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エレン「素直に思う事」

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  1. 1 : : 2014/10/14(火) 20:32:03


    アルミン「届けるか届けないか」
    http://www.ssnote.net/archives/24623

    の続きの時間軸となります。

    ので、先に前作から読んで貰えると嬉しいです!
  2. 2 : : 2014/10/18(土) 15:50:57



    エレン「………」



    アルミンがミカサに告白をしてから、食堂は大分ざわざわしていた。



    きゃー。とかいって恋の話について喜び始める女子達や、アルミンすげーといった男子達の声。

    ミカサがOKと言ったらどうしようと病むジャンをなだめるマルコの姿。

    いつも通り関係ないと言った感じに食事を続けるコニーやサシャ。


    俺もどっちかというとサシャ達よりだ。


    何故かと言うと、心配することが何ひとつ無いからだ。


    気になる人が居ることはどうゆうものか聞いてから…確信に変わった。アルミンはミカサと居るといつもと違うことは分かっていた。

    ジャンには悪いが俺はアルミンを応援する。

    まぁ…結果は多分…分かるけどな。



    そんな周りの状況を見ながら俺はパンをかじり、瓶に入ったミルクを飲む。

  3. 3 : : 2014/10/18(土) 17:37:55


    ライナー「アルミン…大した度胸だな」



    ベルトルト「…うん。僕も見習おうかな。いや、無理だね…」



    ライナーとベルトルトのアルミンを誉める会話が聞こえてくる。

    確かにさっきのアルミンの告白は大きな決心をしなければ出来ない行動だろう。

    誰か…背中を押した奴が居たのか?


    まっ…そんな根拠もないことを考えるのはやめよう。



    アルミンは元々やる時はやる奴だ。

    それに内に秘めた意志は強いからな。



    後。たまに頑固なところがある……な?


  4. 4 : : 2014/10/18(土) 23:16:05



    ギィィィ…


    と食堂のドアが開く。さっきアルミンが入ってきた時と比べて大分優しくそれは開かれた。


    食堂に居る皆の視線がそこに集められる。



    その目に写った光景に…俺は食事を進めていた手を止めた。無意識の内に。
    何故かと言うと……。




    アルミン「………///」



    ミカサ「………///」









    アルミンとミカサが手を繋いで入ってきたからだ。



    その様子からアルミンの告白はどうだったのかが分かる。もはや聞くまでもないな。


    ざわつく周りを気にせずに一言。

















    エレン「良かったな。アルミン」

  5. 5 : : 2014/10/18(土) 23:41:46


    アルミン「えへへ…エレン。ありがと」ニコッ



    アルミンが俺の所へと寄ってくる。
    それもミカサがアルミンの席も取っておいたからなんだけどな。

    そこで手を繋ぐのをやめて、ミカサも席に着く。ミカサもまだ食事の途中だったからな。


    ミカサ「エレン…私が居なくて大丈夫だった?寂しくなかった?」



    エレン「寂しくねーよ…アルミンの事泣かせんなよ」



    ミカサ「ええ。勿論…任せて」



    アルミン「あれ?それ普通逆じゃない!?」



    アルミンが少し顔を紅くさせて慌てる。確かに普通は女子にそう言うとは思うけど…アルミンとミカサってなると…アルミンの方が泣きそうだしな。

    本人に言ったら怒るからこの事は口には出さないけどな。


  6. 6 : : 2014/10/18(土) 23:52:22



    ミカサ「エレンと私は家族。アルミンと私は恋人。これなら3人で住んでも違和感はない」



    ミカサが少し訳の分からん事を言ってくる。確かに俺とミカサは家族だ。だからと言って…そうなる…のか??


    けっこう真面目に頭で考える。


    …俺はすぐに考えることを放棄した。



    エレン「バカか…じゃーもし俺が誰か恋人…?を連れてきたらどうすんだ?」



    ミカサ「4人で暮らす」



    ミカサにもはや気持ちいいくらいにはっきりと言われ、呆れる…というか諦める。



    アルミンも軽く笑って…僕じゃどうしようもないよ…といった顔で俺を見ている。


    あれ?どうしようもないよ…というよりは僕はそれでも構わないよ…といった顔にも見える。



    この状況では俺の味方は居ない…と。



    エレン「はいはい…そうか」



  7. 7 : : 2014/10/18(土) 23:58:28


    少し会話が一段落つくと、周りからの激しい質問等がアルミンとミカサを襲う。



    「アルミン!どうやったらあんな風に告白できるんだ!?」



    「ミカサ!ミカサはいつからアルミンの事好きだったの!?」



    「ジャァァァァァァァァァァァン!!」



    挙げるときりがないからこれくらいにしておく。



    「ジャァァァァァァァァァァァン!!」



    ジャンがうるさいな。発狂しまくってる。
    まぁ…無理もないか…。想い人へ目の前で告白。そしてそれが成功…さすがに堪えるよな。



    アニ「…」グッ



    アルミン「…」ニコッ




    ん?

    今アニがアルミンに親指をグッとさせてたな。そしてアルミンは笑顔で対応。


    あっ…もしかして…アニが背中を押してくれたのか?



    だからか…。
    昨日まで気持ちに踏ん切りをつけれない…とか言ってたのに…今日は告白していた。


    でも…意外だな…あのアニがな。


    あっ…アニもこの前言ってたっけか。自分で「か弱い乙女」って。


  8. 8 : : 2014/10/19(日) 20:35:56


    アルミン「いやぁ…はははは…」チラッ



    アルミンが皆からの質問攻めに困った表情を浮かべる。心なしか…こっちの方を見た気がする。
    いや、うん。きっと気のせいだな。



    ミカサ「…」キョロキョロ



    ミカサに至っては…普段こんなにも人から攻められる事がないから…どうすればいいか分からないと言った様子だな?



    さて。どうやってこの場を切り抜けるのか…?

    あんなにも大胆な告白をしたんだ。こうなるのは仕方がない気もするしな。
    けっこう皆恋について盛んみたいだし…。



    さあ。どうするどうする?と、少し回避方法楽しみにしていたが、その時はすぐに訪れた。



    アルミン「あっ…!皆!もう時間だよ!このままじゃ、次の訓練に間に合わないよ!!」




    焦りながらアルミンが言う。その言葉を聞いてから俺も時計を見てみる。



    エレン「あっ…」



    確かに時間がやばい。
    皆アルミンとミカサに夢中になりすぎた見たいだな。ってゆっくりしてる暇はねえ。



    エレン「やっべぇ!急がねーと…!教官に死ぬまで走らされるぞ!!!」



    俺がそう言い放つとアルミンとミカサを囲んでいた奴等は蜘蛛の子を散らすように準備へと向かう。
    さっきまでの賑やかさが嘘だったかのように…食堂には静けさが広がってゆく。


  9. 9 : : 2014/10/23(木) 23:23:56



    ――――――対人格闘



    キース「これより…対人格闘の訓練を始める!!」




    エレン「はぁ…はぁ…」




    急いで準備して走ったおかげで、息が切れる。周りを見渡すと皆息が切れている様に見える。一部の体力がある奴等を除いては…。


    ゆっくり深呼吸をして、息を整える。




    キース「各自…ペアを見つけて真面目に取り組むように!!!」




    キース教官が指示を出す。今日もいつも通りだな。サボる奴が居れば…真面目に取り組む奴も居る。


    俺は強くなりたいから真面目に取り組む。対人格闘だって絶対いつか役に経つと思うからな。この時間を無駄にはしない。



  10. 10 : : 2014/10/24(金) 21:11:48



    エレン「アニ。今日も頼むぞ」


    いつもの様にアニに声をかける。最近の対人格闘ではアニと組む事がほとんとだ。

    アニの格闘技術は学ぶことが多いからな。まっ…勝てなくて悔しいっていう気持ちもあるけどな…。




    アニ「はぁ…あんたも懲りないね」


    アニが少しめんどくさそうにそう言う。でも…顔はいつもよりいきいきしてる様に見える。

    様に…というよりも…アニは対人格闘の時間はいきいきしてる顔になる。
    それぐらいこの時間は好きなんだろうな。



    アニ「…」スッ


    アニが前髪を横に分けて、両拳を顔の前へと持ってくる。準備は出来たみたいだな。



    エレン「じゃ…俺が暴漢役をやるからな」



    アニ「いいよ…いつでも来な」

  11. 11 : : 2014/11/12(水) 18:29:25
    期待ダヨォ!!!
  12. 12 : : 2014/12/07(日) 20:38:32


    エレン「行くぞ!!」ダッ


    自分に発破をかける様に大きく声を出す。
    それと同時に木で作られた短剣を右手に握りしめアニへと向かう。


    アニ「…」


    俺が向かっている最中なのに、アニは顔色一つも変えずにこっちの動きを凝視する。


    エレン「…」ピタッ


    勢いよく突っ込もうとしたのをやめ…一回冷静になって考える。


    俺はどの攻撃をすればアニに効くのか?
    アニは次にどんな攻撃を仕掛けてくるのか?

    たくさんの考えが俺の脳裏をよぎる。


    エレン「…」ジッ



    アニ「…」ジッ


    お互い様子を見会う。

    アニを見るとまるで隙がない。このままじゃどう足掻いても負ける。



  13. 13 : : 2014/12/07(日) 20:38:46




    ――けど。

    最初から負けると思ってたり、弱気になってたら勝てる勝負も逃しちまう。

    勝てない相手だからといって、諦める理由にはならないよな。



    ―――戦わなければ…勝てない!!!



    アニ「さっきまで威勢が良かったのに…どうしたんだい?」



    アニ「来ないならこっちから行くよ!」ダッ



    暴漢役は俺なんだけどな…。
    けど…まぁ暴漢役じゃないから向かっていくのはダメって決まりはない。



    アニ「…はぁっ!!」シュッ

    アニが俺の顔目掛けて右足で蹴りを放ってくる。鋭い角度で放たれるため、避けきれるか判断するのが難しい。


    エレン「っっっっ!!!」ガギッ



    アニ「!」


    その攻撃を俺はあえて受けた。鈍い音と共に痛みが身体中を駆け巡る。


  14. 14 : : 2014/12/07(日) 20:42:07
    期待です!アニ☆☆さんの作品大好きです!!
  15. 42 : : 2015/01/26(月) 17:06:54


    痛みに耐えながら、俺はアニの襟元を掴む。


    アニ「…!」




    エレン「っらぁぁぁぁっ!!!」ブンッ


    そしてそのままの勢いで背負い投げへと繋げる。
    自分でも思う。けっこうな速さで技をかけたと。




    ドサァァァァァァァ!!



    アニを地面に叩きつけその音が鳴り響く。



    エレン「やったぞ…!遂に…アニに!!」


    勝ちを確信し、思わず声が漏れる。そして、無心でガッツポーズをとる。


    アニ「…」スッ



    エレン「…!?」



    グルンッドッサァァァァァァ!!





    しかし、その喜びも束の間。
    最後に見えたのは、アニがありえないくらいの速さで俺の目の前に突っ込んできたこと。

    俺の油断もあったせいか、ほんとに速く感じた。


    一瞬でいつもの技をかけられ、視線に移るはお馴染みの青い空。


    アニ「ふぅ…」




    エレン「…今日はいけると思ったんだけどな」




    アニ「いい線いってたと思うよ」



    地面に倒れながら会話を続ける。




    エレン「結果は負け…だけどな」




    アニ「ガッツポーズまでしてたしね」フフッ




    エレン「…恥ずかしくなってくるからそれは言うなよ!!」



    アニがほんの少しだけ笑いながら言う。ほんとに恥ずかしくなってくる。




    アニ「ん」スッ



    アニが俺に手を差し延べてくる。
    俺は素直に手を取る。


    エレン「次は勝つからな」パシッ




    アニ「…それ聞き飽きたよ」グイッ



  16. 43 : : 2015/02/19(木) 22:15:31

    ――――――食堂

    対人格闘の訓練が終わり、皆昼食を摂るために食堂へと集まる。

    メニューはいつもと変わらず、味気ないものだ。けど、午後の訓練を乗り越える為には必要。


    エレン「…遅れちまったな」


    今言葉にしたように俺は皆より少し遅れてしまった。そのせいで座る場所が限られている。

    いや…正確に言えば俺だけではないか。


    アニ「まぁ…妥当な結果でしょ」


    アニが俺の横で言う。

    そう。アニも俺と一緒に遅れてしまった。
    何故かと言うと、俺がアニに頼んで何度も格闘したからだ。

    負けた回数なんて覚えていない。分かるのは俺が全敗したという事だけ。

    時間が過ぎてるのにやめなかったから、正直教官に怒られると思った。

    威圧感を出しながらこっちに向かって歩いて来た時はほんとひやひやした。


    そんな心配も束の間。教官は一言、「その向上心を忘れるな」とだけ言って去っていった。

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著者情報
aniel1234

なぎさ(元アニ☆☆)

@aniel1234

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進撃!それぞれの恋 シリーズ

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