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疲れた私へ
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- 1 : 2014/08/06(水) 07:43:57 :
- いつからか、表情を作る事すら重くなった。周りが関係を作り、笑顔を絶やさずに過ごす光景が、理解出来なくなった。
理解する必要はなかった。自分には目的があるからだ。生きる目的、ここで正気を保っていられる理由の一つ。だが、その目的こそが、自分をこの訓練兵団内において異質の存在にさせている事実に、私は気づかぬフリをしていた。
…目的とは、この壁内人類が巨人から身を守る事が出来るほぼ唯一の’手段’、つまり’壁’の破壊だ。それは、何百万もの人間を殺す手助けをしたという事だ。人殺しの手助けをした私達にはもはや、頼れるモノは二つしかなかった。人殺しをしてでも達成するべきだと教えられた大義、そしてこの大義と目的を共有している仲間だ。私を含め、三人。何千人もの訓練兵が所属する南方訓練兵団、何百何千万の壁内人類の中で、たったの三人…。
ある日、訓練が終わり宿舎へ戻ると、二人の女が声をかけてきた。名前は知っているが、訓練兵団に入団してから話した事は一度もなかった。声をかけてきたにも関わらず、この女達は、互いに小さな声をかけあいながら小刻みに動くだけで、話を切り出そうとしない。私は苛立ちを隠しきれず、思わずこちらから話し出してしまった。
「…なにか用?」
私が声を出すと、右の女は、私を値踏みするかのような目つきをした。数秒間の沈黙の後、この女がようやく話し始めた。
「あなた…よくイェーガー君と一緒にいるけど…あの子に気でもあるの?」
…馬鹿げた話だ。ただ対人格闘訓練を共にする事が多いだけで、何の感情も入っていない。私がここで理解できない事の一つ。何故そこまで、他人の事が気になるのか。
「…私より、ミカサに聞くべきじゃないの?」
その一言だけ残して、自分の寝具のほうへ向かった。が、周りは黙ってその行動を許しはしない。後ろから小さな話し声が重なり合い、私を一斉に攻撃してるかにも感じた。視線を一手に浴びる感覚があるのは言うまでもない。だが、それらは扉が開く音とともに消えた。一瞬の沈黙の後、また小さな話し声、くすくすと笑う声が出現した。振り向くと、ミカサがいた。短く整えられた黒髪は、私から見ても美しく見える。ミカサは視線をただ正面にやり、無表情のまま、三段式寝具の三段目に梯子で登った。先に寝具の上に座っていたサシャを見ると軽く微笑んだ。痛い程の嫉妬の目線が八方からミカサに浴びせられている事を気遣ってか、サシャはミカサに引切り無しに話しかける。
ミカサは、私から見ても異常な奴だった。
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- 2 : 2014/08/06(水) 17:43:38 :
- アニの話ですね!期待です。
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