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Sieg-ジーク- 食と道楽の国トラウム編

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  1. 1 : : 2014/07/12(土) 22:55:05
    どうも、sugarです!


    Sieg第二章、トラウム編がいよいよ始まります!
    新たな旅が始まり、ジーク達の目の前に広がる広大な世界!

    入り乱れる新たな人物!
    誰が味方で誰が敵?
    無事にこの国を出られるのか!?

    お初の方は第一章もよろしくお願いします!
    第一章からお読み頂いている方も、質問板等ご利用してください!

    それでは、第二章スタート!
  2. 2 : : 2014/07/12(土) 23:21:38
    楽しみです!!
    期待!!!!
  3. 3 : : 2014/07/13(日) 08:25:46
    第二章キタァァァァァ!!!!!
    期待期待!!!!!
  4. 4 : : 2014/07/13(日) 15:24:33
    第十七話  ―星の見える丘―


    ―午後十一時

    アートメンを出ると、一本の未舗装の道がトラウムへと伸びる
    分岐の無いこの道からはトラウムとあの国との貧富の差はまるで感じられない


    ヴェルク「―ずいぶんと歩いたが、いつになったら着くんじゃ?・・・」


    ジーク「この先に小高い丘がある。それを越えたらトラウムだ」


    カッツェ「―どこかで一休みしませんか?―ファ~、、、私、もう眠くて眠くて・・・」


    ジーク「じゃあ、その丘で休むか」


    ―数分後


    ジーク「よし、ここで一休みだ」


    カッツェ「ふぅー、、、やっと一息つけますね・・・」


    ヴェルク「ん?なんじゃ?あの赤い光の塊は?」


    ジーク「―あぁ、あれはトラウムが所有する、湖に浮かぶ世界最大の賭博場、『レユアン』だ。」


    ジーク「トラウムが食と道楽の国と呼ばれる理由、それは世界最大規模の食品市場『ナルング』と今の『レユアン』、『食』と『道楽』二つの人間の欲を満たすこの国への敬称ということだ」


    ヴェルク「だが、やはり結局それらを動かすのは・・・」


    ジーク「あぁ、金だ」


    カッツェ「二人とも、せっかくの旅の始まりなのに暗いですよ!ほら!空を見て下さい!!」


    ヴェルク「空を見ろったって、花火は打ち上げておらん、、、うおおおおおおお!!!!なんて綺麗なんじゃ!!夜空に散りばめられたこの星々!まさしく、花火じゃ!!」


    ジーク「そして、闇を切り裂く無数の、、、」


    ジーク「―流れ星」


    ジーク(―あの日の旅立ちの時も、確かこんな星の綺麗な夜だったな・・・)


    ―十年前

    ジーク「この国を出る日が来るとは・・・」


    桃色の髪の少年「だが、そうしねぇと俺たちもいつ死ぬか解らねぇ」


    白髪の少年「―他のグループはもうこの国を脱出したよ。残っているのは僕らだけ」


    青い長髪の少年「さ、俺たちも逃げよう。空が星で明るいうちに・・・」


    ―ジーク(―トラウムにはあいつがいる。だが、あいつと会うのは今はまだ早いか・・・)


    カッツェ「―よし!なんだか元気が出ました!そろそろ行きましょうよ、社長!」


    ジーク「休憩も出発もお前が決めるのかよ・・・まぁ、ずっとここにいても仕方がない」


    ヴェルク「そうじゃな。よーし!待ってろ、トラウム!」


    ジーク「出発だ。行くぞ!」

  5. 5 : : 2014/07/14(月) 19:50:58
    第十八話  ―惹かれあう者たち―


    ―トラウム道中・午前四時

    ジーク「―陽も昇ってきたな・・・そろそろ着くはずだが・・・お、見えてきた。みんな、もうすぐ着くぞ」


    ヴェルク「おお!やっとか!もう歩きすぎて、腹がペコペコじゃ」


    カッツェ「着いたら早速、何かおいしいものでも食べましょうよ!」ニコニコ


    ジーク「そうだな。折角の食の都だ。ここで食わねば大損だ」


    カッツェ「そうと決まれば、全速前進~!!」ルンルン


    ジーク(―カッツェ、妙に明るいな・・・単に俺への緊張感が解けてきたのか、旅を楽しんでるのか、それとも・・・いや、まさかな・・・俺の悪い癖だ。いつも最悪の事態を想定してしまう・・・)


    カッツェ「―社長?」


    ジーク「―ん?あぁ、何でもない。よし、ヴェルク、向こうに着いたら、俺と大食い勝負でもしないか?」


    ヴェルク「おぉ!ジークからそんな言葉が聞けるとはな!意外じゃが、あんちゃんとの勝負は楽しいからな!よし!正々堂々受けて立とう!」


    ジーク「―言っておくが、俺は強いぞ」


    カッツェ「―また社長の強い自慢だ・・・」


    ―東の海 

    シビア「あっ、先輩、街が見えました。あの漁船の数、もしかして・・・」


    男「あぁ、間違いなくあれはトラウムの港だ。食と道楽の国と言われるだけあって、毎朝ああやって大量の漁船が港を出入りしている」


    シビア「上陸しますか?」


    男「そうしようか。ボートは港の端にでも停めておこう。そうすれば間違えて乗り込まれることもないだろう」


    男「―・・・ん?あちゃー、これまた、厄介な人がご一緒だ」


    そう言った男が乗るボートの後ろには、漁船とは明らかに違う一隻の船、、、もとい艦船が港へと向かう

    ―艦船内部

    艦長「―こちら第一艦船艦長、第一艦船艦長。まもなくトラウムに到着します」


    白髪の男「ん?やっと着いたの?中々遅かったじゃないか」


    ―コンコン、、、

    白髪の男「どうぞ」


    副艦長「―失礼します。本艦の副艦長でございます」


    白髪の男「ねぇねぇ、どうしてこんなに遅かったんだい?」


    副艦長「すみません。この艦船は政府直属の重要人物護衛艦船につき、特殊航路を通っており・・・」


    白髪の男「それって、僕が護衛をつけなきゃいけない程弱いと思ってるって事?」


    副艦長「いえ、決してそのような」


    ―シュッ、、、
    ―ボコッッッッ、、、

    副艦長「う、そ、そんな、、、」バタリ


    白髪の男「僕を侮辱する奴、僕をがっかりさせた奴、僕の邪魔をする奴は、どんな奴でも許さない。何故なら、、、」


    白髪の男「僕は最強だから」


    白髪の男「―おっと、いけない。政府の人を殴っちゃった・・・こりゃあまた怒られるな・・・」


    白髪の男「それより、この前手に入れたこの『エヒト・フェイーヒ・カイト』、早く試したいなぁ・・・」


    ―再び、トラウム道中

    ジーク「みんな、着いたぞ。ここが―」


    ジーク&カッツェ&ヴェルク「食と道楽の国、トラウム!!」


    ―大きなアーチ状のエントランスからは、既に溢れんばかりの肉や野菜の香り

    ―街を覆う人々の笑い声、焼きあがる食材の音、乾杯の音頭

    ―人々の夢を乗せ湖に浮かぶ、巨大カジノ


    ―ここは、食と道楽の国『トラウム』

    ―だが、この国を訪れた者の中には、こう呼ぶ者も居る


    ―『夢の終わりを告げる国』と


  6. 6 : : 2014/07/16(水) 19:24:15
    第十九話  ―食と道楽の国―

    ―エントランス広場にて


    ジーク「―さて、何から食べようか。何でも揃ってるぞ、ここは」


    ヴェルク「やっぱり肉じゃろ!!こういう所に来たら肉を食わねば損じゃ!!―う~ん、もういい匂いがしとる!!」


    カッツェ「私はお魚ですかね。この国では新鮮な魚介を毎朝仕入れているらしいので。どんな味がするのか一度食べてみたいな~、、、」


    ヴェルク「肉じゃろ!!」


    カッツェ「お魚です。ここは譲れません!!」


    ヴェルク「肉!!」


    カッツェ「お魚!!」


    ヴェルク「このー!!こうなったらワシと勝負じゃ!!カッツェ!!」


    カッツェ「仕方がない!!受けて立ちましょう!!『却人』!!」


    ジーク「おい、落ち着け二人共・・・」


    ―ボンッ!!


    ヴェルク「何っ!!今、カッツェの姿が一瞬で、ね、猫に!?姉ちゃん、能力者だったのか!?」


    ジーク「そういえば言ってなかったな。カッツェが『黒猫』の能力者だということ」


    カッツェ「先手はもらった!!」


    ヴェルク「しまった!!―くっ、騙し討ちとは卑怯な!!こうなったら、桜花七分咲き、、、」


    ジーク「待て!!それならこうしよう」


    ヴェルク&カッツェ「ん?」


    ジーク「まず俺がヴェルクと一緒に肉を食いに行く。その間カッツェは港で食べたい魚を選んでくれ。肉を食った後、そっちに合流する。―少しの間一人になるが大丈夫か?」


    カッツェ「私を子供扱いしないでください!!そのくらい大丈夫です!!」


    ジーク「よし、じゃあ決まりだな。行こうか、ヴェルク。気をつけてな、カッツェ」


    カッツェ「はい、了解しました」


    ヴェルク「うおおお!!!久々の肉じゃァ!!思う存分食うぞー!!!」


    ―食の都「ナルング」・ミートストリート

    ヴェルク「―クンクン、、、うおおおお!!!肉の旨そうな匂いがあちこちで、、、まるで天国じゃな!!」


    ジーク「ここはナルングの中でも肉を多く取り扱う『ミートストリート』。牛、豚、鶏、その他様々な肉が・・・」


    ヴェルク「説明はいい!!とにかく食うぞ!!」


    ジーク「―まったく・・・食い過ぎて腹を壊さなければいいが・・・」


    肉屋の男「―ちょっとちょっと、そこのお兄さん達!うちの肉、食っていかない?」


    ヴェルク「おお!ちょうどいい!!じゃあ、兄ちゃんのオススメを頼む!!」


    肉屋の男「あいよ!!そんじゃ、この牛ロースをっと、、、」


    男は肉を手の平に乗せる
    すると肉の色はたちまちこんがりとしたきつね色になり・・・

    ―ジュゥゥゥゥゥゥウ、、、


    ヴェルク「うおっ!あっという間に焼きあがった!!」


    肉屋の男「おいおい、兄ちゃん知らないの?フェイーヒ・カイトで手に入れたこの『熱(ヒート)』能力のおかげで、この辺の店は肉屋も魚屋もみんな、手間が省けてお客の入りもよくなって、大繁盛さ。この町の食は、この『能力』で成り立ってるのさ」


    ジーク「そんな楽して手に入れた能力で焼く肉は旨いか?」


    肉屋の男「最初は俺らも戸惑った。こんなことしていいのかってな。でも、時代は変わった。もう今はみんな、能力なしじゃ生きられないね」


    ジーク「―気に食わないな・・・」


    ヴェルク「・・・確かに、ワシも能力に頼るのはいかんと思ってる。中にはカッツェのように、それに頼らず生きていける者もいるが、なんにせよ、ジークの場合は『能力者』自体を忌み嫌いしすぎじゃと思うぞ」


    ジーク「・・・うん。そうかもしれない。ありがとう、ヴェルク。おかげで、また一つ、俺の世界が広がった」


    ヴェルク「なあに、礼を言われる程の事でもないわい。それに―」


    ヴェルク「ワシは今、とにかく肉が食えれば幸せじゃ」


    ジーク「―ふっ、ヴェルクらしいな」


    ヴェルク「あっ、今笑ったな!!そうじゃジーク!大食い対決じゃ!!」


    ジーク「腹の減り具合じゃ、まだ何も食ってない俺の方が有利だぞ?」


    ヴェルク「これくらい、ハンデにもならんわ!!なァ兄ちゃん、もっと肉焼いてくれ!!」


    肉屋の男「おいおい、うちはそういう店じゃないよ。大食い対決なら、そこの突き当たりにバイキングがあるからそこでやってくれ」


    ヴェルク「うおおおお!!!バイキングか!!名前を聞いただけでヨダレがでるわい!!」


    ジーク「よし、行くぞ!」


    ジーク&ヴェルク「いざ、バイキングへ!!」
  7. 7 : : 2014/07/18(金) 19:23:12
    第二十話  ―ジスト・ブラオ―


    ―バイキングにて

    ヴェルク「うおおおお!!すげェ量と種類だな!こりゃァ」


    ジーク「肉だけだと思っていたが、サラダやスープも豊富だな」


    店に入ると充満した食材の香りが一層食欲を高め、並べられた大皿には種類ごとに分けられた大量の肉が、さらに全ての席からは厨房が見え、五感全てで味わうことのできる、まさに『至福の箱』


    ヴェルク「ど・れ・に・し・よ・う・か・な?」


    ジーク「俺はもう選んだぞ」


    ヴェルク「しまった!!ここで後れをとったか!!こうしちゃおれん!!」


    ヴェルクが大量の肉を皿に乗せ席に着くと、ジークはすでに箸を進めていた


    ヴェルク「おのれジーク、侮りがたし」


    ―二十分後

    ジーク「―やはり、噛みごたえのある肉はいいな。これなら
    まだまだいけそうだ」


    ―ざわざわ・・・


    二人の食いっぷりに店の内外から大勢の人間が見物にやってくる


    ヴェルク「まだまだ食えるぞー!これは勝負あったな」


    ―ざわざわ、、、


    次から次へ客が入り、その食いっぷりに魅せられた者たちが次々食材を自らの口へ運ぶ


    店主「あの二人は、まさにこの店の福の神だな」


    さらに客がまた二人、店へと入る


    青い長髪の男「おいおい、何の騒ぎだ?やけに楽しそうだな」


    黒いポニーテールの女「確かにいい匂いはしますけど、特に変わった様子は・・・って、見て下さい、あれ!すごい枚数のお皿が積み上がってる!」


    ―カシャンッ、


    一見特に他の客と変わらないように見えるが、ジークだけはその「幽か」な異変に気づき、それと同時に箸も止まる


    ヴェルク「どうした?もう降参か?」


    ジーク「―いや、今、とてつもない『気』を感じたんだが・・・」


    その気が伝わっているのか、二人を取り囲む大勢の客は、言わずともその『気』を放つ男の道をつくる


    ―スタッ、スタッ、、、


    歩み寄る男と女


    ―ガシャァァァァァァンッッッ、、、


    ヴェルク「ななな、なんじゃ!!!」


    積み上がった皿が割れると同時に、ヴェルクも異変に気づく


    ジーク「―誰だ」


    ついに、男と女は二人の前に姿を見せる


    青い長髪の男「あらら、こりゃあ大変だ。俺かな?割っちゃったの・・・―え、ウソだろ・・・」


    ポニーテールの女「どうかしましたか?」


    男の口から、意外な言葉が飛び出す


    青い長髪の男「―お、お前、ジークか?、、、いや、ジークだよな!間違いない!!」


    ジーク「―その声、もしかして、、、ジスト!!」


    嬉しそうな顔で見つめあうジークと青い長髪の男、ジスト


    ジスト「こんなところで会えるなんてな!いやぁ~久しぶりだな!おい!」


    ジーク「俺も会えて嬉しい!何せあの日から一度も会えなかったからな。―そうだ、色々と気になることがある」


    ヴェルク「待ってくれ!ワシをほったらかしにするな!ジーク!誰じゃ!その男!」


    ジーク「―こいつはジスト・ブラオ。俺の昔からの親友だ。そして、、、」


    ジーク「世界の強豪、円卓の一人、7の席を受け継ぐ男!」


    ―フィッシュマーケットにて

    カッツェ「―遅いな~社長、、、早く食べたいけど、お金持ってないし、、、」


    警官「待て―!!待つのであります!!」


    カッツェ「ん?」


    ―バタバタバタ、、、


    逃げる男「へーんだ!待てって言われて、誰が待つかよ!!」


    警官「みなさん!公務にご協力お願いします!であります!あの男を追ってくださいであります!どうかみなさん、あの食い逃げを捕まえるのを手伝ってほしいであります!!」


    カッツェ「食い逃げ?」
  8. 8 : : 2014/07/25(金) 19:08:53
    お久しぶりです

    長い間更新がとまってしまいすいません

    今日からまた元気よく出発します!!
    よろしくお願いします!!

  9. 9 : : 2014/07/25(金) 20:32:09
    第二十一話  ―追いかける―


    ―フィッシュマーケット


    ―バタバタバタ、、、

    逃げる男「誰が追っかけようと俺を捕まえるのなんてできやしねぇよ!!この浮いた食費で俺は手に入れるのさ!!フェイーヒ・カイトを!!」


    カッツェ「・・・!!あの薬のために罪を犯すなんて・・・それ程までにこの世界に影響が出てるの!?」


    カッツェ「―止めなきゃ」


    警官「待て!!絶対に捕まえるのであります!!」


    カッツェ「おまわりさん!!ここは私が!!」


    警官「おお!!ありがたいのであります!!しかし、、、」


    カッツェ「大丈夫です!!スゥーーーーッ、、、」


    カッツェ「却人!!」


    ボンッ!!


    警官「むむっ!!一瞬で猫の姿に!!ということは獣系の能力、、、珍しいものが見れたのであります、、、っと見とれてる場合じゃないのであります!!私も追いかけるのであります!!待てーー!!」


    ―バイキング

    ジーク「久々に会えたのに申し訳ないが、色々質問していいか?」


    ジスト「いいけどよ、そう固くなるなよっ!」


    ジーク「―どうも気が抜けなくてな、、、まず、隣のその娘は誰だ?」


    ジスト「ああ、こいつか」


    ポニーテールの女「こいつって何ですか。物扱いしないでください」


    ジスト「こいつはシビア。ちょっと前から一緒に旅、、というか色々と共にしている」


    シビア「どうもー、シビア・シェーンでーす。よろしくお願いしまーす」


    ジスト「かなり生意気だけどよ、まぁ訳ありなんだ」


    シビア「誰が生意気ですって!?」ムカッ


    ジーク「そうか、俺にも似たようなやつがいるんだ」


    シビア「そうか、で済まさないでください!」


    ジスト「・・・今のところ、見当たらないが」


    ジーク「カッツェといってな、今は訳あって別行動だ。あと、隣にいるのはヴェルクだ」


    ヴェルク「ほほひふ(よろしく)」モグモグ


    ジスト「お前の連れにしては、行儀が悪いな」


    ジーク「・・・ま、この三人で旅をしているところだな、俺は」


    ジスト「元気そうで何よりだ」ニタッ


    ジーク「他にも色々あるが、一番優先して聞きたいのは・・・」


    ジーク「何故、円卓に加入した?あんなに政府が嫌いだったお前が」


    ―シーン、、、


    少しずつ静まる空気、それを察したか周りにいた客たちはジーク達の周りから去っていく


    ジスト「―確かに、俺も最初は加入する気は無かった。お前と同じく俺も、政府の事はどうも信用しきれないからな」


    ジスト「だが、戦争が終わったころ、あいつが円卓に加入した」


    ジーク「―ユリウスか」


    ジスト「そうだ。俺達を裏切ったあいつの足取りを追うため、俺は円卓に俺自身を紹介した」


    ジスト「お前と離れてから身に着いた『ある体質』が功を奏したか、政府は俺を円卓に加入させた」


    ジスト「そして今、この国にユリウスが居る」


    ジーク「・・・居るのか」


    ジスト「―あいつが今、どこに居るか見当はついている、、、付いて来るか?」


    ジーク「―確かにあいつの姿を拝めるのは今だけかもしれない。だが・・・」


    ヴェルク「―ゴクン、俺との勝負なら引き分けでいいからよ、行ってこいよ。そっちの勝負の方が重要そうだしな」


    ジーク「ありがとう。それにカッツェも心配だ。先に合流してもいいか?」


    ジスト「あいつもしばらくはここにいると思うからそう焦らなくてもいい。それに一度会ってみたいな、お前の生意気な連れって奴に」


    シビア「それ、間接的に私が生意気って言ってるようなものですよ」


    ヴェルク「ワシはまだ食ってていいか?まだまだ食うが金は大丈夫か?」


    ジーク「好きなだけ食ってていいぞ。俺が何のためにあの豪火の中金庫を持ち出したと思ってる」


    ヴェルク「ほへはははんひんひゃ(それなら安心じゃ)」


    ジーク「もう食ってるじゃねーか!!」


    ジーク「―じゃあ、行こうか。・・・どこにいるんだ?ユリウスは」


    ジスト「おそらくあいつが居るのは、『レユアン』。知っての通り、水上に浮かぶ、この国が誇る世界最大の賭博場だ」


    ジーク「レユアンならフィッシュマーケットを通るから、カッツェとまっすぐ合流出来て好都合だ。そうと決まれば・・・」

    ―サッ、、、


    ジークは素早く立ち上がり、服のしわを直すと、これまでとは比べものにはならない程、それどころか、ジストが姿を現す直前のものよりも明らかに大きく、研ぎ澄まされた気を放つ


    ―シーン、、、、、、、、、、、、、、、


    ジーク&ジスト「行くぞ、レユアンへ」

  10. 11 : : 2014/08/07(木) 17:57:40
    第二十二話  ―まっすぐ誠実をモットーに―

    ―フィッシュマーケット、建物の陰にて

    食い逃げ「―ハァ、ハァ、ここまで来ればもう大丈夫だろう・・・」


    ―ガタッ、、、


    食い逃げ「な、なんだ!もう追手が来たのか!?」


    物音の方向から現れたのは、一匹の黒猫だった


    食い逃げ「なんだ、猫か・・・って!まさか!」


    黒猫「もう逃げられないわよ!」


    ―ボンッ!!


    カッツェ「さあ、早く謝りにいくのよ」


    食い逃げ「へーんだ!まだ俺には切り札がある!!」


    ―スッ、、、


    食い逃げ男は服の中から一本の包丁を取り出し、右手に持つと、カッツェに襲いかかる


    ―ガッ!!


    カッツェ「しまった!!まさか私が捕まるなんて・・・」


    食い逃げ「お前は今から俺の人質だ!!」


    カッツェ「そんな・・・私このままおしまいなの?・・・」


    警官「そこまでであります!!」


    カッツェ「おまわりさん!!」


    食い逃げ「チッ、来たか。だがもう手遅れだ!!こいつは人質だ!殺されたくなければ逃走用の車を用意しろ!!」


    カッツェ「おまわりさん!私は気にしないで!!」


    警官「大丈夫であります。あなたを解放し、そこの男も捕まえます」


    ―カシャッ、、、


    そう言うと警官は一丁の銃を構える


    食い逃げ「チッ、厄介だな・・・おいお前、こっち来い!!



    ―グイッッッ!!


    カッツェ「やめて!!離して!!」


    カッツェ(今動いたら照準がブレて銃が撃てなくなっちゃう!!でも、力が強い・・・)


    ―バンッッッ!!


    放たれるはずのない弾が、真っ直ぐに男を目掛け放たれる


    カッツェ「う、うそ!?撃った・・・」


    弾が貫いたのは・・・

    ―包丁を持つ男の右手


    食い逃げ「うあああああっ!!!う、ウソだろ!!普通当てられないだろ!!」


    ―フワッ


    男からカッツェが解放される


    カッツェ「た、助かった・・・ありがとうございます」


    警官「お怪我は無いでありますか?」


    食い逃げ「チッ、このまま捕まってたまるか!!逃げられないならこの包丁でお前らを・・・」


    食い逃げ「めった刺しにしてやる」


    包丁を左手に持ち、男はカッツェに飛びかかる


    食い逃げ「まずはお前だ!!」


    カッツェ「―キャァァァァ!!!」


    ―バンッッッ!!


    カッツェ「―・・・あれ?助かった・・・?」


    カッツェの目の前には左手から血を流し倒れこむ男の姿があった


    食い逃げ「チッ、ちくしょう・・・何故、二度も、正確に、俺の手を撃てたんだ・・・?」


    警官「『まっすぐ誠実』をモットーに生き続け早二十五年、ある日の公務の最中、瀕死の状況で授かった正義の力」


    警官「私の撃つ弾は、どんな時でも真っ直ぐに狙ったものだけ貫く」


    食い逃げ「つまりは、お前も能力者ってことか・・・」ガクッ


    立ち去ろうとする警官にカッツェが声をかける


    カッツェ「あ、ありがとうございました・・・もしよろしければ、お名前を・・・」


    ―キリッ!!


    警官「私、『陸上警察捜査課』、エルンスト捜査部長であります!!」


    エルンスト「平和な世界のため、この国は私が守るのであります!!」

  11. 12 : : 2020/10/03(土) 09:03:37
    高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
    http://www.ssnote.net/archives/80410

    恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
    http://www.ssnote.net/archives/86931

    害悪ユーザーカグラ
    http://www.ssnote.net/archives/78041

    害悪ユーザースルメ わたあめ
    http://www.ssnote.net/archives/78042

    害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル)
    http://www.ssnote.net/archives/80906

    害悪ユーザー提督、にゃる、墓場
    http://www.ssnote.net/archives/81672

    害悪ユーザー墓場、提督の別アカ
    http://www.ssnote.net/archives/81774

    害悪ユーザー筋力
    http://www.ssnote.net/archives/84057

    害悪ユーザースルメ、カグラ、提督謝罪
    http://www.ssnote.net/archives/85091

    害悪ユーザー空山
    http://www.ssnote.net/archives/81038

    【キャロル様教団】
    http://www.ssnote.net/archives/86972

    何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
    コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
    http://www.ssnote.net/archives/86986

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