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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

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ベルトルト「アニを助けにいく」

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  1. 1 : : 2014/10/26(日) 21:27:25



    「ねえお父さん、あれなあに?」


    少年が指さした先にはドーム状の大きな建物が一つ
     


    「ああ、あそこにはね」


    「お姫様が眠っているんだよ─────」




    ───────────────────────
    ───────────────────────



    850年 故郷



    ベルトルト(エレンと戦ってから1週間が過ぎた)

    ベルトルト(結局エレンは奪われて…しかも座標持ちで…今生きているだけでもすごいことだ)



    ベルトルト(ずっと帰りたかった故郷)



    ベルトルト(だけど、うれしいという気持ちはない)

    ベルトルト(ずっと頭から離れないものがある)




    ────アニなら今、極北のユトピア区で

           拷問をうけているよ─────




    ベルトルト「アニ…」


    ベルトルト(どうせ先はもう短いんだ)



    アニ父『アニ!!どうして…』

    アニ父『ごめんな!!本当にごめんな!ぁぁあああ!!!』




    ベルトルト「今、助けにいくから…!」





  2. 2 : : 2014/10/26(日) 21:42:30


    ライナー「本当にいくんだな?」

    ベルトルト「うん」

    ライナー「今はきっと…警戒されていて見張りも沢山いるだろう」

    ベルトルト「わかってる」


    ライナー「…よし、俺もいくぞ」

    ベルトルト「ありがとう…」



    「おい、お前等レオンハートの娘を助けにいくつもりか?」

    ベルトルト「!!」

    ベルトルト(…権力者だ)


    ベルトルト「…知性巨人が多い方がこちらに有利だと思いますので」

    権力者「ああ、そうだろうな」


    権力者「だが、認めん」

    ベルトルト「どうして!?」


    権力者「ただでさえ知性巨人の数が少ない」

    権力者「お前等が戻ってこなかったらどうする?」

    ベルトルト「しかし…!」



    権力者「では、一人だ」

    ベルトルト「!?」

    権力者「助けにいくのは一人」


    ライナー「まってください!」

    ライナー「二人の方が効率がよいはずです」

    権力者「しかしこちらとしては二人とも死ぬリスクの方が厳しい」


    権力者「こちらの条件が飲めないなら二人とも故郷からださぬ」

    ライナー「く…!」



    ライナー「…どうする?」

    ライナー「俺の巨人の方が移動が便利だ」

    ベルトルト「……………」

    ライナー「それにお前、まだこの前の戦いで完全に回復してないだろ?」



    ベルトルト「それでも…僕が…」

    ライナー「…………」


    ライナー「……ふぅ」


    ライナー「ああ、そうだな」

    ライナー「精神としては俺の方が不安定だ」

    ベルトルト「ライナー…」


    ライナー「…ちゃんと戻ってこいよ」

    ベルトルト「もちろんだ」


    ライナー「それと…」



    ライナー「アニにあったらちゃんと自分の思いを伝えろよ?」ニヤ

    ベルトルト「な、何を…!?」



    ライナー「はは!」

    ライナー「じゃあ行ってこい」

    ベルトルト「うん」



    そうして夜

    僕は再び壁内へと向かった




  3. 3 : : 2014/10/27(月) 20:48:05

    ユトピア区


    ベルトルト(なんとか夜が明ける前についた)

    ベルトルト(よく馬でいけたな…)


    ベルトルト(極北の地域とはいえ身バレは避けたい)

    ベルトルト(まあ、持ち前の空気さでなんとかなるかな)

    ベルトルト(服はとりあえず調査兵団の服で紛れよう)

      
    ベルトルト(まずは、情報を得ないと)


    僕は街中を歩く一人の女性に話しかける


    ベルトルト「すみません、最近ここら辺で調査兵が行き来している場所はありますか?」

    女「?」



    女「い、いやぁぁああああ!!!」

    女「調査兵団よ!!調査兵団がきたわ!!」


    ベルトルト(な、なんだ…?)

    ベルトルト(人が集まってきたぞ!?)


    住民A「おお!のこのこと現れるとは…」

    住民B「指名手配犯の登場だぜ!」

    住民C「こいつを倒せば生活に困らねえ金が…」


    ベルトルト(なんだ!?)

    ベルトルト(みんなが僕を見る目が…こわい)


    ベルトルト(彼らは僕が調査兵団だと思ってから敵意を向けた。てことは僕自身…超大型巨人に敵意を向けているわけじゃない)

    ベルトルト(何したんだよ調査兵団!?)



    住民A「殺せぇぇええ!!」

    ベルトルト(とにかく、逃げよう!)


    住民B「逃げたぞ!皆、武器をもて!憲兵を呼んでこい!」


    ベルトルト(まさか…こんな多くの住民に追われるなんて!)

    ベルトルト(憲兵に捕まったらすべてが終わりだ)


    ベルトルト(必ず…逃げ切る!)




    ???「おい、屋根にあがれ!」

    ベルトルト「!!」


    見上げると、調査兵団でみたことがあるような人がいた


    ???「見たことねえような顔だが…新兵か?」

    ???「とにかく上へあがれ!」


    ベルトルト「…………」


    後ろを振り返ると跳び道具をもつ住民達


    僕はそれをみて彼の言葉に従うことを決めた




  4. 4 : : 2014/10/27(月) 20:55:42
    期待
  5. 5 : : 2014/10/27(月) 20:57:22


    「どこだー!?」「さがせー!!」


    ベルトルト「…はあ、はあ」

    ???「大丈夫か?」

    ベルトルト「はい、ありがとうございます」

    ???「俺は調査兵Aだ」

    調査兵A「にしてもお前こんな状況でよくその服をきていられたな」 
     
    ベルトルト「こんな状況…?」


    調査兵A「は…?知らねえのか?」

    ベルトルト(やばいな、怪しまれる)


    ベルトルト「すみません、先日の戦いで意識を失っていたもので…」

    調査兵A「ああ、大変だったな…」


    調査兵A「それでどうしてこの街に?」

    ベルトルト「…エルヴィン団長から伝言をいただいてこちらに来ました」

    調査兵A「伝言…?」


    ベルトルト「先日からここにいる…例の女型の巨人についてです」

    調査兵A「!!」

    ベルトルト「団長から様子をみてくるように頼まれました」

    ベルトルト「案内してもらえますか?」

    調査兵A「ああ、……ついてこい」



    ベルトルト(アニ…やっと会える)


    ベルトルト(すぐに君を助けてあげるからね)


    ベルトルト(…やっと君を守ってあげられそうだから)


  6. 6 : : 2014/10/27(月) 21:17:07


    地下


    ベルトルト(本当に地下室に…)

    調査兵A「この部屋に例の巨人はいる」


    ベルトルト(この部屋に…) 


    扉に手をかける


    ベルトルト(アニにあったらすぐにこの人の首をはねてここからでよう)


    扉をあける



    ベルトルト「……?」


    しかしそこにアニの姿はない

    代わりに3,4人の男性がいた



    調査兵A「こいつをつかまえろ!!」


    調査兵A「超大型巨人か鎧の巨人だ!!」

    ベルトルト「!!?」


    男達が僕にとびかかる


    ベルトルト(アニは…ここにいないのか!?)


    調査兵A「へへ…本当にやってくるとはな」

    調査兵A「ここに女型はいないのによぉ…ここに女型がいると信じているやつは敵の巨人しかいないと聞いたからな」


    調査兵A「こんな大変な時にきてくれたのは困るが…」



    ベルトルト(だめだ…3対1じゃやられてしまう!)


    調査兵B「眠ってろ!」


    頭を鈍器で殴られる


    ベルトルト「ぐっ……」


    意識が遠のく



    ベルトルト(こんなところで終わってしまったら…)


    ベルトルト(アニ…君を…)



    『アニ、お前またけんかをしたのか?』



    ベルトルト(!!)


    『あっちから絡んできたんだよ』



    ベルトルト(これは…昔の、記憶?)


    ベルトルト(僕らがまだ小さかった頃の────────)




  7. 7 : : 2014/10/27(月) 21:38:27

    ──────────────────

    6年前 故郷


    ライナー「アニ、またけんかをしたのか?」

    ライナー「傷だらけじゃないか」


    アニ「あっちから絡んできたんだよ」

    アニ「まあ返り討ちにしてやったけどね」

    ベルトルト「大丈夫?」

    アニ「当然」


    ライナー「でもよ…お前も女なんだから男に身体で相手をしようとするのはどうかと思うぞ?」

    アニ「じゃあどうしろっていうの?」

    ライナー「まず喧嘩をしないのはどうだ?」



    アニ「…どうせ勝てるんだし」

    アニ「誰の助けもいらないし、自分の身は自分で守れる」


    アニ「あんたらに心配される必要はないんだよ」


    ライナー「そうはいってもな…。ベルトルトなんかいってやれよ」

    ベルトルト「ええ…!?」


    ベルトルト「えーっと…」


    アニ「………」


    ベルトルト「ぼ、僕が…」


    ベルトルト「……………」グッ


    アニ「何?」



    ベルトルト「いや、ううん」

    ベルトルト「怪我、みせて。お風呂はいるときとかいたそうだから」

    アニ「…べつにこれくらい舐めたらなおるし」


    ライナー「アニは本当に男前だな」

    アニ「は?私は乙女だけど?」

    ライナー「ガキ大将を蹴り飛ばす女は乙女とはいわん」

    ライナー「こんなんじゃ一生男なんてできないぞ?」

    アニ「…別にいらないし」

    アニ「一人でやってけるし」

    ベルトルト「…………」



    ────────────────────

  8. 8 : : 2014/10/27(月) 22:09:38

    「僕が……君を守るから」


    僕よりも強い彼女と、僕の身体より何周りも大きいガキ大将


    このことを考えたら

    僕にその言葉をかける勇気はでなかった


    ずっと僕は彼女に必要がないと思っていた



    ベルトルト(だけど…)


    ベルトルト(今は…今なら…)


    ベルトルト(彼女を、助けることが…できるんだ!!)


    『アニにあったらちゃんと自分の思いを伝えろよ?』


    ベルトルト(彼女を助けることができたら…自信をもって言えるんだ!!)



    調査兵A「!!」


    ベルトルト「………っ!」


    ブレードを彼の首をめがけて振る


    彼の首が落ちるのと



    調査兵B「うわぁあ!!」


    他の二人の足を削ぎ落とすのはほぼ同時だった



    彼らの首もとに刃をあてる



    ベルトルト「言え…」


    ベルトルト「女型の巨人はどこだ!?」




  9. 9 : : 2014/10/27(月) 22:23:23

    調査兵B「だ、誰が…いうか…」


    ベルトルト「……」


    調査兵Cを見る


    調査兵C「ひい…!?」


    調査兵C「言うもんか…」

    ベルトルト「………」


    ベルトルト「アニは…ひどい拷問を受けているそうだね」

    調査兵C「は…?」

    ベルトルト「回復をするからといっても痛みは癒えない」


    ベルトルト「そんな彼女を…お前等はずっと傷つけているんだろ!?」

    ベルトルト「なら僕にも悪魔のようなお前らを傷つける権利はある…!」



    ベルトルト「おい、調査兵C…」

    調査兵C「な、なんだよ…」

    ベルトルト「今から質問をする」

    ベルトルト「もし質問に答えなかったり少しでも答えるのが遅かったら…」


    ベルトルト「まずは彼の指を一本ずつ削ぎ落とす」

    調査兵B「!?」

    ベルトルト「指がすべてなくなったら次は目、鼻、歯…」


    ベルトルト「彼がいつまで人間の姿をしていられるかは君の言動しだいだ」

    調査兵C「く…そ…」


    調査兵B「調査兵C!俺のことはいいから絶対にバラすな!」



    ベルトルト「じゃあ質問をするね」



    ベルトルト「アニはどこにいる?」


    調査兵C「……」



    ベルトルト「遅い!!」


    調査兵B「うわぁあ!!」


    調査兵C「……!」


    ベルトルト「ほら…早く言わないと彼がスプーンをもてなくなってしまう…」



  10. 10 : : 2014/10/28(火) 22:20:19

    調査兵C(こいつ…やっぱ頭おかしいよ!!)

    調査兵C(殺人鬼だ…それ以外の何者でもねえ!)


    ベルトルト「また一本…」

    調査兵B「うあああ!!」


    調査兵C(これ以上こんなのみせられちまったら…)



    調査兵C「わ、わかった!!」

    調査兵C「言うから…言うから助けてやってくれ!!」

    調査兵B「お、お前…」


    調査兵C「ストヘス区だ!そこにいる!」


    調査兵C(これだけ必死に頼んでるんだ…)

    調査兵C(嘘をついてもバレまい…)




    ベルトルト「目が…泳いでる」


    ベルトルト「本当なの?」

    調査兵C「当たり前だろ!?」


    調査兵C(お願いだ…うまく騙されてくれ!!)




    ベルトルト「君は嘘をついている」

    調査兵C「何をいって…」

    ベルトルト「僕はここにくる前に他の調査兵から聞いたんだ」

    調査兵C「は!?」


    ベルトルト「こんな感じで脅したらすぐに答えてくれたよ…」

    ベルトルト「二人の人から同じ答えをもらったから正しいだろう」


    ベルトルト「僕はもう答えを知っている。そして今はただの確認だ」

    ベルトルト「この人を生かすかどうか決めるのは君だ」


    調査兵C「!!」


    ベルトルト「アニはどこにいるの?」


    調査兵C「……っ」

    調査兵C(もう…ばれてるのなら…)




    調査兵C「調査兵団本部の横の建物…」

    調査兵C「そこの地下にいる」



    ベルトルト「そっか」


    ベルトルト「どうやら本当みたいだね」


    ベルトルト「ありがとう!本当は君たちが初めてあった調査兵なんだけどね!」

    調査兵C「は…?」


    ベルトルト「かまをかけてみて正解だったよ…」

    調査兵C「そんな…」



    住民A「いたぞー!!」


    ベルトルト「!!」

    調査兵C「!!」



    住民A「って…え?」

    住民A(さっきまで追いかけていた調査兵が…他の調査兵をブレードで…)



    調査兵B「おいお前等!!こいつは危険だ!こいつは巨じ…」


    彼が言い終わる前にブレードは彼の首を削ぎ落とす


    住民A「!?」



    調査兵C「お、お前…助けるって…」

    ベルトルト「彼が余計なことを言おうとしたから…」


    調査兵C「お前は…なんのためにそこまでする!?どうして俺らを襲うんだ!?」

    調査兵C「いつも…いつも…」


    ベルトルト「それは僕もだんだん分からなくなってしまった」


    ベルトルト「だけど今は…」



    調査兵C「!!」


    ブレードを振り下ろす



    ベルトルト「好きな人のためかな」



    彼の首も、そのまま落ちていった


  11. 11 : : 2014/10/28(火) 22:29:29

    住民A「お前…どうして…」


    ベルトルト「…実は僕調査兵じゃないんです」

    住民A「は?」

    ベルトルト「本物の調査兵を引き出す為にこの格好をしていたんです」


    ベルトルト「でないとこんな時に調査兵団の服をきるバカなんていないでしょう?」

    住民A「ま、まあ」


    ベルトルト「なのでこの調査兵の死体は…どうか憲兵にでも渡して下さい」

    ベルトルト「彼らは指名手配犯だからきっと金が沢山もらえますよ」

    住民A「お前はもらわないのか?」

    ベルトルト「いや僕は個人的な恨みで殺したので…」


    住民A「…このままじゃ俺が罪のないお前を追い回して利益だけ奪っちまうことになる」

    住民A「何か望みがあったらいってくれ」


    ベルトルト「では、元気な馬と…服とぼうしをください」

    住民A「おう、わかった」



    ベルトルト(居場所はわかった)

    ベルトルト(後は…できるだけ人にバレないようにして連れ戻すだけだ!!)


  12. 12 : : 2014/10/28(火) 22:57:49

    調査兵団本部近くの街



    ベルトルト(何とか街にまでくることができた)

    ベルトルト(本部に近づくにつれ建物が少なくなるから要注意だな…)



    ???「おい、お前…」

    ベルトルト「!!」ビクッ


    ベルトルト「何ですか?」

    ベルトルト(駐屯兵か…)

    駐屯兵A「いや、帽子を深くかぶっていたからもしや調査兵かもしれないと思ってな」


    駐屯兵A「顔をよく見せてくれ」

    ベルトルト(まあ、僕の顔なんて皆知らないだろう)


    駐屯兵A「!!」



    駐屯兵A「お前…ベルトルトか!?」

    ベルトルト「えっ!?」


    彼の顔をよく見る

    いや、よく見なくてもわかったはずだ


    もっとはやく気づいて、逃げるべきだった



    ベルトルト「ダズ…」

    ダズ「やっぱり…」


    ダズ「……………」



    ダズ「超大型巨人の少年が現れたぞーー!!!」

    ベルトルト「!!」


    「嘘…!?」「あの子そうなの!?」

      「逃げないと!」「人を呼んできて!」


    ダズ「よく今までだましてくれやがったな!!」

    ダズ「しねぇええ!!」


    ダズは銃を構える


    ベルトルト(大勢の足音が聞こえる…!)


    ベルトルト(きっと…皆武器持ちだ!!)




    ベルトルト(しかたない…このままアニの元まで突っ走る!!)


    ダズ「まて!!」


    パンッ!!


    ベルトルト(ダズが銃を打ち始めた…!)

    ベルトルト(後ろを向いている余裕なんてない!)


    ベルトルト(ここからは立体機動に換えていこう!!)


  13. 13 : : 2014/10/29(水) 20:52:01


    憲兵「あのでかい男を追えー!」


    ベルトルト(憲兵が来たか…やっぱり銃を持ってる!)


    駐屯兵「どこに向かってるんだ!?」

    憲兵「しらん!とにかく撃て!」



    ベルトルト「うっ…!?」


    銃弾がわき腹を貫く


    駐屯兵「あたった!!」

    憲兵「まて、あいつは巨人だ!回復をする!」

    憲兵「あいつの動きが止まるまで撃ち続けろ!」


    ベルトルト(ブレードを携えた部隊まできたか…)


    何発も身体を貫く



    ベルトルト(やばい…回復が追いつかなくなってきた)

    ベルトルト(やっぱりまだ巨人化した影響が残ってたか…)



    ベルトルト「それでも…」


    ベルトルト「このくらい…」



    ベルトルト(アニの痛みに比べれば……拷問よりはましだ!!)



    ベルトルト(見えた!調査兵団本部!)


    ベルトルト(あともう少しがんばれば!)



    駐屯兵「ど、どこに向かってんだ!?」

    憲兵「しるか!」





  14. 14 : : 2014/10/30(木) 20:46:17

    ベルトルト「はあ…はあ…!」


    僕は痛みも忘れて走り続けた


    相変わらず回復は追いつかず血が流れ続けたが


    地下へと向かって走り続けた




    ベルトルト(強がりをいっても…本当は助けにくる存在を待っている!)


    ベルトルト(アニ…もう少しで君を助けられる!)





    扉を開けた





    ベルトルト「!?」



    ベルトルト「アニ…?」



    僕が救おうとしていた彼女は


    透明な結晶の中で眠っていた



  15. 15 : : 2014/10/30(木) 21:03:47


    ベルトルト「そ…んな…」


    ベルトルト(拷問を受けていた訳じゃ…)


    アニが眠る結晶には外から壊そうとしたような痕が沢山ついていた




    ベルトルト「…………」



    ベルトルト「……ははっ」



    ベルトルト「君は…いつも、自分で自分を守っちゃうんだから…」


    ベルトルト(僕が助けに行かなくとも、いつも自分で…)



    ──────────────────────

    6年前 故郷



    ベルトルト「アニ、何みてるの?」

    アニ「!!」


    ベルトルト「絵本?」

    アニ「………」


    アニ「まあ、ベルトルトならいっか…」

    ベルトルト「?」


    ベルトルト「『白雪姫』と『眠れる森の美女』?」

    アニ「私がこんなもの読んでるなんて意外でしょ?」

    ベルトルト「い、いや別に…」


    ベルトルト「でも…どうしてその二つ?」

    アニ「…どちらのお姫様も眠りにつくんだ」


    アニ「そしてどちらも王子様のキスによって目覚める」

    ベルトルト「そうだね」



    アニ「王子様って凄いんだね」

    ベルトルト「それって王子様の力なの?」

    アニ「どんな物語でも王子様は助けに来てくれる」



    アニ「でも…私にはそんな人現れない」

    ベルトルト「………」


    ベルトルト「憧れるの?」

    アニ「そりゃあ…ね」



  16. 16 : : 2014/10/30(木) 21:17:11

    アニ「こんなに喧嘩ばっかりする私でも、お姫様とかには憧れるんだよ」


    ベルトルト「眠っちゃってもいいの?」

    アニ「起こしにくる人がいるなら」


    アニ「それに、見て」

    アニ「白雪姫。花に囲まれてて…とっても綺麗」

    ベルトルト「眠っている間に敵に攻撃されちゃうよ」

    アニ「だいじょうぶだよ」


    アニ「白雪姫は子人達に、オーロラ姫は茨に守られている」

    アニ「守ってくれる存在があるんだよ」

    アニ「それにオーロラ姫はお城の皆も眠ってるから寂しくないし」



    アニ「でも…私には必要のないものなんだよね」

    ベルトルト「そ、そんなことないよ!」




    ベルトルト「ぼ、僕が…」


    ベルトルト「君の…お、王子様に…」ボソッ


    アニ「何?なんて言ったの?」


    ベルトルト「…………」



    ベルトルト「ごめん、なんでもない」

    アニ「そっか…」










    アニ「はっきり言えばいいのに…」ボソッ





  17. 17 : : 2014/10/30(木) 21:32:36


    ──────────────────



    ベルトルト「ア……ニ……」


    結晶にそっと触れる


    それはただ冷たく、無機質だった



    ベルトルト「僕は…」



    もう、遅いけど


    ベルトルト「君のことが…」



    届かないかもしれないけれど



    ベルトルト「ずっと好……」


    ベルトルト「……!?」




    パン!



    と、いう音とともに僕の身体は崩れていく



    憲兵「はあ…はあ…」


    憲兵「やっと追いついたぜ」




    ベルトルト(また…言えなかった)



    目の前が真っ黒に染まる



    意識が遠のく








    憲兵「ったく…」

    憲兵「てかなんだこの女?」



    彼は女性の入った不思議な結晶に手をあてる



    憲兵「ん?何だ?」



    憲兵「この女…」



    憲兵「頬が、濡れてる?」












    ベルトルト「アニに…触るな…」



    憲兵「!?」



    憲兵(嘘だろ…!?こいつさすがにもう動けないはずじゃ…)


    憲兵(まだ、ブレードを振り回す元気があったとは…)ガクッ



    ベルトルト「はあ…はあ…」


    ベルトルト「アニ、ごめん…血で汚れてしまった…」



    「声がしたぞー!」

           「この部屋かー!?」



    ベルトルト「はあ…はあ……」



    ベルトルト(僕は、もう限界だ…)


    ベルトルト(だから…最後に、最後に…!)


    ベルトルト(君を、やつらから守る!!)



    そのまま手の甲を思いっきり噛んだ




  18. 18 : : 2014/10/30(木) 22:26:02


    調査兵団本部


    エルヴィン「次期団長はハンジ、お前だ」

    ハンジ「そ、そんな…!」


    ドーーーーーーーーン!!


    エルハン「!!?」


    エルヴィン「何の音だ…?」

    ハンジ「わからない!とにかく窓を見てみよう!」




    エルヴィン「!!」

    ハンジ「あれは…」


    ハンジ「超大型巨人!!?」

    エルヴィン「もうきたのか…!?」

    ハンジ「でも様子がおかしいよ!?」


    エルヴィン(確かに…)

    エルヴィン(身体もあばら骨から上だけしかない)

    ハンジ「皮膚がどろどろしてるよ!?」


    エルヴィン「動きもどこかおかしい…」

    ハンジ「エレンが巨人化を繰り返した後のようだね…」


    エルヴィン「こうしてはいられない…」

    エルヴィン「今度こそ超大型巨人をしとめるぞ」

    ハンジ「まって…!」



    ハンジ「様子が…」



    超大型巨人は不完全な身体のまま手に持った結晶を地面に置き


    そのまま結晶を取り囲むように結晶化した



    ハンジ「あ…」


    エルヴィン「…………」


    エルヴィン「女型の巨人を守られてしまったな」

    ハンジ「そんな…。どっちにしろ憲兵達に取られたとは思うけど貴重な研究材料が…」



    エルヴィン(彼ら、彼女らがそこまでして守りたい故郷の秘密…)

    エルヴィン(俺はもう知ることができないのだろうな)


    エルヴィン(いや、もしかしたら彼は別の理由で……)



    エルヴィン「ハンジ、私はもう行く」

    ハンジ「え…アレどうすればいい?」


    エルヴィン「…………」


    エルヴィン「そこも団長責任だ」

    ハンジ「そんな~」




  19. 19 : : 2014/10/30(木) 22:48:36


    ────────────────────
    ────────────────────


    少年父「…これが、あのドームができるまでのお話だよ」


    少年「へ~巨人がいるんだ」

    少年「おもしろいおとぎ話だね」

    少年父「おとぎ話なんかじゃないさ」



    少年父「…あのドームの上には30cmほどの穴が3つほど開いているんだ」

    少年「え、そうなの?」

    少年父「父さんは子供の頃興味本意でよじ登り、覗いてみた」

    少年父「危険だからお前は覗くなよ、おちたら死ぬぞ」



    少年父「そこにはな…女性の入った結晶があった」

    少年「…!本当なの!?」


    少年父「金髪で…色白で美しい人だった」

    少年「でも…どうして穴が?」


    少年父「その穴からな、光が差し込んで彼女の顔をよく照らすんだ」

    少年父「…美しかった。ただただ、美しかった」

    少年父「そして彼女の周りには沢山の花」

    少年父「まるで…童話に出てくる白雪姫のようだった」

    少年「あんな場所で花が育つの?」


    少年父「ああ…」

    少年父「強く、たくましく咲いていた」

    少年「へえ…」



    少年「でも…」



    少年「王子様も眠ってしまったんだね」

    少年父「ああ…」

    少年父「彼はずっと守っている」


    少年父「でも…きっといつか」


    少年父「2人一緒に目を覚ますときがくる」


    少年「…彼らは犯罪者なんじゃ?」

    少年父「ふ…」

    少年父「何百年前のことだと思ってる?」


    少年父「もう流石に時効だよ…ははっ」

    少年「そっか~」



    少年(目を…覚まさせてあげられたらいいな)



  20. 20 : : 2014/10/30(木) 23:04:13



    ……なんだか、とても


    暖かい




    やっと君を守ることができた


    僕は君の王子様になれたのかな?



    何年、何十年、何百年先かはわからないけど


    次会ったら今度こそ自信をもって言えるよ




    ────好きだよ─────



    ってね





    おしまい

  21. 21 : : 2014/10/30(木) 23:04:58
    読んで下さった方々ありがとうございました!


    ベルアニがもっと増えればいいと思うんだ
  22. 22 : : 2014/10/30(木) 23:16:48
    ずっと読んでました!!ベルトルトがアニを助けてくれるのを本気で信じてる私です!!
    ベルアニも増えてほしいですね…(泣)
    ベルトルトが結晶化する所が自分の中で凄く格好いいと思います!ベルアニ好きなんで読めて嬉しいです!次も期待してます!
  23. 23 : : 2014/10/31(金) 07:34:12
    とても良い作品でした!
    僕もベルアニ好きなのでずーっと見ました!
  24. 24 : : 2014/11/02(日) 11:14:24
    正直、巨人3人組は罰を受けてほしいな。
    ハッピーエンドは絶対にない。
    ベル→アニはあってもアニ→ベルも絶対にない。
  25. 25 : : 2014/11/02(日) 20:17:23
    すっごい面白かったです!
  26. 26 : : 2014/11/08(土) 09:08:10
    `¨ - 、     __      _,. -‐' ¨´
          | `Tーて_,_` `ー<^ヽ
          |  !      `ヽ   ヽ ヽ
          r /      ヽ  ヽ  _Lj
     、    /´ \     \ \_j/ヽ
      ` ー   ヽイ⌒r-、ヽ ヽ__j´   `¨´
               ̄ー┴'^´

  27. 27 : : 2014/11/08(土) 09:08:17
    `¨ - 、     __      _,. -‐' ¨´
          | `Tーて_,_` `ー<^ヽ
          |  !      `ヽ   ヽ ヽ
          r /      ヽ  ヽ  _Lj
     、    /´ \     \ \_j/ヽ
      ` ー   ヽイ⌒r-、ヽ ヽ__j´   `¨´
               ̄ー┴'^´

    `¨ - 、     __      _,. -‐' ¨´
          | `Tーて_,_` `ー<^ヽ
          |  !      `ヽ   ヽ ヽ
          r /      ヽ  ヽ  _Lj
     、    /´ \     \ \_j/ヽ
      ` ー   ヽイ⌒r-、ヽ ヽ__j´   `¨´
               ̄ー┴'^´

  28. 28 : : 2014/11/08(土) 22:16:06
    すごくいい話だった
  29. 29 : : 2014/11/17(月) 03:28:01
    泣いていい?
  30. 30 : : 2015/01/16(金) 21:39:03
    読み返したけど
    何度読んでも泣ける!
    あの三人には救われてほしい
  31. 31 : : 2015/05/17(日) 02:33:08
    ベルトルト…。
  32. 32 : : 2016/08/20(土) 22:47:29
    凄くいい作品でした(泣)
  33. 33 : : 2017/06/18(日) 23:09:12
    感動ばかりした これからも頑張ってください
  34. 34 : : 2018/04/30(月) 08:45:21
    終わった時「あ~」って声出したらうるさいって言われた。
  35. 35 : : 2018/11/08(木) 12:13:42
    本編は残酷だから、いつも
    SSに逃げます。
    この話は、一番好きです。
  36. 36 : : 2020/10/27(火) 14:08:27
    http://www.ssnote.net/users/homo
    ↑害悪登録ユーザー・提督のアカウント⚠️

    http://www.ssnote.net/groups/2536/archives/8
    ↑⚠️神威団・恋中騒動⚠️
    ⚠️提督とみかぱん謝罪⚠️

    ⚠️害悪登録ユーザー提督・にゃる・墓場⚠️
    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️
    10 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:30:50 このユーザーのレスのみ表示する
    みかぱん氏に代わり私が謝罪させていただきます
    今回は誠にすみませんでした。


    13 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:59:46 このユーザーのレスのみ表示する
    >>12
    みかぱん氏がしくんだことに対しての謝罪でしたので
    現在みかぱん氏は謹慎中であり、代わりに謝罪をさせていただきました

    私自身の謝罪を忘れていました。すいません

    改めまして、今回は多大なるご迷惑をおかけし、誠にすみませんでした。
    今回の事に対し、カムイ団を解散したのも貴方への謝罪を含めてです
    あなたの心に深い傷を負わせてしまった事、本当にすみませんでした
    SS活動、頑張ってください。応援できるという立場ではございませんが、貴方のSSを陰ながら応援しています
    本当に今回はすみませんでした。




    ⚠️提督のサブ垢・墓場⚠️

    http://www.ssnote.net/users/taiyouakiyosi

    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️

    56 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:53:40 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ごめんなさい。


    58 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:54:10 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ずっとここ見てました。
    怖くて怖くてたまらないんです。


    61 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:55:00 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    今までにしたことは謝りますし、近々このサイトからも消える予定なんです。
    お願いです、やめてください。


    65 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:56:26 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    元はといえば私の責任なんです。
    お願いです、許してください


    67 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    アカウントは消します。サブ垢もです。
    もう金輪際このサイトには関わりませんし、貴方に対しても何もいたしません。
    どうかお許しください…


    68 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:42 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    これは嘘じゃないです。
    本当にお願いします…



    79 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:01:54 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ホントにやめてください…お願いします…


    85 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:04:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    それに関しては本当に申し訳ありません。
    若気の至りで、謎の万能感がそのころにはあったんです。
    お願いですから今回だけはお慈悲をください


    89 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:05:34 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    もう二度としませんから…
    お願いです、許してください…

    5 : 墓場 : 2018/12/02(日) 10:28:43 このユーザーのレスのみ表示する
    ストレス発散とは言え、他ユーザーを巻き込みストレス発散に利用したこと、それに加えて荒らしをしてしまったこと、皆様にご迷惑をおかけししたことを謝罪します。
    本当に申し訳ございませんでした。
    元はと言えば、私が方々に火種を撒き散らしたのが原因であり、自制の効かない状態であったのは否定できません。
    私としましては、今後このようなことがないようにアカウントを消し、そのままこのnoteを去ろうと思います。
    今までご迷惑をおかけした皆様、改めまして誠に申し訳ございませんでした。

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