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毛利小五郎の罪と罰
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- 1 : 2014/07/31(木) 22:40:39 :
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ー毛利小五郎にプライベートはない
そう思う方がいるかもしれない
いく先々、娘とメガネの少年がついてきて事件に巻き込まれる
そして眠らされてメガネの少年が推理をして解決
だが、実際はそうではない
たとえば、子供たちが学校やキャンプに行っている場合
私、毛利小五郎は1人で事件にのぞむー
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- 2 : 2014/07/31(木) 22:42:40 :
こんな感じでやって行きます
矛盾点などがあっても、暖かい目でみてもらえると幸いです
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- 3 : 2014/07/31(木) 22:49:44 :
ー誰に宛てるわけでもないが、私の罪と、私が受ける罰のことをここに告白したいー
探偵、毛利小五郎は『眠りの小五郎』として名が知れている探偵だ
以前は『ヘボ探偵』と呼ばれていた彼が有名になったのは、他でもないメガネの少年のおかげだ
ー私はあの少年が羨ましかった
キレる頭に娘もとられて、嫉妬していなかったと言えば嘘になる
だが、ヘボ探偵と呼ばれていた私のところに仕事が入ってくるようになったのは彼のおかげだ
そう、あの時黒ずくめの男たちに身体を縮められた少年だー
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- 4 : 2014/07/31(木) 22:54:48 :
今日は毛利小五郎には依頼が入っている
殺人事件だ
小五郎は筆を置き、したくをする
今日はメガネの少年はいない
友達とキャンプに行っているのだ
ドアが閉まると、手帳のページがめくれた
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- 5 : 2014/07/31(木) 22:56:27 :
ー私は、少年の才能に嫉妬の念を抱いていたとはいえ、彼を心から尊敬していた
私には到底考えることができない推理
彼はそれをいとも簡単にやってのける
悔しいが、完敗だー
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- 6 : 2014/07/31(木) 23:01:21 :
ー私は、ヘボ探偵と呼ばれることが嫌だったわけではないが、眠りの小五郎と呼ばれるようになって生活が楽になったのも事実だ
私は、私がまだヘボ探偵と呼ばれていた頃の罪を告白したい
そう、私はあの時、あの場所にいたー
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- 7 : 2014/07/31(木) 23:05:04 :
ー遊園地の裏の方で、黒ずくめの男たちの取り引き現場を見張っていた
刑事の方から依頼があったからだ
だが、私は彼を助けることができなかった
彼が、彼の身体が縮められるのを、私は見ているだけだった
私は探偵失格だ
娘の恋人が危険な目にあっているのになにもしなかったのだー
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- 8 : 2014/07/31(木) 23:10:35 :
ーそうして、かの有名な高校生探偵は消え去った
だが、私は、私がなにもしなかったせいで娘の恋人が消えてしまうのに耐えられなかった
私は、彼の存在を消してはならないと思った
さすがは博士だ
後遺症の残らない麻酔、最高品質の変声機
私が、彼になればいいのだー
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- 9 : 2014/07/31(木) 23:14:05 :
ーそうして、眠りの小五郎が誕生した
そう、私は全て知っていた
私は意識がなくなる直前、最後の力を振り絞り椅子に座る
あとは彼が推理を披露するのだ
私という入れ物を使って、彼はまだ生きている
それこそが私の贖罪であるー
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- 10 : 2014/07/31(木) 23:18:07 :
ー私は、あの探偵の存在を消してはならない
ヘボ探偵は、もういない
私は、彼になるー
探偵、毛利小五郎が事件現場について捜査を始める
目暮警部がその状況を見ている
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- 11 : 2014/07/31(木) 23:22:09 :
小五郎「…わかりました」
目暮「ほんとか!毛利君!」
小五郎「ええ、犯人はあなたです!」
小五郎が1人の女性を指さす
小五郎「あなたは…辛かったでしょう、この男性に暴力を振るわれていましたね…?」
犯人「…ええそうよ
彼が、執拗に暴力を振るうようになって…それで…耐えられなくて…‼︎」
目暮「…逮捕だ」
警察「ハッ」
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- 12 : 2014/07/31(木) 23:30:37 :
目暮「ありがとう、毛利君
見事な推理だったぞ!
眠らなくてもいいんじゃないか
はっはっはっ」
小五郎「…いやぁ、やっぱり、辛いですねぇ」
目暮「…あの女性も、苦しんでいたろうからな」
小五郎「ええ…」
目暮「君が、『ヘボ探偵』と呼ばれていた頃だったらあの女性も取り逃がしていたんじゃないか?」
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- 13 : 2014/07/31(木) 23:34:26 :
そう、小五郎がヘボ探偵などと呼ばれていたのには理由がある
小五郎「ええ…まあ、そうでしょうなあ」
犯人に情がうつって、逮捕することができなかったのだ
目暮「君も、変わったなあ」
小五郎「私は、ある小僧の代わりに、探偵として全力を尽くさねばならないのです」
目暮「ある小僧…?」
小五郎「ええ…」
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- 14 : 2014/07/31(木) 23:36:51 :
ヘボ探偵は、もういない
小五郎は、立ち上がってタバコに火をつけた
彼は、自分の罪を償うためにも、探偵でありつづける
おわり
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- 15 : 2014/07/31(木) 23:37:57 :
短いですが終わりです
裏設定がこんなんだったら面白いなあと思って書きました
楽しかったです
ありがとうございました
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