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エレン「時間の流れは残酷だ…」

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  1. 1 : : 2014/10/02(木) 18:59:07
    850年



    コニー「おい、どうすりゃいいんだ…?」

    サシャ「もうガスがありません…」



    アルミン(解散式の翌日…トロスト区に超大型巨人が攻めてきて)

    アルミン(ローゼに穴をあけられてしまった)


    アルミン(なんとか民衆の避難を終わらせ、撤退の鐘がなったが)

    アルミン(僕らはガス切れにり、屋根の上に取り残されている)

    アルミン(補給班は脅えて仕事をしてくれない)



    アルミン(そう、まさに今は絶望的な状況)



    ジャン「もう…終わりだ」

    ジャン「さっさと内地に行きたかったぜ…」


    ミカサ「大丈夫」


    ミカサ「きっと…来てくれるから」

    ジャン「あ?」


    アルミン「それはミカサがいつも言っているあの人がってこと?」

    ミカサ「ええ」




    ミカサ(彼は…私が死にそうなとき、いつも来てくれた)

    ミカサ(…私の大好きな人)



    ミカサは首に巻いた赤いマフラーをそっと握りしめる



    ミカサ(今回も、必ず来てくれる)


    ミカサ(だから、早くきて!!!)






    ミカサ「エレーーーーーン!!!」



    ────────────────
    ─────────
    ────

  2. 2 : : 2014/10/02(木) 19:19:55
    ───
    ────────
    ──────────────


    2014年 冬  東京



    男A「俺の家ついにPS4買ったんだ!!」

    男B「えー!?いいな!いいな!!」

    男A「じゃあ帰り家くるか?」

    男B「いくいくー!!」


    男A「なあ、エレンもくるか?」

    エレン「あ?俺か?」


    エレン「悪い!俺今日用事あるんだ…」

    男A「まじかよー」

    男B「もったいねー!!」

    エレン「また今度誘ってくれ!」

    男A「わかったぜ!」



    エレン(俺の名前はエレン・イエーガー)

    エレン(今は父に連れられて日本の中学校に通っている)



    エレン(PS4も確かに魅力的だが…)


    エレン(俺にはもっと魅力的な”ゲーム”がある)




    ~家~



    エレン「ただいまー!!」

    グリシャ「お帰り」

    エレン「父さん!早くアレ、アレやりたい!」

    グリシャ「はは、エレンは本当にアレが好きだな」




    エレン(週二回、水曜日と土曜日の楽しみ)



    グリシャ「じゃあ地下へ向かうぞ」

    エレン「よっしゃ!」




    グリシャ「どれにする?」

    エレン「もちろん巨人のやつ!」

    グリシャ「はは、本当にエレンは巨人のやつが好きだなあ」

    エレン「だってアレ一番リアルだし」

    グリシャ「はは…」



    エレン(俺が今してる…まあ、通称アレ)

    エレン(このカプセルに入り、機器を頭に装着することで)

    エレン(誰もが夢見たであろう”仮想空間”に入ることができる)

    エレン(脳に映像を送り込んで自分がその場にいるような錯覚を起こさせるんだが…)

    エレン(それがまたリアルで楽しいんだ!)



    グリシャ「じゃあスイッチおすぞー」



  3. 3 : : 2014/10/02(木) 19:52:39

    エレン(俺の家になんでこれがあるかというと…)

    エレン(父さんは元医者で、現在は研究者)


    エレン(この仮想空間に鬱病の人が入って、かわいい犬と遊べたりしたら治るんじゃないか?)

    エレン(とか、対人恐怖症の人に人と話す練習を施せるんじゃないか?)


    エレン(って感じに精神的な病気の治療の為に研究しているらしいんだ)


    エレン(でもまだ研究段階だから、俺が週二回被験体となって改善をしていってる)



    グリシャ『エレン、聞こえるか?』


    エレン「うん、ばっちり」

    グリシャ『ブレードと立体機動もちゃんとついてるな…』



    エレン(ここはデータの世界)

    エレン(そのため、カプセルに入ったら装備を変えることができるし、増やすこともできる)


    エレン(まあ、もともとコンピューターに入ってるデータしか出せないけど…)



    グリシャ『巨人が現れたぞ!』

    エレン「きたか!!」



    エレン(父さんは外のパソコンからこちらの様子をみることができる)

    エレン(因みにさっき言った物を出すといった行為は外からのパソコンの操作でしかできない)



    グリシャ『3m級か?』

    エレン「ああ!何度も倒したしもう馴れてきたぜ!」

    グリシャ『気を抜いたらだめだからな』

    エレン「分かってる!」





    グリシャ『エレン!あいつは足が普通のやつと比べて細い!』

    グリシャ『足を先に削げば戦闘は格段に楽になる!』

    エレン「おーけー!」



    そのままアンカーを右足首にあて


    ガスを思いっきり吹かす!



    エレン「よっしゃ!足を削いだ!」

    グリシャ『やつらは回復するからな…次の行動へ移れ!』

    エレン「首いくぜ!」




    エレン(ああ、楽しい)


    エレン(こんな楽しさ他のゲームじゃ味わえねえよ!)




    エレン「よっしゃ!倒した!」

    グリシャ『大分上達したな』

    エレン「父さんの指示がうまいんだ」

    グリシャ『ふっ…そうかもな』




    エレン(巨人以外のソフトもあるけど…)

    エレン(これほどリアルなやつは他にない)


    エレン(動物のやつはなんかかわいくないし…)









  4. 4 : : 2014/10/02(木) 20:06:46


    エレン「あ!10m級だ!」

    グリシャ『む……これはきついかもしれないな』

    エレン「そんなことねえって!」

    エレン「もう大分馴れてきたしな!」


    グリシャ『こら!近づいたらだめだ!』

    エレン「大丈夫、大丈夫!」



    エレン(でかいくらいなんだ!!)

    エレン(3mも10mも変わんねえよ!)



    エレン(とにかく、うなじを削げばいいんだ!)



    巨人「」ニタァ


    エレン「!?」


    エレン「な、なんだ!?奇行種か!?」


    エレン(動きが予測しづらい!)


    巨人「」アーン



    エレン(や、やば…喰われ…)



    ピー


    『強制覚醒します』

    『強制覚醒します』






    ───────────────────────



    エレン「!!!」


    グリシャ「エレン…」



    いつのまにか、目の前に父さんがいた



    エレン(強制覚醒か…)


    グリシャ「エレン、どうして父さんのいうことを聞かなかった?」

    エレン「いけると…思って…」


    グリシャ「エレン…何度も言ったと思うが」


    グリシャ「これはデータの世界に過ぎない」

    グリシャ「だからいくら怪我をしようが現実に影響はない」


    グリシャ「しかし、脳が自分は死んだと勘違いしたら、本当に死ぬこともあるんだ」


    エレン「…………」



    グリシャ「エレンはとっさの判断で覚醒スイッチを押すことができるか?」

    グリシャ「父さんが外から強制覚醒できたからよかったものの…」


    グリシャ「だから、これからはしっかり父さんの言うことをきいて安全にやるんだぞ」

    エレン「わかったよ…ごめんなさい」




    グリシャ「…わかればいいんだ!」


    グリシャ「よし、今日はここまで」

    グリシャ「ご飯を食べるぞ」

    エレン「うん……」





  5. 5 : : 2014/10/02(木) 20:16:00

    ~一週間後~



    男B「昨日ゲーム楽しかったな!」

    男A「エレン、今日はどうする?」

    エレン「ごめん!今日はまた用事が…」

    男A「おっけー!」





    ~家~


    エレン「ただいまー!!」


    エレン(ああ、もう待ち遠しいぜ!)

    エレン(土曜日も5m級はちゃんと倒せたし!)


    エレン(10m級は父さんの言うとおり難しいけど、小さい奴はどんどん倒してやる!)



    エレン「父さんー?」


    エレン「はやくー」



    しかし返事はない



    エレン「?」


    エレン「どっかいったのかな…」


    エレン「そういや大学いくとかいってたかも…」




    エレン(やりたい…やりたい…)



    エレン(…別に、父さんいなくてもやっていいんじゃないか?)


    エレン(前みたいに、でかいやつに当たらなければいいんだ!)



    エレン(やろう!)


    エレン(父さんが帰ってくる前に!)





  6. 6 : : 2014/10/02(木) 20:25:19
    ~地下室~



    エレン「えーっと…あったあった」


    ソフトを取り出し、コンピューターにセットする


    エレン「なんか設定とかあるみたいだな…」


    『地区はどこにしますか?』


    エレン「へー…こんなのあったんだ」

    エレン「まあ、適当でいいか」


    『服を設定して下さい』


    エレン「え、服って変えられたんだ!」


    エレン「うーん…」

    エレン「あ、この訓練兵の服ってやつかっこいい!」


    エレン「後は立体機動装置とブレードをつけて…」

    エレン「あ、寒そうだしこの赤いマフラーもつけとこ」



    エレン「よし、こんなもんか」

    エレン「タイマーをセットしてっと…」


    エレン「よし、いくぞ!」



    そのままカプセルに入り

    徐々に意識は薄れていった…




    ─────────────────



    エレン「ん………」

    エレン「きたか、仮想空間に…」



    辺りを見回す



    エレン「あれ……」




    エレン「巨人が…いない?」



  7. 7 : : 2014/10/02(木) 20:57:48

    エレン(おかしいな…いつもは荒れた土地と巨人数体がセットなんだが)


    エレン(森と目の前に小屋…か)



    エレン「父さんこんな場所も作ってたんだ…」


    エレン(とりあえず小屋に入ってみるか)ガチャ




    大人A「あ?」

    エレン「え!?」



    その小屋には、人がいた


    エレン(人…?)

    エレン(今までいろんなソフトをしてきたが、人がでてきたのは初めてだ…)

    エレン(しかも、こんなリアルで繊細な動きをする人なんて…)


    大人B「訓練兵じゃねえか…まさか憲兵を連れてきたのか!?」


    エレン(父さんこんなデータ作ってたなんて…)

    エレン(知らなかった)



    「んー、んー!!」


    大人B「おい、騒ぐな!」

    エレン「……?」


    不思議な声がしたため、奥を見ると


    エレン「!!!」


    黒髪の女の子が、口を塞がれ、身体を拘束されていた


    大人A「ちっ!みられたか!」

    大人A「始末しろ!」



    エレン(何!?これって誘拐!?)

    エレン(父さん、なんつーデータつくってるんだ!)



    エレン(どうする?誘拐なら警察?)


    エレン(だけど、どうやって呼ぶんだ!?)



    エレン「うわ!?」


    エレン(刃物を振り回してきやがった!)


    エレン(このままじゃ命がアブねえ!)


    エレン(覚醒するか?…でも)チラ


    女の子「んー!!んー!!」


    エレン(いくらデータでも…この子をほおってはおけない!)



    エレン(データ…?)


    エレン(そうだ、データなら殺してもいいんじゃないか?)

    エレン(罪にはならない)

    エレン(それに…こいつらは”悪”だ!!)


    大人A「死ねぇぇええ!」


    エレン(死ぬのはそっちだ!)


    ブレードを奴めがけて振り下ろす



    大人A「………え?」



    大人A「あ……あ……」


    大人A「腕がぁぁああ!!!!」


    大人B「うわぁぁああ!!!」


    エレン(お前も…死にやがれ!!)




    ────────────────────



    エレン(人を…殺した)

    エレン(まだ、感覚が残ってる)


    女の子「……………」


    エレン(とりあえず、俺は今女の子を拘束からといている)


    エレン「危なかったな」

    エレン「でも悪いな、こんなトラウマになりそうなもん見せちまってよ…」

    エレン(ってデータの子にトラウマとかできるのか?)


    女の子「三人……」

    エレン「は?」


    女の子「三人、いた」


    エレン「!!!」


    大人C「おい、これ、お前がやったのか?」


    エレン(しまった…身体を捕まえられた!)

    大人C「くそ!!仲間を!!」


    エレン「う……」


    そのまま首を絞められる


    女の子「お、お兄さん!!」


    エレン(やばい…はやく、覚醒しないと…)


    エレン(覚醒スイッチは立体機動装置に…)


    エレン(でも、手が!手が届かねえ!)



    女の子「あ……あ………」


    エレン(残る手は…!)


    エレン「た、戦え…!」

    女の子「!?」


    エレン「剣を、手に…とれ!」

    女の子「で、できないよ!」


    エレン(俺は…女の子に何をやらせようとしているんだ…)


    エレン(でも…)


    エレン「戦わなければ…勝てない」


    女の子「!!!」



    その言葉をきいて

    女の子は何かを理解したように、男の首をはねた





  8. 8 : : 2014/10/02(木) 21:42:35

    ────────────────────



    女の子「………………」

    エレン「………………」



    エレン(俺たちは今山道をあるいている)


    エレン(憲兵という警察のような役割の人に誘拐のことを伝える為だ)


    エレン「君、名前は?」


    女の子「……ミカサ」


    エレン(すっかり無表情になってしまったな…)

    エレン(まあ、あんなことがあったら仕方ないか)


    エレン(に、しても表情や身体の動きは本当に細かい)ジー

    エレン(虫も鳥もそれぞれ違う動きをする)

    エレン(植物の種類も多い)


    エレン(フィールドも大分広いし…)

    エレン(まるでRPGの世界を探索している気分だ)

    エレン(父さんやっぱすごいな…)

    エレン(この技術をもっと動物ソフトに活かせよ)



    ミカサ「…………あなたは?」

    エレン「え?」


    ミカサ「…名前」

    エレン「あ、ああ」

    エレン「エレンだ、よろしく」


    ミカサ「ねえ、エレン」

    ミカサ「私はこれからどうすればいい?」

    エレン「どうって…憲兵のとこにいって親の元に戻ればいいだろ?」

    ミカサ「お母さんもお父さんもさっきの大人達に殺された」

    エレン「!!!」


    エレン(父さん!!どんだけ重い設定にしてるんだ!)


    ミカサ「私はどこに帰ればいいの?」


    ミカサ「寒い…寒い…」


    エレン「…………」


    エレン(データだ、とはわかっていても…)


    ミカサ「え……」


    俺はつけていたマフラーをミカサの首に巻く


    エレン「あったかいか?」

    エレン「ごめんな、俺にできることはこれくらいで…」


    エレン「大丈夫、憲兵さんに話したらきっと一人じゃなくなる、寂しくなくなるぜ」

    エレン「だから少しの間我慢してくれ」


    ミカサ「………うん」




    ミカサ(…あったかい)


  9. 9 : : 2014/10/03(金) 01:57:48
    すごく面白いです!         期待です 
  10. 10 : : 2014/10/03(金) 18:12:06

    山道を歩き続ける


    エレン「あ、そうだ」

    エレン「ここには巨人はいないのか?」

    ミカサ「?」

    ミカサ「壁があるからこないんでしょ?」

    エレン「壁…?」



    エレン(どうやらここにいる人たちは百年前に巨人の脅威から逃げるため、巨大な壁の中に逃げ込んだらしい)

    エレン(…しっかりと設定も練られてる)


    ミカサ「訓練兵なのに知らないの?」

    エレン「あ、ああ」



    ミカサ「街、ついた」

    エレン「ここが…街か」


    エレン(人が沢山歩いている)

    エレン(それぞれ話したり、物を売ったり、花を植えたりと)

    エレン(まるで意志をもったかのように動いている)


    エレン(父さん、このソフトに何GB使ったんだ?)



    エレン「あ、あの人えらそうだな」


    エレン「すいませーん」


    ハンネス「おお、なんだ?」

    ハンネス「訓練兵がなんでこんなところに?」

    エレン「え、えーっと…まあ」


    エレン「それより!この子親を殺されて誘拐されていたんです…」

    ハンネス「なんだって!?」

    ハンネス「大丈夫なのか!?」

    ミカサ「……」コク


    ハンネス「よし、とりあえずこっちはまかせろ!」

    ハンネス「お前はさっさと訓練に戻れ」

    エレン「はい」


    エレン(まあ、父さんが帰ってくる前に起きてないとだめだし)

    エレン(そろそろ止め時かな)



    ミカサ「……エレン」

    エレン「なんだ?」

    ミカサ「…ありがと」

    エレン「おう」


    ミカサ「また会える?」

    エレン「ああ」


    エレン(一体どれだけの会話のパターンが作られているんだ?)

    エレン(やっぱり、このソフトは他のソフトとは違う)


    エレン(だから、また父さんの目を盗んでここに来てみよう)



    エレン「またな」





    『覚醒します』








    ミカサ「………?」


    ハンネス「どうした?」


    ミカサ「お兄さん…」

    ハンネス「あら?もうどっかいったのか?」


    ハンネス「まあとりあえずいくぞ」

    ミカサ「…………」コク






  11. 11 : : 2014/10/03(金) 18:15:55

    ────────────

    エレン「………」パチ


    エレン(父さんは……よし、帰ってきてない)


    エレン(ちゃんと元通りにして、と)


    エレン(このゲームのこと気になるけど)

    エレン(勝手に使ったことバレるの嫌だし聞かないでおこう)






    グリシャ「おお!エレン、おそくなったな」

    エレン「おかえり」


    グリシャ「今日はもうアレをする時間がないな…」

    エレン「じゃあ明日やりたい!」

    グリシャ「よし、わかったぞ」





    その日のことは父さんにバレることもなく


    無事に過ぎ去った



    それから一週間後


    また父さんがいない日がきた






  12. 12 : : 2014/10/03(金) 18:43:53


    エレン(よし、今日もまたあの場所へいってみようかな)


    エレン「えーっとまず場所は…」

    エレン「シガンシナ区とかだっけ」

    エレン「前は山だったけど街に設定して…と」



    エレン「服は次どうしようかな~」

    エレン「お!調査兵団の服ってやつにしてみよ」



    エレン「タイマーをセットして…」


    エレン「ほんじゃ、エレン、いきまーす」




    ───────────────────




    エレン「よし、今回も難なくいけた」


    エレン「……あれ?」



    辺りを見渡す


    そこは、確かにこの前来た街だった



    …巨人がいて、家屋が半壊していることを除いて



    エレン「嘘…だろ?」

    エレン「ここは、巨人がこないんじゃ無かったのか!?」



    子供「あ”ー!!!」

    エレン「!!!」



    目の前で子供が巨人に食べられる



    エレン「嘘…だろ!?」


    エレン(父さん、なんつーシナリオ作ってるんだ!)


    エレン(とにかく…データとはいえあんな苦しんでる姿みせられたら…)


    エレン(助けてやらねーと!)




    サーン…!  オカーサーン!!



    エレン「!!!」


    エレン(どこかで…声が!)


    エレン(避難させてやらねーと!)



    エレン「おい!大丈夫か!?」


    ミカサ「え…?」


    エレン「!!!」


    ミカサ「あ……」



    エレン(この子は…あの時誘拐されてた子!)


    エレン(だけど…なんかちょっと大きくなった?)

    エレン(まあ、成長期だしな…)


    エレン(父さん…練り込みすぎ)



    エレン「それより!早く避難しよう!」

    ミカサ「まって!お母さんが…」



    エレン「!!」


    女の人が瓦礫の下敷きとなっていた



    …しかし、もうその人は息絶えているようだった



    エレン「くそ…!!」

    ミカサ「お母さん!お母さん!」


    エレン「ミカサ…お母さんは、もう助からない」

    ミカサ「………」


    エレン「どうした!?目かっぴらいて…」


    ミカサ「あ……あ……」


    エレン「?」


    彼女の視線の先を見ると


    そこには巨人がいた


    7mくらいだろうか?



    エレン(戦わ…ないと!!)






  13. 13 : : 2014/10/03(金) 19:05:14


    エレン「下がってて!」


    エレン(勝てるか…?)

    エレン(俺は今まで最大5m級までしか倒せていない)


    エレン(それに今回は父さんの指示もない)



    ハンネス「おいミカサ!大丈夫か!?」

    ミカサ「!!」


    ハンネス「って…あの時のやつじゃねえか!」

    エレン「!!」

    ハンネス「なんで調査兵団の服…」


    エレン「おっさん!こいつ倒すの手伝って!」

    ハンネス「は、はあ!?」

    ハンネス「そんなことより逃げるべきだ!」


    エレン(確かに…!)


    エレン(でも、まだ生き残ってる人がいるかもしれない)



    エレン「おっさん!ミカサは頼んだ!」

    ハンネス「はあ!?お前はどーするんだ!?」


    エレン「生き残ってる人の救助に回る!」

    ハンネス「わ、わかった!」



    ミカサ「ま、まって…私もエレンと…」

    ハンネス「危険だ!!」


    ミカサ「せっかく…」



    ミカサ「せっかく”一年ぶり”に会ったのに!!」


    エレン「え…?」


    エレン(一年…ぶり?)

    エレン(まだ1週間ほどしかたっていないだろ!?)



    ハンネス「おい!!アブねえ!!」


    エレン「!!」



    エレン(しまった…巨人が手をのばしてきた!)


    エレン「くそぉぉおおおおおお!!!」



    思いっきりガスを吹かし


    奴の目を潰す



    エレン(このまま片目も!!)



    ハンネス「す…すげえ…」


    エレン「おっさん!こいつの目が潰れてるうちに速くミカサを避難させて!」

    ハンネス「あ、ああ!」



    ミカサ「あ……」


    ミカサ「エ、エレン!」


    ミカサ「また、助けてくれて…ありがと」


    エレン「ああ!さっさといけ!!」


    二人の姿はそのまま見えなくなった





    ハンネス「お母さんは残念だったな…」

    ミカサ「うん…優しい、人だった」


    ミカサ(調査兵団…)

    ミカサ(そこに入ったら、またあえるだろうか?)






    エレン(くそ…ほんとなんつー状況つくってるんだよ父さん!)


    エレン(それに…一年たったって、どういうことだ?)

    エレン(…まあ、データだからなんでもありか)


    エレン(とにかく、一旦戻ろう)

    エレン(もしかしたら外から設定をいじれるかもしれない!)



    覚醒スイッチ押す



    エレン(……?)


    エレン(あれ、何もおきないぞ)


    もう一度押す



    しかし何度ボタンを押しても覚醒することはなかった




    エレン(そんな…)

    エレン(こんな時に壊れたのか!?)


    エレン(こんな…巨人だらけの場所に…)






  14. 14 : : 2014/10/03(金) 19:17:11

    エレン(やべえ…父さんに怒られる)


    エレン(そういや壁に穴があいてるな)

    エレン(あそこから巨人がきているらしい)



    エレン(とにかく…死なない程度に)

    エレン(生き残ってる人を助ける!!)



    巨人「」アーン


    エレン「!!」


    エレン(まず自分が助かるかもわからねーのに…)


    エレン(人を助けてる余裕なんてないのかもな!)


    エレン(大丈夫、3m級だ)


    巨人「」ニタァ



    エレン(え!?もう一匹現れた!?)



    エレン「くそ…こいやぁぁぁあああ!!!」




    しかし勢いだけで倒せるような相手ではない


    エレン「う……」


    あっけなく俺の身体はやつの手に収まった


    エレン「は、はなせ!!」


    身体を握る手の締まりが強まる



    エレン「く…くそ…」



    エレン(こ、これは…)



    エレン(死ぬ……)




    ピー



    『強制覚醒します』

    『強制覚醒します』



  15. 15 : : 2014/10/03(金) 19:23:28


    ────────────────


    エレン「はっ……」パチ



    グリシャ「エレン……」


    父さんが心配した顔でこちらを覗いている



    エレン「父さん……」


    グリシャ「どうして、勝手に使った!?」

    グリシャ「お前……死ぬところだったんだぞ!?」



    エレン「ねえ、父さん……」



    エレン「”あの人”達はなんなの?」

    グリシャ「!!」


    グリシャ「お前…会ったのか?」

    エレン「あれは本当にデータなの?」


    エレン「どうして…どうしてあんな設定にしたんだ!」

    グリシャ「………」


    エレン「あの人達は…常に、巨人の恐怖がつきまとっていて…」

    エレン「人が死んでいくのは当たり前の世界で…」

    エレン「表情を失ってしまった子もいて…」



    エレン「なんのために、作ったんだよ…」

    グリシャ「………」



    グリシャ「いつかは、話さないといけないと思っていた」

    エレン「え……?」


    グリシャ「あの巨人ソフトは普通のソフトとは違う」



    グリシャ「あのソフトは……」


    グリシャ「異世界と通じている」



  16. 16 : : 2014/10/03(金) 19:40:32


    エレン「異世界…?」

    グリシャ「ああ」



    グリシャ「あれは一年ほど前のこと」


    グリシャ「私は新たなソフトの制作に取り組んでいた」


    グリシャ「その内容は、巨人を倒すというものだ」

    グリシャ「はじめはお前の知っているようにひどいグラフィックだった」

    グリシャ「あの動物ソフトの犬や猫のように」


    グリシャ「しかし、ある日突然フィールドが別の場所になった」

    グリシャ「まるで本物のような背景…」

    グリシャ「それと同時に巨人のグラフィックも上がった」


    グリシャ「私はどういう原理でそうなったのかは分からなかったが…」

    グリシャ「でもこれは幸運だと思い、そのままにしていた」



    グリシャ「そしてまたある日、このフィールドがどこまであるのかが気になり、調べていた」


    グリシャ「その時、人の存在に気がついた」


    グリシャ「私は探求心から自ら仮想空間に入り、接触をはかった」



    グリシャ「その人はいっていた」

    グリシャ「ある日突然巨人が現れた」



    グリシャ「私は思った」

    グリシャ「これは、異世界とデータが融合してしまったのではないか、と」


    グリシャ「そこの人も…虫も、動物もデータにはなかった」

    グリシャ「どれだけ捜してもそんなデータは見つからなかった」

    グリシャ「信じられないかもしれないがな」




    グリシャ「そして、そこの人達を苦しめたのは私のせい」

    グリシャ「だから巨人のデータを消してしまうことにした」



    グリシャ「…しかし、できなかった」

    エレン「え!?どうして!?」



    グリシャ「バグだ…」

    グリシャ「バグが起きていたんだ」





  17. 17 : : 2014/10/03(金) 19:53:29


    グリシャ「バグによって”猿の巨人”という奴が現れた」

    エレン「猿の巨人…?」


    グリシャ「ああ、やつは知能をもったプログラムだ」

    グリシャ「奴は他の巨人を操ることができる」


    グリシャ「そして、外からでは巨人の存在を消すことをできなくしたのだ」

    エレン「そんな…!」



    グリシャ「…だから、私はせめてもの償いのため壁を与えた」

    エレン「あれ…?」

    エレン「でもそれって百年前につくられたんじゃ…」


    グリシャ「あの世界とこことでは時間の流れが違うらしい」

    エレン「なるほど…」


    エレン(だからミカサは一年ぶりだといったのか…)



    エレン「あ、あとその壁穴開けられてたよ」

    グリシャ「!!」


    グリシャ「猿の巨人はそこまで力を…」


    エレン「なあ、そいつって消せるのか?」

    グリシャ「………」


    グリシャ「外からでは倒せない」


    グリシャ「しかし、あの世界のルールに従って直接攻撃を与えれば倒すことができる」




    グリシャ「それで私は……危険とはしっていながら」

    グリシャ「エレン……お前に、戦いを教えていた」

    エレン「!!」


    グリシャ「あの場で戦うにしても私がただ闇雲に攻撃したところですぐ死ぬだけ…」


    グリシャ「だから、外から指示をだしつつ戦えば勝てるかもしれないと踏んだ」


    グリシャ「すまない…私のせいで危険な目に会わせてしまい」


    エレン(な、なんか難しくてよくわからなかったけど…)


    エレン(とりあえず…)



    エレン「巨人を駆逐しろって…わけだよな?」

    グリシャ「ああ…」



  18. 18 : : 2014/10/03(金) 20:07:10

    エレン「でも…そんな強そうな奴倒せるのか?」

    エレン「おれ5m級までしか倒したことねえし…」


    グリシャ「因みに猿の巨人は倍以上ある」

    エレン「え!?勝てんの!?」


    グリシャ「やつに勝つため私は研究を続けた」


    グリシャ「あの世界に新たなものを作るのは至難の業だ」

    グリシャ「あそこは私のつくったデータとしくみが違うからな」

    グリシャ「壁はなんとか作れたが、核兵器などはつくれなかった」


    グリシャ「しかし、まだ猿の巨人の手が加えられていないデータには手を加えることができた」


    グリシャ「それは被験体のデータ…エレン、お前だ」

    エレン「え、俺!?」


    グリシャ「エレン、お前の武器としてブレードと立体機動以外に新たな武器」


    グリシャ「巨人化のデータが付け加えられた」

    エレン「巨人化?」


    グリシャ「ああ、おまえ自身も巨人となり戦うことができる」

    エレン「おお!なんかすげー!!」



    グリシャ「明日からその巨人化の練習がしたい」

    グリシャ「毎日だ…やってくれるか?」

    エレン「もちろんだ!」


    エレン(毎日……できるんだ!!)



    グリシャ「危険が生じたら強制覚醒スイッチを押す」

    エレン「ああ、そういや俺の方の覚醒スイッチ機能しなかったよ」

    グリシャ「何!?」


    グリシャ「すまなかったな…」

    エレン「いや、大丈夫」



    グリシャ「じゃあ、明日から頼む」

    エレン「うん」




    エレン(あの人達は人間…)


    エレン(俺は…人を殺してしまったんだな)



    エレン(でも、あの子のためだ)


    エレン(そして、あの子の笑顔を取り戻すために…)


    エレン(駆逐してやる…!巨人共!!)



  19. 19 : : 2014/10/03(金) 20:57:55



    それから一週間、俺は巨人化の練習をし続けた



    そして、運命の日がやってくる




    グリシャ「エレン、準備はいいか?」

    エレン「ああ」


    グリシャ「奴がどこに現れるかは分からないが…」


    グリシャ「ん?」

    エレン「どうしたの?」


    グリシャ「壁に…また穴があいている!!」

    エレン「え!?」


    グリシャ「人が戦ってる…」

    グリシャ「エレン、先にこっちをお願いできるか?」

    エレン「わかった!」


    グリシャ「大きな岩があるようだ」

    グリシャ「これで穴を塞いでくれ」

    エレン「わかった」



    グリシャ「服はどうする?」

    エレン「うーん…訓練兵の服でいいかな」

    グリシャ「わかった」


    グリシャ「じゃあ…お父さんはしっかり見ているから」

    グリシャ「すまない、頑張ってくれ」

    エレン「もちろんだ!」



    エレン(いくぞ…!!)




    ─────────────────────



    サシャ「た、大変です!!」


    サシャ「屋根くらいのサイズの巨人が…」


    ジャン「くそ…ここに集まってるのもそろそろ危険か…」



    アニ「ライナー、どうする?」

    ライナー「まだだ、やるならそろってからだ」

    ベルトルト「……………」





    コニー「おい、どうすりゃいいんだ…?」

    サシャ「もうガスがありません…」



    ジャン「もう…終わりだ」

    ジャン「さっさと内地に行きたかったぜ…」

    ミカサ「大丈夫」

    ミカサ「きっと…来てくれるから」

    ジャン「あ?」

    アルミン「それはミカサがいつも言っているあの人がってこと?」

    ミカサ「ええ」



    アルミン(ミカサとは…六年ほど前に友達になった)

    アルミン(ずっと…ずっと一緒だった)



    アルミン(そんなミカサの心の中にいつもいた人)

    アルミン(僕の入る隙間のないくらい、ずっといた人…)




    ミカサ「エレーーーーン!!!」





    ミカサ「!!!」




    目の前に、影が現れる



    その影は屋根を壊していた巨人へと向かう



    サシャ「あ……きょ、巨人を倒しました!」


    コニー「だ、誰だ!?」

    コニー「訓練兵だよな!?」



    ミカサ「あ………」



    エレン「よっしゃ!倒せたぜ!」



    そこには

    ずっと会いたかった人がいた


    いつも心にいるのに、会えなかった人



    ジャン「誰だ?」

    ジャン「っておいミカサ!」


    ミカサは彼に駆け寄る



    ミカサ「エレン……!!」






  20. 20 : : 2014/10/03(金) 21:14:36


    エレン「!!」


    エレン(な、なんだ!?)

    エレン(いきなり女の人がだきついてきたぞ!?)


    ミカサ「エレン…きてくれると、信じていた…」

    エレン「!!!」


    エレン「ミカサ…か?」

    ミカサ「うん…」

    ミカサ「五年間…ずっと、会いたかった」


    エレン(五年もたったのか!?)


    エレン(な、なんか変わったな…)

    エレン(すごい大きくなったし…色っぽくなったし…)

    エレン(でもめっちゃゴツゴツする!)


    エレン(俺と同年代か?)

    エレン(てことは俺は今同年代の女の子に…)



    エレン「うぉぉおお///」

    ミカサ「エレン?」



    ジャン「おい、例のエレンが現れたのか?」

    マルコ「そんな奇跡…」


    アルミン「この人が…エレン?」


    エレン「あ、ああ」

    エレン「みんなよろしくな」


    アルミン「…………」

    ミカサ「アルミン?どうしたの?」



    アルミン「ミカサは6年前彼に会ったんだよね?」

    ミカサ「ええ」

    アルミン「その時彼は訓練兵の服をきていたんだよね?」

    ミカサ「ええ」


    ミカサ「…………!!」


    ミカサ「そういえば…あなたは見た目が一切変わっていない…」

    ミカサ「しかも前会ったときは調査兵団の服を着ていた」


    エレン「う……」



    グリシャ『とにかく今は流せ』

    グリシャ『速く次の行動に移った方がいい』


    エレン「わかった」

    ミカサ「?」



    エレン「まあ、それは後だ!」

    エレン「おまえ達は今ここで何をしてるんだ?」


    ジャン「ガス切れをおこしちまってどうしようも無くなったんだよ」

    ジャン「戻るほどのガスはもう残ってねえ」

    ジャン「補給所は巨人でいっぱいだしよ…」


    エレン「じゃあ、そこまでいけばいいんだな?」

    ジャン「そんな簡単にいくかよ…」



    エレン「大丈夫だ」


    エレン「俺についてくればな」


    ジャン「はあ?」



    エレン「俺は巨人化能力をもっている!」

    ライベルアニ「!!!」


    アルミン「君は…いったい…」



    エレン「俺はこの世界を救いにきた!」

    エレン「エレン・イエーガーだ!!」




  21. 21 : : 2014/10/04(土) 18:43:07


    ジャン「救うって…どうやって…」


    エレン「まずは岩であの穴を塞ぐ」

    エレン「そしてその後すべての元凶をぶっ殺す」


    エレン「だからお前らに岩を塞ぐときのサポートをしてほしいんだ」

    ミカサ「わかった」

    エレン「そのためにはまずガスの補給だな…」


    エレン「あの建物か…」



    エレン「よし、ついてこい!」


    エレン(左手の甲を噛んで…)


    エレン(強い目的意識…と)

    エレン(巨人になって、こいつらの道をつくる!)



    目の前に15m級の巨人か現れる



    コニー「ほ、ほんとに巨人になった…」

    サシャ「て、手招いてます!」

    ジャン「悩んでる暇はねえな…」


    ジャン「巨人が味方になるなんて信じられねえけど」


    ジャン「ついてくぞお前等!!」




    ライナー「…………」

    アニ「ねえ、ライナー…」

    アニ「あいつ何なんだと思う?」

    ライナー「ここの奴ではないようだ…つまり」


    ライナー「俺らの故郷と同じ目にあっている者か…?」

    ベルトルト「でもどうして穴を塞ぐなんて…」

    ライナー「わからん」


    ベルトルト「このままにしていていいのかな?」

    ライナー「さっきあいつは元凶を倒すといっていたな?」

    ライナー「もし、倒せるなら…俺らにとっても好都合」


    ライナー「今は皆と行動を共にしよう」

    アニベル「わかった」







  22. 22 : : 2014/10/04(土) 20:39:28


    アルミン(それからエレンさんのおかげでガスの補給を無事に行うことができた)


    エレン「じゃあ岩で塞ぎにいこうか」

    アルミン「まって!」


    アルミン「多分このまま穴を塞ぎにいっても駐屯兵に攻撃されてしまうでしょう」

    アルミン「駐屯兵のえらい方に説得をしにいくべきです」

    エレン「なるほどな…」


    エレン「あと敬語やめてくれ!」

    エレン「俺とお前同じくらいだろ?」

    アルミン「う…うん」



    グリシャ『エレン、急ごう』

    エレン「それじゃあ偉い人のいるところへ…」


    駐屯兵「お、おいお前」

    エレン「?」


    駐屯兵「さ、さっき巨人になっていたよな!?」

    エレン「!!」

    駐屯兵「お前は敵なのか!?人類の敵なのか!?」

    エレン「な、なんだ…?」


    アルミン「例の駐屯兵のお偉いさんのうちのひとりみたいだね…」

    エレン「なるほど…じゃあこいつを説得すればいいのか」



    エレン「ぼ、僕は人類の味方です」

    駐屯兵「嘘をつけ!!じゃあどうして巨人化した!?」

    エレン「この世界を救うために巨人化する他無かったのです」

    駐屯兵「巨人化してどう人類を救うんだ!?」

    エレン「まずはあの岩で穴を塞ぎます」


    エレン(どうしよう…話が進まない)




    ピクシス「ほぉ…おもしろい考えをもっておるな」

    エレン「!!」

    ピクシス「わしに詳しいことを一から教えてくれぬかのお」

    エレン(なんだこのおっさん?)


    アルミン「あ、あなたは…」

    マルコ「ピクシス司令…」


    エレン「なんだ?偉い人なのか?」

    アルミン「偉いどころじゃないよ!」

    アルミン「駐屯兵団の総司令であって人類領土南部最高責任者でもあるんだよ!?」


    エレン(だめだ…価値観が違うせいでどうすごいのかわからない)


    グリシャ『エレン、その人と話をつけろ』

    グリシャ『こちらの情報はどれだけ話してもらってもかまわない』

    グリシャ『まずは信頼されることが大切だ』



    エレン(よし…頑張って説明しよう)



  23. 23 : : 2014/10/04(土) 21:26:52
    エレン「信じてもらえるか分かりませんが…」


    エレン「俺は巨人化できます」

    ピクシス「ほお…」

    エレン「そしてここからはさらに信じてもらうことは難しいでしょう」


    エレン「俺はこことは違う世界、異世界からきました」

    「「「!!?」」」

    ミカサ(異世界…?)

    ピクシス「ほお…」ニヤニヤ

    アルミン(なんでにやけていられるんだ?)



    ジャン「おい…異世界ってどういうことだ!?」

    エレン「そのまんまだけど…」

    エレン(なんて言えばいいんだ?)

    エレン(ここの人に仮想空間とかいっても信じるのか?)


    エレン「その~俺のいる世界はここよりも科学が発展していてだな…」

    エレン「意識だけをべつの空間…?えーっと…身体とは切り離して仮想の空間に入ることが…」

    「「「???」」」


    エレン「ま、まあ用はすんごい機械があるって話だ!」

    エレン「それでその機械とこの世界が偶然リンクしてしまって俺はここにくることができた!」

    「「「???」」」

    エレン(くそ…うまく説明できねえ!)


    エレン「その時いろいろ不具合が起きたみたいでその影響で巨人が現れちまったんだ」

    ライナー「何…?」

    エレン「そして猿の巨人ってやつを倒せば巨人達はすべて消せるんだ!」


    エレン(だ、だめか!?)



    サシャ「えーっと…」


    サシャ「とにかくその猿の巨人ってやつを倒せばいいんですよね?」

    エレン「ああ!」

    エレン(そこしか伝わらなかったか!)


    アルミン「異世界…」

    アルミン「それでどうして君はいつ見ても年が変わらないんだい?」


    エレン「どうやらこっちとあっちじゃ時間の流れが違うらしいぞ」

    アルミン「なるほど…」

    アルミン(異世界…本当にあったんだ!!)


    アルミン(以前本で読んだことがあったけど存在するとは思いもしなかった!)

    エレン「どうした変な顔して…?」


    アルミン「い、いや…」

    アルミン(色々聞きたい!!)

    アルミン(でも今は時間がないしな…)





    エレン「それで…話は信じてもらえましたか?」

    ピクシス「ああ、信じよう」


    ピクシス「それでは今から精鋭達を集めて穴を塞ぐ作業にとりかかる」

    ピクシス「巨人化は絶対できるのであろうな?」

    エレン「はい!!」


    ピクシス「よし…お主、名前は?」

    エレン「エレン・イエーガーです」

    ピクシス「!!」


    ピクシス「よし、イエーガー!託したぞ!人類の未来を!」




    ピクシス(幼い頃出会った人…)


    『すみません…私のせいでこの世界に巨人を発生してしまいました』


    『いつか…必ず!奴らを一匹残らず駆逐します』


    『本当に!申し訳ございません!!』



    ピクシス(グリシャ…イエーガー)


    ピクシス(約束…果たしてもらうぞ!)




  24. 24 : : 2014/10/04(土) 21:55:48


    アルミン(エレンは再度巨人化)

    アルミン(巨人化には馴れているようで何事もなく作業は進み)


    アルミン(一人も犠牲者がでることなく穴は塞がった)



    ミカサ「……」ソワソワ

    アルミン「どうしたの?」

    ミカサ「!!」


    ミカサ「そ、その…」

    ミカサ「せっかく久しぶりに会えたのに、忙しそうで話せなくて…」

    アルミン(ああ、なるほど)


    アルミン(ミカサは本当にエレンのことが大好きなんだなあ)



    ジャン「けっ…」

    アルミン(あ、ジャンもふてくされてる)


    マルコ「ジャンがミカサに告白したときのことを思い出すね」

    ジャン「おい思い出させるな」

    アルミン(確かエレンのことを忘れられないから誰かとつき合うことはできない、だっけ…)


    アルミン(その後エレンがどれほどすばらしい人なのか振られたジャンに語り続けてたんだっけ)クス





    ピクシス「では、次の作戦に移るか」

    ピクシス「猿の巨人…そいつを倒す」


    イアン「そいつはどこにいるんだ?」


    エレン「えー…ちょっとまって下さい」


    エレン「父さん、猿の巨人はどこにいるんだ?」

    グリシャ『すまない、わからん』

    エレン「ええ!?」


    ピクシス「なんといっておる?」

    エレン「分からないそうです…」


    グリシャ『異変に気づいて勝手に来てくれることを願うが…』


    エレン「待つしかないようです…」

    ピクシス「なるほど…」


    ピクシス「まあしかしそれほど強い相手なら準備も必要だ」

    ピクシス「調査兵団の帰還を待つのもよいだろう」


    ピクシス「それまで、どうだ?」

    ピクシス「ここの者達と親睦を深めるのも
    よいだろう」

    エレン「はい…!」



    ミカサ「!!」

    ミカサ(これは…話せるチャンス!)


    ピクシス「アッカーマン訓練兵」

    ピクシス「少し話がある」

    ミカサ「」ガーン





  25. 25 : : 2014/10/04(土) 22:20:30
    エレン「み、みんな」

    エレン「これから頼むな!」


    「………………」


    エレン(やっぱそんなすぐに受け入れられねえか…)

    エレン(ぶっちゃけ俺らのせいで巨人あらわれたような物だし…)



    アルミン「ねえ、エレン…」

    エレン「!!」


    エレン「どうした?」

    アルミン「異世界ってどんなところ?」

    アルミン「何かここには無いものとかもあるの?」キラキラ


    エレン「えーっとな…」

    エレン(よくマンガとかにでてくる過去の人に話をするみたいな感じでいいかな?)


    エレン「まず空を飛ぶ鉄の塊があるな」

    アルミン「え、すごい!」

    エレン「しかもそこに人が沢山乗ってるんだぜ?」

    アルミン「ええ!?どういう原理で!?」

    エレン「す、すまねえ…よく分からん」


    エレン「他にも世界のいつでも、どこでも、誰とでもつながれる機械があるぜ」

    アルミン「へえ!!さぞ高いんだろうな…」

    エレン「いや?まあ、高いけど一家に一台以上はあるぜ?」

    アルミン「それは驚いた!僕たちの常識は通用しないのか!」


    エレン(すごい…キラキラした目で話を聞いてくれる)

    エレン(なんか…こっちもうれしくなるぜ!)



    エレン「あ、そういや名前を聞いてなかったな」

    アルミン「僕はアルミン・アルレルト」

    エレン「よろしくな、アルミン」


    アルミン「ああ、聞きたいことがありすぎて困っちゃうよ…」

    アルミン「そうだ!海!」

    アルミン「海を見たことはある?」


    エレン「海?毎日みてるけど?」

    アルミン「!!!」


    アルミン「どんな!!どんなとこ!?」

    エレン「うーん…楽しいところだな!」


    エレン「沢山の生物がいてな…場所によったら本当に綺麗なところだ」

    アルミン「どれくらい広いの?ウォール・マリアくらい?」

    エレン「広さはわからないな…」

    エレン「だって未だに人類が見ていないところもあるくらい広いんだぜ?」

    エレン「横だけじゃなくて下にも広がってるんだ」

    アルミン「そ、そうなんだ…!」


    エレン「あと貝殻ってやつが落ちてるんだが…」

    エレン「そいつを耳に当てたら波っていう…まあ、水の音が聞こえるんだ」

    アルミン「ええ!?すごい…」


    エレン「………」


    エレン「必ず、巨人どもを駆逐して」

    エレン「お前に海を見せてやるよ!」

    アルミン「…!」

    アルミン「うん!約束だよ!」













    猿の巨人「あれ~?」


    猿の巨人「新たなデータがあるね…」




    エレン「!?」



    アルミン「な、なんだあいつは!?」



    グリシャ『エレン!!やつだ!!』




    グリシャ『やつが猿の巨人だ!』



  26. 26 : : 2014/10/05(日) 15:31:22


    エレン「何!?」

    ピクシス「こんなに速くくるとは…」

    リコ「まだ調査兵団も帰ってきてないのに!!」



    猿「もしかして僕を消しに来た?」

    エレン「当たり前だろうが」


    エレン「てめえをぶっ殺して巨人共をけすんだよ」


    猿「そんなことできるの?」



    グリシャ『エレン、巨人化するんだ!』

    エレン「ああ」


    猿「ん~?何か邪魔な音声が聞こえる」


    猿「え~い消しちゃえ!」



    グリシャ『何!?きこえプツッ



    エレン「え!?父さん!?父さん!?」


    エレン(まずい…父さんの指示がないと…)


    エレン(兎に角、巨人化だ!)



    ミカサ「エレン、私も援助をする」

    エレン「ありがとう」

    ミカサ「先程ピクシス司令から精鋭達と援助に関する作戦を立てた」




    エレン(よし……手の甲を噛む!!!)




    猿「おお、巨人化か…」


    猿「僕の作ったデータを元にしたのかな?」

    猿「それならこっちも同じ作戦でいこう」




    ライナー(なんだ?こっちをみてる?)


    猿「さあ、戦士達」


    猿「巨人化しな」



    ライベルアニ「!!?」



  27. 27 : : 2014/10/05(日) 15:49:27


    アルミン「うわっ」


    アルミン(急に爆風が…!?)


    アルミン(砂煙で前が見えない…)



    視界が開けたとき



    アルミン「!?」


    目の前に三体の巨人がいた



    イアン「あれは…」


    イアン「超大型巨人に鎧の巨人…と」

    ピクシス「ほお…やはり女型はいたのか」



    コニー「お、おい…」

    コニー「あいつらライナー達がいたところからでてきたきがするんだけど…」

    サシャ「わ、私にもそう見えました…」


    コニー「じゃ、じゃあ!あいつらが壁に穴を!?」



    猿「そうなるね」


    エレン(くそ…あの三体が邪魔で猿の方へむかえない!)


    猿「超大型はさっき巨人化したばかりだから完全ではないね…」


    ジャン「嘘だろ…?」

    ジャン「おいライナー!アニ!ベルトルト!」

    ジャン「攻撃をやめやがれ!」


    猿「無駄だよ」

    猿「今は僕が操っているからね」

    ジャン「どういう意味だ!?」



    猿「僕は彼らの故郷の人間に実験をした」

    猿「人に巨人のデータをいれるというものだ」


    猿「それがうまくいってね…最高の兵器を作り出せたんだよ」

    猿「彼らにはここの人類を皆殺しにしたら故郷を実験から解放してあげるといっておいたんだ」



    ジャン「な、何のために…」

    猿「うーん」


    猿「この世界すべてをデータ化して僕が支配できるようにするためかな!」

    ジャン「は…?」

    猿「この壁の中の者達はデータの注入ができなくてね…」


    猿「だから死んでもらうことにしたんだよ」



    エレン(ふざけてやがる…!)


    エレン(でもどうする!?)

    エレン(あんな強そうな巨人3体相手して猿の元へいけるのか!?)



    猿「ついでに僕の邪魔となる君も今消しておこうかな」

    猿「さあ、雑魚巨人共、あの黒髪の巨人を狙え」


    エレン(や、やばい…雑魚巨人達がこっちに!!)





  28. 28 : : 2014/10/05(日) 16:05:29


    猿「ほらほらどうだ?」

    猿「何百といった巨人がそれぞれ意志をもったように動き出すのは…」



    エレン(やばい…これは絶体絶命…)

    エレン(一度戻って別の位置からせめるか!?)


    エレン(くそ…覚醒スイッチがきかない!!)




    ミカサ「ねえ、エレン…」

    エレン「?」


    ミカサ「巨人達、確かに動作がおかしい」

    ミカサ「でも、遅いように感じる」

    エレン「!!」


    エレン(た、確かに…)


    エレン(もしかして…一度に沢山のデータを扱ったことで動作が重くなったのか!?)

    エレン(俺には影響はないが…)

    エレン(恐らく独立したデータなんだな)


    エレン(これなら…間間をくぐってあいつの元へいけるかも…)


    ミカサ「私が…指示をする」

    エレン「!!」


    ミカサ「どこを進めば奴の元へいけるかを伝える」


    ミカサ「今度は…私が助けさせて」



    エレン「…」コク




    ミカサ「じゃあまず超大型は動作が遅い上にさらに遅くなっている」

    ミカサ「狙うならそこ」


    ミカサ「そして今からまっすぐ進めば比較的巨人のサイズが小さいのとあたる」



    ミカサ「いきましょう」


    エレン(よし…いくぞ!)





  29. 29 : : 2014/10/05(日) 16:14:09




    猿(うん、楽勝楽勝)


    猿(あいつはそろそろ潰れたかな?)



    ミカサ「でーたを使いすぎると目も悪くなるの?」

    猿「!!?」


    猿(そんな…いつのまに!?)



    ミカサ「エレン!攻撃を!」


    エレン(ケンカなら小さいとき何度もしたからな!!)

    エレン(どーせこの猿はそんな経験ないんだろ!)


    猿「く…くそ!」


    猿「巨人ども!さっさと攻撃をしろ!」


    ミカサ(沢山操ると遅くなることには気づいてないのだろうか?)


    エレン(いくら知能があるといっても…)


    エレン(人間の脳には勝てねえんだな!!)


    猿「ぐはっ!!」



    エレン(うなじを思いっきり噛んで…)


    エレン(核を潰す!!!)


    猿「ぁぁぁあああああ!!!!」




    断末魔とともに猿の身体は消滅し


    数分後巨人達も

    元々何も存在しなかったかのように消滅した






  30. 30 : : 2014/10/05(日) 16:20:07


    アルミン「…………」


    アルミン「か……かったの?」


    皆が顔を見合わせる



    コニー「お、おお」

    サシャ「人類が…巨人に…」



    「「「「勝ったぁぁあああ!!!」」」



    リコ「や、やっと…」

    イアン「このときが!!」



    アニ、ベルトルト、ライナーもいつのまにか元の姿に戻っていた



    エレン「はぁ……」


    エレンは巨人化をとく


    ミカサ「エレン!!!」

    ミカサ「か、勝った!!」

    エレン「ミカサ……」


    エレン(やっと…みれた)


    エレン(ミカサの笑顔…)



    エレン「お前のおかげだ!勝ったぞ!」

    ミカサ「ええ!勝った!!勝った!!」



    この出来事は瞬く間に内地にも伝わり


    夕方には壁内人類全員が人類の勝利を知り、歓喜した




  31. 31 : : 2014/10/05(日) 16:35:18




    ミカサ「エレン…どうしたの?」

    ミカサ「祝杯につかれた?」


    エレン「まあ、それもあるけど…」


    エレン(あの後英雄だーって言われて…いろんな人のところ行かされて…)

    エレン(英雄か…元凶でもある気がするけど…)



    エレン(それに…)


    ミカサ「まだ…お父さんと連絡がとれないの?」

    エレン「ああ…」



    エレン(あれからお父さんと連絡もとれず、覚醒もできず…)

    エレン(このままここにいることになるのか?)



    ミカサ「エレンが嫌じゃないなら…」

    ミカサ「ずっとここにいればいい…と思う」

    エレン「…………」


    ミカサ「ごめんなさい…」

    エレン「いや…」


    ミカサ「確かにここにはエレンの大切な家族や友達がいない」

    ミカサ「け、けど…私が…代わりに…」

    エレン「…ありがとな」


    エレン「元気づけてくれて」

    ミカサ「………うん」




    ミカサ「ねえ、エレン」

    エレン「どうした?」

    ミカサ「改めてお礼、ありがとう」

    ミカサ「私を何度も守ってくれて」

    ミカサ「ずっと会いたかった」

    エレン「そっか…俺にとっては数週間でもお前にとったら何年も会ってないことになるんだな」


    エレン「ミカサほんとに大きくなったよな」

    ミカサ「エレンが変わってないだけ」


    エレン「いやでも筋肉すごいついたよな?」

    エレン「一体どんなトレーニングしたんだよ!?」

    ミカサ「初めて人を殺したときに私の中の何かが開花した」

    ミカサ「そしてエレンに会うために…調査兵団に入るために訓練をした」


    エレン「それでその筋肉…」

    ミカサ「エレンは筋肉質じゃない子の方が好きなの?」

    エレン「いやそんなわけでもないけど…」


    エレン「でもそんなのでモテるのか?」

    ミカサ「この間ジャン…あの馬面の子に告白された」

    エレン「まじかよ!?」


    エレン「で、どーしたんだ?」

    ミカサ「振った」

    エレン「へえ…馬面だから?」

    ミカサ「そ、それもあるけど…//」

    エレン(あるんだ…)



    ミカサ「い、一番は…」


    ミカサ「エレンのことが忘れられなかったから…//」

    エレン「え…そ、それって…//」




    グリシャ『あーマイクテス、マイクテス』


    エレン「!?」

    ミカサ「ど、どうしたの!?」



    グリシャ『エレンー聞こえるかー?』

    エレン「と、父さん!?」

    ミカサ「え……」



  32. 32 : : 2014/10/05(日) 16:44:02

    グリシャ『やっとつながった…』

    グリシャ『猿の討伐ご苦労だったな』

    グリシャ『ありがとう…』


    グリシャ『なんとか修理をしてまた繋げることができた』

    グリシャ『どうする?帰るか?』


    エレン「…………」

    ミカサ「エレン、戻るの?」



    エレン「ああ…」

    ミカサ「……そう」


    エレン「俺さ、アルミンに海をみせるって約束したんだ」

    エレン「それで…父さんに頼んで俺の装備に貝殻をつけてもらおうと思う」

    ミカサ「貝殻?」

    エレン「そうだ」


    エレン「海に落ちている物なんだが…耳にそれをあてるとな、水の音がするんだ」

    ミカサ「素敵…」


    エレン「だから、それを持ってくるためにも一度戻らないと…」

    エレン「ミカサもなんかみたい物とかあるか?」

    ミカサ「みたい物…」



    ミカサ「…私もエレンとアルミンと海がみたい」

    エレン「!」


    エレン「…わかった」

    エレン「じゃあ次までに海がどこら辺にあるか確認しておくぜ!」

    ミカサ「…!」


    ミカサ「うん!」ニコ


    エレン「へへ…」


    エレン(やっぱ笑った顔…いいな)




    エレン「じゃあ、またな」

    ミカサ「うん、まってる」




    『覚醒します』

    『覚醒します』




    ─────────────
    ───────
    ───




  33. 33 : : 2014/10/05(日) 16:47:26
    ───
    ───────
    ────────────



    エレン「!!」パチ


    グリシャ「エレン!!おかえり!!」ギュッ

    エレン「ちょ、苦しい!苦しい!」


    エレン(戻って…きたんだな)


    エレン「あ、そうだ!」

    エレン「父さん、俺の装備に貝殻つけて!」

    グリシャ「お、おう」


    グリシャ「じゃあデータを作るのに一週間ほどまってくれ」


    エレン(はやく…)


    エレン(はやく、一週間よたて!!)





    それまでに俺は

    一番近い海の場所を確認して

    地図をつくった





    そして一週間後



  34. 34 : : 2014/10/05(日) 17:04:30


    グリシャ「よし、服は訓練兵でいいな?」

    エレン「ああ!」

    グリシャ「貝殻つけるぞー」

    エレン「ああ!」

    グリシャ「忘れ物ないかー?」

    エレン「はやく!はやく!」

    グリシャ「わかったわかった」ハハ


    グリシャ「それじゃあスイッチ押すぞー」



    ──────────────────




    エレン「よし、今回も無事にこれた!」


    エレン「あれ…なんか雰囲気変わった?」


    以前来たとき街は閑散としていた


    しかし今は人で溢れかえっている


    そして家々も新しく、地面もコンクリートに変わっていた



    エレン(なんかの祭りかな…?)

    エレン「あの、すみません」

    エレン「なんの騒ぎでしょうか」



    婆「あら、外国の人かしら?」

    婆「今日は英雄を導きし御子様の7回忌なのですよ」

    エレン(へえ…祭りかと思ったら葬儀か)


    婆「あなたもどうかその名前を覚えて差し上げてください」



    婆「ミカサ・アッカーマンの名を…」

    エレン「!!?」


    エレン(え………?)



    エレン(ミカサ……?)


    エレン「ば、婆さん!その人ってどんな人?」

    婆「東洋の血が流れていて…美しい黒髪の立派な顔立ちをした方でしたね」


    エレン(そんな…まさか…)


    『あの世界とこことでは時間の流れが違うらしい』


    エレン(嘘だ…そんなこと…)



    婆「ちょっと、お兄さん大丈夫!?」

    エレン「う……う………」



    『私も、エレンとアルミンと海がみたい』



    『じゃあ、またな』

    『うん、まってる』



    エレン「うわぁぁあああああ!!!」


    婆「ちょっとお兄さん!?」


    婆「誰か、誰かきてー!!」



    ??「大丈夫ですか!?」


    エレン「!!」



    エレン「お、お前は…」

    ??「?」



    エレン「アルミン!?」


  35. 35 : : 2014/10/05(日) 17:14:05

    エレン(金髪でこの童顔さ…)

    エレン(やっぱりあの死んでるミカサは人違いだったんだ!)




    ??「アルミンは…祖父の名前です」

    孫「どうして祖父の名を…」

    エレン「え………」

    エレン(じゃあ、やっぱりミカサは死んで…)


    孫「も、もしかして…」

    孫「あなたは、エレンさんですか!?」


    エレン「え…どうして俺のこと…」


    孫「祖父から聞いておりました」

    孫「異世界からいつか、友達がくるから」

    孫「その時はこの手紙を渡してほしいと」

    エレン「手紙…?」


    アルミンの孫が鞄から一通の手紙をとりだす



    孫「例の…ミカサさんからの手紙です」

    エレン「ミカサ!!」


    俺はその手紙を受け取り、読む





    ~親愛なるエレンへ~


    ずっとまっていた

    でもあなたは卑怯ね


    いつ会えるのかわからない

    とっても気まぐれな人


    あなたとは3日ほどしか会っていない

    だけど、私の心にはいつもあなたがいた


    きっと、もうこの世界では会えないけど


    ずっといいたかった


    大好き



    ミカサより




  36. 36 : : 2014/10/05(日) 17:20:13


    エレン「あ……あ……」


    エレン(ずっと…待っててくれたのに…)


    エレン(生きてる間に、会えなかった…)


    エレン(約束、したのに…)



    エレン(俺と、ミカサと、アルミンと三人で…海を…)



    エレン「うわぁぁあああああ!!!」

    孫「………」

    エレン「ごめん…ごめん…」

    エレン「約束…守れなくて…」


    エレン(なんて…ひどい運命なんだ…)


    エレン(なんて…なんて…)


    エレン(時間の流れは残酷だ…)


    孫「祖父から、伝言が」


    孫「今後また巨人が現れたりしたら大変なので…」

    孫「どうか、あちらからこちらにくる道を消してしまってほしい、と」


    孫「そして、…」




    孫「海は、本当に綺麗だった」

    エレン「!!」


    孫「会えて…よかった、と」


    孫「そういってました…」




    ───────────────
    ───────
    ──

  37. 37 : : 2014/10/05(日) 17:31:37


    一週間後


    男A「エレンー?大丈夫かー?」

    エレン「ああ…」ボケー


    男A「だめだ…最近反応がない」

    男B「失恋でもしたのか…?」

    エレン「…………」




    エレン(あれ以来…俺の頭の中は後悔と懺悔でいっぱいだった)


    エレン(もう少し早くいけば会えたんじゃないか?)

    エレン(また会いに行くとか言わない方がよかったんじゃないか?、と)





    エレン「悪い…体調悪いから帰る」

    男A「お、おう」

    男B「はやく元気になれよ…」





    エレン(どうして、時間の流れが違ったんだ)


    エレン(歩きながら、そのことばかり考えた)



    「あの、すみません」


    エレン「?」


    エレン(なんか女の人がおばあさんに話しかけてる)



    「ここら辺に、エレン・イエーガーという人はいますか?」



    エレン(え、俺…?)


    「えーっと…目つきが悪く、黒髪で…」


    エレン(目つき悪いって…)


    エレン(つか、誰だ?)



    エレン(黒くて長い髪…年は40かそれ以上くらいか?)


    「そして…勇敢で…か、かっこいい人」


    エレン(首には赤いマフラー…)


    エレン(え、赤いマフラー?)



    婆さん「エレンくんなら今歩いてるあの子だねえ」

    「え!?」



    女の人がこちらを振り向く



    エレン「あ……」


    「エレン!!」



    エレン「ミ…カサ?」




  38. 38 : : 2014/10/05(日) 17:41:55

    ミカサ「そう、あのミカサ」

    エレン「は…え…ど、どうして!?」


    すっかり大人になっていて…

    顔つきも大分変わっていたけど



    確かに、ミカサだった



    ミカサ「会いたかった」

    エレン「あ、ああ…」


    ミカサ「あれから、巨人がいなくなって…」

    ミカサ「壁がなくなり、私達は外にでた」


    ミカサ「外にはいろいろな世界があった」

    ミカサ「文明が発展している国もあった」


    ミカサ「アルミンはその国で技術を学んだ」


    ミカサ「そして…エレンが私達の世界へきたのと同じ用な機械を作り出した」



    ミカサ「もう、50歳になってしまったけど…」


    ミカサ「また…また会えた」

    エレン「そんな…ことが…」



    ミカサ「ふふ…初めてエレンよりも年上になった」

    ミカサ「でも本当はもっと若いときに会いたかった」

    エレン「いや…とっても…綺麗だよ」

    ミカサ「ありがとう」



    エレン「じゃ、じゃあ!」

    エレン「これからも、会えるのか!?」

    ミカサ「…………」



    ミカサ「…今日は、お別れを言いに来た」

    エレン「え…」


    ミカサ「これ以上、異世界同士で関わり合えば、またバグが起きてしまうかもしれない」


    ミカサ「だから、これが最後…」


    ミカサ「またね…じゃなくて…」




    エレン「ああ……」





    エレン「じゃあな、ミカサ」

    ミカサ「さようなら、エレン」




    ミカサ「大好き…」

    エレン「俺も」





    そう残してミカサは消えていった





  39. 39 : : 2014/10/05(日) 17:44:57

    エレン「……………」



    時間の流れは残酷だ



    エレン(あの手紙…このことわかった上で書きやがったな)



    だけど



    エレン(よし、気を取り直して…)


    エレン(今いるこの時間を大切にしないとな)


    エレン(もう、後悔しないように)



    こんな出会いがあるのなら


    悪くはないかも




    おしまい


  40. 40 : : 2014/10/05(日) 17:45:37
    コメントしてくれた人も見てくれた人も
    ありがとうございました!
  41. 41 : : 2014/10/11(土) 10:35:38
    感動しました…。
  42. 42 : : 2014/10/11(土) 14:47:04
    いい話だった!
    感動…
  43. 43 : : 2017/10/15(日) 00:54:11
    あれ?目から海水が・・・
  44. 44 : : 2017/11/14(火) 14:28:03
    あれ? 目から海水が?(T^T)
  45. 45 : : 2018/01/14(日) 01:38:37
    あぁ...
  46. 46 : : 2018/02/11(日) 07:18:30
    感動した! いい話だ〜
  47. 47 : : 2018/02/11(日) 07:18:53
  48. 48 : : 2018/02/11(日) 07:20:29
    悪魔のスナイパーの
  49. 49 : : 2020/03/19(木) 05:28:07
    俺「イイハナシダナア」

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larcy6v6

くまお

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