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ユミル「お前、あいつのどこに惚れた?」ユミヒス/ライクリ

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  1. 1 : : 2014/08/19(火) 03:16:59
    2作品目。アニメ派の人にとってはネタバレになる為、ご注意を。

    シリアスです。ユミヒスやライクリとありますが、イチャイチャしてる訳ではなくユミルとライナーがシガンシナ区へ撤退した後、お互いの胸の内を明かす話。捏造。

    ベルトルトは、出すか出さないか未定。
    出したとしても後半にチラトルト。

    今回は書き溜めでは無いのでマイペース更新になります。
  2. 2 : : 2014/08/19(火) 03:35:33
    ライナー「お前…いいのか?あんなにクリスタをこっちに連れて来ようとしてだろう」

    ユミル「うるせーよ、ライナー。私だって色々あるんだ。…もう、今さらどうにもなんねぇよ」

    ライナー「……」

    ユミル「……」

    ユミル「………なあ。お前、あいつのどこに惚れてたんだ?」

    ライナー「き、気付かれちまってたのか」

    ユミル「ぷハッ!そりゃあ、あんなにあいつを見てたらなあ?案外ベルトルさんの事を言えた立場じゃないぞ。…で、話が逸れちまったが、どこに惚れてたんだよ」ジッ…

    ライナー「そこまで真剣に聞くのか理由が解らんが…。そうだな、やはり男が思い描く理想の女性像…ていうやつ。かもしれん」

    ユミル「理想の、ねぇ…」

    ライナー「気配りも出来て、料理も出来る。動物に好かれる程に女神だ。そして小さくて守ってやりたくなる。出来れば結婚したい」

    ユミル「万が一にもさせねえよ?」
    ユミル(やっぱりこいつはヒストリアの上っ面しか見てなかったのか…)

    ライナー「…と、思っていた。ウトガルド城跡でのクリスタを見るまではな」
  3. 3 : : 2014/08/19(火) 03:55:50

    ライナー「どこか気弱そうな面しか知らなかったが、お前を焚き付ける為に必死になったアレが本来のクリスタなのかも知れないってな」

    ユミル「……もし、そうだとしたらどうする?幻滅するか?女神だのなんだのと言われてるあいつが全然別物だったら」

    ライナー「幻滅するかどうか?」

    ユミル(もし本気でこいつが"女神様"の部分だけに惚れてたんなら、私が散々妨害してきたのは無駄じゃなかったって事か)

    ライナー「…逆だな」

    ユミル「……はぁ?」

    ライナー「むしろそれまでは理想そのもの過ぎて、見ているしか出来ん存在だと思っていたが良い意味で裏切られたってやつだ」

    ユミル「へぇ。どんなあいつでも受け入れる自信があんのか?私はあるぞ、なんたってほとんど一緒に居た仲だしな」フフンッ

    ライナー(いきなり自慢されただと…ッ!?)

    ユミル「まあ、全てが今さら過ぎて笑いしか出てきやしねぇけどさ」

  4. 4 : : 2014/08/19(火) 04:05:24

    ユミル「私がこのまま、お前らの故郷とやらに行って死んだとしても」

    ライナー「……」

    ユミル「天と地が引っくり返っても、お前に私のヒストリアは絶対に渡さねえから。あの月に誓うぞ」ケラケラ

    ユミル・ライナー(ああ、訓練兵として馬鹿やってた頃に戻りてえ…)

    ユミル「会いたいな、もう一度きちんと。あんな別れ方しか出来なかった。泣いてねぇかな、ヒストリアのやつ」

    ライナー「俺はお前を連れ去ったんだ、恨まれちまっただろうな」

  5. 5 : : 2014/08/19(火) 11:39:45

    ベルトルト「ただいま、まだ数体いるけど今は幸いにも夜だ。移動するなら今がチャンスかもしれない」

    ユミル「よお、おかえり。ならさっさと移動しようぜ」ヨイショ

    ベルトルト「……ユミル、きみは…」

    ライナー「よせ、ベルトルト。俺たちは与えられた任務を終わらせる事を考えるんだ」

    ユミル(私だって私達の為に生きたかったよ…。だけどなヒストリア、自分たちの力じゃどうする事も出来ない流れがある世界に生まれちまったんだ)
    ユミル「それでもお前は私の希望だった…」ポツリ

    ライナー「何か言ったか、ユミル」

    ユミル「何でもねぇよ。ほら、さっさと移動しようぜ。私の気が変わらないうちに」

  6. 6 : : 2014/08/20(水) 04:56:55

    ユミルがライナー達の元に行ってしまって、どれほど経っただろう。
    未だウォール・マリア内部への出撃予定は無い。
    それどころか、今私はとんでもない立場に立たされている。

    「これが お前の運命らしい」

    リヴァイ兵長が何を言ってるのか、一瞬理解が出来なかった。私は正統なレイス家でもない。ましてやいきなり女王になる事が運命だなんて。

    ただ、その時に過ったの。運命に抗えずに消えていった人達の顔が。当然その中にはあなたも居たし……クリスタ(私)も居た。
    どんなに抗おうとしても、抗おうとするだけ呑み込まれていく。

    そして今、私は決断する

    元々空っぽの器だったじゃないか。
    ユミルも傍に居ない。
    女の子らしく淡い想いを抱いたクリスタも。
    本当に私には何も残されてないんだ 。


    「やります、任せてください」


    口にした瞬間、ユミルの悲しげな笑顔が


    瞼の裏に


    浮かんで


    消えた






    おしまい
  7. 7 : : 2014/08/20(水) 05:05:32
    読み終わった後、切なくなる…素敵です。面白かったです!
  8. 8 : : 2014/08/20(水) 05:07:34
    ライナーが想いを寄せたクリスタ
    ユミルが求めた本当のヒストリア

    そして現在のヒストリア

    彼女は一体「何者」になるんでしょうね。


    ではまた。
  9. 9 : : 2014/08/20(水) 06:39:16
    執筆お疲れさまです。

    原作世界を忠実に再現して補完した作品ですね。好きなジャンルです。
    彼らの中できっとこんなやりとりがあったのだろうなと思いました。

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