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最期にあなたと見た景色 【ユミクリ】

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  1. 1 : : 2014/10/09(木) 21:56:11

    どーも!

    ユミルの民です٩( 'ω' )و

    もう一つのSS放置したままなんですが、思いつきで短編書きます!

    またしてもユミクリです。←

    かるーくネタバレあると思うんで、そこのところは自己判断でお願いします!
  2. 2 : : 2014/10/09(木) 22:07:58



    「……ユミル。」





    微かな声が、私の名前を呼ぶ。




    「……なんだ。」







    私も、自分の耳に届くか届かないかの声で、その呼びかけに応える。









    私もこいつも、この2人分の体重を乗せた馬も、大きな闘いを終え、疲弊していた。








    「……大好き。」








    そんな渇ききった私の心に、こいつはいつだって水を注いでくれる。









    例えそれが、偽りの言葉だったとしても。







    私の心を潤すには充分だった。










    「……私もだ、クリスタ。」










    激しく揺れる馬の上で、私はこいつを抱きしめる。










    あとどれだけこいつに愛を伝えたら、こいつが今まで受けてこなかっただけの愛をこいつに与えてやれるのだろうか。















    ……分からない。









    私も人を愛することを忘れてしまったから。












    もう、なにも分からない……













    ここは壁外だというのに、巨人に対して注意を払うこともできない。









    ただこいつの名前を呼び続けながら、ただ目的地を目指して馬を走らせる。




















    「……もうすぐだ。」
  3. 3 : : 2014/10/09(木) 22:14:03



    もう、夕焼けが見える時刻だった。







    「……やっと。」









    やっと、着いた。










    眩しいほどの夕焼け。











    私たちが目指していた"それ"は、夕焼けを反射して美しく輝いていた。






    ……この世界には不似合いなほど、美しく、残酷に。












    「……わぁ…」









    あいつの口から、ため息が漏れた。















    その横顔は、いつものように、どことなく儚さを持っていた。
  4. 4 : : 2014/10/09(木) 22:27:38




    私はクリスタを抱え、水辺まで連れて行った。







    「すごい……」












    そいつは、指の先に水をつけ、それをペロッと舐めた。








    「……ふふっ、ほんとだ、しょっぱい。……アルミンの言ってたこと、…ほんとだった、ね。」





    「……そうだな……」












    2人で、砂浜に腰をおろす。














    「……壁外に、こんな素敵な場所があったなんて。」









    「……本当に、きれいね。」















    美しく、壮大な海は、私たちが普段囲まれている壮絶な日々を、忘れさせてくれた。














    ……ここで、何もかも忘れて、こいつと一緒に、生きていけたら……















    「……もし。」











    「もし、巨人がいなかったら……ここにもっと、来れたのかな。」






    「……ユミルと、一緒、に。」











    「……なに泣いてんだよ。」











    泣かないでくれ。


    どうしたらいいのか、わからなくなる。













    「……ごめんね。」
  5. 5 : : 2014/10/09(木) 22:38:19




    「……ったく。」






    背後で、どうっと音がした。










    振り返ると、私たちをここまで運んでくれた馬が、力尽きて倒れていた。









    「……戻れないね。」






    そいつがくすっと笑う。











    「……戻る気なんてなかったが…帰りたいか?」




    「……ううん。…むしろ……」






















    "帰りたくない"























    「……そうか。」















    「……ねえ、ユミル。」


    「……なんだ。」


    「……ここ、本当に素敵だね。」



    「……だろ。エレンやアルミンより先に来れてよかったな。」



    「……また見たいな。」



    「何度だって見れるだろ。」



    「ユミルも、一緒に。」



    「当たり前だ。」



    「……ユミル。」




    「……クリスタ。」
































    「……クリスタ……」



  6. 6 : : 2014/10/09(木) 22:44:00






    ……ごめんな。









    守ってやれなくて。













    傷だらけのそいつの体を抱きしめる。




















    こいつは、壁外調査の途中、巨人に捕まり、危うく巨人の餌になりかけた。














    命は助かったものの、重症を負ったこいつに、助かる道はありそうになかった。












    ……だから、ここへ連れてきた。











    撤退命令が出た後、すぐに。
















    こいつと、1度でいいから……

























    海に、来たかった。
  7. 7 : : 2014/10/14(火) 20:15:20



    クリスタ……





    ……遂に、お前の口からお前の本当の名前を聞くことはできなかった。


















    「……ヒストリア。」














    お前がどんな名前であろうと。







    どれだけ自分を偽ろうと。












    私はお前のそばにいる。



























    ……背後で、巨人が動く音がした。















    巨人に喰われて死ぬのなんざまっぴらごめんだ。


    だからといって、手に持っている凶器で自分の命を断つことはできない。






    ブレードでどこかを切っても自殺できない自分の体を恨む。






    「……しかたねえ」
















    クリスタを抱きかかえ、海に飛び込んだ。







  8. 8 : : 2014/10/14(火) 20:19:38





    体を水が押し包む。















    しっかりとクリスタを抱きしめ、頭を撫でて名前をよぶ。




























    "ヒストリア"





















    しかし口からは、なんの意味も持たない空気の泡が、音を立てて溢れるだけ。




















    ……その泡とともに、私の命も……





















    "ヒストリア"


























    薄れていく意識の中、最期に思い出したのは…



























    お前と一緒に見た、あの景色。

































    "ユミル!"























    ヒストリア……


































    私は、静かに目を閉じた。



    --Fin--
  9. 9 : : 2014/10/14(火) 20:20:57





    うわ短か!



    おもくそ短か!








    と、いうわけで、こちらの作品完結でーす*\(^o^)/*











    短か!


    ほんと!





    文才のなさが一際目立つ作品となってしまいました。←




    ここまで読んでくださった皆さん、ありがとうございました!
  10. 10 : : 2014/10/14(火) 20:25:03
    お疲れさまでした

    (性転換のやつ楽しみにしてまっせ)
  11. 11 : : 2014/10/14(火) 20:26:44
    >>10

    読んでくださってありがとうございます!

    それ、頑張ってこれから投稿します*\(^o^)/*



    だいぶ放置してしまったので。笑

    ぜひまた見てやってください(´・ω・`)

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ymir07

ユミルの民

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