくれました。気づいたら考える事があったんです」
ハンジは、首を傾げた
ハンジ「考える事...?」
エレンは、ふっと微笑む
エレン「はい。この人を、俺の命が果てるまで守ろうって」
ハンジは、暫くきょとんとした顔だったが、少し経つと、目を泳がせた
ハンジ「えーと...その...」
エレンは静かに、ハンジさん、と名前を呼ぶ
ハンジは、若干俯き加減で、エレンの方を見る
エレン「貴方を守ります。命が果てるまで」
End*
-
- 34 : 2015/03/20(金) 00:09:28 :
- やっと終わりました!
えっと...スレ立てたの、いつだっけ
まぁ、とにかく終わって一件落着。一安心です
エレハンはあまり見ないcpですが、書いてみると、意外と楽しい...
また挑戦しようかな...ボソッ
ここまで見てくださった方々、ありがとうございました
-
- 35 : 2015/03/20(金) 13:34:50 :
- 執筆お疲れさまでした(*^^*)
エレハンも良いよねぇ(ノ´∀`*)また挑戦したら読ませてね。
手を繋ぐシーンにはニヤニヤしちゃいました。
私もハンジさんと手を繋ぎたい(・∀・)人(・∀・)
ゆう姫さまとも♪(・∀・)人(・∀・)
-
- 36 : 2015/03/20(金) 18:44:34 :
- >>35
さだはる殿♪
手を繋ごう(*´ω`)人(´ω`)人(*´ω`)
エレハンは、また挑戦する( 〃▽〃)
楽しかったし、エレンが可愛かったから♪
最後まで読んで下さり、ありがとうございました!
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