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戦士と兵士の狭間を歩いてきた
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- 1 : 2014/10/02(木) 00:58:19 :
- こんな使命を背負っていなければ、俺はお前と一緒に笑えたのか?
ライナー「ユミル……本当に良いのか?」
ユミル「さっきも言ったろ………私は疲れたんだよ」
俺はお前の大事な親友の命を奪う事になるかもしれない
ベルトルト「……アニ…」
そして俺達の大事な仲間は囚われている
本音を言ってしまえば今すぐに助けに行きたい気分なんだよ
簡単だ、醜い巨人の姿になり壁を破壊する
俺達がその気になれば壁の中の人類は簡単に滅ぼす事が出来るかも知れない
なら何故……俺達は出来なかったんだ?
SSを読者の皆様に気持ちよく読んで貰うために、作品が終了するまでコメントを制限させて頂きます。
コメントを貰えると本当に嬉しいです
しかし、途中で貰ったコメントを非表示にするのは心が痛みます。
ですので、作品が終了するまではこちらにコメントを頂けると嬉しいです!
http://www.ssnote.net/groups/347/archives/5
作品の感想
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- 2 : 2014/10/02(木) 00:59:39 :
- 壁の上で体を休めてる
『兵士』は自分の体を理解し、いざ戦う時に最高の力にならなければならない
『兵士』
俺達は『兵士』を演じている間は自分達の『使命』を忘れる事が出来た
ベルトルト「…」
ユミル「安心しな……ありゃあアルミンの作戦だ」
ベルトルト「何で言い切れるの……確証はないよ」
ユミル「お前は女を知らなさすぎる……女は簡単に死なねぇよ」
アルミン?お前が言った言葉は俺達の心を破壊するには上等すぎる
俺もベルトルトも今すぐにお前らを皆殺しに………
ライナー「…」
出来るはずがない、お前らと過ごした日々に『嘘』はなかった
偽りのない日々に身を置いていたかった
使命の事を考えずに兵士として生きる事が出来たらどれだけ幸せだったろう
『ライナーは本当に優しいよね』
お前は俺の事を優しいと言ってくれたな
-
- 3 : 2014/10/02(木) 01:00:18 :
- あれは立体起動の訓練の時だったな
サシャが1人で担いで来た怪我人を俺が助けようとした時だ
サシャも俺も結局、訓練は最下位で点数は低かった
それでも俺は不思議と嫌な気分にはならなかった
ライナー『んぁ~!疲れた』
エレン『お前は本当に凄いよな……憧れるよ』
ライナー『お前は俺なんかを憧れにしちゃダメだな』
エレン『あ?何でだよ?』
エレンは俺が点数よりも人命救助を優先した事を誉めてくれた
そして、憧れると言ってくれたんだよ
何で憧れるなって言ったか……
お前は俺の正体を知ったら殺したいと思うからだ
俺はお前らに嫌われる事が怖かったんだ
ライナー『話してると飯に遅れるぞ!今日のサシャは機嫌が悪いからな……もうエレンの分は食われてるかもな』
エレン『やべぇ!先に行ってるからな!』
先に行ってるからな…
あぁ、先に行ってくれ
俺達の力がお前らを傷付ける前に…
俺達の手がお前を殺してしまう前に、何処か遠くに行ってくれ
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- 4 : 2014/10/02(木) 16:47:51 :
- 『ライナー?どうかしたの?』
俺は壊れてきていた
自分が何なのか知ることを放棄していたんだ
ライナー『何もないぞ?クリスタこそ大丈夫か?』
お前は誰にでも優しくしてくれる
俺は見ていたんだ、アニとも話そうとしてくれる姿をな
本当のあいつは戦士なんかに向いていないんだよ
優しくて、優しくてよ…
動かなくなった死体に謝るんだ
クリスタ『今日の訓練は辛かったね……立体起動は今でも怖いな』
ライナー『確かにな………俺でもチビりそうになるからな!』
クリスタ『えぇ?ライナーが?』
こんな何気ない会話を永遠にする事が出来るような気がしていた
何もかもが満たされていた様な気がしていたんだよ
俺の手や足や体が真っ赤な血で汚れている事を忘れる事が出来たんだよ
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- 5 : 2014/10/02(木) 16:48:54 :
- クリスタ『そう言えばね!サシャがライナーを誉めてたよ!』
ライナー『サシャ?昼の訓練の事か?』
立体起動は危険な訓練だ
毎年、数名は事故で亡くなってしまう
今日の訓練もサシャが見つけて居なければその事例に入っていただろう
クリスタ『ライナーは先頭を飛んでいたのに戻って来てくれました!って言ってたよ!』
ライナー『たまたま後から来た奴等が教えてくれてな……気付いたら戻ってたんだよな』
何でだろうな
『その日』が来たら殺さないといけなくなる命を俺はなぜ助けたのだろうか
自分達には使命がある
その使命を背負ってる俺は心を鬼にすると決めていたのにな。
-
- 6 : 2014/10/02(木) 17:01:06 :
- 何でなんだよ
誰でも良いから教えてくれ
俺はなぜ、人を助けてしまうんだ
この環境が居心地良く思えてしまうんだ
故郷に帰る事が全てであったはず
壁の中の人類は俺達には悪魔でしかないはずなのに
初めて人類に攻撃をした日、俺もベルトルトもアニもなぜ涙が溢れたんだ
何日も何日も夜は泣いていた
涙を止めようとしても、目から溢れてくる涙は止まってくれなかった
月日が流れるにつれ、アニもベルトルトも自分を殺して生活をしていた
アニは女の子だ、他の女の子と仲良く過ごしたかったはずだ
それなのに、俺達には使命があった
その使命から逃れる事が出来なかったんだ
-
- 7 : 2014/10/02(木) 17:01:45 :
- クリスタ『ライナー?大丈夫?』
俺の様子が変だったからか?
クリスタは俺の事を心配してくれるんだ
ライナー『クリスタは俺の……俺の事が怖いと思った事はあるか?』
クリスタ『え?』
意味のわからない質問をしたと思う
あの時、俺は兵士と戦士の狭間を歩いていたと思う
求めた答えは【怖いと思った事がある】
その言葉を聞くことが出来たのなら、俺は戦士として生きる事が出来たかもしれない
クリスタ『ふふっ!ライナーは怖くないよ?』
クリスタ『ライナーは優しくて頼りになるよ!』
その笑顔で俺を見ないでくれ
きっと、俺の正体を知ったら笑顔は消えて絶望と憎悪で溢れた顔で俺を見るはずだ
好きに何かなってはいけない
それなのに……
俺は戦士として生きる事が出来なくなってしまった。
-
- 8 : 2014/10/02(木) 17:02:21 :
- その日から俺は戦士と兵士の狭間を歩く屍になってしまった
気が付けば目でお前を追っていた
いつも人に優しくしているお前を故郷に連れて帰りたかった
訓練所でも何人かの男女は恋に落ちていた
辛い訓練の中、一時の幸せを求め女を知りに町に行く奴もいた
何度か誘われていた、それでも俺は行けなかった
初めては好きになった女に捧げたかった
ベルトルトもアニを想っていたから、絶対に誘われても行かなかった
ベルトルトは本気でアニを愛しているんだ
アニだって恋をしていたって問題はないはずだ
何で俺達を化物の様な存在で見るんだ
好きで人を殺していた訳じゃない
誰でも良いから俺達を助けてくれ
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- 9 : 2014/10/02(木) 17:02:58 :
- 助けを求めても助けてくれる人は存在しなかった
心の奥底に自分を閉じ込めてる仲間を見ると心が痛む
それなのに俺は中途半端な生き方をしている
ベルトルト『ライナー……最近…少しさ……たるんでるよ』
何度かベルトルトに言われて目が覚める
自分の正体の事を、そして夜になると忘れてしまう
訓練の時は完璧に戦士ではなく、兵士になっている
アルミンが困っていた時に助けてしまった事は教官にバレるのを覚悟していた
俺は中途半端な存在になってしまっている
俺が変にならなければアニが囚われる事もなかったはずだ
アニの側にベルトルトが居れば、ベルトルトは絶対にアニを助けることが出来たと思う
俺が不甲斐ないからだ、俺の責任で仲間は囚われている
もう一度、俺は心を悪魔に売るしかない
心の中では何度も売っている
町で買える【一時の愛】には体も心も売らなかった
俺が今から売るのは【人間性】かもしれない
-
- 10 : 2014/10/02(木) 17:03:36 :
- ユミルは俺達を助ける為に戻ってきてくれた
あのまま、エレン達と帰る選択があったのにだ
そんな優しくて不器用な仲間の命が奪われるのを俺は黙って見ていられるのだろうか?
ライナー「ユミル……逃げてくれよ」
ユミル「馬鹿野郎だな、手土産もないで帰ったら怒られるぞ」
怒られても良いんだ
この際、俺の命をくれてやるよ
俺の命と引き換えにアニの命を救う方法があるかもしれない
ユミル「何を考えてるのか知らねぇがよ……きっと、お前が自首しても何も変わらないと思うけどね」
変わらないと思う
確かにな、ミカサが言ってた通りだよ
俺達は人類の害でしかない
お前らは俺らの首を跳ねる事だけを考えているんだよな?
なら俺もお前らの命を握り潰し、踏み潰す事しか考えない
そのつもりなのに……何で…だろうな
目を閉じればお前らと過ごした日々が鮮明に蘇ってくる
教官にバレるのを覚悟で枕投げをした日々や
女風呂をジャンと覗きに行こうとした日々、その後にミカサとアニにぶっ飛ばされた光景
辛い訓練を皆で乗り越えた日々が俺の頭の中を消えないで通り過ぎていくんだ。
-
- 11 : 2014/10/02(木) 17:04:31 :
- ベルトルト「ユミル……僕は…僕達は……本当に」
ユミル「わかってるよ、好きで人を殺せるかよ……私だって好き好んでお前らの仲間を喰った訳じゃねぇ」
ユミル「お前らが私を恨んでねぇよにな……私も…………恨まないよ」
ユミル?お前の瞳に涙が溜まってるのを俺は知っている
お前は俺達の為にここに居るんだ
女神様も悪くねぇ?お前らしくない
お前は俺を小馬鹿にしてる位が1番良いんだよ
ベルトルト「ユミル……本当に…ありがとう」
ライナー「…」
俺達を見付けてくれた人だ
俺達と同じ境遇を生きてる人間だ
何としても殺したくない
何としてももう一度、クリスタと会わせてやりたい
-
- 12 : 2014/10/02(木) 17:05:04 :
- お前は今の俺に何て言ってくれる?
あの時の様に優しい言葉を俺に言ってくれるのか?
無理だろうな、俺らはお前の親友を殺そうとしているんだ
優しいしお前なら、今すぐにでも俺達を追い掛けようとするよな
追い掛けて、捕まえたらさ…
お前は俺を殺すのか?
怖いな…死ぬのは怖いよ
この若さで死と隣り合わせで生きてるんだ
殺されても恨めない事をしたよな
わかってるんだよ
それでもよ、少しは俺達の気持ちを知ってくれよ
俺達の気持ちを知ろうとしてくれよ
なぁ?エレン……お前が俺達と一緒に来てくれたらよ
俺達は壁を壊さなくて済んだんだよ
何で…だよ
何でだよ?
そんなの決まってるだろ
あいつの親を殺したのは俺達だもんな
本当に悪いことをしたと思ってる
ベルトルトは『気の毒だと思った』とエレンに言ったよな?
あの日、ベルトルトは大声で泣いていたんだよ
壁の中に居る人間は悪魔だって教えて貰ってたんだ
それなのに姿形は俺達と何1つ変わらないからな
育まれた命を奪う恐ろしさを俺達は幼い時に体験してるんだ
エレンやミカサは幼い時に人を殺したら泣くか?
泣くのが普通だと俺は思うよ。
-
- 13 : 2014/10/02(木) 17:05:41 :
- 壁の上で自分達が何をするべきかわからなくなっている3人
騙していた事は真実で、自分達も受け入れている
それでも本当は騙すことが自分達の心を傷付けていたことも確かである
ユミル「満月なのにな……何かこういう時の満月は皮肉だよな」
ベルトルト「…」
ライナー「訓練兵になってからよ、何度かエレン達と抜け出した事があるんだよ」
ベルトルト「………あったね」
ユミル「教官にバレたら死ぬ寸前まで走らされたな」
あの時も綺麗な満月でよ
何か不思議と辛いことを忘れる事が出来た
俺もベルトルトもエレン達の話を楽しんで聞くことが出来たんだよな
色々な話をしたよな……
ジャン『何でミカサは、お前にベッタリ何だよ!?』
エレン『何を怒ってんだよ!うるせぇな!教官にバレちまうだろ!』
ライナー『2人とも静かにしろ』
この日々が終わる何て思ってもいなかった
絶対に生き残って皆と呑みに行くって約束をした時、いつもなら嫌な顔をするベルトルトですら笑っていた
満月の下だったからか?
俺達の心を照らしてくれた様な気がしたんだよ
-
- 14 : 2014/10/02(木) 17:06:22 :
- 何回か抜け出したよな
その度に色々な話をするんだ
訓練所で誰が1番可愛いか、好きな女は誰か
付き合ってる奴等がどこまで進んでるのかを予想して賭け事もしたよな
その旅に自分の本質が薄れていくんだ
お前らと過ごした日々が俺の本質を殺してくれる
そして、思い出すんだ
自分達の罪が俺達を見えない鎖で捕らえるんだ
透明な鎖から逃れようとしても、身動きすらとれない
『使命』という名前の鎖で俺達3人の心は囚われてる
今まで作り上げた大切な思い出を失う事が怖かったんだ
その中には淡い恋心もあったよ
こんなにも怖い俺じゃダメだと思っても
心の中で気持ちを殺しても、何度も何度も甦る心は寒がりで……
泣き虫な俺の心は今にも崩れ落ちそうだ
-
- 15 : 2014/10/02(木) 17:07:01 :
- ユミル「ライナーさんよ……お前の泣き顔って初めて見た気がするよ」
ベルトルト「……ライナー」
こんなにも愛してるのに、俺達は肩を並べて歩くことは出来ない
ライナー「うるせぇ……今の俺は戦士なんだ…そう……戦士…なのにな」
戦士である自分なのに、心の中には思い出が駆け巡る
相変わらず、あの頃の日々が俺を傷付ける
暖かい思い出が俺を傷付けるんだ
何度も何度も傷付ける…
アニが謝ってる時の姿は見ていて辛かったよ
あいつは本当に戦士に向いていなかった
ベルトルトも優しくて思い遣りのある奴なんだよ
俺は知ってるのにな……
-
- 16 : 2014/10/02(木) 17:07:31 :
- ライナー「ユミル……クリスタに会いたくないか?」
ユミル「……会いたいに決まってるだろ…馬鹿なのか?」
会いたいのは俺だけじゃない、ユミルも会いたいんだよな
ベルトルトは絶望と憎悪で一杯の顔をしている
悪魔の末裔と言われていたのは本当かもしれない
アルミンの言葉が真意ならば、俺は躊躇なく壁を破壊することが出来る
大事な仲間を守るためなら出来るだろう
それでも、あの言葉が嘘であってほしい
そう思ってしまう俺自身も戦士に向いていないのだろうな
もしも過去に戻れるなら俺は戻りたい
ライナー「(どうすれば良いかわからない)」
ユミルを連れて故郷に一旦戻る選択もある
だが、アニを置いていく度胸がない…
-
- 17 : 2014/10/02(木) 17:08:16 :
- ユミル「今日は行かないだろ……私もお前らも疲れきってるしな」
俺達3人は今日は動く気力が残っていない
今から動き出すのは死に急ぐ様な行動だ
少しだけ今の現状に感謝をしている
俺が今考えてる事はベルトルトは理解してくれるだろう
だが、ユミルは理解してくれるだろうか?
ユミルは覚悟を決めてくれたのだが、俺が今から口に出す内容はその覚悟を壊す
ライナー「ベルトルト……ユミル」
ベルトルト「何?」
ユミル「…」
俺も大馬鹿野郎だ
アニに戦士に向かないと嫌味を言った日を思い出す
今の俺をアニが見たら言い返されるだろうな
もしも……お前が生きてたら笑うか?
なぁ…
マルセル?
-
- 18 : 2014/10/02(木) 17:08:50 :
ライナー「戻るぞ」
戻る場所は故郷じゃない
俺達が目標にしている場所じゃない
幼い時に悪魔の巣窟と教えられていた場所に今一度戻ろうと思う
ユミル「…」
驚いた顔をしているユミルだが、どこか生きる希望を見付けた様な顔をしている
彼女は覚悟を決めてくれているけれど、生きる事が出来るのなら生き抜こうとする女だと思う
ベルトルト「どうする……僕が…また壁を破壊すればいい?」
ベルトルトは覚悟は決まっている顔をしている
惚れた女を守るためなら、お前は強い意思を持つことが出来るだろう
壁を破壊する事が今の状況で1番良いのだろうか?
第一にアニが囚われてる場所がアルミンの言った通りの場所なのか
知らない事が多すぎる、俺達も死ぬわけにはいかない
死ぬのなら俺だけで構わない
アニとベルトルトとユミルだけは何とか助ける事が出来れば良いのだが…
ライナー「壁を破壊するのも案の1つだ……その前にアニだ…アニを助けてからでも良いだろ」
ライナー「次はエレンだ……あいつを故郷に連れていけば俺達の使命は終わる」
俺達は使命から解放されたいだけなんだ
これ以上、無駄な命を奪いたくはないんだ。
-
- 19 : 2014/10/02(木) 17:09:25 :
- ライナー「ユミル……上手くいけば助かるかもしれん……力を貸してほしい」
ユミル「当たり前だろ……死ぬよりはマシだね」
ユミル「だけどな……私はクリスタ……ヒストリアが無事なら死んでも」
ライナー「壁の中の人類がクリスタにとって安全とは言えねぇだろ」
ユミルは冷静に物事を判断するが、焦っていたのだろうか?
巨人と同じぐらい醜い奴等が多い壁の中が絶対に安全とは言えない
これからクリスタが歩いていく道は彼女の望む道ではない可能性が高い
ライナー「わかるだろ……ヒストリアは利用されるだけ利用されて…最後は殺されるかもしれない」
ユミル「…」
ライナー「俺達の目的はアニだ……アニを助けてからエレンと闘う」
ユミル「私がその間にヒストリアを見付ければ良いって事か」
ライナー「あぁ……アニを助ける時は手伝ってほしい」
ベルトルト「ユミル………僕からもお願いするよ」
ユミル「仕方ねぇな……その作戦に乗ってやるよ」
お前は優しいから、誰かを切り捨てる選択より
こっちの選択を選んでくれると思ったよ
なぁ?
マルセル……
俺の考えは戦士として失格だよな
-
- 20 : 2014/10/02(木) 17:09:57 :
- 壁の上から見える町は荒れ果ててる
ここの町をこんな風にしたのは俺達だ
この罪は絶対に許されないだろうな
捕まってしまえば殺されるだろう
特にエレンは本気で殺しに来るだろうな
ライナー「取り合えず今は休め……明日の朝一で戻るぞ」
ベルトルト「どうやって戻る?中には入れないと思うよ」
ユミル「入れない事はないだろ……溝鼠みたいに入り込む方法があるかもしれねぇな………その作戦も考えないとな」
俺達の名前を呼んでくれる仲間はいるのか?
きっと俺達を睨む目は恐ろしいだろうな
憎悪で研ぎ澄まされた奴等の殺意は俺達を殺すには充分すぎるだろう
俺だけか?その未来を想像すると足が震えてしまうんだ
騙していた奴等から睨まれ、殺されるかもしれない未来を想像すると怖いんだ
1歩を踏み出す勇気が出てこなくなる
この手や体を真っ赤な血で染める事が怖い
ライナー「こんな事に……なるならな…もっと沢山…話しておけば良かったな」
ベルトルト「ライナー?」
ライナー「気持ちを伝えておけば良かったな……きっと、俺の事を化物を見るような目で見るんだろうな」
ベルトルト「…」
巨人は何も言わずに人を喰らう、消化しないまま吐き出すんだ
何度もその光景を見てきた人間が俺達を見付けてくれるのか
ユミル「ヒストリアはな……優しいしよ………馬鹿野郎」
ライナー「…」
心から優しい人と言うのは、どんな人なんだろうな
クリスタは俺の事を『優しい』と言ってくれたが
今の俺を見ても同じ言葉を言ってくれるのだろうか
期待はしていない
理解して貰えるつもりもない
俺は恨まれても良い、嫌われても良い、殺されても良い
それでも良いから……
もう1度だけ君に会いたい
戦士と兵士の狭間を歩いてきた
――Fin――
-
- 21 : 2014/10/02(木) 18:00:55 :
- 執筆お疲れさまです。
ライナーの戦士と兵士の間で揺れ、引き裂かれていく心が見事に表現されていて、圧巻でした。
彼も戦士には向いていないですよね。
向いている人間などそうはいないでしょうが…。
原作ではながらく動向が不明な彼等ですが、再登場が楽しみになりました。
ヒストリアへの淡い想いがどうなるのか…。
-
- 22 : 2014/10/02(木) 19:19:03 :
- なぜか感動したーー。・゜・(ノД`)・゜・。
面白かったですよー( ̄Д ̄)ノ
-
- 23 : 2014/10/02(木) 22:04:06 :
- ありゃりゃぎさん
コメントありがとうございます!!
めちゃくちゃ嬉しいです!
ライナーもベルトルトもアニも本当は小さな子供で優しい3人だと思うんですよね…
ライナーが戦士と兵士と葛藤するシーンは見ていて心が痛みます…。
もちろんアニが同期の死に謝ってたり、ベルトルトがサシャとコニーの名前を叫んでるシーンを見ると3人とも人間らしいと思います。
原作での良い方の登場を期待しております!
エレアニ君
ありがとうございます!!
感動して貰えて嬉しいです!
暖かいコメントありがとうございます!!
-
- 24 : 2014/10/02(木) 23:50:10 :
- 人間らしいというか人らしいというか、そんな彼らが大好きです
執筆ありがとうございました
-
- 25 : 2014/10/03(金) 00:08:57 :
- アッと驚くハマフエフキさん
彼等も人間で他の人達と変わらない優しさや人間らしさが私も大好きです…
読んで貰えてほんに嬉しいです!ありがとうございます!!これからも頑張っていきます!
-
- 26 : 2014/10/04(土) 10:31:40 :
- 執筆お疲れさまです!
この3人(+アニ)の心情が痛いほど伝わってくる内容でした。
特に、原作でも戦士と兵士の人格に分裂していたライナーの気持ちがよく分かりました。
彼等はこの歳で背負うには大きすぎる事を背負っているから…壊れてしまってもおかしくはないですよね…(泣)
ほんとにタイトル通りですね!
戦士と兵士の狭間を彷徨ってどちらの時の気持ちも大事にしていて…そしてそれで悩んでいく。
感動しました!!
EreAniさんの作品は全部好きです!
これからも頑張ってくださいヾ(@゜▽゜@)ノ
-
- 27 : 2014/10/04(土) 16:04:01 :
- 良かったですよ 感動しました きっとアニとライナーとベルトルトはミカサやアルミンやエレンのようにいっつも3人で笑い合ってたんだろうね 幼馴染が殺される とか 好きな子をいずれ殺すかもしれないなんて今の私たちには到底考えられない だから進撃の巨人は売れる
-
- 28 : 2014/10/04(土) 21:50:09 :
- アニ☆☆さん
コメントありがとうございます!!
そう言って貰えると嬉しいです!
ライナーは皆と過ごすたびに辛かった記憶が甦ってきたと思うんですよね…
彼等も子供ですからね(泣)
周りと違う事を目的に同じ人間を騙していた事は辛かったと思うんですよ
アニが死んでしまった同期に謝っていたり、ベルトルトが『見付けてくれ』と叫んだり、ライナーが戦士と兵士に気持ちが分裂してしまうのも読んでいて辛いです
実際にも世界では小さな子供が闘っていたり、拷問をされていたりする世界があるから本当に怖いですよね…
日本でも殺害や誘拐と事件が多いですし…。
いつもコメントありがとうございます!!私もアニ☆☆さんの作品が大好きです!これからもお互い頑張っていきましょうね!!
エレアニベルユミ支援さん
原作でエレン達と対比するような位置に居ますからね(泣)
エレン達は日々協力しあってる様に思えますが、ベルトルトとライナーがアニと一緒に過ごしたりする事は出来なかったと思うので、アニが大好きな自分には辛いです(泣)
私達が生活している日本は平和ですよね、この平和に感謝しないといけませんね。
作品にコメントして貰えて嬉しいです!ありがとうございます!!
-
- 29 : 2014/10/08(水) 21:30:29 :
- 執筆、お疲れ様でした。
ライナーの真っ直ぐで真面目な心理描写にうっとりとしてしまいました。戦士と兵士の狭間で苦しむ彼を見る度に心が射抜かれるようでしたが、こうして最後に自分の歩きたい道や望みをはっきりと決めることが出来るのがエレンや私の憧れたライナーなんだな、と思いました。
もう何言ってるのか分からなくなって来ました。:゚(;´∩`;)゚:。
とにかく、皆幸せになってくれ!
素晴らしい作品をありがとうございます!
-
- 30 : 2014/10/08(水) 22:57:00 :
- 卿さん
ライナーはベルトルトやアニ達の兄貴分で、エレン達にも兄貴的な存在であったと思うんです
戦士と兵士の狭間をさ迷っていたのはライナーだけではなく、アニやベルトルトも同じはずですからね(泣)見ていて本当に心が痛くなりますね……何だかライナー達がユミルと一緒にこっそりと壁の中に戻って居たらと自分の妄想を書きました!読んで貰えて嬉しいです!
本当にコメントありがとうございます♪
お互い執筆活動頑張っていきましょう!
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- 31 : 2014/10/09(木) 14:50:15 :
- 最高ですね^_−☆
目から汗が(;_;)ってなりました笑
-
- 32 : 2014/10/09(木) 14:53:14 :
- お疲れさまでした
-
- 33 : 2014/10/09(木) 18:18:23 :
- エレアニ君さん
ありがとうございます♪
彼等も辛い使命を背負ってますからね…(泣)
騎士王ARIAさん
ありがとうございます♪
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- 34 : 2014/11/06(木) 09:36:57 :
すみません、遅れ馳せながら拝読させて頂きました。
答えが分かっているのにそこに辿り着いてはいけない運命を背負うライナーの苦悩の描写、心に刺さりました。
繰り返し彼が思い出している幸せだった日々の記憶が、苦しみだけでなく強さに変わる事を切に願いたいですねぇ(´・_・`)
-
- 35 : 2014/11/06(木) 18:23:33 :
- 月子さん
月子さん!!読んで貰えて本当に嬉しいです!!
ライナー、ベルトルト、アニの3人は訓練生活で情がわいてしまったと読んでて思うんですよね…
アニがアルミンを殺せなかったり、ベルトルトが叫んだりと……特にライナーは皆の兄貴的な存在だったから尚更辛いと思うんです。
彼達がまた笑って歩いてる未来を強く望みます。
コメント本当にありがとうございます!
月子さんの作品は本当に素敵で毎回凄いと思います!!アルミンの誕生日SSも期待してます!
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- 36 : 2015/05/28(木) 22:04:56 :
- ライナー達の仲間を思う気持ちなどが強く伝わってくる作品でしたっ!
これからも執筆活動頑張って下さい!
-
- 37 : 2015/05/29(金) 21:26:12 :
- 雛莉華さん
ライナー達、同郷3人が大好きすぎて幸せになってほしいって気持ちがいっぱいなので…人間らしい彼等が大好きです!!読んで頂きありがとうございます!!頑張っていきます!!
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