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とある夜のできごと

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  1. 1 : : 2014/10/15(水) 16:58:27






    エレン「……」


    時刻は夜中の0時。アルミンから届いた一通のメールを確認したエレンは、溜め息をついた。


    メールの内容はこのようなものである。





    to:エレン
    件名:こんな時間に悪いんだけど

    本文:
    直接会って話したいことがある。






    ───エレンは迷っていた。行くか、行かないか。


    第一、こんな時間に外に出るというだけで気が引けるのだが。


  2. 2 : : 2014/10/15(水) 17:06:45







    しかし、エレンは、アルミンに会って話がしたい、と思っていたので、


    結果、迷っているよりは、行った方が良い、という決断に至った。


    決意が揺らがない内に、メール作成画面を表示。


    端的に本文を打つ。





    『──良いぜ。場所は?』





    そして、送信。


  3. 3 : : 2014/10/15(水) 17:16:54




    …すると、一分も経たない内に返信が来た。内容は以下のようなもの。





    『──察して』





    その内容は実に短かった。


    エレンは険しい表情になり、携帯の電源を切った。





    ──今のアルミンが行く場所…


    多分、あの場所だ。






    エレンは、特に荷物も持たずに、玄関へ向かった。



    …そこで立ち止まり、飾ってある一枚の写真を見つめる。今は亡き母の写真だ。




    エレンは黙って家を出た。





  4. 4 : : 2014/10/15(水) 17:26:02






    エレンが目的地へ向かうと、


    やはり、彼はそこに居た。





    エレン「…アルミン」



    アルミン「ん、やあ、エレン。よくここが分かったね」




    アルミンは振り返ってこちらに微笑みかけてくれたが、その顔には深い疲れの色が表れている。




    エレン「…ちょっと悩んだけど、ここかな、って」



    アルミン「そっか。エレンは頭が良いね」



    エレン「……そりゃどうも」



  5. 5 : : 2014/10/15(水) 17:30:37




    エレン「で、話って」


    エレンは話の内容を察してはいたが、あえて聞いてみる。



    アルミン「…そりゃ、彼女の話さ。」


    エレン「やっぱそうか」


    アルミン「うん」


    エレン「……」





    そこからしばらくの沈黙が流れたが、


    アルミンが口を開いた。






    アルミン「…本当に」



  6. 6 : : 2014/10/15(水) 17:39:41





    エレン「ん」


    アルミン「僕の彼女は優しい人だよ」


    エレン「俺の彼女だってそうだよ」


    アルミン「…はは、だろうね」


    エレン「…でも、お前の彼女、お人よしだもんな」



    アルミンは、こく、と頷いた。



    アルミン「でも、それゆえに、他の人からの頼みを受け入れすぎる、ってのが欠点なんだよなあ」



    エレンはそれを聞くと黙った。


  7. 7 : : 2014/10/15(水) 17:45:07




    アルミン「お金の貸し借りとかも、了承しちゃうんだ」


    エレン「…ああ。」


    アルミン「だからトラブルにも繋がる。金銭って、人を狂わせるよね」


    エレン「アルミン、それ以上言うなよ。」



    アルミンは、少し俯いて、「…うん」と言った。




    そして、言った。



    アルミン「じゃ、じゃあ、エレンの彼女はどんなところが優しい?」




  8. 8 : : 2014/10/15(水) 17:55:21



    エレン「…んーと…」


    アルミン「うん」



    エレンは、迷った末、言った。




    エレン「…俺のことを一番に想っていてくれるところ、かな…」


    アルミン「そっか…良いね」


    エレン「俺がアイツの家に行くと、大喜びで飛び付いてきてくれるんだ。」


    アルミン「へえ。」


    エレン「…でも…昨日も家に行ったんだけどさ、アイツの姿が見えなかったんだよ」


    アルミン「…うん」



  9. 9 : : 2014/10/15(水) 18:04:16



    エレン「鍵も開いててさ、俺、扉開けたんだけど、…すごくびっくりしたんだ」


    アルミン「うん」


    エレン「アイツ、玄関で眠ってたんだよ。鍵閉めるのも忘れてたんだろうな、ひとまず、部屋のベッドまで運んでやったけどさ」


    アルミン「………そ、そうなのか…」


    エレン「おう…」



    アルミンは「……僕も昨日の話、していい?」とエレンに言った。



    エレン「……ああ、良いぞ」


  10. 10 : : 2014/10/15(水) 18:11:48



    アルミン「僕も昨日彼女の家に行ったんだ」


    アルミン「そしたら、いつもどおり彼女が部屋に居たんだけど」


    エレン「おう」


    アルミン「いつも迷惑かけてゴメン、って僕に言ったんだ」


    アルミン「僕は、そんなことない、って必死に言ってあげた」


    アルミン「そしたら、ありがとう、愛してる、って、…真っ赤な顔で、言ってくれた」



    アルミンはたんたんと話した。


    だが、聞いているエレンは、深く俯いてしまった。




    アルミンは、それに気付き、「…話はこの辺にしようか」と言った。



  11. 11 : : 2014/10/15(水) 18:17:08




    アルミンは、すっ、と立ち上がった。



    夜の空は、吸い込まれそうなほど、漆黒に包まれている。


    月も星も深い雲に隠れ、地上までその光を届けることは出来ない。



    ただ、暗闇だけが、広がっていた。







    ──不意に冷たい風がふき、二人の頬を撫でた。







    アルミン「寒いねえ、今夜は」



    アルミンの独り言に対して、エレンは、


    「…そうだな」




    と、言った。





  12. 12 : : 2014/10/15(水) 18:21:01




    アルミン「そろそろいくよ。今日は僕の話に付き合ってくれてありがとね」



    エレン「……もういっちまうのか」



    …アルミンは、苦笑した。



    アルミン「うん。ちょっとだけしか話せなかったけど楽しかったよ。やっぱりエレンは良い友達だ。」


    エレン「…俺も」




    エレンはアルミンの目を見て言った。





    エレン「俺も話せて楽しかった」





    アルミン「…そっか」






    アルミンは空を仰いだ。




  13. 13 : : 2014/10/15(水) 20:05:42






    アルミン「じゃあ、ね…」



    アルミンはそれだけ言って一歩一歩歩き出した。


    その背中を見ている内に、エレンはしゃくり上げそうになってしまった。



    エレン(…アルミン…昔は俺より小さかったけど)


    エレン(随分と…大きくなってたんだな)






    エレンも立ち上がった。




    そして、アルミンの向かう方向へ、自分も歩き出す。




  14. 14 : : 2014/10/15(水) 20:06:53






















    二人は、深い、深い夜の暗闇の底へ、消えていった。





















    ───完














  15. 15 : : 2014/10/15(水) 20:40:49



    ──あとがき


    えーと、これでおしまいです。私の、初投稿作品でした。

    実はこの作品、裏があります。気づいた人も居ると思いますが。

    作品に裏を付けながら書くのは難しかったですが、

    なんとか書き上げることができました。

    閲覧してくださった皆様、ありがとうございました。

  16. 16 : : 2014/10/15(水) 22:03:39
    どーゆうことやねん
  17. 17 : : 2014/10/16(木) 00:22:34
    >>16

    http://www.ssnote.net/groups/913/archives/1

  18. 18 : : 2014/10/16(木) 00:22:49
  19. 19 : : 2014/10/16(木) 00:32:46
    すげぇ……説明しずらいけど凄い作品でした

  20. 20 : : 2014/10/16(木) 15:12:04
    これがオリジナルなんて...凄いです。
    もっと評価されるべきだと思います!!
    (僕は真っ赤な顔ってところで気づきました。)

    お疲れ様でした。
  21. 21 : : 2014/10/16(木) 20:40:28
    素晴らしい文章力に引き込まれました!

    お疲れ様です
  22. 22 : : 2014/10/16(木) 22:17:13
    一回見て、真実を
  23. 23 : : 2014/10/16(木) 22:19:24
    ↑すいません、間違えました。

    『一回見させていただき、真実を知ってすごいと感動しました。

    執筆お疲れさまでした。』

    です
  24. 24 : : 2014/10/22(水) 20:43:52
    乙!
    文章力も何もかも、凄かった!
    裏付けがとてもうまい(*´▽`*)
  25. 25 : : 2020/10/10(土) 22:55:38
    高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
    http://www.ssnote.net/archives/80410

    恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
    http://www.ssnote.net/archives/86931

    害悪ユーザーカグラ
    http://www.ssnote.net/archives/78041

    害悪ユーザースルメ わたあめ
    http://www.ssnote.net/archives/78042

    害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル)
    http://www.ssnote.net/archives/80906

    害悪ユーザー提督、にゃる、墓場
    http://www.ssnote.net/archives/81672

    害悪ユーザー墓場、提督の別アカ
    http://www.ssnote.net/archives/81774

    害悪ユーザー筋力
    http://www.ssnote.net/archives/84057

    害悪ユーザースルメ、カグラ、提督謝罪
    http://www.ssnote.net/archives/85091

    害悪ユーザー空山
    http://www.ssnote.net/archives/81038

    【キャロル様教団】
    http://www.ssnote.net/archives/86972

    何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
    コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
    http://www.ssnote.net/archives/86986

    http://www.ssnote.net/categories/%E9%80%B2%E6%92%83%E3%81%AE%E5%B7%A8%E4%BA%BA/populars?p=53

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