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かがみうつし(エレヒス)

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  1. 1 : : 2014/08/18(月) 20:45:12
    現在執筆中のシリーズの息抜きのための作品です。そしてやっぱりエレクリ(今回はエレヒスかな)

    実は初のタイトルにカップリングを明記してみた。その方が判りやすいんじゃないかと友人に言われたので、試してみる。

    では、注意事項。

    ※エレヒス、エレクリ要素あり
    ※オリジナル設定あり
    ※上記の通り、あくまで作者の息抜き作品です。そのため更新頻度は少なめ。

    以上が許せない方はお戻りを。


  2. 2 : : 2014/08/18(月) 20:48:28

    「鏡よ鏡よ鏡さん。世界で一番美しいのは誰ですか? 十字以内で答えなさい」

    「最後の座学の問題みたいのはなんだよ」

    「ぶー、不正解。ダメよ、ちゃんと答えないと」

     そう言ってうっすら笑う彼女は、ぺたり、と“鏡の中から”こちらに手のひらを向けて、その曇りのない鏡面に触れる。

    「じゃあ、鏡よ鏡よ鏡さん? 世界で一番可哀想なのは誰ですか? 十字以内で答えなさい」

    「む、質問に質問で返すのは感心しない」

    「いいだろ、別に。世の中なんてそんなもんだ」

    「……そうだね」

    「で、答えは?」

    「……“目の前にいる貴方”」

    「理由は?」

    「私と同じだから」

    「……正解」


     そう言って、今度は俺が手を差し出す。

    ぺたり、と、鏡越しに彼女の手のひらと重ねるようにして、鏡に触れる。



    「ねえ、どうして貴方に触れられないの」

    「喋れるのに、笑えるのに。触ることだけができない」

    「ねえ、どうして?」



    「なあ、どうしてお前に触れないんだ」

    「話せるのに、笑い合えるのに。触れ合うことだけができない」

    「なあ、どうして?」



     顔を近づけ、互いに額を鏡に付ける。

    普通なら自分の顔が映し出される筈なのに、今そこにあるのは別の顔。

    「こうして会えるのに。逢えるのに……つらい」

    「ただ、逢えないのはもっとつらい」

    「滑稽ね」

    「そうだな」

    「……けど、こうして貴方に逢えるなら、滑稽だろうと構わない」

    「……大丈夫か?」

    「大丈夫……うん、大丈夫。まだ私は私でいられてるよ」

    彼女は背が低いから、俺は屈んで彼女と視線を合わす。

    「貴方の方は? 毎日訓練して、体壊してない?」

    「それはお前も同じだろうに。……大丈夫だ。ただ……」

    「ただ?」

    「お前のことが気になって、訓練に身が入らない時はある、かな」

    「……よくそんな恥ずかしいこと言えるなあ」

    「うっせ」

    「でも、嬉しい」

    「……そうかよ」

    「ふふっ、うん、嬉しい」

    そう言って微笑む彼女は、思わず見惚れるほど可愛くて。

    俺も思わず、笑みをこぼした。


    「そろそろ時間ね」

    「ああ」

    「また会える?」

    「お互いに会う気があれば」

    「なら大丈夫ね」

    「……そうだな」



    「それじゃ、またね、エレン」

    「ああ。また明日な、ヒストリア」


  3. 5 : : 2014/08/19(火) 18:13:21

    『かがみうつし』



     ある噂があった。

    訓練所の男子寮の建物から少し離れた所にある、掘っ立て小屋。

    外観は確かに掘っ立て小屋なのだが、実体は昔使われていた男子便所である。今では老朽化が進み、さらには寮を改修した際に新しく便所を設けたのも相まって、誰も利用しなくなっている。

    そんな掘っ立て小屋ならぬ掘っ立て便所。俺達104期の中で、再び脚光を浴びようとしていた。

    なんでも、幽霊が出るらしい。



    「……馬鹿馬鹿しい」

    アルミン「あはは、まあエレンならそう言うと思ったよ」

    「誰だよそんな噂流した奴」

    アルミン「僕も誰かは知らないけど……なんでも話によると、そこのトイレにはとても“合わない”、全身を映す姿見があるみたいでね」

    「合わないって?」

    アルミン「多分、雰囲気とか、そんなところじゃないかな。実際に行ってないから判らないけど」

    「……トイレに全身映す姿見、か。確かに合わないな」

    普通なら洗面所とかについてる上半身までのだし。

    アルミン「それでその鏡、本来なら自分が映り込む筈のそこに、自分以外の“何か”が映る──らしいよ」

    「何かってなんだよ」

    アルミン「んー、噂によれば、全身血みどろの化け物とか、火の玉とか、可愛い女の子とか」

    「なんだそりゃ」

    統一性が皆無だな。

    アルミン「まあ、あくまで噂だからね。誰かが面白半分で流しただけだと思うし」

    「くっだらねー」

    幽霊とか、んなアホらしい噂流すくらいなら訓練しろよ。

    そう言うと、アルミンには「エレンらしいね」と苦笑いされた。


  4. 7 : : 2014/08/21(木) 08:44:57

    「んで、なんでそんな噂話を俺なんかにしたんだよ」

    アルミン「ああ、なんでも今夜、就寝時間が過ぎた後にライナー達が見に行くみたいでね。僕も誘われちゃって……」

    「教官にバレたら懲罰ものだろ……って、もしかして、俺も誘うように言われた、とか?」

    アルミン「あはは、実はそうなんだよね。一応言ったんだよ、僕も。エレンはそんなことには付き合わないと思うって。そうだろ?」

    その問いに頷いた俺に、やはりアルミンは苦笑い。

    アルミン「そしたらダメ元でもいいから誘えって言われちゃってね。彼らも内心断られると思ってるだろうし、無理して付き合わせるつもりもないみたいだったから、まあ、断っても問題はないと思うよ」


     そもそもそんなアホらしい誘いを断って発生する問題ってなんだよ。

     友情の亀裂とか?

     付き合い悪いなあいつ、みたいな?

     じゃない?


    そんな会話のやり取りを終え。


    「ところで、その肝試しみたいのをやるって言い出したのは誰だよ」

    アルミン「ジャン」

    「絶対行かねえ」

    やっぱり、アルミンは苦笑いだった。


  5. 10 : : 2014/08/27(水) 14:27:36

     深夜。


    あの場では興味がないとアルミンからの誘いは断ったが……何だかんだと言って、楽しそうに部屋を出ていったライナーやアルミン達を見ると、やっぱり気になるというか、興味が湧いてくるというか。

    なんだろうな、仲間外れが嫌だとかそんな感じじゃなくて……。

    んー、よくわからん。

    しかし、一度断ってしまった手前、「やっぱり俺も行く」なんて言い出しにくい。

    となると……。

    「一人で行くか」

    さすがに今日は行かない……というか行けないし。鉢合わせになったら言い訳のしようがない。弄られるだけだ。主にジャンに。

    それなら日を改めて行くのが無難か……我ながら、どうしてこんな噂話を気にしてるのか判らないが、気晴らしくらいにはなるだろう。

    周りは俺を訓練バカみたいに言うけど、訓練にしか興味がないわけじゃない。休暇には町に行ったりして気を晴らすくらいはしてる。たまに、だけど。


    何はともあれ、今日はもう寝よう。


    心の片隅で「アルミン達が教官に見付かりませんように」と祈りながら、俺は意識を闇へと沈めた。


  6. 11 : : 2014/08/29(金) 19:55:36

    後日。


    アルミンから「別に何もなかったよ」と報告を受けた。

    どうやら無事教官にも見付からずに帰還できたらしい。

    アルミン「確かに姿見はあったけど、特に何か変なものが映るとかはなかったね。夜だからそれなりに雰囲気はあったけど」

    「ふうん」

    アルミン「……? まあ、エレンは来なくてよかったと思うよ。ただ睡眠時間削っただけだったし」

    実は今日その睡眠時間を削りに行くんだ、とは言えない。

    恥ずかしいし。

    ……今夜、こっそり抜けれることを願おう。



    アルミン、そして後から遅れてきたミカサとの朝食を終え、いつも通りの訓練の時間も消化し。

    夕食の時間に、再びあの噂について耳にした。

    どうやら、女子の間でも広がっていたらしい。ミカサ情報。

    そして“今夜”、何人かの女子達が見に行く、とも。



    「……」

    ミカサ「ユミルが面白がって人を集めてた。……私は行かないけど」

    アルミン「それでいいと思うよ。別に何か起きたりもしなかったから……ところで、その集められた人って誰がいるの?」

    ミカサ「……言い出しっぺのユミル、それに巻き込まれてクリスタとサシャ。ミーナはわりと乗り気、そのミーナに巻き込まれてアニも。誘われた中で断ったのは……私と、あとハンナくらい」

    アルミン「うわ、アニも行くんだ、ちょっと意外かな……というか殆ど巻き込まれてなんだ。……ハンナは……まあ、なんとなく判るからいいや」

    「…………」

    ミカサ「……エレン? どうかしたの?」

    「……いや、なんでもない」

    よりによって……よりによって今日かよ。

    危なかった……下手すれば時間が噛み合って顔合わせてたかもしれなかったのか。つうか元男子便所なんだから女子は来るなよ。

    ……行くのは明日だな。もう、なんだ、ここまで行く気だったのにそれがダメになると余計気になってきた。

    絶対見てやる。その姿見を。

    幽霊は……まあ、いるとは思わないけど、いたらいたで……いや、いないよな。うん、いない筈だ。

    ……幽霊って素手で倒せたっけ。



  7. 16 : : 2014/10/19(日) 04:50:16

    翌日。


    起床。

    日の出の光を浴びながら、寝起きで固くなった体を軽くほぐす。

    今夜こそは見に行ってやる、と内心意気込みながら、朝食を終え、対人格闘術でアニに蹴り飛ばされ、座学でアルミンの助けを借りつつ今日の訓練を過ごし。

    夕食で昨夜の出来事をミカサ伝いに聞き──まあ、これまた特に何もなかったようだが、それを聞いても俺の決心は変わらず。

    寮部屋でライナー達と馬鹿話をして時間を潰し、そしてついに消灯時間を迎えた。


  8. 17 : : 2014/10/19(日) 04:52:28

    ──思う。

    なんで俺は、こんな馬鹿らしいことにここまで本気になってるんだ、と。

    「……わかんねえや」

    独り言を呟きながら、部屋の扉を音を立てないよう静かに閉める。

    第一の問題だったアルミン達にバレるというのはクリア。

    次は通路を歩く音で他の奴らにバレることだが……これもまあ、足を摺り足気味に動かせばなんとかなる。

    最大の難関だった教官の巡回にも遭遇することなく、俺は寮を出ることに成功した。


    松明を持ち出すことはできなかったので、真っ暗な空間をゆっくりと進む。次第に目が暗闇に慣れてきたから、多少は見えるようになってきたが……それでも、視界が悪いことに変わりはない。

    月が雲に隠れてしまっているのも運が悪い。


  9. 18 : : 2014/10/19(日) 04:55:21

    「……あった」

    少し歩き、目当ての物が見えてきた。

    暗くて全容ははっきりと見えないが、昼間ではなく夜に見るボロっちい小屋というのは……確かにアルミンの言った通り。

    雰囲気がある。

    ……さて、入るか。

    木製の片開きのドアをゆっくり押していく。

    ギイィ、と軋む音を立てるのを耳にしながら、俺は小屋の中に足を踏み入れた。

    「……さすがに、汚いな」

    何年も使われなかったそこは、人の手が入っていないこともあり清潔感の欠片もない。

    並ぶ小便器はカビやら汚れやらで黒ずみ、個室を分け隔てる木製の扉や壁は腐りかかってる。部屋の隅には蜘蛛の巣が張ってあるし。

    そして何より──臭い。

    ……とっとと噂の姿見を見て帰ろ。こんな所に長居はしたくない。

    ミシ、ミシ、と音を出す床を一歩、また一歩と前へ進む。

    確かアルミンやミカサが言うには、奥の壁に立て掛かってるって話だったけど──

    ──あ。


  10. 19 : : 2014/10/26(日) 07:53:51
    期待です
  11. 20 : : 2014/11/05(水) 13:28:24
    >>19
    期待ありがとうございます!
  12. 21 : : 2014/11/05(水) 13:29:50

    「これか……」

    “それ”は二人の言っていた通りに、奥にひっそりと置かれていた。

    縦は大体二メートル、横幅は……大人二人が並んでぎりぎり映るってところか。

    細かいところは暗くてよく見えないから、それ以上の特徴は判らない。

    「……? これ……」

    なんか、やけに“綺麗すぎる"ような気がするが……んー、もう少し明かりがあればな。

    近づけばもっとよく見えるけど……。

    ──よし。

    拳を握り、恐る恐る姿見へと近寄る。

    大丈夫、大丈夫だ。もし幽霊が出たらまず足を払って時間を稼いでその間に逃げればなんとかな──……あれ、幽霊って足あったっけ?

    来る途中までに考えていた幽霊対策が初めの段階から瓦解していたことに気づいた頃には、既に俺は鏡の前に立ってしまっていた。

    ……が、特に何か映り込むような気配はない。あるのはいつも通りの自分自身の姿だけ。……いつもより顔が強張ってるような気もしなくはないが、それは気にしない。


    「………………、ま、まあ、結局噂なんてこんなもんだよな」


     “──違う"


  13. 22 : : 2015/01/06(火) 20:46:58
    物語の設定や、文章が完璧
    そして、読むのが面倒くさくならない
    まさに神
    放置はしないでほしいです……
  14. 23 : : 2015/12/20(日) 03:43:39
    放置すんのやめろよ
  15. 24 : : 2016/10/25(火) 06:18:54
    期待するさ
  16. 25 : : 2016/10/25(火) 07:07:03
    放置やめてT_T
  17. 26 : : 2017/01/04(水) 19:38:26
    期待です・・・・・・・・・
  18. 27 : : 2017/01/04(水) 20:03:18
    続きくれよ
  19. 28 : : 2017/01/14(土) 08:17:46
    放置は辞めようよ。
    はよ続きくれや(^ω^)
  20. 29 : : 2018/04/03(火) 17:45:28
    エレン「つーことでいまヒストリアとセックスしてるぜ!」パコパコ

    パンパンパンパンパンパン

    ヒストリア「ンッ//ンッアッハァ♥ハアッンッ///」


    エレン「ハァハァもういきそ..」


    ヒストリア「いいよっ///ンッアッ♥全部なかにちょうらぁい///♥」


    パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン


    ヒストリア「アッアッアッ♥イクッ///アァァンッ!!!!」ブシャー


    エレン「っ!くっ!ぅあぁっ!」ドピュピュ


    ヒストリア「ハァハァ//エレンだぁいすき♥」チュ


    エレン「あぁ俺もだ//」チュッ



    ーーーーENDーーーー
  21. 30 : : 2018/09/04(火) 16:44:12
    普通に面白そうだったのに残念

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