この作品は執筆を終了しています。
【真夏の短編2】ー炎天下に"水菓子"はいかがですか?
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- 1 : 2014/08/10(日) 21:59:23 :
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ーけたましく唸るように降り注ぐ眩しい日光は、まさに"炎天下"と呼ぶのに相応しい日だった
青く青く澄んだ空には、ゆっくりと高い高い白い雲が空を覆いつくすようにそびえ立っていた
馬鹿みたいに喚く無数の蝉の鳴き声が耳に障り、神経を苛立たせる
熱気の籠った湿ったそよ風が私の首筋に伝う汗を拭う
私は、縁の下に腰掛ける私を待っているであろう"彼"の元へ、一歩足を運ぶ
こんな炎天下の中、熱中症にでもなったら気の毒だ……そう思い、あるものを彼にあげようかなと考えた
頭が痛くなりそうなほどに冷えきったジュースと………
ー炎天下に"水菓子"はいかがですか?
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こんばんは。
愛に餓えております砂糖楽夢音ですm(__)m
今回は、前回の真夏の短編( http://www.ssnote.net/archives/21400)に引き続き、第2弾です。
"水菓子"をテーマにエレサシャを執筆したいと思います。
おそらく10レスちょいで終わると思いますが、亀さん更新の恐れありです。
執筆中のコメントは、こちら→→→ http://www.ssnote.net/groups/570にお願いします。
執筆後はコメント欄は解放します。
では、よろしくお願いします(#´ω`#)ノ☆
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- 2 : 2014/08/11(月) 12:19:50 :
「持ってきましたよ~」
カバーをかぶせたトレーを持ちながら彼の傍へ駆け寄り声をかけると、彼は後ろを振り向いた
「お~う、サシャ。何を持ってきたんだ?」
白い歯を見せてニカッと笑顔を浮かべる彼……エレンは、私……サシャの幼馴染みである
私の幼馴染みエレンは……容姿端麗、運動神経抜群、成績優秀と至れ尽くせりで、女子にすっごくモテる
まぁ、本人はモテるなど自覚なしの天然君だが
とても優しい奴で、近付きやすくて親近感が溢れるところが男女問わず人気な理由だと私は思う
縁の下で座るエレンの左隣に腰を下ろし、トレーをエレンと私の間に置く
「ジュースと……"水菓子"です!!!!」
「……"水菓子"って何だ???」
ふふ、案の定ですね、"水菓子"なんて言葉を知ってる人自体少ないですもんね
トレーを覆い尽くしたカバーを外し、エレンに見せた
「"水菓子"は、"果物"の古い言い方なんですよ。 暑さを吹き飛ばすのにスイカ持ってきました!!!!エレン、スイカ好きでしたよね?」
「へぇ~、そうなんだ!!!おう、スイカ大好きだぜ」
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- 3 : 2014/08/11(月) 12:43:09 :
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「沢山持ってきたんで、沢山食べてくださいね!」
「おう。すげぇ……このスイカおいしいな」
もうすでに一口目を食べ始めていたエレンが感嘆の声を上げた
「そりゃ、早朝のとれたて新鮮なスイカですからね ! 夏バテ防止でちょうどいいと思うんですけど……」
お父さんが早朝に収穫していたスイカを貰ってきてた
私もスイカにかぶり付くと、瑞々しい冷たさとしゃりしゃりした食感と爽やかな甘さが口の中に広がる
こんな炎天下の日にぴったりの食べ物だと思う
「だな。食欲が進むぜ!」
そういえば……幼い頃もこうやって縁の下に腰かけて"水菓子"を食べてたなぁ
何年ぶりだろう、エレンとこうして楽しく話すのは
都会っ子のエレンは、幼い頃に私の住んでいる田舎から都会へ引っ越してしまって何年か音信不通だった
そして炎天下とは真逆の真冬……今年の正月に年賀葉書が届いて、「夏休みにそっちに帰るから遊ぼうぜ!!!」との文面が書かれていた
多分、6歳の頃にエレンは引っ越したから……約8年ぶりに再会した
もう私とエレンは中学二年生だ
「……ひ、久しぶりですね。エレン」
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- 4 : 2014/08/11(月) 13:06:04 :
「ん、そうだな……久しぶりだな。サシャ」
何だろう……さっきから落ちつかない、名前を呼ばれただけで鼓動が高まる気がする
「身長伸びましたね~、私エレンに追い越されちゃいました。まだ152㎝ですよ」
「まぁな~、確か162㎝かな?俺もチビな方なんだけどさ。……あれだよな、サシャは」
その身長でチビなら、私は一体………
「ん?あれって何ですか???」
右隣に座るエレンの顔を覗き込むと、驚いたような顔をして「わ、ちょ……こっち見んなよ」と言われた
「……えーっとだな、うん。サシャは綺麗になったよな。少し大人っぽくなったような………うん」
「……えっ」
とくんっ、と心臓が跳ねた
え、それって、もしかして……そういうことですか…???
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- 5 : 2014/08/11(月) 13:25:19 :
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「い、いや別に深い意味はねぇからな!?そ、そう思っただけで……」
声もすっかり変わっている、当然か
「……でも、ありがとう。嬉しいですよ?」
「そ、そうか」
チリーン、リーンと風鈴の透き通るような涼しい音が急に黙り込んだ二人の間に何気なく優しく響く
……勘違いだよね?そんな訳ない、よね???
幼い頃から私はエレンをお互いが助け合う相棒のように慕っていた
気を使うことなく、気軽に自分が素でいられて、包み込んでくれるような安心感を持つエレンの傍に居られた時期は楽しかった
でも今は、どうなんだろう……???
子供とは言え、多感な時期だ
8年ぶりに再会して、お互い変わってしまった
そんな私とエレンは、これからどんな関係になるんだろう?
幼馴染みで居たいけど、そうじゃないような……
少し自惚れすぎたようだ
ー顔が熱いのは、この日差しの強い炎天下のせいだ……多分
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- 6 : 2014/08/11(月) 13:40:24 :
無言になってしまった……何故か、気まずく感じてスイカを食べる
エレンも余っているスイカを食べ始めていた
「エレン……えーっと、最近どうですか?学校とか、色々……」
こういう謎のプレッシャーらしきものには、相変わらず私は弱いみたいだ
痺れを切らして話かけてみた
「え!?あ、そうだな……部活がすげぇ楽しいよ」
エレンはいきなりすぎて返答に迷いながらも答えてくれた
「何部でしたっけ?」
「サッカー部だよ、昔からずっとサッカーしかやってねぇな俺は」
「あははっ、そういえばそうでしたね!」
うん、大丈夫だよね?ちゃんと話せてる
さっきまでの無言状態がまったく嘘のように会話が弾みだした
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- 7 : 2014/08/11(月) 14:46:16 :
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昔はよくエレンのお嫁さんになる、とかよく言ってたものだ
今思い出してみると羞恥の塊だ、恥ずかしい……
まぁ、結婚の意味もずっと一緒に居られるってことだと思っていて、あながち間違ってはいないが意味を理解していなかった
山に昆虫採集、原っぱに探検、川に泳ぎに行ったりと自然豊かな田舎で毎日のようにエレンや騒がしい友達達と遊んでいた
元々、お互いの家もご近所で両親も仲が良かったから、朝昼晩ほとんどと言っていいほどずっと同じ時間を過ごしていた
ずっと傍にエレンがこれからもいるんだろうなぁ……って幼ながらに私はそう思った
その時までは、そう……思っていた
次の日、エレンは居なかった
山にも原っぱにも川にもエレンの家にも……当てがあるところは全部探したが、エレンは何処にも居なかった
私はお母さんに聞いた
『……ねぇ、お母さん。エレンもエレンのお父さんもお母さんも居ないよ?何処に行っちゃったの?ねぇ?』
お母さんは申し訳ないような悲しそうな顔をして、私に言った
『……エレン君達はね、遠い遠いところに引っ越しちゃったの。お父さんの仕事の事情でね。今日、出発したわ』
『何で?何で、エレンは黙って勝手に行っちゃったの???嫌だ、私、嫌だよ……っ』
『……』
お母さんは黙り込んで私を抱き締めていた
『……ありがとうも、さよならも、またねも、何も言ってないよ。…嫌だっ……』
あんなに泣いたのは今までの人生の中であれっきりだ
もう二度と逢えないから、そんなのは嫌だって幼い私はそう思い込んでいた
怒りよりもそれが当然のように過ごしていた日々にエレンが居なくなるという不安がを私を襲った
ーだって、エレンが傍に居ることがそれが私の当たり前の日々だったから……
*
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- 8 : 2014/08/11(月) 15:47:36 :
不思議と他愛のない話は、気を紛らすには十分すぎるほど楽しい時間だった
チラリと視線を右隣へ盗み見すると、エレンはスイカを頬張っていた
こうやって、普通に会話する時間でさえ愛しく感じてしまうほどに私はエレンとずっと一緒に居たかったんだなぁと、ふと思う
思い返せば、エレンと会話するのだって、再会したのだって8年ぶりだ
今も昔も変わらないことが一つだけある
あまりにも長かったこの8年間、エレンに伝えたかった想いを伝えていいのだろうか?
「なぁ、サシャ」
「は、はひいいっ!!!!?」
色々と考え込んでいたところに突然声をかけられ、間抜けな声を出してしまった
「ははっ、変な声だな ! ……じゃなくてさ…」
エレンが私の方へ身を乗り出し、顔を近付けた
そして、サシャの右頬に唇を落とした……
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- 9 : 2014/08/11(月) 16:36:27 :
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「ひ、ひゃあああっ!!!!!?な、なな、な、何するんで…す……か」
思わず後ろに引き下がり身構え、決闘を挑むような体勢になってしまった
何て言えばいいのだろうか……、言葉を探すが片言になってしまう
顔の中心からじんわりと熱くなっていく感覚が自分でもよく分かった、穴があったら隠れたい
「……スイカ、ついてたからよ」
「え、ええっ!?あ、そ、そうですか……」
中学二年生にして頬にスイカをつける女はさすがにないなと自分でも思った、少しショックな気分だ、クソ、恥ずかしい……
「本当にお前さ、昔からあんま変わりねぇのな。馬鹿っぽいところとか……」
「馬鹿じゃないけん……ば、馬鹿じゃない!!!!少しは変わりましたよ…ほら、お姉さんっぽくなりましたよ!」
勢いで口から滑らせてしまった方言を塞ぐ
結構子供の頃とは変わって成長した自信があるんだが……ひどい、しかも馬鹿呼ばわり
「何処がだよ。俺なら、頬にスイカをくっつけてる女をお姉さんだと思いたくねぇよ」
「ぐ、ぐぬぬ……」
これはさすがに言い返せない……事実だし、悔しい
「え、エレンだって……ず、随分と、ぷ、プレイボーイになりましたね…!!!」
「やめろ。プレイボーイとか痛々しいこと言うなよ……」
スイカを頬張りながら真顔でツッコミを入れられた、私って一体……ぐぬぬぅ
「ど、何処に痛さの欠片がありましたか、今の!!!!?」
「いや、十分痛ぇよ。痒い」
「か、痒いなら叩きますよ、その部分 ! さぁ、何処ですか……腕ですか、足ですか!?それとも此処か!!?」
目にも止まらぬ速さ(多分)で腕、足と見ていく
蚊に刺された時は叩くと痒みが引く(※あくまでサシャの意見です)
エレンの腕や足、それとシャツをお腹の方から捲ろうとしたらエレンにその手を咄嗟に止められた
「うわっ、ちょ、サシャ!!!!?やめろ、そこは捲んな!……女子として色々アウトだぞ」
「え"っ」
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- 10 : 2014/08/12(火) 09:25:08 :
「……何かごめん、怒ってる?」
何を察したのか謝ってくるエレン
「別に怒ってません!色々、アウトって言われたぐらいじゃ怒りません!!!!!」
「怒ってんじゃん……」
怒ってない、怒ってない、別に怒ってなんかいない……はず
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- 11 : 2014/08/12(火) 10:07:49 :
突然、右頬をむぎゅっと指でつつかれた
一回、二回……三回と弾力のある肌をつつく
「……どうしたら、許してくれる?」
「……だから私、怒ってませんってば」
そんなに、怒ってるように見えるのかな……
「だって、サシャ。さっきから、ずっとふて腐れてる。……笑ってないし」
一瞬、心を見透かされたのかと思い肩がビクッと揺れる
勘が鋭いのか、洞察力が優れているというべきなのか……
どちらにしろあまりいい気分じゃない
「……サシャは、笑っている方が可愛いぜ」
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- 12 : 2014/08/12(火) 10:20:25 :
「……ど、どうしてそういうことを平気で言えちゃうんですか?エレン」
それじゃあ、まるで……
その言葉の先を想像してしまい、唾を呑み込む
「どうしてって言われてもなぁ。……俺らって、すごく仲の良い幼馴染みだよな」
「うん」
「で、さぁ。俺、サシャに何も言わないで引っ越しちゃったじゃん」
エレンは何が言いたいのだろう
なんとなく、手元にあったジュースを一気に飲み干し、一息ついた
甘酸っぱい味が口の中に広がり、食欲を満たすようだ
「俺ら、仲の良い幼馴染みっていうにはさ……もう8年以上も逢ってなかったし、そうは言えないと思うんだよ」
「……うん」
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- 13 : 2014/08/12(火) 10:52:48 :
「……今、普通に話せてるよな。仲が良く見えないこともないだろ?」
「ま、まぁ……うん」
益々もって、意味が分からなくなってきた
「でも俺は、男だし、思春期だし……こう思う訳。……わ、何かサシャからめっちゃ良い香りする、とか」
「え、ええっ!?あ、うん。つ、続けて下さい」
いきなりのカミングアウトに目を見張る
ちょ、待って、待って、待って……どうしてこうなったんだっけ!?
「セーラー服とか似合ってて可愛いなぁ、とか。足、綺麗だし長いなぁ、とか。いきなり隣に座ってきたんだけどどうしよう、とか。俺の好物スイカって覚えててくれて、めっちゃ嬉しいなぁ、とか。スイカ頬張ってる姿がハムスターみたいで可愛いなぁ、とか。敬語だったりタメ語だったり少し成長したんだなぁ、とか。早食いしすぎてむせてて、お水下さいなんて言ってる時の潤んでる目とかで見つめられると心臓止まりそうでヤベぇなぁとか。髪の毛伸ばしてんのかな……シャンプーとリンスとか気にする年頃なのかなぁ、とか。汗拭ってあげたいなぁ、とか。唇に艶があってエロいなぁ、とか。
……どうして、さっきから横目でチラチラとこっそり盗み見するんだろうなぁ、とか。なぁ?」
「……~~~ッ!!!!?ハッ、うぐうぅっ……。あうぅ……」
ストレートに言い過ぎだってば……驚きすぎて言葉が出ない
そんなに見られていたのか、というか、盗み見したのバレてるよ!!!!?何で!?
わわわわわ、わ、恥ずかしい……な、何か言わないと気まずいし、もう、どうしよう!!!!!
「……どうしたいか分かってくれたか???」
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- 14 : 2014/08/12(火) 11:16:23 :
「~~~あぐうぅ……う、うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!?」
抑え込んでいた何かが込み上がってくる羞恥に堪えられなくて、叫びが漏れる
「え、何っ!!!!?どうしたサシャ!?」
「……だから、何でエレンはそういうことを平気で言っちゃうんですか!?こっちの身にもなってください、恥ずかしいです…」
思わず我慢していた涙が次々と溢れる
「お、俺だって恥ずかしいつっーの………あぁ、もう泣くなよ。俺が悪かったって。本当、昔から泣き虫なの変わんねぇのな」
「仕方ないじゃないですか……乙女心を傷つけられましたもん!!!!?」
そう言い返すとエレンは、呆れた声で「……乙女心とか普通に言えるお前が俺は怖いな」と真顔で言う
然り気無く私の頭の上に置かれた手が髪の毛をぐしゃぐしゃっと撫でた
適当に撫でるその素っ気ない態度がとても胸に染みて、さらに涙が溢れる出す
「……好きだ、サシャ」
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- 15 : 2014/08/12(火) 11:44:02 :
「……私は、ずっと前からエレンのことが大好きでした!!!!」
「お、俺だって大、大、大好きだ!!!!」
そこでお互いの顔を見つめ合い堪えていた笑いを吹き出す
こんな恥ずかしいことを大真面目に真顔で言い合って、まだまだ子供だなぁって改めて自分で思う
やっぱり勢い任せなんだよね、こういうの
「……ん、じゃあお姉さん。ちょいとキスが欲しいなぁ」
「は、はひぇ!!!?出た、プレイボーイ発言……」
都会っ子って、積極的すぎないか……
「だから、そのプレイボーイとか痛々しいつっーの。……お姉さんって、自分でさっき言ってたじゃん。あ、それとも出来ない???じゃ、ちゅうでもいいけど」
「うぐぐ……わ、分かりました。き、キスの一つや二つ……や、や、やってみせますよ ! 」
見栄張って言ったことがまさか、こんなことになるとは……自業自得と言うやつか
周りに人がいないことを確認し、大きく息をすい深呼吸をしてからエレンに向き直る
横髪を耳の上にかき上げ、汗で滲む震えた手でエレンの頬を包み込む
……心臓飛び出そう、わ、あああ、でも、サシャ頑張るんだ!!!!
唾を呑み込むと、渇ききった喉から音が聞こえる
中々先へ進まずエレンの唇を眺めながら躊躇っていると目が合い、エレンはニヤリと口元を吊り上げた
……何かこれ、嫌な予感がするような???
そう思った時には、すでに遅かった
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- 16 : 2014/08/12(火) 12:52:16 :
目をはなしたその一瞬、エレンがサシャの後頭部を引き寄せ、セーラー服の胸襟を引っ張り
ー無理矢理、唇を重ねた……
しばらくの間、声も出せずサシャが呆気にとられていると、エレンは目で笑いながら、舌同士が触れ何かを口に押し込んできた
それに気づき声を上げようとするが、唇は塞がれたままだ
羞恥やいろんな感情に堪えるように、目をきつく閉じたままエレンのワイシャツを固く強く握った
そろそろ息が苦しくなった頃に、やっとのことでゆっくりと唇が離れた
「にゃ、に、な……あ、甘い……?」
口の中にゆっくりと熱で生温くなった甘酸っぱい味がじんわり広がっていく
「スイカ。おいしかっただろ?」
「それにしても……いや~可愛かったなぁ、途中ワイシャツをぎゅっ、って握ってさ。してる時もそそる顔だったしな」
悪気が一切感じられない天使のような笑顔を見せそう言うエレン
「なっ、もしかして目開けてたんですか!?」
「そりゃ、そうだろ?じゃなきゃ出来ないだろ」
叫びたい衝動に駆られたがそれを抑えこむ……ぐうぅ
「……だ、大好きです。エレン」
確かめるように私がそう呟くとエレンは「知ってるよ、幼馴染みはもう卒業な」と言い、また頭を乱雑に撫でる
あまりにも長かった8年間、エレンに伝えたかった想いはあっさりと簡単に伝わった
幼い頃から恋してたなら、その時にでも告れば良かったなぁと思うが幼すぎるその頃では恋してるなんて感情は分かんないか……
ただ伝えることが出来て、本当に安心した……伝えられて良かった
まぁ、伝え方は、半分勢い任せだが
「お姉さん、もう一回な。今は俺からだったし」
「そ、そんなぁ……!?」
エレンにもう無理だよと問いかけるような視線を向けるが、エレンは舌をペロッと舐めて笑った
「ん、もう一回」
ーまだ口の中に広がっている、甘酸っぱい"水菓子"の味は、もう二人が仲の良い幼馴染みではなく、恋人同士だということを証明していた
【真夏の短編2】ー炎天下に"水菓子"はいかがですか?ーfinー
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- 17 : 2014/08/12(火) 13:01:34 :
- ーあとがきー
【真夏の短編2】ー炎天下に"水菓子"はいかがですか? は、これにて執筆終了です!!!!!
いや~、エレサシャいいですね(>_<)グヘヘ…
執筆中はニヤニヤが止まりませんでした……涼しくするつもりが熱々になっちゃいました。うへぺろ☆
応援していただいた皆様と拝読者の皆様に感謝の思いを。
本当にありがとうございました!!!!!
妄想爆発させている変人、砂糖楽夢音ですがこれからも何卒宜しくお願いします。
では、また何処かでお会いしましょう~♪
最後にコメントを一言でもいただけると嬉しいですねっ(#´ω´#)ノ☆
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- 18 : 2014/08/12(火) 16:35:32 :
- 執筆お疲れ様でした。
エレンくんのプレイボーイ発言に此方までドキドキしてしまいました。
初々しいのか、大人なのか、微妙な心情=思春期の二人が本当に可愛らしくて、是非ともおかわりが欲しい甘い甘い水菓子をありがとうございます(*´∀`*)
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- 19 : 2014/08/12(火) 16:46:08 :
- >>18郷@嫁は88さん ! 読み漁りの旅に出ます さん
郷ちゃん、読んでいただきありがとうございますm(__)m
エレンのプレイボーイ発言、書いててとても楽しかったのですっごい印象に残っています。
あはは……そうなんですよね(笑)初々しさと大人のこの微妙で多感な時期、思春期の二人が書きたくて始まったお話です。
おかわりをどうぞ つ水菓子(スイカ、メロン、ストロベリー、オレンジ、マンゴーなど)
コメントとても嬉しいです(*´ω`*)ノ☆
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- 20 : 2014/08/13(水) 09:09:50 :
- エレサシャってあんまり見ないけど、面白かったです(*´ω`*)ノ☆
お疲れ様でした
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- 21 : 2014/08/13(水) 10:18:54 :
- >>20CAT_M@猫兵長さん
CATちゃん、読んでいただきありがとうございますm(__)m
エレサシャってあんまり見かけないいCPですが、私はよく書くCPでもあります。意外とこのの二人の絡みが面白くて好きです。
グループにまでわざわざ応援に来ていただり、ご指摘していただいたり、嬉しかったです(*・ω・*)ノ~♪
CAT_M@猫兵長さん、お星様をつけていただき感謝ですっ!!!!!
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- 22 : 2014/08/16(土) 00:33:14 :
初々しくて可愛らしい2人ですねぇ♪
現パロだけど、水菓子という単語も含めて、情緒ある雰囲気の素敵なお話でした。
汚れきった心が浄化された気分です(笑)
執筆お疲れ様でした。
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- 23 : 2014/08/16(土) 01:09:20 :
- 執筆お疲れ様でした!
夏の涼しい雰囲気や、サシャとエレンの初々しさが伝わってきて、ニヤニヤしてしまいました(笑)
こういう可愛いエレサシャ、もっと増えるといいなぁー(*ー ー*)
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- 24 : 2014/08/16(土) 11:35:27 :
- >>22月子さん
こんにちは~。
初々しいけど、ちょっぴりおませなところが可愛らしくてツボです!
水菓子という単語は辞書をパラパラ~って捲っていたら見つけたものなんですよ(笑)
あ、なんか夏らしくていいじゃん、みたいなカンジでss書き始めました。
私、中々現パロを書かないのでこのssを書いてる間はとても楽しかったです。
汚れきった心が浄化……!!!!?驚
月子さんの心は汚れてませんよ~(笑)
読んでいただきありがとうございました(*≧ω≦*)ノ☆
>>23利卯'@ミカサシャさん
涼しくするつもりがやや熱々になってしまったので、涼しい雰囲気が伝わったのなら良かったです。
私も書いている最中ニヤニヤが止まりませんでした。
妄想爆発です(笑)
あぁ、そうですね……エレサシャは好きなCPでもあるので私も可愛いエレサシャが増えてくれると嬉しいなぁ…
読んでいただきありがとうございました(#´ω`#)ノ☆
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- 25 : 2014/08/16(土) 11:36:38 :
- 利卯@ミカサシャさん、お星様をつけていただき感謝ですっ!!!!!
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- 26 : 2014/08/19(火) 07:07:50 :
- 家族の前で読むんじゃなかったぁぁ
ニヤニヤしてるのばれたぁぁww
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- 27 : 2014/08/21(木) 20:18:16 :
- >>26ペトラLoveさん
ニヤニヤしちゃいましたか?(笑)
私も書いているときも物語を考えているときも、ニヤニヤですよーっ!!!!
家族の前でニヤニヤしてるとアンタ気持ち悪いって言われますね、はい(笑)
読んでいただきありがとうございました(*≧ω≦*)ノ☆
ペトラLoveさん、お星様をつけていただき感謝ですっ!!!!!!
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- 28 : 2015/02/28(土) 14:33:06 :
- 執筆お疲れさまです
爽やかな文章と若々しく初々しい二人に乾杯
短編という短い夢の時間でしたが、とても満足させられました
執筆作品に期待です
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- 29 : 2015/03/01(日) 23:15:13 :
- >>28影刻さん
読んでいただきありがとうございます!
満足していただけたようで、私としてもとても嬉しいです(((o(*゚▽゚*)o)))
はい、色んな作品書いてるので、宜しければそちらもどうぞ
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