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誕生日にシチューを 【11.3企画】

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  1. 1 : : 2014/11/03(月) 10:30:02
    アルルミン・アルルレトがアルミン・アルレルトの誕生日を記念し書きます。11.3企画なのにアルミンの出番は少なめです(笑)
  2. 2 : : 2014/11/03(月) 10:37:20
    -訓練所、食堂-

    エレン「お前ら、今日は何の日か分かるか?」

    ジャン「何だよ急に。」

    コニー「決まってんだろ。今日は...二週間ぶりの休暇だ!」

    エレン「...は?」

    コニー「俺はこの日をどれだけ待ち続けていたことか...」

    エレン「違うだろ!今日は...アルミンの誕生日だ!」

    コニー「え...そうなのか。」

    エレン「知らなかったのかよ。」

    ジャン「そりゃ普通知らねぇだろ。誕生日なんて聞かない限り知る機会はねぇし。」

    エレン「それもそっか...」

    ジャン「でもまあ、知ってしまった以上は何かプレゼントでもあげねぇとな。」

    コニー「よし!飯食ったらアルミンのプレゼントに適当なものでも買うとすっか!」
  3. 3 : : 2014/11/03(月) 11:24:01
    エレン「適当?お前はそれでいいと思っているのか?」

    コニー「な...何だよ。」

    エレン「アルミンはな。俺たちなんかより真面目ですっげぇ努力してるんだぞ。そのアルミンにあげるプレゼントだ。適当でいいと思うか?」

    コニー「...悪かったよ。でもよ、俺たちの少ない貯金で買える物なんてたかが知れてるぞ。」

    ライナー「ならみんなでお金を出し合って、一つとびっきりの物を買えばいい。」

    エレン「ライナー。それにベルトルトも。」

    ベルトルト「僕たちもアルミンへのプレゼントに協力するよ。」

    エレン「二人ともサンキュー。」

    ジャン「じゃあライナーの策を採用するとして、みんなはいくらまでなら出せるんだ?俺は500円だ。」

    ライナー「同じく。」

    ベルトルト「僕もそれぐらいかな。」

    コニー「俺は...100円だ!」

    エレン「少なすぎるだろ!」

    コニー「仕方ねぇだろ!400円しかもう貯金がないんだからよ!そういうエレンはどうなんだよ。」

    エレン「俺は...3000円出せる!」
  4. 4 : : 2014/11/03(月) 16:14:16
    ジャン「はぁ?お前さすがにそれはおかしいだろ。もしかしてお前...ホモか?」

    エレン「何でそうなるんだよ!」

    ライナー「まぁまぁ。とにかく、予算は一人500円ってところだな。コニーの分はエレンが立て替えてくれるとして、使える額は2500円だな。」

    エレン「足りねぇ。」

    ジャン「は?」

    エレン「そんなんじゃ足りねぇ。」

    コニー「おいおい。15歳になる男が友人からの誕生日プレゼントで2500円分のものをもらうって、普通はねぇぞ。」

    エレン「アルミンへのプレゼントは普通じゃダメなんだ。もっとこう...お金で買えないような...」

    サシャ「それでしたら、私に考えがあります。」

    エレン「サシャ...クリスタとユミルも一緒か。」

    クリスタ「アルミンへのプレゼントを考えてるんでしょ?私も協力するね!」

    ユミル「ホントはどうでもいいけど、クリスタが協力する以上私も協力する。」

    エレン「みんな...」

    コニー「それで、サシャの考えって何なんだ?」

    サシャ「シチューを作るんです。」
  5. 5 : : 2014/11/03(月) 16:18:44
    きたい
  6. 6 : : 2014/11/03(月) 17:23:25
    >>5
    ありがとうございます!
  7. 7 : : 2014/11/03(月) 17:27:54
    エレン「シチュー?そんなもん、簡単に作れるだろ。」

    サシャ「ええ。それが普通のシチューならば...」

    エレン「...どういうことだ?」

    ミカサ「つまり、特上素材でシチューを作るというわけね。」

    エレン「ミカサ。」

    アニ「アルミンには世話になってるからね。私も参加する。」

    エレン「アニもサンキュー。」

    コニー「それで、何を買ってくるんだ?」

    サシャ「買うんじゃありません。自らで獲るんです!」

    ライナー「それは面白そうだな。」

    サシャ「その食材とは...」

    アルミン「あれ、みんなで集まって何を話してるの?」

    全員「!!」ギクッ
  8. 8 : : 2014/11/03(月) 20:03:10
    期待です
  9. 9 : : 2014/11/03(月) 20:20:40
    >>8
    ありがとうございます!
  10. 10 : : 2014/11/03(月) 20:28:52
    エレン「な、なんでもねぇよ。」

    ジャン「どうすんだよエレン。お前はいつもアルミンといるから、隠れて相談するのは無理があるんじゃねぇか?」ヒソヒソ

    エレン「確かに...」ヒソヒソ

    ユミル「それなら私に任せな。」ヒソヒソ

    ユミル「アルミン。朝飯食べ終わったらクリスタが一緒に買い物に行こうだってさ!」

    クリスタ「え!?」

    アルミン「ええ!?」

    クリスタ「どういうことユミル。」ヒソヒソ

    ユミル「お前がアルミンとデートするんだよ。そうすりゃ私たちは自由に動ける。」ヒソヒソ

    アルミン「(ヒソヒソ話が多いなぁ...)」

    クリスタ「でも、私だってアルミンのためにシチューを作りたいよ。」ヒソヒソ

    ユミル「大丈夫だ。デートしてやることがお前が用意できる最上の誕生日プレゼントだからよ。」ヒソヒソ

    アルミン「あの...結局どうなったの...?」

    クリスタ「もちろん行くよ!二人きりでね!」ニコッ

    アルミン「(二人きり!?)」ドキッ

    ライナー「(アルミン...羨ましい...)」
  11. 11 : : 2014/11/03(月) 22:00:03
    補足ですがアルクリじゃないです。
  12. 12 : : 2014/11/03(月) 22:08:06
    -30分後-

    アルミン「ごちそうさま。クリスタは食べ終わった?」

    クリスタ「うん。それじゃあもう行こっか。」

    アルミン「僕、着替えてくるね。」

    テクテクテク

    クリスタ「私も着替えてこようっと。」

    テクテクテク

    エレン「...行ったな。」

    ミカサ「ええ。これでアルミンは夕方まで戻ってこない。」

    ジャン「サシャ、食材を教えてくれ。」

    サシャ「分かりました。それでは皆さんに獲ってきてもらう食材を発表します。」
  13. 13 : : 2014/11/03(月) 22:25:45
    サシャ「まずスープに必要な牛乳は...ヴァイオレンスカウの母乳を使用します。」

    エレン「ヴァイオレンスカウ?聞いたことない牛だな。」

    サシャ「二つ名は暴れ牛、獰猛な牛です。」

    アニ「そのまんまだね。」

    ユミル「てか、そんな凶暴な奴を相手にするのは危険じゃねぇか?」

    サシャ「美味しいものほど手に入れるにはリスクが伴うものです。」

    サシャ「さて、他のスープの材料は台所にあるものを使うとして、具材の発表に入ります。まずは人参。これは高山人参を使用します。」

    ベルトルト「高山人参!?」

    ライナー「知っているのかベルトルト。」

    ベルトルト「ああ。標高3000メートル以上の高地でしか育たない幻の人参だ。」

    サシャ「玉ねぎはデスオニオン!」

    ジャン「何つー名前だ。」

    ユミル「(ト〇コみたいになってきたな。)」

    サシャ「ジャガイモはピクシス司令の畑のものを使います。」

    エレン「え、それ特上食材なの?」

    サシャ「キノコはドスマツタケ!」

    コニー「聞いたことあるぞ!」

    サシャ「ほうれん草は崩恋草!」

    全員「???」←漢字は見えてない。

    サシャ「そして、肉はあぁぁぁぁ!!!!」

    サシャ「ジャイアントピグだああああぁぁぁぁ!!!!!」
  14. 14 : : 2014/11/04(火) 19:33:12
    エレン「...ふーん。」

    サシャ「何ですかその薄い反応は!」

    エレン「だって知らないし...」

    コニー「ホントにうまいのか?」

    ジャン「デスオニオンとか絶対毒だろ。」

    ライナー「ジャガイモに至ってはピクシス司令の畑から獲る?それのどこが特上素材なんだ。」

    サシャ「皆さん文句ばっかりで酷いですよ!それなら他に皆さんが知ってる特上素材を言ってみてくださいよ!」

    エレン「それは...思いつかねぇな。」

    サシャ「でしょう?だから黙って私の言ったものを獲ってきてください。味は私が保証します。」

    ユミル「私はそれでもいいぞ。」

    アニ「食べ物のこととかはサシャ以外全員疎いからね。」

    サシャ「みんな納得してくれたようですね。それでは、皆さんを三つの班に分けたいと思います。それぞれの班でジャイアントピグを除く6つの食材の中から二つずつ食材を確保してください。」

    エレン「ジャイアントピグはいいのか?」

    サシャ「ジャイアントピグはこの近くに住んでいて、今回必要な食材の中で一番捕獲が難しいんです。だから、ジャイアントピグは全員で捕獲に向かいます。」

    ジャン「(訓練所近辺にそんな凶暴な動物なんているのかよ。)」

    サシャ「それでは班を発表します...」
  15. 15 : : 2014/11/04(火) 21:43:48
    -街-

    クリスタ「次はあそきに行こう!」

    アルミン「うん!(クリスタ天使だな~。)」



    -ヴァイオレンスカウ、高山人参捕獲班-

    ジャン「なんで俺がこいつと二人なんだよ。」

    エレン「仕方ねぇだろ。」

    ジャン「仕方なくねぇだろ!どう考えても人数の比率がおかしいっつーの!」

    エレン「俺だってそう思ったけど、サシャの言うことには従うことにしちまったからな。」

    ジャン「あの芋女...明日ぶっ殺す!」

    エレン「それにしても、こんな形でウォールシーナに行くことになるとはな。」

    ジャン「ああ。全くだ。」
  16. 16 : : 2014/11/05(水) 19:20:40
    -デスオニオン、ピクシス司令の畑のジャガイモ捕獲班-

    ミカサ「本当にデスオニオンは無害なの?」

    サシャ「はい。それどころか超絶品です。」

    アニ「ならなんでそんな名前をしてるの?」

    サシャ「それは、デスオニオンが草食動物たちを死に至らしめるからです。」

    ユミル「やっぱ毒が...」

    サシャ「違います。」

    ミカサ「ならどうやって?」

    サシャ「デスオニオンはすごく強い匂いを周囲に放っています。草食動物がそれを嗅ぐと一心不乱にその匂いの源であるデスオニオンに向かって走り出すんですが、それを利用して肉食獣がデスオニオンの周りで待ち伏せをし、匂いに釣られた動物を狩っているんです。そのため、死のタマネギ、デスオニオンと呼ばれるようになりました。」

    ユミル「おい、それってつまり、デスオニオンを手に入れるためにはその肉食獣たちの縄張りを通らないといけないってことか。」

    サシャ「そうです。」

    ユミル「無理だろ!死んじまうって!」

    アニ「別に大丈夫だって、肉食獣くらい...」

    ミカサ「巨人に比べれば雑魚。」

    ユミル「...(こいつらの方が危険だったな。)」
  17. 17 : : 2014/11/05(水) 21:49:42
    -ドスマツタケ、崩恋草捕獲班-

    マルコ「エレンとジャンが喧嘩してないか心配だ...」

    ライナー「人様の心配してる場合じゃないぜ。」

    ベルトルト「ウォールローゼ西部にある洞窟か...」

    コニー「ああ。そこにドスマツタケがあるらしい。」

    マルコ「洞窟って嫌な予感しかしないよ。」

    それから各班は目的地へと向かった。

    -ウォールシーナ南部の草原-

    ジャン「のどかだな。こんなところにヴァイオレンスカウ何ていう変な名前の牛がいるのかよ。」

    エレン「ジャン、さっきからサシャへの文句ばっかりだな。そんなんだから友達少ないんだぞ。」

    ジャン「てめぇに言われたかねぇよ。協調性皆無のくせに!」

    エレン「アニとミカサよりはある!」

    ジャン「その二人を引き合いに出してる時点でないだろうが!」

    エレン「てかそれこそお前に言われたかねぇよ!」

    ジャン「はぁ!?てめぇよりはなぁ...」

    エレン「どうした。急に大人しくなって。」

    ジャン「あれ...」

    エレン「看板?えっと...暴れ牛注意?」

    ジャン「ホントにいるとはな...」
  18. 18 : : 2014/11/06(木) 22:34:46
    エレン「看板によればその牛は向こうから来てるみたいだぞ。」

    ジャン「よし、行くぞ。」

    パカラッパカラッ



    エレン「おい...あれじゃねぇのか?」

    そこにいたのは1頭の牛。

    ジャン「なんだ、思ったより見た目は普通じゃねぇか。これなら楽勝だ。」

    エレン「俺が捕まえてくるよ。」

    エレンがその牛に近付く。すると、エレンと牛は目が合った。

    エレン「なんだろう...嫌な予感がする...」

    ズシンズシン

    その牛、ヴァイオレンスカウは助走を始めた。

    エレン「に......逃げろぉ!!!」

    パカラッパカラッツ

    ジャン「おい!こっち来るな!ああ!」

    ドドドドッ

    ジャンが見たのは、猛スピードでこちらに向かってくるヴァイオレンスカウの姿だった。
  19. 19 : : 2014/11/07(金) 20:03:01
    パカラッパカラッ

    ジャンもエレンの後を追いかけるように逃げ出した。

    エレン「おい!同じ方向に来るんじゃねぇよ!」

    ジャン「しょうがねぇだろ!それなら、二手に分かれて逃げるか。」

    エレン「それをしたらこっちに来るに決まってんだろ。目を合わせたのは俺なんだから...」

    ジャン「どっちに来るかは運しだいだ。」

    エレン「え、話聞いてる?」

    ジャン「いっせーの!」

    ヒヒーン

    ジャンが走るコースを左にそらす。ヴァイオレンスカウの標的は...

    エレン「やっぱり俺かよ!」
  20. 20 : : 2014/11/07(金) 22:52:50
    エレン「ひいいい!」

    パカラッパカラッ

    ジャン「...行ってくれたみたいだな。エレン、お前の死は無駄にはしない。」

    パカラッパカラッ

    ジャン「ん?」

    エレン「助けてくれ!」

    ジャン「何でこっちに戻ってきてんだよ!」

    エレン「逃げ切れそうになかったんだから仕方ねぇだろ!」

    ジャン「仕方なくねぇだろ!(どうする。またさっきまでみたいに逃げ出したところで事態は好転しねぇ。こうなったら...)」

    ジャン「立体機動で奴を仕留めるぞ!」

    エレン「はぁ!?どうやって?」

    ジャン「やり方なんざどうだっていいんだよ!巨人に比べりゃこんな相手、屁でもないだろうが。」

    エレン「...それもそうだ。」

    ジャン「いくぞ!」

    パシュパシュッ

    二人は同時にアンカーをヴァイオレンスカウへと放った。
  21. 21 : : 2014/11/09(日) 13:05:15
    ギュィィィン

    ワイヤーを巻き取りヴァイオレンスカウに急接近する。

    ゴッ!

    二人の蹴りがヴァイオレンスカウの頭部を捉えた。

    ズシィン

    エレン「よっしゃ倒したぜ!」

    ジャン「後はこいつの乳を搾ればいいんだよな。」

    エレン「ああ。」

    こうして、彼らはヴァイオレンスカウの牛乳を手に入れた。



    -カラネス区-

    ミカサ「トラが一匹、トラが二匹、トラが三匹...」

    ユミル「馬鹿かお前。数え切れる量じゃねぇ...辺り一面トラばっかりだ!!!」
  22. 22 : : 2014/11/09(日) 18:26:53
    ミカサ「このトラの群れの奥に、デスオニオンが...」

    アニ「しかし変だね。私たちをお前にしても襲ってこないなんて、人間は苦手とか?」

    サシャ「違います。デスオニオンを囲むトラたちは、彼らのテリトリーに入り込んだ者しか襲わないんです。ほら、あんな風に...」

    サシャが指さした先にはトラの群れへと向かう一頭の鹿がいた。そして、その鹿がトラのテリトリーに足を踏み入れた瞬間...

    ガブリッ

    グチャグチャグチャグチャ

    ミカサ「みるみる食われていく。」

    アニ「前方を覆い尽くすトラの群れを前にしても草食動物を無理やり前進させる...これが、例のデスオニオンの匂いってわけね。」

    ユミル「そのテリトリーに入ったら私たちもああなるのか...そうなのはごめんだ。」

    ミカサ「どこへ行くの?」

    ユミル「帰る。このトラの群れをどうにかできるわけない。」

    サシャ「作戦ならありますよ。」

    ユミル「それならお前らだけでやってな。」

    テクテクテク

  23. 23 : : 2014/11/11(火) 19:32:32
    ミカサ「それで、作戦とはどういったものなの?」

    サシャ「それはですね...」

    ヒソヒソヒソ

    ミカサ「ユミル。」

    ユミル「何だ?言っとくが、どんな良い作戦だって私はやらないぞ。」

    ミカサ「それでも構わない。」

    ユミル「なら何の用だよ。」

    ミカサ「...用は済んだ。」

    ユミル「...?わけわかんねーこと言いやがって...」

    テクテクテク ズザァ

    ユミル「(腰に何かが引っかかってる。これは...)」

    ユミルのベルトには先端に肉が縛り付けられていたロープがかけられていた。

    ユミル「なんだよこの肉...」

    サシャ「それはフェロモンミートと言いまして、とにかく肉食動物を引き付ける匂いを放つんです。」

    ユミル「それって...」

    サシャ「でも生なら匂いは弱いですよ。匂いを出すにはこうやって、肉を焼くんです。」

    サシャは火のついた棒を持っていた。
  24. 24 : : 2014/11/12(水) 19:52:56
    ボウッ

    ユミル「そ、そんなことしたら...」

    サッ

    トラたちが一斉にユミルに視線を向ける。次の瞬間...

    バッ

    ユミル「きたぁぁぁ!!!!」ダァァァ

    アニ「ユミルを囮に使うってわけね。」

    サシャ「その通りです。では、私たちはデスオニオンの回収に向かいましょう。」

    ミカサ「ええ。」



    ユミル「あいつら絶対許さねぇ!!!」

    パシュッ ギュイイン!
  25. 25 : : 2014/11/12(水) 23:03:08
    ミカサ「...これがデスオニオン?」

    サシャ「はい。」

    アニ「思ってたよりも普通だね。」

    サシャ「では、トラたちが戻ってこないうちに収穫しましょう。」



    ガルルルル

    ユミル「木の上に逃げたはいいけど、周りにアンカーを指す場所はないし、降りらんねぇ...どうしよう...」

    ミカサ「ユミル。お勤めご苦労。」

    ユミル「お前ら!この状況を何とかしてくれ!そうすれば私を囮に使ったことは水に流すから!」

    ミカサ「御意。」

    ドゴバキグシャゴキ(以下略)

    ミカサ「駆逐完了。」

    サシャ「あんな数のトラをこうも一瞬で駆逐するとは...やっぱりすごいですね。」

    ユミル「絶対正面突破で問題なかったろ!」

    アニ「助かったんだから文句は言わない。」ポンッ

    ユミル「く...そ...」イライラ
  26. 26 : : 2014/11/13(木) 21:54:49
    -クロルバ区-

    コニー「あったな。洞窟。」

    マルコ「そうだね。」

    ベルトルト「でも、この洞窟で合っているのだろうか。」

    ライナー「...わからん。とりあえず入ってみよう。」



    テクテクテク

    ライナー「普通の洞窟だな。」

    マルコ「そうかな?僕はすごい不気味さを感じるけど...」

    コニー「怖いこと言うなよ。ゾンビでも出るってか。」

    ライナー「コニー、後ろ...」

    コニー「え!?嘘だろ...」

    コニーは意を決して振り向く。

    コニー「なにも居ねぇ...騙したなライナー!」

    ライナー「ははは...」

    ベルトルト「ライナー、後ろ...」

    ライナー「何!?なんつってな。騙されるわけ...」

    コニー「ひぃぃ!」

    マルコ「た、助けて...」

    ライナー「?」

    ライナーが振り向く。

    ライナー「ぎゃあああああああああああ!!!!!!」
  27. 27 : : 2014/11/13(木) 23:07:23
    超面白い!
  28. 28 : : 2014/11/14(金) 19:14:01
    >>27
    ありがとうございます!
  29. 29 : : 2014/11/14(金) 19:21:46
    そこに居たのは、ボロボロの服を着た男だった。身体の周囲にはハエが飛び交っていた。

    ライナー「ゾ...ゾンビ...」

    ゾンビ?「え?」

    ライナー「みんな...逃げろ...」ドサッ

    ライナーは気を失って倒れた。

    ベルトルト「ライナー!」

    ゾンビ?「だ、大丈夫ですか...」

    マルコ「ゾンビがライナーの心配をしてる!」

    コニー「こいつは多分良いゾンビだ!」

    ゾンビ?「あの...そもそも私、ゾンビじゃないんですけど...」

    ベルトルト「嘘だ!」

    ゾンビ?「そもそもゾンビが本当にいると思います?」

    マルコ「それは...」

    ベルトルト「確かに...すみません。失礼しました。」

    ゾンビ?「いえいえ。私もあまりにゾンビっぽい登場だったと反省しておりますよ。信じてもらえたようですし、名乗っておきましょう。私の名はジョン・ビリーと申します。」
  30. 30 : : 2014/11/14(金) 23:28:43
    続き読みたいなー
  31. 31 : : 2014/11/15(土) 14:07:09
    マルコ「どうしてこのようなところに?」

    コニー「もしかして、あんたもドスマツタケを採りに来たのか!?」

    ジョン「いえ、違います。私は元々ここに住んでいるんですよ。」

    ベルトルト「ええ!?」

    ジョン「普通に考えて、こんな洞窟に住んでいるのはおかしいですね。その事情は後ほどちゃんと説明しましょう。それより、坊主頭の彼があんたもと言いましたが、あなたたちの目的はドスマツタケなのですか?」

    マルコ「はい。」

    ジョン「それならば、ドスマツタケがある場所までご案内しましょう。」

    コニー「ジョンさん、ドスマツタケを知ってんのか?」

    ジョン「知ってるもなにも、洞窟に住むようになってからは私の主食です。」

    コニー「すっげぇ!」

    ジョン「では、ついてきてください。」

    ベルトルト「ライナーは...」

    ジョン「置いていきましょう。ここには危険な生物はいませんから大丈夫です。むしろ、ドスマツタケがある所のほうが危険ですから。」

    マルコ「やっぱり危険なのか...」
  32. 32 : : 2014/11/15(土) 16:55:02
    テクテクテク

    マルコ「ウォールマリア奪還作戦の参加者!?」

    ジョン「はい。」

    ベルトルト「そのような大変な戦いに...」

    ジョン「私はこれでも元兵士でした。そのおかげで、運良く生き延びることができたのです。しかし、武器を持ったことすらない一般人は...」

    コニー「ひでぇ作戦だって改めて思うよ。」

    ジョン「はい。あの作戦の狙いは人口削減以外の何物でもありませんでした。戻ってくることは許されることじゃなかった。だから私はこうして、洞窟の中でひっそりと暮らしているんです。」

    マルコ「...」

    ジョン「私のことは気の毒に思う必要はありませんよ。この洞窟に居れば生きる分には不自由はないですから。」

    ベルトルト「と言いますと、この洞窟にはドスマツタケ以外にも食べられるものがあるんですか?」

    ジョン「ないことはないですが、私はドスマツタケしか食べていません。」

    コニー「またまた~。キノコだけじゃ栄養失調になっちゃうよ。」

    ジョン「いえいえ、本当ですよ。ドスマツタケはそれほど栄養価が高く、美味なのです。」
  33. 33 : : 2014/11/15(土) 16:58:04
    作品の続きってどうやってかくの?
  34. 34 : : 2014/11/15(土) 21:24:12
    >>33
    いろんな意味でとれるので詳しい説明をお願いします。
  35. 35 : : 2014/11/15(土) 21:34:30
    マルコ「そういうことなら、アルミンのために絶対に採らないとね。」

    ジョン「アルミン...お仲間さんですか?」

    マルコ「はい。」

    ジョン「それはいいですね。私も道案内のし甲斐があるというものです。」



    ジョン「この先に、ドスマツタケがあります。」

    コニー「ここを通るのか...」ゴクッ

    四人の前にあるのは、いつ崩れ落ちるかわからない一本の細い岩でできた橋。どのくらい細いかと言うと、一人通るのがやっとな程で、落ちた先には超高熱のマグマがボコボコ泡を立てて待ち構えている。

    ジョン「もしあなたたちが望むなら、私が採りに行っても良いですが...」

    ベルトルト「いや、アルミンの誕生日プレゼントなんだ。僕たちの手で手に入れよう。」

    ジョン「分かりました。それなら、誰が行くか決めてください。通れるのは一人だけですから。」

    マルコ「それなら僕が...」

    コニー「俺が行く!」

  36. 36 : : 2014/11/16(日) 13:06:08
    ベルトルト「コニー!?」

    コニー「この中で一番体重が軽いのは俺だし、これがベストだろ!」

    マルコ「...わかった。コニー、君に任せるよ。」

    ジョン「気を付けてください。」

    コニー「おう。」

    コニーは橋のスタートラインに立つ。

    コニー「...行くぜ。」

    コニーが第一歩を踏み出した。それから、二歩、三歩と足を進めていく。

    そして、コニーが橋のちょうど真ん中に差し掛かった頃だった。

    ゴゴゴゴゴゴゴ

    コニー「!?」

    ジョン「なんてことだ。こんな時にマグマの活動が活発になるなんて...早く橋を渡ってください!揺れで橋が崩れ落ちる可能性があります!」

    コニー「マジかよ!い、急がないと...」

    グラッ

    コニー「のわっ!」フラッ

    突然の揺れでコニーはバランスを崩し、橋から足を踏み外した。
  37. 37 : : 2014/11/16(日) 17:37:35
    マルコ「コニー!!!」

    コニー「うおおおおお!」

    ガシッ

    コニーは右手で橋を掴んだ。

    コニー「ぐ...」ググッ

    コニーは橋の上に戻ろうとする。

    ジョン「動かないで!この橋は今非常に危険な状態にあります。じっとしていてください!」

    コニー「でも、待ってるだけじゃそれこそ橋が崩れちまう!」

    ジョン「...マルコさん。立体機動装置をお貸しください。」

    マルコ「いいですけど...」

    マルコは装置を外し、ジョンに差し出した。ジョンは慣れた手つきで装置を装着した。

    ジョン「そこを動かないでくださいね!」

    パシュッ

    ジョンは対岸の岩にワイヤーを刺した。

    ジョン「いきます。」

    ギュイイン!
  38. 38 : : 2014/11/16(日) 23:06:30
    ガシッ

    ジョンはコニーの身体を掴み、対岸まで辿り着いた。

    マルコ「すごい、何て技術だ...」

    ジョン「では、戻りましょう。」

    パシュッ ギュイイイイン

    コニー「ふぅ...死ぬかと思った...助けてくれて本当にありがとよ。」

    ジョン「どういたしまして。」

    ベルトルト「あの作戦から生きて帰ったというのも、今のを見て納得しました。」

    マルコ「でも、ドスマツタケへの道がなくなってしまった。どうしよう...」

    ジョン「それでしたら私が以前に採ったものをお譲りしましょう。」

    コニー「それは遠慮するよ。ジョンさんの貴重な食糧だし、ドスマツタケは自分たちの手で採りたいんだ。」

    ジョン「それなら問題ありません。食糧には困っていませんし、あなたたちにドスマツタケを差し上げるのはあなたたちの勇気を讃えたいからですよ。つまり、あなたたちが自分の力で手に入れたということになります。」
  39. 39 : : 2014/11/17(月) 20:15:06
    ベルトルト「でも...」

    マルコ「ベルトルト。ここはジョンさんの好意を受け取ろう。」

    ジョン「では、ついてきてください。」

    テクテクテク



    ジョン「これがドスマツタケです。」

    コニー「ザ・マツタケって感じだな!」

    マルコ「これで、ドスマツタケゲットだね!」

    ベルトルト「ジョンさん。何から何までありがとうございました。」

    ジョン「いえいえ。あなたたちのお役に立ててよかったです。」



    ライナー「みんな~...どこだ~...」
  40. 40 : : 2014/11/17(月) 21:26:15
    ドマツタケ食べたい!
  41. 41 : : 2014/11/17(月) 21:26:31
    あと、期待!
  42. 42 : : 2014/11/18(火) 21:23:56
    >>41
    期待ありがとうございます。ドスマツタケは美味いです。多分...
  43. 43 : : 2014/11/18(火) 21:34:12
    -ウォールシーナ南部-

    ジャン「この山に登んのかよ...」

    エレンとジャンの目の前に立ちはだかっているのは標高3777メートルの山だった。

    エレン「馬で中腹まで行けるんだし、なんとかなるだろ。」

    おじさん「山を甘く見るでない。」

    エレン「はい?」

    おじさん「山を甘く見ると命を落とすことになる。」

    ジャン「おっさん。あんた何者だ?」

    おじさん「通りすがりの登山家と言っておこう。」

    テクテクテク

    エレン「...とにかく行こうぜ。」

    ジャン「ああ...」

    パカラッパカラッ
  44. 44 : : 2014/11/19(水) 21:06:23
    -五合目-

    エレン「馬で来れるのはここまでだな。降りるぞ。」

    ジャン「おう。」

    二人は馬から降りてそれぞれの馬を近くの小屋に繋いだ。

    エレン「さっさと登って、高山人参を手に入れるぞ。」

    テクテクテク



    -トロスト区-

    アニ「帰ってきたね。トロスト区。」

    ミカサ「ええ。」

    ユミル「次はピクシス司令の畑のジャガイモを採りに行くんだよな?」

    サシャ「そうです。」

    ミカサ「前から疑問だったけど、それって本当に美味しいの?」

    サシャ「はい。そのジャガイモには秘密があるんです...」
  45. 45 : : 2014/11/20(木) 22:00:14
    ミカサ「秘密って...?」

    サシャ「何と、無農薬なんです!」

    アニ「...それだけ?」

    サシャ「それだけとは何ですか!今お店で出回っているものは生産量を確実にキープするために農薬が使用されています。しかし、司令の畑のジャガイモは趣味で作ったものなので農薬を使わずに育っているんです。」

    ユミル「よし、それならもらいに行こうぜ。」

    ミカサ「でも、それより良いジャガイモがどこか秘境にあるんじゃないの?」

    ユミル「(余計なこと言うなよ!)」

    サシャ「秘境にあるジャガイモもあります。それも確かに絶品なんですが...」

    アニ「何か問題があるの?」

    サシャ「どれも癖が強くてシチューには向かないんです。」

    ユミル「(つまり、その秘境のジャガイモも食ったことがあるってことか。こいつの食についての知識量が恐ろしすぎる...)」

    ミカサ「そういうことなら、サシャの言う通り司令の家の畑に向かおう。」
  46. 46 : : 2014/11/20(木) 22:07:28
    面白い!×∞
  47. 47 : : 2014/11/21(金) 20:17:52
    >>46
    ありがとうございます!
  48. 48 : : 2014/11/21(金) 20:25:16
    -クロルバ区-

    ライナー「次置き去りにしたら容赦しないからな。」

    ベルトルト「ははは...もうしないよ。」(苦笑)

    マルコ「さて、次に狙うのは崩恋草だね。」

    コニー「普通のほうれん草じゃねぇの?」

    マルコ「出発前にサシャから崩恋草についての情報を教わってきたんだけど、先ず崩恋草は崩れる恋の草と書いて崩恋草というらしい。」

    ライナー「ものすごく変な名前だな。」

    マルコ「うん。でもこの名前は崩恋草の怖さをそのまま示しているらしい。」

    ベルトルト「崩恋草の怖さって...?」

    マルコ「崩恋草は周囲の人間に幻聴を聞かせ、同士討ちをさせるらしいんだ。」

    コニー「マジかよ!それは確かに怖いな...」

    マルコ「でも、それについての対応策もちゃんと聞いておいた。とにかく、崩恋草があるという丘まで向かおう。」
  49. 49 : : 2014/11/22(土) 20:05:37
    続きは?
  50. 50 : : 2014/11/22(土) 21:43:24
    -ウォールシーナ南部の山-

    テク...テク...テク...

    ジャン「なぁ...エレン...」

    エレン「何だよ...」

    ジャン「あのおっさんの言ってたこと...ちゃんと肝に銘じておくべきだったな...」

    エレン「ああ...そうだな...」

    ジャン「いつも命懸けの訓練をしてる俺らからしたら、危険なことは何もねぇ...でも...」

    ジャン「めっちゃ疲れる!」

    エレン「そんなことは分かってるんだから、いちいち言わなくていいだろ...余計疲れる...」

    ジャン「わりぃ...」

    エレン「...あ!」

    ジャン「どうした?」

    エレン「頂上が見えてきたぞ!」

    ジャン「本当だ!」

    エレン「あと少しだ!」

    ゴールが見えてきたとき、ゴールまであと少しと思うことが良くあるだろう。しかし、そういう場合は大抵ゴールまでまだまだ距離があることが多い。

    今回のケースがまさにそれであると二人が気付くのはもう少し後の話...
  51. 51 : : 2014/11/23(日) 00:21:28
    -ピクシス司令の家-

    ピクシス「zzz...」

    サシャ「どうやら司令は寝ているようですね。」

    ミカサ「今がチャンスね。」

    ユミル「おいおいお前ら。本当にやる気かよ。もし司令に見つかったりして、それが教官の耳に入ったら、どんな罰を与えられるか...」

    アニ「確かに、憲兵団に入るために成績は落としたくないし、できればパスしたいね。」

    ユミル「(よっしゃ!仲間ができた!)」

    ミカサ「できる。」

    ユミル「は?」

    ミカサ「私は強い。ので、私は司令の家の畑からジャガイモを奪うことができる。例えば、一人でも...」

    アニ「(こういうことは一人のほうがやりやすいと思うけど...)」

    ミカサ「あなた達は臆病で腰抜けだ。とても残念だ。ここで、指をくわえたりしてればいい。くわえて見てろ。」

    テクテクテク

    サシャ「(ミカサが発破をかけた...)」

    ユミル「(残念なのはお前の言語力だ。全く心に来ない...)」

    アニ「あのさ...」

    ミカサ「何?」

    アニ「それなら一人で行きな。出来るんだろ?」

    ミカサ「ええ...もちろん...グスッ。」

    ユミル「(ミカサが泣いた...メンタル弱っ!)」
  52. 52 : : 2014/11/23(日) 15:23:52
    タッ

    スタッ

    ミカサは軽快に畑の周りの柵を乗り越えた。

    ミカサ「これね...」

    ミカサはジャガイモの葉の前に座る。

    シャシャシャシャシャシャシャ

    サシャ「何てスピード!しかも繊細!まったくジャガイモ本体を傷つけずに土を掘っています!」

    アニ「やっぱりミカサ一人で正解だったね。」

    ミカサ「...これで周囲の土は取り除けた。後はジャガイモを持っていくだけ。」

    ピクシス「お...おぬし...」

    ユミル「(しまった!ばれた!)」

    アニ「(さっさと逃げよ...)」ササッ

    ピクシス「よくもわしが丹精込めて育て上げたジャガイモを...許さんっぞぉぉぉ!!!」
  53. 53 : : 2014/11/23(日) 22:39:17
    ダッ

    ピクシスがミカサに襲い掛かる。ミカサはそれに反応し迎撃の構えをとる。

    ドガガガガガガ

    サシャ「まさか、司令がミカサに匹敵するほどの戦闘力を持っていたなんて!」

    シャッ ドン! シャッ ドン!シャッ ドン!

    サシャ「何て壮絶な戦い!まるでド〇ゴンボールです!」

    ミカサ「まさかあなたがここまでできるとは...」

    ピクシス「ジャガイモォ!!!許さん!」

    サシャ「ジャガイモの恨みで理性を失っている!?」

    ダッ!

    ピクシスは飛び膝蹴りを放った。

    ミカサ「こうならば仕方ない。奥の手を使う。」

    シュインシュインシュインシュイン

    ギュオオオオ ポーヒー

    ミカサはエネルギー弾(?)を放った。

    ピクシス「ぬぉぉぉぉぉ!」

    デデーン!

    ミカサ「討伐完了。」
  54. 54 : : 2014/11/24(月) 13:53:23
    ミカサすごい!?
  55. 55 : : 2014/11/24(月) 14:44:22
    サシャ「さすがです!皆さんもそう思いますよね!?」

    シーン

    サシャ「二人が居ない!?」

    ミカサ「では、今度こそジャガイモを持っていこう。」

    テクテクテク

    ピクシス「ジャガイモ...」

    ミカサ「!?」

    ピクシス「zzz...わしのジャガイモ...」

    サシャ「寝ている?」

    ミカサ「もしかしたら司令は最初から眠っていたままだったのかもしれない。」

    サシャ「ええ!?じゃあ、眠ったままであんな戦いをしていたんですか!?司令の食への執念はすごいですねぇ...」

    ミカサ「あなたも人のことは言えないと思う。」ボソッ

    サシャ「何か言いましたか?」

    ミカサ「いえ、何でもない。」
  56. 56 : : 2014/11/24(月) 14:49:50
    ジャガイモだけに……
  57. 57 : : 2014/11/24(月) 19:08:58
    -崩恋草のある丘-

    コニー「ここに崩恋草があんのか...」

    ベルトルト「それで、サシャに教えてもらった対応策ってどんな策なの?」

    マルコ「崩恋草の採取に向かう人数を一人にするんだ。」

    ライナー「なるほど、一人なら同士討ちをすることはないというわけか。」

    マルコ「ああ。でも一人だから安全と言うことでもないらしい。幻聴を聞かせ精神的にダメージを与えてくるらしいんだ。」

    ベルトルト「となると、崩恋草を採りに向かう一人は精神面が強いことが条件になるのか。」

    コニー「その条件を一番満たしてそうなのは...」

    ジィィ

    コニーとマルコの二人は同じ人物に目線を映した。その人物とは...

    ライナー「俺?」

    マルコ「うん。君しかいないよ。」

    コニー「頼むぜライナー。」

    ベルトルト「(ええええええ!!!まずいだろ!こいつは一見するとメンタル強そうだけど、実際は罪の意識で二重人格になるほど豆腐メンタルだぞ!)」

    ライナー「分かった。行ってくる。」

    テクテクテク

    あれほどのことをすれば例え豆腐メンタルでなくても二重人格になりそうなものだが、それがなくとも、ベルトルトの言う通りライナーは豆腐メンタルであった。果たして、ライナーの運命は...
  58. 58 : : 2014/11/24(月) 22:29:42
    -ライナーが丘を歩くこと、五分-

    ライナー「何も起こらないな。幻聴を聞かせるなんてやはり嘘だったか。」

    コニー『おいゴリラ!』

    ライナー「!?」

    コニー『お前、前から思ってたけどキモイよな。』

    ライナー「(これは例の幻聴!?本当にこんなことがあるとは...)」

    マルコ『お前ホモだろ。もう顔見せんなホモゴリラ。』

    ベルトルト『二重人格になるなんて、本当に豆腐メンタルだね。戦士にも兵士にもなれない半端者が!』

    ライナー「(確かにキツイ...だが、俺は屈しないぞ。第一、他のみんなはここには居ないんだ!崩恋草、貴様なんかに騙されるものか!)」

    クリスタ『ライナーきもい。死んで。』

    ライナー「!!!?」




    -ライナー出発から十分後-

    フラフラフラ

    コニー「ライナー!」

    マルコ「崩恋草は?」

    ライナー「うぅ...ダメだぁ!クリスタからの罵倒なんて、俺には耐えられない!」

    ベルトルト「(やっぱりダメだったか。精神的な弱点ありすぎだもんな...)」
  59. 59 : : 2014/11/25(火) 19:57:55
    マルコ「どうしよう。ライナーがダメとなると...」

    ベルトルト「コニーはどうだろう。」

    コニー「俺か!?」

    マルコ「コニーなら幻聴も気にせず進めそうだからね。」

    コニー「...分かったよ。でも耐えらんなかったらすぐ引き返すからな!」



    -コニー出発から十五分後-

    テクテクテク

    マルコ「コニーが戻ってきた!」

    ベルトルト「崩恋草は?」

    コニー「ちゃんと採ってきたぜ。」

    マルコ「さすがコニーだ!」

    ライナー「お前は...あの幻聴に...耐えたのか...」

    コニー「あんなもん、全部言い返してやったよ!」

    マルコ「幻聴に言い返すとは...」

    ベルトルト「とにかく、これで僕らの任務は完了したし、訓練所に戻ろう。」
  60. 60 : : 2014/11/27(木) 19:01:20
    -ウォールシーナ南部の山-

    エレン「手に...入れたな...高山人参...」

    ジャン「ああ...辛い...道のりだった...」

    エレン「本当に...死ぬかと思ったぜ...けどよ...」

    ジャン「?」

    エレン「こんな地味な苦しさ、読者にはいまいち伝わらなそうだな。」

    ジャン「そうか...まあ、読者の皆様に一言だけ言っておこう。」

    エレン・ジャン「山を甘く見るな。」

    エレン「もう少し休んだらトロスト区に向かおうぜ。」

    ジャン「おう。」

    こうして、6つの食材を手に入れたエレン達。

    残るは、サシャ曰く最も捕獲困難であるジャイアントピグだ。
  61. 61 : : 2014/11/29(土) 15:38:13
    -訓練所-

    エレン「ただいま...」

    ミカサ「お帰りエレン。」

    ジャン「疲れた~。」

    アニ「あんたら、遅いよ。」

    サシャ「仕方ありませんよ。彼らはウォールシーナの食材担当でしたから。それよりも、皆さんお疲れなことのほうが問題です。」

    アニ「マルコ班は帰ってきた瞬間全員寝ちゃったからね。」

    ミカサ「私たちの班もユミルが部屋へ戻ってしまった。」

    ジャン「俺ももう無理だ。動けねぇ。」

    エレン「俺はまだいけるぞ!」

    ジャン「無理すんなよ、死に急ぎ野郎。」

    サシャ「こうなるとジャイアントピグ捕獲には私、エレン、ミカサ、アニの4人で向かうことになりそうですね。」

    エレン「それで大丈夫なのか?」

    サシャ「ミカサがあのエネルギー弾をもう一度出せばいけると思います。」

    ミカサ「悪いけどあれはもう無理。」

    サシャ「...やばいかもです。」
  62. 62 : : 2014/11/29(土) 19:00:11
    エレン「え、やばいの?」

    サシャ「やばいです。」

    ミカサ「十年に一人の逸材が居ても?」

    アニ「自分で言うなよ。」

    サシャ「やばいです。」

    アニ「他のみんなが起きるのを待つしかないのかい?」

    エレン「そんなに待ったらアルミンが帰ってきちまうだろうが。」

    サシャ「こうなったらもう、ダメもとで行くしかないですね。」

    アニ「え...勝算もないのにいくの?」

    エレン「アニ、嫌なら帰っていいぞ。」

    アニ「別に嫌じゃないよ。(それ言われたら帰れないじゃないか。)」

    サシャ「では、ジャイアントピグ捕獲へ出発!!!」

    エレン「オーーー!!!」

    ミカサ「おー。」

    アニ「...(なるべくけがしないようにしよう。)」
  63. 63 : : 2014/11/30(日) 15:19:05
    -訓練所周辺の森-

    テクテクテク

    エレン「本当にここらへんにいるのかよ。」

    サシャ「はい。」

    アニ「て言ってもねぇ、私たちが立体機動の訓練によく使う森じゃないか。」

    サシャ「ジャイアントピグは普段は臆病で人を避けるんです。だから皆さん、気配を消してくださいね。」

    ミカサ「...」コクッ



    アニ「(日が暮れてきた...)」

    エレン「(やっぱり居ないじゃないか?)」

    ズシン ズシン

    エレン「!?」

    サシャ「ジャイアントピグの足音です。」ヒソヒソ

    エレン「今のが!?」ヒソヒソ

    サシャ「これを逃してはなりません。足音のするほうへ向かいましょう。」ヒソヒソ
  64. 64 : : 2014/12/02(火) 22:15:30
    スタスタスタ

    エレン「あ...あれか?」

    サシャ「はい。まさしくあれです。」

    ミカサ「大きい...」

    アニ「これじゃあまるで...」

    エレン「...巨人だ。」

    彼らの前に現れたのは高さ5メートルの豚であった。

    念のために言っておくが、全長ではなく高さである。

    サシャ「今は散歩に夢中なようですね。」

    エレン「この図体で歩くスピードは俺たちと同じって、のろまだな。」

    サシャ「それは平常時の話です。一度怒りだしたが最後。生きることは許されません。」

    アニ「恐ろしい限りだ。」

    ミカサ「それなら怒らせる前に仕留めればいい。」

    サシャ「さすがミカサ。大正解です!ジャイアントピグは大人しい時を狙って一撃で仕留める。これが主流なんです。」
  65. 65 : : 2014/12/03(水) 22:05:30
    サシャ「というわけで、一撃で一気に仕留めちゃいましょう。」

    エレン「こんなでかい奴、どうやって仕留めればいいんだ?」

    サシャ「後頭部より下のうなじにかけての縦1メートル、幅10センチ、これがジャイアントピグの弱点です。」

    アニ「巨人と全く同じだね。」

    エレン「ちょっと待て。豚のうなじってどこだ?」

    サシャ「それっぽい所を勘で削ぎ落としてください。」

    エレン「勘かよ!」

    ミカサ「そういうことなら私がやろう。」

    エレン「ミカサ!?」

    ミカサ「この中で一番うなじ削ぎ力が高いのは私。」

    アニ「(うなじ削ぎ力って何?戦闘力の一種?)」

    サシャ「私もミカサが適任だと思います。」

    エレン「ミカサ。頼んだぜ。」

    ミカサ「任せて。では、早速削いでくる。」

    パシュッ ギュイイン

    ミカサはジャイアントピグの真上へと飛ぶ。

    そして、立体機動のアンカーをジャイアントピグのうなじ(?)に刺した。
  66. 66 : : 2014/12/03(水) 22:09:55
    期待☆
  67. 67 : : 2014/12/04(木) 21:47:25
    >>66
    ありがとうございます!
  68. 68 : : 2014/12/04(木) 21:56:48
    ギュイイン!

    ミカサ「はぁ!」

    ガキィン!

    ミカサ「どうして...刃が通らない...?」

    エレン「どうだった!?」

    ミカサ「失敗した。皮膚が鋼鉄のように硬くて刃が通らなかった。」

    エレン「何ぃ!?」

    ミカサ「...結晶のようなもので、うなじを覆っている?」

    アニ「(え、それ巨人の力じゃん。)」

    サシャ「ああ!重大なことを忘れてました!ジャイアントピグは攻撃を受けそうになると皮膚を硬質化させるんです!恐らく、アンカーを刺したことで気付かれてしまったのでしょう。」

    エレン「そんな大事なこと言い忘れるなよ!」

    サシャ「すみません。でも、硬質化は数分で解けます。その後アンカーをうなじに刺さずに攻撃すれば...」

    ジャイアントピグ「グルルルルルブヒヒヒヒ!」

    サシャ「!!!!!......」

    エレン「サシャ、どうかしたか?」

    サシャ「今すぐ逃げましょう。」

    ミカサ「どうして?」

    サシャ「ジャイアントピグがとうとう怒り出しました!!!」
  69. 69 : : 2014/12/05(金) 22:07:58
    エレン「まじかよ!どうすんだ!?」

    サシャ「全力で逃げるしかありません!」

    パシュッ ギュイイン

    エレン「わ、分かった!」

    パシュッ ギュイイン

    アニ「いくら奴でも立体機動のスピードには敵わないわよね。」

    サシャ「安心するのはまだです。ジャイアントピグの底力は私にもわかりません。」

    ミカサ「...近付いてる。」ボソッ

    エレン「え!?」

    ......ドドドドドドドドド

    エレン「この音...」

    サシャ「ジャ、ジャイアントピグの足音です!」

    アニ「すごいスピードで近付いて...って、もう見えるところまで!」

    エレン「(このままじゃ追いつかれる!何とかしないと...)」
  70. 70 : : 2014/12/06(土) 14:33:17
    エレン「(考えるんだ、この状況を何とかする方法を...)」

    エレン「...」

    エレン「(全く思いつかねぇ。こういうのはアルミンに任せてたからな。あいつの凄さを改めて実感するぜ。)」



    -トロスト区-

    クリスタ「今日は欲しいもの一杯買えて楽しかったなぁ。でも、付き合わせちゃってごめんね。」

    アルミン「いいよいいよ、僕も楽しかったし。(クリスタと二人きりだもんね。)」

    クリスタ「それで、渡したいものがあるんだけど...」

    アルミン「僕に?」

    クリスタ「うん。えっとね...」ガサゴソ

    クリスタ「あった!はい、どうぞ。」

    アルミン「これは...手袋?どうして?」

    クリスタ「......アルミン。」

    クリスタ「誕生日おめでとう!これは私からの誕生日プレゼント!」

    アルミン「...ありがとう!クリスタって僕の誕生日知ってたんだ!」

    クリスタ「もちろん!」

    アルミン「(女神から誕生日プレゼントを...今日は人生最高の誕生日だ。)」



    ドドドドドドドドド

    ジャイアントピグ「グルルルルルブヒヒヒヒ」

    エレン「(どうすればいい!!?教えてくれ、アルミン!!!)」
  71. 71 : : 2014/12/06(土) 17:52:01
    ドドドドドドドドド

    エレン「(...馬鹿だな。俺も、アルミンの誕生日プレゼントのための狩りなのに、この場にいないアルミンにすがってる。いい加減、自立しないとな...)」

    サシャ「ひぃぃ!追いつかれるぅ!」

    エレン「(冷静に考えろ。何か活路はあるはずだ。何か...そうだ!この先に、崖があったはずだ。そこに奴を落とせばいいんだ!)」

    エレン「みんな!聞いてくれ!ここから真っ直ぐ行けば崖がある。そこにこいつを落とす!」

    アニ「それは名案だね。」

    ミカサ「でもどうやって?」

    エレン「俺たちが崖から落ちる。あいつは怒り心頭だから、必ず俺たちを追って崖から落っこちるはずだ。しかし、これはかなり危険な作戦だ。立体機動のタイミングや操作を間違えば、地面に叩き付けられて骨折、下手したら死ぬ。」

    サシャ「...」ゴクリッ

    エレン「みんな、やってくれるか?」

    ミカサ「当然。」

    エレン「他の二人は?」

    サシャ「狩りはいつでも命懸け!もちろんやります!」

    アニ「一応憲兵団志望だからね。そのぐらいやってあげるよ。」

    エレン「アニ...」

    アニ「むしろ、最初の適正審査で宙返りしたあんたが一番心配だけどね。」

    エレン「うるせぇ。やってやるよ。」
  72. 72 : : 2014/12/06(土) 21:44:32
    パシュッ ギュイイン

    エレン「そろそろだ...」

    ドドドドドドドドド

    エレン「...見えてきた!みんな...行くぞ!」

    バッ

    エレン達四人は、立体機動で崖から飛び出した。彼らのことしか目に入っていなかったジャイアントピグは、崖から真っ逆さまに落下した。

    エレン「よっしゃぁ!作戦成功だ!」

    ミカサ「まだよ。本当の意味での作戦成功は、着地を成功させてから。」

    エレン「分かってるって。うおおおおお!」

    パシュッ ギュイイン

    四人は、全神経を集中させ、立体機動装置を操作する。

    エレン「うおっ!」

    ダンッ ズザァァァァ

    エレン「いててて...」

    タンッ

    ミカサ「大丈夫、エレン?」

    エレン「ああ、ケガはねぇよ。」
  73. 73 : : 2014/12/06(土) 21:48:29
    続きを!
    期待♪♪
  74. 74 : : 2014/12/07(日) 19:38:33
    >>73
    ありがとうございます。
  75. 75 : : 2014/12/07(日) 19:46:23
    サシャ「ジャイアントピグの方はどうでしょうか。ちゃんと殺せましたかね?」

    ミカサ「見てくる。」

    テクテクテク

    ミカサ「意識はないようね。念のためにうなじを削いでおこう。」

    ザシュッ

    サシャ「ということはこれで...」

    アニ「ジャイアントピグ。」

    エレン「ハント成功だ!!!」



    -訓練所、食堂-

    ライナー「お、帰ってきたか。」

    マルコ「その様子だと無事ジャイアントピグを手に入れたようだね。」

    エレン「まあな。それよりお前ら、帰った瞬間寝てんじゃねぇよ。」

    マルコ「ごめんごめん。かなり疲れてたから。」

    エレン「ま、結局ジャイアントピグは手に入れれたからいいけど。」

    サシャ「早速調理を始めましょう!これだけの食材ですから調理も骨が折れますよ!」

    ジャン「まじかよ。もうヘトヘトだ...」

    エレン「ジャイアントピグから逃げたんだからこれぐらいやれよ。」

    ジャン「はぁ?言っとくが俺は逃げた訳じゃ」

    ミカサ「ジャン、早くエプロンを着けて。」ゴゴゴゴゴ

    ジャン「はい...」
  76. 76 : : 2014/12/07(日) 22:09:46
    -20分後-

    アルミン「これは...」

    アルミンが見たもの。それは"アルミン誕生日おめでとう"と書かれた横断幕が食堂の壁に下げられている光景だった。

    クリスタ「実は今日一日、アルミンの誕生日を祝うためにみんな準備をしてたの。アルミンにそれを気づかれないようにって私がアルミンを買い物に誘ったの。」

    アルミン「そうだったんだ。(それで二人きりになれたのか。ちょっと残念...だけど、嬉しい。)」

    アルミン「みんな、ありがとう。」グスッ

    アニ「あら、やっと来たみたいだね。」

    アルミン「アニ、ユミル。」

    ユミル「まだもう少し時間がかかるんでな。席について待っててくれ。てか、何で泣いてんだ?」

    アルミン「え、それは...」

    ゴシゴシ

    アルミン「何でもない。それより、何が出るか楽しみだよ。」

    アニ「期待して待ちな。」
  77. 77 : : 2014/12/08(月) 19:48:13
    -10分後-

    サシャ「お待たせしましたアルミン!誕生日プレゼントが出来上がりましたよ!」

    アルミン「本当に!?」

    ライナー「今持っていく。」

    ヨイショヨイショ

    ドンッ

    アルミン「鍋?」

    エレン「これが、俺たちからの誕生日プレゼントだ!」

    エレンが鍋のふたを開ける。

    アルミン「シチューだ...凄い良い香りがするよ!」

    サシャ「牛乳にはヴァイオレンスカウの母乳を、肉にはジャイアントピグを、ほうれん草には崩恋草を...」

    アルミン「あの、何を言っているのか分からないんだけど...」

    コニー「要は、すっげぇ絶品食材を使ったシチューってことだ!」

    アルミン「へぇ。でも、そんな食材をどこから手に入れたの?」

    マルコ「自分たちで獲ったのさ。」

    ジャン「我ながら大変だったぜ。」

    アルミン「僕が出かけてる間にそんなことしてたの!?」

    ベルトルト「アルミンを喜ばせたくてね。」

    アルミン「ありがとう!こんなに贅沢な誕生日プレゼントは初めてだよ!しかも、みんなの心がこもってる...本当に嬉しいよ。」
  78. 78 : : 2014/12/09(火) 20:32:08
    サシャ「では、冷めないうちにどうぞ。」

    アルミン「うん、いただきまーす!」

    アルミンは鍋から小皿へと一人前の量のシチューを移した。

    モグモグ

    アルミン「お、美味しいっ!!!!!何て美味しさだ!ミスター〇っ子の味〇が食べたらきっと宇宙に行っちゃうよ!」

    エレン「例えが変だけど、とにかくよかった!みんなが頑張った甲斐があったよ。」

    コニー「...本当にうまそうだな。」

    アルミン「コニーも食べてみなよ。」

    コニー「いやいや、これはアルミンへの誕生日プレゼントだから...」グ~

    エレン「俺たちも飯に...」グ~

    グ~(全員)

    アルミン「やっぱりみんなも食べなよ。そもそもこんな一杯、僕一人じゃ食べられないし。」

    サシャ「本当に良いんですか!?私ならあげませんよ。」

    アルミン「僕はサシャみたいに大食いじゃないから。それに、みんなで食べたほうがきっと美味しくなるよ!」

    コニー「おう!その通りだ!」

    ジャン「お前が食べたいだけだろ。」

    ライナー「しかし、正論なのは確かだ。」

    エレン「それじゃあ、お言葉に甘えるとするか!」

    全員「いただきまーす!」
  79. 79 : : 2014/12/10(水) 20:04:41
    モグモグモグモグ

    ベルトルト「美味しい!」

    コニー「こんな美味いシチュー、食ったことねえ!」

    クリスタ「こんな凄いシチューを作っちゃうなんて、みんな凄いね!」

    ライナー「(女神に褒められた...結婚しよ。)」

    ジャン「本当に美味いな。こんな美味いシチューを食べれたのも、元を辿れば死に急ぎ野郎のお陰か...」

    エレン「なんだよ急に。気持ち悪いぞ。」

    ジャン「人が素直に褒めてるのに何だその態度は。」

    マルコ「素直に褒めてるとは言えないね。」

    アルミン「でも、それってどういうこと?」

    コニー「実は、俺とジャンは今日がアルミンの誕生日だって知らなかったんだよ。でも、エレンがそれを朝に言ってきて、聞いた以上は何か適当なプレゼントを買ってやろうって言ったんだけど...」

    ジャン「適当じゃダメだってことになってな。」

    ライナー「それで俺がみんなでお金を出し合ってそれなりの物を買おうと言ったら、エレンはお金で買えないようなプレゼントにしたいって言って...」

    サシャ「そこで私がシチューを提案したんです。つまり、全ては私のおk」

    ミカサ「エレンのお陰ということ。」
  80. 80 : : 2014/12/11(木) 00:02:42
    アルミン「エレンが...」

    エレン「まあ、俺が一番世話になってるからな。そのお返しだよ///」

    ジャン「(何故頬を赤らめた!?)」

    ライナー「エレンの奴、ジャンの言う通りホモだったのか...」

    アニ「単に照れてるだけでしょ。どう考えても。」

    アルミン「お返しだなんてとんでもない。いつもお世話になってるのは僕の方だよ。」

    エレン「俺は何にもしてねぇよ。それに今日、ジャイアントピグを捕獲するときに実感したんだ。俺はいっつもアルミンに頼ってたって。でも、頼りっぱなしも良くないよな。だから、頭を使うこととか全部お前に任せてたけど、これからは自分でもやってみるよ。」

    ユミル「私はアルミンに任せたほうが賢明だと思うぞ。」

    エレン「人が自立しようとしてる時に水を差すなよ。」

    アルミン「でも、実際エレンはそういうのは苦手だと思うよ。だから、これからもどんどん僕に頼って。」

    ???「今しがた良いにおいがしたが、何のにおいかね?」
  81. 81 : : 2014/12/11(木) 22:10:30
    アルミン「キース教官!?」

    サシャ「それは多分、そのシチューのにおいです!」

    キース「どれ...」

    テクテクテク

    キース「本当だ。近くで嗅ぐと尚素晴らしいにおいだ。」

    アルミン「少し食べてみます?」

    キース「良いのか?」

    アルミン「もちろんです。」

    キース「では、いただこう。」

    モグモグモグモグ

    キース「これは凄い。どの具材も最高のものが使われている。」

    サシャ「分かります!?」

    キース「ああ。スープにはヴァイオレンスカウの母乳を、人参には高山人参を使っている。玉ねぎは...デスオニオンだな。それにキノコはドスマツタケ、ほうれん草には崩恋草が使われている。どれをとっても素晴らしい食材だ。そして、肉。これはジャイアントピグの...」

    キース「子供の肉だな。」

    エレン「え!?」
  82. 82 : : 2014/12/12(金) 20:45:19
    アニ「私たちが仕留めたのは高さ5メートルの超大物でしたよ。」

    キース「やはり子供のジャイアントピグだな。大人のジャイアントピグは高さ15メートルにもなる。」

    クリスタ「15メートル!?」

    サシャ「大人の肉の方がやっぱり美味しいんですか!?」

    キース「いや、確かに大人もうまいが子供の肉と比べると硬く、大味な面がある。だから、子供の肉の方が美味とされている。」

    ミカサ「ならよかった。」

    キース「その代わり、ジャイアントピグの子供を仕留めることは、大人を仕留めるよりも危険だ。理由は、その子供の親を怒らせてしまうことになるからだ。大人のジャイアントピグが怒りだせばその脅威は巨人すらも上回る。」

    エレン「俺たちは、大人がいないときに運よく子供を仕留めることが出来たというわけですね。」

    キース「ああ。しかし、運が良かったと断言はできない。」

    エレン「何故です?」

    キース「ジャイアントピグは家族が殺されるとその仇討ちをする習性がある。だから、自分の子供を殺された親のジャイアントピグが、子供を殺した者へ仇討ちに...」

    ドドドドドドドドドドッ!!!

    サシャ「この音は!?」

    キース「間違いない...奴が、来た!」
  83. 83 : : 2014/12/13(土) 00:01:49
    エレン「奴!?」

    キース「急いで宿舎から出るんだ!ここにいては建物もろとも吹き飛ばされるぞ!」



    -外-

    ドドドドドドドドドドッ!!!!!

    エレン「音が近付いてきてる。」

    サシャ「皆さん...あれ...」

    皆は一斉にサシャが指さす方向を見る。

    アルミン「そんな...バカな!?」

    一同が目にしたのは、宿舎へともう突進してくる高さ15メートルの豚であった。

    もう一度言うが、全長ではなく高さである。

    エレン「キース教官、どうすれば!?」

    キース「私には分からないな。お前たちで何とかしろ。では...」

    タッタッタッタッ

    エレン「あ!逃げた!」

    アルミン「こんなでかい奴が本当にいるなんて...」

    サシャ「早く私たちも逃げましょう!」

    エレン「かなり近付いてきやがった...アルミン、何か策はないか!?」
  84. 84 : : 2014/12/13(土) 16:22:35
    アルミン「そんなのないよ!」

    エレン「そこを何とか。」

    アルミン「知らないよ!元はと言えば君たちが持ち込んできた厄介ごとだろ!それに、頭を使うことも自分でやってみるってさっき言ったばかりじゃないか!」

    エレン「そんなにすぐにできるようになるわけないだろ!それに、お前もどんどん頼ってって言ったじゃないか!」

    アルミン「それはエレンが何も考えつかなかった時の話だよ!」

    エレン「今がその時だ!」

    アルミン「いや、君は考えることを放棄している!」

    ジャン「お前ら!喧嘩してねぇでさっさと逃げろ!でないと...」

    アニ「もう、遅いよ。」

    エレン・アルミン「!?」

    ドドドドドドドドドドッ!!!!!!!

    ズドォォン!!!



    ジャイアントピグは、エレンとアルミンを吹き飛ばすと、森へと帰って行った。

    なお、エレンとアルミンは、一命はとりとめたものの全治二か月の重傷を負ったという...

    サシャ「めでたしめでたし。」

    エレン・アルミン「どこがだよ!」



    おしまい

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