ミカサ「リヴァイ兵長、お話があります。」 リヴァイ「…何だ」
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- 1 : 2014/09/13(土) 08:29:54 :
- -前書き-
こんにちはゆづです。今回は「リヴァミカ」がメインのお話です。
とは言っても恋愛じゃありませんよ。どちらかというと友情系でしょうか。
リヴァミカの友情系、一度書いてみたかったので。
まだSSを書くのは事実上2作目なので、至らぬ所もあると思いますが宜しくお願いします。
このSSに対するコメントは下記のスレにお願いします。
http://www.ssnote.net/groups/698/archives/6
最後に一つ、宣伝です。私の作った雑談グループです。
http://www.ssnote.net/groups/697
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- 2 : 2014/09/13(土) 11:02:55 :
リヴァイ「…」
ミカサ「……」
ここは、旧調査兵団本部──
まだ志高き結成当時の調査兵団が使用していた場所なのだが、本部が別の場所に作り変えられるとすっかり使用されなくなった。
しかし。
現在、人類最強の兵士・リヴァイ兵士長率いる「リヴァイ班」がエレン・イェーガーを監視するために使用している。
その一室にて、まるで睨み合いのような形で、「二人」は向き合っていた。
リヴァイ「わざわざ現本部から足を運んできてまで俺に言いたい事があるとは何だ。エレンの馴染みだったか、確か」
ミカサ「…非常に言い難い事ではあるのですが」
リヴァイ「…言ってみろ」
リヴァイはそう言うと、目をミカサに向けたまま紅茶を啜った。
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- 3 : 2014/09/13(土) 11:14:07 :
その動作にすらミカサは心中に苛立ちを覚えていた。
──こいつ、なんて傲慢な男だ。
やはり、こんな男には──
ミカサ「貴方だけにエレンを任せておく気にはなれません」
リヴァイはティーカップを机に置くと眉間にしわを寄せた。
ミカサは凛としてリヴァイを見下している。
リヴァイもミカサに対して苛立ちを覚えていた。
───こいつ、結構上からモノを言うじゃねえか。
此処に突然押しかけてきたと思えば、俺に対する文句か。
リヴァイ「俺はエレンの管理を総統に正式に任された。お前にどうこう言われる理由は無いのだが」
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- 4 : 2014/09/13(土) 11:21:43 :
ミカサ「勿論分かっています」
リヴァイ「なら何故そのような文句を言う」
ミカサ「…ですから、貴方『だけ』には任せる事はできないと言いました」
リヴァイ「……ああ…そういうことか」
リヴァイはミカサの言い分を察した。
ミカサ「そういうことです」
ミカサは頭を深々と下げた。
ミカサ「私を」
ミカサ「リヴァイ班に入れて下さい」
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- 5 : 2014/09/13(土) 11:37:01 :
リヴァイ「断る」
ミカサ「…え」
リヴァイ「お前がいくらエレンの馴染みとは言え、今更お前を班に加入するとなると次の壁外調査に向けての様々な調整が必要になる。兵一人が他の班に移るぐらい何とも無いとでも思っているのか?」
リヴァイ「それは間違いだ。班員の編成は団長や班長が事前に細かく設定し、定められているものだ。一人動くだけでも、班員のバランスや総合戦力に合わせて、再び班の練り直しを一から行わなければならない。お前、壁外調査まであと何日か分かるか」
ミカサ「…7日です」
リヴァイ「そうだ。一週間。お前が動くとなると一週間で班の練り直しを完了させなければならない。更にお前はこの班に一週間で馴染まなければならないし、班員同士で連携の訓練や作戦を立てる事も、全て一から十までやり直しだぞ」
ミカサ「……」
ミカサは表情を曇らせた。
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- 6 : 2014/09/13(土) 16:48:36 :
リヴァイ「まずはこれらの事実を踏まえて貰いたい所だな」
ミカサ「……」
リヴァイは机を挟んで向かい側の椅子を指差した。
リヴァイ「立ったまま長話するのも疲れるだろう。座れ」
ミカサは黙って指示に従い、リヴァイの向かい側の椅子に腰掛ける。
そして口を開いた。
ミカサ「…そのように大変だとは……私は何も考えていませんでした…私情を挟んだ自分勝手な言動、大変申し訳ありませんでした」
リヴァイ「気にするな。新兵が班の編成がどうこうとかを知っている訳無いからな。分かったのならいい」
リヴァイは紅茶を啜りながら、ミカサの顔に目をやった。
先ほどまでとはすっかり変わり、深い反省の色が表れている。
リヴァイ「……エレンの馴染み…名前は…ミカサ、だったか」
ミカサ「…はい」
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- 7 : 2014/09/15(月) 18:19:30 :
リヴァイ「このまま本部にノコノコ帰って貰っても良いのだが、お前と話がしたい。個人的に俺はお前に興味がある」
ミカサ「…興味…?」
リヴァイ「ミカサ・アッカーマン」
ミカサは自分の名前を唐突に呼ばれ、びくっ、と肩を震わせた。
リヴァイ「…という名前は、調査兵団の中でもよく話題に上がる」
リヴァイ「今期の首席は歴代にも類を見ない逸材だと…更には人類最強……俺を越えるのでは無いかと。そんな話を誰かがしていたのも聞いた事があるな」
ミカサ「!?」
リヴァイ「まあ、驚くかも知れないが、お前の事は結構噂されているよ」
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- 8 : 2014/09/15(月) 18:34:13 :
ミカサ「し…しかし…兵長を越すなど…」
リヴァイ「まあ、それだけお前に対する期待が大きいんだろう。それに……案外有り得る話かも知れん」
ミカサ「え…?」
リヴァイは紅茶を一口含み、カップを静かに机に置いた。
リヴァイ「……時代ってヤツだ。俺は人類最強と世間でチヤホヤされているとは言え、もう調査兵団で何年も働いている古参の兵士だ。若い世代に追い越される可能性も、有り得ない事は無い」
ミカサ「…そう…ですか…」
リヴァイ「……歳には勝てんなあ」
口元にわざとらしく笑みを含みそう言ったリヴァイに、思わずミカサは「ふふっ」と小さく笑った。
ミカサ「兵長、結構面白い事も言うんですね」
リヴァイ「…人を笑わせるのは嫌いじゃ無い」
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