ミカサ「世界は美しい」
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- 1 : 2013/11/12(火) 20:40:49 :
- ミカサ「世界は美しい」
は
ジャン「美しくて最高な一日」
http://www.ssnote.net/archives/2451
のジャン視点になります。
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- 2 : 2013/11/12(火) 20:52:01 :
- あぁ、あれから一週間経とうとしているのか。とても長く感じた。あの日を思い出すたび、目から涙が止まらない。忘れるなんて絶対できない。
・・・・・マルコ・・・また会いたい。
部屋で準備しているとあいつの声が聞こえた。
エレン「おい、訓練行くぞ!ジャン!!!」
全然気分が乗らず適当に返す。
ジャン「先行っといてくれ。」
ここ最近調子が全く戻らない。体が思うように動かないというか、固まっている。
アルミンが扉の前で待っていたくれたようで
アルミン「ジャン、待ってるよ。」
と聞こえた。俺に気遣わなくてもいいのに・・・。
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- 3 : 2013/11/12(火) 21:03:24 :
- 「はぁ・・。」
俺は何をするにもため息ばかりだった。訓練でミスをしまくり、とうとう得意の立体機動までもミスするようになった。
切り替えなきゃって毎回思うけど、簡単にできるはずがなかった。どうも解決策なんて見つからずに死んでしまうのがオチな気がしてきた。でも、マルコのためには絶対死ねない。俺が簡単に死んだらマルコが一番悲しむ。それだけは避けたかったけど、この状態が続いたら、死・・・・と隣り合わせだと思う。
俺が深刻な顔をしていたとき、目の前でミカサが通った。彼女は俺の顔を見て去った。
ミカサでさえもわかるよな・・。俺がこんな状況なのを。ミカサだけには気づいてほしくなかった部分もあるけど、隠しきれるはずがない。俺は死ぬ前にミカサを笑顔にできればいいな。いまだったら叶うことのないのだろうけど。
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- 4 : 2013/11/12(火) 21:37:12 :
- 今日の訓練がおわり、俺は真っ先に訓練所の裏手にある芝生のところへ寝そべった。一人の時間が欲しくて。そこで毎回あのときを思い出して。一人で泣いて。という繰り返しだった。ここ2日、3日で泣く量が少し減ったけど、泣かない日はなかった。でも、今日はそこまで涙が出なくなった。なんでだろな。悲しいのに。つらいのに。
静かに風に当たってるとうしろから足音が聞こえた。
今の俺にわざわざ会いに来るやつなんてアルミンとかだろと思っていた。
?「見つけた。ジャン。」
声を聞いた瞬間、俺はおもわず飛び跳ねてしまった。まさか、一番来ないであろう人物が来たからだ。
ジャン「!?ミカサ!?な、な、なにかようか?」
俺はもう普通にしていることができなかった。
ミカサ「あわてなくていい。あさっての訓練休みの日の午後、空いてる?」
俺は何度もミカサの言った言葉を頭の中で繰り返した。確かに、あさっての訓練休みの日の午後、空いてる と言った。俺の聞き間違いでは絶対ないな。驚きすぎて、目が倍くらい開いていた。
ジャン「あぁ!空いてるよ!それでなんだ?」
ミカサ「街に出かけよう。最近のジャンは元気がない。」
俺の思考回路が止まった。俺とミカサが街でデート??ありえねええ。夢じゃないかと激しく疑う。生きている間に俺はそんなことできるのだろうか、と。
ミカサとデート・・・。考えただけで顔がみるみる真っ赤になった。落ち着きを取り戻せそうにない。
ジャン「もちろん!行く!ミカサが誘ってくれんるんだもんな!!えっと・・ほかは?」
ミカサ「私とジャンで行く。だめなら断ってもいい。」
いつもなら死に急ぎ野郎と一緒だからあいつも連れて行くとおもったが、まさかの二人きり!?!?しんじられねえええ!!!!衝動的に立ち上がった。
ジャン「本当にか!?なにがなんでもいくとも!!あさっての午後な?わかった!!!」
ミカサ「よかった。じゃあ、12時くらいにジャンの部屋のドアたたきに来る。」
俺は自分が何を言ってるかもわからず、返事した。ミカサは最後にそういって帰っていった。
もう緊張している。絶対叶わない夢だと思った。俺の時代がきたかもしれない。このついでに告白とか・・・できるかな。あーーーー、本気でどきどきが止まらない。
しかし・・・、ミカサにまで心配されるとは俺もまだまだだな・・。これで切り替えできるのではないかと、思った。
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- 5 : 2013/11/12(火) 21:50:47 :
- 次の日。俺の訓練の調子はそこそこよかった。まず立体機動でのミスはなくなった。ほかで少しミスしてしまったところがあったがいままでよりは確実に減った。ミカサのおかげだと思う。心から感謝している。
そして訓練がおわり、俺はいつのまにか自室に入ってすぐ寝ていた。早く明日が来て欲しくてたまらない。
ミカサとどんな話をしよう。
ミカサと何を食べよう。
ミカサとどこへ行こう。
考えるたびにやけてしまう。叶わないはずの夢が明日叶う。
ずっと考えているうちに寝た。
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- 6 : 2013/11/13(水) 16:48:01 :
- 朝。窓から差し込む光で周りが一瞬見えなくなる。徐々に視界を取り戻し、目が覚める。時計を見たら6時。今日は訓練じゃないのに…とつぶやきながら真っ先に自室を出た。
なんとなく喉が渇いて食堂へと赴く。コップに水を注ぎ、一気に飲み込む。潤いに満たされ気持ちが晴れやかになった。
?「おはよう。ジャン。」
突然の声に驚くとともに声の主が彼女だったことに一番驚いた。
飲んでいた水を少しふきだし、あわてて手で隠し言った。
ジャン「お、お、おはよう、ミカサ!急に出てくるからびっくりしたぜ…。にしても、今日起きるの早いな。」
あわてて何を言ってるのかわからなかったが、とにかくミカサも早起きだなと言いたかった。
ミカサ「ジャンも十分早い。目が覚めたらこの時間だった。」
ミカサも同じだったのか…。ちゃんと水を飲みきり、とりあえず今日のデートについて少し触れて話す。
ジャン「俺も。昨日はやく寝たからかな…。あっと///今日よろしくな…?」
どうも照れない方法はない気がする。なにしても顔は赤くなってしまった。
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- 7 : 2013/11/13(水) 17:09:17 :
- ミカサ「こちらこそよろしく。」
そういえばミカサは俺の部屋を叩きにくると言った。なんとなく恥ずかしいから、場所を変えてもらうよう言う予定だった。
ジャン「待ち合わせなんだけどさ//俺が前いたとこ…。芝生のところにしないか?」
そう。あのとき俺を見つけてくれた場所。少しだけで命が救われた気がしたんだ…。
ミカサ「ジャンがそうしたいならそれでいい。」
受け入れてもらってよかった。というか、その、ジャンがそうしたいならそれでいい。という言葉がなんとなく嬉しい。言葉で言い表せない嬉しさなんだが…。
ジャン「ありがとな//じゃあ後で」
終始、俺は顔が真っ赤だったな。ずっとその場にはいられる状況ではないので走っ食堂から出た。
自室に戻る道でアルミンを見つけた。
ジャン「よう、アルミン!おはよう!!」
アルミンは眠たい目をこすりながら言う。
アルミン「おはよう。やけにテンション高いね。まぁ、そりゃそうだよね。」
アルミンがいかにもミカサとデートすることを知っているように話すのでなにも考えずに聞いた。
ジャン「もしかして(ry
アルミン「ミカサが誰にも相談しないで言ってくるはずはないでしょう?」
アルミンは少し笑った。隠そうとはするつもりはなかったけど。アルミンになら何を言われても仕方がない気がする。アルミンはこれを最後に去った。
アルミン「ジャンのしたいように動けば、すべてがうまく行くよ。ジャンはミカサのことをどう思っているのか、そのまま行動に起こせばいい。…って、占いが言ってた。」
ジャン「ちょ!おい!」
アルミンは全く振り向かず俺の言葉も聞いていないようだった。
とりあえず、時間がたくさんあるから自室にもどりじっくり考えることにした。
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- 8 : 2013/11/14(木) 07:15:24 :
- 自室に入りアルミンの言った言葉を思い返す。
ジャンのしたいように動けば、すべてがうまく行くよ。
まずこれから考える。つまり、変にカッコつけたり、俺の思うように自由に行動しろと?ミカサを前にして平常心を保てると思えないんだが…
次に
ジャンはミカサのことをどう思っているのか、そのまま行動に起こせばいい。
俺はミカサのことが好きだ。心からそう思っている。好き…でそのまま行動に起こす…。ん…ということは、手を繋げ……とか?俺にそんなことができると思ってるのかあいつ?よくわからないやつだな。
でもこれがうまく行けば…って考えるとドキドキが止まらない。
あー、これは俺の行動次第だ!思い切らねーと!
んで、絶対告白するっっっ!
これだけは絶対だ!
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- 9 : 2013/11/14(木) 21:10:32 :
- やはり人に告白するというのは、とてつもない勇気がいることに改めて気づく。俺はミカサと目を合わせることでもいっぱいいっぱいなのに。だが、ここで諦めてしまったら一生このようなチャンスを迎えぬまま死ぬと思ってる。俺は立ち上がって練習を開始した。
ジャン「俺は・・・・・・。み、み、ミカサのことが・・・・//////////////」
なんで誰も俺しかいない自室で言えないんだ・・。そんな調子だったら、一生いえねーってこれ。
俺は髪をぐしゃぐしゃにして、膝から崩れ落ちた。
ジャン「かっこわりぃところ、みせられねえんだよ・・。」
俺が頑張んなかったら・・・・今回は二人きりで味方はいないんだ。
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- 10 : 2013/11/14(木) 21:19:23 :
- あぁ、マルコに相談・・・してぇな。なんていうかな。
ジャンは勇気のない人なんかじゃないよ!自身を持ってさ!僕、ジャンのこと心から応援してるから!!!
・・・・そんな声が聞こえた気がする。ほんとに頼りにしてたのに。まだ、ちゃんと感謝の言葉・・・・言えてないのに。
会いたい。そして、現状を知らせて、喜ばせたい。
俺は涙が流れているのに全く気づかなかった。床に一滴落ちたのをみて、俺は泣いていたのかと気づく。
ミカサとのデート前なのに涙はとまらねえんだろうな?楽しみな一方、支えてくれるあいつがいないからかな・・。
俺は涙を拭き、立ち上がり自分の頬を叩いた。
ジャン「こんなんじゃ、見捨てられちまう!」
感情を入れ替え、デートの準備を始めた。
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- 11 : 2013/11/14(木) 21:34:05 :
- 時間をただ待つのはどれだけ暇かと気づかされた。何度も何度もチェックしてやっと30分前になり、俺が指定した待ち合わせに向かうことにした。
ほどよい風が涙でぬらした頬にあたる。心地がよい。ミカサが先に来ているのをみて、俺は少し急いで近づいた。
ジャン「ミカサ。」
ミカサは綺麗な黒髪をなびかせ、振り返った。
ミカサ「ジャン。」
ミカサは立ち上がった。今の俺はすこし落ち着いていて、ちゃんと話せた。
ジャン「早かったんだな。」
ミカサ「ジャンこそ。私はすることがなかったから早く来た。」
俺も全然することなかったし、早く行けばよかったなあ。と後悔しつつあり、ミカサの服装に目が入った。白いシャツに暗めの赤ロングスカート。俺の好みがすべて詰まっていて、うれしさがあふれ出る。顔にもすぐ表れた。
ジャン「そっか//ミカサのスカート姿ちゃんとみるの初めてだわ。似合ってる//」
ミカサ「ありがとう。ジャンも訓練でみるイメージと違ってかっこいい。」
かっこいい!?俺、好きな娘からそんなこと言われたら、立ってられない。まぁ、今はそんなことできないので素直にうれしがった。
ジャン「ほ、ほ、本当か!?ありがとな!じゃあ、行こうか////」
ミカサ「うん。」
二人で並んで街に出る。
楽しさですぐ終わってしまう一日になりそうだ。
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- 12 : 2013/11/14(木) 21:48:45 :
- 今回はミカサが提案してくれたため、店の下調べもしてくれていたという。なので、聞いてみることにした。
ジャン「昼飯はどこにするんだ?」
ミカサ「サシャが行きたいと言っていたお店。パンが美味しいと聞いた。」
ミカサはサシャと仲がいいんだっけか。サシャは休みの日はほとんど街に出かけ、店周りしているから、確実性がすごい。サシャのやることは毎度面白くて最近名前聞くだけでも少し笑ってしまう。
ジャン「あいつの言うところはほとんど美味いとこばっかだからな。楽しみにしてるぜ!」
ミカサ「なら良かった。ジャンの好きな食べ物はなに?」
質問されるとは思ってなかった。正直、そこまで食に興味はなく大好き!っていえるものがない。ちょっと困ったが、答えた。
ジャン「俺は…ピザとか?好き嫌いはないから、美味しんもんだったらなんでもいいような…。ミカサは?」
ミカサ「私は甘いものが好き。」
冷静な風貌から意外なことを言うから、すこし驚く。そういう部分もどこかかわいい。軽い気持ちでデザートを食べに誘った。
ジャン「そうか!知らなかった!食堂で甘いもんでるわけねーしなあ。じゃ今日デザートも食べに行こうか////?」
ミカサ「うん。」
そんな感じで街を歩く。周りからみたらどう思うだろう。身長差は少しだけだが、カップルだと思われているだろうか。それだったら、うれしくてたまらない。
恋人同士・・・・憧れる。
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- 13 : 2013/11/14(木) 21:50:35 :
- 今日はここでおわりにします。
前回指摘のあったところ、会話をすこし修正しました!
では明日☆
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- 15 : 2013/11/16(土) 20:45:56 :
- 前作も読みました!
登場人物の心情がよく伝わって、
最高です!
僕もこんな感じのssが作りたいと思いました!
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