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ギャリー「あれから10年も経つのね…」

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  1. 1 : : 2014/10/09(木) 22:29:36
    ※マジでネタバレしかねぇ…



























    どうも!
    たけのこまんじゅうでございます!

    初のダンガンロンパ以外のssや…


    フリーホラーゲーム「Ib」のアフターストーリーです!





    もちろん、「再会の約束」のアフターです!



    色々落ち着いてから書きますので、しばしお待ちを…
  2. 2 : : 2014/10/09(木) 22:30:38
    期待
  3. 3 : : 2014/10/09(木) 22:50:01
    期待
  4. 4 : : 2014/10/09(木) 23:08:25
    >>2
    >>3
    ご期待ありがとうございます!





































    私の名前はイヴ

    今は大学に通っていて、沢山の友達に囲まれた幸せな生活を送っている


    今日から丁度10年前…

    忘れるわけがない

    忘れたくても忘れられない

    そんな出来事があった


    その時からこの日は、毎年ある人と会う約束をしている

    と言っても…会っているのはほぼ毎日なんだけど

































    〜カフェ〜



    「…まだかしら」


    呟きながら頼んでいたブラックコーヒーを口に含む

    今日は "あの日" だ

    だからあの子と会う約束をしている


    と言っても、別に何をするわけでもない

    強いて言うなら薔薇を3種類、一本ずつ買うだけ

    それ以外は普段と何も変わらない


    右腕に巻いた時計に目をやる


    「…」


    さすがに遅すぎる

    何か事故に巻き込まれたのだろうか?

    心配になってきた…




    …なんて考えていると遠くから声が聞こえてきた


    イヴ「ギャリーごめんね!
    レポートが間に合わなくて!」


    茶色のロングヘアを揺らしながらイヴが走ってくる

    トラブルで遅れたわけじゃなかったので安心した


    ギャリー「いや、いいのよいいのよ!
    大学も大変ね…」

    イヴ「中々大変だよ…
    まあ、充実はしてるんだけど」ニコッ

    ギャリー「充実しているのが1番だものね〜
    …あたしもイヴには楽しい人生を送ってもらいたいからさ」

    イヴ「もうギャリーったら保護者みたい!」

    ギャリー「ふふっ…」
  5. 5 : : 2014/10/10(金) 01:24:43

































    成績優秀

    容姿端麗

    誰からも慕われていて敵がいない


    それが今のイヴ


    ふと気がつけば少女が1人の女性となっていた

    大人になっていた


    自分はイヴの成長を心から楽しみにしている

    けれど、時間が経つにつれてイヴが遠くへ行くようで……























    イヴ「ただいま〜!」

    ママ「おかえりなさいイヴ
    …あら、ギャリーさんいらっしゃい」

    ギャリー「ご無沙汰してます」

    ママ「いつの間にかお互い歳とっちゃったわねぇ〜」

    ギャリー「時間の流れは残酷ですねぇ」

    イヴ「ほんとほんと…」

    ギャリー「あんたはまだ若いでしょうがっ」












    ママ「今日はパパも帰ってくるのが早いそうですし、どうする?
    お夕飯まで家に居てもいいわよ?」

    ギャリー「それはご迷惑じゃ…」

    イヴ「そうしよそうしよ!
    ね!?」

    ギャリー「もう…
    …ではお言葉に甘えて」

    イヴ「やったぁ!」ピョンピョン


    前言撤回
    やっぱりまだまだ子供だわ…


    ママ「本当イヴはギャリーさんのこと大好きよねぇ」ニヤニヤ

    イヴ「なっ!
    好きとかじゃないもん!/////」カァァァア

    ギャリー「ん?何の話してるの?」

    イヴ「ギャリーは聞かなくていいっ!////」ゲシッ

    ギャリー「理不尽な回し蹴り痛い!」
  6. 6 : : 2014/10/10(金) 17:56:03




















    ギャリー「と言ってもお夕飯まで何するの?」

    イヴ「考えてなかった」

    ギャリー「ですよねー」

    ママ「それなら2人とも!
    美術館に行ってらっしゃいよ!」

    ギャリー「え?」

    ママ「ほら、10年前の今頃にもあったじゃない!
    『ゲルテナ展』!」

    イヴ「え、今やってるの…?」

    ママ「えーっとぉ…
    …今日から1週間らしいわよ」

    イヴ「…」

    ギャリー「……どうする?
    行ってみる?」

    イヴ「………」

    ママ「あら?
    絵画は嫌いだったかしら?」

    イヴ「そ、そうじゃないの…」

    ギャリー「すみません、少し考えさせてください」

    ママ「あ、ええ…」
















    イヴ「…ギャリーは行きたい?」

    ギャリー「ろくなことなかったもの…
    正直行きたいとは思えない…」

    イヴ「私…行きたいんだ」

    ギャリー「え!?」

    イヴ「久しぶりにメアリーに会いたいの…」

    ギャリー「…展示されているかしら」

    イヴ「分らない…けど
    やっぱりメアリーには謝らないと」

    ギャリー「…そうよね
    私たちの勝手で燃やしちゃったものね…」

    イヴ「……ついてきてくれる?」

    ギャリー「当たり前じゃない」ニコッ
  7. 7 : : 2014/10/10(金) 17:56:44
    展開に期待こざいます
  8. 8 : : 2014/10/11(土) 07:25:37
    >>7
    スカイさんご期待ありがとうございます!



















































    〜美術館〜


    イヴ「わぁ…!」

    ギャリー「本当ゲルテナの作品は圧巻だわ…」

    イヴ「あ、ギャリー見て見て!
    この『無個性』に最初追われたんだよね…」

    ギャリー「ひたすらにドアを開けることを妨げられたわよね…」

    イヴ「それにしても『無個性』って赤、青、黄色なんだね」

    ギャリー「…あたしたちの色」

    イヴ「そうだね…」







    ギャリー「イヴ…この作品」

    イヴ「『深海の夜』…
    この絵からあの世界に飛び込んだんだよね」

    ギャリー「絵の中に入る体験なんてもう2度とゴメンよ…」

    イヴ「珍しい体験ができたじゃない!
    スマイルスマイル!」

    ギャリー「はいはい…」






















    イヴ「げっ…
    『赤い服の女』」だ…

    ギャリー「これはトラウマでしかないわよ…
    こいつのせいで死にかけたし…」

    イヴ「…」

    ギャリー「え、あ、ごめんなさいね!
    他の作品見ましょうね!?」

    イヴ「うん…」
















    ギャリー「『精神の具現化』…」

    イヴ「…」

    ギャリー「あの時のバラってやっぱり…」

    イヴ「このバラだったのかな?」

    ギャリー「…考えても仕方ないわよね!」

    イヴ「うん、そうだね」
  9. 9 : : 2014/10/12(日) 10:07:15
    ギャリー「…全部これからだったのよね」

    イヴ「そしてこれで終わったんだね」


    イヴ「『絵空事の世界』…」

    ギャリー「そっか、もう難しい漢字は読んであげなくていいのよね
    ちょっと寂しいかも……」

    イヴ「成長を喜んでほしいなぁー」

    ギャリー「そりゃあ嬉しいに決まってるじゃない!
    …まあ、あたしも複雑な気持ちなの」

    イヴ「わかんないなぁ〜…」

    ギャリー「そういうもんよ」


    イヴ「…メアリーはいなかったね」

    ギャリー「なんでかしらね…」

    イヴ「ギャリー、帰ろう?」

    ギャリー「………いいの?」

    イヴ「うん、もういいの」

    ギャリー「そう…
    なら帰りましょうか」

    イヴ「…マカロン食べたいなー」

    ギャリー「なら帰りにマカロン買う?
    ちょうどおやつの時間だし」

    イヴ「やった!」
  10. 10 : : 2014/10/13(月) 10:17:33
    チカッ













    ギャリー「あれ?
    今電気点滅した?」

    イヴ「…………ね、ねぇギャリー…
    これって……」

    ギャリー「ま、まさか!
    そんなわけないじゃ…」


    お い で よ イ ヴ


    イヴ「ひっ!」

    ギャリー「あー…
    額縁から青の絵の具垂れてるし…」


    『下においでよ2人とも
    もう一度楽しく遊ぼうよ』


    ギャリー「またこれなの!?
    …とにかく下に行くわよ!」



















    ガチャガチャガチャ


    イヴ「誰もいないし玄関も開かないし…」

    ギャリー「まんま10年前と同じじゃない!」

    イヴ「……ごめんね、私が行きたいなんて言うから…」

    ギャリー「そんなのいいのよ!
    また脱出すればいいんだし」



    イヴ「…また、か」



    ギャリー「え?」

    イヴ「ううん、なんでもない!
    とりあえず『深海の夜』の所に行こう?」

    ギャリー「そうしましょうか」




















    ギャリー「やっぱり足跡がここに通じてる…」

    イヴ「また飛び込まなきゃいけない……ってこと?」

    ギャリー「そうしなきゃ一生ここにいることになるわよね…」

    イヴ「それは嫌だな…
    …けど」

    ギャリー「けど?」

    イヴ「私は…ギャリーに危険な目に遭ってほしくない」

    ギャリー「…」

    イヴ「もうギャリーを失いたくないの…」

    ギャリー「…どういうこと?」

    イヴ「…」
  11. 11 : : 2014/10/18(土) 21:05:06
    イヴ「あのね…」


    おどろいた?


    ギャリー「?
    イヴ今何か言った?」

    イヴ「え、まだ何も?」


    こっちだよこっち


    ギャリー「こっちって…?」

    イヴ「どこから聞こえてるのかな?
    この声…」


    下だよ下!


    ギャリー「下………?」























    メアリー「よっ、久しぶりだね2人とも」

    ギャリー「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁあ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

    メアリー「うるさっ!」



















    イヴ「え、じゃあなに?
    これメアリーの仕業?」

    メアリー「ごめんね、イヴ…
    なんでか分からないけど私復活して、それで2人が来てるの分かったから話しかけたくて…」

    ギャリー「メアリー側から現実には干渉できないから、あたしたちだけそっち側に引き摺り込んだってわけね」

    メアリー「うん…ごめんね…」

    イヴ「いいんだよメアリー」

    メアリー「…え?」

    イヴ「私もメアリーに謝りたかったの…
    燃やしたりしてごめんね…」

    メアリー「だ、だってあれは私が悪かったんだし…」

    イヴ「それでも謝りたいの!」

    メアリー「イヴ…」

    ギャリー「…はい!
    お互い謝り合ってたらキリないわよ!」

    メアリー「そうだけどさ!」

    イヴ「…はい、メアリー握手!」

    メアリー「え?」

    イヴ「仲直りの握手!」

    メアリー「…うんっ!」ギュッ

    ギャリー「…ふふっ」















    ギャリー「で、誰がメアリーを復活させたのかしらね」

    イヴ「絵画の復活って…すなわち修復かな?」

    メアリー「修復…」

    ギャリー「え、まさか…」

    イヴ「…そんなわけないでしょ!
    だってあの人の絵なんてなか……」


    ギャリー・イヴ「「あったね」」
  12. 12 : : 2014/10/21(火) 23:10:47
    期待してるよー
  13. 13 : : 2014/10/22(水) 06:10:41
    >>12
    更新遅くてごめんなさい…
    わざわざコメントありがとうございます!







































    メアリー「…ってことは私はお父さんにもう一回描かれたってこと?」

    ギャリー「そうでしか説明つかないのよね…」

    メアリー「でもお父さんはもう生きてないよね?
    どうやって描いたのかな?」

    イヴ「多分だけど、メアリーたちみたいに実体化したんじゃないかな」

    メアリー「え!?
    お父さんの絵なんてあったの!?」

    ギャリー「あたしたちね、脱出する寸前にこの世界に入ってすぐにはなかった階段を見つけたの」

    イヴ「そしてまた絵画に襲われたりしなかったりしたんだけど…
    そこであったんだよね、確か」

    メアリー「………『ゲルテナ』っていう作品が?」

    ギャリー「でもメアリーみたいに全体像ってわけじゃなくて、片手のみ描かれていたのよね

    ほら、『赤い服の女』たちは上半身だけ飛び出ていたでしょう?
    だから、描かれている部分以外は実体化できないんじゃないかと思うのよ」

    メアリー「つまりお父さんは、片手だけで私を書き直したってことになるの?」

    イヴ「私の予想ではそんな感じかな
    でもこれって推測の方が多く割合を占めてるんだよね…」

    ギャリー「だから鵜呑みにしちゃいけないわよ?」

    メアリー「はーい!」
  14. 14 : : 2014/10/23(木) 00:37:32
    面白いです!相変わらずの文章力で安心して見れますねヾ(^v^)k

    期待です!
  15. 15 : : 2014/10/23(木) 06:50:23
    >>14
    ふじやまさんまで…
    お褒めのコメントありがとうございます!







































    ギャリー「まあ、推察した所で何にもならないけどね」

    メアリー「まあ、いいじゃん!
    …それよりさ」

    ギャリー「どうしたの?」

    メアリー「私はなんで成長した姿で復活したのかな?」

    ギャリー「…」

    イヴ「メアリー?
    いくら読者様が私たちの姿が見えないからって嘘ついちゃいけないよ?」

    メアリー「だってだってだってぇ!
    なんかイヴも大人っぽくなってるしギャリーも前より落ち着いた風になってるし!
    私だって変化が欲しかったんだよぉ!」

    ギャリー「そうは言ってもねぇ…
    …絵だし?」

    メアリー「絵だから何だと言いたい」

    イヴ「…メアリー」グッ

    メアリー「そんなキラキラした笑顔で親指立ててこっち見ないで
    このままじゃイヴのこと嫌いになっちゃうよ私」

    ギャリー「まあ、仕方ないんじゃないの?
    ゲルテナさんはいないし…
    あたしたちにはどうしようもないわよ」

    メアリー「そうだけど…」ムスッ

    イヴ「…」

    メアリー「…イヴ?
    どうしたの?」

    イヴ「あれ……誰?」

    ギャリー「………
    あ、ホント誰かこっち来てる」
  16. 16 : : 2014/10/26(日) 21:24:39
    メアリー「何だろうね?」

    ギャリー「え、あれって…」

    イヴ「………無個性?」


    カツ…カツ…


    メアリー「ねえ、なんでこっちに来てるのかな…?」

    イヴ「悪い予感しかしないんだけど…」

    ギャリー「とりあえず逃げる?」

    メアリー「えー!
    普段はいい子なんだよ?
    逃げる理由なんt」


    無個性(赤)「シャァァアッ!」ダッ


    ギャリー「ほらやっばり襲う気満々じゃないのぉぉお!!!」ダダダダダ

    イヴ「悪い予感はしてたんだってば!」ダダダダダ

    メアリー「でもなんで!?
    私たちバラは持ってないよね!?」ダダダダダ

    無個性(赤)「待てぇぇぇぇえ!」ダダダダダ

    ギャリー「まてまてまてまてまて!」

    無個性(赤)「え?」

    ギャリー「あんた何で喋ってんの!?」

    無個性(赤)「え、この子喋れないの?」

    ギャリー「首ないんだから当たり前でしょ!」

    無個性(赤)「あ、確かに」

    イヴ「…」

    メアリー「…」

    無個性(赤)「えー…
    じゃあ出直して来ますわ…」カツ カツ カツ…

    ギャリー「…え、なにあれ」
  17. 17 : : 2014/10/27(月) 22:11:01
    イヴ「何だったんだろう…」

    メアリー「というか今の声って…」

    ギャリー「いやどう考えてもあんな芸当できそうなのその人しかいないじゃないの」

    メアリー「ですよねー」














    ズルズル…



    イヴ「あ、また何か来たよ」

    ギャリー「……次は赤い服の女?」

    メアリー「え、それにしては速すぎない?」


    緑の服の女「ァァア"!」


    ギャリー「あいつ速いやつじゃない!」ダダダダダ

    イヴ「額縁の女シリーズ挟み撃ちとかされて詰んだよね!」ダダダダダ

    メアリー「思い出が走馬灯になりかけてるからこの状況!」ダダダダダ

    ギャリー「シャレにならないわよぉ!」ダダダダダ

    緑の服の女「待てぇぇぇぇえ!」

    メアリー「待てぇぇぇぇえ!!!」ズザザザザザッ

    緑の服の女「え」ピタッ

    ギャリー「え」ピタッ

    イヴ「え」ピタッ

    メアリー「なにそのおっさん声」

    緑の服の女「」

    メアリー「というか、いい加減にしてよ!
    悪ふざけが過ぎるよ怖いよこれ!」

    緑の服の女「あ、さーせん…」

    メアリー「普通に出てくればいいじゃん!」

    緑の服の女「だってわたしの作品に乗り移らないと話できないし…」

    メアリー「体全体の自画像描いてそれ実体化させたやつに乗り移ろうよ」

    緑の服の女「その発想はなかった」





















    ゲルテナ「というわけで、初めまして
    ゲルテナです」

    ギャリー「なーにが初めましてよ!
    会ってもないやつ脅かしてんじゃないわよ!」

    ゲルテナ「それについては申し訳ない…
    脅かしたくなる性なんですよ、わたし」

    イヴ「だったら仕方ないなんて言うと思わないでね?」

    ゲルテナ「」

    メアリー「とりあえず、なんでパパの魂がここにあるわけ?」

    ギャリー「え、これって『ゲルテナ』っていう作品じゃないの?」

    メアリー「私たち作品には他の作品に乗り移るなんていう力備わらないよ
    そんな幽霊じみたことができるのは…」

    イヴ「魂だけ…ってことだね」

    メアリー「そういうこと」

    ゲルテナ「それを話すと長くなるんだけど…いいかい?」

    ギャリー「ええ、構わないわよ」
  18. 18 : : 2014/10/29(水) 23:06:50
    イブのSS初めてなので楽しみです!
  19. 19 : : 2014/10/31(金) 00:17:52
    >>18
    ありがとうございます!
    頑張ります!!!




































    ゲルテナ「とりあえず、この空間はわたしが生み出したことは大丈夫かな?」

    ギャリー「大丈夫なわけないでしょ」

    ゲルテナ「え、てっきりフィーリングでどうにかなる事かと」

    ギャリー「長くていいから一から全部説明しなさいっての」

    ゲルテナ「え、面倒なんだけど…」

    ギャリー「あ?」

    ゲルテナ「さーせんした」

    メアリー「うーわパパださっ」ボソッ

    イヴ「そんなこと言っちゃダメだよ」ボソッ

    ギャリー「メアリー、思いっきり聞こえてるわよ」

    ゲルテナ「」













    ゲルテナ「わたしが『メアリー』を完成させて一週間後だったかな?
    わたし死んじゃったんだよね」

    イヴ「始まりが唐突すぎるよ」

    ゲルテナ「その時に
    うーわ人に見られたくない作品とかもあるわ〜
    ってふとよぎっちゃって」

    ギャリー「え、あんた画家じゃないの?
    画家って人にみせて賞賛を得てお金を得て…ってのを生業にしてんじゃないの?」

    ゲルテナ「自己満足に浸りたいがために描いた作品なんて人に見せられるわけないでしょう?」

    ギャリー「そこらへんあんまり分かんないわ」

    ゲルテナ「ですよね…
    まあ、気を取り直して
    …まあそんな事を考えながら死んじゃって、そしたら霊体になってて」

    メアリー「だから唐突なんだってば!」

    ゲルテナ「わたしは体験した出来事喋ってるだけです〜」

    ギャリー「こいつ一々腹立つわね…」

    ゲルテナ「さ、話続けるよ?
    霊になったわたしは考えたわけですよ
    どうしたら作品が一目につかない?
    なんてことをね」

    ギャリー「あ、そっか!
    それが未練であんた霊になっちゃったのね!」

    ゲルテナ「多分そうなんだろうけど…
    で、 まあ思いついたのが
    『別の空間に見られたくない作品を閉じ込める』
    っていう方法だったわけです」

    イヴ「お化けとかよく分からないけど、ゲルテナさんは霊力が強いよね?
    そんな芸当一般人にできそうにないもの」

    ゲルテナ「きっと画家はみんな霊力強いんだよ!
    そういうことにしておこう!」

    イヴ「あ、はい…」

    ゲルテナ「まあ、そうやって今は『裏・ゲルテナ美術館』って呼ばれてるあの空間が誕生いたしまして」

    ギャリー「あぁ、あの階段に続いてた空間のこと?」

    ゲルテナ「うん、それだね
    もちろん一目につきたくないからトラップを仕掛けまして」

    ギャリー「え、まさか…」

    ゲルテナ「更にその空間に上乗せするように別の空間を創って」

    イヴ「え」

    ゲルテナ「上乗せした空間にもトラップを仕掛けて」

    ギャリー「えぇ〜…」

    ゲルテナ「…と、まあこんな感じでこの空間が完成しました」

    ギャリー「ええええええええええええ」
  20. 20 : : 2014/11/02(日) 06:14:15
    イヴ「あの、一つ質問なんですけど」

    ゲルテナ「何かな?」

    イヴ「ゲルテナさんの仕掛けたトラップっていうのはゲルテナさんの作品たちのことなんですか?」

    ゲルテナ「まあ…結果的にはそうなっちゃったね」

    ギャリー「結果的?」

    ゲルテナ「最初空間に仕掛けてたトラップが何かの力みたいな物を放出してたらしくてさ…
    それがわたしの作品に影響を及ぼして動くようになっちゃったってわけさ」

    ギャリー「で、最初に仕掛けてたトラップはどうなったのよ」

    ゲルテナ「力を放出し尽くして消えちゃった☆」

    イヴ「それで結果的…」

    ゲルテナ「驚いたことに作品たちにも自我が芽生え初めてね
    その頃にはわたしは消えかかっちゃってて」

    ギャリー「また急ね」

    ゲルテナ「恐らくこの空間を作り終えた時点でわたしより空間の方が存在として上位になったんだろうね」

    イヴ「ってことは…」

    ゲルテナ「そう、この空間さえも自我を持つようになったんだ」

    ギャリー「なるほど…
    じゃあ、あたしたちを閉じ込めたのはゲルテナじゃなくてこの空間そのものってことなのね」

    ゲルテナ「その通り!」

    メアリー「ううん、違うよ」

    ゲルテナ「なんだって!?」

    メアリー「10年前、2人を閉じ込めたのは空間じゃなくて私の意思」

    メアリー「イヴは私のお友達として、ギャリーは私が外へ出るために……
    つまり魂をもらうために迎えたの」

    イヴ「そうだったんだ…」

    ゲルテナ「じゃあメアリーはこの空間で1番力があるということかい?」

    メアリー「ううん、力があるとかじゃないの
    私たちはみんな仲良しなだけだよ」

    ギャリー「じゃあこの空間もメアリーに頼まれたから仕事をしただけだったのね…」

    イヴ「じゃあ、ゲルテナさんの作品たちが襲ってきたのは?」

    メアリー「…薔薇じゃないかな」

    ギャリー「あたしたちのあの薔薇?」

    メアリー「ここの子たちね、薔薇が本当に大好きなんだ
    薔薇のことになると我を忘れるくらい」

    イヴ「我を…忘れる」

    メアリー「みんな心の中で薔薇の事だけしか考えてなかったと思うな」

    ギャリー「そういうことだったのね…」
  21. 21 : : 2014/11/07(金) 23:36:50
    メアリー「みんなは薔薇のために、私は外に出るために2人を襲った
    …けど」

    ゲルテナ「それは禁忌…そして幻想ではない
    …絵画が人になれるというのは事実だ」

    ギャリー「え!?」

    ゲルテナ「しかしその代償は人の魂…
    自分が絵画の役目を終えるために、新しく自分の代わりになる絵画を用意しなければならない」

    ギャリー「それが…あたし……」

    ゲルテナ「ギャリー君…
    君は数々の結末を辿り、今ここにいることを忘れてはならない」

    ギャリー「どういうこと?」

    ゲルテナ「どこかの世界で君は絵画として存在していく未来があったとは思わないかい?」

    ギャリー「え?」

    ゲルテナ「どこかの世界で…
    絵画に溺れてしまう未来があったとは思わないかい?」

    ギャリー「…」

    ゲルテナ「どこかの世界で君たちは…
    思い出さないままに別れを告げたとは思わないかい?」

    ギャリー「…どうなのかしらね」

    イヴ「…」

    ゲルテナ「わたしには分かるよ…
    君たちがどれだけ長い間危険な冒険をしてきたのかということを
    途方もない…長く永い旅をしてきたことを」

    イヴ「…」

    ゲルテナ「だからこそ、こんな奇跡があってもいいとは思わないかい?
    人と絵画が仲良く共存しているこの空間こそが奇跡と思わないかい?」

    ギャリー「…そうね
    『奇跡』を信じるのも悪くないかも」

    ゲルテナ「『奇跡』という言葉はギャリー君によく似合う」
  22. 22 : : 2014/11/12(水) 23:16:29
    イヴ「今の言い方じゃ…」

    ゲルテナ「…」

    イヴ「…そういうことですよね?」

    ゲルテナ「……ああ」

    ギャリー「え、どういうこと?」

    メアリー「ちんぷんかんぷんなんだけど!」

    ゲルテナ「知らない方が幸せということもある」

    メアリー「ええー!
    気になる!パパのケチ!」

    ゲルテナ「け、ケチ…!」ガクッ


    ギャリー「…」チラッ

    イヴ「…」

    ギャリー「イヴ?」

    イヴ「…え?
    あ、どうしたの?」

    ギャリー「いや、何かボーッとしてたみたいだったから…」

    イヴ「え、そう?」

    ギャリー「どうかした?」

    イヴ「いやいや何でもないよ!」

    ギャリー「…そう?」

    イヴ「そう!」

    ギャリー「ならいいんだけど…」



















    ギャリー「で、今からどうしましょうか」

    ゲルテナ「幸い展覧会はあと6日あるようだね
    今日はこの辺でお開きにしてまた明日にしないかい?」

    メアリー「あ、イヴたち明日も来れるの?」

    イヴ「あ、うん大丈夫!
    …ギャリーは?」

    ギャリー「あぁ、仕事も片付けてるから問題ないわよ」

    メアリー「それじゃあまた明日!」

    ゲルテナ「『絵空事の世界』から帰るといい」

    イヴ「おじゃましました!」

    ギャリー「また来るわね!」































    イヴ「……」

    ギャリー「…戻ってきたわね」

    イヴ「そうだね」

    ギャリー「…時間が経ってない」

    イヴ「時間の流れがメチャクチャなのはきっと仕方ないよ」

    ギャリー「それもそうね…」

    イヴ「それより!
    マカロン買いに行こう?」

    ギャリー「あ、約束してたわね…
    行きましょうか?」

    イヴ「うんっ!」
  23. 23 : : 2014/11/13(木) 20:36:13

































    イヴ「ただいま〜!」ガチャッ

    ママ「あら、おかえりなさい」

    パパ「おぉイヴおかえりなさい
    …それにギャリーさんも!」

    ギャリー「どうもご無沙汰してます」ペコッ

    ママ「どう?
    展覧会は楽しかった?」

    イヴ「うん、とっても!」

    パパ「展覧会って?」

    ママ「ほら、昔みんなで行ったじゃない
    ゲルテナって人の展覧会」

    パパ「あぁ…!
    またやってるのかい?」

    ママ「そうらしいのよ〜
    私ももう一度行きたいなーとは思うんだけど…」

    パパ「いやぁ懐かしいなぁ…
    僕もまた行きたいな〜」

    ママ「まあ、私たちはお預けねっ
    さ、ご飯にしましょうか!」

    イヴ「やった!」

    パパ「ギャリーさんも食べて行くだろう?」

    ギャリー「はい、いただきます」






















    イヴ・ギャリー・パパ「「「ごちそうさまでした!」」」

    ママ「はい、お粗末様」

    ギャリー「いやー、やっぱり美味しいです!
    お料理店開かれてもいいんじゃないですか?」

    ママ「やーもうお上手なんだから〜♪」

    イヴ「なんでこんなに美味しくできるの?
    なんで?なんで私にはできないの?」

    ギャリー「い、イヴ…」

    ママ「ほ、ほら!
    人には得意不得意あるじゃない?ね?」

    パパ「そうだぞイヴ!
    お料理ができないからってクヨクヨしていたらダメだぞー?」

    ギャリー「そうよそうよ!
    お料理ぐらいできない人はたくさんいるわよ!」

    イヴ「…ギャリー、得意料理は?」

    ギャリー「ん…
    フランス料理のフルコースかしら?」

    イヴ「」

    ギャリー「あ…」

    イヴ「もう知らない私寝る!」

    ギャリー「ちょ、イヴ!」


    タッタッタッタッ…


    ママ「あらあら…」クスッ

    パパ「…ギャリーさん、飲むかい?」

    ギャリー「いただきます…」
  24. 24 : : 2014/11/13(木) 23:07:02
    フランス料理のフルコース…だと…
    さすがイケおねぇだ…
  25. 25 : : 2014/11/14(金) 07:39:12
    パパ「イヴはああいうところ子どもなんだよな〜…」

    ギャリー「本当…10年経っても変わってないというか…」

    パパ「あ、赤ワインでよかったかな?」

    ギャリー「ええ、大丈夫です」

    パパ「よいしょっ………と!」ポンッ!

    ママ「はい、チーズ
    …おつぎしましょうか?」

    パパ「あぁ、頼むよ」



    トクトクトク…


    トクトクトク…



    パパ「君は飲まないのかい?」

    ママ「私はまだやることあるから…
    その後ご一緒しようかしらね」

    パパ「それじゃあ、僕たちは一足先に…
    イヴの今後の精神的成長を祝って…
    乾杯っ」

    ギャリー「乾杯ーーー…」


    グイッ



























    パパ「で、ギャリー君は結婚とか視野に入れてるのかな?」

    ギャリー「結婚か…
    ほら、あたしってオカマ口調じゃないですか?
    これを直さない限りは何とも…」

    ママ「あら、だったら直せばいいじゃない」

    ギャリー「中々直らなくて…」

    パパ「……そうだ!」

    ギャリー「?」
  26. 26 : : 2014/11/14(金) 20:06:35
    パパ「ギャリー君って彼女いたっけ?」

    ギャリー「いやまさか…」アハハ…

    パパ「じゃあ…
    ギャリー君はイヴと結婚したいよね?」

    ギャリー「えぇ、そりゃあもちろ………はぁ!?
    ちょ、なに言ってるんですか!!?」

    ママ「あらあら素直じゃないんだから♪
    私たちは年齢なんて気にしないわよ?
    ギャリーさんならイヴのこと任せられるって前から言ってたのよ♪」

    パパ「まあ、結婚するのはいつでも構わないんだけど…」

    ギャリー「え、いやいやいやちょっと待ってついてけないんだけど」

    パパ「大丈夫かい?
    一回深呼吸しようか」

    ギャリー「あ、はい
    スゥー……ハァー……」

    ママ「どう?落ち着いた?」

    ギャリー「まあ…
    え、でも結婚するにもイヴが嫌がるでしょ」

    パパ「まさか!
    イヴは昔からギャリー君一筋だよ?」

    ギャリー「え」

    ママ「あー…
    その様子じゃ全く気づいてなかったみたいね…」

    パパ「で、イヴをもらってくれるかい?」

    ギャリー「え、あたしでいいんですか?」

    パパ「だから君なら任せられるんだって!
    ……た、だ、し!」

    ギャリー「あ、はい?」


    パパ「ギャリー君がオカマ口調を直すまで結婚は認めない!
    これでどうだい?」


    ギャリー「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ!!!!!!!!!!?」
  27. 27 : : 2014/11/16(日) 07:18:29

    ーーー次の日


    ギャリー「とか言われちゃってね…」

    メアリー「私のイヴと結婚しようっていうの!?」

    ギャリー「あんたのじゃないでしょ」

    ゲルテナ「で、そのイヴちゃんはいないけど…?」

    ギャリー「あぁ、急用ができたって両親と一緒に出かけて行ったわよ」

    メアリー「え、その言い方だと出かけるのを見てたみたいじゃん」

    ギャリー「昨日泊めてもらってたのよ、あたし」

    メアリー「ずるいずるいずるい!」

    ゲルテナ「寝てるイヴちゃんにあんなことやこんなことを…」

    ギャリー「んなことしないわよ…」

    ゲルテナ「とりあえずわたしたちはギャリー君を応援しているぞ!
    口調を直すことを全力で応援しよう!」

    メアリー「イヴが結婚しちゃうっていうのは嫌だけど、それでイヴが幸せになるなら協力してあげる」

    ギャリー「二人とも…」

    メアリー「………さ、始めようか」ニコッ

    ギャリー「」ゾクッ























    ーーー車内


    イヴ「ねぇ、お父さん
    これどこに行ってるの?」

    パパ「内緒だよ内緒」

    ママ「行ってからのお楽しみね」

    イヴ「えぇ〜…」
























    メアリー「そんなもので終わりなの?
    ギャリーはイヴと結婚したくないの?」

    ギャリー「」ピクピク

    ゲルテナ「うわー…
    メアリーが怖い…」
  28. 28 : : 2014/11/19(水) 21:42:39


































    イヴ「……パパ、ここって?」

    パパ「イヴがもうすぐ住む家だよ
    どうだい?気に入ってくれたかい?」

    イヴ「え、私出て行かなきゃいけないの!?」

    ママ「違うわよぉ〜!
    ここは、あなたがもうすぐギャリーさんと住む家よ」

    イヴ「……………え?////」ボフッ

    パパ「いや〜、この10年長かった…
    半年前にやっと家を買えるぐらいの貯金が溜まってね!
    この家を買うって昨日契約してきたんだ!」

    ママ「イヴにとっての白馬の王子様が私たちの前に表れた時、この計画を立てたの!
    だから、この家は最初からイヴとギャリーさんのための家よ!」

    パパ「そう!それはつまり、この家はイヴとギャリー君との愛の巣なんだよ!
    …どう?気に入ってくれた?」

    イヴ「そ、そりゃあ気に入ったよ!
    …で、ででででででも!
    ギャリーが嫌がるかも…////」

    パパ「…」ニヤッ

    ママ「……!」ニヤッ

    パパ「あー!
    その可能性を考えていなかったー!」

    ママ「どうしましょう!
    私たち確認してなかったわー!」

    イヴ「え、えぇ!?」

    パパ「これは僕たちが確認してはいけないことだー
    ……イヴが確認しなさい」キリッ

    イヴ「…えぇぇぇぇえ!!!!!」

    ママ「ギャリーさんのこと…好きなんでしょう?」ニコッ

    イヴ「そ、そうだけど…///」

    パパ「…」ニヤニヤ

    ママ「…」ニヤニヤ

    イヴ「…//////」
























    ゲルテナ「メアリー…
    さすがにやりすぎじゃないかな?」

    メアリー「まだまだぁ…!」

    ギャリー「」
  29. 29 : : 2014/11/21(金) 20:30:29



















    私は考えていた


    イヴ「…」


    真剣に考えていた


    イヴ「…」


    ギャリーに電話をするか否か


    イヴ「…はぁ……」


    私の大好きな大好きな白馬の王子様

    何があろうともそばにいたい人

    何があっても私のそばにいる人


    私はギャリーと結婚をしたい

    心から愛している

    愛に年齢なんて関係ない!

    …けど


    イヴ「ギャリーが好きな人いたらどうしよう…」


    そう、だから決めあぐねているのだ

    もしも断られたら私……


    イヴ「…」


    いや、覚悟を決めろ!

    そうだ!

    断られたら一生独身になるだけ!

    それは嫌だけど!!!


    イヴ「………よし!」


    prrrrrr…


    prrrrrr…


    prrrrrr…

















    プツッ


    繋がった!


    イヴ「ぎ、ぎゃぎゃ…ぎ…
    ギャリー!!?
    私!イヴだけど!!!」

















    『留守番電話サービスです
    おかけになった電話は
    現在、電波の届かない所にあるか
    または電源がついておりません
    留守番電話を………』


    プツッ






    イヴ「」
  30. 30 : : 2014/12/03(水) 22:44:54


    イヴ「…待てよ?」



    もしかして美術館に行ってるのかも…


    だったらケータイの電源切らなきゃだし、電話に出るのも納得だよね



    イヴ「……よし、行こう」



















    ギャリー「…ここに1ヶ月ぐらいいた気分」


    メアリー「大丈夫!
    外は全く時間流れてないから!」


    ゲルテナ「本当…お疲れ様…」


    ギャリー「…じゃ、また来るから」


    メアリー「バイバーイ!」フリフリ


    ゲルテナ「…メアリーってそんなに鬼畜だったんだね」


    メアリー「そーかな?」


    イヴ「メアリー!」


    メアリー「イヴ!?」


    イヴ「ね、ねえギャリー見てない?」


    メアリー「あ、さっき帰ったよ」


    イヴ「」
  31. 31 : : 2014/12/26(金) 18:51:17
    イヴ「…よし、まだ間に合うかもだから私帰る!」


    メアリー「えー!
    もうちょっといてよー!」


    イヴ「また来るから!」












    メアリー「…いっちゃった」


    ゲルテナ「まあ、すぐに来てくれるさ」


    メアリー「………うん、そだね!」


    ゲルテナ(かわいい)



















    ギャリー「…」


    とりあえずイヴの家に行こう…


    あ、ちょうどタクシー来た













    ギャリー見つけた!

    けどタクシーに乗ってる!





    イヴ「…あ!
    ギャリー!待って!」



    ブロロロロロ…





    イヴ「追いかけなきゃっ!」
  32. 32 : : 2014/12/26(金) 18:59:45




















    ピンポーン


    ママ「あら?
    ギャリーさん?」


    ギャリー「あの…イヴはいますか?」



    ママ「え、ギャリーさんと一緒じゃないの?」


    ギャリー「え?」


    ママ「わたしてっきりギャリーさんの所に行ったとばかり…」


    ギャリー「…イヴが行きそうな所って心当たりありませんか?」


    ママ「そうねぇ…
    あぁ、そう言えば今日も美術館に行きたいみたいなことは言ってたかしら」


    ギャリー「ありがとうございます!」ダッ


    ママ「待ってギャリーさん!
    走って行くの〜!?」


    ギャリー「タクシー待つのもじれったいので!」


    ママ「…少し心配だわ」


    パパ「ママ〜
    ギャリー君来たら引き止めといて〜」


    ママ「あら、どうして?」


    パパ「今イヴからメールが来たんだ
    『ギャリーが来たら引き止めておいて』って」


    ママ「ギャリーさんならもう行っちゃったわよ?」


    パパ「え、うそ」




















    イヴ「え、うそ!?」タッタッタッ


    パパ『すまんイヴ!
    ギャリー君は今美術館に向かってるはずから!』


    イヴ「わかった!
    ありがとね!」ピッ



    はやく伝えたいよ…!
  33. 33 : : 2014/12/31(水) 14:37:05


    とにかく、この時の私は頭が回っていなかった。

    ギャリーが美術館に向かっているのならば、私は美術館へ引き返せばよかっただけなのに。

    私は何をしていたかというと……
















    イヴ「はぁっ…はぁっ……!」


    走っていた。


    美術館から自分の家へ向かうルートを全力で走っていた。

    走っていればギャリーに会えるだろう、と。

    もうとりあえず走った。

    うん、何も考えていなかった。

    とにかく走った。

































    イヴ「………あっ!いた!!!」

    イヴ「ギャリー!!!!!」

    ギャリー「あ、イヴ!」


    ギャリーも走っていた。

    私と同じように。


    ギャリー「はぁ…はぁ…やっと見つけた…」

    イヴ「うん、やっとだよ…はぁ…はぁ…」

    ギャリー「…この公園」

    イヴ「あ…
    いつの間にか暗くなってたんだね…」


    その公園には電飾が施され、街灯なんかより輝いている大きな木があった。


    イヴ「綺麗…」

    ギャリー「…」

    イヴ「……ねえ、ギャリー」

    ギャリー「ん?」

    イヴ「私ね、ずっと昔から好きな人がいるの」

    ギャリー「…」

    イヴ「その人は、私のことをずっと守ってくれてね」

    ギャリー「…」

    イヴ「私のために何度も犠牲になって…」

    ギャリー「…え?」

    イヴ「ううん、なんでもない…」

    ギャリー「え…うん…」

    イヴ「ねえ、ギャリー」


    何回も何回も挑戦して

    やっと2人でここにいるんだ


    イヴ「ずっとずっと好きでした。
    私と……付き合ってくれませんか?」
  34. 34 : : 2015/01/04(日) 15:16:48

    ギャリー「え」

    イヴ「……やっぱダメだよね…
    私みたいなお子ちゃまじゃ…」

    ギャリー「いや、そうじゃなくて…
    あの…え?
    ………好き?」

    イヴ「え…うん…大好き…」


    ギュッ


    イヴ「へっ!?」///

    ギャリー「俺もずっと好きだった」

    イヴ「え!?ふぁっ!?へっ!!!?」

    ギャリー「最初は子どもの面倒見てるみたいで…
    可愛いな、ぐらいにしか思ってなかった」

    イヴ「ちょ、ギャ…ギャ!?」

    ギャリー「でもイヴが成長していくたびに…それが愛情じゃなくなっていった」

    イヴ「は…はっ…ふぉっ…」

    ギャリー「だから今日告白しようと思っててね…」

    イヴ「…」/////

    ギャリー「で、メアリーに頼んで口調を矯正してもらったわけ」

    イヴ「そう言えば俺って…」

    ギャリー「イヴのお父さんにさ、言われたんだよ…
    口調直さなきゃ結婚させないって」

    イヴ「け、結婚!?」

    ギャリー「うん」

    イヴ「へ!?」

    ギャリー「え……あ…」///

    イヴ「…」///

    ギャリー「…」////

    イヴ「…ねえ、ギャリー」

    ギャリー「ん?」

    イヴ「流石にここじゃ恥ずかしいんだけど…」/////

    ギャリー「…確かにそだね」////
  35. 35 : : 2015/01/05(月) 23:58:46
    期待です!
  36. 36 : : 2015/06/01(月) 22:32:23
    こういうのを待ってました!期待です!
  37. 37 : : 2015/08/19(水) 21:50:54
























    それから何年も後…

    外の日差しが少し和らぎ、蝉の鳴き声が心地よい午後の昼下がり。


    父と母が用意してくれたこの家で、私たちは暮らしている。


    イヴ「………ねえ、ギャリー」


    ギャリー「ん?」



    私が声をかけると、夫はチラリとこちらを見たが、すぐに視線をソレに戻した。


    イヴ「決めてあげた?
    この子の名前…」



    私は大きくなったお腹をさすりながら夫に問いかけた。



    ギャリー「ふふっ…
    実はもう前から決まってるんだよ」


    イヴ「え!?」


    ギャリー「それこそイヴのお腹に赤ん坊が宿る前から…
    別に隠してたとかじゃないんだけどさ
    イヴには反対される気がして…」


    イヴ「もう…
    あなたが決めた名前を私が反対すると思う?」


    ギャリー「場合によっては反対するよ多分」


    イヴ「へえへえそう…
    そんなに私の事が信用ならないのね…」


    ギャリー「だーもう!
    分かったよ言うよ言いますよ!」


    動かしていた手を止め、夫は私の方をまっすぐ向いて。


    口を動かした。

















    ギャリー「メアリー」

















    ギャリー「……なんてどう?」


    夫は……ギャリーは。

    自信なさげに笑った。



    イヴ「……すごく素敵!」







    ギャリーが熱心に描いていた

    金髪で、碧目の少女の絵。


    その絵の少女も、柔らかく笑った気がした。

  38. 38 : : 2015/08/19(水) 21:51:19





    〜fin〜
  39. 39 : : 2015/08/19(水) 21:55:47
    望んだ結末に辿り着けなくても、それでも諦めずに挑んだ小さな少女の後日譚でございました。

    ただただ更新が遅すぎたことを申し訳なく思います…

    更新を気長に待ってくださった方、そしてこの作品を読んでくださった方、本当にありがとうございました!
  40. 40 : : 2015/08/19(水) 22:38:21
    ハッピーエンドのその先のハッピーエンドですね!
    原作を思い出しながら読めて楽しかったです!
    お疲れ様でした!
  41. 44 : : 2020/10/03(土) 08:45:16
    高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
    http://www.ssnote.net/archives/80410

    恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
    http://www.ssnote.net/archives/86931

    害悪ユーザーカグラ
    http://www.ssnote.net/archives/78041

    害悪ユーザースルメ わたあめ
    http://www.ssnote.net/archives/78042

    害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル)
    http://www.ssnote.net/archives/80906

    害悪ユーザー提督、にゃる、墓場
    http://www.ssnote.net/archives/81672

    害悪ユーザー墓場、提督の別アカ
    http://www.ssnote.net/archives/81774

    害悪ユーザー筋力
    http://www.ssnote.net/archives/84057

    害悪ユーザースルメ、カグラ、提督謝罪
    http://www.ssnote.net/archives/85091

    害悪ユーザー空山
    http://www.ssnote.net/archives/81038

    【キャロル様教団】
    http://www.ssnote.net/archives/86972

    何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
    コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
    http://www.ssnote.net/archives/86986

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donguri

たけのこまんじゅう

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