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二千年後の英雄達~未来を歩む力~

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  1. 1 : : 2014/08/01(金) 23:13:54
    【二千年後の英雄達~未来を歩む力~】合作

    今回の作品は3人の合作SSとなっています。

    EreAni・88・iQ

    この3人で作ろうと思った進撃の巨人を元にしたパロディ作品です!!

    読者の皆様に楽しんで貰えるように3人で頑張っていきます!




    応援よろしくお願いします!!




    SSnoteからのお願いで、読者の皆様に気持ちよく読んでもらうために!
    頂いたコメントをキリの良いところで非表示にしようと思います。

    コメントをくれる人以外でも作品を読んでくれてる人もいます。その人達にとったら作品の中でのコメントのやりとりで【作品が見にくい】など思うかもしれません。

    お互いに時間の取れる時に更新するので、2日、3日に一度の更新の場合もある事をご了承下さい!

    ご理解とご協力の方お願い致します。
  2. 2 : : 2014/08/01(金) 23:21:25


    ―――





    世界を覆う『壁』と呼ばれる大きな鳥籠が取り払われて以来、

    人々の生活は、日々進歩の一途を辿っていた。



    家屋の中を照らす光は、ランプや蝋燭に灯る小さな「火」から「電気」へと変わり。

    陸地を駆ける為の手段も「馬」や「荷車」から、「車」や「電車」といったモノが主流となり。

    かつては未開の地であった「海」や、遠く儚い「空」の果てまでも、人々の生活の領域が及ぶまでに至っていた。











    ――― 28xx年。






    人類の領土が『壁』の外側へと広がってから2000年の時が過ぎた現在。

    人々はついに、大気中に微かに存在する『マナ』と呼ばれる不思議な力を、自由自在に操る事が可能とまでに至った。


    そして今やその『マナ』こそが人々の生活を根底から支える原動力の主流となり、

    その特異な力を自在に操れるようになる為の訓練や、マナについての研究を推し進める為の専用の機関として、

    かつて人類の領土の中心であった『ウォール・シーナ地区』に、マナの研究を専門とした大学が設立された。









    ――― ウォール・マリア大学。



    その名の由来は、

    かつて人類の天敵であった『巨人』と呼ばれる種族の侵攻が幾度となく繰り返されたが、幾度となくその侵攻を阻止し、

    人類を最後まで守り抜いたとされる神聖なる『壁』。

    『ウォール・マリア』から名付けられている。



    この大学では学部の構成というものがなく、生徒全員がマナの訓練や研究を中心とした様々な分野についての講義を受けていくというカリキュラムが組まれている。


    ただし、学部という概念が無い代わりに、この大学では成績に応じて3つの組織分けがされており、

    生徒は入学から半年が経った時点での各分野における成績、及びマナの能力・適正に応じて(一部例外有り)そのいずれかの組織に所属させられ、

    それ以降は卒業までの生活全てを各組織ごとの寮で行う事となる。



    各組織の名前は、かつて人類に勝利をもたらした兵士達にあやかって名付けられ、


    王の元で人々の統率に務めていた気高き一角獣の兵士達を讃えた『憲兵クラス』。

    人々を守り抜いた誇り高き薔薇の兵士達を讃えた『駐屯兵クラス』。

    自由の羽を背負い壁の外の脅威と闘い続けた栄誉ある兵士達を讃えた『調査兵クラス』。


    以上、3つの組織が存在している。




    このように学生達を3つの組織に所属させるのには理由があり、それこそがこのウォール・マリア大学の最たる特色とも言える。


    ウォール・マリア大学では年に一度、『マナ』を用いた競技大会が行われ、その結果によって各組織に所属する生徒への『待遇』が変わる、という独自のルールが設けられている。



    この大学では、各組織での講義の内容等には一切の差異も存在しないが、

    それにかかる「学費」や「寮費」、その他生活必需品に至るまで、身の回りのありとあらゆるもの全ての待遇が、その競技大会の結果一つで決められている。



    それ故に。


    生徒達もその日に向けて自身の能力をどのように活かせるかを考え、その能力を十二分に発揮できるよう技を磨き上げ、他者との協調性を自ずと高めるようになり、

    マナに関する高い知識・能力、そして優れた人間性を有する人材を世に輩出する事ができるのである。



    ちなみに現在の各組織の待遇の優劣は、上から順に「憲兵クラス」、「駐屯兵クラス」、「調査兵クラス」となっている。








    ――― しかし。





    ウォール・マリア大学の創立以来この順列が変わった事は無いらしい・・・







    >次へ



    初めまして、iQと申します!
    手短かに挨拶とさせて頂きます、大御所のお二人様と頑張って更新していきたいと思います!
    以後お見知り置きをm(_ _)m
  3. 3 : : 2014/08/01(金) 23:24:22
    俺はウォール・マリア大学の目の前に立っている。


    エレン「…」


    自分の『マナ』を信じてウォール・マリア大学に入学を決めたんだ。


    そして、1番の目的でもあり、夢でもある組織に入るためだ。



    エレン「……俺は絶対に入ってやるんだ」


    この物語の主人公である少年の名は



    『エレン・イェーガー』



    彼は幼き頃よりある組織に憧れていた
    かつて自由の翼を背負って闘っていた兵士達の組織…………






    エレン「うっし!行くか!」


    ミカサ「やる気があるのは良いこと……でも無理はしてはいけない」


    俺の幼馴染みで家族のような付き合いをしていた彼女の名は

    『ミカサ・アッカーマン』

    彼女は俺の面倒を凄く見てくる、凄くお節介な奴だけど1番信頼しているんだ。



    ミカサ「エレン?目指す組織は変わらない?」


    エレン「変わるわけねぇよ!」


    ミカサ「…」


    エレン「俺は絶対に調査兵クラスに入ってやるよ!」




    そう言うと彼女は微笑んで私も入ると言ってくれたんだ


    俺達は希望と夢を抱き締めてウォール・マリア大学のキャンパスに足を踏み込んで行ったんだ。
  4. 4 : : 2014/08/02(土) 16:19:10
    「エレーン!!ミカサー!!」

    二人が大学の門を意気揚々とくぐろうとしたその時、背後から甲高い声がした

    二人が振り返ると、パタパタと駆け寄ってくる人影が二つ、見えた

    「アルミン、ミーナ」
    ミカサがボソッと呟いた

    「よう、お前らも来たか!!」
    エレンは人好きのする笑顔を二人に見せた

    「エレン、ミカサ、おはよ!!今日からは一緒の学校だね!!よろしく!」
    ミーナは、エレンとミカサの手を握りながらそう言った

    ミカサはミーナを見て、何故か怪訝そうな顔をする

    「…ミーナ、それ、まだ持ち歩いてるの…?」

    「えっ!?当たり前じゃない!!生まれた時からずっと一緒にいる相棒だよ!?」
    ミーナは口を尖らせた

    「前見た時よりかなり、くたびれてきたなあ…それ」

    エレンの言葉に、ミーナが首をぶんぶん振る

    「くたびれてなんかいないよ~!お風呂に一緒に入ってて、綺麗だもん!!ね~エリザベス?」
    ミーナは、エレンたちの言う『それ』に、愛おしげに頬擦りした

    「ミーナはぬいぐるみが好きだからなあ…特にエリザベスは一番のお気に入りだよね」

    アルミンはミーナのエリザベス…うさぎのぬいぐるみを撫でながら、微笑んだのだった
  5. 5 : : 2014/08/03(日) 13:02:06


    「うん、エリザベスは私の初めての友達だからね!小さい時からずっと一緒だし、今ではお婆ちゃんがくれた大事な思い出の品でもあるんだよ!」


    そう言って自慢気にエリザベスを自分の前に突き出すミーナ。




    「そう。物を大事にすることはとても大切・・・」


    ミーナの言葉に、首に巻いたマフラーをギュッと握り締めて答えるミカサ。




    「ふふ。僕もお爺ちゃんっ子だからわかるよ、その気持ち」


    同じようにミーナの言葉に同意するようにうんうんと頷くアルミン。





    「そういやアルミンも子供の頃からずっとあの本持ってるよな」

    「うん、僕にとっての一番の宝物だからね。 」


    そう言ってゴソゴソと鞄の中から古ぼけた本を取り出すアルミン。

    その本は幼い頃にアルミンが祖父から手渡された物で、『壁』が存在していた二千年前の世界について記した古書であった。








    「――― それに。」


    アルミンはチラリと大学の方を見つめる。





    「・・・ああ!」


    釣られるようにして、エレンもそちらに視線を移す。








    「俺達の思い出の本でもあるからな・・・!」


    そう言ったエレンの瞳には、より一層の期待と力強さを宿して輝いた。






    ――― 調査兵団。



    アルミンの祖父の古書に記された、かつての英雄達。




    その背中を、このウォール・マリア大学での四年間で追える。


    そんな気がしていたからだ。










    ――― パンッ!



    「・・・うっし、それじゃあ俺達の夢に向かっての第一歩!」


    そう言って拳と手の平を勢い良く合わせ、一歩前へと足を進めるエレン。




    「・・・そうだね!」

    「ええ。」

    「レッツゴー!」




    他の三人も続くようにして肩を並べ。




    四人はいよいよ、

    ウォール・マリア大学の門をくぐり抜けた。


  6. 6 : : 2014/08/03(日) 16:51:15
    「どんな人達がいるんだろうね?」

    急にアルミンが不安げに話し出した。


    「あ~どうだろうな?ミカサはどんな奴等がいると思う?」


    「きっと私達と同じような思いで来る人達が多い……ので、アルミン?心配はしなくても大丈夫」


    「そうだよ!エリザベスも大丈夫だって言ってるよ~!!」


    緊張しているアルミンの姿を見た3人は優しく声をかけた。

    ミーナはエリザベスを使って元気付けよう試みた、その行動にエレンはクスクスと笑いだした。


    「あ!エレンが私のエリザベスを馬鹿にしてる!!」


    「馬鹿にしたのはエリザベスじゃなくて、お前だよミーナ!」


    「もう!何か言ってあげてよ!アルミンにミカサ!!」


    ミーナは頬を膨らまして2人に助け船を求める

    ミカサは呆れた顔をしながらエレンの頬っぺたを抓って透き通るような『声』でエレンを叱った。



    「冗談だよ!」


    「エレンはミカサに勝てないもんね」


    アルミンとミーナは2人のやり取りを見て笑いだした。




    そんな時に、余所見をしていたエレンが前を歩いていた人とぶつかってしまった。



    「あ!悪い!怪我とかないか!?」



    エレンは慌てて謝り、怪我をしてないかを確かめた。
  7. 7 : : 2014/08/03(日) 22:08:54
    「いったぁぁい!!ちょっとお!!前見て歩いてよね!!全くこれだから田舎者は…」

    エレンがぶつかった相手は、クリーム色の髪をふんわりとカールさせた、愛嬌のある顔をした女だった

    「うわっすまない!!ほんっとにわりい!!」
    エレンはペコペコと頭を下げた

    「おいヒッチ…平気だろう?ちょっと当たっただけじゃないか。お前は大げさなんだよ、何でもな」
    クリーム色の髪の女…ヒッチの隣にいたキノコヘアーの男が、肩を竦めた

    生真面目そうな顔に、神経質なまでに揃えられた前髪が、彼の人となりまでも現しているのだろうか…

    「うるっさいなあマルロ。痛いものは痛いよ!?か弱い乙女なのにさあ、私は…」

    「お前のどの辺がか弱いんだよ、ヒッチ…お前ら新入生か?俺たちもなんだ」

    マルロと言われたキノコヘアーの男が、エレン達に話し掛けてきた

    「俺たちも新入生なんだ。マルロにヒッチか…よろしくな!!」

    エレンはマルロに握手を求めて手を伸ばした

    「あんた良く見たらなかなかハンサムじゃないの~よろしくね!!」
    その手をすかさず握りしめたのは、マルロではなく、ヒッチだった

    「ちょっとそこの女…エレンに触らないで…」

    ミカサが目を座らせた

    「ミカサ…落ち着いて。頼むから暴れないでくれよ…」
    アルミンが肩をつかんで、殺気だつミカサを止めた

    「ミカサが暴れたらやばいわ…避難しなくちゃ」
    ミーナは青ざめた

    「お前ら大げさだろ、いくらミカサでもいきなり暴れたりは…」

    「するよ!!」
    アルミンとミーナの声が、ほぼ同時に響き渡った

  8. 8 : : 2014/08/05(火) 11:20:35


    「なぁにこの人?エレン君のガールフレンドぉ?」


    ヒッチは慌てた様子のアルミンとミーナの言葉などお構い無しと言った感じで、更にミカサを焚きつけるかのようにエレンの腕に絡みついて話し掛ける。


    そんなヒッチの行動に、ミカサはギリリと歯を食いしばり顔をしかめる。


    それを見たアルミンとミーナはより一層青ざめた顔を露わにする。





    「いや、違うけど?・・・ってか、いきなりベタベタしてくんなよ(汗)」


    一方のエレンはそんなヒッチの積極的なアプローチなど気にも留めず、至って平然とした様子で返答をする。




    「も〜、ツレないなぁエレン君はぁ〜」


    ヒッチはそんなエレンの様子に口を尖らせる。






    ――― しかし。


    一瞬チラリと鋭い眼をミカサの方へと送った後、



    「でもぉ〜、彼女がいないんだったら私にもまだチャンスがあるって事だよね?」

    「・・・へ?」

    「それなら、これからもぉ〜っと仲良くしようね?エレン君♪」



    またも、相変わらずの猫撫で声で愛嬌を振りまく。






    「――― っ!!このっ!!」


    それを見ていたミカサは、遂に我慢の限界点まで到達した様子でヒッチに掴みかかろうとする。









    ――― ガシッ!







    だが、すんでの所で他の者の手によってその行く手を遮られる。



    「っ?!離してっ!!」

    「す、すまないっ!こいつはいつもこうなんだ・・・俺からもキツく言っておくからここは穏便に済ませてくれないか・・・?」



    その人物は、先程から呆れた顔で傍観していたマルロだった。




  9. 11 : : 2014/08/05(火) 18:47:34
    「……」

    ミカサはそんな彼の顔を鬼のような表情で睨み付ける

    エレンを含めた3人はミカサを止める準備をしていた



    「頼むから」

    それでもマルロはミカサに頭を下げてお願いをする

    そんな彼の行動にミカサは―――




    「……あなたは何なの?」

    ミカサは冷静に問いかける
    普通の男子および人間ならばミカサの威圧感に驚いてしまうはずだが



    「ヒッチの友達なんだ……本当に俺からしっかり言っておくから」


    彼はヒッチを守るような行動をとっているが、等の本人はエレンを見てニヤニヤとしている



    「み、ミカサ!もう良いだろ?」

    エレンがミカサが暴走する前に止めようと声をかけたが…



    「大丈夫……私は冷静…この女の事はこの人に任せる」

    その言葉にマルロは安心したのか、強く握られていた腕が緩んだ




    「皆さんも申し訳なかった」

    彼はエレン達にもう一度頭を下げ、ヒッチの腕を引っ張って行った。



    「ちょっとぉ!あ~エレン君?またねぇ~」


    彼女は何も変わらない態度でエレンに手を降ってきた

    その姿を見たアルミンとミーナが恐る恐るミカサを見る





    「…」




    少しだけ目が鋭くなっていたが、どこか安心した表情で2人の後ろ姿を……









    睨んでいた?
  10. 12 : : 2014/08/06(水) 18:17:40
    「エレンは相変わらずモテるなあ…当の本人は女の子にあまり興味がなさそうな、朴念仁の天然なのになあ」

    アルミンは少し羨ましげにエレンを見た

    「でも、何だろ。さっきのヒッチを見てると、わたしも何となくどきっとした気がしたなあ…女の子相手なのにね~」
    ミーナが肩を竦めた

    「マルロから、私は凄い力を感じた…。気のせいかもしれないけど…彼は凄い力の、持ち主なのかもしれない」

    ミカサが真剣な表情で語った

    エレンが頷く

    「確かにな…。俺たちはまだマナの力がどんなものかわからないが、あいつは少し分かっているのかもしれないな…」

    「マナの勉強、早くしたいよね。自分の力を早く試したいな」
    ミーナはエリザベスを撫でながらそう言った

    「そのためにも、大学でしっかりマナを学ばなきゃな!!」

    「アルミン、面白くない、親父ギャグ…マナをまなぶ…ククッ」
    ミカサは怪しげな笑みを浮かべて、ほくそえんだ

    「親父ギャグを言ったつもりはないよ!!ミカサ!」

    「あはは、アルミンおもしろーい!!」

    「優等生なのに、たまあにやらかすよな、アルミン」

    「ミーナにエレンまで!!いい加減にしてくれよ!!」
    アルミンは激昂した

    そんな感じで、エレン達は大学に未来を求めて踏み出すのであった

    この先に待ち受ける数々の選択や試練を、彼らはまだ知らない

  11. 13 : : 2014/08/09(土) 10:02:54


    「ふぁ・・・疲れたぜ〜」

    「ふふ。お疲れ様、エレン!」

    「って言ってもまだ入学式が終わったってだけだけどね〜」

    「だって入学式なんてただ長ったらしい話を聞くだけだろ?暇で暇で(汗)」

    「エレン。例えそれだけの事でも、普段からしっかりと姿勢良くする事が大切・・・」

    「相変わらず堅っ苦しいなぁミカサは、いいじゃねーかよ別に・・・(汗)」








    ――― 数時間後。


    彼らは無事に入学式を終え、しばしの談笑をしていた。

    そして今から向かうは「訓練兵クラス」での講義についてのオリエンテーション。



    「訓練兵クラス」とは、「憲兵クラス」、「駐屯兵クラス」、「調査兵クラス」へと配属される前に「マナ」についての初歩的な知識や訓練を行う為に、新入生が一時的に配属させられるクラスの事である。


    ここで半年間の講義を受けた後、各自の「マナ」を扱う上での適性や、

    体力、知識、コミュニケーション能力や協調性など様々な方面における能力を考慮し、各クラスへの配属を言い渡される事になる。

    基本的には能力の高い者から順に、前年度の「マナ」の競技大会にて決まった上位のクラスへと配属される事となるが、

    特例として、自主的に申し出る事により下位のクラスへの配属を希望する事が出来る事となっている。






    今、エレン達と同じように講義棟へと足を進める者達は皆、自分の能力について何一つとして知らない。




    それでも半年後に控える、快適なキャンパスライフの獲得権を得る為に、誰も彼もが必死になって勉学に取り組むのである。







    「お!アレが『訓練兵クラス』の講義棟か!」

    「みたいだね!」








    ――― とはいえ・・・







    「早いとこマナについて色々勉強して、調査兵クラスに配属されたいところだぜ!」

    「さすがに気が早いと思うよ、エレン?」フフッ

    「目標を決めたら猪突猛進!昔っからだもんね、エレンは〜!」クスクス

    「そこがエレンの、いいところでもある・・・」ウンウン








    ・・・彼らのような物好きな生徒にとっては、


    半年後のクラス分けなど、ただの通過点にしか過ぎない様子である。




  12. 14 : : 2014/08/09(土) 16:29:36
    訓練棟にある大講でオリエンテーションが行われるらしく

    彼等と同様に物好きな人達も少なからずいるようだ



    「俺達が1番だと思ってたけどな」

    「私達より先に来てるとは……この人達は凄い人達」

    「か、関係ないと思うけどな?」


    負けず嫌いなエレンが悔しそうな顔をしながら言うからか?

    ミカサが凄い人達だから仕方がないと言い出す


    ミーナ「(絶対に関係ないと思うけどなぁ)」

    ミーナはエリザベスの頭を撫でながら3人のやり取りを見ていたら




    「さっさと中に入らんか!!」


    怖い顔をしてて、頭から太陽光線を放つことが出来そうな頭をした人が怒鳴り声をあげてきた




    「は、はい!!」


    エレンは突然の事に驚いてしまって慌てて返事をしてしまうが



    「まだ時間ではない」

    「そもそも高校ではない、自分達の事は自分達でしっかり出来る」

    「おい!ミカサ!」

    「あなたの発言は大きなお世話、不毛」



    言いたいことを全て言ってくれたのは嬉しいけれど

    残りの3人は先生の顔を見ることが出来なかったが



    「……なるほど………それは申し訳なかったな」

    その言葉に勝利したような笑顔を見せるミカサだった

    エレン、アルミン、ミーナは心から疲れた様な顔を見せていた



    だが、4人は知らなかった



    既に自分達の適性検査が行われていたことを………





    「(あの黒髪の女……行動力と思考力が強い)」

    適性検査でミカサはこの先生に目を付けられてしまうのだった。


    エレン達は大講に入って空いてる席に座り、すぐにミカサに話し出した



    「もう!ミカサ!!」

    ミーナが1番に大きな声をだし、ミカサを叱りつける

    「私は悪くない、エレンに怒鳴ったハゲあ………先生が悪い」

    「ミカサ君は今なんと言おうとしたのかな?」

    ミーナが人形のエリザベスを使って腹話術で聞き出そうと試みると

    「エリザベスはミーナと違って頭が良いので言う必要はない、ので私は黙っている」

    「何でミカサは私を馬鹿にするの!?」

    ミーナは人形でミカサに攻撃をするが、ミカサは微動だにしない

    そんなミカサの姿を見てエレン達は怒る気が消えてしまっていた


    そんな時に後から他の入学生がぞろぞろと入ってきたのが分かった

    4人は『マナ』についての説明が始まると思い、期待に満ちた顔をする。






    一方その説明をする先生達は


    「今年はどのように生徒の適性検査を行うのですか?」

    「去年と同じ様に今は仲のいい奴らで集まっているだろうからな」

    「そうでしょうね?ちょっと前までは高校生だったのですからね」

    「名簿は既にバラバラにしてある、この通りに座って貰おうと思う」

    「初めて話す奴等と会話が出来るか、全く知らない奴等の中で行動が出来るかも調べないといけないからな」



    アルミンの様な生徒には過酷になるであろう話をしながら歩いてくるのであった。
  13. 15 : : 2014/08/10(日) 22:45:43
    「新入生は、全員指定された席に座れ!!もたもたするな、急げよ!!」

    頭から光を放ちながら、そう言う教師

    実際は光を放っているのは日光であり、彼の頭がそれを反射しているだけの話なのだが

    「皆バラバラの様ね…人見知りのアルミンは大丈夫…かな。エレンとも離れてしまった…」
    ミカサはぼそっとそう言うと、自分の席を探して座りに行った

    「えー、アルミンと離れるのやだなあ…エリザベスがいるから大丈夫…だよね」
    ミーナも離れた席に座った

    「俺はこっちだ…じゃあな、アルミン」
    エレンもまた、席に座った

    「…僕は、えっと…」
    アルミンが座席の名前を確認しながら歩いていると、こん、と足に何かがぶつかった

    「痛っ…」

    「あっ…ごめん、大丈夫かい?」
    アルミンが足元を見ると、椅子に座っていた人の足を蹴っていたのだった

    足を蹴られた人物は、アルミンをちらりと見やった

    「…大丈夫だよ。あんた、名前は?」

    「ぼ、僕は、アルミン、アルミン・アルレルト」

    「…アルミンなら、私の隣だね。よろしく」

    足を蹴られた人物は、青い目を少し細めてそう言った

    「あ、よ、よろしく…」
    アルミンは声を上ずらせながら、辛うじて言葉を発した

    彼は極度の人見知り
    初対面の相手に話をするのを苦手としていた

    だが不思議と、この青い瞳の人物には、辛うじてではあるが、話をすることが出来た
  14. 16 : : 2014/08/16(土) 10:57:49



    「・・・ん。」

    「・・・え?」



    その青い瞳の人物が漏らした一言を一瞬理解できないでいたアルミンだが、机の上に置かれた手先がアルミンの座席らしい場所をつついているのが分かった。


    彼女は視線を前方に向けて合わせないまま、



    「そんなところに突っ立ってないで早く座りなよ。」



    と、冷静である中にも気遣う様子が伺える一言をアルミンへと投げ掛けた。




    「あ、うん。それじゃあ失礼して」スッ


    一見クールで近づき難いような彼女ではあるがその気遣いにすっかり緊張が解れた様子で、アルミンゆっくりと席に腰を掛ける。



    「よっ、こらしょっと!」

    「・・・ふっ」クス

    「・・・あ///」


    あまりの安堵感からか、思わず年寄りくさい台詞を漏らしてしまうアルミン。

    その一言に、ほんの少し口角を上げて笑う彼女に対し、一気に恥ずかしいという気持ちが込み上げてくる。


    その為か、思わず弁解と言わんばかりに自信の身の上話を彼女にし始める。


    「あはは、なんだか恥ずかしいところを見せちゃったね///」アセアセ

    「あんた、見た目の割にジジくさい事を言うんだね。」クスクス

    「あ、うん。僕、昔からお祖父ちゃんっ子だったからさ、なんだか耳だこなフレーズでつい・・・ね?///」アハハ

    「そうかい。」フフッ


    何度もクスクスと笑う彼女に、そんなに自分には不釣り合いだったのかと思い知らされた様子のアルミン。


    けれど、そんなアルミンの話に対し彼女は、


    「でもまぁ、私も父さんには随分と面倒見てもらってるからね。そういう家族の誰かに好意を寄せたり、甘えたくなる気持ちは分からないでも無いさ。」


    ――― と、同調した様子の言葉を返してきた。




    「へぇ、そうなんだ。なんだか、えっと・・・君とは仲良くやっていけそうな気がするよ」


    アルミンも、そんな彼女の人間味溢れる言葉にすっかり気を許したのか、普段は人見知りで絶対口にしないような言葉を口走る。




    「ああ、そう言えば自己紹介がまだだったね・・・アニ・レオンハートって言うんだ、よろしく。」

    「あ、うん。改めまして、僕はアルミン・アルレルト。よろしくね、アニ!」



    二人は改めてお互いに名乗り合い、いよいよ始まるであろうオリエンテーションに耳を傾ける事にした。




  15. 17 : : 2014/08/17(日) 11:00:24
    そんな彼女をチラチラと気に掛けている男の子が居た。


    「心配し過ぎた……まぁ、お前の場合は…」


    「それ以上は絶対に言わないでよ?」


    「連れね~な、んじゃ……俺は向こうだからよ!後でなベルトルト!頑張るぞ」


    「うん、ライナーもね」


    ひときわ目立つ大男が2人
    名前はライナー・ブラウンとベルトルト・フーバー

    そんな2人はアルミンの隣に座っている女の子、アニ・レオンハートの幼馴染みである



    「ここが私の席かぁ、面倒だね~?」

    気怠そうに話しかけてきた女の子に少しだけ困りながらも


    「う、うん……そうだね」


    「ふ~ん」


    自己紹介をしてみたら、その子はジロジロと僕のを方を見てくる

    女の子と話すこと自体、僕は慣れていないからか?
    かなり動揺しているのが自分でも分かってしまった



    「中々だね……あ、私はヒッチね?宜しくお願いしま~す」


    何だか癖がありそうな話し方に不安を覚えてしまう

    アニとは違うと一瞬で理解してしまうぐらいに……



    「僕はベルトルト……ベルトルト・フーバーだよ…よろしくね」


    簡単に自己紹介を済まし、オリエンテーションが始まるのを待っていたら



    「ねぇ、ねぇ!さっきさ!ジロジロ誰か見てたけど~誰見てたの?ねぇねぇ!」


    先程の行動を見られてしまっていたようで、彼女は興味津々の瞳を向けてくる

    親友であるライナーに助けを求めるが、既に隣の人と仲良く話をしているのが見えた……



    オリエンテーションが始まるまで、何とか誤魔化すことに集中しようと彼は本気で考えるのだった。
  16. 18 : : 2014/08/17(日) 17:44:57
    「ねえねえねえ、誰を見てたんだよ~ちょっとやらしい目をしてたよーこのこのっ!!」

    ベルトルトに執拗にちょっかいをかけるヒッチ

    ベルトルトは面食らいながらも、彼女の行動が、何故か嫌ではなくなってきていた

    顔にぱあっと血が上ったのを感じた

    何だろう、この感じは…

    今まで感じたことのない感情の高まりに、ベルトルト自身が驚いた

    「だ、誰も見ていないよ…ぼーっとしていただけだって…」

    ベルトルトはたじたじだった

    「わ~照れてる?顔が真っ赤だよ?もしかして私が可愛いからかなあ~やだぁ可愛いって罪だわ…」
    ヒッチは頬に手をあてて、しなを作った

    「て、照れてないからっ!!」
    ベルトルトは思わず大きな声で叫んでしまったのであった

    「おい、でかぶつ、静かにしろよな。いちゃいちゃいちゃいちゃ、るっせーんだよ…」

    ベルトルトの椅子を、ガツンと後ろから蹴りあげたのは、鋭い目をした、少し顔が長い男だった

    「ちっ、何よ馬面!!顔で勝てないからって、ひがんでんじゃないわよ!!」

    ヒッチは後ろを振り返って、暴言をはいた

    「て、てめえ誰が馬面だよくそっ!!俺はなあ…」

    「け、喧嘩しないでくれよ、頼むから!!目立ってる目立ってる!!」
    ベルトルトの叫びが、辺りに響き渡った
  17. 19 : : 2014/08/20(水) 07:09:18


    「あぁ?!なんだでかブツよぉ?」



    ――― だが、


    ベルトルトの要求などお構い無しと言った様子で、後方の座席の男子生徒は更に頭に血を登らせて噛み付いてくる。



    「てめぇは黙って・・・」

    「待ちなさい・・・」





    しかし、


    そんなベルトルトの叫びが届いたのか、その言葉を遮るように割って入る人物が更に後方の座席より現れた。



    「前の席の彼が困っている。ので、今すぐ辞めるべき」




    その人物はミカサであった。


    ミカサは『馬面』と呼ばれた男子生徒にそう一言呟いた後、ヒッチの方をチラリと一瞬だけ視線を送り、再度目を逸らした。



    そんなミカサの視線に気が付いたのか、



    「あれぇ〜?あなた、エレン君と一緒にいた『ただのお友達』の女の子じゃ〜ん?w」



    などと、あからさまに煽ってみせる。




    「・・・」




    ほんの数時間前の出来事を思い返すととても穏やかな気持ちではいられないミカサであったが・・・







    「・・・もうすぐオリエンテーションが始まるから静かに聞くべき」








    ――― と、


    この時だけは、その挑発へ乗るまいと自らに言い聞かせグッと堪えてみせた。




    そんなミカサの態度に小さくツマラナイと呟き、ヒッチも教壇の方へと視線を正した。




    ミカサもふぅと一息吐くと、教壇の方へと向き直ろうとする。









    ――― だが、




    その最中、自分の前方より熱い視線を向けられている事に気が付いた。






    その真っ直ぐな視線にミカサは思わず、




    「・・・何?」



    と、声を掛けてしまう。










    「あ、いや・・・その///」




    先程まで『馬面』等と言われて顔を真っ赤にしていたその男子生徒は、今度は別であろう理由で顔を赤らめながら、




    「お、俺・・・ジャン・キルシュタインって言うんだけど・・・その、綺麗な声に、綺麗な黒髪だな、アンタ・・・///」



    と、照れくさそうに自己紹介をしてきたのであった。





  18. 20 : : 2014/08/20(水) 08:52:45
    そんな彼の言葉に……


    「……ありがとう」

    ミカサは冷たく言い放ったが、その言葉だけでも嬉しかったのか?

    彼は今日1番の笑顔を見せたのだった。
    そんな彼を見ていたヒッチは…


    「(うわぁ、うわぁ……分かりやす…何なの?この馬面…笑かしてくれるよ)」


    笑いをこらえようと必死に手で口を押さえる仕草をしている。

    目立つのが嫌いだった男の子、ベルトルトにとったら彼女は救いの戦士だったであろう


    「ありがとね?」

    「私もうるさいのが嫌い……ので、気持ちは凄く理解できる」

    この言葉に親近感を覚えた彼は彼女とは仲良くやれるかもと自然に感じ取っていた。




    「静かになったな……高校生じゃないんだ!慎みを覚えろ!」

    大講の中に響き渡る大きな声で渇を入れた若い先生の隣にいる先生…

    先程の太陽拳の先生が鬼のような顔で睨んでいた

    そして…


    「今年は穏便に済ませようと思ったが……貴様ら!」

    「マナについて説明してやろうと思ったがな!お前らは糞餓鬼だ!」

    急に怒鳴り声をあげたからか?
    ミカサに自己紹介をしたジャンを含め、皆が静粛になってしまった


    「そんな糞餓鬼には罰を与える!今から回りにいる奴等だけでグループを作ってみろ!」

    「グループ?」

    その言葉を聞いた生徒の1人が疑問に思い声を出した

    しかし彼は質問しようとした解答を先に言われてしまう


    「前後2列の席だけだ!4人から5人のグループを作れ!出来た奴等から集まって座れ!!」

    「チッ……(エレンは遠い…同じグループになれない)」

    その言葉に1番の不満を抱いているのは教室で1番の期待をされている女の子

    ミカサ・アッカーマンだった



    「今年もやるんですか?」

    その先生に質問をする若い先生がいた
    その顔には意地悪な人を見るような表情をしている


    「ふん……グループを見れば人間性はすぐに分かる…人間性はマナにも影響力をもたらす」

    人間性によとて様々な『マナ』の種類が出てくる

    それを調べるためにグループを作らせるのが目的である



    「グループを作った後は…やはり?」

    「楽しいゲームの始まりだ」



    『楽しいゲームの始まりだ』と言ったその顔には少しだけ……

    学生を虐めることで、日頃のストレスを解消しているのでないかと思う教員は多数いることを皆は知らない。
  19. 23 : : 2014/08/23(土) 21:52:49
    太陽の様な光輝く頭を持つ教師の言葉に、辺りが騒然としはじめた

    グループ分け…これは幼い頃から皆を悩ませ続ける事

    あの人と一緒になりたい…あの人とは上手くやっていけそうにない…ああ、あっちはもうグループが出来てしまった…誘われなかったらどうしよう…

    この様な考えが皆の頭の中で渦巻く

    そんな中で、積極的にグループを作るのは勿論…

    「イケメンのっぽは私と同じグループね!?後はあんたとあんた…はい、グループ分け完了!!」

    ヒッチはベルトルトと共に、いの一番でグループを作った



    「あ、あの…君、一緒にグループ作らないか?」
    ジャンはおそるおそるミカサに声を掛ける

    するとミカサはすんなり頷いた

    「私もあなたを誘おうとしていたの。馬…じゃなくてジャン。よろしく」

    「おっおう!!よろしく!えっと。君の名は…」

    「私はミカサ。ミカサ・アッカーマン。よろしく」

    ミカサの愛嬌の欠片もない自己紹介にすら、ジャンは顔を真っ赤にしたのだった



    (ぼ、僕ど、どうしよう…こういうの苦手なんだよね…ほぼ初対面の人に自分からグループに入れて下さいなんて言うとかさあ…無理だよ、恥ずかしいし、断られたら悲しいし、ああでも言わなきゃ一人グループでは情けないし…どうしよう…)

    アルミンは頭の中で、葛藤していた

    こういう人間関係を自ら築いて行く様な状況が、非常に苦手だからだ

    考え、躊躇している間に回りではグループが完成し、一人取り残されそうなのを、回りが気が付いて入れてくれるのが常だった

    そして今回も…

    「あんた、私と一緒にグループ作るかい?」

    アニのその言葉に、アルミンは顔をぱあっと明るくする

    「わ、わ、是非お願いいたします!!」

    アルミンは立ち上がり、勢いよく頭を下げた

    アニはその様子に、くすりと笑みを浮かべた

    「ああ、よろしくね、アルミン」

    こうして、アルミンも無事にグループ分けという試練を突破したのであった
  20. 24 : : 2014/08/24(日) 10:50:47



    「さて、もうそろそろグループ分けは済んだな?」



    グループ分けと聞かされてからおよそ一分程度が経過したあたりで、ざわめき立っていた生徒達も落ち着きを取り戻す。


    それを確認した教師は、これからの動向について軽く説明をし始めた。





    「ではまず。これから一時間ほど、貴様らの為にお互いの事を知る為の自由時間を設ける事とする。いわゆる自己紹介とでも言おうか?」


    「せいぜい今のうちにお互いの事をよく理解しておくのだ・・・」





    教師から言い渡されたのは、「まずはお互いに自己紹介をしろ。」という、新しい環境においての通過儀礼的なイベントについてだった。

    それを聞き、先程まで緊張した面持ちであった生徒達も拍子抜けと言った感じでホッと一息ついていた。












    ――― だが。







    「――― そして。」



    「その後は貴様らの現時点での実力を判断する為のテストを行わせてもらう!」





    その次に並べられた言葉を聞いて、大多数の生徒はまた焦りの表情を浮かべる。


    僅かにまたざわめきを取り戻しかけた教室内であったが、




    「静かにしろ!!」



    と、教師が一喝を入れたところでまた静まり返り、


    再度、教師が淡々と今後の事についての説明をしていく。






    「――― よし、では話を再開する。」


    「一時間後に行うテストは大きく分けて三つ!」


    「形式は知能を測る為の筆記による学力テスト、及び身体能力を測る為の運動能力テスト!」



    「そして今作ってもらった小グループの面々でチームワークや判断力、社会や新しい環境への適応力を見せてもらう為の特別演習に取り組んでもらう!」


    「本来ならば私達がわざわざ貴様らに自己紹介をする為の時間を作ってやる必要など無しに、自発的に行ってもらいたいところだがな・・・」

    「どうも今時の若者は自主性が足りんから特別に時間を設けてやった、ありがたく思え!」


    「何か質問のある生徒はおるか?・・・いなければこれで終いにする!」







    最後の最後まで威圧するかのような大声で一通りの説明を済ませる強面の教師。


    そして、誰の手も声も上がってこない事を確認し。







    「――― では、話は以上だ。私達は試験の準備をしてくる。」





    そう言って、他の教師達を連れてゾロゾロと部屋を後にした。






    残された生徒達は徐々に沈黙を破り、言われた通りお互いの自己紹介の時間に移った。



  21. 25 : : 2014/08/24(日) 10:51:32


    ―――






    「じゃあまず俺から。エレン・イェーガーだ、よろしくな!」




    初対面という状況下でも臆せずに行動を起こせる強みを持っているエレンにとっては、自己紹介の時間というのはあっても無くても同じようなもののようだ。

    軽々とメンバーの内で第一声を上げると、無遠慮に手まで差し出して見せる程には怖いもの知らずと言ったところであろう。



    彼がこれから行動を共にする小グループのメンバーは男女共に2名ずつ。





    「あっ、えっと・・・よ、よろしく、お願いします///」

    一人はおずおずと差し出された手に握手を試みようとする小柄な金髪の少女。







    「おいテメェ!!何気軽にクリスタに触ろうとしてんだ?!可愛いからって手を出すんじゃねぇ!!」バッ!

    「は?別にそんな風に思ってやってる訳じゃねぇけど・・・」

    「何っ?!じゃあクリスタの可愛さが分からないってのか?!それはそれで許さねぇぞ?!」

    「なに訳の分からない事を言ってんだよお前・・・(汗)」

    「ちょ、ちょっとユミル、やめなよ?!(汗)」



    そしてその少女、クリスタの手を遮るかのようにして前へ出てきた、

    番犬のように付き添っている長身の女、ユミル。





    「まぁまぁ、そうもめるなって!」

    「あ、ああ、なんか悪いな!(汗)」



    最後に、



    「まぁ、よろしく頼むぜ!」スッ

    「おう、よろしくなエレン!俺はコニー・スプリンガーって言うんだ!」ガシッ!


    エレンと同じく、まるで遠慮の欠片も躊躇いの陰すらも無いような小柄な坊主頭の男、コニーの四人組である。



  22. 26 : : 2014/08/24(日) 10:52:24


    ―――




    一方、エレン達の近くで彼らの方を眺めている四人組。



    「わー、なんかあっちはもう盛り上がってるねぇ〜!」

    「本当ですね〜」ムシャムシャ



    こちらでは人形を抱えながらオリエンテーションを受けていたミーナが、既にメンバーと寛ぎながらエレン達のグループを眺めていた。



    「あのクリスタって子、なんかお人形さんみたいで可愛いね!」

    「ああ、そうだな(結婚したい・・・)」

    「とりあえず・・・俺達も自己紹介しようか?」

    「そうですねぇ〜、そうしましょうか?」ムシャムシャ



    ミーナ達のグループもエレン達と同様男女共に2名ずつ。



    「じゃあまず私から!私はミーナ!ミーナ・カロライナだよ!」

    「そして私はエリザベスだよ〜(裏声)」



    一番手は人形と共々挨拶をしたミーナ。

    そんな彼女なりの自己紹介に緊張感が解れたのか、周りの面々も続いて紹介し始める。



    「それじゃあ2番手は俺だな」



    次に自己紹介を始めるは筋肉質の巨漢。


    「ライナー・ブラウンだ。まぁ、入学費の確保の為に一年間浪人してたから皆より年は一つ上だが、よろしく頼む!」

    「なんだか、いい『兄貴!』って感じだね!よろしくね、ライナーさん!」

    「おいおい。俺達は同期なんだ、敬語はやめてくれよ?」フッ

    「そう?じゃあ改めてよろしくね、ライナー!」

    「見た目よりずっと温厚な方ですねぇ〜、ライナーは」




    三人目はオリエンテーションの最中からずっと焼き芋を食べていた女。



    「それじゃあ次は・・・ムシャムシャ・・・私が紹介を・・・もぐもぐ・・・」

    「食べるか喋るかどっちかにしろよな(汗)」

    「じゃあ・・・取り敢えず食べます」ムシャムシャ

    「食べる方を優先するんだね(汗)」アハハ



    そう言って残りの焼き芋を大きな口で頬張り、約一分程で食べ切る彼女。



    「・・・げふぅ。美味しかったです♪」

    「そんなに焼き芋が好きなの?」

    「はい、美味しい物なら何でも!・・・あ、紹介が遅れました!サシャ・ブラウス、あちらのグループにいるコニーとは同じ学校の出身です!それと、食べ物を恵んでくれる人を随時募集中です!」

    「食べるのもいいが、グループになったからには団体行動中には我慢してくれよ?(汗)」

    「ああ、そうだな・・・(汗)」

    「へへへ・・・ど、努力します///」

    「え、ええ〜・・・努力しないと駄目なんだ(汗)」


    決して悪い雰囲気ではないのだが、サシャの曖昧な解答に周りの面々は思わず苦笑いを浮かべる。





    「じゃあ最後は俺だな!」



    最後のメンバーは短めの金髪の男。



    「俺はトーマス・ワグナーだ!特にこれと言った長所も無いが、まぁよろしく!」

    「ああ、よろしく頼む」

    「なんだか他のメンバーに比べらた『普通』だよね、トーマスは!(笑)」

    「お、おい、なんか酷くないか俺の扱い?!」

    「私の勘では初陣で特攻して殉職するタイプ、って感じですね〜」ムシャムシャ

    「なんだよその具体的な脇役ポジション宣言?!やめてくれよ!!」



    色濃いメンバーに脇役が一人、


    そんな感じのデコボコな四人組であった。




  23. 27 : : 2014/08/25(月) 10:23:32
    教室にいる全ての学生は心から思うところがあった


    テストという恐怖の存在に落ち着いていられない雰囲気であった


    どんどんとグループが作られていく中でグループが出来ていない人は見る限り居ない事が分かる




    「筆記テストだけなら良いのにな」

    そんな学生らしくない言葉を口にするのはエレンの友達である少年だ

    彼は見た目通りの秀才であるが、運動は大の苦手である

    「何……もしかして頭良いの?」

    彼の言葉にアニは少しだけ嫌味を込めて聞いてみる

    彼女は勉強と運動も得意である……
    勉強は普通より上かもしれない

    俗にいう努力の人なのであろう
    だからか?アルミンの発言に少しだけ疑問を思ってしまったようだ


    「ち、違うよ!僕は体力がないんだよ」

    「小さい時からカケッコも勝てた事がないし!隠れんぼをしても鬼を見てて笑って1番に見つかっちゃうんだよ!」


    グループに誘ってくれた女の子と仲違いをしたくないから

    彼は本当に自分が嫌味のつもりで言ってないと伝えようとする


    そんな彼を見ていたアニは……



    「ふふっ……何?隠れんぼって」

    彼の発言にクスクスと笑い出したんだ
    その表情を見て、彼は誤解が解けたと判断し

    「ご、ごめん!ついね!でも本当なんだよね!」

    「安心しなよ?」

    「え?」

    「あんたは根性がありそうだよ……何となく…そんな気がするからさ」

    「何とかなるんじゃない?」


    根性があるって言われたのは初めてかもしれない

    僕はその言葉が凄く嬉しくて、少しだけ気が楽になった気がしたんだ


    「ありがとう!アニも頑張って……お互い頑張ろうね!」


    「はいはい、あんたの連れもだけど……うるさい奴等が多いね」


    彼女はエレン達の方を見ながら、呆れた顔でそう言い出した

    そんな彼女もテストを受けるのを面倒臭そうな顔をしていた

    やはり学生……人間はテストという言葉が大嫌いなのは分かる

    他のグループの人達も面倒臭そうにしていたり、ソワソワしているのが分かる


    一体どんな問題が出るのだろう?
    きっと悩むほどのテストではないと思うけれどね(笑)

    そして、どんな運動試験が僕達を待っているのだろうか……
  24. 28 : : 2014/08/25(月) 21:56:32
    「うげぇぇぇ…しょっぱなからテストかよぉぉ…入学試験受けてやっとこさ終わったってのに…」

    コニーが、五厘刈りの頭を自ら撫でながら口を尖らせた

    「だよなあ、ったく、めんどくせ。クリスタぁ…ブッチしちまおうぜ?」

    ユミルはクリスタの肩をがしっと抱いて、甘えるように頬を寄せた

    「こ、こらユミル、くっつきすぎだよ…」
    クリスタは恥ずかしそうに頬を赤く染めた

    「ユミルとクリスタは仲良しなんだなあ」
    エレンが肩を竦めてそう言うと、ユミルがふん、と鼻を鳴らした

    「当たり前だろ?お前ちょっとばかし顔がいいからって、クリスタにちょっかいかけんなよ?」

    「でもなあ、ユミルは女なんだよな、一応。ってことは、あれか…あれ」

    コニーが何かを思案するかの様に顎に手をやった

    「あれってなんだよ?コニー」
    エレンがきょとんとした顔で首をかしげた

    「もう、コニーもエレンも、いいのっ!!気にしないで!親友よ、親友!」
    クリスタは顔を更に真っ赤にしながらそう叫んだ

    「ただの親友じゃないけどな…へへ」

    「もう、ユミル!!」
    じゃれついてくるユミルを引き離そうとするクリスタ

    その二人をみて、コニーとエレンは顔を見合わせて、首をかしげるのであった
  25. 29 : : 2014/09/02(火) 15:25:40
    「よし、皆静かに!!」
    突然、壇上から凛と響くような声がした

    皆がその声に、一斉に壇上を見た
    ざわついていた雰囲気が、ピリッと静まり返る

    壇上にいたのは、二人の青年だった

    皆を静まらせた声の主は、珍しい髪型をしていた

    「今から俺たち監督生が、皆に試験の内容の説明をする。よく聞いていてくれ。…申し遅れたが、俺はマルロ・フロイデンベルク。首席監督生だ、宜しく頼む」

    首席監督生という言葉に、皆がざわついた

    毎年首席と次席で入学した生徒は、監督生としてその学年のリーダーとなり、学年運営を取り仕切る事になっていた

    「あのキノコが首席…」
    ミカサが臍をかんだ
    前の学校ではいつも首席だったミカサ

    珍妙な髪型の男に負けたのが悔しかったのだろうか

    負けず嫌いの彼女は、心の中で熱く闘志を燃やしているのだった

    「皆はじめまして。僕はマルコ・ボット。次席監督生をさせてもらうことになった。皆でよりよい学園生活にしていきたいと思っているから、協力を宜しく頼むよ!!」

    壇上のもう一人のそばかすの青年は、柔和で温厚そうな顔付きだ

    人が良さそうな雰囲気が、声にも出ていて、優しげな声色であった

    「俺とマルコで、今から試験の説明をしていくから、よく聞いておいてくれ」

    マルロの、何処か人を集中させる声によって、皆真剣な眼差しを壇上に向けていた
  26. 30 : : 2014/10/13(月) 16:48:13
    iQさんが多忙の為、脱退しまいした(泣)
    今回の合作は私と88師匠で繋げていきます!今後とも宜しくお願いします。
  27. 31 : : 2014/10/13(月) 16:48:33
    「変わった髪形……だね………ふっ」


    「あ、アニ……僕も最初に会った時に思ってたよ」



    マルロを見た時の皆は、彼の独特の髪形に目を奪われる

    それでも彼が説明する言葉には説得力があるような気がした


    「あぁ言うさ……馬鹿正直な奴が主席だと大変かもね」


    「え?」


    アニはアルミンに自然と語りだした


    「馬鹿正直でプライドが高い奴ほど、挫折すると面倒臭い……まぁ、私は人間らしくて良いと思うけどね」


    「アニって……」


    「ん?」


    「人を見る目……凄い良いよね?」


    「……さぁね、私の幼馴染みは…うん……良い奴等だよ」



    マルロとマルコが説明をしている時、アルミン達は親睦を深めていた

    これからグループ活動もあるかもしれない、そう考えると話せる力を付けておいた方が有利だろう



    新一年生が盛り上がってる時…




    「ねぇ、ねぇ!新1年生見に行こうか!!」


    「ちょっと待ってください!貴女は元気過ぎますよ!」


    「良いから!可愛い女が居たらチャンスだよ?」


    「わ、私は興味ありません!!」


    「ま、まさか………男が好きなのか?」


    「ち、違います!!」




    ここの大学の先輩達が新1年生を見に行こうと相談をしていた……。
  28. 32 : : 2015/02/18(水) 00:21:55
    期待

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ani45

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