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ココロ→ [エレクリ]
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- 1 : 2014/08/27(水) 00:44:07 :
- やぁ、どうも。“元”・憲兵団です。
アヤノちゃん知らない方は、何だこの名前と思いますよね、はい。(余談すいません)
つくづく私はネーミングセンスが無いなと痛感致します。
一回つけてみたかったんですよ、このスレタイ。
ちなみにこれは「金曜日のおはよう」をちょっと意識してます。
最近コニクリに目覚めました。
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- 2 : 2014/08/27(水) 00:48:23 :
このココロと、
君のココロは
混じり合う事は無い。
片想いの矢印が付く。
ココロ→。
これは片想いのココロのお話。
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- 3 : 2014/08/27(水) 00:52:44 :
電車に揺られながら、俺はイヤホンを耳に付け、君を待っていた。
向こう側の扉が開く。
瞬間、一際目を引く少女が入ってきた。
肩までのブロンドの髪。
まるで海を映してるかのように澄んだ大きな瞳。
それを纏う長い睫毛。
初雪にも負けず劣らずの白い肌。
世に言う美少女だ。
俺はあの子に、絶賛片想い中。
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- 4 : 2014/08/27(水) 12:31:36 :
- 期待です(~▽~@)♪♪♪
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- 5 : 2014/08/27(水) 12:50:44 :
- 舞華さん、初めまして!
期待…出来る作品になるよう努めます!ありがとうございます
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- 6 : 2014/08/27(水) 12:52:30 :
- 期待してますよ!
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- 7 : 2014/08/27(水) 12:59:18 :
「おはよう。」
その一言が言えたらな…何て。
今日も俺は言えなかった。
制服からして、他校だろう。だから場面は此処でしか会えないんだ。
君の眠そうな顔、君の髪、君の話し声。ただそれを見てるで満足しちゃって。駄目だと解っていても、そうなってしまう。
「頑張ろう。」
そっと小さく呟いた。
その声は、扉が開く音共にかき消されてしまった。
君が降りていく後ろ姿を見つめながら、名前何だろうって気持ち悪い事考える自分の頭を殴った。
少し冷静を取り戻した俺はまた、今日も項垂れて、はぁっと溜め息を吐く。
今日こそは!と思ったのは何回目だろうか?
結局、今日も何も無かった。
ただ、君と距離が離れてくだけ。
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- 8 : 2014/08/27(水) 13:00:39 :
- 小野寺さん!ありがとうございます!
あれ…?小野寺さんが名前なら…小野寺さんさん?……あれ?
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- 9 : 2014/08/27(水) 23:06:17 :
- アハハ、違いますよ。
『ニセコイ』って知ってますか?
そこに『小野寺 小咲』って女の子がでてくるんです。
その子が好きなので、『小野寺さん』です。
期待
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- 10 : 2014/08/27(水) 23:07:17 :
- 上のコメ私です
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- 11 : 2014/08/28(木) 00:30:47 :
あの人が降りて行った瞬間、俺の隣で寝てた俺の幼馴染みこと、アルミンが目を覚ました。
「あれ…?おはよう…エレン…」
「おはようじゃねぇよ。だから遅くまで勉強すんなって言ってんだよ。」
アルミンは眠そうに欠伸をしながら目を擦っていた。
中性的な顔立ちで、妙にあの人に似ていると思うのは俺だけだろうか。
名前も、何処の高校かも解らない。
ただ単に、好きなんだ。
「また?エレン、今日こそおはようって言うって言ってたじゃん。」
「う、うるせぇ。此方にも事情ってもんがあってだな。」
内心焦りながらも言い訳をする。まぁそんな事、アルミンに通用する訳が無いんだけど。
皮肉な事に、アルミンは俺に好きな人が居る事を知っている。その相手が、あの人だって事も。
応援してくれてるみたいだけど、正直何も役に立って無い。嬉しいけど。
そう二人で言い合って7分後、電車が止まった。
俺達はドアが開くと同時に席を立って電車から降りた。
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- 12 : 2014/08/28(木) 00:31:19 :
>>10あ、そういう事ですか。
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- 13 : 2014/08/28(木) 00:57:51 :
「最近蒸し暑いねぇ…」
電車から降りてからの第一声を発したのはアルミンだった。
「当たり前だろ、今の時期は梅雨なんだから。」
こいつ本当に勉強してんのか?不意にそう思う。まぁ言葉に出さないけど。
道を歩けば湿気のせいで汗が流れ、躰がベトベトして気持ちが悪かった。
それから俺達は何かを話す訳でもなく、ただ学校に向かって歩いていた。
学校の敷地に入ると、いきなり後ろからおはよう。と一言だけ聞こえた。もう馴れてしまったのか、驚きもしない。
この冷静沈着かつ、淡白な言葉を投げ掛けるのは一人しか居ない。
「ったく、お前もうちょっとマシな登場の仕方とか無いのかよ。ミカサ。」
「そんな事よりおはよう。エレン、アルミン。」
俺は短く返事をした。そんな事って何だよ。俺にとってはそんな事じゃねぇんだよ。
と、アルミンがミカサに挨拶している間に、ミカサに向かって心で反論した。
ミカサも、俺の幼馴染み。小さい頃から三人いつも一緒だ。
最早嫌味なのか、こいつも俺の好きな人を知っている。
ミカサが言う限り、人混みの中の電車が嫌なそうで、自転車で登校しているらしい。
だから俺の好きな人を見た事は無い筈何だけど…。それに俺はアルミン以外好きな人が居る等一言も言っていない。
他言したと考えるにはアルミンが妥当だろう。
ミカサはお節介なんだから、言うなって念を押してたのに。静かにアルミンを睨む。
「で、エレン。あの人とは今日どうだったの?」
「は、はぁ!?だからミカサには関係ねぇだろ!とっとと教室行くぞ。」
いきなり言われたので、少々慌てふためきながらも、二人を教室へ促す。
エレン待ってと言うアルミンの制止の声も聞こえるが、俺は構わず教室へ歩き出した。
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- 14 : 2014/08/28(木) 19:53:11 :
- 期待でーす。
憲兵団さんって、地の文がとても上手かった.........と評価されたお方でしょうか?
自分もとても上手だと思いますよ!
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- 15 : 2014/08/29(金) 00:38:03 :
時雨さん、期待ありがとうございます!
いやいや、評価だなんてそんな…
ただ心優しい読者の方々が仰って下さっただけですよ。
アヤノと今はなって居ますが、前は憲兵団でしたよ。
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- 16 : 2014/08/29(金) 00:55:58 :
教室に入って、適当に挨拶をすれば誰が言ったのかよく解らない、此方も適当な挨拶が返って来る。
アルミンとミカサは少し小走りで教室に入ってきた。
不運と言うのか幸運と言うのか、俺はアルミンと隣の席だ。
まぁ前者は解るだろう。俺の好きな人に対する意気地無さのお説教。
後者はアレだ。頭が良いから解らないところがあれば直ぐに聞ける。
俺にとっては教えて貰う事より説教の方が多いから、不運な事だ。
無造作に教材を机の中に突っ込めば、俺は頬杖をついて窓の外を向く。
一番後ろの窓側の席とは何と素晴らしいんだろう。もう感謝するよ。
授業中は寝てもサボっても見つからないし、当てられにくい。
隣がアルミンでなければ快適そのものだが。
「エレン、待ってって言ったよね。」
少し息切れ気味に。そして少し怒りの籠った声が聞こえてきた。アルミンだ。
「お前らが冷やかすからだろ。」
「私達は貴方を応援している。ので逃げる事は無い。」
いきなり会話に入り込んでくる声はミカサ。相変わらず朝から声色一つ変えずによく喋れるな。感心するよ。
「別に応援しなくて良いから。そもそも俺は頼んでもない。」
ぶっきらぼうにそう答えた。
二人…詳しくはアルミンが俺にいつものようにお説教しているのを聞き流しながら、俺は雨が降りそうな空をただただ見ていた。
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- 17 : 2014/08/29(金) 19:18:22 :
>>15
やはりですか!
とても期待でーす!
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- 18 : 2014/08/29(金) 21:45:54 :
- いきなりですが!お久しぶりです!期待です!
元憲兵団さんですよね?
覚えていますか?エレンの翼です!
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- 19 : 2014/08/29(金) 23:06:42 :
その後、先生が入って来て、蜘蛛の子が散るように皆其々の席に着いた。
俺はそのまま窓の外、即ち空を見ていた。まぁ見ていても何も面白くも何とも無いけど。
先生の話も右から左へ聞き流し、授業も適当にノートを開いてサボって居た。
空は相変わらずどんより雲っている。
心の中では、いつもあの人の事ばかり。
何をしているんだろうか。
名前は何なのだろうか。
学校は何処なのだろうか。
どんな友達が居て、どんな声で、どんな性格なのだろうか。
俺は何一つとして、彼女を知らない。
いつの間にか授業は終わり、号令の直後、アルミンが俺に叱って来た。
「エレン、またサボってたの?駄目って言ったじゃないか。エレンは然程頭が良い訳じゃないし、再来週テスト何だよ?」
「お前は母ちゃんかよ。てか、頭良くないは良い過ぎだ。デリカシーの無い発言は止めろって言っただろ。」
俺は真っ白なノートを閉じて、机の中に終った。
そのまま、東トイレへ向かう。
鏡の前に立つと、俺は大きな溜め息を吐いた。
低くもなけりゃ、高くもない、平均の身長。
茶髪…とも言いがたい髪。
イケメンの類いに入るかよく解らない顔。目付きの悪い金色の瞳。
これと言って夢がある訳でも無いし、長けて居るものも無い。
何の特徴もない俺。
「俺って…ヘタレだな…」
鏡の中の自分に言う。
ハッとして、誰かに聞かれてないか慌てて辺りを見渡すが、人っ子一人居ない。
安堵の息を吐いて、鏡に向き直る。
頑張らなくちゃ…
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- 20 : 2014/08/29(金) 23:09:12 :
- Rickさん、と、突然ですね…
お久しぶりです!
あ、私をご存知で………ってエレンの翼さん!?も、勿論ですとも!しっかり記憶しております!
期待ありがとう!
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- 21 : 2014/08/30(土) 15:05:09 :
「あ…雨降ってきたちゃった。」
トイレから出ると、廊下を歩いていた一人の女子が窓を見ながらそう言った。
俺も見てみると、風が木々を大きく揺らし、窓に雨が叩きつけられてるのが解る。
生憎、今日は傘を持っていない。
(しょうがない…アルミンと帰るか…)
そんな呑気な事を考えながら、俺は教室へ向かった。
言うまでもないが、二時間目以降も授業等には見向きもしなかった。
それと同時にアルミンの説教も聞き流した。
「なぁ、アルミン、今日一緒に帰らねぇか。」
放課後、アルミンに聞いた。帰宅部の俺達は、そのまま家に直帰する。
「ごめん、エレン。委員会の仕事入っちゃってさ…ミカサは?部活、待っててあげたら?」
「男女で帰ったら何かとややこしいだろ。特にジャンにでも見られたら俺殺される。」
アルミンはそっかと苦笑いして、教室から出ていった。
俺は暫く席に座ったままで、誰も居ない教室にしょうがねぇと呟いて、教室を出た。
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- 22 : 2014/08/30(土) 15:12:09 :
外に出れば予想通りの雨。
傘無いし、兎に角早く帰りたい一心で俺は走った。
ある程度まで行くと、商店街に辿り着いた。雨のせいで人通りは無く、店もシャッターを降ろしていた。
まぁ元々この商店街に来る人もあんまり居ないし。何等不思議な事ではない。
俺は取り敢えず近くの店に雨宿りをしていた。
勿論躰は濡れ、寒くて仕方がない。前髪から滴る水滴が瞼に落ちる。
びしょびしょに濡れた鞄を降ろし、俺はその場に座った。
小さな溜め息を吐いて、目を閉じた時だった。
「あの…」
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- 23 : 2014/08/31(日) 00:08:54 :
甲高い、まだあどけなさが残る可愛らしい声が上から降ってきた。
声からして会った事の無い人。
「はい…?」
渋々ゆっくり顔を上げる。
「傘…どうぞ…」
少し恥ずかしそうに俺から視線をずらして、俺の前に黄色で、柄の方に星のチャームがついた傘を差し出していた。
あれ…………?
この顔……どっかで……?
「っ!!!??」
俺は思いきり後退りした。勿論俺の後ろはシャッターで、その衝撃で、シャッターがガタガタと大きな音を出した。
その傘を差し出してきた子は、その音に驚いてビクッと肩を揺らした。
俺はその子を見て心臓が跳び跳ねた。
俺が今絶賛片想い中の電車の美少女だ。
「あっ…あっ…!!」
「あ、あの…?」
俺は驚き過ぎて変な声しか出ない。とても恥ずかしい。恥ずかしい。
ドクドクと心臓が煩くて、きっと今の俺は顔が真っ赤だろう。頼むからその瞳で俺を見つめないでくれ。
全身の血が逆方向に流れた気がした。依然心臓は爆音を鳴らして、その子にも聞こえそうなので手で胸を抑える。
「なな、何…?」
「あ、えっと、濡れてるんで…傘を…」
間抜けな掠れた声しか出てこない。恥ずかしい、恥ずかしい!顔から本当に火が出そうだ。
林檎のように真っ赤な俺の頬。保て、俺の平常心!と心で何度も唱える。
「へ…?傘…?」
「あ、すいません!迷惑でしたよね、すいません…」
「いや!ち、違うんだ!」
俺は思わず立ち上がって、彼女の手首を掴んだ。
(は?俺何手握って…!?)
俺はパッと手を離して、彼女の瞳に向き直った。
変わらず彼女の瞳は、まるで全てを映す空のように、全てを呑み込む海のように、いや、それ以上に美しく、吸い込まれそうだった。
まぁ直ぐに恥ずかしくなって視線を外したが。
「あ、名前!名前、何!?」
咄嗟に俺の口から出た言葉。俺は自分の思考に追い付かなかった。
彼女はキョトンとしていた。そして俺は我に帰った。
「あ、ごめん!!何でもない!!」
恥ずかしい、恥ずかしい!そのワードが脳内で何度も繰り返される。
「ふふ…可笑しな人…」
彼女はクスクス笑った。それさえ可愛くて、また惹かれて。
「私はクリスタです。」
にっこり笑って言う。
心臓がドクリと鳴った。
もう、鼓動の速さは異常だ。
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- 24 : 2014/08/31(日) 00:27:43 :
「お、俺は…エレン…」
声が小さくなる。治まらない鼓動。血圧がグッと上がった気がする。
何だコレは。何で顔を赤らめながら名前聞いて自己紹介してるんだ。
「電車の人ですよね?」
「え?あ、はい…」
意外だ。まさか覚えていてくれたなんて…。飛び上がる程嬉しかった。
「あ、雨、強くなりそうですね…。傘、どうぞ。」
クリスタさんは空を見上げながらそう言った。もう何度言わせたか解らない傘を勧める言葉。
「え、でも、クリスタさんが…」
「私折り畳み傘持ってるんで。」
鞄からわざわざ取り出してくれて、淡い桃色の可愛らしい折り畳み傘を出して見せた。
俺はゆっくりその差し出してくれた黄色の傘に手を出して、じゃあと会釈してから手に取った。
「あ、ありがとう…」
「いえ。」
するとクリスタさんは微笑んで、返っていった。
未だ震えていた俺のありがとう。
もう、クリスタさんの姿を見ているだけじゃ物足りなくて…。
(明日、話し掛けよう…!)
俺は雨が降り頻る中、小さくガッツポーズをした。
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- 25 : 2014/08/31(日) 00:36:38 :
空はいつも通りの快晴。
そしていつも通りの電車にアルミンと乗る。
「どうしたのエレン、何か嬉しそうだね。何かあったの?てかそんな傘持ってたっけ?」
アルミンは俺の手に持っている黄色の傘を指差しながら言った。
「まぁ、ちょっとな。」
アルミンは不思議そうに俺を見つめてから欠伸をした。
相変わらず勉強か。もう良いだろ。
そう目でアルミンに伝えた。
すると、向かいの扉が開いた。
ギュッと黄色の傘を握り絞める。
何人かが乗り込んだ一番後ろに、クリスタさんが居た。
俺は唇を傘と同じようにギュッと噛み締めて、
「おはよう!」
精一杯の笑顔で、君に伝えた。
ココロ→片想い。
いつか、ココロ→←になりますように。
end
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- 26 : 2014/08/31(日) 00:39:08 :
- やぁ早かったですねぇ。
此処まで読んで下さった皆さん、ありがとうございました!
久々のエレクリで若干口調などが良く解らなくなりましたが、本当にありがとうございました!!
しつこいようですが、再度、
ありがとうございました!!
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- 27 : 2014/09/01(月) 08:02:51 :
- 面白かったです!
金曜日のおはよう、私も好きです。
アヤノってメカアクのアヤノですか?
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