このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
アニ「親友だったんだよ」
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- 1 : 2014/07/13(日) 03:59:37 :
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コツン__コツン__
ああ、今日も監視が来た。
コツン__キィガチャ
今日は誰だろう・・・あの眼鏡の人かな?それとも兵長?
「アニ・・・」
発せられた声は聞き慣れた声だった・・・
ああ、”ミカサ”だ___
ただ、名前を呼ばれただけだというのに
心を握りつぶされてしまうのではないかという激痛が走る。
そしてゆっくりと思い出す
そう__
初めて、名を呼ばれたときの事を___
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- 2 : 2014/07/13(日) 04:10:39 :
- ミカサ「ねえ、あなた。」
アニ「?・・・なんだい?」
ミカサ「あなたエレンのこと、どう思っているの?」
アニ「はあ?」
ミカサ「あなたは対人格闘の時いつもエレンとくんでいる何か特別な感情があるのかと思ったのだが・・・」
アニ「アンタさ、それ。本当に言ってる?」
ミカサ「ええ。」
アニ「私はあんな弱い奴にわざわざ感情を持つほど暇じゃないんでね・・・」
ミカサ「あなた、それは言い過ぎさすがにエレンがかわいそう」
アニ「なんだい。事実じゃないかい。」
ミカサ「フッ・・・たしかに、それもそうね。」
アニ「用事はすんだかい、もう行きたいんだけど」
ミカサ「ええ・・・時間を取ってしまい申し訳なかった」
アニ「いいよ、別に」
ミカサ「では、私ももう行く。それでは”アニ”。また今度。」
彼女が最後にいった私の名前が私の心の中を反響し、徐々に暖かくしていった・・・
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- 3 : 2014/07/13(日) 04:10:57 :
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- 4 : 2014/07/13(日) 04:16:04 :
「アニ_聞こえている?」
ミカサの声が狭ッ苦しいこの地下牢を反響しながら私に届く。
(ああ__まるで、あの時の私の心の中と一緒ではないか・・・)
そんな事を考えながらミカサの次に続く声を待つ。
「アニ、ねえ、覚えてる?」
あの時。私たちが、トモダチになれた日を_____
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- 5 : 2014/07/13(日) 04:47:15 :
あの日は久しぶりの休暇で少しウキウキしていた
だが、それも気まぐれな天気のせいで打ち砕ける。
アニ「・・・まったく。ついてないよ。」
休暇だから久しぶりに新しい服でも、と最寄りの服屋に行ったものの
さあ、帰ろうと外に出てみれば・・・
ザザザザザザザザザザザザザザザザザ___
ザーなどではなく、鉄玉が空から落ちてくるようなほどの雨が降っていた
アニ「はあ・・・ほんとについてない・・・」
さて、どう帰ろうかと自問自答していた頃
ミカサ「アニ?」
同期の少女が話しかけてきた。
アニ「なんだい、ミカサかい。」
ミカサ「アニ、こんな土砂降りの中なにをしているの?」
アニ「ミカサ、それはこっちの台詞。なぜあんたは雨宿りもせずにびしょ濡れになってんだい。」
ミカサ「ここらあたりの店は雨の日にシャッターを閉めないといけない店多いから・・」
アニ「あんたそれで・・・」
ミカサ「アニ、あなたカサは持ってる?」
アニ「持ってたらもう帰ってるよ」
ミカサ「そう、ならよかった。これ、使って頂戴」
そういって差し出したのは水色のクリア傘。
アニ「!?あんたっこれ持ってんならさしなよ。」
ミカサ「もうここまでぬれたのだからもういいかと思って・・・」
アニ「だからって・・・」
ミカサ「私はもういらない。だからこれ、アニが使ってほしい」
と、ミカサは強引にアニに持たせる。
アニ「はあ・・・イヤだよ。」
ミカサ「!なぜ?」
アニ「なんで持ち主が使わないのに私がつかうんだい。」
ミカサ「いえ、私はあなたに使ってほしい。」
アニ「いいってば!」
力の強い二人が同時に押し合ってその負荷に耐えられないカサはミシミシと言ってる。
アニ「ほら、こわれる、よ!」
アニがよりいっそう力を入れたときだった。
ボギッ
カサがまっぷたつになった
ミカサ「あぁ」
アニ「カサ」
「「壊れた・・・」」
二人で同じ事言ってしまい少し目を見開き見つめ合う二人
プッ
どちらかがそう笑うと
「ふふふふ」
「はははっ」
二人の笑い声がこだまする。
アニ「まっぷたつってw」
ミカサ「力を入れすぎたわねw」
いつの間にか空は真っ青になってて所々の店がシャッターをあけていく。
それはまるで・・・
二人の心の扉が、シャッターと共に開いていくようだった。
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- 6 : 2014/07/13(日) 04:47:31 :
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- 7 : 2014/07/13(日) 04:52:02 :
- ああ、そんな事もあったっけな・・・
ミカサにはばれないようにうっすらと目をあける。
ああ、きっと、今私が見えてるクリアな青は私たちのトモダチと言うものなんだろうな・・・
らしくない思考回路に少し戸惑いながらも一人納得する。
ああ、しあわせって、こういう事かな・・・?
そんな考えにも”らしくない”で終わらせて一人で納得した。
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- 8 : 2014/07/13(日) 06:57:06 :
- 期待
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- 9 : 2014/07/16(水) 21:59:18 :
- ミカサ「私は・・・あの時。貴方と、”友”に、なれたと思えた。」
フフッ
表情に出さないように脳内で笑う。
何だ・・・アンタも、おんなじ気持ちだったんだね・・・
自分を嘲笑うような笑いがこみ上げる。
これは・・・いったい何に対しての笑いなんだろう___
未だに過去に縛りついてる自分への?
未だに人の命を散らすという行為をためらう事を?
未だに故郷に帰れていないという事を?
いや_違う_
自分にとって大切な”トモダチ”を裏切ったという事実に対しての・・・嘲笑い。
だけど、私はそれを認めちゃいけない。
だって、それは。
故郷を・・・あの二人を裏切ってしまうという事なのだから・・・
でも・・・こうやって・・・
ミカサ『アニ!』
”もしもこうだったら・・・”って位は・・・許して・・・くれるかい?
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- 10 : 2014/07/17(木) 00:08:08 :
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- 11 : 2014/07/17(木) 00:10:49 :
- ミカサ「アニ・・・」
ミカサが話出す。
ミカサ「ねえ、アニ。貴方はまだ、持ってる?」
あの石を・・・
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- 12 : 2014/07/17(木) 00:13:50 :
- そう。たしかあれは、二人ペアで行う立体起動装置のテストだった。
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- 13 : 2014/07/17(木) 00:15:40 :
- 期待!
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- 14 : 2014/07/23(水) 18:20:52 :
- キース「今日は立体起動~~~」
アニ「」チラッ
ミカサ「」チラッ
アニミカサ「ッ」
アニミカサ「」フンッ
私たちがこんなに火花を散らし合っていたのはこの訓練の前の日だった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ミカサ「アニ!あなた、調査兵団に入るって本当!?」
アニ「・・・まあ、少し考えてるだけだけど・・・(憲兵団に入るのはベルトルトが変わってくれるって言ってくれるだろうし・・・)」
ミカサ「アニ、やめた方がいい。」
アニ「は?」
ミカサ「貴方は、憲兵団に入った方がいいと言っているの」
アニ「はあ?」
その時の私は調査兵団に入団する事を、ただ、純粋に、喜んでくれると思っていた。
アニ「なんであんたの言う事を聞かなきゃいけないというの?」
ミカサ「貴方は、成績もいいし物事をしっかりと判断できる。」
ミカサ「だから、こそ。それにアニ「どうせ、っしょにいたくないんだろ?」!?なにを言っているの!?」
アニ「どうせ・・・一緒に居たくなんか・・・」
このときの私はこの言葉でいっぱいになり
ミカサの言ってる事も・・・
ましてや、真実さえも・・・
だが・・・
それに対し・・・
後悔する事になるなんて・・・
予想すら出来ずにいた・・・
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- 15 : 2014/08/08(金) 20:32:17 :
- 最悪だ・・・
ペアが発表された。まさか、ミカサと一緒になるだなんて。
ミカサも顔をこわばらせている
『一緒に居たくない___』
自分で言ったあの言葉になぜか、悲しみを覚える
謝らなければ__
頭では分かってるのになかなか実行は出来ない。
謝った事を拒絶されてしまったら_
この”トモダチ”が終わってしまったら_
謝ったときに起こるかも知れない悪い事が頭をよぎる
結局私は恐怖心に負けて、謝る事が出来なかった
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