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アルミン「金髪の少女」※ホラー?

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  1. 1 : : 2014/08/12(火) 21:37:04





    ねぇ、知ってる?


    この村に伝わる幽霊のはなし


    その子は死んだことを自覚してなくて、さまよってるの


    自分の体を探してーー




    その子に気に入られたら、とり憑かれて




    「「死んじゃうんだって」」




    もしかしたら、いまも貴方を…ね



  2. 2 : : 2014/08/12(火) 21:38:41



    ーーー
    ーー



    僕は真っ暗でとても寒いところにいた


    目の前には僕と同じくらいの歳の、金髪の女の子が俯いていた




    …て


    アルミン「君はだれ?」


    …う、………て


    アルミン「え?」


    ………めてーー


    アルミン「ごめん、よく聞こえなーーー
























    「「「「「もう、やめて」」」」」





    その子は泣いていた


    真っ赤な涙を流しながらーー



    ーー
    ーーー


    「ア……ミ…」


    「アル……」


    アルミン「っ……」




    エレン「アルミン!」


    アルミン「っっ!…」はぁはぁ


    目が覚めたとき一瞬ここが何処かわからなかった


    ガタゴト揺れる独特の電車の音


    アルミン「(そっか、僕はエレンと…)」


    エレン「大丈夫か?すごいうなされてだぞ」


    アルミン「あ、あぁ…うん。大丈夫だよ」ニコッ


    アルミン「(…なにか悲しい夢だった気がするけど…思い出せないや)」


    エレン「ほら、着いたぞアルミン」


    アルミン「あ、今いくよ」


    二人はそういって電車を降りる


    そこはーー


    アルミン「うわぁ!すごいね!」


    エレン「はははっ、一面田んぼと畑しかねぇな」


    アルミン「思ってたよりずっと田舎だったよ」


    エレン「まぁ、村に入るにはこの電車くらいだし、それに二日で一本しか通らねぇ」


    エレン「完璧なド田舎だな!」


    そう、エレンの言うとおり僕たちは田舎にきた


    この夏休み


    ぼくはエレンのばあちゃん家にお邪魔することになった


    まさかあんな体験をするとは思わずに
  3. 4 : : 2014/08/12(火) 22:12:12


    サシャ「エレーン!」


    エレン「サシャ!久しぶりだな!」


    サシャ「ふふん♪迎えに来ましたよ!……って、そちらの方は?」


    エレン「あぁ、こいつは俺の友達だ」


    アルミン「アルミンだよ、よろしくね」ニコッ


    サシャ「はい!もちろんです!友達の友達は友達ですからね!」


    サシャ「さぁ!荷物を置いたら早く行きましょう!」


    エレン「どこに行くんだよ?」


    サシャ「えっ!?知らなかったんですか、今日は、、、夏祭りなんですよ!!」


    サシャ「あぁ…今日しか食べられない美味しいあんなものや…こんなものまで……さぁ!早く行きましょう!」


    そういってエレンのばあちゃん家に荷物を置いて軽く挨拶を済ませると


    さっそく僕たちはお祭りへと行った

  4. 5 : : 2014/08/13(水) 20:42:53

    昼の落ち着いた静かな雰囲気とは、うって変わって


    普段は暗く静かな神社前の田舎道は、賑やかな灯りと共に活気に溢れていた


    サシャ「ほら、あっちにも行きましょう!」キラキラ


    アルミン「目が輝いてる…」


    エレン「この村じゃ年に一度のイベントだからな、村中の人が集まってると思うぜ」


    サシャ「そうですよ~、早くしないと売り切れちゃいます」


    アルミン「あはは…そんなに焦らなくても」



    ジャン「お、エレンじゃねぇか」


    ふいに声がするほうを振り向くと目付きの悪い男と、身長の高いどこか感情の掴めない男


    それに顔の整った綺麗な黒髪の女がいた


    ジャン「今日帰ってきたのか?」


    エレン「帰ってきたってよりは遊びにきたってのが正しいけどな」


    ベルトルト「久しぶりエレン」


    ミカサ「久々ね」ニコッ


    エレン「おぉ!久しぶり!」


    エレン「浴衣にあってるぞミカサ!ベルトルトは相変わらずデカイな!」


    ミカサ「フフッ、ありがと」ニコッ


    ベルトルト「むっ…」


    ジャン「なんだ?妬いてんのかw」


    ベルトルト「そんなんじゃ…」


    エレン「お前らまだ続いてんのか?」


    ベルトルト「もちろんだよ//」


    ミカサ「……」





    アルミン「……」




    アルミン「あの二人付き合ってるの?」コソッ


    サシャ「そうですよ。もうずいぶん長いですねぇ」


    アルミン「ふーん」


    サシャ「面白い事にベルトルトとジャンは親友、そしてジャンはミカサに片思い中なんですよ」


    アルミン「三角関係ってやつだね……って面白がったらダメじゃない?」あはは…


    ジャン「聞こえてんぞサシャ」


    サシャ「はうっ!な、なんのことでしょう」ダラダラ


    ミカサ「そちらの方は?」


    エレン「俺の友達だ、」


    アルミン「アルミンです、よろしくね」


    ミカサ「こちらこそ」ニコッ


    アルミン「(…気のせいかな?)」


    ベルトルト「僕たち今から神社に行くけどエレンたちもおいでよ」


    サシャ「えっ…」


    エレン「なんで神社なんだよ?」


    ジャン「そこから今から上がる花火がよく見えるんだよ」


    アルミン「へー、そうなんだ。どうする?」


    エレン「せっかくだし行こうぜ」


    サシャ「ダメですっ!!」


    エレン「うおっ!?なんだよ急に…」


    サシャ「あっ…すいません…」シュン


    アルミン「…どうしてなの?」


    ジャン「サシャ、まさかお前信じてんのかw」


    サシャ「でもおばあちゃんが言ってましたよ…夜の神社は行っちゃダメだって…」


    ベルトルト「あんなのただの噂だよ」


    ミカサ「そうよサシャ、誰も見た事ないじゃない」


    エレン「ちょっと待てよ、なんだその噂って…」


    サシャ「……でるんですよ」





    「少女の幽霊が」



    さっきまでのサシャとは別人な程に


    このときのサシャの声はとても冷たかった


    アルミン「……っ!」ゾクッ
     



    場の空気が一瞬重く感じた


    そして僕は寒気がした







    なんだか誰かに見られてる気がして
  5. 6 : : 2014/08/14(木) 09:40:30



    結局みんなで神社に向かう事になった


    サシャ以外みんな幽霊だなんて信じていなかったから、、、もちろん僕も


    今思うと全ての事件のきっかけはここからだった


    このとき神社に行かなければ僕たちは、あんな事件に巻き込まれることはなかったかもしれない




    ??「………」ザッ


  6. 7 : : 2014/08/14(木) 11:35:01
    六人は神社へ続く階段を歩いていた


    街灯ひとつなく、辺りは真っ暗で何も見えない


    エレン「なげぇな、この階段」


    ジャン「もうすぐでつくはずなんだが、、」


    サシャ「まっ、まさか…永遠に続く階段で私達はもう逃げられないとか……」


    アルミン「怖いこと言わないでよサシャ」



    ベルトルト「灯りがないから足元に気をつけてね」ニコッ


    ミカサ「……ありがと」



    アルミン「……?」


    エレン「こんな時でもあいつらはイチャイチャだな」


    サシャ「本当は二人で来たかったんでしょうけどね」チラッ


    ジャン「あぁん?俺が無理矢理着いて来たわけじゃねぇよ」


    サシャ「ベルトルトに誘われたんですか?きっと彼女のいないジャンが可哀想だったんですね……」


    エレン「さすが親友だな」


    ジャン「彼女いなくて悪かったな、それに誘ってくれたのはベルトルトじゃない。ミカサだ」


    サシャ「えっ!?そうなんですか?」


    アルミン「……へー、そうなんだ」


    ジャン「あぁ、俺も驚いたよ。てっきり二人で行くもんだと……」


    サシャ「一応言っときますがジャンに気があるわけじゃないと思いますよ」


    ジャン「うっせぇな、わかってるよ」チッ


    そのときだった


    ひゅぅぅぅぅ………


    エレン「えっ、まぢかよ!」


    アルミン「あちゃー…」


    空を見ると同時にきれいな花火が打ち上がった


    ジャン「おいおい、始まったじゃねぇか」


    ベルトルト「でもほら、そろそろつくみたいだよ」


    ベルトルトが指差すその先には、花火の灯りで照らされた鳥居が見える


    アルミン「やっとだね……ん?」


    アルミンは鳥居の下に人影らしきものを見た


    しかし、花火の灯りがなくなると同時に、それは見えなくなってしまう


    再び花火が上がったときには、ただ鳥居があるだけだった


    アルミン「…気のせいかな?」


    鳥居の所までくるがやはりだれもいなかった


    六人は鳥居をくぐり奥の石段に腰を下ろして空を見上げる


    綺麗な花火が星空に花開く


    まるで二人をこの村に歓迎しているかのように

  7. 8 : : 2014/08/14(木) 13:30:52
    無数の花火が上がり、特大の花火と共に花火大会は終了した


    エレン「終わったな」


    サシャ「綺麗でしたねー」


    ミカサ「ほんとに」フフッ


    アルミン「なんだか名残惜しいね」


    ジャン「そんなことも言ってらんねぇよ。さぁ、帰るか」


    エレン「うへ、またあの階段を降りるのかよ」


    アルミン「あはは…しかたないよ」


    ベルトルト「でも降りるのは楽だから……あれっ?誰かいない?」


    ベルトルトの言うとおり、鳥居の下に誰かがいた


    背は僕らと同じくらい


    俯いているのか顔は見えない


    しかし、この暗闇でもわかる腰まで伸びた綺麗な金髪は、真っ白なワンピースに似合っていた


    おもわず美しいと思ってしまう





    そこには金髪の少女がいた








    サシャ「ひぃっ!」


    ベルトルト「金髪の…少女」ゴクッ


    ミカサ「うそ…」


    エレン「どうしたんだよお前ら…」


    ジャン「ふははっ…良いことを教えてやるよエレン」






    「この村には金髪の人なんて一人もいない」



    エレン「っっ!?」


    アルミン「そんな…じゃあこの子は…」


    ジャン「あぁ、まさか本当にいたとはな…」



    ミカサ「金髪の少女の……幽霊…」





    ふいに蛍が金髪の少女の周りに現れた


    まるで主のように少女を軸にしてまわるように飛んでいる


    それは幻想的でもあり、神秘的でもあった


    「「もう、……て」」


    風が吹き抜ける


    生暖かい夏夜の風


    その風が雲を流し、月が月明かりと共に現れる


    「「も…や……」」


    月明かりが少女の顔を照らす


    ゆっくりと少女は重たい頭を持ち上げーーー








    「消えた」






    皆が戸惑うなか、一人だけ違った




    ミカサ「きゃあぁぁぁぁっっ!?!!」


    少女はいた


    ミカサの目の前に


    「「もう、やめて」」


    冷たい声で「それ」は言っていた


    もう彼女が人でないことが明らかだった


    少女は頭をあげていた


    そして、その横顔を僕は見た


    その少女の顔は美しかった


    まるで人形みたいな整った顔立ち


    しかしそこに感情はない


    無表情だ


    なのに少女は泣いていた


    嬉しくて泣いているのか


    悲しくて泣いているのか


    わからない、ただーー





    その涙は血液のごとく、


    ーーーー赤かった




    ミカサの意識は遠退いていていった

  8. 9 : : 2014/08/14(木) 13:59:24


    金髪の少女の幽霊は既に消えていた


    ベルトルト「ミカサ!」


    サシャ「どうしましょう!?ミカサが目を覚ましません!」


    ジャン「慌てるな!とりあえず病院だ!ベルトルトとサシャはミカサを病院へ、おれはミカサ家に行ってくる!」


    エレン「おれも行くぞジャン!」


    アルミン「僕は一応警察に…」


    ジャン「警察はこの村にはいねぇ」


    アルミン「えっ!?」


    ジャン「となり町から来てくれるかもわかんねぇし、来てくれるとしても電車が来んのは明後日だ」


    アルミン「そんな…」


    ジャン「そんなことより早く行くぞ!」







    …ザッ



    皆が去った後、1人の人影が神社の祭壇をあさっていた


    ??「………みィつけた」ニタァ

  9. 13 : : 2014/08/18(月) 03:01:04



    あの後ミカサは病院に運ばれました


    ベルトルトに背負われてる間もずっとうなされてたらしいです


    ずくにミカサの両親が来て状況をジャンが説明し終わると、「娘をありがとう。親御さんが心配するからもう帰りなさい」と言われたので


    エレンとサシャと一緒におばあちゃん家に帰りました
    ※エレンとサシャは親せき感覚で考えて下さい
    サシャも一緒におばあちゃん家に住んでます


    その夜サシャに噂のことを聞きました


    サシャ「私が知っているのは少女の幽霊がさまよっていて、取り憑かれると死んじゃうって事くらいです…」



    と、いうことです


    サシャ「ミカサ…死んじゃうんですかね…」


    エレン「縁起でもないこと言うなよ…」


    サシャ「すみません…」




    アルミン「…あの神社にだけでるの?」


    サシャ「私が聞く限りでは…」


    エレン「ばあちゃんから聞いたんだよな?」


    サシャ「はい…でもおばあちゃんもこれ以上教えてくれませんでしたし…」




    アルミン「おかしい…」


    エレン「だよな、見た人いねぇのにそんな噂があるなんてよ」


    アルミン「そうなんだよ、仮に僕たち以外に見た人が本当にいるとしたら、ここで考えられるのは三つ」


    アルミン「一つは僕たちが見た幽霊と噂の幽霊が違うってこと」


    サシャ「つまり私たちも噂の幽霊は見てないってことですか…」


    アルミン「うん、そういうこと。二つめは見た人がいるけどなにか理由があって、黙っているか」


    エレン「でもそれだと…」


    サシャ「噂になるのもおかしいですよね」


    アルミン「まぁ、あくまで可能性の話だからね」


    アルミン「それに噂自体が嘘ってこともありえるし」


    アルミン「それで三つめなんだけど…」


    エレン「」ゴクッ


    サシャ「…」


    アルミン「もうすでに見た人は全員死んじゃった……ってとこかな」


    サシャ「ヒイッ!」


    エレン「……まぢかよ」


    アルミン「正直これが一番当たって欲しくないけどね…」


    アルミン「(それにしても……あの子がいっていた"もう、やめて"……。一体なんのことなんだ?)」


    アルミン「(なにをやめて欲しいのかわからない…でも、なんとなくだけど…この噂はなにかもっと、とんでもないことが隠されている気がする……)」


    って考えても仕方ない


    とりあえず次の日。


    僕たちはミカサのお見舞いに行くことにしました

  10. 18 : : 2014/08/22(金) 19:16:04


    「ミカサ-アッカーマン」


    小さな病院の小さな病室のプレートには


    昨日まで笑っていた彼女の名前が書いてあった


    ベットには死んだように眠ったまま目を覚まさない少女


    その傍らには2人の友人がいた


    この3人は本当なら今頃夏休みを楽しく過ごしているばずなのだ


    いつもみたいに




    ベルトルト「…」


    ジャン「…ミカサ……あれから眠ったままだな」


    ベルトルト「…」


    ジャン「…大丈夫に決まってる、ミカサが幽霊なんかに負けるはずがねぇ」


    ベルトルト「…」


    ジャン「明日は電車で町から医者がくる、きっと治してくれるさ」


    ベルトルト「…」


    ジャン「まったく…これだから電車は嫌いだ。二日に一回しか通らないなんて、一日一回くらい通れよって…なぁベルトルト」


    ベルトルト「…」


    ジャン「……いつまでもそんな顔してたら、ミカサだって起きたくても起きれねぇってんだよ」


    ベルトルト「…」


    ベルトルト「…ありがと、ジャン」


    ジャン「……けっ」




    コンコン


    サシャ「失礼します」


    エレン「よぉ、お前ら。果物持ってきたぜ」


    ベルトルト「エレン…ありがとう」


    アルミン「ミカサの様子どう?」


    ジャン「見ての通りだ。うなされなくなっただけでも、ましってとこだな」


    サシャ「ミカサ…」



    ミカサ「……」



    エレン「…苦しそうだな」


    アルミン「………うん…」


    ベルトルト「…」ギリッ


    ベルトルト「……僕、…探すよ」



    そう呟やいて静かにベルトルトは立ち上がった


    ベルトルト「待っててねミカサ」


    彼の長い指が彼女の白い頬をなぞる


    少しだけ彼女の表情が柔らかくなった気がした



    ジャン「…なにを……誰を探す気だよ」



    彼は答えなかった


    それでも皆はわかっていた


    彼がなにを探しに行くのか


    ただ僕はひとつわからなかった


    彼がどうやって彼女を探すのか

  11. 19 : : 2014/08/24(日) 08:25:24



    ベルトルトはすでに病室を後にしていた



    ジャン「…俺も帰るとするかな」


    エレン「…そうか、ジャンもあんま気を落とすなよ」


    ジャン「ふん、余計なお世話だ」


    彼もまた踵を返して行ってしまう


    サシャ「……」


    アルミン「…僕たちも帰ろっか」



    サシャ「私は…もう少しここにいます」


    エレン「…なるべく早く帰って来いよ」


    サシャ「はい…」


    アルミン「………」


    エレン「行くぞアルミン」


    アルミン「うん…」




    2人きりになった病室で彼女は親友の手を優しく握る



    サシャ「ミカサ……」



    ーーー
    ーー





    アルミン「やっぱり…皆元気なかったね…」


    エレン「……俺はさぁ、サシャが一番悲しんでると思うんだよ」


    アルミン「……どうして?」


    エレン「この村はさ、女の子は少ないんだ。サシャにとって同じくらいの年の女の子なんて、ミカサくらいだった…」


    エレン「小さい頃から2人は仲良しだった、きっとジャンやベルトルトよりも、一緒に過ごした時間が長いと思う」


    アルミン「そっか…」


    エレン「…明日になれば医者が来る、なんとかなるさ!」


    アルミン「うん…そうだね!」


    エレン「よし、サシャを元気づけるために美味いもんでも作っとこうぜ!」


    アルミン「いいね!それで?なにつくるの?」


    エレン「えっ!?俺なにも作れねぇよ?」


    アルミン「へ?」


    エレン「いや、「へ?」じゃないだろ、そこは「僕に任せて!」みたいな感じだったろ」


    アルミン「なんでエレンは肝心なとこをいつも押し付けて来るのさ!!」


    エレン「だって俺料理できないし」


    アルミン「僕だって出来ないよ…」


    エレン「はぁ?おまっ、そんなんでどうすんだよ!」


    アルミン「知らないよ!」



    「「……はぁ、」」


    アルミン「とりあえず材料買っておばあちゃんに作ってもらおう」


    エレン「そうだな、じゃ、俺は店に行って色々買ってくるわ」


    アルミン「僕は先に帰っておばあちゃんと仕度しとくね」


    エレン「あぁ、頼んだ」

  12. 20 : : 2014/08/24(日) 09:01:29




    エレン「(まぁ、このくらいで大丈夫だろ)」


    エレン「てか、こんな重いの持って帰るとか…買いすぎたかな」


    ーーー
    ーー



    エレン「………あぢぃ」


    エレン「もうだめ…ちょっと休憩」ハァ


    エレン「おっ、いいとこに駄菓子屋が……おじちゃん、ラムネ一本ちょうだい」


    おじちゃん「まいど、百円だよ」


    エレン「百円ね、財布はっと……あれ?」


    エレン「えっ、ちょ、…あれ?…財布…財布が……ない」


    おじちゃん「お金忘れちゃった?だったら悪いけど売れないねぇ」


    エレン「そんなぁ…」


    ??「ちょッと、そこのおにィさン」


    エレン「えっ!?」


    振り返るとそこには1人だれかがいた


    背は自分より一回り小さく、つばのある帽子を深くかぶっていた


    中性的な顔立ちで男か女か、わからない





    ただ、目の前の人間は「金髪」だった





    いや、本当にこいつは人間か?


    だってこの村には金髪はいない


    いるのは遊びにきているアルミンと……あの幽霊だけのはず


    ??「ちょっと、キいてますカ?」


    少しタカコトな喋り方が気味が悪い


    エレン「お前は人間…か?誰だよお前は」


    ??「えー、あっタばっかの人に「お前は人間…か?」ッて失礼ですネェ、僕の名前はアニですよ」


    アニ「お二ィさんの名前は?」


    エレン「……エレンだ」


    アニ「なるほド、ではえレんさん、その怖い顔やめてくださイ」


    エレン「…この村には金髪はいないはずだ、…一体お前は…」


    アニ「ほんトに失礼な人ですねェ、昨日同じ電車に乗ってたじャないですか」



    エレン「…嘘だ、お前みたいな奴俺は見てない」


    アニ「…それは遠まわシに、お前は小せェなァ!ってばカにしてるんでスか?」


    エレン「えっ?!」


    アニ「ぼクは普通に座っても座席かラ頭でませんから」


    エレン「そ、そうか…なんか悪かったな…」



    アニ「ほんとでスよ、財布を拾ってあげた恩人に人間あツかいしなかッたり、ちビってばかにされルし…」


    エレン「えっ?財布って…あぁ!それ俺の財布!」


    アニ「さっキ落としマしたよ」


    エレン「いやぁ!助かったよ!お前いい奴だな!」


    アニ「いまさらナに言ってんだか」


    エレン「あはは…お詫びにラムネおごるよ」


    アニ「えレんさんは良い人ですね」


    エレン「お前も調子がいいな」ハハッ


    アニ「そうでスかねぇ?」


    エレン「そうだな!ってかその敬語やめろよ、あんまり年変わんないだろ」


    アニ「じゃ、やめル」


    エレン「(順応はやっ)」

  13. 21 : : 2014/08/24(日) 09:11:34



    2人は駄菓子屋のベンチに座ってラムネを味わう




    そのとき、ふとーー


    エレンはアニの首にかかっている物に目を奪われる


    それは鍵だった


    金色に近い、それでいて所々錆びついている古そうな鍵




    エレン「なんだよそれ」


    アニ「ン?これ?鍵ダよ」


    エレン「見たらわかる」


    アニ「あはは、実はネ、最近見つけたんだ。ずっトなくしてた物ダから」


    エレン「ふーん、見つかって良かったな」


    アニ「えへへ…神社にあったんダ」



    アニは嬉しそうに語る


    しかしそこには聞き逃せない言葉があった



    エレン「神社?」


    アニ「うン。みカさって人のおかげダよ、彼女がぼクを鍵まで導イてくれた」


    エレン「ミカサが?」


    アニ「うん、でモなんか悪いこトしたなァ、巻き込んじゃっテ」


    エレン「…どういうことだ?」


    アニ「うフふ、えれンこわーィ……きゃハ」


    エレン「ふざけるなっ!」


    アニ「まぁまァ、落ち着いて」


    エレン「落ち着いてられるか!お前のせいでミカサはあんな風になっちまったのか!?」


    アニ「うーん、そレは違うかな?彼女は最初からこの物語のいちインだよ」ニコッ


    エレン「は?物語?お前なにいってーー

    アニ「迷い込んだのは君たち」





    急に彼の周りの雰囲気が変わった


    さっきまでのふざけた態度はなく


    ピリピリとした空気がエレンを包む


    まるであの幽霊を思い出させる


    深い闇に飲まれる嫌な感じがした





    アニ「どのみち彼女はあいつからは逃げられなかった」



    アニ「それが彼女が選んだ道」



    アニ「彼女が犯そうとしている罪」






    エレン「……」


    声がだせなかった


    あまりにも自分とアニとの間の空気が違いすぎた



    アニ「って言ってモ、みカさがなにをしようとしてるのか僕にも分からないけドね」



    アニがいつもの調子に戻るとエレンは大きな息を吐き出す


    いつのまにか息をとめていた


    そのことにさえ気づかないほどアニの存在は圧倒的だった



    エレン「ちょ、ちょっと待てよ、ミカサが選んだ道?罪?あいつって誰だよ!」


    アニ「とにかク、みカさからは目を離さない方が良ィ」


    アニ「それガ今の君たちに出来るこト」


    エレン「今の俺たちの出来ること?」


    アニ「そう」ニコッ


    エレン「…結局その鍵のせいなのか?その鍵がミカサをあんな風にさせたのか?」


    アニ「……」


    エレン「その鍵はどこの鍵なんだ?」


    アニ「…ふフ、教えられなイ」


    エレン「なんでだよ!?」


    アニ「エレンはまだ知らなすぎるんだよ」


    アニ「君はここかラ先へは進めない」


    アニ「でももし、この物語に入ることができたとすれば…」


    アニ「そのときは嫌でも教えてアゲル」クス


    エレン「お前は……何者なんだ…」


    アニ「ぼク?僕はねーー


















    「金髪の少女の弟だよ」ニタァ




    屈託のない満面の「笑み」でアニは言い放った

  14. 22 : : 2014/08/24(日) 18:01:03


    エレン「…弟?」


    アニ「これから先ハ自分で考えてネ」クス


    エレン「(…こいつの言うことが本当なら、金髪の幽霊が死んだのは)」


    エレン「つい、最近ってこと…?」


    アニ「♪」ニコニコ


    エレン「(いや、そう考えるのは早すぎるな…)」


    エレン「(わからないことが多すぎる…)」


    こいつはなにをしに村にきた?
    目的はなんだ?


    物語ってなんだ?


    ミカサが選んだ道?


    ミカサはその一員?


    他にもその物語のメンバーみたいな奴がいるのか?


    ミカサが犯す罪?


    ミカサがこれからなにか事件に巻き込まれるのか?


    だとしたらミカサからは本当に目を離せなくなる


    俺たちはまだ知らなすぎる…?


    まだこの村にはなにかあるのか?


    俺たちはこれ以上進めない?


    ……ミカサは助けられない?





    エレン「ああーーもうっ!俺は考えるのは苦手なんだよ、アルミンに任せよ」


    アニ「あレ?投げだしちゃった?」


    エレン「考えるのはアルミンの仕事ってだけだ」


    アニ「じゃア、えレんはなにをスるの?」


    エレン「俺は行動するんだよ、ミカサを助ける為にな」


    アニ「クスクス、そっか」


    エレン「あぁ、俺がミカサを助ける」


    アニ「ではそんなえレんにアドバイス」


    エレン「アドバイス?」


    アニ「ミイラとりがミイラになッちゃダメだヨ」クス



    そういってアニは立ち上がる


    アニ「またねえレん、ラムネありがト」ニコッ


    エレン「おう、またな」


    そうしてフラフラとアニは行ってしまった





    エレン「………てかあいつ男だったんだ」


    エレン「…………可愛いのに」
  15. 23 : : 2014/08/24(日) 18:31:32




    アルミン「んー…信じがたいねそれは」カシャカシャ
    ※お料理中です


    エレン「どこがだよ」ジュゥゥ
    ※お料理中です


    アルミン「基本全部だよ、それに幽霊の弟?幽霊の噂はずっと昔からあったんじゃないの?」


    おばあちゃん「あんたたち、手ぇ動かしな!」
    ※もちろんお料理中です


    エレン「なぁ、ばあちゃん。ミカサ大丈夫かな?」


    おばあちゃん「しらないよ、全く…あれほど夜に神社へいっては行けないと」ブツブツ


    アルミン「おばあさん、金髪の幽霊の噂はいつからあるんですか?」


    おばあちゃん「はい?私は幽霊の話なんか知らないよ」


    アルミン「!!」


    エレン「ちょ、ちょっとまてよ」


    おばあちゃん「なんだい急に大きい声だして」


    エレン「ばあちゃんは幽霊がでるから、サシャに神社には行くなって言ったんじゃないのかよ!」


    おばあちゃん「ちがうね、私が行くなって言ったのは、連れていかれるからさ」


    アルミン「連れていかれる?」


    おばあちゃん「そうだよ、山の神にね」


    エレン「どういうことだ……話が見えなくなってきたぞ…」


    アルミン「……詳しく教えて」


    おばあちゃん「…夜の神社に行くと帰ってこられない」



    おばあちゃん「昔からあそこではーーー



























    「神隠しがおこる」



  16. 24 : : 2014/08/24(日) 19:00:29



    サシャ「うわぁ!すごい!美味しいお料理がたくさん!!」


    おばあちゃん「あら、おかえりサシャ」


    サシャ「あっ!おばあちゃん!どうしたんですか?今日はなにか特別な日でしたっけ?」


    おばあちゃん「いいや、こいつらがあんたを喜ばせようと、私に無理やり作らせたのさ」フフッ


    エレン「……zzz…」


    アルミン「…ん……zzz」


    おばあちゃん「あんたの帰りをずっと待ってたんだけどね」


    サシャ「エレン…アルミン…」


    おばあちゃん「あんたが落ち込んでるのを、気にかけてくれてたんだろうねぇ」


    サシャ「………そうでしたか」ジワァ


    おばあちゃん「……ミカサはね小さい頃からいい子だ。幽霊なんかきっと山の神様が守ってくれるさ」


    サシャ「………ゔん」グスッ


    おばあちゃん「だからあんたも気をしっかり持ちな!」


    サシャ「…はい"」


    おばあちゃん「…ほら、2人を起こしな。食べるよ」


    サシャ「うん!」


    サシャ「ほら!2人とも起きてください!ご飯冷めちゃいますよ!」


    アルミン「ん…あ、おかえりサシャ」ニコッ


    サシャ「エレンも早く起きてください!」


    エレン「…ん…もう食えない…zz」


    サシャ「ちょっと!なんて美味しそうな夢見てるんですか!ずるいですよ!」


    アルミン「あはは!サシャらしいや」


    エレン「あれは…特大プリ…んがー…zz」


    サシャ「プリン!?まさか目の前にプリンがあるんですか!?」


    アルミン「エレンの夢の中かな」クス


    サシャ「私も夢の中にいれてください!エレーーン!!」


    ゴツン!


    エレン「っいっってぇぇええええ!!??」







    おばあちゃん「…山の神様、どうかこの子達をお守りください」


  17. 27 : : 2014/08/27(水) 16:25:53




    サシャ「……ん…」


    窓から差し込む朝日の光が彼女の顔を照らす


    ふと見ると自分の近くには2人の友人がまだ寝ていた


    サシャ「昨日は私の為に、ありがとうございました」


    昨日は言えなかった


    直接言うのは恥ずかしいから



    今度2人とおばあちゃんにはお礼をしないと、


    と彼女は思う



    台所のほうからは味噌汁の良い匂いがしてくる


    行ってみると、すでに祖母が朝食をつくっていた


    サシャ「私も手伝います」


    おばあちゃん「もう出来上がるよ、かわりに茶の間を片付けといてくれ」


    サシャ「わかりました!」


    言われた通り茶の間を片付け、
    まだ寝ている2人を起こす


    まるでそれを見ていたかのように、祖母が朝食を持ってくる


    いつもならゆっくり食べる朝食だが、今朝はそうもいかない


    今日も早く病院へ行かなければ



    おばあちゃん「町から医者がくるんだってねぇ」


    エレン「あぁ、ミカサをみてくれる」


    おばあちゃん「ヤブじゃないといいが…」


    サシャ「ごちそうさまっ!私はもう行きます!」


    エレン「ちょ、まてよサシャ!」


    アルミン「行っちゃった…」


    おばあちゃん「あんたらはここの片付けを頼むよ」


    エレン「ばあちゃんも行くのか?」


    おばあちゃん「私も少しは顔を出さないとねぇ」


    エレン「わかったよ」


    おばあちゃん「それじゃあ、頼んだよ」


  18. 28 : : 2014/08/28(木) 21:42:46


    アルミン「早くこれ片付けて僕たちも行こうか」


    エレン「そうだな」


    アルミン「…ねぇエレン」


    エレン「どうした?」


    アルミン「昨日のおばあさんの話どう思う?」


    エレン「神隠しのことか?」


    アルミン「うん」


    エレン「…多分昔から神隠しの噂はあって、つい最近金髪の幽霊の噂が広まったと思う」


    エレン「(そしたらアニの言ってたことも少しは頷ける)」


    アルミン「そうだね、僕もそう思った。それに少なくとも神隠しの噂は、昔からあったんじゃないかな?」


    エレン「…てことはやっぱり…」


    アルミン「うん…昔、この村で誰かいなくなったのかもね」


    エレン「まさかそいつが金髪の幽霊なのか?」


    アルミン「わからない」


    アルミン「けど、この2つの噂が共通してるのは……」


    エレン「……神社か…」


    アルミン「そう…きっとあの神社にはなにかあると思うんだ…」


    エレン「……とりあえずミカサのお見舞いに行こうぜ、その帰りにでも神社に寄ろう」


    アルミン「…そうだね」

  19. 29 : : 2014/08/28(木) 22:23:54


    サシャ「失礼します」


    ベルトルト「…」


    ジャン「サシャ…」


    サシャ「ミカサは…」


    「それは私から説明させていただきます」


    そこには眼鏡をかけた中年の男が立っていた


    サシャ「あなたが…」


    「あぁ、これは申し遅れました」


    ハンジ「医者のハンジです」


    サシャ「ミカサは…ミカサはどうなんですか!?目を覚ましますよね?」


    ハンジ「現状ではなんとも…」


    サシャ「そんな…」


    ハンジ「ミカサさんは身体には目立った外傷は見当たりません」


    ハンジ「おそらく精神的なものかと、その原因を突き止めないと目を覚まさない可能性も…」



    ベルトルト「……クッ」ギリッ


    ジャン「適当なこと言ってんじゃねぇ!ミカサが…ミカサが目を覚まさないなんて、あるわけないだろうが!!」


    ハンジ「……これは私にはどうしようもありません…精神安定剤は投与してますが、あまり期待出来ないでしょう」


    ハンジ「全てはミカサさんの気力しだいです」


    ジャン「ふざけんな!医者が…医者がなんも出来ないってなんだよ!」


    おばあちゃん「やめな」


    サシャ「おばあちゃん…」


    ジャン「サシャんところの…ばーさん…」


    おばあちゃん「わざわざ来てくれた人に言うことじゃないだろ?少し落ち着きな」


    ジャン「……」


    ハンジ「いえ、私の力不足に変わりありません」


    おばあちゃん「…ミカサを頼みます」ペコッ


    ハンジ「全力を尽くさせていただきます」


    ベルトルト「……」バッ


    おばあちゃん「どこに行くんだい?」


    ベルトルト「決まってる、あのふざけた幽霊を探す」


    おばあちゃん「やめときな、見つけてどうするっていうのさ」


    ベルトルト「だったら何もしないで指咥えてろっていうのか!!」


    おばあちゃん「そうだね、それも悪くない」


    ベルトルト「ふざけるな!…僕は行く」ダッ



    おばあちゃん「……はぁ、」

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