この作品は執筆を終了しています。
僕とお布団の葛藤劇
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- 1 : 2014/11/14(金) 21:05:42 :
- ども、初投稿の月碧玉です。
名前に特に意味は無いです。何かカッコいいなという理由です。はい。
この話はある冬の日の実話です。誰かは察して下さい。
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- 2 : 2014/11/14(金) 21:28:22 :
- これは僕の、
お布団との戦争を描いたものである_______。
それは、何でもない、冬のある1日。
深緑色のカーテンを開けば、水露のついた窓の向こうに見えるは、銀世界だ。
僕はその日は、否、その日も、お布団との葛藤をしていた。
青色をした布団の下に、茶色の毛布の下には水色生地のシーツ。その間に僕。まぁ普通の光景だ。至って何ら変わりない。
しかし僕は、その澄んだ青色の布団と毛布をギュッと握り締め、そのちょっと出ている指すら寒さを感じ、黒色の手袋を両手に完備という徹底振り。
そして足も冷え込む為にこれまた黒色の膝丈靴下。
一つ言っておくが、僕は冷え症では無い。確認の為言っておくが、女では無い。以上。
寝間着は、黒色の白色長袖シャツに、黒のパーカー。その上に黄土色の毛糸コート。下には綿100%の長ズボン。
もう一度言う。僕は断じて冷え症では無いのだからな。勘違いするな。
冬場だから、朝日の差し込みは殆ど無く、小鳥のさえずりも耳に入ってこない。
しかし、勉強机の上では僕の携帯、スマートなフォンからは目覚ましの音が朝だと言うのを嫌でも伝えてくる。
煩くても、止めようと言う動作を僕はしない。何故なら、
一度起き上がって、止めなければならないからだ。
“お布団から出る”
その行為自体が自殺行為であり、何よりの拷問だ。今なら火炙り地獄なら喜んで受けるだろう。
そんな事を思っても、携帯の目覚ましは止まらない。100万円投げ打ってでも誰かに止めて欲しい。100万は無理だが。
兎に角、僕は何とか止める為にはどうすれば良いか、悶々と考えていた。
そんな事している間に、時は過ぎて行く。
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- 3 : 2014/11/16(日) 00:31:39 :
- 今この部屋には時間を知るべき手段のものは壁に掛けてある時計と、勉強机の携帯だけ。
しかし、前者の時計は1日毎に4分時間が遅れるという最早時計の役割を果たしていない時計だ。壊れてから何日経ったか覚えていない。
なので、時間を知る手段は後者の携帯になるという事なのだ。
取りに行かなければ…。繰り返される思考回路はぐるぐる廻るが、僕はそれとは裏腹に布団を顔まで被った。
布団の上からでも、音は耳をつんざく。
そして……
「……?とまっ……た…?」
途端にアラーム音は鳴り止み、部屋に再び安堵の静寂が流れる。僕はホッと胸を撫で下ろした。
僕の脳は、もう何も考えないと言わんばかりに思考を中断させ、躰を布団の安心する暖かさが包み込み、僕を闇へ誘う。
僕はそのまま、目を閉じてしまった。
ちなみに僕は今、親許を離れて一人自力で、リア充達を呪いながらたくましく、勇ましく生きている。
だから今、僕の城と呼ばれし家には、僕しか居ない。
そう、気付かなかった。
時はいつまでも刻まれていた事に。
僕は目を背け続けていた。
僕の恋人はお布団だけさ、と親愛なる友に言ったら、
「お前、いい加減気付けよ。」
真顔で返された。今なら、今なら解る気がするよ。
僕は愚かだった。お布団は優しい。だけど、お布団は恋人では無く、
母親だった事に、気付いた。
甘やかし過ぎだよ、母さん(お布団)…。
起床すべき時間は、7時。しかし実際に起きたのは
8時だった。
泣いた。泣いた。僕は嘆いた。
そして、もうこれからは本当に母さん(お布団)から旅立って、一人で生きるよ(起きるよ)と誓った。
………………筈なのに、
母さん(お布団)………
温かすぎるよ。
そりゃ無いぜ、母さん(お布団)………。
そして今日もまた、僕とお布団との葛藤は続くのだった。
end
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