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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

エルヴィン「私は調査兵団団長、エルヴィン・スミス!」エルヴィン「私は自宅警備団団長、エルヴィン・スミス!」 『!?』

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  1. 1 : : 2014/10/12(日) 01:36:41
    エルヴィンのお誕生日が10/14ということで。

    とりあえず建てましたが、相変わらずスケジュールが詰まっているのと遅筆なのとが相まって更新はゆっくりだと思われます。
    ネタバレは単行本14巻までの予定です。


    執筆中はコメント制限させていただきますが、執筆中の作品用グループ(研究日誌)に応援メッセージをいただけますと大変励みになります。
    愛と哲学の研究室・愛と哲学の研究日誌 http://www.ssnote.net/groups/749

    よろしくお願いいたします。
  2. 2 : : 2014/10/15(水) 00:48:32
    私は調査兵団団長、エルヴィン・スミス。
    調査兵団の活動方針を王に託された立場にある。

    この100年にわたる巨人の支配から脱却する手がかりを得るため、巨人を恐れず壁外への進出を試み、命を賭して壁外調査を繰り返す。


    調査兵団は常に人材を求めている。壁外調査の度に毎回多数の死者が出ることによって慢性的に人員が不足しているからだ。


    調査兵団に入るもののほとんどが、数年以内に命を落とす。

    私が考案した長距離索敵陣形により、壁外調査における調査兵団の生存率は飛躍的に向上した。
    とはいえ、それでもなお、巨人の領域への派兵には毎回3割を超す損害が伴う。


    私の命令で、たくさんの兵士が犠牲になった。
    これからも、必要とあらば、私は命じ続けるだろう。
    失うものの先にある、人類の勝利を信じる限り。
  3. 3 : : 2014/10/15(水) 01:04:05
    私は自宅警備団団長、エルヴィン・スミス。
    自宅内の平和維持を自らに託した立場にある。

    この100年にわたる巨人からの支配から脱却する手がかりなどを得るより、巨人を避けて人との接触も極力避けて、自宅警備に精を出す。


    自宅警備団は私一人で十分だ。ワンルームのアパートを警備するのに人手が多くては足の踏み場もなくて辟易するからだ。


    自宅警備団のほとんどが、数年以内に体形の維持が難しくなる。


    私が考案した超音波振動腹筋マシーンにより、自宅警備団におけるメタボリックシンドローム回避率が飛躍的に向上した。とはいえ、それでもなお、自宅警備には8割を超すお小言が伴う。


    私の命令で、たくさんの漫画本が配達された。
    これからも、必要とあらば、私は命じ続けるだろう。
    引きこもりの先にある、妄想の勝利を信じる限り。
  4. 4 : : 2014/10/17(金) 00:44:54

    調査兵団団長の朝は早い。
    日が登り鳥達がさえずり始めるのを目覚ましがわりにベッドを離れる。


    自室の洗面台でまだ残る眠気を洗い流し、寝乱れた金髪に櫛を入れ、スッキリと整える。

    ジャケットこそ羽織らないが、寝間着から兵服へと着替えると、すぐに臨戦態勢に入る。


    通常、調査兵団が戦う相手は巨人だが、こと団長職においては、戦う相手は巨人ばかりではない。
    多方面からの決済待ちの書類の山。
    報告書。
    嘆願書。
    兵団の運営資金のスポンサーである市民や貴族からの要望や、会合への招待。
    他兵団との連携…という名の腹の探り合い。


    兵団組織の長であるからには、表舞台からは見えない雑務をそつなく捌いてゆかねばならない。
    むしろ雑務のほうが多いくらいだ。


    まずは、明け方にそっと届けてくれていた新聞に目を通す。
    情報統制がされているとはいえ、よく読むと真実なのか裏がある記事なのかが見えてくる。


    壁内の人類に何が起きているのか
    どんな裏がありそうなのか
    兵団組織に関わるものか
    放っておいても良いものか

    新聞は朝のブレインストーミングにはちょうどいい。


    ほどよく思考が働くようになったところで、自室に持ち帰り昨夜遅くまで目を通していた報告書の束を手にする。

    夜のうちに書き込んでいた細かな疑問や次の作業や調査指示を確認し、サインをする。


    朝の新鮮な頭で再度確認することが大切だ。
    夜の間に気がつかなかったことにも、見直すと気づくことが多い。

    一通り、書類との戦いを終えると、朝食を取りに食堂へと向かった。


  5. 5 : : 2014/10/17(金) 01:50:38

    自宅警備団団長の朝は遅い。
    日は高く登りきり、室内を強い日差しが照らし、カーテン越しにも光が燦々と当たるようになってから、開かない瞼のまま身を起こす。


    寝乱れてボサボサの頭を気にすることもなく、二度寝しようかなぁ、などとぼんやり考え始める。
    実際には、先ほどまでも二度寝だったので、三度寝を検討しているのだが…。


    寝間着は部屋着であり、自宅警備団ではこれが制服のようなものなので、着替える必要などない。

    だらしがないのではない。眠っている間すら、常に臨戦態勢なのだ。


    通常、自宅は安全なものと認識されているため、自宅警備団団長の活動は理解されがたい。しかし、意外な戦いがあるのだ。

    多方面からの通販カタログの山。
    請求書。
    督促状。
    自宅警備団運営資金のスポンサーからの要望や、帰省への招待。
    最近どうしてるの…という腹の探り合い。


    警備団の長たるもの、活動内容が不明だと言われながらも雑務をそつなく捌かねばならない。
    むしろいかに雑務をやり過ごすかに手腕が問われるくらいだ。


    まずは、ネットを立ち上げてSNSをチェックする。
    情報統制がされていないとはいえ、偏った見解の記事の多さに毎度驚かされる。

    その論旨は生産者の視点を全く欠いている
    フェミニストを気取っているだけだろう
    とりあえずエコと言っておけばいい人風だと思ってるだろ
    猫で誤魔化すな


    記事について厳しく指摘する独り言はウォーミングアップにちょうどいい。


    ほどよく思考が働くようになったところで、昨夜から読んでいた漫画を手に取る。

    複雑すぎてとっちらかった人間関係を再考する。

    起き抜けで明るくなったなかで再考するのが重要だ。
    夜の間に重いテーマと人間関係にめげそうになった漫画の設定にも、客観的で寛容に見ることができる。



    一通り、漫画との戦いを終えると、朝食を取りに台所へと向かった。
  6. 6 : : 2014/10/19(日) 00:58:54
    食堂では、質素ではあるが兵士の栄養に配慮した献立を提供してくれている。
    専属の料理人は3人だけ。あとは、調理補助として新兵を中心に日替わりで兵士を割り当てている。


    「おはよう、諸君。朝早くから食事準備は大変だろう?ありがとう。さて、今日の朝食は何かな?」


    食事を受け取りながらも、料理人と調理補助担当の兵士たちを労い、気さくに話しかける。


    部下を死地に送り出すこともある団長職だが、だからこそ私は彼らひとりひとりの功績を労いたいし、人となりを知っておきたいと思っている。


    もちろん、ただの良心からそうしているわけではない。兵団内部で生じる不審な気配や、トラブルの火種を一早く察知し、対策を練ったり、泳がせて成り行きを見守ったりと対応するためでもある。


    呑気な平和主義者では、この壁内の複雑な兵団組織を、そして中でもくせ者揃いと言われる調査兵団の団長などは勤まりはしないのだ。

  7. 7 : : 2014/10/19(日) 01:21:06
    台所では、質素であり栄養価などほとんど考えもしない献立を作成する。
    専属の調理人はもちろん私だ。調理補助担当には、あっという間にすぐに沸くティファールを毎日配置している。


    「おはよう、私。朝遅くから食事準備は面倒だろ?今日の献立は塩がいいかな?」


    カップ麺に熱湯を注ぎながらも、自宅警備団と調理人を兼務している自分自身の労をねぎらい、気さくに話しかける。


    …独り言…?
    まぁそうとも言うかもしれないな。
    日々孤独に自宅警備作業を続ける自宅警備団だからこそ、私は私の功績を労いたいし、私自身を知っておきたいと思っている。


    もちろん、ただの寂しさからそうしているわけではない。誰もいないはずの自宅での独り言に反応する不審な気配やトラブルの火種を一早く察知し、お宝レアグッズの安否を確認したり、大声をあげて助けを呼んだりと対応するためでもある。


    呑気な平和主義者では、この単純な自宅警備を一手に引き受ける自宅警備団団長職は勤まらないのだ。


    自宅警備団の緻密な活動の成果で、今まで不審者の侵入を許したことがないことは、私の誇りでもある。
  8. 8 : : 2014/10/19(日) 01:34:40
    食堂での朝食を済ませる間にも、数名の部下が挨拶と報告や相談にやってくる。


    時には意図せずブレックファーストミーティングに発展することもある。


    古の東洋の国には、10人の話を同時に聞き、対応していたという貴人が居たそうだが、その能力を分けてもらいたいと思うこともしばしばだ。


    朝食を済ませ、余裕のある場合には一度自室に戻るが、大概の場合には余裕など皆無のため、そのまま執務室へと向かう。


    もちろん、廊下ですれ違う部下への挨拶は欠かさないし、ここでも相談を持ちかけられることが多い。


    口の悪い兵士長などは、「食堂から執務室までは何マイルあるんだ、エルヴィン」と宣うほどに、スムーズにはたどり着けない。


    それだけ調査兵団には団長に相談・報告すべき緻密な任務が多いのだ。何時たりと気は抜けない。
  9. 9 : : 2014/10/19(日) 02:15:12
    カップ麺での朝食を済ませる間にも、SNSやインターネットゲームからの通信が後をたたない。


    時には意図せず、ネットゲームで白熱した団体戦に発展することもある。麺は当然のびる…が、汁を吸ってふやけた麺は実は嫌いではない。


    古の東洋の国には、千本の手を持つ神がいたそうだが、その腕を分けてもらいたいと思うこともしばしばだ。
    さぞや高速の連打が打てるだろうに。


    朝食を済ませ、余裕のあるときには台所へと向かうが、大概は余裕など皆無のため、そのままベッドへと向かう。


    もちろん、トイレに行ってからなのだが、ここでもネットゲームから通知が入る場合も多い。


    口の悪いかつての部下なら、「大方くそが固くて長引いてるんだろうが…お前のくそは何十センチあるんだ、エルヴィン」とでもいうのだろう。


    それだけ自宅警備団に対して外部からの協力要請は多いということだ。何時たりと気は抜けない。
  10. 10 : : 2014/10/19(日) 23:28:29
    食堂から執務室までの間にも幾つかの案件を片付け、ようやく調査兵団団長の執務室へとたどり着く。


    私の来訪を待つ部下がソファに腰かけていることも珍しいことではない。
    調査兵団にも階級や役職の違いはもちろんあるが、他兵団に比べて上下関係はフランクだ。


    …にしても、団長の執務室で自室のようにくつろぐのはこの連中くらいのものだが…。


    ソファにはハンジが半分ずり落ちながらくつろぎ、リヴァイは逆に少し前屈みになりながら、私のティーボードから当然のように淹れたであろう紅茶を、相変わらず何故かカップの縁を上から把持して啜っていた。

  11. 11 : : 2014/10/19(日) 23:46:14
    トイレの中からの途中でも、幾つかのネット上の戦いを片付け、ようやく自宅警備団団長の執務場所、ベッドへとたどり着く。


    もちろん完全なプライベートスペースだ。
    人はベッドで生まれ、ベッドで眠り、ベッドで次世代の命を作成し、ベッドで死ぬ。
    人生の重要事項はベッドで行われていると言って差し支えないだろう。


    故に、私がベッドで自宅警備を行うのも道理というものだ。


    大きめの枕を二つ重ねて半身を起こし、サイドボードにお茶を淹れ、活動準備を整える。
    月刊誌が2冊、単行本が5冊、私が目を通すのを待ち構えている。
    漫画だけではない。小説も山と積まれているし、間にスマホでSNSやゲームをこなさねばならない。


    今日も忙しい1日になりそうだ。
  12. 12 : : 2014/10/20(月) 00:10:34
    「おはよう。二人揃ってどうした、ハンジ、リヴァイ?」


    調査兵団幹部の要である兵士長と分隊長の訪れに問いかける。
    とはいえ、これといって用事がない場合でもこの二人が執務室に来るのは珍しいことではない。


    意味がありそうでなさそうな雑談をしにくることもあれば、逆もしかりだ。
    雑談のようで重要機密をもってきたりする。


    個性的と言われる調査兵団のなかでも特に変人度が高い二人ではあるが、私がもっとも信頼を寄せる部下達でもある。


    「どうした、ってエルヴィン、今日がなんの日か忘れちゃったのかい?」


    眼鏡の分隊長、ハンジ・ゾエが、もともと大きな瞳をさらに大きく丸くする。


    「だから言ったろ。こいつにとっちゃ、特別感慨深い日でもねえだろって」


    眉間にシワを寄せた兵士長は、凶悪な顔でそっけない口調で話す。
    だが、リヴァイは別段怒っているのではない。そういう表情と口調が標準仕様なのだ。


    「…さて…何かな。私は君たちと何か約束をしていただろうか?」


    記憶に全くないので、首をかしげる。
    記憶力は良い方だと自負しているが、彼らの言わんとしていることは皆目見当がつかない。


    不審な顔をする私に向かって、ハンジは信じられない、という表情をあからさまに示して、言った。


    「今日はあなたの誕生日じゃないか、団長さま?お誕生日おめでとう、エルヴィン」


    「忙しすぎててめぇの誕生日なんざ気にも止めちゃいないだろうとは思っていたが…おめでとう、エルヴィン」


    なるほど。
    言われるまでは確かに忘れていたし、重要視もしていなかったが、今日10月14日は私がこの世界に生を受けた日であった。

  13. 13 : : 2014/10/20(月) 21:19:00
    「これは…2ヶ所揃って今日はどうしたんだ?」


    自宅警備団に御用達の通販サイト二社からのメールにきづき、問いかける。
    とはいえ、これといって用事がない場合でもこの二社からメールが来ることは珍しいことではない。


    意味がありそうでなさそうなキャンペーンのお知らせがくることもあれば、逆もしかりだ。
    何気ない触れ込みでレアグッズの情報をもってきたりする。


    節操がないと言われることもあるが、一般向けの品からマニアックなものまで幅広く網羅するため、私の愛用するサイト達ではある。


    「ご自分への投資キャンペーン!ネット英会話、いまなら初月無料」


    「男磨きスペシャルプライス!メンズエステ1000円にて!」


    メールのタイトルに首をかしげる。


    「はて?今回は何のキャンペーンだというのか?」


    記憶力は良い方だと自負しているが、コンセプトとしている事柄に皆目見当がつかない。


    不審な顔でメールを開く私の目に、あからさまなセールストークが飛び込んできた。


    「お誕生日おめでとうございます!本日バースデー特典にて、今回限りのキャンペーンのお知らせです!」


    「男盛りのお誕生日おめでとうございます!特別価格にて、貴方の魅力をより一層際立たせるお手伝いを致します!」


    なるほど。
    言われるまでは確かに忘れていたし、重要視もしていなかったが、今日10月14日は私がこの世界に生を受けた日であった。
  14. 14 : : 2014/10/20(月) 22:14:21
    「まったくもう!忙しいとはいえ、自分の誕生日くらい忘れるんじゃないよ…その様子だと、なんの予定も入れてないんだろ?」


    ハンジが呆れたまま話し続ける。


    「なんの予定もないとは聞き捨てならないな…休みをとる暇などないほど予定は詰まっているぞ」


    穏やかさを保ったまま返答する。実際、自室に持ち帰っても処理しきれない決済案件はキャビネットに収まりきらないほどだし、当のハンジが企画している巨人にまつわる実験の企画書・計画書に目を通すだけでも大した仕事量だ。


    「どうせ仕事の予定しか入っちゃいないだろ」


    リヴァイが冷たく言い放つ。
    リヴァイのやつ…自分だって似たようなものだろうに。


    「そんなエルヴィンに必要なものは癒しとゆとりだよ!はい、プレゼント!!」


    ハンジはそう言うと、上品な紫色と薄いピンクのトルコ桔梗の花束と、リボンをかけたワインボトルを私に押しつけた。


    「…ありがとう、ハンジ…花は女性の方が似合いそうだが…可憐だがシックな色合いで癒されるよ」


    「花で心がなごむのは女性だけじゃないんだよ…でさぁ、それを巨人でも実験したいと思わない!?」


    プレゼントの花束の礼を言うと、すかさずハンジは自らの新たな実験構想について語り始めた。
    まずいな…ハンジの変なスイッチを押してしまったようだ…。

    「うるせぇ黙れ、クソメガネ。…エルヴィン、俺からはこれだ。この間骨董市で見つけた。うまく言えねぇが、お前に必要な気がした」


    ハンジの弾丸トークを一声で征したリヴァイが取り出したのは、年代を感じるがしっかりとした金属の装飾の枠に囲まれた古い鏡だった。


  15. 15 : : 2014/10/20(月) 23:26:03
    ピンポーン♪

    インターホンの音に、しぶしぶながら自宅警備団執務ベッドから起きあがる。

    …注文した漫画雑誌の発売日は明後日のはずだが…

    インターホン越しに誰何する。


    「毎度こんにちはー!シロウサローゼ宅急便です!」


    どうやらいつもの配達員のようだ。見慣れた青年の顔に、自宅警備のために一瞬強めた緊張を緩める。
    完全に警戒を解いた訳ではないが、少しでも交流のある生身の人間は貴重だ。


    「お届け物二点です。サインか印鑑お願いします」


    この宅急便の青年は、自宅警備に勤しむ私の職務を知ってか知らずか、生活を詮索するような言葉を発したことはなく、無駄口を叩かずに黙々と職務を遂行する。


    「…二点…?差出人は?」


    送り主を問う。最近では、注文していないものを送り付けては高額な支払いを要求する悪質な詐欺行為も横行しているときく。

    自宅警備団としては、おめおめとそうした犯罪に巻き込まれるわけにはいかない。


    「えぇと…ハンジ・ゾエさんと…リヴァイ…さん、ですね」


    青年は嫌な顔ひとつせずに、差出人欄を確認する。


    差出人は、かつての部下であった。

  16. 16 : : 2014/10/20(月) 23:43:41
    自宅警備団団長に就任する前のかつての部下…

    懐かしい名前に、配達人から荷物を受け取り、サインする。
    配達人を見送り、自室に戻り荷を確認する。


    ハンジからは、「お誕生日おめでとう!」のメッセージが添えられた2脚のワイングラスのセット。


    自宅警備団団長の私には、1脚で充分なのだが…。
    自分自身忘れていた誕生日だけでなく、ワイン好きな私の趣味を覚えていてくれたことに驚く。


    今は生憎ワインのストックは切らしているのだが…。
    近いうちにワインを注文しなければ、とグラスを眺める。
    シンプルな曲線が美しいワイングラス。


    賑やかな眼鏡姿の奇行種と呼ばれた部下の顔を思い出す。


    ありがとう、ハンジ…。


    そして、もう一人のかつての部下からの荷をほどく。

    そこには、年代を感じるがしっかりとした金属の装飾の枠に囲まれた、古い鏡が鈍く光っていた。

    「誕生日の今、お前に必要な物を贈る」

    相変わらず素っ気なささえ感じる短いメッセージが添えられていた。
  17. 17 : : 2014/10/21(火) 00:54:29
    思いがけずハンジとリヴァイに誕生日を祝ってもらった私は、多忙な分隊長と兵士長に深い感謝を述べてから慇懃に調査兵団団長執務室から二人を送り出した。


    ハンジからもらった花束は、大きめのコップを花瓶がわりにして執務机に飾った。
    ワインは、とりあえず来客用テーブル脇の飾り棚に置く。
    上等の赤ワインだ。冷やしすぎも良くないだろう。
    夜にでも自室に持ち帰ろう…などと考えつつ、眺める。


    リヴァイからの重厚な鏡は、設置に時間が少し必要そうだったので、午前は包みのまま壁に立て掛けていた。
    午後のティータイムにようやく時間がとれたので、執務室の扉近くの壁に設置した。

    来客時には身だしなみを確かめてから応対するのが望ましい。
    いつも几帳面に身なりを整えているリヴァイのことだ、満足な姿見もない団長室に対する気遣いの表れなのだろう。

    …にしても、彼にしては妙に歯切れの悪い物言いではあったが…


    設置した鏡を見る。
    大きさとしては、半身まで映る程度といったところか。

    鏡を縁取る額装が見事で見入ってしまう。
    草花のつるや花の可憐さ、鳥達のさえずりさえ聞こえてきそうな緻密な細工。

    そんな額装の上辺に、うっすらと消え入りそうに文字が並んでいることに気づいた。

    『The Mirror of Erised』


    「…みぞの…鏡…?」
  18. 18 : : 2014/10/21(火) 21:48:25
    思いがけないかつての部下からの誕生日プレゼントを受け取り、感慨に浸る。
    彼らには感謝してもしきれない。


    ハンジからもらったワイングラスは、すぐに洗浄して飾り棚に置く。
    巨人の捕獲作戦や実験に、異様なまでの熱意で取り組んでいた姿を思いだしながら、眺める。


    リヴァイからの重厚な鏡は、自宅警備団の執務部屋には不釣り合いなほど立派なものだった。
    ろくな姿見も置いていない部屋の入り口近くの壁に設置する。


    「誕生日の今、必要なもの…か」


    リヴァイからのメッセージの意図を汲み取ろうと頭を巡らせる。
    たしかに、もうしばらく鏡など覗いていない。
    自宅警備団にとって、身だしなみは些末な事柄であるから、気にもかけなくなっていた。


    かつての私からは想像もつかないほど、身なりに関して頓着しなくなっていることに気づいた。


    「なるほど…そういう…ことか…?」


    自問する。
    自宅警備団の職務を初めてから、随分独り言が増えた。
    応えるものなどいないから、発する言葉は全て独り言になる。


    潔癖なリヴァイの眉間のしわを思い出しながら、設置した鏡を遠巻きに眺める。

    大きさは、半身が映る程度といったところか。

    鏡を縁取る額装が見事で、見入ってしまう。
    草花のつるや花の可憐さ、鳥達のさえずりさえ聞こえてきそうな緻密な細工。

    そんな額装の上辺に、うっすらと消え入りそうに文字が並んでいることに気づいた。


    『The Mirror of Erised 』


    「…みぞの…鏡…?」


    私はもっとよく見ようと鏡に近づいた。
  19. 19 : : 2014/10/21(火) 23:05:32
    みぞの鏡。
    アナグラムの表記を解析すると、『The Mirror of Desire』~望みの鏡。


    人々の心の奥底に潜む願望を映し出すといわれる伝説の鏡だ。
    小さな子供がわくわくと心踊らせる魔術や魔法の物語の道具。


    この重厚な鏡は、そうした魔法の世界に憧れを抱く子供達に夢を与えるために名付けられた鏡なのだろうか。


    薄く削れていて今にも消えてしまいそうな文字をなぞりたい衝動に駆られ、鏡へと近づく。


    新しい鏡と違い、古い鏡は少しくすんだようにゆっくりと私の姿を映し出す。


    鏡に映る私は―
  20. 20 : : 2014/10/21(火) 23:20:17
    鏡に映る己の姿に、驚きのあまり声を出すことも、身動きすることも出来なかった。


    鏡に映るのは、調査兵団団長執務室で兵服を一分の隙もなく着こなして金の髪をきっちりと撫で付けている私…ではなく…


    だらしなくついた寝癖もそのままに、くたびれたスウェットに無精髭、眼光だけは異様に鋭い中年男の姿だった…。


    驚いて声も出ないのは私だけではなく、鏡の向こうの金髪の中年男も同じようで、お互いを見つめたまま、開いた口が塞がらなかった。


    「だ、誰だ!貴様…!!」


    ようやく発した声は、いつだって沈着冷静・大胆不敵な私の声とは思えないほどに上ずっていた。


    「き…貴様こそ何者だ!?」


    鏡の向こうの声にも、同様の色が強く表れていた。


    「…私は調査兵団団長、エルヴィン・スミスだ」


    一瞬の間が空き、返ってきた言葉は…

    「私は自宅警備団団長、エルヴィン・スミスだ…」


    「「!?」」


    謎が謎を呼ぶとは良く言ったもので、二人のエルヴィンは深い深い謎の渦中に嵌まっていった。
  21. 21 : : 2014/10/21(火) 23:40:51
    「お互いエルヴィンだということだけはわかったな」

    「鏡に映る自分ではない自分と対話することになる日が来ようとは…巨人が絶滅するよりも驚くことが起こるとはな…」

    二人のエルヴィンは姿こそ違うが、ソフトな口調に皮肉が混じる話し方は全く同じだった。


    「みぞの鏡、か…」

    二人のエルヴィンは、同時に顎に手を置き、同時に同じ方向に首をかしげる。まさに鏡写しの仕草であった。


    「みぞの鏡の言い伝えが本当だとすると…鏡に映る目の前のお互いが、心の奥底に潜む願望ということ…なのか…?」


    調査兵団団長と自宅警備団団長は、共に精悍な顔つきに鋭い眼光で、じっと互いを見つめる。


    そして、ふっ、と自嘲の笑みを洩らしたのも同時だった。


    「この私が、自宅警備団…?」

    「今さら、調査兵団…?」


    「「なんだと!?」」


    お互いの言葉に怒りを露にしたのも、やはり同時だった。
  22. 22 : : 2014/10/22(水) 01:23:07
    「自由の翼の名の元に、自分の自由な時間の一切を奪われているお前が、自由を謳歌している私を羨む気持ちはわからなくはないぞ、調査兵団のエルヴィンよ」


    「自宅警備と言えばパッと聞き社会人のようだが、言ってしまえば引きこもりのニートだろう?私のように沢山の部下を持ち責任ある立場に憧れるのは当然だと思うよ、自宅警備団のエルヴィン…というか、ニートヴィンよ」


    涼しい顔でお互いに上から目線の舌戦を展開する。


    「誰がニートヴィンだ。お前のなかの職業的偏見、差別思考が明らかになったじゃないか、エリート気取りのエリートヴィンが」


    「気取りではないぞ。実際エリートと言っても過言ではないだろう…もっとも、まともな神経のエリートなら、調査兵団などという酔狂な組織を選んだりしないだろうがな」


    「その酔狂な組織で仕事を恋人に命をすり減らすことに疲れているのにも気がついていないのだろう?気の毒なやつめ」


    「ほう…気の毒、だと…?」


    調査兵団団長のエルヴィンが、ひきつった笑顔で自宅警備団団長の言葉に反応した。
  23. 23 : : 2014/10/22(水) 01:38:16
    「あぁ、気の毒だとも。お前も自分の自由な時間に、好きなだけ好きなことをする私のような生活がしたいのだろう?」


    「いや、違う…私は…」


    「人類のため、壁内の平和のため、領地奪還のため…本当はもうそんなもの全て放り出して自分自身のために、自分の快楽のために命を使いたいのだろう?」


    「そんなことはない、私は…」


    「毎日毎日、戦う相手は巨人ばかりではない。
    兵団内部で起こるトラブルの数々。
    全兵団合同会議での決定事項、貴族院の意向、市民感情…

    そんな雑多な業務全てが…どんなに休日をも費やして作戦や企画や根回しをしても終わりが見えない業務の行く末に…

    そして、この壁の中心にいる連中が、己が保身しか頭にない空っぽな連中だということに、絶望すら感じているのだろう?」


    滔々と弁舌を奮う自宅警備団団長に、調査兵団団長は少しばかり押されぎみだ。


    「…お前に…自宅警備しかしていないお前に何がわかると言うんだ、ニートヴィン?お前には何が…見えていると言うんだ…?」


    毒気が抜け、少々しおらしささえ感じられる調査兵団団長は、項垂れて自宅警備団団長に問うた。

    自宅警備団団長は、真っ直ぐな眉を小さく歪めると、哀しみと皮肉があいまった曖昧な笑みを浮かべて肩をすくめた。


    「私は元調査兵団団長でもあるのだ、現職の調査兵団団長よ」
  24. 24 : : 2014/10/24(金) 00:11:57
    元調査兵団団長であったことを明かした自宅警備団団長は、目の前の調査兵団団長に向け言葉を続ける。


    「今お前がいるその執務室は、かつての私の執務室でもある。
    その兵服も、洒落っ気を出して着けていたボウタイも、皆懐かしいものだ」


    瞳と同じ緑のタイピンとボウタイをを身につけた現職の調査兵団団長は、鏡に映る無精髭の男の話に静かに耳を傾けている。

    元調査兵団団長は、鏡に向かい話続けた。


    「私も今のお前のように、昼も夜もなく人類のため、皆のためにと休む間もなくがむしゃらに働いた。

    人類の未来のためにと、たくさんの部下を巨人の腹の中に送り込んだ。
    私の命令で、失われた命を思うと、休むわけにはいかない、進み続けなければならない。

    そう思っていた」


    そこまで話すと、元調査兵団団長は相手の反応を伺うように沈黙した。

    現調査兵団団長のエルヴィン・スミスは、沈黙に呼応して口を開く。


    「…たしかに私も、私に命を預けて散っていった仲間達に報いるためにも、前進し続けなければならないとは思っている。
    それはこれからも変わらないだろう」


    調査兵団団長は、自宅警備団団長をまっすぐに見つめ、己が主張を堂々と述べた。
    その瞳には、強靭な意思の光が宿っていた。

    自宅警備団団長は、調査兵団のエルヴィンの返答に苦笑いを浮かべる。


    「私だってそのつもりだったさ。
    だがな、己を蔑ろにした生活は続かないものだ。

    自らの使命と信じていたものが揺らげば尚更な…」


    自宅警備団のエルヴィンの瞳は、遠くを見ていた。
  25. 25 : : 2014/10/24(金) 00:30:08
    「私は今のお前と同じ。
    人類のため、壁内の平和のため、領地奪還のため…そう考えて、身を粉にして働いた。

    巨人ばかりではない兵団内外の運営や、王や貴族への謁見や兵法会議での討論、市民へのイメージアップと対巨人についての意識改革。

    慇懃にゴリ押しするのは得意分野でもあったからな。必要とあらば多少手荒い方法を使ったこともある。

    だが、壁の中心にいる連中の本質は…奴等が守りたいのは自分の財産や特権、自分達だけの安全だと気がついてしまった。


    終わりの見えない巨人との闘い、壁内の腐った王政に、私はほとほと愛想が尽きた。

    しかし、私は私に命を預けて散っていった仲間達の期待に応えるべく、前に進まなければならなかった。

    …本当はもう全て放り出して、自分自身だけのために、自分の快楽のために命を使いたいと思っていたのに」


    自宅警備団団長は、自らの過去を振り返り、語り続けた。
  26. 26 : : 2014/10/24(金) 00:44:41
    「…私の異変に気づいたのは、私自身ではなく、最も近しいと信頼を寄せていた部下達だった。

    初めは決済書類のチェックミスが増えた程度だった。

    報告書を受けて次の業務命令に関する判断ミス、計画ミス…あげく、立体機動訓練でのデモンストレーション中の軽い事故…

    一つ一つは大事に至るミスではなかったのが幸いではあるが、既に集中力を欠いていたのは明らかだ。

    それでも私は、ミスは自分が至らないせいだと…もっと素早く正確に業務をするためには、休んでなどはいられない、眠ってなどはいられないと思うようになっていた。

    そのころだよ、リヴァイとハンジが私の変化に気づいて、共謀して無理矢理医者に連れていったのは…」


    自宅警備団団長の過去について話を聞いている調査兵団団長エルヴィン・スミスは、話を聞きながら自身の過去を振り返っていた
  27. 27 : : 2014/10/25(土) 22:17:12
    「たしかに私も、迫り来る巨人の脅威に対していかに多くの民の安全を確保するかなどの対策よりも、己が保身ばかりの中央の連中に愕然としたことがあった。

    私は何のために戦うのか、何のために日常のデスクワークやロビー活動を行うのかと悩んだこともある。

    お前の言う通り、私は何のために巨人に対峙してきたのか、何のために部下を死地に送り込んだのか…そう考えるといたたまれないが、前に進むより他にない。

    よく、わかるぞ」


    調査兵団団長の言葉に、自宅警備団団長は頷いた。
    そして、全てを見透かしたような澄みきった瞳で鏡に映る相手をまっすぐに見つめ、一呼吸の後に宣言した。


    「そうだとも。私はお前。そして、お前は私だからな…」


    自宅警備団団長の言葉に、調査兵団団長は少しだけ眉をひそめる。
    その様子を気に止める素振りは見せずに、自宅警備団団長は調査兵団団長に向けて、更に話を続ける。


    「連れていかれた医者からは、休養が必要だと言い渡された。

    …そうだとも、私は自ら進んで自宅警備団団長に就任したわけではない。

    調査兵団団長を続けることを許されなくなったのだ…」


    自宅警備団団長は、自嘲の笑みを浮かべた。






  28. 28 : : 2014/10/25(土) 22:34:38
    「…そんな憐れみの顔で私を見る必要はない、調査兵団のエルヴィンよ。

    自宅警備団になって初めてわかったのだ。

    私は私を蔑ろにしすぎていたことに」


    鏡に映るよれたスウェット姿の自宅警備団団長に、なんと言葉をかけるべきかと一瞬躊躇した調査兵団団長の表情を自宅警備団団長は見逃さなかった。


    「寝ても覚めても仕事仕事の今のお前にはわかるまい。
    私にだってわからなかった。

    実務に支障をきたすほど、身体も心も疲れきっていたのに、それを認める事すら出来なくなっていた。
    今のお前のようにな」



    自宅警備団団長は訥々と語ったが、しかし調査兵団団長は、その指摘には反論の意をもって応えた。



    「だが、私は実務に支障をきたしてなどいないし、調査兵団団長の席を追われてもいない。

    認めたくないのはお前の方だ、元調査兵団団長のエルヴィン。

    私とお前は、似て非なるもの。同じではない。
    お前には酷な話に聞こえるかもしれんがな」


    調査兵団団長が鏡を見つめる視線は、冷徹かつ非情な色を帯びていた。
  29. 29 : : 2014/10/25(土) 23:07:28
    「いいや、どんなに否定しても、お前は私だ、調査兵団団長のエリート気取りのエルヴィンよ」


    「ほう…なんの根拠があってお前と私が同じだと主張するのだ、ニートヴィンよ」


    鏡に対峙する二人の言葉に険悪な雰囲気が漂う。
    しかし、次に無精髭の金髪が発した言葉には、自嘲の色こそ含まれているものの、挑発は含まれていなかった。


    「みぞの鏡が私たちにお互いを映し出して見せているのが何よりの証拠だ、エルヴィン・スミス。

    私達は、お互いを心の奥底で必要としているのだ」


    自由の翼のエンブレムのついた兵服をきっちりと着こなしたエルヴィン・スミスは言葉を失った。



    「リヴァイめ…みぞの鏡など寄越して何かと思えば…。
    自宅警備団として平和に暮らしていた私に、調査兵団団長時代を思い出させるとはな…」


    ぼさぼさ頭のエルヴィンは、苦笑し、言葉を失ったエルヴィンに向けて言った。


    「人生の夏休みもいい加減に終わりにしろ、ということか。

    良いだろう…私は認めよう、調査兵団団長エルヴィン・スミスよ。

    私はお前の今の立場が羨ましい。
    だから、お前も認めるんだ、エルヴィン。
    自由な時間のある私が羨ましいと。

    さもないと、お前も私と同じ、強制退場しなければならない日が近いうちにやって来るぞ」


    その言葉には、否と言わせぬ強さがあった。
  30. 30 : : 2014/10/25(土) 23:37:09
    「みぞの…鏡…。そうだ、リヴァイはなぜ私にこれを…」

    調査兵団団長は、自宅警備団団長の論旨を検証するつぶやきを発した。


    「自宅警備団にすっかり馴染んで飼い猫のような生活をしている私には、背中の翼を忘れたのかという警鐘だろうが…お前には…。
    …お前には、どうだろうな…」


    自宅警備団団長は、調査兵団団長のつぶやきに疑問で応じた。


    「調査兵団のエルヴィンよ、私は思い出した。幼い日を。

    教室での無垢な疑問と、その疑問に自宅でそっとヒントをくれた父の言葉を。

    その記憶は、幼さだけで片付けるにはあまりにも軽率で浅はかな自らの行動と、それによってもたらされた父の死という、辛く苦しい思い出につながるのだが…もう1つ、大切なものにもつながっていることを。

    父の言葉の向こうに広がった、大切なもの…それは、私の生きる意味、行動の原動力となるもの、子供の頃からの夢だ。

    幼い日に抱いた夢…それは…この世界の秘密を解明し、広い世界へと羽ばたくことだ」


    自宅警備団団長の瞳は、少年の日の輝きを取り戻していた。

  31. 31 : : 2014/10/26(日) 00:15:02
    「そうだ…私には、夢がある…!」

    調査兵団団長も、自宅警備団団長に同調し、瞳の輝きを強くした。


    「日々の職務に追われ、向かってくるあらゆる問題に挑み続ける毎日を過ごすうちに忘れかけていた…。

    たしかに、私にはお前と同じ、幼い日の罪深い父への記憶と共に、あの日の疑問に端を発した夢があった…。

    その夢さえ思い出せないほど、私は日々の忙しさに流され、心が亡くなりかけていた…文字通り忙殺されていた…」


    調査兵団団長の独白は続く。


    「リヴァイが私にみぞの鏡をくれた理由…それは…。

    ただ闇雲に突き進むのではなく、自らの原点を思い出せ、それを可能にするのに必要な休養をとれ、ということ…か…」


    調査兵団団長は誰にともなく頷くと、正面に映る姿の違う自分を見据えて、言った。


    「私も認めよう、自宅警備団団長エルヴィン・スミス。

    私は、お前だ。

    お前が私を羨むのと同じように、私もお前のように自分の好きなことを好きなようにできる時間と身体と心の余裕が羨ましい。

    私には、もう少し自分自身をいたわり癒すための時間が必要だ」


    この瞬間、二人の団長は、ようやく互いが己であることを認めあった。

    そして、和解の証に互いに鏡越しに触れようと手を近づけると…

    ぐにゃり

    やわらかなゼリーがまとわりつくような感触と共に、触れた部分の鏡が波紋のように歪み、内部の空間に手を吸い込んだ。


    「「!?」」


    二人のエルヴィンは、互いの手のひらが直に触れる感触に驚いた。





  32. 32 : : 2014/10/26(日) 00:59:12
    「驚いたな…」

    「まさか、鏡の中の自分に触れることができるとは…」

    「変な感じ」

    「まさに」 


    鏡に吸い込まれた手の先端は視覚では確認できない。水面に手を入れるように、鏡面に手を差し入れている。


    「…どうも、鏡の中だけ空間がつながっているようだな」

    「そうだな…では…」


    調査兵団団長は、1度鏡から手を引き抜くと、反対側の手を再び入れた。


    「どうせなら、握手をしようじゃないか」

    「あぁ。お互いの今後の人生が充実したものであることを祈って!!」


    鏡越しに存在する二人の団長は、鏡の中で固い握手を交わした。


    「君に敬意を。そして、出会えた奇跡とそのきっかけをくれたリヴァイに感謝を」


    「まったく同感だ…ところで、ハンジからは何を贈られた?」


    自宅警備団団長は、もう一人の部下からの贈り物を思い出して問いかける。

    「ハンジからは…私には癒しが必要だと言って、花束と…」


    「そうか、花か…私の考えすぎだったか」


    「いや、花だけでなく、高級ワインも貰ったぞ…?」


    調査兵団団長の返答に、自宅警備団団長は目を丸くした。

    「うちには、ワイングラスが2脚届いた…」


    その言葉に、二人のエルヴィンは目を丸くしたまま見つめ合い…

    同時に、にやっと悪戯っ子の笑みがこぼれた。

  33. 33 : : 2014/10/26(日) 02:04:32
    「「カンパーイ!!!」」

    水面の広がる波紋のように波立つ鏡の中でワイングラスを渡し、ワインボトルをやり取りして、互いのグラスに赤い液体を注ぎ、見えない鏡の中で手探りでワイングラスを傾け、チン、と小さな祝福の音を鳴らした。

    鏡に向かい椅子を用意し、鏡からグラスを持った手を引き抜くと、お互いに顔の高さまでグラスを掲げて再び合図をする。
    ワイングラスを軽く回してワインを燻らせ、香りを楽しんだ後で、口元に運ぶ。
    特に意識はしていなくとも、一連の動作はやはり同時で鏡会わせに行われた。


    「それにしても…リヴァイにしてもハンジにしても、なぜこんなにも気のきいたプレゼントができるのだろうな」

    「意図して用意した結果がコレだとすると、私は彼らの能力についてまだまだ何もわかってなどいなかった、ということになるな…」

    「予知能力でもないと、こう上手く分担はできないだろう?次元を越えて自分に出会う鏡と、その相手と祝杯を挙げる物がそろうなんて…」

    二口目を口に運びながら、プレゼントの贈り主たちについて語る。
    上質の葡萄酒のせいか、そもそもが自分自身のせいか、二人のエルヴィンはすっかり打ち解けてくつろいでいる。

    「いや、これは予知能力というか…そういう運命というか」

    「星回りというか?」

    「ああ、そうだな。リヴァイは必要以上のことをベラベラと話すタイプではないからハッキリしないが…『何となく必要な気がして』と言っていたしな」

    「私には『お前に必要な物だ』と断定で来ていたぞ」


    「そこは生活態度の差だろう」


    「羨ましいくせに」


    「ああ、羨ましいな!私だって昼まで寝ていたい!日の高いうちから飲んだくれたいさ!」


    自身の内側の欲求に気づき認めた調査兵団団長は、悪びれることなく願望を口にした。
    既にグラスは空になっていた。

    「今飲んだくれてるじゃないか」

    苦笑いをして、こちらも杯の空いた自宅警備団団長は、鏡に向かい2杯目を要求した。


    「いつもならあり得ないことだが、今日は特別にこの時間から酔うことを自分に許可する!」


    「仕事は大丈夫か?」


    「自由気ままな自宅警備団が、ずいぶん気にしてくれるじゃないか?」


    「自宅警備団は、自宅警備団以外の社会生活を脅かすことを潔しとしないからな」


    話ながら、グラスを傾ける。


    「…本当に、いいワインだ。旨い。…今日はなぜか、この時間以降のアポが入っていないんだ。そんなこと、滅多にないのだが…」


    「それも、『運命』か」


    「わからないな…。
    だが、そう思って流れに身を任せることも時に必要なのだろう。

    こちらのハンジが私を癒すために花とワインが必要だと思ってプレゼントしてくれた日に、出会えたもう一人の自分はワイングラスを贈られていたんだ。

    飲む以外の選択肢はないだろう?」


    薄く笑いながら、さらに葡萄酒を口に運ぶ。
    芳醇な味わいと香が身体中に広がり、身体も心も解放される感覚。


    「私も、そろそろ調査兵団に戻るときが来たようだと思ったよ…」

    自宅警備団団長も、饒舌になっている。

    「もう充分自由でおおらかな生活を満喫した…。
    すぐに元通り、とは行かないだろうが、受け入れられるなら一兵士からでも、また前線に復帰しよう。

    お前のおかげで、幼い頃からの夢を思い出せたからな。
    夢に向かって、時に流れに逆らい、時に身を任せながら、前進すればいい。
    そう思ったよ…君に、心から感謝と敬意を」


    「私のほうこそ、失礼なことを言ってしまっていた…自分自身がいっぱいいっぱいになっていたことにすら気づいていなかった…。

    週末は、休みをとるよ。見習って、ゴロゴロダラダラと過ごしてみよう。

    君と私と、両方のエルヴィン・スミスの夢が叶うよう、双方の未来が明るいものであることを祈ってやまないよ


    二人は空いたグラスに三度目のワインを注ぐと、もう一度、鏡の中で乾杯をした。
  34. 34 : : 2014/10/26(日) 03:12:45

    ――――――
    ―――――
    ―――

    「…い…ヴィ…」


    (ん…?何?…もう少し…今いい気持ちなんだ…このままもう少しだけ…)


    「…おい、そんなとこで寝こけてないでてめぇの部屋に戻って寝ろ、エルヴィン!」

    身を揺すられて心地のよい眠りから引き戻される。
    目の前には、寝覚めにピッタリ…とはお世辞にも言えない険悪な表情のリヴァイが立っていた。

    「…やぁ、リヴァイ。…私は眠ってしまっていたのか…。起こしてくれてありがとう」


    どうやら執務室のソファで横になり、そのまま眠ってしまっていたようだった。


    「どこで寝ようが俺の知ったことじゃねえが、ワイン一本開けたくらいで酔いつぶれるようなタマじゃないだろ、お前…エルヴィンよ」

    「あぁ…そうか、私はここで彼と杯を交わしてそのまま…」


    元からシワの寄っているリヴァイの眉間のシワが、訝しげに深さを増す。


    「誰と飲んでたかは知らねぇし、この部屋にはワイングラスなどもともと置いていないはずだが…まあ、別に詮索するつもりはねぇ。

    俺が言いたいのは、酒には弱くないはずのお前がワインボトル1本くらいで寝ちまうくらい疲れてんだろうが、てことだ。

    休息するのも体調管理のうちだろうが?団長さんよ」


    表情と口調は極悪だが、純粋に私を心配してくれているのだと伝わってくる。

    「ああ…すまない…。自室に戻って休むよ」

    私がちゃんと起き上がるまで見届けるつもりなのか、リヴァイは腕組みをして仁王立ちで見下ろしたまま動かない。

    苦笑しながら、彼からのプレゼントについて話をしようと鏡のほうに視線を向ける。


    「リヴァイ、プレゼントをありがとう。たしかに、私に必要な鏡だった…」


    続きを話そうとしていた口の動きを止める。

    壁にかかっている鏡は、古い鏡ではあったが、あの今にも動き出さしそうな緻密な額装ではなく、シンプルな金縁で、もちろんあの消え入りそうな文字など何処にも書いてはいなかった。

    「…鏡が…変わった…?」

    驚きのあまり、心の声が漏れ出した。

    「いや、俺が贈ったのはこの鏡で間違いないが…。エルヴィン、まだ酒が残ってるんじゃねぇか?いいからさっさと部屋に戻って寝ろよ」


    リヴァイの眉間のシワがさらに深くなった。

    そんな…?
    みぞの鏡も、自宅警備団の私も、全部夢だった…のか?


    首をかしげながらも、自室に戻るべく体を起こす。

    全て夢だったのかもしれない。
    それだけ疲れていた自分が自分に見せた幻だったのかもしれないな…。

    そう思い直して立ち上がり、自室に向けて部屋を後にしようと先導するリヴァイの後について、明かりを消そうと振り返った時―

    テーブルに乗った空のワインボトルの下に、見慣れないワイングラスが1つ、落ちているのが目に入った。

    拾い上げると、そのワイングラスは紛れもなく、鏡の中の自分から渡されたワイングラスで、赤ワインの色と香が付着していた。


    「おい、何してる。早くしろ」

    苛立つリヴァイに急かされながらも、頬が緩むのを抑えられなかった。


    「リヴァイ、鏡をありがとう」


    「なんだ?何度もしつこいな…執務室に鏡がないと不便だから贈っただけだ。気に入ったならそれでいい」


    「ああ、とてもいい鏡だったよ」


    「過去形にするなよ。ちゃんと使えよ?」



    みぞの鏡は、必要な時に必要な人にだけ現れるのだろう。運命に導かれて。



    自宅警備団の私も、きっとまた歩き始めることだろう。


    彼は私で、私は彼で、エルヴィン・スミスは同じ夢に向かって。






  35. 35 : : 2014/10/26(日) 03:13:26
    【完】
  36. 36 : : 2014/10/26(日) 03:23:49
    あとがき

    エルヴィンお誕生日記念ということで、エルヴィン二人にご登場いただきました…が、タイトルからギャグを期待してくださったかた、ご期待に添えずごめんなさいでした。

    原作エルヴィンは、バイタリティーも発想力も行動力も、まさに超人でパーフェクトな団長ですが、公式ガイドブックで原作者様が自宅警備団エルヴィンのお遊びイラストをかいてらしたのを見て、
    自宅警備団エルヴィンの方が人間ぽくて、なんか共感してしまったのです。

    いくらパーフェクトで目標持ったエリートでも、疲れちゃうことあるよな、って。


    息詰まる展開の原作ですが、うまく息抜きしながら生き延びて夢を叶えてね、って思いを込めて書きました。

    うまく伝わりましたら幸いです。




    執筆終了に伴い、コメント制限を解除いたします。

    ご感想いただけますとさいわいです。
  37. 37 : : 2014/10/26(日) 10:40:18
    執筆お疲れさまです。

    ニートヴィンの自堕落すぎる生活に爆笑しながら読んでいたら、彼がニートになってしまった悲しくもリアルな事情に胸がズキッとしました。

    てっきりニートヴィンは元々だらしなくて、根性もなく、ぶらぶらしてる人だと思ってたので…。

    そして、リヴァイとハンジのさりげない優しさにキュンとしました。

    素敵な作品ありがとうございました。
  38. 38 : : 2014/10/26(日) 11:59:25
    >>37
    ありゃりゃぎさん

    いつも読んでいただいて、コメントもありがとうございます。
    ニートヴィンの自堕落な生活に憧れる私です(笑)

    引きこもりになる事情って、さまざまあると思うので、単なる根性なし、では片付けたくないこだわり症が発症してしまいました。
    腐っても(意味深…ではないはず笑)エルヴィンですし。


    個性的で好き勝ってやってるようで、仲間に対するさりげない気遣いをする大人組が好物です♪


    なんだかんだいっても部下たちから愛されてて、苦悩しながらも前に進み続けるエルヴィンが書きたかったんですよね~(笑)

    最後までお読みいただき、ありがとうございました!
  39. 39 : : 2014/10/26(日) 17:37:18
    執筆お疲れ様でした!

    タイトルを見たときギャグだと思っていましたが、まさかエルヴィンの深層心理のお話とは……さすがです。
    確かにエルヴィンお疲れですよね。原作でも満身創痍ですし(のわりに策士でいいとこ取りしてるもしないでもない)。

    面白いお話ありがとうごさいました。次回作も期待してます!
  40. 40 : : 2014/10/26(日) 19:45:34
    >>39
    キミドリさん

    いつもありがとうございます!
    深層心理!それだ!(←うまい言葉が出てこなかったんです笑)

    原作エルヴィンは策士でいいとこ取りなので、きっとつまづいたりはしないのでしょうが(笑)

    ずっと走り続けるなんてできないよ、人間だもの(みつを)という、エルヴィンに象徴される全ての頑張りやさんへのメッセージです(偉そう?)


  41. 41 : : 2014/10/26(日) 23:07:02
    執筆、お疲れ様でした。

    毎年この時期になると、“あ~…冬眠した~い…”と思っとる数珠繋ぎに、とても活を入れていただけたお話でした。

    エルヴィン…そうですね、原作でも、休息してもらいたいですね。他のキャラも然り、ですが…。

    エルヴィンがごろごろぉ~してる横で数珠繋ぎも横に…いや、失礼(>_<)素敵なお話を、ありがとうございました。
  42. 42 : : 2014/10/27(月) 19:30:15
    >>41
    数珠繋ぎさんも、いつもコメント&お星さまありがとうございます♪

    私も冬眠したいヒト属です。
    しかし、おこたでミカンも捨てがたい…。

    ゴロゴロ~っとしてるエルヴィンの横で同じくゴロゴロ~っとしながら漫画読んで、貸し借りとかしたいですよね♪
    「読み終わったらそっち貸して~」
    みたいな(妄想)


  43. 43 : : 2014/11/04(火) 09:36:51


    執筆お疲れ様でした。
    自宅警備団、あの美丈夫のエルヴィンさんならスウェット越しにも色気が漂ってそうです…エリートヴィンより好みかも(笑)
    前半の言葉遊び的対比も大好物ですが、後半はリヴァイ達の優しさも含めてほっこりしました。
    一粒で二度美味しいグ○コのような作品、堪能させて頂きました。
    西遊記ではまた萌え倒されそう…期待しております( ´ ▽ ` )ノ

  44. 44 : : 2014/11/04(火) 20:14:11
    >>43
    月子さん

    読んでいただきありがとうございます~!
    ちょっとだらしないスウェットのエルヴィンもきっとイケメンに違いないです!
    なんたってエルヴィンですしおすし。

    悪態つきながら仲良しな大人組が好きなので、ほっこりしていただけて何よりです♪
    一粒300メートルで頑張りますね~!
  45. 45 : : 2020/10/06(火) 13:28:15
    高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
    http://www.ssnote.net/archives/80410

    恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
    http://www.ssnote.net/archives/86931

    害悪ユーザーカグラ
    http://www.ssnote.net/archives/78041

    害悪ユーザースルメ わたあめ
    http://www.ssnote.net/archives/78042

    害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル)
    http://www.ssnote.net/archives/80906

    害悪ユーザー提督、にゃる、墓場
    http://www.ssnote.net/archives/81672

    害悪ユーザー墓場、提督の別アカ
    http://www.ssnote.net/archives/81774

    害悪ユーザー筋力
    http://www.ssnote.net/archives/84057

    害悪ユーザースルメ、カグラ、提督謝罪
    http://www.ssnote.net/archives/85091

    害悪ユーザー空山
    http://www.ssnote.net/archives/81038

    【キャロル様教団】
    http://www.ssnote.net/archives/86972

    何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
    コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
    http://www.ssnote.net/archives/86986
  46. 46 : : 2020/10/27(火) 14:01:39
    http://www.ssnote.net/users/homo
    ↑害悪登録ユーザー・提督のアカウント⚠️

    http://www.ssnote.net/groups/2536/archives/8
    ↑⚠️神威団・恋中騒動⚠️
    ⚠️提督とみかぱん謝罪⚠️

    ⚠️害悪登録ユーザー提督・にゃる・墓場⚠️
    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️
    10 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:30:50 このユーザーのレスのみ表示する
    みかぱん氏に代わり私が謝罪させていただきます
    今回は誠にすみませんでした。


    13 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:59:46 このユーザーのレスのみ表示する
    >>12
    みかぱん氏がしくんだことに対しての謝罪でしたので
    現在みかぱん氏は謹慎中であり、代わりに謝罪をさせていただきました

    私自身の謝罪を忘れていました。すいません

    改めまして、今回は多大なるご迷惑をおかけし、誠にすみませんでした。
    今回の事に対し、カムイ団を解散したのも貴方への謝罪を含めてです
    あなたの心に深い傷を負わせてしまった事、本当にすみませんでした
    SS活動、頑張ってください。応援できるという立場ではございませんが、貴方のSSを陰ながら応援しています
    本当に今回はすみませんでした。




    ⚠️提督のサブ垢・墓場⚠️

    http://www.ssnote.net/users/taiyouakiyosi

    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️

    56 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:53:40 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ごめんなさい。


    58 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:54:10 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ずっとここ見てました。
    怖くて怖くてたまらないんです。


    61 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:55:00 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    今までにしたことは謝りますし、近々このサイトからも消える予定なんです。
    お願いです、やめてください。


    65 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:56:26 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    元はといえば私の責任なんです。
    お願いです、許してください


    67 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    アカウントは消します。サブ垢もです。
    もう金輪際このサイトには関わりませんし、貴方に対しても何もいたしません。
    どうかお許しください…


    68 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:42 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    これは嘘じゃないです。
    本当にお願いします…



    79 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:01:54 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ホントにやめてください…お願いします…


    85 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:04:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    それに関しては本当に申し訳ありません。
    若気の至りで、謎の万能感がそのころにはあったんです。
    お願いですから今回だけはお慈悲をください


    89 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:05:34 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    もう二度としませんから…
    お願いです、許してください…

    5 : 墓場 : 2018/12/02(日) 10:28:43 このユーザーのレスのみ表示する
    ストレス発散とは言え、他ユーザーを巻き込みストレス発散に利用したこと、それに加えて荒らしをしてしまったこと、皆様にご迷惑をおかけししたことを謝罪します。
    本当に申し訳ございませんでした。
    元はと言えば、私が方々に火種を撒き散らしたのが原因であり、自制の効かない状態であったのは否定できません。
    私としましては、今後このようなことがないようにアカウントを消し、そのままこのnoteを去ろうと思います。
    今までご迷惑をおかけした皆様、改めまして誠に申し訳ございませんでした。

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miyatama55

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