アルミン「外出禁止……?」
-
- 1 : 2014/07/13(日) 10:49:26 :
-
〜食堂〜
エレン「らしいぜ。しかも今日一日は訓練中止だと」
アルミン「いつ聞いたんだいエレン?」
エレン「さっき食堂に来るときに教官たちとすれ違ったんだけどよ、そんなことを言ってたんだよ」
ミカサ「もしかしたらなにか事件でも起こったのかもしれない。エレンとアルミンは私が守る」
エレン「お前はいちいち大袈裟なんだよ!」
アルミン「縁起でもないことを言うねミカサ……」
ライナー「ここ、座っていいか? それより事件ってどういうことだ?」
ベルトルト「…」
エレン「よおライナー。それにベルトルト。なんか今日の訓練は中止らしいんだ。さっき教官たちが言ってたのを聞いた」
アルミン「事件ってのはミカサが大袈裟に言っただけさ」
ライナー「そうか。ミカサの言う事件ってのは大袈裟すぎるかもしれんが……訓練が中止ってのはおかしな話だな」
エレン「だろ! あの鬼教官がなんの理由も無しに訓練を中止するはずがないんだ」
アルミン「あっ、教官が入ってきた。説明があるかもね」
-
- 2 : 2014/07/13(日) 21:44:05 :
- 期待です!
-
- 3 : 2014/07/14(月) 08:48:38 :
キース「静粛に!」
キース「貴様らを食堂に集めたのは今日の訓練中止を伝えるためだ! 貴様らに一日の休みをあたえてしまうのは勿体ないことだが、こちらの諸事情により中止となった。また、外出は禁止だ! この兵団施設内で生活しろ」
キース「以上だ、朝食を食った者から解散しろ……」
ザワザワ…ザワザワ…
エレン「諸事情ってなんだよ! 訓練しなきゃ身体がナマっちまうのに」モグモグ
アルミン「エレンはそればっかりだね……」ハハハ
アルミン「それにしてもなんで訓練が中止で外出禁止なんだろう?」モグモグ
ライナー「確かにな。諸事情ってのが引っかかるが……案外教官たちが休みたいだけだったりしてな」ワッハッハ
ミカサ「そんな理由でエレンを苦しめるのなら、私は教官を削ぐ」パングシャア
アルミン「ミ、ミカサ落ち着いて」
エレン「苦しんでねーよ!」
エレン「ただ、訓練しなきゃ巨人を駆逐できないだろ」
アルミン「今日は身体をしっかり休めるってことにしようよ。その代わり明日全力で挑めるじゃないか」
ミカサ(さすがアルミン、エレンの落ち着かせ方を知っている)モグモグ
エレン「そうか、そうだよな。ありがとうアルミン」
アルミン「エレン自身のためさ。いくらエレンでも常に全力じゃ倒れてちゃうかもしれないだろ?」
ライナー「アルミンの言う通りだな、休むことも重要な訓練だ」
-
- 4 : 2014/07/14(月) 22:25:47 :
エレン「だけど外出禁止って街に出るのが禁止なだけで中庭は使ってもいいんだよな?」
ライナー「おいエレン、アルミンの話聞いてたか?」オイオイ
エレン「いやそーなんだけどよ……」
???「ぐぁあああああ!」バーン!
104期兵たち「?!?!」
アルミン「ど、どうしたんだ……?」
ライナー「どこからだ?」
ミカサ「見て、食堂の入り口!」
??ャ「うぁあああああ……」
エレン「あ、あれ、あいつは……」
?シャ「ぐぉおおおおお……」
アルライ「サシャだ!」
サシャ「きぁあああああ!」ガブッ!
104期兵「うぁあああああ!」プシャアッ!
エレン「か、噛みついたぞ!」
ライナー「クソッ! どうなってる!」
ミカサ「あのサシャは尋常ではない。逃げるべき」
アルミン「ミカサの言う通りだ! 本で読んだことがある! あれはおそらくゾンビというんだ! 人間に噛みつき肉を食らう!」
エレン「な、なんだって……」
ライナー「そんなもん実在したのか……」
ミカサ「突っ立ってないで逃げるべき。ベルトルトはすでに逃げている」
ライナー「ベルトルトの野郎! こんなときばっかり逃げ足が早い!」
ライナー「とりあえず逃げるぞ! はぐれるなよ!」
-
- 5 : 2014/07/14(月) 22:29:48 :
- 期待
-
- 6 : 2014/07/14(月) 22:31:08 :
- サシャがゾンビに…!?( 期待です
-
- 8 : 2014/07/14(月) 23:13:01 :
アルミン「今襲われているあの子は……」
ライナー「助けるのは無理だ! 行くぞ!」
エレン「アルミン! 行くぞ!」
アルミン「そ、そんな……」
ミカサ「アルミン、世界は残酷なの。あなたなら分かるでしょ?」
アルミン「う、うん……行こう」
エレン「入り口にはサシャがいるしもう一つの出口は人でいっぱいだ!」
エレン「どうする?!」
ライナー「サシャ……のゾンビがあの訓練兵を食べ終わるまでにどうにかしないとな。あの出口の奴らに呼び掛けたところでパニックだから意味はないだろう……」
ライナー「仕方ない、壁をぶち破るぞ。ミカサ、手を貸してくれ」
ミカサ「分かった。どうすればいい?」
ライナー「同時に体当たりするぞ。ミカサの筋力と俺の筋力を合わせれば壁なんか貫通するはずだ」
エレン「ライナー、急いでくれ! サシャがもうすぐ食事を終えるぞ!」
ライナー「分かった。ミカサ、カウント3でいくぞ。3……2……1!」
ライミカ「はっ!」
ガターン! ボロボロ…
エレン「よし! 直径2メートルくらいの穴ができたぞ! アルミン、外に出ろ!」
アルミン「う、うん!」
ライナー「ミカサ、エレンたちを連れていけ。俺はあっちのごった返してる出口でベルトルトを見つけてから合流する」
ミカサ「場所は?」
ライナー「男子寮のエレンの部屋だ。四人部屋でそれなり広いし鍵もついてる。ゾンビがサシャ一人なら大丈夫なはずだ。行け」
ミカサ「分かった。あとで会おう」
ライナー「ああ」ニヤリ
エレン「ミカサ、ライナー! とりあえず逃げるぞ!」
ミカサ「ライナーはあとから来る。先に逃げよう」
エレン「はっ?! なんで置いてくんだよ!」
ミカサ「ベルトルトを探すと言っていた。ベルトルトはあのごった返した出口のどこかにいるらしい」
エレン「そうか……デカいからすぐ見つかりそうだけどな」
ミカサ「とりあえずエレンの部屋に行こう。ライナーとそこで合流する」
エレン「分かった。行くぞ」
アルミン「みんな急いで! サシャが食事を終えてしまうよ!」
エレン「今行く! ミカサ、行こうぜ」
ミカサ「ええ」
-
- 9 : 2014/07/17(木) 14:30:28 :
〜男子寮〜
エレン「クソッ、ほとんど人がいねぇじゃねーか。みんなどこ行ったんだ」
アルミン「ほとんど食堂にいたからね。しかも最初のゾンビはサシャ一人じゃないのかも……」
エレン「そうだったらかなりヤバいな。この男子寮にもいないとは限らないわけだろ?」
アルミン「そうなるけど……とりあえず僕たちの部屋に行こうよ。そこで作戦会議だ」
-
- 10 : 2014/07/17(木) 14:32:06 :
〜エレンたちの部屋〜
ミカサ「ここが……エレンの部屋」ゴクリ
アルミン「ミカサ、今は落ち着いて。部屋の匂いを嗅がないで」
ミカサ「ごめんなさいアルミン。エレンの匂いに少し興奮してしまった」クンクン
エレン「くだらねーことやってないで早く部屋の鍵を閉めてくれよ。ゾンビがいたらどーすんだよ」
ミカサ「ごめんなさいエレン。今閉める」カチャリ
アルミン「とりあえずライナーたちが戻ってくることを信じて今後の予定を立てなくちゃ」
エレン「そうだな。とは言っても俺は頭が悪いから、アルミン何かないか?」
アルミン「うーん……手段としては三つあると思う。ここで助けが来るまで籠城するか、なるべく被害が少ないうちに街へ逃げるか」
ミカサ「三つ目は?」
アルミン「それなんだけど……ゾンビというのは噛まれた者もゾンビになってしまうんだ。だから今の食堂にはゾンビがかなり増えていると思う」
エレン「ゾンビって増えるのかよ……」
アルミン「そうなんだ。だからあまり増えていないうちに街に逃げ出してしまうのが得策かもしれない。籠城すればゾンビは増える一方だからね」
-
- 11 : 2014/07/17(木) 20:25:58 :
- ベルトルト………ゾンビになってなきゃいいけど
メッチャクチャ期待です^_−☆
-
- 12 : 2014/07/18(金) 19:05:43 :
>>11 頑張ります!
-
- 13 : 2014/07/18(金) 19:12:54 :
- ライナー、ベルトルトゾンビになるなー!!!!
期待です^o^
-
- 14 : 2014/07/19(土) 12:26:09 :
>>13 次の投稿で2人出てきます(笑)
期待ありがとうございます!
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- 15 : 2014/07/19(土) 12:29:03 :
アルミン「だから、自分で言っといてなんだけど籠城はいい案とは言えないと思う。街へ逃げるにしても仲間を見殺しにはできない……」
ミカサ「つまりはここでゾンビと戦うということ?」
アルミン「うん……被害はできるだけ拡大したくないし、ミカサとエレンは成績上位だから互角に渡り合えると思うんだ」
エレン「アルミンがそう言うなら俺はやるぜ」
ミカサ「私もやろう。アルミン、ゾンビについて詳しく教えて」
アルミン「二人ともありがとう。僕が読んだ本にはゾンビというのは……」
コンコン…
エレアルミカ「?!?!」
エレン「誰だ……?」
ミカサ「ライナーだろうか……?」
アルミン「ゾンビは音に反応するからね、おそらく警戒してるんじゃないかな」
ライナー「ライナーだ。開けてくれ」
エレン「ライナー!」ドアガチャ
ライナー「なんとかベルトルトを見つけてきた。心配をかけたな」カギカチャリ
ベルトルト「みんな、迷惑かけてごめんね」
エレン「ベルトルト! 無事だったんだな」
アルミン「心配したよ……」
ミカサ「ベルトルト、無事でよかった」
ベルトルト「みんなありがとう」
ライナー「現状はなかなかヒドくなってるぞ。食堂はもうゾンビで一杯だろう。お前たちと別れたあと、サシャはさらにスピードを上げて周辺の人間を襲い始めた」
アルミン「スピードを上げて?」
アルミン「ゾンビの動きは遅いはずじゃ……」
ライナー「ん、そうなのか? サシャはかなり俊敏な動きだったぞ」
アルミン「巨人のように奇行種なのかな。ゾンビというのは基本的に動きが遅いはずなんだ」
ライナー「どこでそれを?」
アルミン「本で読んだんだ。動きが遅く、肉を食いたいという単純な衝動だけで行動する」
アルミン「だからサシャは奇行種なのかも」
-
- 16 : 2014/07/19(土) 17:03:09 :
エレン「ゾンビにも奇行種と通常種があるのか?」
アルミン「うん。可能性の話だけどね」
アルミン「しかも噛まれた人間は感染してゾンビになるんだ。引っ掻かれた傷からも感染するらしい」
エレン「ヤバいな……腕と顔を何かで覆いながら戦ったほうが良さそうだな」
ライナー「なんの話だ?」
アルミン「ライナーたちが戻って来る前、エレンとミカサと、ここでゾンビと戦うことを話し合っていたんだ」
ベルトルト「?!」
ライナー「……それには賛成しづらいぞ」
ライナー「俺は食堂でゾンビになった仲間たちを見た。ここに来る途中で仕方なく何人か殺したが、とても耐えられるものじゃない……」
エレン「ライナー……」
アルミン「そうかもしれないけど……ゾンビには感情がないんだ。それにここから被害が拡がれば僕たち人類は巨人と戦うどころではなくなってしまう……」
エレン「やるぞ」
ライナー「エレン?」
エレン「アルミンの言う通りなら普通のゾンビは遅いんだろ? それならやれるはずだ。俺は巨人を駆逐しなきゃならない。こんなところでくたばるわけにはいかないんだ」
ミカサ「エレンがそう言うなら私は従おう。一緒にゾンビと戦う」
エレン「ミカサ、無理すんなよ」
ミカサ「大丈夫。私はエレンよりも強い」
エレン「今は何も言わないでやるよ。ゾンビが先だ」
-
- 17 : 2014/07/21(月) 02:09:43 :
ライナー「……どうやらやるしかないようだな。だとしたら仲間が必要だ」
アルミン「宿舎に生き残りはいないかな? ライナー、食堂は全滅?」
ライナー「……だろうな。俺たちが作った穴に気づいた仲間はいなかったようだ。あまりのパニックのせいでな」
ライナー「しかもサシャが次々襲ったせいでゾンビの数は激増、食堂は全滅って感じだろうな」
アルミン「だとしたら、男子寮と女子寮で生き残りを見つけるしかないね。ライナー、どうやって男子寮に入った?」
ライナー「正面入り口だ。鍵は……かけ忘れたかもしれん」
ミカサ「外を見て。あれは何……?」
エレン「全身黒ずくめでフードに骸骨のマスク……それに立体機動装置?!」
アルミン「なんの集団なんだ彼らは……あっ、飛んだ!」
ライナー「あいつら立体機動装置でゾンビを上から攻撃してるぞ! あれならかなり有利だな」
ベルトルト「でも見てよ、あの立体機動装置は何かがおかしい」
ミカサ「普通の立体機動装置ではあの動きはできない……スピードとキレが違う」
アルミン「新型かな? でもなんでこんなところに……立体機動装置の研究はシーナで行われてるはずじゃ……」
ライナー「今はそんなことを考えてる場合じゃない。とりあえずあいつらに助けてもらおう。エレン、窓を開けてくれ」
エレン「おう」ガシャ
ライナー「おーい! 助けてくれ!」
アルミン「あんま大きい声出すとゾンビに気づかれちゃうよ!」ヒソヒソ
ライナー「そんなこと言っても仕方ないだろ? この兵団施設全体がいつまで持つか分からんしな」
エレン「あっ、黒ずくめのやつが一人こっちに来るぞ」
黒ずくめ「お前ら、何人生き残ってる?」スタッ
ライナー「この部屋には俺たち五人だけだ」
-
- 18 : 2014/07/21(月) 18:54:58 :
黒ずくめ「よし、救出してやる。お前らの立体機動装置はどこだ?」
アルミン「ま、待って! あなたたちは……?」
黒ずくめ「今は人命を優先したい。あとでいくらでも話す時間はある」
アルミン「わ、分かりました……」
黒ずくめ「俺たちは宿舎の中には入れない。もしゾンビがいたら自分たちで対処しろ。正面の入り口で集合だ、行け」
アルミン「了解です!」
黒ずくめ「外に出たら俺たちを呼べ。それまで俺たちはゾンビの駆逐を続ける」ヒュン
ライナー「行っちまった……とりあえず行こう」
ライナー「ん、武器が必要だな。この部屋に何かないか?」
-
- 19 : 2014/07/24(木) 09:12:23 :
エレン「武器か……たしかジャンの野郎がブレードを何本か隠し持ってなかったか?」
アルミン「あっ! そういえばそうだったね。……ジャン、無事かなぁ……」
エレン「あいつ意外と頭いいからな、多分大丈夫だろ。アルミン、あいつどこにブレード隠してたっけ?」
アルミン「たしか……二段ベッドの下に」
ライナー「二段ベッドの下? ベタすぎるな」ガサゴソ
ライナー「あったぞ。一本、二本、三本……四本、五本……あいつどれだけ隠してあるんだ」
エレン「一人一本だな。残りの一本はもしこの部屋に逃げてきたやつらがいたときのために残しておこう」
ライナー「そうだな。……よし、行くぞ」
エレン「ミカサ、廊下にゾンビの気配は?」
ミカサ「ちょっと待って……」
ミカサ「足音はしない。おそらくいない」
エレン「よし、ドアを開けるぞ」カチャリ
ミカサ「待って、誰かが二階に上がってくる足音がする……」
エレン「ゾンビか? 生き残りか?」
ミカサ「分からない……でもとてもゆっくりとした動き」
アルミン「おそらくゾンビだ。侵入を許してしまったみたいだ」
ライナー「俺が鍵を掛け忘れたせいだ。すまない」
アルミン「ライナーのせいじゃないよ。仕方のないことだ」
ライナー「そう言ってもらえると助かる」
ライナー「先頭は俺が行く。ついてこい」
エレン「開けるぞ!」ガチャ
ライナー「左から二体来る! 遅い! やれるぞ!」ザシュッ!
ミカサ「任せて」ザシュッ!
エレン「階段を降りろ! 急げ!」
アルミン「首をハネれば一発なはずだよ! 戦いやすくなる!」
ライナー「了解だ。一階の廊下を突っ切って正面入り口まで行く」
ライナー「よし、一階には誰もいないぞ! 走れ!」ダッシュ
エレン「うおおおおお!」
バーン!
〜外・男子寮前〜
エレン「い、勢い余ってドアぶち壊しちまったぜ……」
ライナー「ナイスだエレン! あの黒ずくめはどこだ?!」
アルミン「あそこ!」
ミカサ「二階から見たときにいたゾンビがほとんど駆逐されてる……」
ベルトルト「あの集団、強いね」
ライナー「あの黒ずくめがこっちに気づいたぞ」
黒ずくめ「おいお前ら」スタッ
黒ずくめ「立体機動装置の保管室まで俺が援護してやる。どっちだ?」
アルミン「あっちです」
黒ずくめ「行け。上から援護する」
-
- 20 : 2014/07/25(金) 16:12:40 :
ライナー「保管室まで少しあるからな。気をつけて行くぞ」
アルミン「そうだね。中庭と食堂の近くを通らなくちゃいけないし……」
エレン「中庭と食堂か……ゾンビがうようよいそうだぜ」
ミカサ「一人残らず削ぎ落とす……エレンのために」
エレン「俺のため? 仲間のためだろ」
ミカサ「それもある」
ライナー「なかなか厳しい戦いになりそうだな。黒ずくめの援護もあるが……生き残りを探しながら行こう」
ベルトルト「見て、新手のゾンビだよ。中庭のほうからだ」
エレン「来たな」シャキン
ライナー「とりあえず中庭まで行くぞ。ゾンビが多ければ迂回しよう」
アルミン「そうだね。黒ずくめの人たちが先に行ってるから大丈夫だろうけど」
ライナー「たしかにな。先頭は俺、しんがりはミカサに任せるぞ」
ミカサ「分かった」
ライナー「進もう」
ライナー「……それにしてもゾンビの被害がこれだけ出てるのに教官たちは何もしないのか?」タッタッタッ
アルミン「たしかにね。今日の訓練が中止になったことと関係があるかもしれない」タッタッタッ
ベルトルト「教官たちは全滅かもしれないよ?」タッタッタッ
アルミン「そ、そんな……」
ライナー「可能性としてはあり得るが……黒ずくめの奴らもよく分からないしな。頭がついていかん」
ライナー「……話は後だな」ザシュッ!
ベルトルト「そうだね。ゾンビを倒してからにしよう」ザシュッ!
エレン「うりゃあ!」ザシュッ!
ミカサ「…」ザシュッ!
アルミン「生き残るためには……仕方がないんだ……!」ザシュッ!
ライナー「もうすぐ中庭だ」
〜中庭〜
アルミン「こ、これは……」
ライナー「……いくらゾンビとはいえここまでするのか、あの黒ずくめたちは」
ベルトルト「徹底しているね……」
エレン「うげっ……」ウプッ…
ミカサ「仕方がない。生き残るため」
アルミン「全てのゾンビたちの死体に頭がないなんて……」
ライナー「さすがに惨いな、これは」
ベルトルト「かつての仲間だからね……でも、先に進もう。ゾンビもほとんど残ってないじゃないか」ザシュッ!
ライナー「……そうだな。このまま進もう」ザシュッ!
アルミン「あっ、黒ずくめがこっちに……」
黒ずくめ「お前たち、遅いぞ」シュー、スタッ
アルミン「す、すいません。だけどあまりにもこの死体が……」
黒ずくめ「死体? 何が問題なんだ」
アルミン「彼らは今朝まで仲間だったんです……首なし死体を見るのはさすがに辛いです」
黒ずくめ「今さら何を言ってやがる。こうなった以上、お前らには生き残る義務があるんだ」
-
- 21 : 2014/07/25(金) 16:57:53 :
- 期待です!
-
- 22 : 2014/07/25(金) 17:12:04 :
- 期待
-
- 24 : 2014/07/26(土) 13:03:37 :
ライナー「まずあなたたちの正体を教えてもらいたい」
黒ずくめ「さっきも言っただろう? 今は人命を優先したい。さっさと立体機動装置を装備してもらわなきゃいけないんだ」
アルミン「立体機動装置……? なぜ?」
黒ずくめ「理由はあとで説明する。約束しよう」
ライナー「……分かった。だがあとで説明してもらう、お前たちの正体とこの現状を」
黒ずくめ「現状? 俺たちにも分からん」
ライナー「嘘をつくな。完全武装でここに来ておいて何も知らないとは言わせない」
黒ずくめ「うるさい奴らだ。早く行け」プシュッ、シュー!
アルミン「行っちゃった……」
ミカサ「彼の言う通り。仲間たちのことは残念だけど、生き残らなければいけない」
エレン「たしかにな。保管室に急ごう」
ライナー「行くぞ」
エレン「ああ」
-
- 25 : 2014/07/26(土) 13:04:09 :
〜食堂前〜
エレン「さすがに数が多いな!」ザシュッ!
ライナー「ああ! 動きが遅いとはいえ囲まれるなよ!」ザシュッ!
ミカサ「…」ザシュッ!
ベルトルト「…」ザシュッ!
アルミン「ゾンビは人間じゃない……人間じゃない……」ザシュッ!
ライナー「黒ずくめの奴らが片付けてもこれか!」ザシュッ!
エレン「少しバラけた! 走るぞ!」ザシュッ!
ライナー「そこだ! 走れ!」ザシュッ!
ウァアアアア!
エレン「な、なんとか逃げ切った……のか?」ゼェゼェ
ライナー「あいつら足は遅いからな」
アルミン「早めに保管室に行こう。いずれゾンビたちも到達してしまうよ」
ベルトルト「そうだね。行こう」
-
- 26 : 2014/07/26(土) 13:16:18 :
- ゾンビ!!みんな生きてるのか…
KITAI★☆〜(ゝ。∂)
-
- 27 : 2014/07/26(土) 13:18:48 :
- 期待です!
-
- 29 : 2014/07/26(土) 13:21:50 :
- 期待です!
エレンたち死なないで!(ノ_<)
-
- 30 : 2014/07/26(土) 13:35:21 :
- >>29 フォローありがとです!フォロバしときました!
-
- 31 : 2014/07/26(土) 14:27:05 :
- 教官が強い者を見つけようとしている
-
- 32 : 2014/07/26(土) 16:38:24 :
ライナー「それにしても生き残りは俺たちだけなのか? まさかそんなことはないだろ?」タッタッタッ
アルミン「いや生き残りは必ずいるよ。男子寮にも少しはいたはずだ」タッタッタッ
アルミン「僕たちとは別のルートで逃げてるかも」
エレン「男子寮で何人か見たぞ。声をかける前に部屋に入っちまったけどな」タッタッタッ
ベルトルト「多分、黒ずくめの集団が救出してるはずだよ。目的があるのかも」タッタッタッ
ライナー「あの風貌からしてかなり怪しいが……とにかく保管室だ。あそこに着けば黒ずくめも話すと言っていたからな」
アルミン「そろそろだよ……保管室」
〜立体機動装置保管室〜
エレン「着いたな……」
ライナー「ああ。やっとだ」
アルミン「黒ずくめの人たちが見当たらないけど……」
ミカサ「アルミン、疲れてない?」
アルミン「大丈夫だよ、ありがとうミカサ」
ミカサ「それならいい」
ベルトルト「とりあえず中に入ろう。立体機動装置はどちらにしろ逃げるのに必要だ」
ライナー「そうだな」ガチャリ
???「……誰だ!」
???「下がれクリスタ!」
???「あっ、大丈夫だよユミル!」
エレン「お前ら……生き残ってたのか」
ジャン「うるせぇ死に急ぎが!」
ユミル「なんだなんだ死に急ぎ野郎と仲間たちか」
クリスタ「ユミル言い方に気をつけて!」
エレン「んだと! ゾンビから命からがら逃げてきてお前に会うとか最悪だな」
ライナー「……俺は生き残りが他にもいて安心したぞ」
ジャン「ああ、俺も会えて嬉しいぜライナー」
ライナー「黒ずくめの奴らに会ったか?」
ジャン「会ったぜ。あいつらがいなかったらここに辿り着けてたかも怪しいもんだ」
ライナー「俺たちもだが……素顔は見たか?」
ジャン「いいや? とりあえず逃げるのが最優先だったからな」
ライナー「そうか、そうだよな」
ユミル「おいライナー、黒ずくめの奴らと一緒じゃないのか?」
ライナー「着いたとき外にはいなかったぞ」
ユミル「だから言っただろジャン、あんな奴ら信用するなって」
アルミン「どういうこと?」
ジャン「俺たちはここで待機するよう言われたんだ、あの黒ずくめの奴らにな。かれこれ一時間くらいか。そんでお前らが来る少し前からユミルが騒ぎ始めたんだ、騙されたってな」
アルミン「じゃあなんでここで待ってたのさ、ユミル」
ユミル「他にいい案も思いつかなかったし、迂闊に動くのはマズいだろ?」
-
- 33 : 2014/07/26(土) 16:39:04 :
- >>31 教官、あとで出てきます。
-
- 34 : 2014/07/26(土) 16:49:46 :
- 面白い!期待!
-
- 35 : 2014/07/27(日) 00:58:26 :
アルミン「たしかにね。でも僕たちも早く行動しないとゾンビがここまで来てしまうよ」
ユミル「だろ? 黒ずくめの奴らはなにやってんだ?」
黒ずくめ「すまない、遅れたな」ガチャリ
ユミクリ「!」
ライジャン「やっとか」
アルミカ「…」
エレベル「…」
黒ずくめ「なんだお前ら、こっちをジロジロ見て。気持ちわりぃな」
ライナー「早く説明してもらおうか、時間がない」
黒ずくめ「そう焦るな。外は仲間たちが見張ってるから安心しろ。それに周りはあらかた始末したから心配するまでもない」
ユミル「そうかい。さっさと事情を説明して私たちをここから逃がしてくれ」
黒ずくめ「いいだろう。まずは俺たちの正体だ」スルッ
エレン「リ、リヴァイ兵長?!」
アルミン「人類最強がどうしてここに……」
ミカサ「…」
ライナー「?!」
ベルトルト「…」
ジャン「どうなってんだよ」
ユミル「……なるほどな」
クリスタ「???」
リヴァイ「騒ぐな、お前ら。いいか、時間がないから今は必要なことだけを話す」
リヴァイ「ゾンビの被害は──ここだけじゃない。トロスト区はほぼ全滅だ」
ジャン「なんだと!」
ジャン「ほぼ全滅って……なんだよ……おい……」
アルミン「ジャン……」
リヴァイ「どうした?」
ジャン「俺の家族が……母ちゃんがいるんです……トロスト区に……」
リヴァイ「…」
リヴァイ「そうか。安否は分からないが、トロスト区には調査兵団と駐屯兵団が救出に向かった。ここよりも生存率は高いはずだ」
リヴァイ「今はお前が生き残れ。お前が死んでしまっては元も子もないんだ」
ジャン「はい……」
エレン「ジャン……お前の母ちゃん、無事だといいな」
ジャン「クソッ、死に急ぎ野郎に慰められる日が来るとはな……」
エレン「うるせぇ、母ちゃんは大切にしとけよ」
ジャン「ああ……すまない」
アルミン「ジャンが謝った……?」
ジャン「うっせぇ!」
ジャン「リヴァイ兵長、話を続けてください」
リヴァイ「……シーナはすでに開閉扉が閉ざされた。ローゼでのウィルス拡散を阻止できなかった以上、逃げ道はシーナかマリアだ」
アルミン「マリア?!」
リヴァイ「ああ。マリアの壁上に拠点を設置する。すでに別動隊が向かっている」
ユミル「……無謀すぎないか?」
リヴァイ「シーナの壁上は中央憲兵が見張っている。憲兵団とは別の連中で、こいつらはかなり手強い」
アルミン「中央憲兵……? 初めて聞きました」
リヴァイ「だろうな。普段は出てこない奴らだ。よっぽどの緊急事態なんだ」
ライナー「調査兵団の実力でも勝てないと?」
リヴァイ「俺たちが圧倒的に不利だ。壁付近まで馬で近づけば大砲の餌食だろうよ」
ユミル「マリアの壁上に辿り着けたとしてもそこからどうするんだ?」
リヴァイ「作戦指揮は全てエルヴィンが執り行っている。どうしても知りたいならあいつに聞け」
ベルトルト「……生き残りは僕たちだけですか?」
ライナー「ベルトルト……」
リヴァイ「ん? ああ。全て見て回ったがお前たちだけだった」
ベルトルト「…」
リヴァイ「親しい友人がいたのか? ……おそらくもうゾンビだ」
ベルトルト「クソッ!」バンッ!
アルミン「ベルトルトがあんなに激昂するなんて……」ボソボソ
エレン「あんまり誰かと仲良くしてるとこ見たことないんだけどな……」ボソボソ
ミカサ「誰にでも大切な人はいる……」ボソボソ
リヴァイ「俺たちの呼びかけにも応えずに隠れていたのなら生きている可能性はある」
ベルトルト「いえ……すいません、ありがとうございます」
ライナー「ベルトルト、あとで話がある」
ベルトルト「分かったよ」
ベルトルト「リヴァイ兵長、話の続きを」
リヴァイ「ああ。とりあえずはマリアに向かう。馬は少し離れたところに用意してあるからそこに行くぞ。調査兵団の本隊と合流する」
-
- 36 : 2014/07/27(日) 00:59:05 :
- >>34 そう言ってもらえると本当に嬉しいですありがとうございます
-
- 37 : 2014/07/28(月) 11:30:12 :
アルミン「マリアの壁上に辿り着くまでに巨人と遭遇するから立体機動装置を?」
リヴァイ「そうだ。シーナに逃げれば中央憲兵に、ローゼに留まればゾンビに、マリアに向かえば巨人に……」
リヴァイ「どれも可能性は高くないが、俺たちには立体機動装置がある。巨人を駆逐するための装置だ」
リヴァイ「……少し話し過ぎたな。お前ら、そろそろ立体機動装置を装備しろ。時間だ」
ガチャリ!
リヴァイ「…」ギロリ
ハンジ「遅いよリヴァイ〜。早くしないとここも落ちるよ〜?」
リヴァイ「ハンジ……少し黙ってろ。こいつらに事情を説明してたんだ」
ハンジ「リヴァイは説明が下手だからね〜」ケラケラ
リヴァイ「だったらなぜ……クソメガネ、お前がこの説明役をやらなかった」
ハンジ「人類最強が説得するほうが簡単だからだよ!」
リヴァイ「……まあいい。説明は終わった。準備が終わったら行くぞ」
〜立体機動装置装備中〜
エレン「マリアに逃げるってことは……一番近いシガンシナだよな……」ガチャガチャ
ミカサ「うん、そうだと思う」ガチャガチャ
アルミン「僕たちの……」ガチャガチャ
アルミン「こんな形で戻ることになるとは思ってなかったよ……」
エレン「ああ、そうだよな。だけど……なんか涙が……」ジワッ…
ミカサ「エレン、世の中は残酷だから、強くならなくちゃいけない。今は泣いてはいけない」
エレン「分かってるよ……ありがとなミカサ」
ミカサ「家族として当然のこと」
アルミン(エレンとミカサはたまに割って入っちゃいけないような空気になるんだよね……)
ユミル「クリスタ、大丈夫か?」ガチャガチャ
クリスタ「う、うん……」ガチャガチャ
ユミル「……あんま大きな声じゃ言えないが……シーナの貴族の妾の子ってお前だろ?」
クリスタ「?!」
クリスタ「なんで知ってるの……?」
ユミル「シーナにいた頃、いろいろあってな。別にだからどうこうってわけじゃねーが……シーナに戻りたいか?」
クリスタ「ううん……ユミルと一緒なら巨人だらけのマリアでも大丈夫」
ユミル「嬉しいこと言ってくれるじゃねーか! さすが私のクリスタだ!」ダッハッハッ
クリスタ「う、うるさいよユミル……」
ジャン「……なあライナー、マリアってどんなところなんだ?」ガチャガチャ
ライナー「いきなりどうしたんだ? ……まあ、これといって特徴的なものはないな。特に俺たちは山奥に住んでいたしな。エレンに聞いたほうがいいんじゃないか?」ガチャガチャ
ジャン「今はあいつに話し掛ける気にならねぇ……」
ライナー「さっきのことか? エレンはあれでもお前のことを心配してる。俺もしてるし、みんなしてると思うぞ」
ライナー「こんなんじゃ慰めにもならないと思うが……」
ジャン「その気持ちだけ受け取っておくぜ。ありがとな」
ライナー「気にするなよ」
ベルトルト「…」ガチャガチャ
リヴァイ「準備が出来たやつから外に出ろ。ゾンビもかなり接近してきているようだ、急げ」
-
- 38 : 2014/07/30(水) 07:03:04 :
〜立体機動装置保管室前〜
ハンジ「みんな揃ったね……おっと、リヴァイはどこ?」
リヴァイ「ここだクソメガネ」バタン
ハンジ「リヴァイが最後だね。よし、じゃあ馬のところまで立体機動の森を通って行くよ!」
エレン「どこで合流ですか?」
ハンジ「えーっと、トロスト区だね。壁上に沿ってそのままマリアに入るよ」
ジャン「そこで本隊と合流するんですか?」
ハンジ「そうだね。……聞いたよ、君のお母さんのこと。残念だけどトロスト区は本隊が着いた時点でほぼ全滅だと聞いた。調査兵団が着いた時点で生き残っていれば必ず助かってるよ」
ジャン「……そう願います」
ハンジ「ここで留まってても仕方ないからね、行くよ」
-
- 39 : 2014/07/30(水) 07:03:50 :
〜立体機動の森〜
ハンジ「この先開けた場所に出る! そこに馬がいるからね!」ヒュンヒュン
リヴァイ「お前ら、気を抜くなよ。地上にゾンビがいたら必ず斬り殺せ」ヒュンヒュン
ライナー「……いた、こんなところにまで……」ヒュンヒュン
ライナー「はっ!」ザシュッ!
エレン「はあああああ!」ザシュッ!
ミカサ「…」ザシュッ!
クリスタ「やっ!」ザシュッ!
ユミル(どっかのタイミングでクリスタ連れだして安全な所に匿わねーとな)ヒュンヒュン
ユミル(マリアに行こうだなんて調査兵団のお偉方は頭がおかしくなったのか?)
ユミル(無理だ、どう考えても無理だ。壁上に拠点を設置? ふざけるな。何か考えねぇと)
ハンジ「減速! 到着するよ!」シュー!
-
- 40 : 2014/07/31(木) 10:06:20 :
- 期待
-
- 41 : 2014/07/31(木) 10:48:24 :
- 面白い
期待する
-
- 42 : 2014/07/31(木) 11:05:14 :
- 黒ずくめがw調査兵団w
KITAI★☆〜(ゝ。∂)
-
- 44 : 2014/08/02(土) 17:39:59 :
〜立体機動の森外れ〜
エレン「ここからはトロスト区へ向けて馬を走らせるだけですか?」
ハンジ「そうだね。そんなに時間はかからないと思うよ」
リヴァイ「……エルヴィンの作戦に従って部隊を分けるぞ」
リヴァイ「おいお前ら」
調査兵たち「はっ!」
リヴァイ「こいつら訓練兵は俺とハンジに任せてお前らは訓練兵団の施設に戻れ。ゾンビを完全に駆逐しろ」
調査兵「了解しました」
パシュッ! シュー!
ハンジ「あちらは彼らに任せよう。……そこに繋いである馬に乗って。好きなのでいいよ」
ユミル(やるなら今か……ここで機会を逃せばもうチャンスはない……)
ユミル(今から他の調査兵たちを追いかけてあそこに戻って籠城……いや、無理だな。それとも……)
ユミル「クリスタ!」
クリスタ「なあに、ユミル?」
ユミル「私を信用してくれるか、何があっても」
クリスタ「もちろんだよ。いきなりどうしたの?」
ユミル「……ごめんなクリスタ、お前をマリアに連れて行くわけにはいかない」
クリスタ「どういう意味……?」
ユミル「こうだ」ガリッ
カッ! ドゴーン!
クリスタ「ユ、ユミル……?」ガクガク
エレン「きょ、巨人?!」シャキン!
リヴァイ「ちっ、どうなってやがる!」
ライベル「…」
ミカサ「…」
アルミン「ユミルが、巨人に……!」
ジャン「なんなんだよ……!」
ハンジ「きょ、巨人! リヴァイ! 駆逐しちゃダメだよ! 待って!」ウヒョオオオ
ユミル(巨人)「クリスア……」
クリスタ「な、なに……?」
ユミル(巨人)「ツカアレ……」テヲサシノベル
アルミン「僕たちを襲ってこない……?」
クリスタ「あ、あの……ユミル、どういう……」
ユミル「ジカンガ……アイ……イソゲ……」
ハンジ「しゃ、喋った! 巨人が喋った!」ウヒョオオオ
ライナー「……おいベルトルト」ヒソヒソ
ベルトルト「……これは問題だね」ヒソヒソ
-
- 45 : 2014/08/02(土) 17:46:58 :
- お、おもしろい!
期待です。
-
- 46 : 2014/08/03(日) 17:26:22 :
ユミル(巨人)「シカタガアイ……ムリアリツレテク……」ガシッ!
クリスタ「きゃあああ!」ジタバタ
クリスタ「た、助けて!」ジタバタ
エレン「クッソ! 今助けてやるからな!」
ユミル(巨人)「クルナ! ……クリスア……キズツケタリシアイ……」
クリスタ「ユ、ユミル……?」
ユミル(巨人)「…」クルッ
アルミン「い、行ってしまった……」
ベルトルト「……追いかけるべきじゃないかな?」
アルミン「なぜ?」
ベルトルト「だって、巨人だよ? ゾンビも問題だけど僕らの敵は巨人だ」
ミカサ「一理ある。でも今はゾンビの問題を解決するべきだと思う」
ベルトルト「ゾンビの問題を解決する方法があるかな?」
ハンジ「エルヴィンには何か作戦があるみたいだからね。トロスト区に着かないと何も始まらないよ」
アルミン「では、トロスト区に?」
ハンジ「向かうよ。はいはい、みんな馬に乗ってー」
エレン「見てください……ゾンビです」
アルミン「あ、あれはサシャ……!」
アルミン「ハンジさん、あのゾンビは普通のゾンビとは違うんです。なぜか動きが早いんです!」
ハンジ「動きが……早い?」ニヤッ
アルミン(今……笑った……?)
リヴァイ「おいクソメガネ、どうすんだ? このおかしなゾンビを駆逐してから行くか?」
ハンジ「奇行種なら生け捕りしたいところだけど……動きが早いなら後々脅威になりそうだしね……」
ハンジ「……駆逐するよ」
リヴァイ「よし。お前ら、先にトロスト区に向かえ。俺はこいつを片付けてから行く」
サシャ「ぐあああ……」
リヴァイ「かかってこい、クソゾンビめ……」シュッ!
ハンジ「……行くよ」ダッ
アルミン(サシャはゾンビの奇行種なんだろうか……)パカラッパカラッ
アルミン(ゾンビに奇行種がいるなんて聞いたことないけど……)
ライナー(どこかのタイミングで離脱してユミルを追わなければ……巨人だとは夢にも思わなかったぞ……)パカラッパカラッ
ベルトルト(ユミル……ゾンビよりもそっちのほうが問題だ)パカラッパカラッ
パカラッパカラッ……パカラッパカラッ……
-
- 47 : 2014/08/03(日) 17:26:49 :
- >>45 まだ終わりそうにありませんがよろしくお願いします!
-
- 48 : 2014/08/03(日) 18:19:30 :
- ダメだ~♪ヽ(´▽`)/アハハハハ-
続きが気になって勉強できなーい♪
-
- 49 : 2014/08/03(日) 18:19:50 :
- 初投稿の名無しです!
期待です! 続きが楽しみです(^_^)
-
- 50 : 2014/08/03(日) 18:20:04 :
- 期待でーす!
-
- 51 : 2014/08/03(日) 23:37:09 :
〜トロスト区付近〜
ジャン「……そろそろトロスト区だ。このあたりの地形は見覚えがある」パカラッパカラッ
ハンジ「正解だよ」パカラッパカラッ
ハンジ「そろそろ内門が見えてくるはずだ」
アルミン「……トロスト区、無事だといいですね……」パカラッパカラッ
ハンジ「まあ大丈夫だと思うよ? 調査兵団の本隊と駐屯兵団もいるからね」
ハンジ「それよりもあのユミルって子が巨人だってことのほうが問題だよ」
ハンジ「ゾンビはトロスト区が発生源らしいから封じ込めればなんとかなるけど、彼女は今後の人類を左右する存在だ」
アルミン「……トロスト区が? ではなぜ訓練兵団に感染が……?」
ハンジ「それは私にも分からない。詳しくはトロスト区に着いてから話すけど、シーナ内では感染が起こってないようだし……」
ライナー「正面のあれ……動きがゆっくりだ」パカラッパカラッ
ライナー「……ゾンビじゃないか?」
アルミン「まさか……トロスト区の封じ込めが失敗したのか?!」
ハンジ「急がないといけないようだね! 飛ばすよ!」
ダダッ!ダダッ! …ダダッ!ダダッ!
ライナー「クソッ! やっぱりゾンビだ!」パカラッパカラッ
ミカサ「……私がやる」パカラッパカラッ
ゾンビ「グアア……ウオオオ……」
ミカサ「はっ!」ザシュッ!
アルミン「……一体だけ?」パカラッパカラッ
ハンジ「そうとは考えにくいね……」パカラッパカラッ
ハンジ「本隊が全滅したとは考えたくないよ……」
ベルトルト「トロスト区のほうから……だよね?」パカラッパカラッ
ジャン「そうだな……」パカラッパカラッ
ジャン「クッソ……クッソ……」
ジャン「トロスト区がゾンビにやられたなんて……考えたくもねぇ……」
エレン「またゾンビだ!」パカラッパカラッ
エレン「おれがやる!」
ハンジ「……内門だ!」
エレン「…!」ザシュッ!
アルミン「あっ……」
ジャン「嘘だ……」
ゾンビたち「ウオオオ……グアアアア……」
ハンジ「エルヴィンは……本隊は何をしていたんだ……!」
アルミン「あれじゃ内門から入るのは無理ですよ!」
アルミン「どうするんですか?!」
ハンジ「ゾンビの動きは遅い!」
ハンジ「少しでも私が引き付けるからそのうちに壁を登るんだ!」
ハンジ「時間差をつけてついてこい!」
ライナー「一人で囮に……? 無茶だ……」
ベルトルト「ゾンビは動きが遅いから大丈夫だ!」
アルミン「少しスピードを落とそう!」
ライナー「そうだな……」
エレン「おい! ハンジさんを一人で行かせるのか?!」
ミカサ「エレン、ハンジさんは調査兵団なの。壁外調査でもっと危険な修羅場もくぐり抜けきたはず」
ミカサ「だから心配はいらない」
エレン「くっ……そう、だよな……」
ハンジ「あとで会おう!」
ハンジ「私はスピードを上げるよ!」ダダッ!ダダッ!
-
- 53 : 2014/08/03(日) 23:53:27 :
- 期待~!!
-
- 54 : 2014/08/04(月) 00:11:50 :
- 期待です!
ゾンビが巨人を噛んで、巨人もゾンビになっちゃったりしてw
-
- 55 : 2014/08/04(月) 00:31:00 :
- 期待です!
早く見たい〜(^o^)
-
- 56 : 2014/08/04(月) 09:35:56 :
- KITAI★
-
- 57 : 2014/08/04(月) 23:40:30 :
アルミン「ゾンビの間を縫うように……!」
ライナー「ゾンビの注意が少しでもハンジさんに向いたら一気に行くぞ!」
ベルトルト「……待って! 壁の上!」
アルミン「なんだあの人影は……」
ミカサ「……弓! 弓!」
エレン「えっ?」
壁上の人影「…」ギリギリギリギリ…
壁上の人影「…」ヒュオッ!
アルミン「矢だ!」
アルミン「……ハンジさん!」
ハンジ「ぐあっ……!」ズササー…!
エレン「ハンジさん!」
ライナー「待てエレン! ゾンビの大群に突っ込むつもりか!」
ハンジ「……来るな!」ハァハァ…
ハンジ「どうやら私はここまでのようだね……」シャキン
アルミン「なにを……」
ハンジ「信じたくはなかったが……」
ハンジ「どうやら……」ドスッ!
壁上の人影「…」
アルミン「また矢だ!」
ハンジ「ここまで……か……」ドサッ…
エレン「クッソォォォォォ!」
壁上の人影「…」フッ…
アルミン「消えた……?」
ライナー「エレン! 突っ込むな!」
エレン「うおおおおお!」ダダッ!ダダッ!
ミカサ「エレン、待って!」ダダッ!ダダッ!
ライナー「二人とも待て! おい!」
ミカサ「エレン!」ガシッ!
エレン「離せ! 俺はハンジさんを……!」
ミカサ「ゾンビに食われたいの?!」
エレン「うるせぇ!」
ライナー「やめろ! ゾンビの餌食になったらどーするんだ!」
ライナー「ゾンビは動きが遅い! 少し回り込んで壁を登るぞ!」
エレン「ハンジさん……!」
ハンジ「」
ライナー「行くぞ!」ダッ!
ゾンビ「ウオオオ……」
ライナー「!」ザシュッ!
アルミン「さっきの人影は……ハンジさんは……」ダダッ!ダダッ!
ライナー「考えるのは後だ! 回り込め!」ダダッ!ダダッ!
ベルトルト「ゾンビがハンジさんの死体に……」ダダッ!ダダッ!
ゾンビたち「グエエエ……」ワラワラ…ワラワラ…
アルミン「見たくない……!」ダダッ!ダダッ!
-
- 59 : 2014/08/05(火) 17:21:16 :
ライナー「壁に近づけ! さっさと壁を登るぞ!」
ベルトルト「はっ!」パシュッ、シュー!
ミカサ「…」パシュッ、シュー!
アルミン「エレン、早く!」パシュッ、シュー!
ジャン「遅れたら終わりだぞ!」パシュッ、シュー!
エレン「……ちくしょう!」パシュッ、シュー!
ライナー「一気に上がれ!」パシュッ、シュー!
-
- 60 : 2014/08/05(火) 17:21:42 :
〜トロスト区壁上〜
アルミン「やっぱり……」
ジャン「クソッ!」
ジャン「調査兵団も駐屯兵団も使えねぇ! 何してたんだ!」
アルミン「ジャン……」
ライナー「本隊はどこかに隠れているのか、それとも……」
ベルトルト「さっきの『人影』はどこに? そんなに遠くには行ってないはずだけど……」
アルミン「内門を開けたのはおそらくさっきの『人影』の仕業だろうね。調査兵団と駐屯兵団を壊滅させたのも……」
ライナー「そいつを探す他にないな。奴を見つけて真実を吐かせよう」
ベルトルト「調査兵団と駐屯兵団を出し抜けるような人物だよ? 僕たちだけでどうにかなるとは思えない……」
ミカサ「どうにかする必要がある。やらなければならない」
アルミン「ミカサの言う通りだ。ここまで来てしまったからにはやるしかない……」
-
- 61 : 2014/08/07(木) 11:12:36 :
- 期待!
-
- 62 : 2014/08/08(金) 14:10:32 :
ジャン「俺は……母ちゃんを探したい……自分勝手なのはわかってるが……それでも……」
エレン「……ジャン、俺が手伝うぜ。母ちゃんてのは大事だからな、俺はジャンの母ちゃんを探す」
ジャン「……なんだって?」
エレン「言った通りだ。お前を手伝う」
ジャン「死に急ぎ野郎がそんなに情に厚いやつだったとはな」
エレン「うるせぇ、手伝うって言ったら手伝うんだよ」
エレン「アルミン、俺はジャンとジャンの母ちゃんを探す。お前たちはあの『人影』を追ってくれよ」
アルミン「……分かったよ」
ミカサ「エレン?」
エレン「ミカサ……お前は俺が目の前で母ちゃんを食われたのを知ってるだろ? ……巨人にじゃないにしても、ジャンに同じ思いはしてほしくないんだ、分かるだろ?」
ミカサ「…」
ミカサ「……分かった」
アルミン「じゃあ、エレンとジャンはジャンのお母さんを探すとして、僕たちはあの『人影』を追おう」
エレン「悪いな。見つけたらすぐに合流するから」カチャ…
ジャン「悪いなお前ら……すぐに合流する」カチャ…
パシュッ、シュー!
ライナー「……行ってしまったな」
アルミン「僕たちも行こう。『人影』はそんなに遠くには行ってないはずだ」
ライナー「ああ」
ライナー「……どこを探す? しらみつぶしに探してちゃ時間がないしゾンビの問題もある」
ベルトルト「僕の勝手な予想だけど、あの『人影』はまた襲ってくると思うんだ」
ベルトルト「だって、ハンジさんだけを……殺っても、意味がないじゃないか。僕たちがただの訓練兵ってのもあるだろうけど……」
アルミン「そうだね……」
アルミン「幸い日没まではまだ時間がある。できるだけ探そう」
ライナー「決まりだな。行くぞ」
-
- 63 : 2014/08/08(金) 14:10:57 :
〜トロスト区市街地〜
ライナー(クソッ、離脱する機会を完全に失っちまった。ユミルを追わなきゃならないのに……)ヒュンヒュン
ベルトルト(……おそらくライナーは同じことを考えてるはずだ。ユミル、君の正体は一体……)ヒュンヒュン
アルミン「……あれは!」ヒュンヒュン
アルミン「立体機動装置をつけてるぞ! 『人影』だ!」
ミカサ「……私が殺る!」ヒュンヒュン
アルミン(こんなに簡単に見つかるのか……? 罠……?)
アルミン「待ってミカサ!」
ミカサ「……なぜ?」
アルミン「兵団を出し抜くほどの人物が、こんな簡単に見つかるわけがない! 何かあるはずだ!」
ミカサ「そうかもしれない。でも、ここで逃せば二回目はないかもしれない」
アルミン「ミカサ……!」
ミカサ「アルミン、あなたには正解を導く力がある。でも、ここは私に任せてほしい」
アルミン「……分かった。ミカサ、君を信じるよ」
ミカサ「ありがとう、アルミン」シュウウウ!
人影「…」ヒュンヒュン
ミカサ「はっ!」シュッ!
人影「…」サッ!
アルミン「よ、よけたっ?!」
-
- 64 : 2014/08/08(金) 14:11:32 :
- >>61 遅くなってしまって申し訳ありません…
-
- 65 : 2014/08/08(金) 14:34:17 :
- 期待です
バイオハザードみたいで怖い……
-
- 66 : 2014/08/08(金) 14:36:47 :
- 期待
-
- 67 : 2014/08/10(日) 11:09:57 :
- 期待
-
- 68 : 2014/08/10(日) 18:36:57 :
ミカサ「くっ……!」
ミカサ「ライナー!」
ライナー「はあああああ!」シュウウウ!
人影「!」
ライナー「ふんっ!」シュッ!
人影「くっ……!」
アルミン「建物に突っ込む……!」
グシャア!
ベルトルト「壁に突っ込んだ……」
アルミン「尋問してみよう」
スタッ、スタッ、スタッ、スタッ…
-
- 69 : 2014/08/10(日) 18:37:26 :
〜建物内〜
人影「…」
ミカサ「動かないで、削ぐ」シャキン
ライナー「ミカサの言う通りだな。動けば殺す」シャキン
アルミン「まずは、あなたのそのフードを取ってもらいたい」
フードの男「訓練兵のヒヨッコどもが……」
フードの男「こんな世界になっちまったのは誰のせいだと思ってる?」
アルミン「いきなり何を……」
フードの男「知らねぇよなぁ!」バッ!
アルミン「あ、あなたは……」
??ス「俺は中央第一憲兵団所属の……」
ライナー「中央第一憲兵団……?」
?ネス「……ジェル・サネスだ」
アルミン「中央第一憲兵団……?」
サネス「お前らよく何も知らないでのうのうと兵士をやっていられるな。このゾンビどもの原因も知らないで」
ミカサ「だったら説明するべき。早くして。時間がない」シャキン
サネス「お前らは調査兵団の指示に従って動いていたようだが、トロスト区がこんなになっちまったのは全て調査兵団のせいだ」
アルミカ「!」
ライベル「!」
サネス「その顔からすると知らなかったようだな。……まあ無理もないか。あいつらは人類よりも巨人が好きだ。壁内の人類なんかどうでもいいんだろうな」
-
- 71 : 2014/08/10(日) 18:46:24 :
- 期待します
-
- 72 : 2014/08/11(月) 07:29:42 :
- 何、だと、サネスめ駆逐してやる、漫画でも
ウオール今日の信者殺しやがって、ハンジと
エルビィン位しかいないだろ頭いいの、そreni
研究する人はハンジだけだ!
きtai
-
- 73 : 2014/08/11(月) 08:50:37 :
- ハンジのクスリとか?
-
- 74 : 2014/08/11(月) 23:38:09 :
アルミン「証拠は……」
サネス「……ふん、こんなガキども相手に俺が喋るとはな……」
ミカサ「今すぐ削ぐこともできる。やらないのはあなたがこの現状を知っているであろうから。知らないのなら用はない、この場で削ぎ落とす」
サネス「おっかねぇな。やってみろ」
ミカサ「…」ザシュッ!
サネス「……あああああ!」ミギウデナイ
サネス「なにしやがるこのイカれ女!」ボタボタ
ミカサ「やれと言われたからやった。それだけ」
ミカサ「あなたの腕はもう片方ある。それに脚も両方ある。削ぎ落とす場所はいくらでもある。早く話して」
サネス「くっ……なんて野郎だ……」ボタボタ
アルミン「ミ、ミカサ……」ガクガク
ミカサ「なに?」
アルミン「や、やりすぎなんじゃ……」
ミカサ「こいつはハンジさんを殺した。このくらいはやられて当然、むしろ足りないくらい」
ミカサ「エレンはこいつのことを殺したがっていた。だから私も殺したい。でも、有益な情報を持っていると判断したから殺すのを少し先延ばしにしただけ」
アルミン「そ、そうだね……」コワイ
アルミン「……そんなわけだから、話してもらいます、サネスさん」
サネス「俺の口を割れるとでも?」
ミカサ「削ぎ落としが足りなかったのなら言ってほしい、喜んで削ぎ落とす」
サネス「……誤解のないように言っておくが、俺たちは人類のために活動している。むしろ人類を危険に晒しているのは調査兵団だろう?」
アルミン「その理由を聞きたいんです」
サネス「ローゼをゾンビ地獄にしたのは……調査兵団だ」
ミカサ「証拠は?」ブレードグイッ
サネス「……三日前、シーナの研究所が襲撃された。盗まれたのは改良された新型の立体機動装置と……ゾンビウィルス。出動した憲兵団が運良く実行犯の一人を捕まえた」
アルミン「……それが調査兵団だったと?」
サネス「俺の得意技は拷問なんだ。少し爪を剥がしてやったらすぐにゲロった。調査兵団が壁内でクーデターを起こすつもりだとな」
アルミン「調査兵団が……?」
ミカサ「アルミン、こいつが適当にでっち上げているだけかもしれない」
アルミン「うん、でもこの人には嘘をつく理由がない。それに実際、調査兵団は新型の立体機動装置をつけてたじゃないか」
ミカサ「……たしかに」
サネス「……話を続けてもいいか?」
ミカサ「なに? 話す気になったの?」
サネス「お前らはどうせ長くない。ローゼに生き残る道はもうないからな」
サネス「だから最後に壁内がどんな状況かくらいは教えてやる」
ミカサ「長くない? 私たちは死ぬつもりはない」
サネス「そのつもりがなくてもな、無理なもんは無理だ」
サネス「俺たちはローゼでの感染をトロスト区で食い止めるために来たんだ。そこを理解してもらいたい」
ライナー「……ここまで聞いた感じだと、調査兵団がクーデターを起こそうとしたのを憲兵団が阻止しようとしたのか?」
サネス「理解が早くて助かるな。調査兵団は一昨日、トロスト区にウィルスを放った……理由は分からんがな。あっという間に広がった感染は、もちろん止められなかった」
アルミン「内門を開けたのは?」
サネス「もちろん調査兵団だ。ゾンビどもをローゼに拡散させるためにな」
サネス「閉じようとしたが、そのときに仲間は全員やられた。生き残りは俺だけさ」
アルミン「……こうなると、敵が変わってくるね。調査兵団はマリアを目指していたようだけど、それも嘘かもしれない」
ベルトルト「この人が本当のことを言ってるとすると、トロスト区は危険だ。一番安全なのはシーナということになる」
ライナー「じゃあこいつと一緒にシーナまで行くか?」
アルミン「いや、まだだ。調査兵団にも話を聞かないとダメだと思う」
ライナー「調査兵団? トロスト区のどこに隠れてるか分からないんだぞ。もういないかもしれない」
アルミン「たしかにそうだけど……」
アルミン「!」
アルミン「リヴァイ兵長がいた……」
-
- 76 : 2014/08/13(水) 13:46:28 :
- 期待
-
- 77 : 2014/08/15(金) 00:31:04 :
ライナー「リ、リヴァイ兵長を騙すのか?」
ライナー「無謀だ。人類最強を騙すなんて……」
リヴァイ「……俺がどうかしたのか?」
アルミカ「!」
ライベル「!」
サネス「!」
リヴァイ「俺を騙すとは何の話だ?」
サネス「ちっ、調査兵団で一番のイかれた野郎が出てきやがったか」
リヴァイ「お前は黙ってろ、王政の犬が」
アルミン「リヴァイ兵長……」
リヴァイ「お前らと別れたあと、あの奇行種のゾンビとやりあった。思った以上に動きは早かったが、俺の手にかかれば余裕だったな」
リヴァイ「駆逐したあと、すぐにお前らを追いかけた。そして……ハンジの死体を見つけた。どういうことだ?」
サネス「俺が殺ったんだよ」
リヴァイ「……あ?」
サネス「裏切り者のお前らを駆逐するのは当たり前だろーが」
リヴァイ「……おい、なんでこいつを殺ってないんだ?」
アルミン「今、調査兵団が壁内でクーデターを起こそうとしていると聞いたんです……」
リヴァイ「……そうか」
リヴァイ「……そいつの言うことは事実だ。俺たちはクーデターを起こそうとしていた」
アルミン「どういうことですか!」
ミカサ「落ち着いてアルミン」
ライナー「おい、壁を壊さなくても壁内は崩壊するんじゃないか……?」ヒソヒソ
ベルトルト「うん、君の言う通りかもしれないよライナー」ヒソヒソ
リヴァイ「そこの女の言う通りだ、落ち着け」
サネス「安心しろ、俺が説明しといたからな」
リヴァイ「黙れ、と聞こえなかったのか?」
サネス「どうせ俺の仲間は全員お前ら調査兵団に殺されたからな、どうにでもしてくれ」
リヴァイ「中央憲兵は……仕える相手を間違えた。あの王の下では壁内に未来はない」
-
- 78 : 2014/08/15(金) 00:31:27 :
- >>76 ありがとうございます!
-
- 79 : 2014/08/15(金) 13:20:35 :
- 期待です!
-
- 80 : 2014/08/16(土) 12:45:39 :
サネス「何とでも言え。壁内の安定は王と俺たち中央憲兵が守ってきたんだ」
リヴァイ「……これ以上は無駄だな」
ザシュッ!
アルミン「リ、リヴァイ兵長……!」
リヴァイ「……ちっ。こんなとこ見せちまったら調査兵団が壁内を混乱させようとしてる悪の権化にしか見えねぇな。……ついてこい。お前らをエルヴィンに会わせる」
ミカサ「……待って! エレンが……エレンがまだ帰ってきてません!」
リヴァイ「……そーいや二人足りねぇな。どこ行った?」
ミカサ「ジャン……ジャンの母親を探すために別行動しています……」
リヴァイ「別行動? こんなときにすることじゃねぇ。ふざけてるのか?」
ミカサ「いいえ。エレンは本気です」
リヴァイ「……どうやって合流するんだ?」
ミカサ「そ、それは……」
アルミン(しまった……! ハンジさんが殺されてそこまで頭が回らなかった……!)
アルミン「……信号弾を打ってみるのはどうでしょうか」
リヴァイ「信号弾か……。悪くねぇ。別れてからどれくらい経った?」
アルミン「三十分くらいです」
リヴァイ「そいつの家は分かってるんだろ? 見つかるならもう見つかってるはずだ。信号弾を打て」
アルミン「は、はい……」
ライナー「アルミン、俺が打つ」パシュウゥゥゥ!
リヴァイ「十分待って来なかったらあいつらはゾンビの餌食になったと考える。本隊と合流するぞ」
ミカサ「……考える? 死んだかも分らないのに?」
リヴァイ「それが組織行動だ。お前だけ離脱するのは許さん」
ミカサ「…」ギリッ
アルミン「リヴァイ兵長……」
リヴァイ兵長「なんだ」
アルミン「敵はいったい何なんでしょうか……」
リヴァイ「敵? はっきり言おうか。敵は王政だ。さらに言えば壁内に味方はいない。味方は調査兵団と一部の駐屯兵団だけだ」
-
- 81 : 2014/08/16(土) 12:46:04 :
- >>79 ありがとうございます!
-
- 82 : 2014/08/16(土) 13:38:51 :
- これスピンオフとして売れるんじゃないですか?
期待してます
-
- 83 : 2014/08/19(火) 00:54:20 :
- きったぁい
-
- 84 : 2014/08/23(土) 20:33:34 :
- まだですか〜
期待!
-
- 85 : 2014/08/25(月) 19:28:49 :
- いろいろ予定が立て込んでてストーリー考える時間がありません…もう少し待っててください…
-
- 86 : 2014/08/25(月) 19:29:18 :
- >>82 遅くなってすみません、スピンオフ!売れたら嬉しいです〜笑
-
- 88 : 2014/08/27(水) 23:54:52 :
- いつまでも待ちますっ!!
-
- 89 : 2014/08/28(木) 15:52:49 :
アルミン「一部の駐屯兵団?」
リヴァイ「大多数は王政……というよりは憲兵団側についた。ほとんどの兵士は実情を知らない」
リヴァイ「……良かったな、お前らの大切な仲間が来たようだ。話は後だ」
ミカサ「……エレン!」
エレン「お前ら!」スタッ
ジャン「信号弾が見えた……すまなかったな」スタッ
アルミン「お母さんは……?」
ジャン「クソッ! いなかった……」
リヴァイ「揃ったなら行く。グズグズしてる時間はねぇぞ」
エレン「リ、リヴァイ兵長!」
エレン「……てか、な、なんだよこの死体……」
アルミン「す、進みながら説明するよ……」
リヴァイ「本隊はもう出発しちまったみてーだからな、後を追うぞ」
-
- 90 : 2014/08/28(木) 15:53:18 :
〜トロスト区壁上〜
アルミン「──だから、リヴァイ兵長がサネスさんを殺したんだ」
エレン「そうか……リヴァイ兵長、クーデターはどうやって起こすんですか」
リヴァイ「まず言っておくが、ゾンビウィルスが巻かれたのは俺たちのせいじゃない。王政が持っているのが危険すぎたから俺たちが奪った。クーデターはシーナの主要部を制圧して終わりのはずだった」
アルミン「……失敗したんですか?」
リヴァイ「そうだ。四日前、秘密裏に潜入した調査兵団がそれぞれ主要部を攻撃した。だが、憲兵団が待ち伏せていた。どこから情報が漏れたかは分からねぇが……ほとんどは殺された」
リヴァイ「それが原因でシーナの壁が閉ざされた。俺たちがクーデターに失敗したせいだ」
リヴァイ「……本隊は予定通りマリアに向かってるはずだ。後を追うぞ」
ジャン「……ゾンビウィルスは、なぜ撒かれたのですか」
リヴァイ「……一昨日、中央憲兵が撒いた。実験と称してな。実際は調査兵団の隠れ家を潰すためだったが」
ジャン「クッソ!」
-
- 91 : 2014/08/28(木) 15:54:04 :
- >>88 少しですが、よろしくお願いします!
-
- 92 : 2014/08/29(金) 19:04:33 :
リヴァイ「ウィルスは研究所から全部奪ったはずだった……新型の立体機動装置と一緒にな。中央憲兵の奴らは全てを研究所に保管するようなバカじゃなかったらしい」
アルミン「こんな事態なのになぜ公になっていないのですか?」
リヴァイ「王政の完璧な情報統制だ。シーナは完全にローゼと隔離された。それに調査兵団のクーデターも夜中だったからな。シーナの住民はゾンビの存在すら知らないだろう」
アルミン「なるほど……」
リヴァイ「長話が過ぎたな。今度こそ行くぞ」
リヴァイ「ここからは巨人の領域だ。とりあえず馬が繋いである場所まで戻るぞ」
ライナー「馬……まだいるかどうか分かりません……」
リヴァイ「あ?」
ライナー「ハンジさんが殺られて……慌てて壁を登ったので……」
リヴァイ「ちっ、馬を繋がずにサネスの野郎を追いかけたのか」
ライナー「はい……」
リヴァイ「仕方ねぇな。まずは見に行くぞ。兵団の馬は優秀だ。まだいるかもな」
-
- 93 : 2014/08/29(金) 19:06:22 :
〜ハンジ殺害場所付近・壁上〜
ライナー「いない……」
リヴァイ「馬がないならマリアに行くのは無理だ」
リヴァイ「……不本意だが訓練兵団の施設に戻るぞ。馬を調達する」
ライナー「徒歩だとかなりの時間が……」
リヴァイ「全員で行くと思うか? 一人だけ俺と一緒に馬に乗って来てもらう」
リヴァイ「残りはこの壁上で野営の準備だ。夕方までに全て整えとけ」
アルミン「……僕が行きます。行かせてください」
エレン「アルミン?! あそこに戻るのは危険だ。俺が行く」
アルミン「……いいんだ。僕も役に立ちたい」
ミカサ「アルミンはすでに役に立っている。アルミンは私たちにはない頭脳を持っている」
ミカサ「ので、戦闘で役に立っていないかもしれないと思う必要は全くない」
アルミン「……そうかな」
アルミン「僕は強くなりたいんだ。リヴァイ兵長、足手まといにはなりません。僕を連れて行ってください」
リヴァイ「おい、これは遊びじゃねぇんだぞ」
アルミン「分かってます……本気です」
リヴァイ「……俺の馬はもう少し離れた所に繋いである。ついてこい」
アルミン「はい!」
リヴァイ「残りの奴らはさっき言った通りだ。出発は夜だ。巨人どもが動かないうちにマリアに到着する」
-
- 94 : 2014/08/31(日) 16:38:06 :
- きたい
-
- 95 : 2014/09/03(水) 16:31:23 :
ライナー「了解です。焚き火は大丈夫でしょうか?」
リヴァイ「いいだろう。どうせこの周辺にはもう人がいない」
リヴァイ「……おいアルミン、行くぞ」タッタッタッ
アルミン「みんな、あとでね」タッタッタッ
エレン「行っちまった」
ジャン「……野営の準備、しようぜ」
ライナー「ジャンがやる気とは珍しいな」ハッハッハ
ジャン「うるせぇ! 何かやってないと気が滅入っちまうんだよ」
ライナー「よし。それならジャンとミカサには薪をお願いしたい」
ジャン「?!?!」
ミカサ「?」
ライナー「なんだ、別に深い意味はないぞ。立体機動装置を使って使えそうな木材を集めてくれ」
ライナー「その間に俺たちは食えそうな物を探してくる」
ライナー「あと、ゾンビに気をつけてな」
ジャン「お、おう……!」ドキドキ
ジャン「い、行こうぜミカサ!」
ミカサ「分かった、行こう」
パシュッ、シュー!
エレン「なんでミカサとジャンなんだ?」
ライナー「細かいことは気にするなエレン。なんとなく、というやつだ」
エレン「まあいいか。俺たちは食料調達だろ? 行こうぜ」
ライナー「おう。ベルトルト、お前はここにいてくれ」
ベルトルト「分かったよ」
ライナー「エレン、行くぞ」
エレン「ああ」
パシュッ、シュー!
-
- 96 : 2014/09/03(水) 16:31:37 :
〜ジャン・ミカサ組〜
ジャン(何か話さないとな……)
ジャン「あの、ミカサ……両手が塞がった状態でどうやって薪を運ぶんだ?」ヒュンヒュン
ミカサ「紐で背中に縛ればいい。それで大丈夫なはず」ヒュンヒュン
ジャン「……そうだな!」
ジャン「ミカサは天才だぜ!」
ミカサ「そんなことはない。普通に思いついただけ」
ジャン「そ、そうだな……」
ミカサ「ゾンビがいる。私が殺る」ヒュウウウ
ミカサ「はっ!」ザシュッ!
ジャン「は、速い……」
ジャン(いくら立体機動が得意な俺でもあれほどの速さは出ない)
ミカサ「……この家にしよう」スタッ
ジャン「おう」スタッ
-
- 97 : 2014/09/03(水) 16:31:56 :
- >>94 ありがとうございます!
-
- 98 : 2014/09/03(水) 16:38:55 :
- 期待です!
-
- 99 : 2014/09/04(木) 16:44:06 :
〜エレン・ライナー組〜
ライナー「エレン、市場に向かうぞ」ヒュンヒュン
エレン「了解だ。まだ食料が残ってるといいな」ヒュンヒュン
ライナー「……略奪されてないといいが」
エレン「……市場の場所、分かるのか?」
ライナー「……すまん」
ライナー「ミカサとジャンに食料を任せるべきだったか」
エレン「時間はあるんだ。探そうぜ」
ライナー「そうだな」
ライナー「……アルミンのこと、心配か?」
エレン「ああ。だけどあいつがあんなこと言うの初めて聞いたからな。それにリヴァイ兵長もいるし……」
ライナー「信頼してやることが大事なんじゃないか? アルミンは信頼を欲しがっているように見えたぞ」
エレン「信頼? 俺は昔も今もあいつを信頼してるよ。あいつには何回も救われたんだ。あいつには自覚がないみたいだけど」
ライナー「一言そういってやればいいじゃないか。そうすればアルミンは頭がいい、すぐに分かるはずだ」
エレン「帰ってきたら言うよ。ありがとな、ライナー」
ライナー「気にするな」
ライナー「……それよりあれは市場じゃないか?」
エレン「ホントだ。運がいいな俺たち」
ライナー「こんなにすぐ見つかるとはな。近づこう」
エレン「ああ」
-
- 100 : 2014/09/04(木) 16:44:20 :
- >>98 ありがとうございます!
-
- 101 : 2014/09/06(土) 15:59:26 :
〜ジャン・ミカサ組〜
ジャン「……こんなもんか。悪いな、ミカサにも持たせちまって」ヨイショ
ミカサ「いいえ。こんなのどうってことない」ヒョイ
ジャン「この家主には申し訳ないな。使える机とか棚とか全部ぶっ壊しちまったから」ハハハ
ミカサ「生き残るため。仕方がない」キリッ
ジャン「あ、ああ。そうだよな」
ジャン(ジョークのつもりだったんだが言わないほうがいいよな……)
ジャン「じゃあ、戻るか。早いほうがいいだろ」
ミカサ「ええ、戻りましょう」
-
- 102 : 2014/09/06(土) 15:59:45 :
〜エレン・ライナー組〜
ライナー「意外と荒らされてないようだな」
エレン「そんな余裕もなかったってことじゃねーか?」
ライナー「そうかもな」
ライナー「……見ろ、ゾンビだ」
エレン「三体か……やるぞ」
ゾンビたち「グオォォォォ……」
ライナー「右の二体は俺がやる。左は任せたぞ」タタタッ
エレン「分かった。一気にいくぞ」タタタッ
ライナー「はあっ!」ザシュッ!
エレン「うりゃっ!」ザシュッ!
ライナー「ふんっ!」ザシュッ!
エレン「……余裕だったな。もう見当たらないしさっさと食料持って帰ろうぜ」
ライナー「ああ、そうだな」
-
- 103 : 2014/09/08(月) 22:29:01 :
- 期待っです(((o(*゚▽゚*)o)))
めっちゃ面白い(≧∇≦)
-
- 104 : 2014/09/09(火) 19:38:04 :
〜壁上〜
ベルトルト(なんだかんだみんながちゃんと帰ってくるか心配だ)
ベルトルト(僕たちは人類の敵だけど……それでも仲間だと思ってしまうのはどうしてだろう……)
ジャン「ベルトルト!」シュー、スタッ
ベルトルト「……おかえり、ジャン、ミカサ。薪は集まった?」
ジャン「この通りな」バラバラバラ
ベルトルト「じゃあ、さっそく火を起こそうか」
ミカサ「手伝おう」
ベルトルト「火は僕がやるよ。薪をお願いできるかな」
ミカサ「分かった」
ジャン「俺のやることがなくなっちまったな」
エレン「戻ったぜ!」シュー、スタッ
ライナー「市場がすぐ見つかって助かった」シュー、スタッ
ベルトルト「ちょうどジャンとミカサも戻ってきたところなんだ」
ライナー「……まだ早いが何か食べようか。色々あったせいか腹が減った」
ジャン「そうだな。今日は落ち着く余裕もなかったしな、腹減ったぜ」
ベルトルト「火を通さなきゃダメなやつは僕が調理しとくよ。みんな先に食べてて」
ライナー「悪いな。先にもらうぞ」モグモグ
エレン「パンがこんなにうまかったなんて……」モグモグ
ミカサ「日頃から食料に感謝しなくてはダメ、エレン」モグモグ
エレン「人類が滅びようとしてるときまで説教かよ!」
ミカサ「これから生き残るならばさらに感謝しなければならない。食糧難はもっとヒドくなる」
-
- 105 : 2014/09/09(火) 19:38:23 :
- >>103 そう言ってもらえるととても嬉しいです!
-
- 106 : 2014/09/10(水) 18:48:57 :
ライナー「仲がいいのは分かったから喧嘩はやめろお前たち。ジャンが泡を吹きそうだ」
ジャン「クソッ、羨ましい……」ブツブツ
エレン「はぁ? どこが羨ましいんだよ! 俺みたいに毎日説教されてみろ!」
ジャン「ああ? そんなだけ気にかけてもらってるんだろーがてめぇ! ふざけんな!」
ライナー「おいおい……喧嘩ばっかりするなよ」
エレン「……ちっ」
ジャン「……けっ」
ライナー「……そういえば兵長とアルミンは今頃どこらへんだろうな?」
ジャン「……さあな。無事に帰ってくりゃなんでもいい」
エレン「ムカつくがジャンに賛成だ。無事ならなんでもいい」
ジャン「……一言余計だろーが」ボソッ
エレン「あ? なんか言ったか?」
ジャン「なんでもねぇよ。それよりこれからどーすんだ?」
ジャン「マリアに向かうっつってもいきなりすぎて頭がついていかねぇ」
ライナー「俺もだ。マリアに着いてから戦力を整えてシーナに向かい、王政を打倒する……現実的な話ではないな」
ベルトルト「確かにね。でも調査兵団は何か理由があって王政の打倒に動いたんだと思うけど」
ライナー「理由か……リヴァイ兵長はあの王政の下では壁内に未来はないと言っていたがどういうことだ?」
ジャン「俺たちはただの訓練兵なんだぜ? お偉方の考えることなんざ分かるわけねーだろ」
ライナー「……壁内の問題は俺たちに直接関わってくるんだ。考えないわけにもいかんだろう」
エレン「リヴァイ兵長が帰ってきたら聞けばいいんじゃないか?」
ライナー「その通りなんだがな、少し俺たちで考えてみようってわけさ」
-
- 107 : 2014/09/12(金) 20:02:01 :
ベルトルト(ライナー……完全に兵士だよ……)
ジャン「まあ、どうせアルミンと兵長が戻ってくるまで暇だしな。いい暇潰しになりそうだ」
ジャン「……勝手な想像だが、調査兵団は王政がゾンビウィルスの研究をしているのを知ってて機会を伺っていたんじゃないか」
ライナー「そして今回のタイミングでってワケか。王政がゾンビウィルスを撒く前に阻止しようと」
ジャン「ああ。王政がなんのためにゾンビウィルスを撒こうとしてたかは分からないが……」
ライナー「そこだな。何のためにあんなウィルスを撒こうとしていたんだ?」
リヴァイ「それには俺が答えてやる」
ジャンライ「?!」
エレミカ「!」
ベルトルト「…」
エレン「リヴァイ兵長!」
リヴァイ「おいアルミン、さっさと上がってこい」
アルミン「は、はい……」シュー
アルミン「はぁはぁ……」スタッ
エレン「アルミン!」
ミカサ「おかえり、アルミン」
アルミン「た、ただいま……」ハァハァ
リヴァイ「こいつは体力はないがそれなりによくやった。何か食える物でも渡してやれ」
ベルトルト「どうぞ、アルミン」パントミズヲサシダス
アルミン「ありがとう」
アルミン「……おいしい」ゴクゴク
リヴァイ「とりあえず人数分の馬は確保してきた。日没までは休憩だ」
リヴァイ「……それまで俺たち調査兵団がクーデターを起こした経緯を話してやる」
ライナー「……ありがとうございます」
リヴァイ「どこに感謝してやがる? 俺が勝手に話すだけだ」
ライナー「いえ……」
ライナー(俺は戦士だ。壁内の事情はしっかりと把握しなければ)
-
- 108 : 2014/09/19(金) 16:25:46 :
リヴァイ「まあいい」
リヴァイ「……一週間前、俺たち調査兵団はある情報を得た。王政がある計画を実行に移そうとしてるとな」
アルミン「それがゾンビウィルスだったんですか?」
リヴァイ「そうだ。王都での会議に出席したエルヴィンたちが持ち帰ったその情報は確固たる証拠があった──被験者だ。エルヴィンたちは被験者を一緒に持ち帰った」
ベルトルト「…」
アルミン「被験者……」
リヴァイ「ああ。まさしく今日お前らが見てきたあのゾンビだ。それから調査兵団はすぐに動いた。可能な限り最速でシーナへ向かい、潜入した」
リヴァイ「──あとはサネスのときに話した通りだ。俺たちは敗走し、中央憲兵はゾンビウィルスを撒いた。俺たちをあぶり出すためにな」
リヴァイ「王政の企みは結局分からなかった……俺たちはほぼ壊滅したからな」
ライナー「…」
アルミン「…!」
アルミン「兵長……向こう側に人影が」
アルミン「生存者ではありませんか?」
リヴァイ「……どうやらそのようだ。クーデターの件はひとまず置いといて合流するぞ。ゾンビは壁を登れないからな」
ジャン「味方ですか?」
リヴァイ「トロスト区で襲撃してきた中央憲兵はサネスが最後のはずだ。あいつらによほどでなければ攻撃を仕掛けてくる理由がない」
エレン「ジャンの母ちゃんの安否も分かるかもな!」
ジャン「……ああ、そうだな」
リヴァイ「行くぞ。信号弾を打て」
ミカサ「私が打ちます」パシュウゥゥゥ!
パシュウゥゥゥ!
アルミン「向こう側からも信号弾だ! 合流しよう」
タッタッタッ…タッタッタッ
ライナー「あ、あの光り具合は……!」
アルミン「まさかキース教官?!」
エレン「キース教官!」
キース「!」
キース「貴様ら! 生きていたか!」
-
- 109 : 2014/09/22(月) 15:18:25 :
リヴァイ「キース元団長か」
キース「これは……リヴァイ。調査兵団の指示通り訓練施設を封鎖したが、ダメだったようだ」
リヴァイ「そのようだな。こいつら以外に生き残りはいない」
キース「クソッ……私がしっかりしていれば……」
リヴァイ「世の中全ての命に対して責任を負うことはできない」
キース「ああ、そうだな……」
キース「……エルヴィンから伝言だ。本隊は予定を変更してシーナへ向かった。民間人はローゼ内の別の街へ移動させている」
キース「今のところゾンビの被害は南側領土だけのようだ」
リヴァイ「予定を早めたか。マリアへ向かう計画は?」
キース「それは被害地域がローゼ全域だった場合だけだ。エルヴィンも被害が南側領土だけということを聞いて驚いていた」
リヴァイ「調査兵団の想定が早すぎたか。まだ被害はそこまで大きくはないと」
キース「そのようだ。カラネス区やクロルバ区からの伝令によれば、街は機能していてトロスト区の避難民を受け入れる準備がある」
キース「もはや一刻を争う王政との戦争だ。エルヴィンはトロスト区の避難民たちを訓練兵団の私たちに任せ、シーナへ向かったんだ」
リヴァイ「ちっ、ここ数日の動きが早すぎて追いつかねぇな。……俺たちはシーナへ向かうべきか」
キース「そうしろ。エルヴィンはもう一度夜中に潜入するつもりだ。スパイはまだ分からないがもう時間がない。刺し違えてでも王政を倒すつもりらしい」
リヴァイ「エルヴィンが焦ってるのか? 珍しいな」
キース「とにかく時間がない。今すぐ馬を出せ」
キース「……! 後ろだ!」
リヴァイ「!」シュッ! ガキィィィン!
「おい!」
「なにを……?」
「どうして……」
「血迷ったか?」
「…」
???「俺も相当腐ってるな……」
-
- 110 : 2014/09/28(日) 22:36:54 :
リヴァイ「てめぇ、何様だ?」
リヴァイ「お前ら、ブレードを抜け。こいつは始末する」
??ン「ふっ……せめて裏切った理由を聞いてください」
リヴァイ「理由? そんなのは知らねぇ。てめぇは俺に刃を向けた。どんな理由があろうとお前を始末する理由はこれで十分だ」サッ…
?ャン「そうですよね……」
ジャン「じゃあ本気で」シュッ!
ガキィィィン!
エレン「なんでだよジャン……」
ジャン「エレン、お前なら分かるはずだ。母親がどれほど大切か」
アルミン「まさか……」
ジャン「そうだよアルミン。俺は母ちゃんを人質に取られたんだ」
リヴァイ「てめぇに話すほど余裕はない」シュッ!
ジャン「おっと」サッ
ジャン「リヴァイ兵長、仲間が一気に死にすぎて動揺してるんじゃないですか? 人類最強が俺なんかも一撃で殺せないなんて」
リヴァイ「……なんとでも言え」
リヴァイ「貴様はここで死ぬ」
ジャン「俺はここであなたを始末しなければ、母ちゃんが死ぬんです。分かってください」
ジャン「人類最強なんて倒せるわけないと分かってますが……それでもやらなきゃいけないんです」
リヴァイ「残念だ、ジャン」
ミカサ「……ジャン、エレンを危険に晒してはダメ」ザクッ!
ジャン「……ミカ……サ……」ボタボタ
ジャン「どうせ殺されるなら……お前に……」バタッ
キース「……同期なら刃を抜けてこないと踏んでここで仕掛けてきたか」
キース「リヴァイ、こいつは104期の中でも優秀な人材だった。母親が人質に取られていたのも本当だと思うのだ。私に埋葬させてくれ」
リヴァイ「……俺たちはシーナに向かう。今から向かえば夜中頃に侵入できるだろうからな」
キース「分かった。遺体はこちらで預かる。エルヴィンたちを追え」
キース「……そしてお前ら。死ぬなよ」ジャンヒョイッ
エレン「……はい」
リヴァイ「行くぞお前ら。今日の夜中にはエルヴィンに追いつく」
アルミン「ミカサ、大丈夫?」
ミカサ「ええ。ジャンは裏切った。それは事実」
アルミン「そうだけど……」
ミカサ「大丈夫」
アルミン「……それならいいんだ」
リヴァイ「壁を降りて馬に乗れ。出発する」
-
- 111 : 2014/10/23(木) 12:34:16 :
- 期待です
-
- 112 : 2015/01/12(月) 11:35:47 :
- 期待です!!
放置はやめてね★
-
- 113 : 2015/09/29(火) 22:29:14 :
- こんなに面白いのに放置かー?
-
- 114 : 2020/10/06(火) 13:19:11 :
- 高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
http://www.ssnote.net/archives/80410
恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
http://www.ssnote.net/archives/86931
害悪ユーザーカグラ
http://www.ssnote.net/archives/78041
害悪ユーザースルメ わたあめ
http://www.ssnote.net/archives/78042
害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル)
http://www.ssnote.net/archives/80906
害悪ユーザー提督、にゃる、墓場
http://www.ssnote.net/archives/81672
害悪ユーザー墓場、提督の別アカ
http://www.ssnote.net/archives/81774
害悪ユーザー筋力
http://www.ssnote.net/archives/84057
害悪ユーザースルメ、カグラ、提督謝罪
http://www.ssnote.net/archives/85091
害悪ユーザー空山
http://www.ssnote.net/archives/81038
【キャロル様教団】
http://www.ssnote.net/archives/86972
何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
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