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クリスタ「巨人くんの唄」

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  1. 1 : : 2014/10/19(日) 20:31:36


    ~壁外~



    ドドドドド…






    クリスタ「はぁ、はぁ…」


    クリスタ(どうしよう…隊列とはぐれちゃった…)


    クリスタ(巨人の襲撃を避けるのに必死で、他の皆を見失っちゃうなんて…)





    馬「」ゼェ…ゼェ…


    クリスタ(お馬さんの体調も良くなさそうだし、どうにかしないと…)

  2. 2 : : 2014/10/19(日) 20:50:08


    クリスタ「…あっ!」






    樹「」






    クリスタ「ちょうどよかった、あの樹のところで一休みしよう。もう少しだから頑張って!」


    馬「ヒヒンッ!!」






    ドドドドド…


    クリスタ(あの樹の上で休みながら、これからどうするか考えないと…)






    ザッ!






    馬「!?」ビクッ!!


    クリスタ「えっ!?」

  3. 3 : : 2014/10/19(日) 21:10:04


    ズデンッ!!


    馬「」ドサッ!


    クリスタ「きゃっ!!」ドサッ!







    馬「ヒ…ヒヒ…」


    クリスタ「お馬さんが驚いた…?今、樹の陰から何かが出てきたような…」


    クリスタ「あ…あぁ…」ガタガタ…






    巨人「」ヌッ…






    クリスタ「そんな…こんなところで…」ガタガタ…


    クリスタ(体が動かない…もう…駄目…)

  4. 4 : : 2014/10/19(日) 21:30:10


    巨人「…」


    クリスタ(すぐに食べない…奇行種…?)


    クリスタ(それに、随分小さい…。1メートルくらいしかないんじゃ…?)






    巨人「…」


    クリスタ「動かない…?あなた、本当に巨人なの?」


    巨人「…」


    クリスタ「どうなってるの…?」






    パシュウゥゥゥゥッ!!!






    クリスタ「あれは…煙弾!!よかった、隊列が近くに来てる!!」


    クリスタ「お馬さん、走れる?もうすぐ皆に会えるよ!!」


    馬「ヒヒンッ!!」


    クリスタ「良かった、もう少しだけ走れそうだね!行こう!」

  5. 5 : : 2014/10/19(日) 21:50:16


    巨人「…」ジー…


    クリスタ「えーと…またね?」


    馬「ヒヒンッ!!」






    ドドドドド…






    クリスタ「…え!?」


    巨人「」タッタッタッタッ…


    クリスタ「付いてきちゃった。どうしよう、隊列に巨人?を連れて行くわけには…」

  6. 6 : : 2014/10/19(日) 22:10:57


    ~隊列~


    ライナー「離せ!俺は行くぞ!!」


    ジャン「無茶だライナー!壁外での単独行動は即、死に繋がるぞ!!」


    ライナー「構うなジャン!一刻も早くクリスタを見つけ出さなければ!!」


    ベルトルト「ライナー、冷静になってくれ。今、クリスタが生きている保証なんてないだろう」


    ベルトルト「すでに道中で数人が犠牲になった。クリスタもその中の一人として…」


    ライナー「何て事を言うんだお前は!あいつが死ぬワケないだろう!!」


    ライナー「俺は行くぞ!このままクリスタを置いて進むワケには行かん!!」






    パシュウゥゥゥゥッ!!






    ライナー「!?」


    アルミン「今、煙弾を撃った。近くにクリスタが居れば、気付いてこっちに来るかもしれない」


    ベルトルト「来ない場合は…その時は腹を括ってくれ、ライナー」

  7. 8 : : 2014/10/19(日) 22:30:55


    ライナー「…5分だ。5分待ってクリスタが来なければ、その時は俺が行く」


    ジャン「この分からず屋が!お前がそんなに物分かりの悪い奴だったとはな!!」


    ライナー「何とでも言え。俺はクリスタのためならば…」


    アルミン「ちょっと待ってライナー、あれを見て!!」


    ライナー「!!」






    ドドドドド…









    クリスタ「」ドドドドド…









    ジャン「クリスタ!よかった、煙弾に気付いたんだな!!」









    巨人「」タッタッタッタッ


    アルミン「…何だあいつは?」

  8. 9 : : 2014/10/19(日) 22:50:34


    クリスタ「よかった、やっと皆に会えた…」グスッ…


    ベルトルト「ふぅ、これでライナーが要らない暴走をする心配がなくなった」


    ライナー「よく無事で戻って来てくれた。ところで…」





    巨人「…」





    ライナー「何だそいつは?巨人…ではなさそうだが?」


    アルミン「見た目は普通の巨人そっくりだけど、随分小さいね」


    ジャン「何でこいつが付いてきたんだ?餌付けでもしたのか?」


    クリスタ「さっき、樹の陰からひょっこり現れたの。私もよく分からない」


    アルミン「僕達を見ても反応を示さないと言う事は、普通の巨人じゃないのは確かだね」

  9. 10 : : 2014/10/19(日) 23:11:53


    ジャン「ハンジ分隊長に調べてもらったらどうだ?」


    アルミン「うーん…。何をされるか分からないから、正直それは避けたいけど…」


    ライナー「だが、報告の義務はあるだろう。謎の生命体を放っとくワケにもいかんしな」


    ジャン「しかし、何なんだこいつは?ほら、お手」スッ


    巨人「」プイッ


    ジャン「…」





    クリスタ「えーと…お手?」スッ


    巨人「」スッ


    クリスタ「あ、言う事聞いた」


    ジャン「クソ生意気な奴だな」


    アルミン「どうやらクリスタに懐いてるようだね」

  10. 11 : : 2014/10/19(日) 23:31:05


    ライナー「ヘタすれば、このまま壁内まで付いてくるかもしれんな」


    ベルトルト「巨人かも知れない生物を、ホイホイ壁内に連れて行くワケにはいかないだろ」


    ジャン「かと言って、馬の速度で走るような奴を振り切るのは無理だろうしな…」


    アルミン「やはり、ハンジ分隊長やエルヴィン団長に相談しよう。考えるのはそれからだ」


    クリスタ「うん、そうだね…」


    巨人「…」
  11. 13 : : 2014/10/22(水) 20:42:47


    ドドドドド…


    ジャン「あれ?もしかしてあれは…」






    ザッ!






    ハンジ「やぁ、こっちで煙弾が上がったみたいだけど?」


    アルミン「あ、ハンジ分隊長。実はですね…」


    巨人「…」


    ハンジ「え!?ちょっ!?なにこいつ!!ちっちゃ!!ちっちゃいぞこれ巨人!?」


    アルミン「あ、始まった…」


    ハンジ「何っだよこいつ!すげぇ!!初めて見た!!しかも人間に何の反応も示さない!!」


    ハンジ「新種!?ねぇ新種!?クッソ滾るんだけど!!ちょっと調べていい!?ねぇ!?」


    モブリット「分隊長、落ち着いてください」

  12. 14 : : 2014/10/22(水) 20:59:54


    クリスタ「実はこの子、さっき向こうで出会ったんですけど、付いてきてしまって」


    アルミン「巨人かどうかも謎なんです。どうしたらいいですか?」


    ハンジ「連れて帰る」


    クリスタ「え?」




    ハンジ「連れて帰って研究材料にする」


    ハンジ「腕を削いで足を捥いで、目玉を穿り胴を抉り胸を弄り、徹底的に調べ上げる!」


    ハンジ「その上でこいつが一体何なのかを解明し、研究を重ね、そしてゆくゆくは…」


    ジャン「おいお前逃げろ、ここに居たら間違いなく殺される」

  13. 15 : : 2014/10/22(水) 21:21:39


    巨人「…」


    ハンジ「ほーら怖くないよー。さぁ、こっちにおいで」


    巨人「」プイッ


    ハンジ「何だよ、そっぽ向く事ないじゃないか。ほら、大丈夫だよー」




    巨人「…」


    ハンジ「…何で?」


    クリスタ「この子、どうやら私にしか懐かないみたいで…」


    ハンジ「ちぇっ、何だよそれ。いいよいいよ、どうせ私は嫌われ者ですよーだ」


    モブリット「ちょっと、こんなところで拗ねないでくださいよ」


    ジャン「大人気ねぇ…」

  14. 16 : : 2014/10/22(水) 21:40:14


    アルミン「というか、連れて帰る気なんですか?」


    ハンジ「逆に、このまま逃がすなんて選択肢はあるのかい?否、そんなものは無い」


    モブリット「でもハンジさん、嫌われちゃってるじゃないですか。連れて帰れるんですか?」


    ハンジ「仕方ない、この子はクリスタが連れてきてよ。私が許可する」


    クリスタ「え…いいんですか!?」


    ハンジ「とりあえず、私達に対して攻撃的な姿勢は見られないし、危害を加える素振りも無い」


    ハンジ「万が一危険だと判断したら、その時は容赦なくうなじを削がせてもらうけど」


    クリスタ「…!」

  15. 17 : : 2014/10/22(水) 22:00:13


    アルミン「あれ、もしかして喜んでる?」


    クリスタ「いや…そう言うワケじゃないけど…」


    巨人「…」




    クリスタ「やっぱり…なんか嬉しいかも」


    ハンジ「でもペットみたいな扱いをされても困るからね、十分注意するんだよ」


    ハンジ「何なら、帰還まではこの班に私が付こう。それなら安心だろう?」


    クリスタ「はい、お願いします!」


    ハンジ「謎の巨人…いやぁ、ワクワクするねぇ!」


    モブリット「どうか冷静に…」

  16. 18 : : 2014/10/22(水) 22:20:20


    ~カラネス区~


    兵士達「」ゾロゾロ…







    住民「おい、調査兵団が帰って来たぞ」


    住民「今回は割と残ってるな。この人数はマシなほうだ」


    住民「ん?何だありゃ?」






    巨人「」スタスタ






    住民「巨人…!?壁内に巨人連れてきやがったのか!?」


    住民「いやぁぁぁぁっ!!調査兵団は何を考えてるの!?」

  17. 19 : : 2014/10/23(木) 01:07:38


    巨人「」スタスタ…






    住民「…あれ?巨人って人間を食うんじゃなかったのか?」


    住民「まるで俺達には無関心だ。何なんだあいつは?」


    クリスタ「えっと…あの…落ち着いてください。この子は巨人ではありません」


    住民「巨人じゃない?それじゃ一体何なんだ?」


    クリスタ「えっと…」チラッ…


    巨人「…」
















    クリスタ「…ちっちゃいおっさん?」


    住民「はぁ?」





















    リヴァイ「…ヘックシュン!」

  18. 21 : : 2014/10/23(木) 21:58:08


    ~調査兵団本部~


    エルヴィン「…さてと。君達が見つけた謎の生物について、改めて聞かせてもらいたいが」


    巨人「…」





    エルヴィン「本当になんなんだこいつは?」


    ハンジ「巨人がそのまま小さくなったような外見だよね。しかしホント小さいな」


    アルミン「いくら無害とは言え、やはり拘束具の類を付けるべきなのでは…?」


    ハンジ「うーん…とりあえず今は必要ないとの判断だけどね。こうしておとなしくしてるし」


    巨人「…」

  19. 22 : : 2014/10/23(木) 22:32:50


    エレン「巨人の子供…?いや、そもそもあいつらがどうやって生まれてくるか分からねぇしな」


    ミカサ「巨人の子供だとしても、捕食対象である人間に多少の興味を持つはずでは?」


    リヴァイ「切り刻んでみれば分かる事だ。蒸気を伴って再生すれば、こいつは巨人だ」


    アルミン「そんな!いくら何でも!巨人じゃなかったら絶命してしまいますよ!」


    クリスタ「この子が何か危害を加えているわけじゃないですし、荒っぽい事はちょっと…」


    ハンジ「しかし、どうにかして生態を調査しないとねぇ」


    巨人「…」

  20. 23 : : 2014/10/23(木) 22:51:56


    ハンジ「…とりあえず、この子は様子見だ。本部から外へは出さないように」


    ハンジ「クリスタに保護者役を任命するよ。どうせ君にしか懐いて無いワケだしね」


    クリスタ「あ、はい、分かりました」

  21. 25 : : 2014/10/24(金) 19:49:31


    ~翌日~


    ユミル「へぇ、こいつが謎の巨人ねぇ」


    巨人「…」




    クリスタ「夜もずっとおとなしかったんだよ。おまけに何も食べてないの」


    サシャ「ますます巨人みたいですね、それ」


    ユミル「おとなしい奴だな。ほれ、お手」スッ


    巨人「」プイッ


    ユミル「クソ野郎…!」

  22. 26 : : 2014/10/24(金) 20:22:15


    サシャ「まぁまぁ落ち着いて。こうしてみると、可愛いもんじゃないですか」


    ユミル「どこが」


    クリスタ「可愛いかどうかは分からないけど、危害を加えないから一応大丈夫だよ」


    サシャ「言葉…とかは分からないですよねぇ?」


    クリスタ「うーん、どうだろう。昨日から話しかけてみてはいるんだけど…」


    サシャ「こんにちは。私はサシャって言います。サシャですよ、サ・シャ」


    巨人「…」


    サシャ「清々しい程の無反応です」

  23. 27 : : 2014/10/24(金) 20:38:56


    クリスタ「私はクリスタ。ク・リ・ス・タ」


    巨人「…た?」


    ユミル「おい、今ちょっと喋ったぞ」


    クリスタ「昨日からずっと言って来たから、少し覚えたのかな」




    クリスタ「もう一度、ク・リ・ス・タ」


    巨人「う・い・す・た」


    クリスタ「あーん惜しいっ!」


    ユミル「理解して喋ってるって言うよりは、ただ聞いた音をマネしてるって感じか」

  24. 28 : : 2014/10/24(金) 20:59:34


    サシャ「ところで、名前とかは無いんですか?」


    ユミル「ペットじゃねぇんだよ」


    クリスタ「えっとね…巨人くん」


    ユミル「ネーミングセンスが残念な子だなお前は」


    サシャ「よろしくお願いしますね、巨人くん」


    巨人くん「…」





    ユミル「相変わらず無口な野郎だな」


    クリスタ「そうだ、昨日ちょっとした発見があったんだよ。見てて」


    ユミル「何だ?」

  25. 29 : : 2014/10/24(金) 21:28:14


    クリスタ「」スゥゥ…








    クリスタ「~~~~~~♪」


    サシャ「あら、綺麗な唄声」


    ユミル「惚れ惚れするな」


    巨人くん「」♪


    ユミル「何だ、こいつも喜んでるのか?」


    クリスタ「そうなの。どうやらさっきの唄が気に入ったみたいでね、喜んでくれるの」


    ユミル「へぇ、こいつにも唄が分かるのか?それともクリスタの声が気に入ったのか?」


    クリスタ「分からないけど…こうしてちょっとでも分かり合えるならいいと思うの」


    サシャ「唄…芸術に理解があるんですかね。あ、絵とかも分かりますかね?私描きますけど」


    クリスタ&ユミル「丁重にお断りさせていただきます」


    巨人くん「…」

  26. 30 : : 2014/10/24(金) 21:59:01


    ~同刻・本部内~


    ハンジ「うーん…」


    モブリット「またそんなに根詰めて…例の巨人ですか?」


    ハンジ「うん。昨日、皮膚をちょっと切り取って調べようとしたんだけど、蒸発してね」


    モブリット「ならばやはり、あれも巨人の一種と言う事で間違いないんじゃ」


    ハンジ「だけど、不可解な点が多すぎるよ」





    ハンジ「あの異様なサイズもさることながら、人間に対して全くと言っていいほど無関心」


    ハンジ「奇行種という言葉では片づけられないほど、あいつは異質なんだよ」

  27. 31 : : 2014/10/24(金) 22:18:19


    モブリット「今の奴のおとなしさが、かえって不気味なんですよね」


    ハンジ「まぁ確かに。あいつが突然暴れ出さない保証はどこにもないからね」


    ハンジ「まんまと壁内に侵入して、もしかしたら我々の隙を伺っているのかもしれない」


    ハンジ「調査兵団の寝首を掻き、そのまま壁内人類を平らげるべく虎視眈々と機会を伺って…」


    モブリット「恐ろしいですね…」




    ハンジ「私は別に、あり得ない話をしているつもりはないよ」


    ハンジ「我々を滅ぼそうと企む巨人軍の手先が、新たに送り込んだ刺客かも知れない」


    ハンジ「奴の正体が明らかになるまで、決して油断してはいけない。絶対にだ」


    モブリット「承知しました…」





    ハンジ「まぁ、何事もないのが一番だけどね。私は何か嫌な予感がするんだよね…」


    モブリット(そう思ってるなら、何で連れて来たんですか…)
  28. 32 : : 2014/10/24(金) 22:39:19


    ~さらに翌日~


    クリスタ「~~~~~~♪」


    巨人くん「」♪







    クリスタ「ふふっ、巨人くんは本当にこの唄が好きなんだね」


    巨人くん「…」


    クリスタ「流石に言葉は分からないか。一体あなたはどこから来たの?」


    巨人くん「…」







    クリスタ「…会話できないのは、少し寂しいな」

  29. 33 : : 2014/10/24(金) 23:01:51


    巨人くん「くり…す…たぁ…」


    クリスタ「うん、そうそうクリスタ。もう一度言ってみて」


    「やぁクリスタ」


    クリスタ「え!?」









    ペトラ「こんなところで巨人の相手?」


    クリスタ「あ、ペトラさんだったのか。こんにちは」


    オルオ「向こうで同期が呼んでたぜ」


    クリスタ「あ、分かりました。巨人くん、ちょっとここで待っててね」







    タッタッタッタッ

  30. 34 : : 2014/10/25(土) 20:47:00


    巨人くん「…」


    オルオ「…しかし不気味な奴だな」


    ペトラ「ほとんどの人は気味悪がって近付かないけど…やっぱり気味が悪いね」


    オルオ「こんな奴、さっさとうなじ削いでやっつけちまえばいいんだよ」


    ペトラ「うわぁ、野蛮」


    オルオ「だってそうだろう。ハンジさんも言ってたが、こいつが暴れ出さない保証はない」


    オルオ「なら最悪の事態になる前に、不安の目は刈り取っておく必要があるかもしれないだろ」


    ペトラ「それはそうかもしれないけど…」

  31. 35 : : 2014/10/25(土) 21:05:53


    オルオ「…そうだ、どうせこいつは何も出来ねぇんだ、ちょっとばかし殴っても問題ないよな」


    オルオ「普段から巨人共に対する鬱憤が溜まってんだ、こいつで晴らしてもバチは当たんねぇさ」


    ペトラ「ちょっとオルオ、弱い者いじめはカッコ悪いよ!」


    オルオ「お前らの仲間のせいで俺達はどれだけ苦しめられたか知ってるか?」


    巨人くん「…」






    オルオ「尊敬する上官も、大好きな先輩も、大切な同期も、みんなお前らに食われちまった」


    巨人くん「…」






    オルオ「この落とし前、どうつけてくれんだ?あぁ!?」


    巨人くん「」ギロッ!

  32. 36 : : 2014/10/25(土) 21:23:38


    オルオ「…おい、何だその眼は?調子に乗ってんじゃねぇぞ!!!」ビュッ!!






    バキッ!!






    ペトラ「うわっ!!」


    巨人くん「…っ!」ドサッ


    オルオ「チッ!まだ殴り足りねぇな」


    オルオ「オラ立て!仲間の仇はこんなもんじゃ済まねぇぞ!!」


    ペトラ「やめなよオルオ!この子を殴ったって何にもならないでしょ!!」


    オルオ「止めるなペトラ!俺は今からこいつに…」ビュッ!


    ペトラ「あぁっ!!」









    バキッ!!









    ペトラ「…え!?」


    オルオ「ぐあっ!!」ドサッ!

  33. 37 : : 2014/10/25(土) 21:49:42


    巨人くん「ウゥゥゥ…」ギロッ!


    ペトラ「この子が殴り返したの…!?」


    オルオ「痛ぇなコラ…お前が何で手ぇ出すんだ!?」ジャキッ!


    ペトラ「ちょっとオルオ!それはやりすぎだって!!」


    オルオ「完全に頭来たぜ!!今ここでこいつを討伐してやる!!」


    オルオ「そして巨人共が二度と人間様に逆らえないように俺がここで引導を…」


    巨人くん「ウアァァッ!!」ダッ!


    ペトラ「来た!!」


    オルオ「死ねっ!!!!」ビュッ!!







    ズバッ!







    巨人くん「ウゥゥゥゥッ!!!」シュウゥゥゥゥゥゥ…

  34. 38 : : 2014/10/25(土) 22:10:42


    オルオ「うなじを外した!!ならばもう一回…」







    オルオ「…は!?」


    巨人くん「ウガァァァァッ!!!!」シャキンッ!!


    ペトラ「そんな…両手から…刃!?」


    オルオ「おいおい、そんなのどっから持ってきた?生えたとでも言うのか…?」


    巨人くん「ウゥゥッ!!!」ビュッ!


    ペトラ「オルオ危な…」







    ズバアァァァァァァァァァァッ!!!!







    オルオ「ぐ…あぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」


    ペトラ「オルオっ!!!」

  35. 39 : : 2014/10/25(土) 22:30:20


    巨人くん「」ダダダダダッ!!!!


    ペトラ「逃げた!!そんな!!そっちに行ってはダメ!!」







    巨人くん「」ダダダダダッ!!!!







    ペトラ「大変っ!!追わないと…」


    オルオ「う…ぐ…」


    ペトラ「…いや、こっちも放っておけない!仕方ないけど!」


    ペトラ(それにしても、一体さっきのは何?あの巨人は一体何だっていうの…?)

  36. 40 : : 2014/10/25(土) 22:51:08


    ~調査兵団本部~


    ハンジ「…恐れていた事態が現実のものとなったか」


    ペトラ「すみません…」


    エルヴィン「オルオはどうなった?」


    ペトラ「手当てを終えて、自室で静養中です」


    ハンジ「勝手な真似をしたオルオも悪いけど、それ以上に奴の能力が想定外だ」


    ハンジ「クリスタが付いているからと安心してたが、やはり野放しにするべきではなかったか…」

  37. 41 : : 2014/10/25(土) 23:10:29


    リヴァイ「それで、さっきの状況をもう一度聞かせてもらえるか、ペトラ」


    ペトラ「はい。最初はおとなしく私達の会話を聞いていたんですが…」


    ペトラ「オルオが敵意を向けるとこちらを睨みつけ、オルオが殴ったら殴り返してきました」


    ペトラ「激高したオルオが刃で切り付けると、今度は腕から刃が生えたんです」


    エルヴィン「刃が生えた…何度聞いても信じがたい話だな」


    ハンジ「オルオにされた事を、そのまま真似てやり返したと言う事なのか?」


    リヴァイ「と言うよりは、こちらの敵意に反応したと言えるだろう」


    エルヴィン「確かに、それまでは何の反応も示さなかったワケだしな」


    ハンジ「クリスタが敵意を向けるワケないしね。今まで大人しかったワケだよ」

  38. 42 : : 2014/10/25(土) 23:30:40


    ハンジ「あいつがクリスタにだけ懐いていたのも、そう言った面を感じ取っていたからなのか?」


    エルヴィン「今となってはその辺も分からず仕舞いだ。何としても奴を捕えなければ」


    ハンジ「放っておいたら、確実に壁内に被害をもたらす。何としても…!」


    リヴァイ「奴の追跡班はどうなった?」


    ハンジ「まだ連絡が無いけど…」





    バタンッ!!





    モブリット「失礼します!!追跡班からの連絡が入りました!!」


    ハンジ「グッドタイミング!!それで、奴はどうなった!?」


    モブリット「奴は…」

  39. 43 : : 2014/10/26(日) 21:42:06


    ~追跡班~


    ミケ「」ヒュウゥゥゥゥッ


    ナナバ「」ヒュウゥゥゥゥッ


    ゲルガー「」ヒュウゥゥゥゥッ


    巨人くん「」ダダダダダッ







    ミケ「奴は想像以上に足が速い。森を抜けられたら立体機動で追えなくなるぞ」


    ナナバ「そうなる前に何としてもあいつを…!」


    ゲルガー「最悪、仕留めちまってもいいですか、ミケさん?」


    ミケ「無論だ。今の奴は、そこらの巨人よりもタチが悪い。そんな奴を無理に捕える必要はない」

  40. 44 : : 2014/10/26(日) 21:59:25


    ナナバ「それじゃそろそろ…行くよ!」


    ミケ&ゲルガー「おうっ!!」


    巨人くん「!!」




    ミケ「ナナバは右方、ゲルガーは左方に回って奴の注意を引け!その隙に俺が削ぐ!!」


    ナナバ&ゲルガー「了解っ!!」ヒュウゥゥゥゥッ!!







    巨人くん「」ダダダダダッ


    ナナバ「ほら、こっちだよ!!」ヒュウゥゥゥゥッ


    ゲルガー「悔しかったらここまでおいで―!!」ヒュウゥゥゥゥッ


    巨人くん「…」ダダダダダッ






    ナナバ「何だよ、私達には大して興味がないのか?」


    ゲルガー「へっ、どうやらオルオがムカついたから殴り返しただけらしいな、こりゃ」


    ナナバ「だけど、あの両手の刃。オルオに斬られた途端生えて来たらしいじゃないか」


    ゲルガー「酒ぶっかけりゃ、酒でも生えてくるのかね?」

  41. 45 : : 2014/10/26(日) 22:15:39


    ミケ「」ギュオッ!!


    巨人くん「!?」


    ゲルガー「やっちまえミケさんっ!!」


    ミケ「ふっ!!!」ビュッ!





    スカッ





    ミケ「何っ!?」


    ナナバ「外した!?いや、奴が消えた!?」


    ゲルガー「どこに!?」






    パシュッ






    ミケ「上だ!!」

  42. 47 : : 2014/10/26(日) 22:30:35


    巨人くん「」パシュッ!






    ナナバ「立体機動装置!?今度は装置が生えて来たって言うのか!?」


    ゲルガー「無茶苦茶な奴だ!!しかも自在に操ってやがるだと!?」





    巨人くん「」ヒュウゥゥゥゥッ





    ミケ「チッ!いったん奴と距離を置け!!体勢を立て直してもう一度攻撃を…」


    ナナバ「ミケ後ろ!!」


    ミケ「!?」







    巨人くん「」ギュウゥゥゥンッ!!







    ミケ「いつの間に!?速いぞ!!」ヒュウゥゥゥゥッ


    ゲルガー「ミケさん逃げろ!追いつかれるっ!!」


    ミケ「くっ…このままでは…」

  43. 48 : : 2014/10/26(日) 22:45:06


    巨人くん「」ギュウゥゥゥンッ!!


    ナナバ「ミケっ!!」


    ミケ「ダメか…」ヒュウゥゥゥゥッ






    巨人くん「」ジャキッ!


    ナナバ「ミケぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!!!!!!」









    ズバアァァァァァァァァァァッ!!!!









    ミケ「ぐはっ…」













    ドサッ…

  44. 49 : : 2014/10/26(日) 22:57:45


    ゲルガー「ミケさんっ!!畜生っ!!」ジャキッ!


    ナナバ「駄目だゲルガー!!これ以上手を出すな!!」


    ゲルガー「くっ…!」







    巨人くん「」ヒュウゥゥゥゥッ







    ゲルガー「みすみす奴を逃がす事になるなんて…クソッ!!」


    ナナバ「早くミケの手当てを!!」


    ミケ「」

  45. 50 : : 2014/10/26(日) 23:08:08


    ~調査兵団本部~


    モブリット「…と言う事でした」


    ペトラ「そんな…」


    ハンジ「まさか…ミケがやられるなんて!!」


    エルヴィン「敵を侮っていたワケではないが、これは想像以上だな」


    モブリット「残りの二人は無事でしたが…やはりこれは」


    リヴァイ「奴に対して敵意を持って攻撃を仕掛けたのはミケだけ。つまりそう言う事か」




    ハンジ「奴の力は、自分に対して敵意を持った者の持つ武器、技などをコピーする」


    ハンジ「しかも、技術的な物は、それを有していた者以上の熟練度で迎え撃つと言うワケか」

  46. 51 : : 2014/10/26(日) 23:27:26


    エルヴィン「この事実を直ちに憲兵団に連絡。壁内人類に周知徹底を図れ」


    エルヴィン「奴を見つけても決して手を出さないように。手出しさえしなければ、被害は出ない」


    モブリット「了解です。直ちに!!」ダッ!





    リヴァイ「さて、こうなっちまった以上ウチの責任問題は免れねぇぞ」


    エルヴィン「そうだな。あいつを壁内に連れ帰る事を許可した私に全ての責任がある」


    ハンジ「それを言ったら私もだよ。あいつを野放しに近い状態にしておいたのは私だ」


    ハンジ「クリスタは責められないよね。彼女なら、きっとこんな事はさせなかっただろうし」


    エルヴィン「私の方から今回の件については話をしよう。みんなは来るべき時に備えて待機だ」

  47. 52 : : 2014/10/26(日) 23:36:18


    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    エルヴィン「…というのが今の現状だ」


    クリスタ「そう…ですか…」


    エルヴィン「心配しなくても、君に責任はない。すべて私の引き起こした事態だ」


    クリスタ「いえ、私が無理にでもあの子を置いてくればよかったんです。それを…」


    エルヴィン「まぁ、どちらにしろ君が一緒なら奴も暴れる事は無かっただろう」


    エルヴィン「だがこうなってしまった以上、手段を選んでいる暇はない」


    クリスタ「そう…ですよね。最悪、あの子は…」


    エルヴィン「捕獲が困難だと判断した場合、覚悟しておいてくれ」


    クリスタ「はい…」

  48. 53 : : 2014/10/26(日) 23:51:14


    エルヴィン「私からは以上だ。君も他の兵と同様、本部で待機していてくれ」


    クリスタ「分かりました…」






    スタスタ…







    ガチャン







    クリスタ「…」


    クリスタ(どうして…こんな事に…)グスッ…

  49. 54 : : 2014/10/27(月) 19:43:40


    ~トロスト区~


    住民「おい聞いたか?例の巨人の話」


    住民「あぁ、調査兵団が連れ帰ってきた奴だろ?その話で持ち切りだぜ」


    住民「全く、税金をドブに捨てるだけじゃ飽き足らず、バケモノまで壁内に連れて来るなんて」


    住民「さっさとあんな組織、解体しちゃえばいいのよ。どうせ何も成果を上げられないんだし」


    ナイル「失礼」


    住民「あなたは確か憲兵団の…」


    ナイル「師団長のナイル・ドークです。例の巨人についての注意喚起を…」

  50. 55 : : 2014/10/27(月) 19:54:15


    住民「ねぇ師団長さん、あなたの方から調査兵団解体について進言してくださらない?」


    ナイル「それは…」


    住民「あいつらをあのまま放っておいたら、いつかとんでもない事をやらかすぜ!」


    住民「そうなる前に、さっさとあんな奴らをバラしちまえばいいんだよ!」


    住民達「そうだそうだ!!」


    ナイル「…善処します」


    住民「頼みましたよ、師団長さん」





    ナイル「…例の巨人についてですが、こちらが手出ししない限りは、向こうも何もしません」


    ナイル「仮に遭遇したとしても、どうか落ち着いて我々に通報を。よろしいですね?」


    住民「あぁ、頼むぜ憲兵さんよ」







    ゾロゾロ…

  51. 56 : : 2014/10/27(月) 20:09:36


    ナイル「…ふぅ」


    ピクシス「憲兵団も楽じゃないのう。巨人の対応までせねばならんのだからな」


    ナイル「ピクシス司令!」バッ!




    ピクシス「謎の巨人…いや、巨人という表現は相応しくないかのう。体長1mじゃったか?」


    ナイル「しかし、立体機動装置を肉体から出現させて調査兵に深手を負わせたとか」


    ピクシス「とうとうそんな輩まで出おったか。いよいよ人類は終わりかもしれんのう」


    ナイル「…」


    ピクシス「手出ししなければ良いと言っても、このまま放っておくワケにもいかんじゃろう?」


    ナイル「当然です。いつ、奴の方から人類に攻勢を仕掛けてくるか分からないですからね」


    ナイル「今、内地の方で討伐を行うべく、実働部隊が待機中です」

  52. 57 : : 2014/10/27(月) 20:18:01


    ピクシス「内地の実働部隊じゃと?」


    ナイル「何でも、王政直属の極秘戦闘部隊だとか…」


    ピクシス「噂には聞いておったが、そんなものが本当に存在するとはな」


    ピクシス「まさか内地の連中が巨人討伐に動くとはな。それだけ向こうも逼迫しておるのか」


    ナイル「奴らは壁の中の出来事には敏感ですからね。外には目もくれないくせに…!」


    ピクシス「実働部隊…奴らでどうにかできればよいがのう…」







    ピクシス「王政直属の戦闘部隊…対人制圧部隊で、な…」

  53. 58 : : 2014/10/27(月) 20:33:49


    ~ローゼ内・とある森~


    巨人くん「」スタスタ…







    女部下「見つけました。両腕の刃と立体機動装置を確認、奴に間違いないかと」


    ケニー「んな事言われなくても分かってるよ。一目見りゃあれがバケモノだって事くらい分かる」


    ケニー「しかし、心なしか聞いていたサイズよりでかくねぇか?」


    女部下「報告では1mでしたが…どう見てもその倍はありそうですね」


    ケニー「成長期ですか?ってな。全く、勘弁してほしいぜ」


    ケニー「ホント、何だって俺達がバケモノ退治なんかに駆り出されるのかねぇ」

  54. 59 : : 2014/10/27(月) 20:48:16


    ケニー「対人制圧部隊…巨人も人って言えば人だが、俺達は人間専門なんだがな」


    女部下「私達が成果を上げる事によって、彼らの庭付きの豪邸をお守りする事が出来るんです」


    ケニー「おーおー、全く大層なもんだぜ。そいつはよっぽど素晴らしい豪邸なんだろうな」


    女部下「そうですね。きっと私達が身を粉にして働いてでも守る価値があるんでしょう」


    ケニー「今回の仕事、成功した暁には報酬を弾んでもらわねぇとな。そうだな、豪邸とか」


    女部下「では、豪邸のために仕事に取り掛かりましょう」





    ケニー「始めろ、お前ら」


    部下達「はっ!!」

  55. 60 : : 2014/10/27(月) 21:04:41


    パシュッ!


    巨人くん「!?」






    部下達「」ヒュウゥゥゥゥッ


    巨人くん「」ギロッ!






    ケニー「おーおー、おっかねぇな。一気に野獣の目になったぜ」


    女部下「手筈通り、全方向から囲め」


    部下達「はっ!!」ギュウゥゥゥゥンッ!!


    巨人くん「…」

  56. 61 : : 2014/10/27(月) 21:20:24


    部下「360度、包囲完了です」


    女部下「…撃て」


    部下達「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!!!!」







    バンバンバンバンバンバンバンバンッ!!!!!!!!!!


    巨人くん「!!!!!」









    バンバンバンバンバンバンバンバンッ!!!!!!!!!!









    ケニー「これだけ一斉にぶっ放せば迫力があるな」


    女部下「あの散弾は対巨人用の武器ではありませんが、あのサイズなら十分通用するかと」


    ケニー「違ぇねぇ。いずれうなじごとハチの巣にしちまうだろうな」

  57. 62 : : 2014/10/27(月) 21:35:11


    バンバンバンバンバンバンバンバンッ!!!!!!!!!!







    巨人くん「ウ…ガァァァ…」


    部下「さっさと死に晒せバケモンがっ!!!!!」


    巨人くん「ウゥゥゥ…」モコモコ…


    女部下「あれは!?」


    ケニー「何だありゃ!?」






    巨人くん「」ジャキッ






    部下「銃が…生えた!?」


    女部下「腕が増えた上に、それらが銃に変化しただと!?」


    ケニー「しかもあれは、俺達が持ってる散弾と同じ奴じゃねぇか。どうなってやがる?」

  58. 63 : : 2014/10/27(月) 21:50:26


    巨人くん「ウガァァァァッ!!!!!!」


    女部下「マズい!総員撤退!!」








    バンバンバンバンバンバンバンバンッ!!!!!!!!!!


    部下達「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!」








    バンバンバンバンバンバンバンバンッ!!!!!!!!!!








    女部下「くっ…散弾が効いてない上に、あれだけ暴発されたら…」


    ケニー「三十六計逃げるに如かず、やっぱり俺達の手に負える相手じゃねぇな!」パシュッ!


    女部下「やむを得ませんね、我々も撤退を…」パシュッ


    巨人くん「」ギュンッ!!


    女部下「なっ!?回り込まれた!?」

  59. 64 : : 2014/10/27(月) 22:06:59


    ケニー「そこをどけよ!俺達が通れねぇだろうがよっ!!」ジャキッ!


    女部下「隊長駄目です!こいつに敵意を向けては…」






    バンバンッ!







    巨人くん「…」シュウゥゥゥゥゥゥ…







    ケニー「撃ったそばから再生かよ…そりゃねぇぜ!!」パシュッ!


    女部下「お待ちくださいっ!私も…」


    巨人くん「」ジャキッ!


    ケニー「オイオイオイオイオイッ!そんな物騒なモンをこっちに向けんじゃねぇっ!!」


    女部下「あ…あぁ…」





















    バンバンッ!!!

  60. 65 : : 2014/10/27(月) 22:20:02


    ~3日後・調査兵団本部~


    エルヴィン「…以上が、ここ数日の奴の動向だ」


    リヴァイ「幻の内地の戦闘部隊まで全滅とはな」


    ハンジ「存在するかどうかも怪しかった組織だけど、本当に存在が消えるなんて…」


    アルミン「調査兵団の手練れでも相手にならなかった。戦闘部隊でもダメなのか…」


    ミカサ「…」





    エレン「それで、奴は今どこに?」


    エルヴィン「ローゼ領内、ストヘス区付近の森の中でおとなしくしているそうだ」


    エルヴィン「だが、この静寂がいつまで続くかは分からない。早急に討伐すべきだ」

  61. 66 : : 2014/10/27(月) 22:35:48


    クリスタ「あの…」


    エルヴィン「君の言いたい事は分かるつもりだ。だがな…」


    クリスタ「このまま、その森でそっとしておいてはダメでしょうか?」


    エルヴィン「君の発言を許可した覚えはないが?」


    クリスタ「こちらから手を出さなければ向こうが何もしない事は分かってるじゃないですか」


    クリスタ「なのに無理に討伐しようとするから、かえって被害が出ているんじゃないですか?」


    リヴァイ「手出し云々が通用してるのは、あくまで今だけだ。いつまで持つか分からねぇ」


    リヴァイ「仮にこのまま放っておいたとして、奴が何もせずに大人しくしてる保証はあるのか?」


    クリスタ「それは…」

  62. 67 : : 2014/10/27(月) 22:50:33


    ハンジ「私だって本当なら共存の道を選びたい。でもそれは、壁内の平和があってこそだ」


    ハンジ「奴が私達の敵である以上、残念だけど他の巨人達と同等の扱いをしなければならない」


    クリスタ「どうにか…ならないんですか…」


    ハンジ「じゃあ君は、壁内の民衆達を説得できるかい?巨人の恐怖に怯える無数の民衆を」


    ハンジ「根拠も確証もなく、奴が無害であると民衆達を納得させる事ができるかい?」


    クリスタ「それは…」







    ハンジ「すでにこれだけの被害をもたらしている以上、奴が無害だと証明する術は無い」


    ハンジ「恐ろしいのは巨人だけじゃない。この狭い壁内で、人間達の暴動が起きたらどうなるか」


    ハンジ「恐怖に駆られ、冷静さを欠いた人間ほど恐ろしい存在は無い。覚えているだろう?」


    ハンジ「5年前、マリアが巨人の手に堕ちた際、人間達がどんな行動に走ったのかを」


    エレン「…」


    ミカサ「…」


    アルミン「…」

  63. 68 : : 2014/10/27(月) 23:10:14


    ハンジ「たった一匹の巨人の侵入を許しただけで、またその悲劇が繰り返されるかもしれない」


    ハンジ「そうならないために、私達が今何をすべきか」


    クリスタ「…」





    ハンジ「私が言った事、覚えてるかい?『危険だと判断した時は、容赦なくうなじを削ぐ』と」


    クリスタ「はい、覚えています…」


    ハンジ「…ならば、どうか分かってくれ」

  64. 70 : : 2014/10/27(月) 23:29:42


    エルヴィン「我々は3日後、奴を討伐すべく攻勢に出る事となった。駐屯兵団と合同でだ」


    エルヴィン「白兵戦、固定砲、そしてエレンの力。こちらが持てるコマを全て導入する」


    エルヴィン「半端な戦力では返り討ちに遭うだけだと言う事は、これまでの経験で判明している」


    エルヴィン「ならばこの上ない最大戦力で奴を迎え撃ち、壁内への被害を最小限に抑える」




    エレン「すげぇ…あの巨人相手にこれだけの戦力を用いるなんて…」


    ミカサ「調査兵団の…壁内人類の本気が伺える」

  65. 71 : : 2014/10/27(月) 23:53:32


    クリスタ「こんなの間違ってる…」ボソッ…


    アルミン「クリスタ?」




    クリスタ「力でねじ伏せるだけじゃ…きっと何も解決しない…きっと…」


    アルミン「…」







    エルヴィン「作戦については後ほど連絡する。各自、準備を怠るな。以上だ」


    一同「はっ!!」


    クリスタ「…」

  66. 72 : : 2014/10/28(火) 19:57:58


    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    クリスタ「…はぁ」


    アルミン「クリスタ」


    ユミル「例の巨人の事か?」


    クリスタ「うん…。何で皆、あぁやって力でねじ伏せる事しか考えないんだろう…」


    クリスタ「巨人くんが暴れたのだって、こっちが先に手を出したからだって分かってるのに…」


    アルミン「きっと皆、怖いんだよ。いつあの巨人にやられてしまうかもしれない、そんな怖さが」


    アルミン「やられる前にやる。この考え方は決して間違ってはいないよ」


    ユミル「そうだな。ま、おとなしく壁内から出て行ってくれるって言うならいいんだけどな」

  67. 73 : : 2014/10/28(火) 20:36:59


    クリスタ「そう…だよね。元はと言えば、私があの子を連れて来たのがいけなかったんだよね」


    クリスタ「あの子は元々壁の外に住んでいた子。それをわざわざ連れてくる必要なんてなかった」


    クリスタ「それこそ、捨て犬を拾って家に連れ帰ってくるのと同じ事だよね」


    アルミン「クリスタ…」





    クリスタ「そして手に負えなくなったらポイ。その子がどんな気持ちかも考えずに」


    クリスタ「私はきっと、そんな飼い主と同レベル。あの子に対して何もしてやれないの…」


    ユミル「…そうやって自分を卑下するのは勝手だけどな、だったらお前はどうしたいんだ?」


    クリスタ「私は…」







    ユミル「あと3日、考えとけ。宿題だ」


    クリスタ「…」

  68. 74 : : 2014/10/28(火) 22:57:25


    ユミル「さてアルミン、私達は作戦の準備だとよ。モタモタすんなよ」


    アルミン「う、うん、分かったよ。それじゃあね、クリスタ」








    スタスタ…








    クリスタ「…」


    クリスタ(私は…どうしたらいいの…)

  69. 75 : : 2014/10/28(火) 23:33:46


    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    ハンジ「…後は手筈通りに」


    モブリット「…本当にアレを使う気ですか?」


    ハンジ「使わないに越した事はないよ。けど、最悪の事態を想定すれば用意せざるを得ない」


    ハンジ「アレを使ってしまえば、こちらとしても被害は甚大だからね」





    モブリット「…本当に仕留め切れるでしょうか?」


    ハンジ「分からない。でも、巨人一体に対してあれだけの戦力を用意して迎え撃つんだ」


    ハンジ「…仕留められないワケがない。そう信じていないとやってられないよ」


    モブリット「どうか、うまくいきますように」


    ハンジ「そうだね…」

  70. 76 : : 2014/10/29(水) 19:53:35


    ~そして3日後・ストヘス区壁上~


    エレン「…いよいよか」


    ミカサ「あの巨人を迎え撃つ作戦が、今にも始まろうとしている。気を抜かないで」


    エレン「オレの出番はまだなんだよな」


    アルミン「と言うより、あるかどうかはまだ分からないね。勿論、無い方がいいんだけど」


    エレン「ただ、本当にこんな作戦であいつを仕留められるのか…?」


    ミカサ「分からない。私達は、ただやるだけ。やられる前にやるしかない」


    ユミル「へっ、お前ら同じこと言ってやがる。クリスタが聞いたらまた怒るぜ」


    アルミン「そう言えば、クリスタ見ないね。てっきり来てるかと思ってたけど」


    ユミル「そうなんだよな。私もずっと探してるんだが、全然見当たらない」

  71. 77 : : 2014/10/29(水) 20:13:16


    ハンジ「クリスタは…来てないよ」


    アルミン「ハンジさん。クリスタは来てないんですか?」


    ハンジ「うん。彼女は今、調査兵団本部に居る」


    ユミル「本部に?じゃああいつ、ハナからここに来る気は無かったって事か?」


    ハンジ「来たくても来れないんだ。彼女は今、外出する事が出来ないからね」


    ユミル「外出制限でもかけられたって事ですか?」


    ハンジ「当初はね。彼女があの巨人に対して、我々の予想外の行動を取る可能性があった」


    ハンジ「なのでエルヴィンと相談し、今日は彼女が本部から出ないようにさせてもらったんだ」


    エレン「何だ、それならそうと早く教えてくれればいいじゃないですか」





    ミカサ「待って、『当初は』ってどういう意味ですか?」


    ハンジ「当初、彼女の自室で待機させる予定だったんだけど、ちょっと変更があってね」


    ハンジ「今は、地下牢の中で待機してもらっているんだ」


    一同「!?」

  72. 78 : : 2014/10/29(水) 20:33:00


    ユミル「地下牢!?そいつは随分と手厚い歓迎じゃないですか…!!」


    エレン「流石にそれは可愛そうじゃないですか!?」


    アルミン「一体クリスタが何をしたと!?」




    ハンジ「命令違反、及び上官への暴行。彼女を拘束する必要があるとの判断が下った」


    ユミル「命令違反はともかく、暴行って…あいつ一体何やらかしたんだよ…」


    ハンジ「簡単に言えば、命令に従わず勝手に外に出ようとした上、上官を殴ったんだよ」


    ハンジ「どうしてもあの巨人の下に行きたかったみたいでね。悪いけどこういう処分になった」


    ハンジ「そう言うワケでクリスタはここには来れない。まぁ、その方がいいだろうね」


    ハンジ「そろそろ作戦が始まる。各自、準備に入ってくれ。では」







    スタスタ…

  73. 79 : : 2014/10/29(水) 20:54:36


    エレン「マジかよ…」


    ユミル「あいつのポカポカ赤ちゃんパンチなんざ、暴行の内に入らねぇだろうがよ…」


    アルミン「クリスタによる巨人抑止の可能性は、これで完全に潰えたね…」





    ユミル「あいつには悪いが、やっぱ私もあの巨人はブッ倒すべきだと思う」


    ユミル「いくら何でも、あのまま一生大人しくしているとは思えない」


    ユミル「ましてや、突然暴れ出したとして、最も近くに居る可能性が高いのはクリスタだ」


    ユミル「私は…真っ先にあいつが食われちまうような事態になるのだけは避けたいと思ってる」


    アルミン「僕も同感だよ。このまま壁内に巨人を置いておく事は確実に良くない」


    アルミン「この場で奴を討伐できるのなら、それがベストだよ」


    エレン「そうだな…やるしかねぇよな…」


    ミカサ「…」

  74. 80 : : 2014/10/29(水) 21:13:29



    ~調査兵団本部・地下牢~






    ガチャン






    上官「もう暴れるんじゃないぞ、レンズ」


    クリスタ「…」


    上官「今日一日ここで過ごす事で、お前の罪を不問にする。寛大すぎる処置だ」


    上官「心配しなくても、あの巨人との戦いは今日で終わる。お前の出る幕は無い」


    上官「お前が案じている事は、他の誰もが思っている」


    上官「だがそれ以上に、人類の力を信じている。あんな得体の知れない奴に負けたりはしない」


    クリスタ「…」

  75. 81 : : 2014/10/29(水) 21:35:19

    上官「そこで頭を冷やせばお前も理解できるだろう。ゆっくり休め。じゃあな」









    スタスタ…









    クリスタ「…」


    クリスタ「ごめんね、巨人くん…ごめんね…ごめんね…」

  76. 82 : : 2014/10/29(水) 21:54:58


    ~ストヘス区内~


    ベルトルト「ライナー…」


    ライナー「言うなベルトルト。言わずとも分かっている」


    ベルトルト「本当に分かっているのか?この間の壁外調査だって、君が…」


    ライナー「あれはクリスタだけじゃない、不測の事態もあったから中止したんだろうが」


    ベルトルト「あんな奴無視して、作戦を続行すべきだった。手筈通りアニに…」


    ライナー「アニに無駄足踏ませたことは申し訳ないと思ってる。詫びの品もさっき置いてきた」


    ライナー「だが、結果的にあそこで無理をしなくてよかっただろう。現にあの巨人は」


    ベルトルト「だけど!僕達がチャンスを逃したのも事実だ!!」






    ライナー「なぁに…チャンスならまだあるさ。これからな…」


    ベルトルト「まさか…」


    ライナー「戦況が荒れ出したら準備しろ。チャンスは一瞬だ…」


    ベルトルト「分かったよ。当初の目的通り、エレンを…」

  77. 83 : : 2014/10/29(水) 22:11:33


    ~ストヘス区壁上~


    エルヴィン「…」


    ピクシス「いよいよじゃのう、エルヴィン」


    エルヴィン「そうですね。奴の正体が何であれ、今日この場所で、奴と雌雄を決します」


    ピクシス「手筈はどのようになっておったかの?今一度確認させてほしい」





    エルヴィン「まず、奴を森からおびき出します。現在、調査兵数名がその任に当たっています」


    エルヴィン「その後、森から出てこの壁の下まで奴が来たら、固定砲で攻撃します」


    ピクシス「しかし、固定砲の命中精度で奴を仕留め切れるかの?」


    エルヴィン「仮に奴が固定砲をコピーして撃ち返してきたとしても問題はありません」


    エルヴィン「奴がいるのは50mの壁の下。下から撃ったところで、こちらまでは届きません」


    ピクシス「ふむ、確かに。逆にこちらは奴を狙い放題と言うワケか」

  78. 84 : : 2014/10/29(水) 22:40:44


    エルヴィン「いくら命中精度が低いとはいえ、全く当たらないと言う事は無いでしょう」


    エルヴィン「それに、一発でも当たれば奴の小柄なサイズ、手足など簡単に吹き飛ばせます」


    エルヴィン「奴が機動力を失ってもたついている隙に、武装した調査兵が直接奴を仕留めます」


    ピクシス「ふむ、確かに話を聞く限りは行けそうじゃ。じゃが、そううまくいくじゃろうか」


    エルヴィン「うまくいかなかった場合の最終手段として、エレンの巨人の力があります」


    エルヴィン「本来なら最初から投入すべきなのでしょうが、一番恐ろしいのは奴の能力」


    エルヴィン「仮にエレンの巨人態の能力、サイズ、それらをコピーされれば勝ち目はありません」


    エルヴィン「最悪投入する場合、固定砲で奴が弱り切った隙に一気に決めるため…」






    エルヴィン「いわばフィニッシャーとして使う、これしかありません」


    ピクシス「机上の空論で終わらねばよいがの…」


    エルヴィン「私もそれを願うばかりです」

  79. 85 : : 2014/10/29(水) 23:05:36


    ピクシス「では、わしはそろそろ」


    エルヴィン「えぇ。固定砲の方はよろしくお願いします」


    ピクシス「手練れを連れて来ておいた。大船に乗ったつもりで構えていればよい」


    エルヴィン「ありがとうございます」











    ドオォォォォォォォォォン!!!!!!


    エルヴィン&ピクシス「!?」

  80. 86 : : 2014/10/30(木) 20:13:40

    メキメキメキ…


    巨人くん「」ドスンドスンドスンッ!







    エルヴィン「出てきましたね」


    ピクシス「おびき出すのには成功したようじゃな。しかし、少々大きくないか?」


    エルヴィン「3m程はあるでしょうか。成長していると言う事か…?」


    ピクシス「もしそれが事実なら厄介極まりない。何としてもここで奴を仕留めねばならんのう」


    エルヴィン「元よりそのつもりで我々はここに居ます。では司令…」


    ピクシス「うむ。奴がこの壁下にやって来る頃合いを見計らって…総員用意!!」


    駐屯兵達「」ザッ!

  81. 87 : : 2014/10/30(木) 20:36:44

    巨人くん「」ドドド…






    巨人くん「」ドドドドド…











    巨人くん「」ドドドドドドドドドドドッ!!!!!!


    ピクシス「…撃てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!!!!!!」


    駐屯兵達「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!!!!!」







    ドォンドォンドォンドォンドォンドォンドォンッ!!!!!!!!!


    巨人くん「!?」


    ピクシス「まだまだじゃ!!そのまま撃ち続けよ!!!」








    ドォンドォンドォンドォンドォンドォンドォンッ!!!!!!!!








    巨人くん「ガ…ガアァァァァァッ!!!!!」モコモコ…


    エルヴィン「やはり…奴の肉体から固定砲が!」


    ピクシス「早いとこ奴に当てて、反撃されるのを阻止したいがのう」

  82. 88 : : 2014/10/30(木) 20:57:05


    巨人くん「」ドォンドォンドォンドォンドォンドォンドォンッ!!!!!!!!







    ドォンドォンドォンドォンドォンドォンドォンッ!!!!!!!!







    エルヴィン「やはり壁上までは届かない。奴を恐れる事は無い!!」


    ピクシス「奴を吹き飛ばすまで砲撃を辞めるな!!撃てっ!!!!」







    ドォンドォンドォンドォンドォンドォンドォンッ!!!!!!!!


    巨人くん「」ドォンッ!!







    エルヴィン「当たった!!奴はどうなった!?」


    巨人くん「ウ…ウゥ…」シュウゥゥゥゥゥゥ…


    ピクシス「肉体の大半が吹き飛んでおる!今なら満足に行動はできん!!」


    エルヴィン「調査兵、総員特攻!!奴を仕留めろ!!」


    調査兵達「はっ!!」バッ!


    巨人くん「!?」

  83. 89 : : 2014/10/30(木) 21:12:53


    調査兵達「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!!!!」


    巨人くん「ウ…ウガァァァァァァァァァッ!!!!!!!!!!!」モコモコッ!


    調査兵達「!?」


    エルヴィン「あれは…散弾銃!?いつの間にあんな装備を!?」


    ピクシス「もしや例の戦闘部隊の物ではないか!?」






    巨人くん「ガァァァァァァッ!!!!!!」バンバンバンバンッ!!


    調査兵達「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!」






    ピクシス「まさかあの状態から迎撃するとは…!」


    エルヴィン「迂闊だった…奴のコピー能力は多数ストックできると言う事なのか!!」


    エルヴィン「総員、いったん退避!!これ以上奴の再生が進むと危険だ!!」

  84. 90 : : 2014/10/30(木) 21:36:46


    巨人くん「」モコモコ…!


    ピクシス「立体機動装置!?あれはマズいぞ!!」






    パシュッ






    サクッ






    巨人くん「」ギュウゥゥゥゥンッ!!


    ピクシス「壁を登って来た!!奴を落とせ!!」


    駐屯兵「喰らえバケモノォォォォォォォォッ!!!!!!!」






    ドォンドォンドォンドォン!!!!!!!!!






    巨人くん「」ギュンッ!!


    駐屯兵「くっ…動きが速すぎて当たらないっ!!」

  85. 91 : : 2014/10/30(木) 22:22:04


    エルヴィン「奴を壁上に登らせるな!!何としても食い止めろ…」







    カッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!







    「ウオォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!!!!!!!」


    一同「!?」







    エレン巨人「」ガッ!!


    巨人くん「!?」






    ヒュウゥゥゥゥゥゥ…






    ドオォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!!!!






    エルヴィン「エレン…!?巨人化したのか!?」


    ミカサ「エレンっ!!」


    アルミン「大丈夫、無事みたいだよ」

  86. 92 : : 2014/10/30(木) 22:41:15


    エルヴィン「エレンは独断で巨人化を?」


    リヴァイ「俺が許可した。今以外のタイミングはあり得ないと判断した」


    ピクシス「リヴァイ…感謝する。おかげで最悪の事態を免れた」


    リヴァイ「勘違いするな、そのセリフはあのバケモノを仕留めてからにするんだな」






    エレン巨人「…」


    巨人くん「ウ…ウゥ…」


    エレン(巨人のくせに立体機動装置を扱うなんて、とんでもねぇ奴だな)


    エレン(戦況は、押しているように見えて実際はこっちが押されてる)

  87. 93 : : 2014/10/30(木) 23:10:19


    エレン巨人「」アーン…






    ピクシス「うなじを噛み千切る気か!!」


    アルミン「そいつが立ち上がらないうちに急いで、エレン!!」


    巨人くん「」モコモコ…






    ガッキィィィィィィンッ!!!!!!


    エレン巨人「!?」


    エレン(何だ!?今、うなじが物凄く硬く…)





    エレン(…何だよコレ!!)


    巨人くん「ウゥゥ…」シュウゥゥゥゥゥゥ…






    アルミン「固定砲の砲門!?砲門でうなじを守ったのか!!」


    ミカサ「あれではエレンの牙が通らない!!」

  88. 94 : : 2014/10/30(木) 23:18:51


    リヴァイ「チッ…もたついてる時間はねぇぞ、エレン!!」


    エレン(とっととこいつを仕留めないとまずい。それは分かってるんだけど…)






    巨人くん「」シャキンッ!






    エレン(武装した巨人相手に、どう戦えって言うんだよ!!)






    巨人くん「」ダッ!


    アルミン「今度は刃が来たっ!!」


    ミカサ「エレンかわして!!」


    エレン(言われなくても分かってるよ!!)

  89. 95 : : 2014/10/30(木) 23:31:50


    エレン巨人「」ヒョイッ


    巨人くん「」ジャキッ!


    エレン(今度は銃かよっ!!)






    バンバンバンッ!!






    エレン巨人「グッ…!!」


    ミカサ「エレンっ!!」


    リヴァイ「狼狽えるな。巨人態があの程度でくたばるワケがない」


    アルミン「でも、このままでは…」






    巨人くん「」ピクッ…


    エレン(何だ…?)

  90. 96 : : 2014/10/30(木) 23:37:31


    巨人くん「ウ…ウガァァァァァァァァァッ!!!!!!」







    ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…


    エルヴィン「奴の体が…」







    ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…









    ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!!!!!!!!











    巨人くん「ウオォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!!!!!」


    アルミン「巨大化した…エレンとほぼ同じ15m級になった!!」

  91. 97 : : 2014/10/31(金) 20:24:05


    ミカサ「恐れていた事態が…!」


    ピクシス「ただでさえ厄介だった相手が、さらに手に負えなくなってしまった…」


    リヴァイ「チッ、何でさっさと仕留めねぇんだ。おかげで面倒だけが増えたじゃねぇか」


    アルミン「しかし、うなじに攻撃が通らないんじゃどうにもなりませんよ!!」


    ミカサ「このままでは…」


    エレン(どうする…こっちの攻撃はほぼ通らない。こいつを食い止める術は…)






    カッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!









    ドオォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!!


    一同「!?」

  92. 98 : : 2014/10/31(金) 20:40:31

    鎧の巨人「」ズウゥゥゥゥン…






    ピクシス「なっ…あれは!?」


    エルヴィン「重厚な鎧の肉体、もしやあれが…」


    アルミン「鎧の…巨人…!!」


    ミカサ「5年前に一度見たきりだけど、あいつの姿を忘れるワケがない…!」


    リヴァイ「何で今このタイミングで奴が現れる?あのバケモノとグルなのか?」


    アルミン「しかし、何故ローゼではなくシーナに!?ここを破壊しても意味は無い筈では!?」


    リヴァイ「そんなこと俺が知るか。でなければ、別の目的があると言う事なんじゃねぇのか?」


    アルミン「別の…目的…」











    アルミン「…エレン?」

  93. 99 : : 2014/10/31(金) 20:55:19


    エレン(オイ…何てこった!よりにもよって何でこんな時に!)


    エレン(壁を壊したいなら後にしてくれ!こっちは取り込み中なんだよ!!)


    鎧の巨人「」ダッ!


    エレン(えっ!?)






    ガシッ!!






    ダーンッ!!!







    エレン巨人「グ…!」グググ…


    鎧の巨人「…」







    アルミン「エレンを組み伏せた!?やはり目的は…」


    エルヴィン「一体何が起きていると言うんだ…」


    巨人くん「?」

  94. 100 : : 2014/10/31(金) 21:11:08


    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    ベルトルト「…」


    ジャン「ベルトルト!おいベルトルト!!」


    ベルトルト「…はっ!」


    コニー「どうしたんだよお前!今はボケっとしてる暇はねぇぞ!!」


    ベルトルト「そう…だね。よりにもよってこんな時に鎧の巨人が出るなんて…」


    サシャ「鎧!?あれが噂の鎧の巨人って奴なんですか!?」


    ジャン「俺は初めて見たぞ。コニー、お前は?」


    コニー「俺だって見たことねぇよ。姿を知ってるのは精々、エレン達くらいじゃないのか?」


    ジャン「良く知ってたな。お前の出身はシガンシナ付近だったか?」


    ベルトルト「イヤ…その…知ってたんだ。ひょんな事からね…」

  95. 101 : : 2014/10/31(金) 21:27:34


    ジャン「そうか…まぁ何だっていいさ。この状況がマズいって事は変わらねぇ」


    ジャン「お前ら向こう行くぞ!固定砲でもなんでもサポート出来る事があるはずだ!!」


    コニー「おうっ!!」


    サシャ「はいっ!!」


    ベルトルト「…」






    ジャン「オイ、お前も来るんだよ!そこでボケっとしてても何も変わらねぇぞ!!」


    ベルトルト「行ったとしても何も変わらないさ。それに…」


    ジャン「あぁん!?」


    ベルトルト「…あっ!!」







    鎧の巨人「」ブンッ!!


    巨人くん「!?」







    ベルトルト「駄目だ!!そいつに敵意を向けるなっ!!」


    ジャン「はぁ!?」

  96. 102 : : 2014/10/31(金) 21:38:47


    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    鎧の巨人「」ズシッ


    エレン巨人「」グググ…


    エレン(この野郎…離しやがれっ!何でオレを捕まえるんだ!!)


    エレン(あの巨人も倒さなきゃいけねぇのに、お前の相手してる暇はねぇんだよ!!)


    ライナー(悪いなエレン、お前を捕えるタイミングは今しかないと判断した)


    ライナー(この間の壁外調査では未遂に終わったが、今回こそは…)







    巨人くん「ウガァァァァァァァァァッ!!!!!!!」ダッ!


    エレン(マズい、来た!!)

  97. 103 : : 2014/10/31(金) 22:10:39


    ライナー(チッ、鬱陶しいな。少し大人しくしていろっ!!)


    鎧の巨人「」ブンッ!!


    巨人くん「!?」






    ベルトルト「駄目だ!!そいつに敵意を向けるなっ!!」


    ライナー(ベルトルト!?)







    ドゴッ!!







    巨人くん「ウグッ…」ドサッ!


    ベルトルト「馬鹿野郎…何て事を…!」


    ジャン「何言ってんだお前?」


    コニー「あの巨人をやっつけるのに、鎧の奴が手伝ってくれたのか?」


    ベルトルト「…くっ!」

  98. 104 : : 2014/10/31(金) 22:30:58


    巨人くん「…」ギロッ!


    ライナー(こいつ、あからさまに俺に対して敵意を向けて来たな。殴ったからか…?)


    巨人くん「ウ…ガァァァァァァッ!!!!!!」







    ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…







    ライナー(何だ…?こいつ、また何かする気か…?)


    エレン(この感じは…マズい、またアレか!?)


    アルミン「鎧の奴、余計な事を…!!」


    リヴァイ「あいつはどっち側だ?それとも第三勢力か?」


    エルヴィン「いずれにせよ、鎧の介入で戦局は大幅に悪化したと言える」


    ピクシス「とんでもない姿じゃ…」


    エルヴィン「…一つ、賭けてみるか」

  99. 105 : : 2014/10/31(金) 22:49:39


    巨人くん「グオォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!!!!!」


    エレン(鎧の皮膚…!!)


    ライナー(こいつ、俺の巨人をマネした!?)






    ベルトルト「あいつの能力を知っていたのは、兵士のライナーだけだったと言う事か…」


    ジャン「お前さっきから一人で何言ってんだ?ライナーがどうかしたのか?」


    ベルトルト「こうなったら…」ダッ!


    コニー「おいベルトルト、勝手にどこ行くんだ!?」


    サシャ「敵前逃亡は軍法会議物ですよっ!!」











    ベルトルト「最悪の事態になる前に、僕が何とかしなければ…!!」

  100. 106 : : 2014/10/31(金) 23:09:25


    鎧の巨人「」パッ


    エレン巨人「!!」


    エレン(やっと離しやがったか…。イヤ、もうオレを捕えている余裕がなくなったって事か?)


    エレン(鎧と奴は仲間じゃなさそうだ。だが、だからと言ってこの状況を切り抜けるには…)






    エルヴィン「聞こえるかエレン、そして鎧の巨人!!」


    エレン巨人&鎧の巨人「!?」






    エルヴィン「鎧が何者か、何故ここに現れたのか、今はそんな事を考えている場合ではない!」


    エルヴィン「今この場における最優先事項は、そこに居る巨人を討伐する事だ!!」


    巨人くん「…」

  101. 107 : : 2014/10/31(金) 23:31:23


    エルヴィン「奴と鎧が仲間でないと言う事はおおよそ分かった。ならば折り入って頼みがある」


    エルヴィン「エレンと鎧、共闘して奴を仕留めてはくれないだろうか!?」


    エレン(何だって!?)


    ライナー(ほう…まさか団長がこんな提案を持ちかけてくるとはな)






    エルヴィン「かつて故郷を奪った仇敵と手を組む事程屈辱な事は無いだろう、エレン」


    エルヴィン「だが今は、それすらも凌駕するほど状況は逼迫している」


    エレン巨人「…」






    エルヴィン「鎧の方も、目的も大儀も何一つこちらは理解していない」


    エルヴィン「もしかすれば、今この場で人類を滅ぼそうと企んでいるのかもしれない」


    鎧の巨人「…」

  102. 108 : : 2014/10/31(金) 23:50:50


    エルヴィン「ならばこんな巨人にではなく、君に滅ぼされたほうがまだマシと言う物だ」


    エルヴィン「エレンも、仇の巨人とは直接君の手で決着をつけたいだろう?」


    エルヴィン「今だけでいい。今だけ、壁内のために一致団結して戦ってくれないだろうか!!」


    エレン(こんな奴と一緒に戦うなんて、心の底から嫌で嫌で仕方ねぇけど…)


    ライナー(相変わらず面白いな、団長は。まさか俺に協力を求めてくるとは。いいだろう…)











    エレン&ライナー(…やってやるよ!こんなバケモノに負けてられねぇからな!!)

  103. 109 : : 2014/11/01(土) 18:30:31


    エレン巨人&鎧の巨人「」コクンッ


    ピクシス「おぉ…!!」


    リヴァイ「随分だな、エルヴィン。エレンはともかく、鎧をこっちに引き入れるとは」


    エルヴィン「鎧もエレンと同じ、知性を有した巨人だと言うのは以前から言われていた」


    エルヴィン「ならばこれまたエレンと同様に、人が変化した巨人だと考えても不思議はない」


    エルヴィン「だから賭けてみた。鎧の中身に人間性を問うてみた」


    エルヴィン「それに、鎧にとっても奴が邪魔だと言うのなら、話に乗る可能性が高いと思ってな」


    アルミン「…!」






    アルミン(相変わらず団長は凄い。鎧をこちら側に引き入れようなんて、誰が考えるだろう…)


    アルミン(人類の仇敵に助力を仰ぐなんて、ましてやこれだけの兵士が見ている最中で)


    アルミン(一歩間違えれば、壁内人類全員の反感を買うかもしれない行為なのに…)






    アルミン「後は、あいつを倒せればすべてがうまくいく…」

  104. 110 : : 2014/11/01(土) 18:49:15


    エレン巨人「」ガシッ!!


    巨人くん「ウ…ウゥッ!!」ジタバタ!


    エレン(ほら、抑えつけたぞ!!さっさとこいつを!!)


    ライナー(いいぞエレン、そのまま押さえ込んでいろ!!)


    鎧の巨人「」ブォンッ!!






    ガッキィィィィィィンッ!!!!!


    鎧の巨人「!?」






    ライナー(何という硬さだ…!俺の拳が全く通用しないだと!?)


    ピクシス「やはり硬度は鎧以上か…」


    アルミン「そんな…攻撃が通らないんじゃ、どうすれば…」

  105. 111 : : 2014/11/01(土) 19:10:50


    ライナー(クソッ!!まだまだ!!)


    鎧の巨人「」ブンブンブンッ!!






    ガキィンガキィンガキィンッ!!






    巨人くん「ウガァァァァァァァァァッ!!!!!!!!!」ブンッ!!


    エレン(うわっ…)






    ドッゴォォォォォォォォォッ!!!!!!






    鎧の巨人「グ…!」ドサッ!!


    エレン巨人「ウアッ…!」ドサッ!


    ライナー(何という衝撃…俺の鎧の皮膚でも防ぎきれん)


    エレン(意識が…飛びそうだ…)

  106. 112 : : 2014/11/01(土) 19:31:01


    巨人くん「」ゴゴゴゴゴ…







    アルミン「あれは!!」


    ピクシス「あの至近距離で固定砲を放つ気か!?」


    ミカサ「あの距離で受ければただでは済まない!!」


    ピクシス「立てエレン!!立ち上がって攻撃を避けるのじゃ!!」






    エレン(何だ…壁の上で皆が何か言ってる…)


    エレン(体が重い…オレは…一体…)











    ドォンドォンドォンドォンドォンドォンドォンッ!!!!!!!!

  107. 113 : : 2014/11/01(土) 19:49:57


    エレン(何だ…固定砲…?)







    ドォンドォンドォンドォンドォンドォンドォンッ!!!!!!!!







    エレン(スゲー近くで固定砲が…何が起きて…)


    エレン(…え!?)






    鎧の巨人「」シュウゥゥゥゥゥゥ…






    リヴァイ「鎧がエレンの盾になっただと?」


    アルミン「やはりあいつの目的は、エレンを倒す事ではないのか…」


    ミカサ「しかし、鎧の皮膚がボロボロに…」


    ピクシス「あの固定砲、とんでもない威力じゃ!」

  108. 114 : : 2014/11/01(土) 20:10:04


    鎧の巨人「」フラッ…


    ライナー(流石に…今のはマズかったな…)


    ライナー(だが、ここでエレンを失うワケにはいかない。例え俺の身を犠牲にしてでも)


    ライナー(なぁに、いざとなったらベルトルトとアニが何とかしてくれる。俺なんかいなくても)


    ライナー(俺のこの場における使命は、この巨人から是が非でもエレンを守り通す事)


    ライナー(そのためなら、何をしてでも俺は…)











    「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!!!!!!」


    鎧の巨人「!?」

  109. 115 : : 2014/11/01(土) 20:31:00


    エルヴィン「何事だ!!」


    調査兵「あぁ…何て事だ…壁上に…たった今、突如として…」







    調査兵「…超大型巨人がっ!!!!!!!!」


    一同「!?」


    超大型巨人「」ボオォォォォォォォォォォッ!!!!!!!







    リヴァイ「こいつが超大型か。実物を見るのは初めてだな」


    ピクシス「上半身のみじゃが、相当なサイズじゃ」


    アルミン「あばら骨を壁に突き刺して固定しているのか…」


    エルヴィン「どうやら、戦況の悪化は留まるところを知らないようだな」

  110. 116 : : 2014/11/01(土) 20:50:09


    エルヴィン「壁上の調査兵に告ぐ!総員、超大型を討伐せよ!!」


    エルヴィン「壁下の戦闘に我々は介入できない!ならばせめて、壁上は我々が死守する!!」


    エルヴィン「奴が動けない今がチャンスだ!!絶対にこの機を逃すな!!」


    調査兵達「はっ!!」





    パシュッ





    超大型巨人「」ボオォォォォォォォォォォッ!!!!!!!!





    調査兵「駄目だ…奴の蒸気の勢いでアンカーが刺さらない!!」


    ミカサ「それどころか、近付くのも困難です!」


    アルミン「あの状態はいつまで続くんだ…?それとも、ずっと…?」


    リヴァイ「何か仕掛けてくる気配はねぇな。鎧もそうだが、目的が分からねぇ」


    エルヴィン「仮にあの状態のまま、下に落下したら何が起きるか…」











    エルヴィン「…マズい!!!!!」

  111. 117 : : 2014/11/01(土) 21:12:55


    ライナー(ベルトルト…お前まさかアレをやる気か!?)


    ライナー(ならば、こんな場所でエレンを寝かせておくワケにはいかねぇな!!)






    鎧の巨人「」ムクッ







    鎧の巨人「」ズシンズシン…









    鎧の巨人「」ガブッ!!


    エレン巨人「!?」









    アルミン「鎧がエレンのうなじに噛み付いた!?」


    ミカサ「何をする気!?やめろっ!!!!」

  112. 118 : : 2014/11/01(土) 21:30:38


    ブチブチブチブチブチッ!!!!!!!






    エレン「うっ…」


    ミカサ「エレンっ!!」


    ピクシス「今になって突然エレンを狙い始めた?何をする気だ!?」


    ライナー(しっかり受け止めてくれよ。こいつは大事な存在だからな!!)






    鎧の巨人「」ブンッ!!


    エレン「うわっ!?」


    リヴァイ「こっちに投げただと!?」


    エルヴィン「受け止めろ!!あのまま落下したらただでは済まないぞ!!」

  113. 119 : : 2014/11/01(土) 21:50:07


    エレン「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!!!!!!」


    ミカサ「エレンっ!!!」






    ガシッ!!






    ミカサ「っ!!」ドサッ!


    エレン「はぁ、はぁ、助かったぜ…。ありがとな、ミカサ」


    アルミン「エレン!!体は無事か!?」


    エレン「すげーだるいし、あちこち痛ぇけど何とかな…」


    エレン「それにしても、あの巨人はとんでもねぇ奴だ。オレじゃ歯が立たねぇ」


    アルミン「鎧と超大型の行動も不可解だ。まるで一貫性が無い」


    ミカサ「奴らは一体何をしに来たと言うの…?」


    エレン「まさか…オレを助けた…なんて事はねぇよな…?」

  114. 120 : : 2014/11/01(土) 22:10:19


    鎧の巨人「グオォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!!!」


    巨人くん「!?」






    鎧の巨人「」ガシッ!!


    巨人くん「ウッ!?」






    鎧の巨人「」ズリズリズリ…






    アルミン「鎧が奴を引きずって…何をする気だ?」


    ミカサ「壁の下…向こうはちょうど超大型がいる辺りだけど?」

  115. 121 : : 2014/11/01(土) 22:26:37


    巨人くん「」ジタバタッ!


    ライナー(大人しくしていろ、もう少しだ。あそこまでいけば、後はベルトルトが…)






    超大型巨人「」ボオォォォォォォォォォォッ!!!!!!!






    エレン「…なぁお前ら、もしあの巨体が壁の下に落ちたら、どれだけの衝撃なんだろうな?」


    アルミン「そりゃ、あのサイズが50mも落下したらとんでもない…」


    アルミン「…そうか!鎧の狙いはそれだ!!」







    ズリズリズリ…







    鎧の巨人「」ズリズリズリ…


    ライナー(…よし、ここまで来ればいいだろう!後は頼むぞ!!)







    鎧の巨人「グオォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!!!!!!」


    一同「!?」

  116. 122 : : 2014/11/01(土) 22:50:55



    調査兵「凄い雄叫びだ…」


    ピクシス「…あれを見ろっ!!」







    超大型巨人「」グラァ…







    アルミン「落ちる!!」


    エルヴィン「ストヘス区側ではなく、外側に落ちるか…」


    ミカサ「やはり鎧の目的は…!」
















    超大型巨人「」ヒュウゥゥゥゥゥゥ…

  117. 123 : : 2014/11/01(土) 23:11:30


    エルヴィン「…みんな伏せろ!!何かに捕まるんだ!!」


    一同「!!!!!!」


    ライナー(さぁ…これで決まりだ)











    ドスンッ…


















    ドオォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


    一同「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!!!!!!」


    巨人くん「ウ…ガァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!!!!!!!」

  118. 124 : : 2014/11/02(日) 18:32:22


    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



    シュウゥゥゥゥゥゥ…








    アルミン「う…うぅ…」


    エレン「どうなった…?」


    ミカサ「ものすごい衝撃だった…。あのまま立っていれば私達も巻き込まれていた」


    リヴァイ「下を見ろ、お前ら」


    エレン「下…あぁっ!!」







    鎧の巨人「…」


    巨人くん(下半身)「」シーン…

  119. 125 : : 2014/11/02(日) 18:49:44


    エレン「上半身が消し飛んでる…」


    ピクシス「上半身は消滅…したと思われる。痕跡はどこにも残っていない」


    エルヴィン「あれ程の衝撃だ、あの状態になっても何ら不思議はない」


    アルミン「じゃあつまり、僕達は…」


    エレン「勝った…」


    ミカサ「鎧と超大型の手を借りると言う、屈辱的な方法だったけど」


    エルヴィン「そうだな。まだ奴らが残っている。この場の戦いは終わっていない」


    エレン「そうだ、あいつらとも決着を付けねぇとな。ここで逃がすワケには…」

  120. 126 : : 2014/11/02(日) 19:10:04

    ジャン「エレンっ!!」


    エレン「ジャン?どうした!?」


    ジャン「ライナーとベルトルトの姿が無いんだ!!こっちに来てねぇか!?」


    エレン「いや、オレは見てねぇよ。オレはさっきまで向こうで戦ってたんだぞ?」


    ジャン「あぁ、そりゃそうだな、悪い。お前らは?」


    アルミン「僕も見てないな。と言うより、ここに来てから彼らの姿を見てないよ」


    ミカサ「もしかして、さっきの衝撃で壁の下に落ちたんじゃ…?」


    ジャン「いや、ライナーはその前から居なかった。ベルトルトは直前にどっか行っちまうしよ」




    ジャン「まさかあいつらともあろう奴がビビって逃げたワケでもあるめぇしな」


    リヴァイ「腰抜けだろうとそうでなかろうと、今その件は後回しだ」


    リヴァイ「動ける奴らは準備しろ。今度の標的は鎧だ」


    リヴァイ「エレンが戦えねぇ今、俺達がやるしかない。この場から逃がすなっ!!」ジャキッ!

  121. 127 : : 2014/11/02(日) 19:30:34


    エルヴィン「待てリヴァイ、奴らの様子が」


    リヴァイ「あ?」






    鎧の巨人「…」


    ライナー(大丈夫か、ベルトルト?)


    ベルトルト「このまま君の腕の中で隠してくれ。でないと僕の正体が…」


    ライナー(分かっている。だが、流石にこのままエレンを奪うのは無理そうだ)


    ライナー(いったん帰るとしよう。今後もチャンスが無いワケではないからな)

  122. 128 : : 2014/11/02(日) 19:45:14


    鎧の巨人「」クルッ






    エルヴィン「逃げる気か」


    リヴァイ「随分と呆気ねぇな。まさかあの巨人を倒すために来たワケじゃねぇだろう」


    ピクシス「深追いはするな、リヴァイ。こちらも手負いが多すぎる、奴らと戦う力はない」


    エルヴィン「どうせ刃もあの皮膚には通用しないだろう。追跡班を出す、今回はここで見逃そう」


    リヴァイ「チッ!」







    シュウゥゥゥゥゥゥ…







    リヴァイ「しかし、蒸気がすげぇな。まだここら一帯に立ち込めて消えねぇとは」


    アルミン「それだけ凄い熱量と衝撃でしたからね」


    ミカサ「しかし、いくら何でも留まりすぎでは?」


    エレン「それに、何て言うかこの蒸気…上から下に降りてきてるような?」

  123. 129 : : 2014/11/02(日) 20:10:31


    ピクシス「確かに…。そればかりか、奴の亡骸の場所に集まっているような…」


    エルヴィン「…何だあれは?」






    シュウゥゥゥゥゥゥ…








    シュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!








    ジャン「あの場所にスゲェ蒸気が集まって来た!!何だありゃ!!」


    アルミン「人の…形…?」


    ベルトルト「ライナー、後ろ!!」


    ライナー(何だ?回りが騒がしくなってきたな…)


    ライナー(…何だと!?)








    シュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!!!!!!!











    ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!!!!!!!!!

















    巨人くん「ウガァァァァァァァァァッ!!!!!!!!!!」

  124. 130 : : 2014/11/02(日) 20:30:15


    エルヴィン「復活した!?」


    ピクシス「何と言う事じゃ!!蒸気が集まって奴を模ったかと思えば、そのまま蘇るとは!!」


    リヴァイ「バケモノが…!」


    アルミン「しかもさっきより大きく…超大型のサイズを模したのか!?」


    エレン「上半身分、30mってところか!?」






    ライナー(どうなってやがる!!うなじごと上半身が消滅したはずだろうが!!)


    ベルトルト「まさか…不死身なのか…?」


    ライナー(そんな馬鹿な事があるか!!巨人である以上、そんなことはあり得ない!!)

  125. 131 : : 2014/11/02(日) 20:50:01


    巨人くん「」ダッ!






    ガシッ!!






    鎧の巨人「!?」


    ベルトルト「うわっ!?」


    エレン「鎧の奴が捕まった!!」


    アルミン「あれは…」






    巨人くん「グオォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!」ボオォォォォォォォォォォッ!!!!!!!


    鎧の巨人「ウグ…!!」


    ライナー(これは超大型の技!!あの状態からこの技までもコピーしたのか!!)

  126. 132 : : 2014/11/02(日) 21:12:50


    ベルトルト「う…あぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」


    ライナー(マズい、生身のベルトルトではこの熱に耐えられん!!)


    ライナー(そればかりか、このままでは俺も…何とかしなければ!!)






    鎧の巨人「」グググ…


    巨人くん「」ボオォォォォォォォォォォッ!!!!!!!






    ライナー(何という力だ、この俺が全く抜け出せない!どうすれば…)


    ベルトルト「」


    ライナー(ベルトルト…?おいベルトルト、しっかりしろ!!)


    ベルトルト「」











    ライナー(…ふざけんなクソ野郎がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!!)

  127. 133 : : 2014/11/02(日) 21:30:04


    鎧の巨人「グオォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!!!!!!!!」






    エレン「すげぇ雄叫びだ…」


    アルミン「怒りに震えているのか…?」


    ミカサ「だけど、奴の熱量もどんどん上がっている」





    リヴァイ「お前ら、もう一度伏せてた方がいいかもな」


    エレン「え?」


    ジャン「まさか…さっきのスゲェ奴をもう一発やる気じゃ…」


    アルミン「だけど、アレをやるには高さが必要だ。平地では使えない」


    エルヴィン「奴の能力は、敵意を向けた者の姿、技、装備をコピーする」


    エルヴィン「言い換えれば、受けた攻撃をそのままコピーして反撃している」


    エルヴィン「即ち、奴が喰らった“衝撃”をそのままコピーできるのだとしたら…」


    ピクシス「高さ云々は関係ない。衝撃そのものをコピーしていれば、奴は…!!」

  128. 134 : : 2014/11/02(日) 21:50:39


    巨人くん「グオォォォォォォォォォォッ!!!!!!!!」ボオォォォォォォォォォォッ!!!!!!!


    ライナー(この熱は…ヤバい…)







    エルヴィン「…来る!!もう一度伏せろ!!」


    巨人くん「」カッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!









    ドオォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!!!!!!!!!


    一同「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!!!!!!」


















    シュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ…

  129. 135 : : 2014/11/02(日) 22:09:53


    エレン「う…さすがに二発目はキツイな…」


    ピクシス「衝撃もさっき以上だったようじゃ、老体には優しくないのう…」


    エルヴィン「…」


    リヴァイ「こいつは…俺達の想像をはるかに超えるバケモノだな…」


    アルミン「…あぁっ!!」







    巨人くん「…」







    ミカサ「鎧が居ない…どこにも…」


    ジャン「消滅しちまったのか…超大型の同じ攻撃に耐えた、あの鎧が…」


    エルヴィン「同じではない。威力はあの巨人のほうが遥かに上だった」


    エルヴィン「熱と衝撃、あの鎧を持ってしてもこれらに耐える事は不可能だったと言う事か」

  130. 136 : : 2014/11/02(日) 22:28:49


    リヴァイ「どうする?今更だが、こちらはとっくの昔に打つ手が尽きている」


    ピクシス「かと言って、あのバケモノをこのまま放っておくワケにもいかんじゃろう」







    巨人くん「ウガァァァァァァァァァッ!!!!!!!!!!!!」







    エルヴィン「もう、こちらの敵意云々は関係ないようだな。止められる気がしない」


    アルミン「あぁっ…」ガクッ…


    ミカサ「アルミンっ!?」







    アルミン「やっぱり、あいつには手を出すべきじゃなかったんだ…」


    アルミン「クリスタの言う通り、こちらが何もしなければあいつも大人しかったはずだ…」


    アルミン「半端に攻撃を仕掛けてしまったばかりに、僕らはとんでもないバケモノを作った…」


    アルミン「奴はもう止められない…」


    アルミン「壁内の全てを破壊し尽くすまで、奴の進撃は止まらないんだっ!!」


    エレン「落ち着けアルミン!まだオレが居る!!」

  131. 137 : : 2014/11/02(日) 22:49:35


    リヴァイ「やめておけ。鎧と超大型が消されたのに、お前が何とかできるワケがない」


    エレン「ですけどっ!!」


    リヴァイ「それに、何度も言うが奴が最後まで大人しくしていたと言う保証もない」


    リヴァイ「最初から結果なんざ誰にも分からない」


    リヴァイ「俺達は奴と真っ向から闘い、討伐する道を選択し、そして負けた。それだけだ」


    エレン「負け…」






    エルヴィン「だが、手段が無いワケでもない。通用するかどうかは別問題だが」


    ジャン「それは本当ですか!?」


    エルヴィン「ハンジに用意させていた最終手段だ。もはやこれしか手は残されていない」

  132. 138 : : 2014/11/02(日) 23:09:19


    エルヴィン「我々とは別行動で、今頃ローゼの平原で…」


    巨人くん「」パシュッ







    サクッ


    一同「!?」







    巨人くん「」ヒュウゥゥゥゥゥゥ…


    駐屯兵「奴が…立体機動で!!」







    ドスンッ







    巨人くん「…」


    駐屯兵「あ…あぁ…」ガタガタ…


    調査兵「いやだぁぁぁっ!!こんなところで死にたくないっ!!」ダッ!


    ジャン「逃げるな馬鹿野郎っ!」


    ピクシス「無理もない…。恐怖で心が折られた上に、目の前に立ちはだかられてはな…」

  133. 139 : : 2014/11/02(日) 23:30:35


    リヴァイ「丁度よかった、そっちから来てくれて助かる」シャキッ!


    ミカサ「やるしかない…!」


    アルミン「無理だ…もう終わりだよ…」


    エレン「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!!!!」パシュッ






    巨人くん「グオォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!」ボオォォォォォォォォォォッ!!!!!!!







    エレン「うわっ、熱っ!!」


    ジャン「またアレかよ!!近づけねぇだろうがっ!!」


    リヴァイ「チッ、その技が随分とお気に入りのようだな」

  134. 140 : : 2014/11/02(日) 23:49:02


    ピクシス「…エルヴィンっ!!」


    エルヴィン「総員!!奴を絶対にストヘス区に落とすな!!大惨事は免れないぞ!!」


    兵士達「うわあぁぁぁぁっ!!!!!!逃げろぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!」


    ピクシス「ダメじゃ、兵達は全く機能しておらんっ!!」






    巨人くん「」ピョンッ






    エレン「あぁっ!!!」


    リヴァイ「ふざけるな…!!!!」


    ミカサ「ダメっ!!!」


    アルミン「終わりだ…」


    エルヴィン「全員伏せ…」





















    ドオォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!

  135. 141 : : 2014/11/03(月) 18:34:29


























































































  136. 142 : : 2014/11/03(月) 18:34:45


    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    ――――――エレン


    エレン「ん…」









    ――――――エレン、起きろ


    エレン「んぁ…」













    ハンジ「エレンっ!!」


    エレン「…はっ!!」


    ハンジ「良かった、無事だったんだね」


    エレン「ここは…オレは確か…」


    ミカサ「あのバケモノの爆発の衝撃で、兵達は皆負傷し気絶した」


    アルミン「僕達もさっき意識を取り戻したところなんだ」

  137. 143 : : 2014/11/03(月) 18:50:07


    リヴァイ「ようやく起きたかエレン。体はどうだ?」


    エレン「兵長…。オレ達は一体…っ!!」ズキッ


    ミカサ「痛むのなら無理に起きない方がいい」


    アルミン「ミカサだって安静にしてなきゃダメだよ。みんなもまだ目を醒まさないし」




    ジャン「」


    サシャ「」


    コニー「」




    エレン「そうだ!奴はどうなった!?あの後は一体…」
















    エレン「…何だよコレ」


    ハンジ「奴の爆発によって、区の南側がほぼ壊滅したストヘス区さ」

  138. 144 : : 2014/11/03(月) 19:10:22


    ハンジ「事前に憲兵団によって住民の避難を完了させておいたおかげで、市民の犠牲者はゼロ」


    ハンジ「…だが、監視の任に付いていたストヘス区の憲兵数名の死亡が確認されたよ」


    アルミン「まだ確認はされてないけど…どうやらアニもその任に当たっていたみたいなんだ」


    エレン「アニが…!?」


    ミカサ「…」




    アルミン「きっと遺体も見つからないだろう。衝撃と共に消し飛んでしまったからね」


    アルミン「壁上に居た兵士にも犠牲者が出た。ライナーとベルトルトも行方不明だ」


    アルミン「一通り落ち着いた後、奴は立体機動でストヘス区を脱出し、ローゼの平原に消えたよ」


    ミカサ「私達の命を見逃してくれたのは、不幸中の幸いかも知れない」

  139. 145 : : 2014/11/03(月) 19:30:37


    エレン「一体どこへ行きやがったんだ…」


    ハンジ「それなら私が知っている。奥の手を使うために、奴をおびき出したんだ」


    エレン「奥の手…団長が言っていた最終手段ですか?」


    ハンジ「あぁ。それを使えば、きっと奴は骨の欠片も残らず完全消滅するだろう」


    ハンジ「今回みたく、半端に肉体を残したせいで復活されるような事も無い筈だ」


    エレン「それは一体…」


    ハンジ「内地の工兵部が秘密裏に開発していた、対巨人用の大型爆弾さ」
  140. 146 : : 2014/11/03(月) 19:51:07


    ハンジ「特殊な技術によって氷瀑石を極限まで圧縮」


    ハンジ「その状態から急激に圧力を解放すると、その反動によって急激に温度が上昇する」


    ハンジ「さらに石がガスを生成し、気化によって急激なガスの膨張が発生する」





    ハンジ「これら二つの現象が組み合わさると、何が起きるか…」


    アルミン「激しい熱と多大なガスによってもたらされる、規格外の大爆発…!」


    ハンジ「うん。その爆弾が現在、ローゼ西の大平原のとある地点に設置されている」


    ハンジ「規模で言えばそうだね…周囲数キロ圏内に存在する物質は跡形もなく消えるだろう」


    アルミン「跡形もなく…!?」


    エレン「そんな兵器があれば、巨人共も根絶やしに出来るんじゃ!!」


    ハンジ「できるだろうね。使い方さえ誤らなければね」
  141. 147 : : 2014/11/03(月) 20:12:04


    ハンジ「本来なら、壁外で十分に実験を行ってから実用化するべきだった」


    ハンジ「一歩間違えれば、こちらの全てを無に帰す最凶最悪の兵器。当然だね」


    ハンジ「しかし、このタイミングで現れたバケモノによって、そんな余裕は無くなった」


    ハンジ「その最終兵器ですら、奴に通用するかどうかは分からない」


    ハンジ「けれどもう、残された手段はこれしかない。これがダメなら、もう人類はお仕舞だね」


    ミカサ「超大型の爆発にも耐えたあいつに、本当に効くかどうか…」


    エレン「…」


    アルミン「しかし、その爆弾はどうやって起爆するんですか?まさか時限式ではないですよね」


    ハンジ「勿論。起爆の方法は簡単だよ…」











    ハンジ「…爆弾に付いている起爆スイッチを押すだけさ。人の手でね」

  142. 148 : : 2014/11/03(月) 20:30:17


    エレン「人の手って…一体誰が押すって言うんですか!!」


    ミカサ「そんな役回りを引き受ければ、間違いなく助からないっ!!」


    アルミン「まさか…」


    ハンジ「…引き受けてくれたよ。私達の可愛い部下がね」


    リヴァイ「…」





    ハンジ「自分の命よりも壁内人類の命を優先し、身を投げ打ってこの作戦に参加してくれた」


    ハンジ「彼らは今、ストヘス区から奴を爆弾の地点まで誘導しているはずだ」


    ハンジ「時間的に、そろそろ起爆してもおかしくない頃だけど…」


    エレン「くっ…!オレが奴を止められなかったばっかりに…!!」


    ミカサ「あんな奴、誰でも止められない。規格外の敵だった」


    アルミン「クリスタは一体何を思うだろうね…」


    一同「…」

  143. 149 : : 2014/11/03(月) 20:49:30


    リヴァイ「…とりあえず、一旦本部に戻るぞ。ここに居ても何もする事はねぇからな」


    ハンジ「そうだね。みんな怪我が酷いし、私達に出来るのは作戦の成功を祈る事だけだ」


    ハンジ「エルヴィン、みんなに指示を。本部に帰還しよう」


    エレン「…」











    エレン(…クソッ!!)

  144. 150 : : 2014/11/03(月) 21:10:23


    ~ローゼ南の平原・巨人誘導班~



    巨人くん「」ドシンドシン…







    エルド「よし、うまい具合に付いてきてくれたな」


    グンタ「ポイントの森まではもう少しだ。最後まで大人しくついて来いよ」


    ペトラ「…」


    オルオ「…」





    エルド「…別にお前らまでこっちに来る必要は無かっただろ」


    グンタ「誘導位、二人いれば十分事足りる。何で来たんだ?」


    ペトラ「別に…深い理由は無いけど…」


    オルオ「元はと言えば、俺があのバケモノを生み出すきっかけを作ったようなもんだからな」


    エルド「そんなこと気にしてたのか。お前らしくないな、オルオ」


    オルオ「せめてものケジメだよ。それに、お前らだけを逝かせるワケにはいかねぇしな」


    ペトラ「私達は天下のリヴァイ班。逝くときは一緒だよ」

  145. 151 : : 2014/11/03(月) 21:31:48


    エルド「…そうだな。俺達、これから死ぬんだな」


    グンタ「変な気分だ。これから死ぬってのに、不思議と心が落ち着いてる」


    エルド「俺達の屍の先に壁内の未来が転がってるって言うなら、命くらい惜しくはないさ」


    オルオ「違ぇねぇ」





    ペトラ「見えて来たよ。あそこの森!」


    ケイジ「お、来た来た。こっちだお前ら」


    ニファ「随分と大きくなってる…」


    髭ゴーグル「あんなバケモノ相手にして、よくシーナが壊滅しなかったな」


    エルド「兵器の準備はできてるか!?」


    ケイジ「バッチリだ。いつでも起爆できる!!」

  146. 152 : : 2014/11/03(月) 21:50:25


    髭ゴーグル「…っと、その前に。奴にぶちかますぞ!!」


    オルオ「俺達はいったん離れるぞ!!」


    グンタ「おうっ!!」


    エルド「やってくれ!!」


    髭ゴーグル「…撃てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!!!!!!」













    ドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


    巨人くん「!?」
















    ドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
















    ドドドドド…
















    シーン…
















    巨人くん「」ギシッ…


    ケイジ「これでこいつは動けない。予想以上のデカブツだったが、ちゃんと捕まえられたな」

  147. 153 : : 2014/11/03(月) 22:07:20

    ニファ「後は…これを起爆するだけだね」





    爆弾「」





    ペトラ「これが爆発したら、私達は一体どうなっちゃうんだろう…」


    グンタ「そりゃもう、凄まじい熱と爆風で、身体は一瞬で消え去っちまうだろうな」


    エルド「苦しむ間もなく、気が付いたら閻魔様の目の前って感じだろうな」


    オルオ「俺達が行く先は天国か、それとも地獄か」


    髭ゴーグル「これだけ人類のために体張ってんだ、天国行きにしてくれなきゃ骨折り損だろう」


    ケイジ「だがオルオは地獄行きかもな。今回の事件の首謀者だしな」


    オルオ「首謀者って…まぁ、あながち間違っちゃいねぇけどよ」





    巨人くん「ウガァァァァァァァァァッ!!!!!!!」ジタバタ!





    エルド「おっと、奴が暴れ出す前にさっさとやっちまうか」

  148. 154 : : 2014/11/03(月) 22:27:17


    ニファ「いよいよ…」


    ペトラ「…」ジワッ…


    オルオ「ペトラ…お前…」





    ケイジ「そうだ、ペトラ、ニファ、お前達はこの馬に乗ってろ」


    ニファ「何で?今ここで馬に乗る理由は無いでしょ?」


    ケイジ「いいからよ。馬だって死ぬ時は美女に囲まれてたいだろうからな」


    ニファ「人間より雌馬のほうがいいに決まってるじゃない…」


    エルド「いいからさっさと乗れ。細かい事は気にすんな」


    ペトラ「変なの」サッ


    ニファ「重くない、お馬さん?」サッ


    馬「ヒヒンッ!!」

  149. 155 : : 2014/11/03(月) 22:46:48


    グンタ「さて…」


    エルド「」コクンッ


    髭ゴーグル「ペトラ、ニファ、悪く思うな…」チャキッ


    ペトラ&ニファ「え!?」







    キィィィィィィィィィィィィィンッ!!!!!!!!!!!!!


    ペトラ&ニファ「!?」







    馬「ヒイィィィィィィンッ!!!!!!!」ダッ!!







    ペトラ「音響弾!?」


    ニファ「こんな至近距離で…馬が驚いて…ちょっと、止まって!!」






    馬「」ダダダダダッ!!!!!!!






    ペトラ「どこ行くのよ!!戻って!!私達は皆と一緒に爆弾をっ!!」

  150. 156 : : 2014/11/03(月) 23:09:48


    エルド「これでいい。嫁入り前の娘をこんな場所で死なせたくはないからな」


    グンタ「最初から俺達はこうするつもりだった。俺達の武勇伝はお前達の口から伝えてくれ」







    ペトラ「ちょっと!そんなの嫌だよっ!!戻ってよ!!」


    ニファ「こんな形でお別れなんて嫌だ!!私も皆と一緒にっ!!」







    髭ゴーグル「あばよ、ニファ、ペトラ」


    ケイジ「ハンジ分隊長と、リヴァイ兵長によろしくな」


    オルオ「ペトラ…」


    ペトラ「オルオっ!!いやだっ!!いやあぁぁぁぁぁっ!!!!!」
















    オルオ「…愛してるぜ」ボソッ
















    馬「」ダダダダダダダダダダダダッ!!!!!!!!!

  151. 157 : : 2014/11/03(月) 23:27:49


    エルド「…見えなくなっちまったな。あと数分もすれば、爆発の範囲から抜け出すだろう」


    グンタ「最期のお前の一言、聞こえたかな?」


    オルオ「聞こえるワケねぇだろう。聞かれてたまるかよ」


    ケイジ「へっ、娘の門出ってのは寂しいもんだな」


    髭ゴーグル「むしろ旅立つのは俺達だろう。あいつらはきっと幸せになるさ」





    巨人くん「ウガァァァァァァァァァッ!!!!!!!!」ジタバタ





    エルド「さて…それじゃ俺達は、この悪魔と地獄まで相乗りと行きますか」


    グンタ「覚悟しろよバケモノ。俺達が首根っこ掴んででもお前をあの世に連れて行く」


    ケイジ「ちゃんと死んでくれよ。こっちもそれなりのモン賭けてるんでな」


    髭ゴーグル「さぁて…それじゃ」


    オルオ「あばよ」















    ピッ…

  152. 158 : : 2014/11/03(月) 23:54:43


    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~







    ドオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!


























    ニファ「あぁ…」


    ペトラ「うっ…ひっく…ううっ…」


    ニファ「ペトラ…」


    ペトラ「あいつ…最期に…私の事を…」


    ニファ「私も聞こえた…。最期の最期であんな事言うなんて、卑怯だよね…」


    ペトラ「ほんとうにもう…馬鹿…馬鹿…馬鹿…」














    ペトラ「…馬鹿野郎ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!!!!!!!」

  153. 159 : : 2014/11/04(火) 23:15:00


    ~翌日・調査兵団本部~


    エレン「…」


    ミカサ「…」


    アルミン「…」


    クリスタ「…」


    ユミル「よぉクリスタ、ようやく解放されたか」


    クリスタ「心配かけてごめんね、みんな。私は大丈夫だから」




    サシャ「それにしても、まさか巨人くんがあんな怪物だったなんて、今でも信じられません」


    コニー「クリスタと居る時はあんなに大人しかったのにな」


    ジャン「もうそいつの話をするのはやめろ。とっくにこの世に居ねぇんだから」


    ユミル「おいバカ!んな事言ったら…」





    クリスタ「」ジワッ…


    ユミル「あぁもうっ!泣くなクリスタ!!」


    クリスタ「泣いて…ないよ。あぁするしかなかったんだよね。それくらいちゃんと分かってる」


    アルミン「クリスタ…」

  154. 160 : : 2014/11/04(火) 23:26:43


    ガチャ…






    ハンジ「やぁ皆、ここに居たんだね。体の調子はどう?」


    エレン「オレは大丈夫です」


    ミカサ「ここに居る人達はとりあえず大丈夫ですけど…」


    アルミン「ライナーとベルトルトは…」


    ハンジ「依然として見つかっていない。おそらく、何らかの形で巻き込まれて…」


    ジャン「まさかあの二人がな…。殺しても死なねぇような奴だと思ってたけど」


    コニー「まだ死体が見つかったワケじゃねぇんだろ!だったらまだ諦めるんじゃねぇよ!」


    サシャ「そうですよ!私は信じてますよ!二人が生きているって!!」


    ハンジ「ははは、そうだね。私も信じる事にするよ」

  155. 161 : : 2014/11/04(火) 23:40:35


    アルミン「ところで、その…奴は結局…えっと…」


    クリスタ「巨人くんは…討伐できたんですか?」


    アルミン「あっ…」


    ハンジ「君の口からハッキリと聞いてくるとはね。でも、君には知る義務がある」





    ハンジ「奴はおそらく死んだ…と思われる」


    エレン「『思われる』?」


    ハンジ「あの爆発の後、周囲は爆発の影響で近付く事が出来なかったからね」


    ハンジ「一晩おいて、今、確認班が現場に向かっている。その結果待ちだね」


    アルミン「そうですか…」


    ハンジ「心配しないで。あの爆発の後は奴の目撃情報もないし、きっと大丈夫だよ」

  156. 162 : : 2014/11/04(火) 23:46:47


    ハンジ「今朝早く出発したから、そろそろ戻って来る頃だと思うんだけど…」






    ガチャンッ!!






    モブリット「分隊長っ!!」


    トーマ「只今戻りましたっ!!」


    ハンジ「モブリット、トーマ、お疲れ様。それで、どうだった?」


    モブリット「…しました」


    ハンジ「え?今なんて?」


    モブリット「本日、ウォール・シーナ西部・ヤルケル区は…」











    モブリット「消滅…しました…」


    一同「!?」


    ハンジ「言ってる意味が分からないよモブリット!どういう事だい!?」


    トーマ「地獄はまだ終わっていなかったんです…」


    アルミン「地獄…まさか奴がまだ!?」


    モブリット「我々が先程見て来た事を、ありのままにお話しします…」

  157. 163 : : 2014/11/05(水) 19:44:13


    ~確認班回想・爆弾設置地点付近~


    モブリット「…凄い威力だな。この辺りの平原が焼野原だ」


    トーマ「この光景があの爆弾の威力を物語っていますね。虫一匹生き残ってないでしょう」


    モブリット「例の地点は確かこの辺りだったはずだけど…」


    トーマ「奴の姿は影も形もありません。きっと成功しているはずです」


    モブリット「そう考えて間違いなさそうだ。よかった…本当によかった」


    トーマ「全くです。これで、犠牲になった兵達も報われるでしょう」


    モブリット「ニファとペトラが帰って来たのには驚いたな。あいつら、ホント粋な事するよ」


    トーマ「いい奴らでしたね、あいつら」


    モブリット「我々がもう少し、あと少しだけリスクを考慮した判断を下していたのなら…」


    モブリット「…あいつらを喪うような結果にはならなかった。残念でならないよ」

  158. 164 : : 2014/11/05(水) 20:00:09


    トーマ「結果は誰にも分からない。今回の件だってそうでしょう」


    トーマ「これまでの過程で様々なものを失いましたが、結果的に我々は勝った」


    トーマ「今はこの事実だけ分かっていればいい。深く考えるのは後にしましょう」


    モブリット「そうだな…」






    モブリット「…何だあれは!?」


    トーマ「人…いや、人にしては小さい!?」


    モブリット「近くに寄ってみよう!」







    タタタッ!







    トーマ「…なっ!?」


    モブリット「何で…こんなところに…」













    モブリット「…オルオっ!!」


    オルオ「…」

  159. 165 : : 2014/11/05(水) 20:15:36


    モブリット「お前の下半身はどこ行った!?いや、答えさせるまでもないか!」


    トーマ「オルオ!生きてるのか!?生きてたら返事をしろ!!」


    モブリット「生きているワケが無い。あの爆発に巻き込まれたんだぞ」


    オルオ「…さん」


    モブリット「オルオ!?意識があるのか!?」


    オルオ「なん…とか…」






    オルオ「どう…しても…つたえた…い…事があって…」


    トーマ「喋るな!!今手当を!!」


    オルオ「おれは…もう…無理です…それより…聞い…て…ください…」

  160. 166 : : 2014/11/05(水) 20:32:37


    ~オルオ回想~






    ピッ








    シーン…








    オルオ「何だ?爆発しねぇぞ?」


    エルド「いや、実はもう爆発していて、ここは天国だって言うオチじゃ…」





    巨人くん「ウガァァァァァァァァァッ!!!!!!!!」ジタバタ!





    エルド「…なさそうだな」


    ケイジ「おかしいな。この起爆スイッチを押せば爆発するはずなんだが」


    髭ゴーグル「おいおいしっかりしてくれよ。せっかくの決心が鈍っちまうぞ」

  161. 167 : : 2014/11/05(水) 20:45:22


    グンタ「そうは言ってもな。ハンジさんに聞いてみるしかないか?」


    オルオ「おいおいマジかよ、ストヘス区まで行けってか?」


    エルド「こいつがいつまでもここで捕らわれてくれてるとは限らない。事態は一刻を争う」


    グンタ「オルオ、悪いがひとっ走り行って来て分隊長に起爆の方法を確認して来てくれないか?」


    オルオ「俺が!?」


    ケイジ「お前だから信頼して任せられるんだ。それとも断る気か、首謀者さんよ?」


    オルオ「うぅ…仕方ねぇな。俺が戻るまでそいつをちゃんと足止めしておけよ」


    エルド「分かってるよ。それじゃ、頼んだぜ」


    オルオ「ったく」ザッ


    馬「ヒィィィィィンッ!!!!」









    ダダダダダッ…

  162. 168 : : 2014/11/05(水) 20:59:50


    オルオ「あいつら覚えてろよ、まったく。あぁ面倒くせぇ…」







    オルオ「…」






    オルオ「…仮にこのままあそこに戻らなければ、俺は死なずに済むんだよな」







    オルオ「…」






    オルオ「…イヤイヤ、そんな事を考えちゃイカン!俺はあの場で命を捧げると誓ったんだ!」


    オルオ「でないと、ペトラにも兵長にも、家族にも顔向けできねぇ!!それだけはダメだ!!」







    オルオ「…」

  163. 169 : : 2014/11/05(水) 21:14:59


    オルオ「…でも、ちょっとくらいなら」









    ドオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!!!!!!!!


    オルオ「何だ!?」











    ドオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!











    オルオ「まさか…時間差で爆発したのか!?こっちに爆風が…」
















    オルオ「…ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

  164. 170 : : 2014/11/05(水) 21:30:46


    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    オルオ(…俺は死んだのか?)


    オルオ(いや、辛うじて体の感覚がある。スゲェ痛ぇけど、生きてる)


    オルオ(クッソ…一思いに殺してくれりゃいいのに、神様も意地悪だな…)






    ドシィィン…






    オルオ(足音…?こんなデカい足音立てる動物なんて、そうそう居るもんじゃ…)


    オルオ(…な!?何であいつが!?俺は夢でも見てるのか!?)






    ドシィィン…






    オルオ(大変だ…!この事を誰かに知らせねぇと!!)


    オルオ(だが…今の俺じゃとてもそんな事は出来そうにねぇ…)


    オルオ(せめて…俺が死ぬ前に誰か…誰かここへ来てくれ…頼むっ!!)

  165. 171 : : 2014/11/05(水) 21:47:08


    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    モブリット「何て事だ…じゃあお前は、爆弾から距離を置いていたおかげで生き延びたのか」


    オルオ「このザマ…ですけどね…」


    トーマ「そんな状態で一晩過ごしただと…何と言う執念だ」


    オルオ「この事を…伝えるために…死ぬのを我慢して…やったん…ですよ…」


    トーマ「副長…」


    モブリット「分かってる。オルオのこの状態を見れば、そんなことくらい誰の目にも明らかだ」


    モブリット「だが本人の前では言ってやるな。こいつが一番それを分かっているはずだから…」






    オルオ「お願い…です…どうか…この事を…皆に…」


    モブリット「分かった!必ず伝える!そして約束する!!」


    モブリット「…生き延びてしまったあの巨人を、必ず討伐すると!!」

  166. 172 : : 2014/11/05(水) 22:02:56


    オルオ「任務を果たせず…すんません…」


    オルオ「俺は…一足先に…みんなのとこへ…」


    モブリット「…ご苦労だった。ゆっくり休んでくれ」


    トーマ「副長、こいつは…」








    オルオ「」








    モブリット「…丁重に運んで、弔ってやろう。立派な墓と共に」


    トーマ「了解しました…」

  167. 173 : : 2014/11/05(水) 22:15:21


    モブリット「しかし、とんでもない事態になった。まさか奴がまだ生きているなんて…」


    トーマ「ハッキリ言って…もう我々にはなす術がないのでは…」


    モブリット「…戻って分隊長に報告しよう。考えるのはそれからだ」


    トーマ「えぇ…」








    ズウゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ…


    モブリット&トーマ「!?」








    モブリット「何だこの地鳴りは!?」


    トーマ「地震…ではありませんね。何か遠くの方で強い衝撃が?」


    モブリット「待てよ!この平原の先にあるのは確か!!」


    トーマ「シーナ西部、ヤルケル区です!!」


    モブリット「もしかして…最悪の事態になってしまっているのではないか…」


    トーマ「…今すぐ向かいましょうっ!!」

  168. 174 : : 2014/11/05(水) 22:34:56


    ~ヤルケル区~


    トーマ「これは…」


    モブリット「馬鹿な…確かにここにはヤルケル区が存在していたはずなのに…」


    モブリット「…跡形もなく消え去っているだと!?」


    トーマ「向こうにシーナの壁が見えます。と言う事は、壁ごとこの突出区が消滅した事に…」


    モブリット「さっきの地鳴りは奴の仕業…」




    モブリット「爆発から生き永らえ、それをコピーし、報復としてヤルケル区を焼き払ったと…」


    トーマ「先ほどまで動きが無かったと言う事は、やはり夜は活動が鈍ると?」


    モブリット「クリスタの話では、夜はほとんど動かず大人しくしていたそうだ」


    トーマ「なるほど。しかし、何て事だ…ここに一体どれだけの人が居たと思っているんだ…」


    モブリット「壁すら焼き払う威力、これはもう、人類に残された道は一つしかない…」


    トーマ「…」






    モブリット「…本部に帰って報告だ。この、地獄の有様をみんなの耳に入れなければ」

  169. 175 : : 2014/11/05(水) 22:56:10


    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    モブリット「これが、我々がこの目で見てきた全てです」


    エレン「嘘だろ…あいつがまだ生きてるって言うのか…」


    ミカサ「…っ!」


    アルミン「殺しても死なない…不死身のバケモノ…」


    クリスタ「巨人くん…」


    ハンジ「モブリット、仮にそれが事実だったとして…」


    モブリット「仮ではありません。紛れもない事実です…」

  170. 176 : : 2014/11/05(水) 23:09:09


    ハンジ「そんな夢物語があってたまるか!!壁内の技術の粋を結集した兵器だったんだぞ!!」


    ハンジ「それが効かないばかりか、利用されてヤルケル区ごと消されただって!?」


    ハンジ「誰がそんなの認めるんだよ!!そんな事があってたまるか!!」


    モブリット「落ち着いてください、分隊長。残念ながら、全て現実なんですよ…」


    ハンジ「…」






    モブリット「どうか、狼狽える姿を晒さないでください。みんな、あなたを見ているんですよ」


    ハンジ「常に気丈に振る舞うのは、エルヴィンの仕事だよ。私には無理だ…」


    ハンジ「今、初めて味わったよ。どうにもならない絶望感と言う物を」


    ハンジ「正直、全てを放り出してここから逃げたいくらいだ。あんな奴放っておいて…」


    ハンジ「せっかくあいつを倒すために全てを賭けたって言うのに、それも無駄だった…」


    ハンジ「今回の戦いで散って逝った兵士達の命も、全て無駄だった…」


    ハンジ「私達は、これから一体どうすればいいんだ…」


    モブリット「分隊長…」

  171. 177 : : 2014/11/05(水) 23:25:58


    ジャン「おいお前ら」


    エレン「何だ」


    ジャン「俺達新兵は席を外そう。ここから先は、おそらく見ちゃいけねぇモンだろう」


    エレン「…そうだな。お前ら、行くぞ」


    ミカサ「うん」


    アルミン「失礼します…」


    トーマ「では私も。団長や兵長にも報告しなければなりませんので」









    スタスタ…

  172. 178 : : 2014/11/05(水) 23:39:41


    ハンジ「…」


    モブリット「…良い奴らですね。これであなたも、心置きなく自分をさらけ出せますよ」


    ハンジ「今だけ…今だけだから、許してね…」


    モブリット「…はい」







    ハンジ「う…うぅっ…」



















    ハンジ「うあぁぁっ…うわあぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!!!!」

  173. 179 : : 2014/11/06(木) 18:57:36


    ~翌日~


    エルヴィン「少しは落ち着いたか、ハンジ?」


    ハンジ「ありがとう。一晩経って頭が冷えたよ。もう大丈夫」


    エルヴィン「調査兵団の頭脳が居てくれなければどうにもならないからな。安心した」


    リヴァイ「チッ、別に俺はお前なんざさっさと巨人に食われても構わねぇがな」


    ハンジ「相変わらずのツンデレさんだね、リヴァイは。褒め言葉として受け取っておくよ」


    リヴァイ「好きにしろ」

  174. 180 : : 2014/11/06(木) 19:12:39


    ミケ「さて、例の巨人についてだが、俺の部下の追跡班から報告があった」


    エルヴィン「聞かせてくれ」


    ミケ「まず、ヤルケル区を消し去った奴はシーナを壁沿いに北上」


    ミケ「ヤルケル区とユトピア区の間の区間で2か所、壁に大規模な穴が見つかった」


    ミケ「当然、その一帯の居住区も消し飛ばされていたそうだ」


    ミケ「生き残った住民の目撃情報によると、奴の体高は壁よりも大きかったそうだ」


    リヴァイ「つまり、超大型並みかそれ以上のサイズになってるって事か。気持ち悪ぃ」


    ハンジ「あの兵器を逆に利用されるなんて…このままじゃ壁内が奴に滅ぼされてしまう!」


    モブリット「爆弾で奴を仕留められなかったと言うのは、完全な誤算でしたからね」

  175. 181 : : 2014/11/06(木) 19:38:47


    エルヴィン「となると、次に奴が向かうと思われるのはユトピア区か」


    リヴァイ「ヤルケル区と同じように、奴に好き勝手させるつもりじゃねぇだろうな」


    エルヴィン「そんな事はさせない。断じてだ。今度はユトピア区で奴を迎え撃つ」


    ミケ「迎え撃つって…!こちらには奴に対抗できる手段は残されていないんだぞ!!」


    リヴァイ「ヘタに奴に近付けば、爆発で壁ごと消されるだけだ。どうする気だ?」





    ハンジ「私に一つ、案がある」


    リヴァイ「案だと?お前のとっておきの名案のおかげで、今壁内が虫の息なんだが?」


    ハンジ「一晩考えて、もしかしたらと思ったことがあったんだ。ユトピア区ではそれを試す」


    ミケ「一体何を思いついたと言うんだ?」













    ハンジ「ユトピア区には…クリスタを連れて行く」

  176. 182 : : 2014/11/06(木) 19:50:54


    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    ユミル「…何ですって?」


    ハンジ「ユトピア区の決戦にはクリスタを連れて行く。そう言ったんだ」


    ユミル「冗談じゃない!!そんなバケモノの目の前にわざわざクリスタを連れて行くと!?」


    ハンジ「そうだ。どうやら君の許可が無いとクリスタを連れて行くのは難しそうだったからね」


    ユミル「…賛成できませんね。そこに参戦する事は、死ねって言ってるようなもんでしょう」


    ハンジ「でも、君もクリスタがあの巨人を止める最後の希望だと薄々感付いてるんじゃない?」


    ユミル「…」

  177. 183 : : 2014/11/06(木) 20:06:07


    ハンジ「本当は、ストヘス区の時だってクリスタが来てくれる事を望んでいたんだろう?」


    ハンジ「前日の晩に、クリスタを唆すような事を言っていたらしいしね」


    ユミル「全部お見通しってワケですか…」





    ユミル「でもこの間とは状況が違う!奴は私達を一瞬でケシ炭にしちまう程の危険生物だ!」


    ユミル「そんな奴の前に誰を連れて行こうと、何もできないまま消されるのが関の山でしょう!」


    ハンジ「…本当にそうかな?」


    ユミル「何!?」

  178. 184 : : 2014/11/06(木) 20:21:11


    ハンジ「奴は、調査兵団本部を脱走してから一度もクリスタに会っていない」


    ハンジ「行く先々で誰からも敵視され、クリスタのように優しくしてくれる人は居なかった」


    ハンジ「だがもう一度、奴がクリスタのあの優しさに触れる事が出来たなら…」


    ハンジ「…これが本当に本当の、最後の希望なんだ。どうか試させてはくれないだろうか?」


    ユミル「…」





    ハンジ「本来ならクリスタに拒否権なんてない。人類の存亡がかかっているからね」


    ハンジ「でもそんな事を言ったって、怖い物は怖いし嫌なものは嫌だ」


    ハンジ「改めて、君とクリスタ本人の意思を問いたい」


    ハンジ「人類のために命を賭して奴に語り掛ける覚悟はあるか…」


    ユミル「…」







    ハンジ「どうだろう?」


    ユミル「私は…いや、私“達”は…」

  179. 185 : : 2014/11/06(木) 20:35:23


    ~翌日・ユトピア区壁上~


    ナイル「エルヴィン」


    エルヴィン「ナイルか。ユトピア区民の避難状況はどうだ?」


    ナイル「完了した。下には人っ子一人いない。だがな…」


    ナイル「…内地でバケモノ巨人と戦うなんて、正気の沙汰とは思えんぞ」


    エルヴィン「正気のままで奴に勝てるのなら、話は早いんだがな」


    ナイル「これまでに奴のせいでどれだけの犠牲が出たと思っている」


    ナイル「今は討伐実行部隊のトップとしてお前を自由の身にしているが…」




    ナイル「…この戦いが終わった後は覚悟しておけ。恐らくそれなりの審判が下るだろう」


    エルヴィン「あぁ。俺の浅はかな判断で奴を壁内に招き入れたんだ、当然だ」

  180. 186 : : 2014/11/06(木) 20:51:10


    エルヴィン「その然るべき報いをちゃんと受けるためにも、今日この場で奴と決着をつける」


    ナイル「精々頑張ってくれ。俺にはお前達の戦いを見届ける勇気はない」


    ナイル「悪いが…俺も避難させてもらう。臆病者でも卑怯者でも、好きなように罵るがいい」


    エルヴィン「それを言うなら“正直者”だろう?お前は実に人間らしくて憧れるよ」


    ナイル「心にも無い事を…。相変わらず気持ち悪い奴だな、お前は」


    エルヴィン「褒め言葉として受け取っておこう」






    ナイル「…じゃあな、エルヴィン。このやり取りが今生の別れにならない事を祈る」


    エルヴィン「お互いにな。今度また顔を合わせる機会があれば、ゆっくり飲もうじゃないか」


    ナイル「あぁ、その時は…」スタスタ…


    エルヴィン「…その時が来れば、な。楽しみにしている」

  181. 187 : : 2014/11/06(木) 21:04:31


    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    エレン「お前、来ちまったんだな」


    クリスタ「…」




    アルミン「ハンジさんが言うには、クリスタの存在が奴を止められる唯一の可能性らしいけど…」


    ミカサ「確かに、奴はクリスタの前では大人しかった。でも、あの状態でも同じようになるの?」


    ユミル「分からん。うまくいかなきゃ、ヤルケル区と同じように私達も消されるだけだ」


    エレン「出たとこ勝負って事か。あいつらを置いて来て正解だったかもな」


    アルミン「ジャン達…どの道あの怪我では、こっちに来てもまともに戦えないよ」


    アルミン「いや、そもそも今回の作戦では戦う必要はないんだけれども…」

  182. 188 : : 2014/11/06(木) 21:19:05


    エレン「今回は、奴に対して絶対に手出しをしない」


    エレン「奴が反撃してこないのを確認した上で、クリスタを対話に差し向ける、だったか?」


    ユミル「そんな感じだ。奴が本当にこちらの敵意に反応する奴なら、何もしてこないだろうって」


    クリスタ「そんなの、最初から分かり切っていたはずなのに…」


    ユミル「お偉いさん方は分かってても中々割り切れないんだよ。自分の首のほうが大事だからな」


    ユミル「生かしておいてヘタなリスクを背負うより、さっさと悩みの種を詰んじまいたいのさ」


    アルミン「後悔先に立たず、ってね。今程この言葉が響く機会もそうないだろうね」


    ミカサ「私達にその機会が訪れるチャンスも、ヘタすれば今日で潰えてしまう」


    エレン「オレはそうは思わねぇ。今日を乗り越えてもう一度、先に立たない後悔をしようぜ」


    ユミル「へっ、言うじゃねぇか。気合だけは認めてやるよ」


    クリスタ「…」

  183. 189 : : 2014/11/06(木) 21:41:30


    ズシィィィン…


    一同「!?」









    ズシイィィィン…









    ユミル「どうやらいよいよお出ましのようだな」


    クリスタ「巨人くん…」








    巨人くん「ウガァァァァァァァァァッ!!!!!!!!」








    ハンジ「奴が現れた!!みんな、絶対に手を出さずに!!」


    一同「はっ!!」

  184. 190 : : 2014/11/06(木) 21:55:25


    巨人くん「」ジー…


    エルヴィン「…」


    リヴァイ「…」


    ハンジ「…」


    調査兵達「…」






    巨人くん「」シーン…


    エルヴィン「何もしてこないな」


    ハンジ「今のところは、こちらの仮説は正しいようだね」


    リヴァイ「これはこれで腑に落ちねぇな。ガキ共が散々言って来た事が正しかった事になる」


    エルヴィン「今のところは認めざるを得ないな。我々の下した選択が過ちであった事を」


    ハンジ「失敗を嘆くのは後回しだ。このまま奴が大人しいままなら…」






    巨人くん「」シーン…

  185. 191 : : 2014/11/06(木) 22:10:52


    ハンジ「…よし、そろそろいいだろう。クリスタ!」


    クリスタ「はい」


    巨人くん「!!」


    ハンジ「クリスタに反応を示した。やはりあの姿でもちゃんと覚えているんだね」


    ハンジ「クリスタ、当初の手筈通り奴に語り掛けてほしい。優しい言葉で、何でもいいよ」


    クリスタ「はい。ですが、あの子にこちらの言葉の意味は理解できませんが…」


    ハンジ「それでも、君の言葉ならきっと伝わる。意味など解らなくても、きっと」


    クリスタ「…やってみます」








    クリスタ「巨人くん!私が分かる!?クリスタだよ!!」


    巨人くん「クリ…ス…タ…」


    ハンジ「反応した!!やはり大好きなクリスタの事はちゃんと認識してる!!」


    リヴァイ「とりあえず黙れクソ眼鏡。耳障りだ」

  186. 192 : : 2014/11/06(木) 22:24:35


    クリスタ「巨人くん!あなたに酷い事を散々してしまってごめんね!痛かったよね!?」


    クリスタ「でももう大丈夫!あなたを傷つける人はもういない!もう戦わなくていいの!」


    クリスタ「だからお願い…出来るのなら…元に戻って…」


    巨人くん「…」







    クリスタ「あの小さくて、大人しくて、可愛かったあなたの姿に戻ってちょうだい…」


    巨人くん「…」







    ハンジ「クリスタの話に聞き入っているようだ。どこまで理解しているかは分からないけど」


    エルヴィン「奴は果たして元に戻るのかどうか。もし不可能だと言うのなら、その時は…」


    ハンジ「…誘導してもらうしかないね。壁外まで。私達の居住区に近付けないように」

  187. 193 : : 2014/11/06(木) 22:40:33


    クリスタ「巨人くん…」


    巨人くん「クリ…スタぁ…」


    クリスタ「うん、うん!そんな姿になってもやっぱりあなたはあなたなんだね!!」





    巨人くん「」スッ


    クリスタ「これは?」


    ユミル「あの野郎、クリスタに手ぇ出す気か!?」


    アルミン「いや、どちらかと言うとクリスタに手を差し伸べているように見える」


    エレン「やっぱりあいつが心を許すのはクリスタだけなんだな」

  188. 194 : : 2014/11/06(木) 22:53:55


    クリスタ「えっと…えいっ」ピョンッ


    巨人くん「クリスタぁ…」


    クリスタ「うわぁ、壁よりも高い。あなたはこんな高い所から下を眺めていたんだね」


    巨人くん「クリスタぁ♪」


    クリスタ「ふふっ、ありがとう。もう一度あなたとこうして一緒に居られて嬉しいよ」







    ハンジ「どうやら、壁内の危機は去ったとみてよさそうだね」


    リヴァイ「まだだ。奴が体内に兵器を抱え込んでいる以上、安心はできない」


    リヴァイ「それに、不測の事態が発生する可能性も考慮するべきだ」


    リヴァイ「今回の事件が起きたのは、俺達のリスクに対する考え方が浅はかだったからだ」


    リヴァイ「一時の平和が訪れたからと言って、浮かれている間にも何が起きるか…」













    ドオォォォォンッ!!


    一同「!?」

  189. 195 : : 2014/11/06(木) 22:57:35


    巨人くん「ガアッ!?」


    ハンジ「巨人が撃たれた!?誰が固定砲を撃った!?」







    クリスタ「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!」


    ユミル「クリスタ!!落ちるっ!!」


    アルミン「クリスタッ!!!!」






    パシュッ






    サクッ






    クリスタ「…はぁ、はぁ、危なかった」プラーン


    ユミル「よかった…」

  190. 196 : : 2014/11/06(木) 23:01:34


    クリスタ「…巨人くんっ!?」


    巨人くん「ウゥゥゥゥ…」ギロッ!







    調査兵「へ…へへっ、ざまぁ見ろ!お前なんざ怖くも何ともねぇんだよ!!」


    リヴァイ「…てめぇっ!!!」バキッ!


    調査兵「うがっ!?」ドサッ







    リヴァイ「立て」ガシッ


    調査兵「へ…兵長…」

  191. 197 : : 2014/11/06(木) 23:36:52


    リヴァイ「何故固定砲を撃った?砲撃の許可は下りてなかったはずだ」


    調査兵「あいつは…あいつは俺達の仲間をどれだけ殺したと思ってるんですか!?」


    調査兵「死んでいった奴らの中には、俺の大切な親友も、幼馴染も…」







    調査兵「…彼女も…居ました…だからっ!!」


    リヴァイ「お前は今まで何を見て来たんだ?何故俺達が手出しをせずに黙っていたと思ってる」


    調査兵「我々は今まで散々攻撃を仕掛けて来たじゃないですか!今更手遅れですよ!」


    調査兵「兵長は悔しくないのですか!?あんなアホ面のバケモノに、仲間がいい様に殺されて!」


    調査兵「俺は我慢できません!!無駄と分かっていても一矢報いたくて仕方ない!!」


    調査兵「どうせあのバケモノには勝てないんです!!ならばいっその事、俺が…」

  192. 198 : : 2014/11/06(木) 23:50:44


    リヴァイ「…」


    調査兵「…兵長?」


    リヴァイ「こうなる事を予期しておくべきだったな。浮かれていたワケじゃないが、想定外だ」


    ハンジ「あぁもうっ!せっかくうまくいくところだったのにどうしてこうなっちゃうんだよ!!」







    巨人くん「ウ…ウガァァァァァァァァァッ!!!!!!!!」ビュッ!







    ドッゴォォォォォォォォォッ!!!!!!!!!!!







    調査兵達「うわあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」


    アルミン「攻撃を仕掛けて来た!!相当怒り狂ってるぞ!!」


    ユミル「当然だ!!あいつからしてみれば、騙し討ちを喰らった様なモンだからな!!」


    ユミル「だが、ヘタすればあいつの怒りの矛先が最も向く対象は…」

  193. 199 : : 2014/11/07(金) 19:04:09


    クリスタ「巨人くん!!やめて!!お願いだからもう一度私の話を聞いて!!」


    巨人くん「」ギロッ!


    クリスタ「…っ!?」






    巨人くん「クリ…スタぁっ!!!」ビュッ!!


    クリスタ「ひっ!?」







    ドッゴォォォォォォォォォッ!!!!!!!!!!!







    エレン「クリスタっ!!」






    スタッ






    クリスタ「危なかった…」


    アルミン「よかった、間一髪でかわせたんだね!」

  194. 200 : : 2014/11/07(金) 19:16:43


    巨人くん「」ギロッ!


    クリスタ「そんな…なんでそんな目をするの…」


    ユミル「あいつはきっと、お前に騙されたと思ってるんだ」


    クリスタ「ユミル!?」





    ユミル「考えても見ろ。攻撃の意思がない事を確認した上で、あいつはお前に心を開いた」


    ユミル「だが、完全に油断しきったところに砲弾がドカンだ。お前だったらどう思う?」


    クリスタ「それは…」


    ユミル「怒りの対象がお前に向いちまっている以上、もうさっきみたいな手は通用しない」


    ユミル「あいつを止められる最後の手段も尽きた事になる。もう壁内はお仕舞だ」

  195. 201 : : 2014/11/07(金) 19:29:26


    クリスタ「巨人くんっ!さっきのは誤解なの!!ごめんなさいっ!!」


    ユミル「おいクリスタ!私の話を聞いてたのか!?今一番危ねぇのはお前なんだぞ!!」


    クリスタ「もう一度…お願いだから私の話を聞いて!!」


    ユミル「話を聞くのはお前の方だ!!死にたいのかっ!?」


    巨人くん「ウガァァァァァァァァァッ!!!!!!!!」ビュッ!


    エレン「危ねぇっ!!」


    ミカサ「壁を跳び越えた!?」







    ヒュウゥゥゥゥゥゥ…









    ドスゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!!!!!!!!!!!!









    巨人くん「ウゥゥ…」


    ハンジ「そんな…壁を跳び越えてユトピア区内に入り込んだだと!!」


    アルミン「マズい…人が居ないとは言え、こんなところで暴れられたら!!」

  196. 202 : : 2014/11/07(金) 19:56:08


    クリスタ「巨人くん待って!!そっちに行っちゃ駄目!!」パシュッ


    ユミル「馬鹿!!危険だ!!降りるんじゃねぇっ!!!」






    スタッ






    クリスタ「巨人くんっ!!」ダッ!


    巨人くん「クリスタ…ウガァァァァァァァァァッ!!!!!!!!」ビュッ







    ドッゴォォォォォォォォォッ!!!!!!!!!!!







    クリスタ「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!」


    ユミル「クリスタぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!!」













    シュウゥゥゥゥゥゥ…

  197. 203 : : 2014/11/07(金) 20:10:45


    巨人くん「ウゥゥ…」






    ユミル「おい…クリスタは一体どうなったんだ…」


    アルミン「クリスタがあいつの拳をかわしたようには見えなかった…」


    アルミン「もしかすれば、今頃あいつの振り降ろされた拳の下で哀れに…」


    ユミル「私はそんな事聞いてんじゃねぇよ!!」


    エレン「落ち着けユミル!!」


    ミカサ「…アレを見て!!」


    ユミル「!?」






    クリスタ「う…うぅ…」






    ユミル「クリスタ!!よかった、生きてる!!」


    アルミン「だけど瓦礫に挟まれてる!!あのままじゃ…」

  198. 204 : : 2014/11/07(金) 20:26:20


    巨人くん「クリ…スタ…」スッ…






    エレン「やべぇ!あいつまだクリスタを狙って!!」


    ミカサ「あの状態では、回避もできない!!このままではっ!!」


    ユミル「もう…躊躇ってる暇はねぇか…」


    アルミン「ユミル…?」







    ユミル「お前ら、これから私が何をしても止めるなよ。絶対にだ」


    エレン「一体何を…」






    ユミル「」バッ!


    エレン「ユミル!?危険だ、戻れっ!!」


    アルミン「ユミルっ!!」

  199. 205 : : 2014/11/07(金) 20:41:02


    ユミル「クリスタは…お前なんざには殺させねぇよ!!」スッ…






    ザクッ








    カッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!


    エレン「え…!?」








    ドオォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!








    アルミン「まさか…!!」


    ミカサ「どうなってるの…!?」


    巨人くん「ウガァァァァァァァァァッ!!!!!!!!」ビュッ!!






    ガシッ!


    巨人くん「!?」






    ユミル巨人「」グググ…






    エレン「おい…何なんだよあの巨人は…」


    アルミン「分からない…。僕には、飛び降りたユミルがあの巨人に変身したように見えた…」


    ミカサ「あいつの拳からクリスタを庇った…。やはりあの巨人はユミル…?」

  200. 206 : : 2014/11/07(金) 20:55:19


    クリスタ「う…うぅん…?」パチッ


    巨人くん「ウゥゥ…」


    クリスタ「巨人くん…うっ!?」ズキッ!


    ユミル巨人「…」


    クリスタ「え…巨人!?」






    モコモコモコ…


    クリスタ「!?」






    ユミル「…クリスタ!!無事か!?」


    クリスタ「ユミ…ル…ユミルなの!?」


    ユミル「待ってろ、今そこから助け出してやる!!」


    クリスタ「私はいいから、巨人くんをお願い!!」


    ユミル「こんなデカブツ、私にはどうにもできねぇよ!お前を助けてさっさとトンズラだ!!」


    クリスタ「私は…」

  201. 207 : : 2014/11/07(金) 21:10:02


    ユミル「…おい、ちょっと待てクリスタ…お前…右腕どこにやったんだよ?」


    クリスタ「ごめん…吹き飛ばされた時、どこかに落としちゃったみたい…」


    クリスタ「それに…右目もあまりよく見えないの。何かゴミが入っちゃったかな…」


    ユミル「あぁ…馬鹿でけぇゴミがお前の右目を潰してやがるんだよ!!畜生っ!!」


    ユミル「あの野郎、よくもクリスタをっ!!許さねぇっ!!!!」


    クリスタ「ダメユミル!!これ以上巨人くんを刺激しないでっ!!」


    ユミル「お前をそんなにされて黙ってられるか!!刺し違えてでもあいつは私が!!」









    エレン「無茶すんな馬鹿野郎っ!!」


    ユミル「あ!?」

  202. 208 : : 2014/11/07(金) 21:21:17


    カッッッッッッッッッッッッッッ






    ドオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!!!!!







    エレン巨人「ウオォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!!!!!!」






    ガシッ!


    巨人くん「ウ…!?」


    エレン巨人「」グググ…







    クリスタ「エレン…」


    アルミン「エレンが時間を稼ぐ!!その隙にクリスタ達は安全な場所へ!!」


    ミカサ「ユミル、クリスタの周りの瓦礫をどけるのを手伝って!!」


    ユミル「お前ら…」


    ミカサ「急いで!!エレンでもあいつ相手では長くは持たない!!一刻を争う!!」


    ユミル「お、おう!任せておけ!!」モコモコ…

  203. 209 : : 2014/11/07(金) 21:40:49


    ユミル巨人「」ガシッ!


    クリスタ「みんな…」






    ガララ…






    クリスタ「う…あぁぁっ!!」ズキッ!


    アルミン「クリスタっ!!酷い出血だ!!」


    ミカサ「傷口を縛ったら、急いで壁上へ!!ユミルっ!!」


    ユミル巨人「」コクンッ


    クリスタ「待って…まだ上には行かないで…」


    アルミン「何を言ってるんだ!!ここは危険なんだよ!!早く逃げないと!!」






    クリスタ「私には…やらなきゃいけない事があるの…どうしても…やらないと…」


    ミカサ「その体で一体何をしようと言うの!?」


    クリスタ「きっと…私にしかできない事を…だから…」


    アルミン「…っ!」

  204. 210 : : 2014/11/07(金) 21:56:20


    巨人くん「…」


    エレン巨人「…」


    エレン(とりあえず、こうして睨み合ってる内は奴は何もしてこないみたいだ)


    エレン(こんなところであの爆発をやられちまえば、誰も助からない。それだけは防がねぇと)


    エレン(もう少し…あと少しだけでいい。どうかこのまま大人しくしていてくれ…)






    巨人くん「ウガァァァァァァァァァッ!!!!!!!!」ビュッ!


    エレン巨人「!?」





    ガシッ!





    エレン巨人「」グググ…


    エレン(思った矢先にこれかよ!お前を受け止めるのがどんだけ大変だと思ってる!!)


    エレン(このままじゃ…受け止めきれずに…オレもやられちまう…!!)

  205. 211 : : 2014/11/07(金) 22:10:46


    巨人くん「」シャキンッ


    エレン(な…刃!?今ここでそれを出すのかよっ!!)






    ズッバァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!


    エレン巨人「ウ…オォォォォッ…!!」








    ドオォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!!!!!








    ハンジ「エレンっ!!何て事だ、エレンが真っ二つになってしまった!!」


    リヴァイ「チッ…!あいつ、ちゃんと生きてるんだろうな?」


    エレン巨人「」


    エレン(ぐ…意識が…。下半身の感覚が無くなっちまった…)

  206. 212 : : 2014/11/07(金) 22:27:09


    巨人くん「」ドシーン…






    エレン(あいつが近付いて来るのが分かるけど…体が動かねぇ…)


    エレン(このままじゃ、間違いなくオレは殺される…何とかしねぇと…)






    エレン巨人「ウ…」


    ハンジ「エレン!!早くそこから逃げろ!!」


    リヴァイ「チッ…世話の焼ける奴だ!!」ダッ!






    巨人くん「」ブンッ!!


    エレン(ここまでか…)





















    ――――――その瞳ーを閉じてー





















    巨人くん「!?」


    エレン巨人「ウ…?」

  207. 213 : : 2014/11/07(金) 22:47:21





















    ――――――見えたものーをー





















    ハンジ「何だ…これは…」


    リヴァイ「あいつら、一体何をしてやがる」


    エレン(これは…唄?この声はもしかして…)


    クリスタ「」ザッ


    巨人くん「クリスタぁ…」






    アルミン「クリスタ、やっぱりその体じゃ無理だよ…」


    クリスタ「大丈夫、私は大丈夫だから」


    クリスタ「この唄はね、巨人くんが大好きで聞かせてあげていた唄なの」


    クリスタ「この唄なら、もしかしたら巨人くんを止められるかもしれない…だから…」


    ユミル(確かに。現に奴はクリスタの唄声で動きを止めた)


    ユミル(もしかしたら、もしかするかもな。これが本当に本当で本当の最後の希望だ)

  208. 214 : : 2014/11/07(金) 23:08:25


















    ――――――哀しみもー苦しみもーはーみんなの心に





















    巨人くん「ウゥ…ウアァァ…」





















    ――――――でもそれをー隠そうとしてーもー





















    アルミン「どうか…」





















    ――――――そーのー闇ーはー





















    ミカサ「止まって…」





















    ――――――私の下へー届きー聞こえるー





















    巨人くん「ウアァ…クリスタぁ…」シュウゥゥゥゥゥゥ…


    ハンジ「巨人が…縮んでる?」


    リヴァイ「奴にクリスタの唄声が、何らかの作用をもたらしたのか?」

  209. 215 : : 2014/11/07(金) 23:24:01




















    ――――――柔らかーなー声にー包まれー





















    巨人くん「アァァァァ…」ポロポロ…


    エルヴィン「泣いている…?」


    クリスタ(巨人くん…私…あなたには何もしてあげられなかった…)


    クリスタ(それこそ、こんなヘタな唄しか聞かせてあげる事が出来なかった…)


    クリスタ(本当はこれから時間をかけて、ゆっくりあなたの事を知ろうとしていた…)


    クリスタ(だからお願い!もう一度、あなたと一緒に!!)

  210. 216 : : 2014/11/07(金) 23:39:11





















    ――――――夢ーを見てーいつかー光ーがー





















    巨人くん「クリスタ…クリスタぁ!!」シュウゥゥゥゥゥゥ…


    ハンジ「どんどん縮んでる…」


    リヴァイ「どうやら、悪夢はこれで終わりのようだな」


    エルヴィン「全く、彼女には感服せざるを得ないな」


    エルヴィン「どれだけ圧倒的な武力を注ぎこんでも、奴は倒せなかった」


    エルヴィン「だが、彼女は唄声だけで奴を鎮め、壁内の危機を救った」


    エルヴィン「我々も、今一度考えを改めねばならんな。巨人達との向き合い方を…」

  211. 217 : : 2014/11/08(土) 00:01:50





















    ――――――愛しいー人よー……





















    バタッ…











    エレン(ん?)


    ユミル(何だ…唄はまだ続きがあるはずだが?)


    ハンジ「あっ!!」


    リヴァイ「やはりな」


    ミカサ「そんな…」


    アルミン「クリスタっ!!」







    クリスタ「」







    ユミル(あいつ、無茶し過ぎだ!!目を醒ませ馬鹿野郎!!)


    巨人くん「クリ…スタ…」シュウゥゥゥゥゥゥ…
















    クリスタ(巨人…くん…)

  212. 218 : : 2014/11/08(土) 18:18:46




































































































  213. 219 : : 2014/11/08(土) 18:20:49


    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    クリスタ「」パチッ


    ユミル「よかった、気が付いたかクリスタ!!」


    クリスタ「ここは…?」


    ユミル「調査兵団本部だ。お前、あれから3日も眠ってたんだぞ」


    クリスタ「3日も…?」






    ユミル「右腕と右目は…その…残念だったな…」


    クリスタ「あぁ、そう言えば。でもいいの。私が悪いんだから」


    クリスタ「それより巨人くんは?あの後、一体どうなったの?」


    ユミル「あぁ、あいつは…巨人くんは…」
















    ユミル「…死んだ」

  214. 220 : : 2014/11/08(土) 18:32:19


    クリスタ「え…!?」


    ユミル「お前の唄声で大人しくなって、どんどん縮んでいったのは覚えてるか?」


    クリスタ「うん…」


    ユミル「そんでお前がぶっ倒れた後も縮小は続き、最後には1m級に戻ったんだ」


    クリスタ「…」






    ユミル「多分、自身の容量をはるかに超えた兵器を扱った事で、力を使い果たしたんだろうな」


    ユミル「最期の力を振り絞ってお前に駆け寄り、優しくお前の頭をなでた後…」


    ユミル「さらに縮小を続け、徐々に、徐々に小さくなっていって、そして…」


    ユミル「消滅…した…」


    クリスタ「そんな…」

  215. 221 : : 2014/11/08(土) 18:44:03


    ユミル「壁内は今大騒ぎだ。あいつが引き起こした事件の後処理でな」


    ユミル「負傷者・犠牲者・行方不明者は、壁内の歴史史上最悪の数字になるそうだ」


    ユミル「当然だな。何せ突出区が丸々消され、シーナの壁には大穴が空いてんだ」


    ユミル「人類の仇敵である鎧と超大型が消えてくれたのは、不幸中の幸いだったけどな」


    クリスタ「…」






    ユミル「…そんな顔すんな。お前は人類を救った英雄だ。もっと誇れよ」


    クリスタ「英雄なんかじゃないよ…。だって元はと言えば、私が巨人くんを…」


    ユミル「その話もナシだ。責任はお前じゃない、団長殿が引き受けてくれる」


    ユミル「尤も、奴を仕留めた調査兵団の罪は不問になる様な感じで話が進んでる」


    ユミル「原因を作り出した連中に対して処置が甘すぎるっていう声もあるけど…」


    ユミル「ザックレー総統直々のお達しだ。表立って抗議する連中は居ないだろうさ」


    クリスタ「そう…」

  216. 222 : : 2014/11/08(土) 18:56:48


    ユミル「…いいか、お前はしばらく外には出るな」


    クリスタ「どうして?」


    ユミル「どうしてって、そりゃ、その…」






    ユミル「…そんな体じゃまともに歩けねぇだろ。もう少し傷が癒えてから、ゆっくりとな」


    ユミル「なぁに、別に急ぐ事もねぇだろ。復帰するまでしっかりサボっておけよ」


    クリスタ「…分かった」


    ユミル「絶対だぞ。それじゃ私はこれで」


    クリスタ「うん、お見舞いありがとう」


    ユミル「いいって事よ。じゃあな」スタスタ







    ガチャン







    クリスタ「…巨人くん」ジワッ…

  217. 223 : : 2014/11/08(土) 19:08:14

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    アルミン「ユミル、クリスタは目を醒ましたんだね」


    ユミル「あぁ。一応真実は話したが、思ったより冷静でいてくれて助かった」


    アルミン「分かっているだろうけど、今クリスタを外に出しては絶対にダメだ」


    ユミル「当然だ。わざわざ地下のこんな部屋に匿ってるんだからな」


    アルミン「今、団長達が事態の収拾に動いている。せめてそれが完了するまでは…」

  218. 224 : : 2014/11/08(土) 19:20:54


    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    エルヴィン「どうにかならないのか、ナイル?」


    ナイル「どうもこうも、俺達憲兵も事態の収拾に動いてはいるが…」


    エルヴィン「我々調査兵団の罪を不問にすると言うのはありがたい」


    エルヴィン「だが、その代償としてこの状況はあまりにも酷だろう?」


    ナイル「この壁内がどれだけ広いと思っている。全土にまで正しい情報を広めるのは至難の業だ」


    ナイル「だからお前の言うように、その娘をほとぼりが冷めるまで匿っておく他ないだろう」






    エルヴィン「仮に、彼女の身に最悪の事態が降りかかった場合は…」


    ナイル「…」

  219. 225 : : 2014/11/08(土) 19:32:26


    エルヴィン「…俺がわざわざお前に話をしている時点で、薄々感付いてはいるだろう?」


    ナイル「悪いが、お前には付き合い切れん。またどエライ事を考えているんだろう?」


    エルヴィン「あのままクリスタが大人しく寝ているとは考えにくい」


    エルヴィン「ましてや、事態が収束するまでであれば尚更だ」


    エルヴィン「仮に“そう言う事態”になった時に、彼女を救うための最終手段…」






    エルヴィン「これはお前にしか頼めない事だ。引き受けてはくれんだろうか?」


    ナイル「…どうせ断っても無意味なんだろう?」


    エルヴィン「よく分かってるじゃないか」


    ナイル「本当にお前はクソ野郎だ。巨人のほうがまだ数倍マシだ」


    エルヴィン「褒め言葉として受け取っておこう」






    ナイル「それで、どこにするんだ?お前の言う条件に見合う場所など、そうそうないだろう」


    エルヴィン「探せばあるものさ。例えば…」

  220. 226 : : 2014/11/08(土) 19:44:05


    ~同日夜~



    コンコン






    ユミル「クリスタ、夕飯を持ってきた。入るぞ」





    シーン…





    ユミル「寝てるのか?まぁいいや、ちょっと失礼」ガチャ


    ユミル「…な!?」


    アルミン「どうしたのユミル?」


    ユミル「クリスタが居ねぇっ!!」


    エレン「は?便所とかじゃねぇのか!?」


    ユミル「このアホ!!」ゴンッ!


    エレン「いってぇ!!いきなり殴る事はねぇだろうが!!」


    ユミル「天使は排泄なんかしねぇんだよ!!」


    アルミン「ふざけてる場合じゃないよ!本当に居なくなったんだとしたら大変だ!!」


    ユミル「あぁ、そうだ。この部屋と上はこの階段の一本道でしか行き来が出来ねぇ」


    ユミル「いつ抜け出したのかは見当もつかねぇが、後で見張りの兵を殴っておかなきゃな!」


    エレン「大変な事になる前に、何としてもクリスタを…!」

  221. 227 : : 2014/11/08(土) 19:56:40


    ~トロスト区~


    クリスタ「…」テクテク…





    クリスタ(監視の人が席を外してる隙に、何とか抜け出してこられた)


    クリスタ(後で皆に怒られると思うけど、どうしても私は確かめたい)


    クリスタ(巨人くんとあんな形でお別れなんて嫌だ。せめて、あの場所でちゃんと私が…)





    人だかり「」ガヤガヤ





    クリスタ(…何だろう?張り紙?みんなで見てる。なんだか騒がしいな)


    クリスタ(ちょっと覗いてみようかな。一体何が書いてあるんだろう)











    クリスタ「…え!?」

  222. 228 : : 2014/11/08(土) 20:08:05


    「見ろよ、こいつがこの間の怪物を壁内に招き入れた犯人だとよ」


    「最初は随分小さい奴だったみたいだな」


    「団長に内緒で、隠れて連れ帰って来たんだとさ。ペットじゃねぇんだからよ」


    「道理で。団長が知ってたら、連れて帰る事を許可するはずねぇからな」


    「しかし、この張り紙に書いてある女が今回の事件の首謀者とはねぇ…」


    「…この、クリスタ・レンズって女は」






    クリスタ「あっ…」


    「ん?」


    「何だ、お嬢ちゃんもこの紙見てたのか。そんなちっこいと、前に行かなきゃ見えないだろう?」


    「待て、こいつ…」


    クリスタ「あ…あぁ…」ガタガタ…

  223. 229 : : 2014/11/08(土) 20:20:08


    「間違いないっ!!ここに載ってるクリスタ・レンズだ!!こんなところに居やがった!!」






    クリスタ「っ!!」ダッ!!


    「逃げやがった!!待てっ!!」


    「この悪魔!!人殺し!!お前のせいで俺のダチが何人死んだと思ってる!?」


    「せめてお前をぶっ殺して仇撃ちだ!!」


    「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!!!!!!」







    クリスタ「はぁ、はぁ…」


    クリスタ(何で…どうしてこんな事になってるの!?)

















    「そこまでだ」


    クリスタ「あっ…」







    ガシッ!!

  224. 230 : : 2014/11/08(土) 20:32:44


    ~翌日・調査兵団本部~


    ハンジ「…なるほど。そいつはマズい事になったね」


    ユミル「えぇ、だからこんなところでのんびりしてる場合じゃないんですよ」


    ユミル「なのに私達まで外出禁止ってどういう事ですか!?もう一晩経っちまいましたよ!」


    ハンジ「君達から話を聞いたエルヴィンが、昨夜のうちに捜索隊を出したんだろう?」


    ハンジ「だったら彼らを信じなよ。子供が夜中に外を出歩くと危険だからね」


    エレン「子供だろうが兵士ですよ!それに一番危険なのはクリスタです!!」


    アルミン「確かに、先輩方に捜索をお任せするのが普通でしょうけど…」


    ジャン「それでも仲間として、俺達は黙っていられないんですよ!」


    サシャ「今この瞬間にも、クリスタに危険が及んでると思うと…」


    コニー「馬鹿の俺でも分かるぜ。このままじゃ、ヘタすりゃクリスタが殺されちまう事くらい」

  225. 231 : : 2014/11/08(土) 20:44:38


    ハンジ「確かに、壁内にはあの巨人について様々な情報が出回っている」


    ハンジ「当初は10cm程のサイズで、エルヴィンの目を盗んで壁内に連れて来たとか」


    ハンジ「クリスタが壁外からの侵略者で、巨人と共に壁内を滅ぼすつもりだったとか」


    ハンジ「挙句の果てには、クリスタがあの巨人そのものだと言う話も出てる。馬鹿馬鹿しい」





    ユミル「あいつにショックを与えまいと、敢えて本当の事を話さなかったけど…」


    アルミン「まさか本当に勝手に外に出てしまうなんて…」


    ミカサ「やはり、隠さずに全てを話すべきだった…」


    ジャン「そんなのは結果論でしかねぇよ。お前達の判断は間違っていたとは思えねぇ」


    ジャン「本当に外に出したくねぇなら、部屋に鍵かけてバリケード張る位するべきだったんだよ」


    ユミル「せめて、外のほとぼりが冷めるまではと思っていたんだけどな…」


    アルミン「誤った情報が壁内に蔓延し、今じゃクリスタが完全に首謀者として祭り上げられてる」


    ミカサ「無知な住民の手にかかってしまう前に、どうにかクリスタを見つけて連れ戻さないと…」

  226. 232 : : 2014/11/08(土) 20:55:08


    ガチャン


    一同「!!」







    エルヴィン「あぁ、みんなここに居たのか」


    ハンジ「お帰りエルヴィン。どうだった?」


    ユミル「クリスタは…ちゃんと見つかったんですか!?」


    エルヴィン「あぁ見つかったよ。彼女は昨夜、トロスト区で発見された」


    ユミル「よかった…。全く、ヒヤヒヤさせやがって…」


    アルミン「無事なら何よりです。それで、クリスタは今どこに?」









    エルヴィン「クリスタの身柄は現在、憲兵団の管轄に置かれている」


    一同「…は!?」

  227. 234 : : 2014/11/08(土) 21:14:52


    ユミル「ちょっと、憲兵団の管轄って…捜索隊が見つけたんじゃなかったんですか!?」


    エルヴィン「残念ながら、一足遅かった。クリスタの存在がトロスト区に騒ぎをもたらしていた」


    エルヴィン「それを聞きつけた憲兵団が、昨夜のうちに彼女を捕えていたそうだ」


    ハンジ「それじゃ、エルヴィンは今まで何を…?」


    エルヴィン「上に掛け合って、身柄の引き渡しを要求してきた」


    ユミル「それで、クリスタは…クリスタはどうなったんだよ!?」


    ミカサ「ちょっとユミル、落ち着いて!」











    エルヴィン「残念ながら却下されたよ。存在しない人間を引き渡す事はできないそうだ」


    ユミル「…は?」

  228. 235 : : 2014/11/08(土) 21:26:09


    エルヴィン「聞こえなかったかな?クリスタ・レンズはこの世に存在しない。だから…」


    ユミル「クリスタが存在しないってどういうことだ!?」


    エルヴィン「クリスタは、昨夜のうちに処刑されたそうだ。憲兵団師団長、ナイルの管轄でな」


    ユミル「な…嘘だろ…」ガクッ…


    アルミン「ユミルっ!!」


    ミカサ「しっかりして!!」


    ユミル「あいつが…クリスタが…処刑された…」







    ユミル「ふ…ふはは…」













    ユミル「ふはっはっははははははははははっ!!!!!!!」


    ハンジ「ユミル…」

  229. 236 : : 2014/11/08(土) 21:38:30


    ユミル「もう…終わりだ…あいつが居ねぇんじゃ…私は一体何のために…」






    ユミル「ふはっ…ふははっはははあははっはっはっはっはははあはっ!!!」


    エルヴィン「…」







    エレン「団長…クリスタは何とかならなかったんですか…」


    エルヴィン「残念だが。今回の件は、私にも責任があるだろう」


    エルヴィン「むしろ、壁内に甚大な被害を齎し、クリスタを守り切れなかったことについては…」






    エルヴィン「…すべて、私の責任だ。すまなかった」


    ユミル「なぁ、団長さんよ。謝ればすべて片付くと思ってんのか…」


    ユミル「あんたがいくら口先だけの謝罪を述べたとこで、クリスタはもう帰って来ないんだぞ…」


    エルヴィン「あぁそうだ。“クリスタ”はもう二度とここには帰ってこない」

  230. 237 : : 2014/11/08(土) 21:50:06


    ユミル「…何他人事みたいに言ってんだてめぇっ!!!!」


    エルヴィン「」スッ


    ユミル「あ?」


    エレン「紙切れ…?」







    ユミル「この紙切れが一体何だっていうんだよ…?」


    エルヴィン「今の騒ぎが落ち着いた頃、この紙に記されている場所を尋ねるといい」


    エルヴィン「場所はローゼ北端部、辺境の開拓地。基本的に外部から人は訪れない錆びれた地だ」


    ユミル「その場所に一体何があるって言うんだよ…」


    エルヴィン「そこである人物を尋ねるといい。君達にとってかけがえの無い出会いとなるだろう」


    ユミル「その人物って…」
















    エルヴィン「その人物の名は…」

  231. 238 : : 2014/11/08(土) 22:02:25




































































































  232. 239 : : 2014/11/08(土) 22:02:47


    ~3か月後・ローゼ辺境の開拓地~


    住民「ふぅ、今日はこのくらいで十分だろう」


    住民「いやぁ、上出来だ。ここしばらくは、不思議と作業が捗るなぁ」


    住民「きっと、女神様のご加護のおかげだろう」


    住民「違ぇねぇ。あの子が来てから、心の底から力が湧き上がるようだからなぁ」







    「みなさーん、そろそろ切り上げてご飯にしましょう!」







    住民「噂をすれば、女神がお呼びだ」


    住民「右腕と右目が効かねぇってのに、健気に頑張ってくれて本当にありがてぇよ」


    住民「今片付けたら行くよ…」
















    住民「…ヒストリアちゃん!」


    ヒストリア「冷めないうちに来てくださいねー!」

  233. 240 : : 2014/11/08(土) 22:14:35

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    ヒストリア(あの痛ましい事件から3か月。私は皆の元を離れ、この開拓地に移り住みました)


    ヒストリア(トロスト区で追いかけられたあの夜、私はナイル師団長に捕まりました)


    ヒストリア(最初は殺されてしまうのかと思って、とても怖かったけれど…)




    ヒストリア(実はエルヴィン団長の手引きで、私をここに連れてくる手筈になっていたそうです)


    ヒストリア(あの頃壁内には間違った情報が広まり、住民達は錯綜していた)


    ヒストリア(そしてあろうことか、私がその首謀者と言う事になっていました)


    ヒストリア(まぁ…あながち間違いではないんですけどね)

  234. 241 : : 2014/11/08(土) 22:24:03


    ヒストリア(“首謀者クリスタ”が生きていると住民に知れれば、暴動に発展するかもしれない)


    ヒストリア(かと言って、ほとぼりが冷めるまで待つことも難しい)


    ヒストリア(極秘に私をここに移り住ませると言う事は、苦肉の策だったとの事でした)


    ヒストリア(しかし、流石に“クリスタ”のままここで隠れ住むのは難しいとの判断だったので)


    ヒストリア(私は“ヒストリア・レイス”の名を使い、この地で新たな人生をスタートしました)

  235. 242 : : 2014/11/08(土) 22:33:56


    ヒストリア(本当は、この名前はずっと昔に捨てなければなかった名前だけれど…)


    ヒストリア(どうせここでは誰もレイスの事は知りません。きっと大丈夫でしょう)


    ヒストリア(とても優しい人達と、とても楽しい時間を過ごして、私は今とても幸せです)








    ヒストリア「…」








    ヒストリア(でも…ちょっとだけ、寂しいかな)


    ヒストリア(お別れくらい、ちゃんと言いたかったな。もう一度、会いたい…)

  236. 243 : : 2014/11/08(土) 22:44:42




































































































  237. 244 : : 2014/11/08(土) 22:45:09


    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    ヒストリア「~~~~~~♪」










    住民「ヒストリアちゃん、またあれ唄ってるぞ」


    住民「上手だよなぁ。惚れ惚れするよ。これぞ女神の唄声ってな」


    住民「だけどよ、どこか寂しそうなんだよな。何て言うか、こう…」


    住民「本当に聞かせてぇ相手が居るのに、そいつに聞かせてやれなくてもどかしいって言うか…」


    住民「何言ってんだお前?」

  238. 245 : : 2014/11/08(土) 22:50:28


    ザッ









    住民「ん?向こうの茂みに誰かいるのか?」


    「…」


    住民「…あんた、見ない顔だな。どこから来た?」

  239. 246 : : 2014/11/08(土) 23:00:36

    ヒストリア「~~~~~~♪」ジワッ…






    ヒストリア(ごめんね…まともにお別れが言えなくて…せっかく仲良くなれたのに…)


    ヒストリア(もう一度…もう一度だけ、この唄をあなたのために唄ってあげたかったなぁ…)











    ヒストリア「~~~~~~♪」











    ダキッ!


    ヒストリア「きゃあっ!?ちょっと、いきなり何するんですか…」











    ヒストリア「…って、え!?」


























    「クリスタっ!」



























  240. 247 : : 2014/11/08(土) 23:01:00
    以上で終わりです。


    最後まで読んでくださった方々、ありがとうございました。
  241. 248 : : 2014/11/09(日) 00:14:45
    久々の200レス超え作品、楽しませて頂きました。お疲れ様でした。
  242. 249 : : 2014/11/18(火) 13:46:55
    乙でした
  243. 250 : : 2014/12/29(月) 09:45:55
    面白かったです!!
  244. 251 : : 2015/02/22(日) 04:13:22
    お疲れ様でした。
  245. 252 : : 2015/06/04(木) 18:48:33
    少し感動しました。
    次の作品もがんばってください。
  246. 253 : : 2015/06/04(木) 19:27:40
    巨人君!!!生きかえった!?
  247. 254 : : 2015/06/28(日) 01:58:38
    感動しました(´;ω;`)


    めっちゃ良かったです
  248. 255 : : 2015/07/29(水) 12:38:17
    つまんね
  249. 256 : : 2015/11/07(土) 23:43:27
    感動しました…>_<…
  250. 257 : : 2016/01/02(土) 00:56:49
    乙です
    言い話だったなー


  251. 258 : : 2016/01/10(日) 07:48:39
    とても良かったです!!
    できたらその後の話も書いてほしいなーなんて思っています。
  252. 259 : : 2016/01/10(日) 09:32:25

    すげぇ今更だけ読みました!読みやすいし面白かったです!

    ただこれだけは言いたいwwwいろいろとツッコミどころが多かったですww30メートル級になった巨人くんが立体機動を使っていたり、大砲でうなじを庇う?ってあたりがちょっと分かりにくかったり、氷爆石爆弾の仕組みである熱膨張が核分裂エネルギー並の威力だったり、あと爆弾の起爆を調査兵団の手練に任せるという采配の仕方や、下半身消えた状態で一晩意識保って生きてたオルオなどはマジかよ!?ってなりましたw

    あとクリスタについての一般人への情報漏えいとかエルヴィンの徹底した千引のやり方を考えるとちょっと流石に無理あるかなって気がしましたwまあその辺は話作るためにしょうがなかったてやつかなとは思いますが。





  253. 273 : : 2016/11/10(木) 18:46:12
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  255. 278 : : 2017/02/20(月) 21:40:21
    エヴァの使徒侵入みたいにドンドン強くなっていく巨人くんカッコ良すぎ
  256. 279 : : 2019/01/02(水) 15:16:38
    そして強すぎぃ
  257. 280 : : 2020/09/27(日) 16:34:52
    高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
    http://www.ssnote.net/archives/80410

    恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
    http://www.ssnote.net/archives/86931

    害悪ユーザーカグラ
    http://www.ssnote.net/archives/78041

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    http://www.ssnote.net/archives/78042

    害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル)
    http://www.ssnote.net/archives/80906

    害悪ユーザー提督、にゃる、墓場
    http://www.ssnote.net/archives/81672

    害悪ユーザー墓場、提督の別アカ
    http://www.ssnote.net/archives/81774

    害悪ユーザー筋力
    http://www.ssnote.net/archives/84057

    害悪ユーザースルメ、カグラ、提督謝罪
    http://www.ssnote.net/archives/85091

    害悪ユーザー空山
    http://www.ssnote.net/archives/81038

    【キャロル様教団】
    http://www.ssnote.net/archives/86972

    何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
    コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
    http://www.ssnote.net/archives/86986
  258. 281 : : 2020/10/14(水) 14:31:20
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    何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
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  259. 282 : : 2020/10/26(月) 13:52:57
    http://www.ssnote.net/users/homo
    ↑害悪登録ユーザー・提督のアカウント⚠️

    http://www.ssnote.net/groups/2536/archives/8
    ↑⚠️神威団・恋中騒動⚠️
    ⚠️提督とみかぱん謝罪⚠️

    ⚠️害悪登録ユーザー提督・にゃる・墓場⚠️
    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️
    10 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:30:50 このユーザーのレスのみ表示する
    みかぱん氏に代わり私が謝罪させていただきます
    今回は誠にすみませんでした。


    13 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:59:46 このユーザーのレスのみ表示する
    >>12
    みかぱん氏がしくんだことに対しての謝罪でしたので
    現在みかぱん氏は謹慎中であり、代わりに謝罪をさせていただきました

    私自身の謝罪を忘れていました。すいません

    改めまして、今回は多大なるご迷惑をおかけし、誠にすみませんでした。
    今回の事に対し、カムイ団を解散したのも貴方への謝罪を含めてです
    あなたの心に深い傷を負わせてしまった事、本当にすみませんでした
    SS活動、頑張ってください。応援できるという立場ではございませんが、貴方のSSを陰ながら応援しています
    本当に今回はすみませんでした。




    ⚠️提督のサブ垢・墓場⚠️

    http://www.ssnote.net/users/taiyouakiyosi

    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️

    56 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:53:40 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ごめんなさい。


    58 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:54:10 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ずっとここ見てました。
    怖くて怖くてたまらないんです。


    61 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:55:00 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    今までにしたことは謝りますし、近々このサイトからも消える予定なんです。
    お願いです、やめてください。


    65 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:56:26 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    元はといえば私の責任なんです。
    お願いです、許してください


    67 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    アカウントは消します。サブ垢もです。
    もう金輪際このサイトには関わりませんし、貴方に対しても何もいたしません。
    どうかお許しください…


    68 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:42 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    これは嘘じゃないです。
    本当にお願いします…



    79 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:01:54 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ホントにやめてください…お願いします…


    85 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:04:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    それに関しては本当に申し訳ありません。
    若気の至りで、謎の万能感がそのころにはあったんです。
    お願いですから今回だけはお慈悲をください


    89 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:05:34 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    もう二度としませんから…
    お願いです、許してください…

    5 : 墓場 : 2018/12/02(日) 10:28:43 このユーザーのレスのみ表示する
    ストレス発散とは言え、他ユーザーを巻き込みストレス発散に利用したこと、それに加えて荒らしをしてしまったこと、皆様にご迷惑をおかけししたことを謝罪します。
    本当に申し訳ございませんでした。
    元はと言えば、私が方々に火種を撒き散らしたのが原因であり、自制の効かない状態であったのは否定できません。
    私としましては、今後このようなことがないようにアカウントを消し、そのままこのnoteを去ろうと思います。
    今までご迷惑をおかけした皆様、改めまして誠に申し訳ございませんでした。
  260. 283 : : 2023/07/04(火) 00:45:21
    http://www.ssnote.net/archives/90995
    ●トロのフリーアカウント(^ω^)●
    http://www.ssnote.net/archives/90991
    http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3655
    http://www.ssnote.net/users/mikasaanti
    2 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 16:43:56 このユーザーのレスのみ表示する
    sex_shitai
    toyama3190

    oppai_jirou
    catlinlove

    sukebe_erotarou
    errenlove

    cherryboy
    momoyamanaoki
    16 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 19:01:59 このユーザーのレスのみ表示する
    ちょっと時間あったから3つだけ作った

    unko_chinchin
    shoheikingdom

    mikasatosex
    unko

    pantie_ero_sex
    unko

    http://www.ssnote.net/archives/90992
    アカウントの譲渡について
    http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3654

    36 : 2021年11月6日 : 2021/10/13(水) 19:43:59 このユーザーのレスのみ表示する
    理想は登録ユーザーが20人ぐらい増えて、noteをカオスにしてくれて、管理人の手に負えなくなって最悪閉鎖に追い込まれたら嬉しいな

    22 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:37:51 このユーザーのレスのみ表示する
    以前未登録に垢あげた時は複数の他のユーザーに乗っ取られたりで面倒だったからね。

    46 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:45:59 このユーザーのレスのみ表示する
    ぶっちゃけグループ二個ぐらい潰した事あるからね

    52 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:48:34 このユーザーのレスのみ表示する
    一応、自分で名前つけてる未登録で、かつ「あ、コイツならもしかしたらnoteぶっ壊せるかも」て思った奴笑

    89 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 21:17:27 このユーザーのレスのみ表示する
    noteがよりカオスにって運営側の手に負えなくなって閉鎖されたら万々歳だからな、俺のning依存症を終わらせてくれ

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