この作品は執筆を終了しています。
進撃の調査劇団~長靴をはいたネコ~
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- 1 : 2014/06/19(木) 13:58:20 :
- はいこんにちは。執筆を始めさせていただきます。
つい先程1つ終わらせてまた書くとは…数珠繋ぎは、執筆中毒のようです。
今回もよろしくお願いします。
* エレンとリヴァイが中心のお話になりそうです(…未定ですが(^_^;)
今回は、他に事前にことわっておく条件は無いと思いますが、もしかしたら急に新要素が出るかもしれません。
以上の条件でも良い、という方は、ぜひ劇場の中へ…
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- 2 : 2014/06/19(木) 14:17:26 :
- 【開演前、挨拶】
エルヴィン 「…今回も無事公演の日を迎えられたことを、大変嬉しく思う。」
ハンジ 「あのさあのさエルヴィン、私すっごいこと思いついちゃった!!!」
エルヴィン 「…いちおう聞いておこうか、ハンジ。」
ハンジ 「今まで私は、巨人が出てくる話にばかり意識がいってたんだけど…」
エルヴィン 「…やっと巨人以外の演目にも興味が…」
ハンジ 「そうじゃなくって、これだよ、これ!」
1冊の絵本をみせるハンジ。
エルヴィン 「…ガリバー旅行記…?」
ハンジ 「そう!これは巨人がでてくるんじゃなくて、ガリバーって人が、小人の国に迷いこみ、結果自分が巨人として扱われてしまうという…」
エルヴィン 「今回の演目は【長靴をはいたネコ】だ。」
ハンジ 「あ、あ、あ、いいのかなぁエルヴィン、私にそんな態度とって…」
エルヴィン 「俺はもう、お前の襲撃には屈しない…!」
ハンジ 「くそぉ、くそくそくそ~!」
エルヴィン 「リヴァイの真似をするのはやめなさい。」
ハンジ 「…あ?そんなこと言って…リヴァイに言いつけちゃうもんね。」
エルヴィン 「好きにしろ。リヴァイは俺を信じてくれるはずだ。」
ハンジ 「そ~う~か~な~♪」
エルヴィン 「…さて、さっそく配役を決めよう。」
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- 3 : 2014/06/19(木) 14:39:19 :
- 【配役決め】
エルヴィン 「俺は今回もナレーター&演技指導だ。」
エレン 「…その、この話には、何がでてくるんですか…ネコがでるのは分かりますが…」
エルヴィン 「なんだ。エレンはこの話を知らないのか。調査劇団員としての自覚が足りんな。」
リヴァイ 「…俺も知らねぇな。俺と、クソメガネ、エレン、そしてエルヴィン。この人数で足りるのか?」
ハンジ 「…で、エルヴィンはナレーターだし。3人だけじゃさすがに無理が…」
リヴァイ 「…仕方ねぇ。俺の班を呼んで来る。」
エルヴィン 「すまないが、よろしく頼む。あと、なるべくなら、この物語の概要を理解している者を連れて来てほしい。」
リヴァイ 「チッ…めんどくせぇな…」
旧本部へ向かうリヴァイ。
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- 13 : 2014/06/19(木) 21:40:10 :
- リヴァイ 「…待たせたな…」
エルヴィン 「皆、わざわざご苦労だったな。」
エルド 「いえ…」
グンタ 「そんな…」
ペトラ 「兵長の頼みとあっては…」
オルオ 「断れませんから…」
ハンジ 「…あっれぇ!?あんたたちも来てたのぉ!?」
ケイジ 「お疲れ様です、ハンジ分隊長!」
ニファ 「私たちも人類の勝利のため、調査劇団に参戦します!」
髭ゴーグル 「…僕たちは完璧に物語の内容を理解しています。必ずや観客を満足させることでしょう…」
ハンジ 「…えっとぉ、待って。結局今、誰が出演者として集まってるか、整理しよう!」
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- 15 : 2014/06/19(木) 21:49:57 :
- ※ここで、状況を整理します。
◎ 出演者
♂ エルヴィン
♂リヴァイ
♂エレン
♂♀ハンジ(数珠繋ぎのSSでは殆どが♀設定ですが、今回はハッキリしてない方向でお願いします)
♂エルド
♂グンタ
♀ペトラ
♂オルオ
♂ケイジ
♀ニファ
♂髭ゴーグル(原作でも名前が分からないので、この表現でお願いします。)
ハンジ班の主な性格等は、数珠繋ぎの妄想が入ります。ご了承ください。
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- 17 : 2014/06/19(木) 22:08:31 :
- ハンジ 「…っか~、まぁた今回は集まるねぇ!」
リヴァイ 「…エルヴィンが、話の内容が分かるやつはとりあえず連れて来い、と言ってたからな。」
エルヴィン 「…はて、そんな風に頼んだかな…」ポリポリ。
リヴァイ 「…おい、お前らも当然、この長靴を履いたネコとやらの内容を、理解してるだろうな。」
リヴァイ班の面々に尋ねるリヴァイ。
エルド 「も、もちろん!」
グンタ 「当然!」
ペトラ 「ほとんど!」
オルオ 「内容を!」
エルグンペトオル (…知りません…)ズーン…
ニファ 「当然よね!私はこの調査劇団が立ち上げられた当初から、あらゆる童話を読んで、出演できる日を今か今かと待ちわびていたのよ!」
ケイジ 「やっとお声がかかったぜ!俺の名演技を、とくとみせてやる!」
髭ゴーグル 「調査劇団…ひいては、我らがハンジ分隊長のために、尽力させてもらうよ。」
オルオ ヒソ…「…お、おい。こいつら、なんか侮れねぇぞ…」
エルド ヒソ…「今まであまり関わることが無かったからな…できる限りいざこざは避けたいが…」
グンタ ヒソ…「俺たちはただ、兵長のお側にいたいと願うばかりに、嘘までついてこの舞台に…」ウウ…
ペトラ ヒソ…「嘆いたらダメよ、グンタ。調査劇団での実戦経験は、私たちの方がはるかに上なのよ。胸を張って挑めば良いのよ。」
エルド ヒソ…「…よ~し、リヴァイ班…ファイト~…」
エルグンペトオル (小声で)「…お~…」
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- 22 : 2014/06/21(土) 13:34:20 :
- リヴァイ 「…おい、何をこそこそ話している。さっさと役を決めるぞ。」
エルグンペトオル 「はっ!」
[長靴をはいたネコ 配役]
* 貧しい粉ひき
* 貧しい粉ひきの長男
* " 次男
* " 末っ子
* ネコ
* ロバ
* 王様
* お姫様
* 魔王
* 村人
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- 23 : 2014/06/21(土) 13:40:15 :
- エルド 「ふむ…この配役から察するに…」
ペトラ 「何か分かるの、エルド。」
エルド 「…魔王に支配された村を、貧しい粉ひきの一家に飼われていたネコが、お供のロバを引き連れ、見事魔王を倒し、王様に気に入られ、お姫様と結婚する…」
ペトラ 「おお!」
グンタ 「さすがだな、エルド!」
オルオ 「俺の見込んだ男なだけあるな!」
エルド 「お前に見込まれた覚えはないが…ま、内容としては、そんなところだろ。」※エルドの解釈は間違っています。
※そしてその間違った解釈のもと、エルド、グンタ、ペトラ、オルオは役を決めていきます。温かい目でご覧ください。
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- 24 : 2014/06/21(土) 13:54:33 :
- エルヴィン 「さて諸君、何か役の立候補はあるか?」
オルオ 「…はいっ!」シュバッ
エルヴィン 「なんだ、オルオ。」
オルオ 「ネコの役は…兵長が良いと思いまっす!」
エルグンペト 「そう思いまっす!」
ニファ 「ちょっと、何勝手に決めてるのよ!」
ケイジ 「そうだ!ネコの役っていえば主役だろ!?ハンジ分隊長の方がお似合いだ!」
髭ゴーグル 「ニファ、ケイジ。落ち着くんだ。演じるのはハンジ分隊長だ。分隊長のご意見をきいてからだ。」
ケイジ 「ハンジ分隊長は、どうお考えですか?」
ハンジ 「うーんと、私はね、ネコ役はリヴァイにやらせた方が、おもしろいと思うんだ。」
オルオ 「そーらみろ!」
ペトラ 「さすが兵長!」
リヴァイ 「…俺は何もしていない。」
ハンジ 「実はね、こんなこともあろうかと、こんなものを作っておいたんだ!」
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- 25 : 2014/06/21(土) 14:05:06 :
- ⊃ネコ耳カチューシャ
ケイジ 「これは一体…普通のネコ耳にみえますが…」
ハンジ 「それがね!」スチャッ。
ネコ耳を装着するハンジ。
ニファ 「か、可愛いですハンジさん!」
ハンジ 「ありがとう、ニファ。君も素敵だよ。」
ニファ 「まあっ。ハンジさんたら///」
リヴァイ 「…で、その耳が何なんだ。」
ハンジ 「この耳を着けると…悲しい気持ちになると…」シュン…
ネコ耳 ペタン…。
ハンジ 「このように、耳がぺったんこになる。そして嬉しかったり、興奮したりすると…」
ネコ耳 ピクピクピク…。
ハンジ 「こんな風に、ピーンと立って、ピクピク動くんだ!」
髭ゴーグル 「つまり、そのネコ耳を着けた人物の感情に応じて、動きが変化する、と。」
ハンジ 「そういうことだね。リヴァイって普段から何考えてるか分かんないとこあるし、これ着けたら、多少分かると思ってさ。」
リヴァイ 「」
ハンジ 「…という訳で、リヴァイ、ネコ役決定!」
エルグンペトオル 「決定っ!」
リヴァイ 「」
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- 26 : 2014/06/21(土) 14:15:29 :
- エルヴィン 「…さて、他に役の立候補はあるか?」
オルオ 「はいっ!」シュバッ
ハンジ 「今度は何、オルオ?」
オルオ 「俺、ロバの役、やります!」
ハンジ 「…またなぜそんな地味な役を…」
エルヴィン 「まあ、本人の希望だというのなら、それで良いじゃないか。」
オルオ 「さっすが団長、話が分かる!」(兵長のお供は俺の役目だ!)
ペトラ 「はいはいはいっ!私、お姫様の役やります!」(うまくいけば兵長と…///)
エルヴィン 「ペトラ…お姫様、と…」
エレン 「…うーん…オレは何の役が良いかな…」
オルオ 「ガキんちょ、お前は末っ子の役でもやれよ。」
エレン 「末っ子…初めての公演のときも、末っ子子やぎの役でしたが…」
オルオ 「所詮お前は、まだまだションベンたらしのガキってことだ。」
エレン 「…まあ、オレが一番年下だし、仕方ねぇか…」
エルヴィン 「エレン、末っ子役、と…」
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- 27 : 2014/06/21(土) 14:38:14 :
- グンタ 「じゃあ俺は、粉ひきの役をやろう。」(ネコ=兵長の飼い主…)ドキドキ。
エルド 「俺は次男の役にしよう。お前の兄貴になるな、エレン。」
エレン 「はいっ、よろしくお願いしますっ!」
ハンジ 「っしゃあ!じゃあそんなエルドとエレンの兄貴は、私ね!」
ニファ 「まあっ、なんて羨ましいっ!」キイッ。
ペトラ 「あんたたちがさっさと役の立候補をしないからよ。」
グンタ 「そうだ。役決めの段階からすでに、戦いは始まっている。」
オルオ 「油断したお前らが悪いのさ!」
ニファ 「…悔しいわ…私だってハンジさんの兄弟役がよかったのに。」
髭ゴーグル 「ニファ、落ち着け。本来の目的を思い出せ。」
ケイジ 「この演目を成功させ、多くの利益を出し、調査兵団の…ひいては、人類のために尽力することだろ。」
ニファ 「そうね。そうだったわ。調査兵団の資金が増えるってことは、ハンジ分隊長の巨人実験にまわる資金が増える。そうすればハンジさんは大変お喜びになり…“これもみんな君のお陰だよ、ニファ。” “まあ、私なんて…皆で勝ち取った成果ですわ。” “君の謙虚なところも素敵だよ。” “まあっ、ハンジさんたら…。” “何かご褒美をあげなきゃね…” “そんな、ご褒美にキッスだなんて…。” “ニファ…” “ハンジさん…”」
髭ゴーグル 「」
ケイジ 「///」
ニファ 「…きゃあっ///」
ケイジ (くっそう…可愛いな…///)「な、なあニファ、この舞台が終わったら、一緒に食事でも…」
ニファ 「“ニファ…” “ハンジさん…”///」
髭ゴーグル 「…ケイジ。タイミングが悪すぎる。今は何を言ってもムダだ。」
ケイジ 「…わ、分かってる…」
髭ゴーグル 「…なら、いいんだが。そろそろ開幕の準備をしないとな…」
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- 31 : 2014/06/21(土) 16:18:40 :
- 【開演】
エルヴィン 「昔むかし、あるところに、貧しい粉ひきの一家が暮らしていました。」
ハンジ 「ほ~らリヴァイ、ネコじゃらしだぞ~!」
グンタ 「兵長、にぼしです!」
エルド 「兵長、ミルクです!」
エレン 「兵長、爪研ぎ用の板です!」
オルオ 「兵長、ネコ缶です!」ネコマッシグラ!
ネコ耳 ビクビクビク…!
ハンジ 「…あ、ちなみに、怒ってる時、ビクビクってなるよ。」
エレン 「…ということはつまり、すごく怒ってるってことですね…」
エルド 「まぁ、お顔を見ても察しはつくが…」
リヴァイ 「…おい、オルオ。」
オルオ 「はっ、はい!」
リヴァイ 「てめぇはロバ役だろ。家の中に入ってくんじゃねぇ。」
オルオ 「す、すみません…」トボトボ。
エルヴィン 「貧しい粉ひきは、働き者でしたが、まったくお金持ちにはならず、ほどなくして病気で死んでしまいました。」
グンタ 「!?おい、エルド、そんなの聞いてないぞ!」
エルド 「すまないグンタ。まさか粉ひきが病弱だったとは…」
リヴァイ 「残念だがグンタ、ここで退場だ。」
グンタ 「ああ…なんということだ…兵長、せめてこのにぼしを俺だと思って…」
リヴァイ 「…気が向いたら食っといてやる。」
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- 32 : 2014/06/21(土) 16:33:45 :
- エルヴィン 「3人の兄弟たちは、残った財産を分け合うことにしました。」
エルド 「…なんだか、ドロドロした展開になりそうだな…」ムムム。
エルヴィン 「残された財産といえば、粉ひき小屋と、ロバと、ネコでした。」
エルド 「…でもないか…」
エルヴィン 「長男には粉ひき小屋を、次男にはロバを、そして末っ子には、ネコが分配されました。」
エルド&オルオ 「…はあっ!?」
オルオ 「おいエルド、お前の解釈全然間違ってるじゃねぇか!」
エルド 「…みたいだな…っていうか、俺、お前要らない…」
オルオ 「要らないとか言うなぁっ!」
エルヴィン 「次男は、財産の相続を放棄しました。」
オルオ ガーン。「…俺は…捨てられたんだ…」ショボン…。
リヴァイ …ハァ…「…オルオ…お前も俺と一緒に来い。」
オルオ 「へっ、兵長…」パアアア…。
エレン (…オレも正直、オルオさん要らないんだけど…。)
エルヴィン 「末っ子は、ロバと、ネコをもらいました。」
ハンジ 「私は粉ひき小屋をもらったのか…ていうか、このままだと私、もう出番がなくなる…エレン、私も一緒に行くよ。」
エレン 「…はいっ!?」
エルド 「俺もだ!」
エレン 「はいっ!?」
グンタ 「…俺も行くぞっ!」
エルヴィン 「粉ひきは、復活を果たしました。」
エレン 「はいぃぃぃっ!?」
ハンジ 「よーし、じゃあ出発!」
エレン 「…っていうか、何しに行くんですか、オレたち!?」
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- 36 : 2014/06/21(土) 21:24:14 :
- 【公演再開】
ハンジ 「何しにって…」
エルド 「」
グンタ 「」
オルオ 「」
エレン 「」
リヴァイ 「」
ハンジ 「…知ってる人、手~挙げて!」
しーん…。
リヴァイ 「お前ら…この話の内容を理解してるんじゃなかったのか。」
エルド 「うっ…」
グンタ 「うっ…」
オルオ 「ううっ…」
リヴァイ 「どうした…まさかお前たち…」
エルド 「兵長…申し訳ないです…」
グンタ 「俺たちは…嘘をついてました…」
オルオ 「俺たちは…ただ兵長と一緒に…舞台に立ちたくて…それで…」
リヴァイ 「それで…俺に嘘をついたのか…」
エルド 「…すみません、兵長…」
グンタ 「罰を受ける覚悟は、できています…」
オルオ 「どうか思う存分、煮るなり焼くなり、お好きなように…!」
リヴァイ チッ…「…クソが。大体ハナっから内容なんざ理解してようがなかろうが、この舞台に関係ないだろうが。」
エルグンオル 「…兵長…」
リヴァイ 「…グズグズ言ってねぇで、さっさと行くぞ。」
エルグンオル 「…はいっ!」
ハンジ (…て言いつつ、リヴァイ…)
ネコ耳 ペタン…。
ハンジ (耳、ぺったんこじゃん。やっぱ自分の班の子に嘘つかれて、ショックなんだね…)ウンウン。
エルヴィン 「ネコは末っ子に、長靴と、大きな袋を用意するように、頼みました。」
リヴァイ 「…だとよ。エレン、持って来い。」
エレン 「はいっ!」タッ。
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- 37 : 2014/06/21(土) 21:43:05 :
- <一方その頃、舞台袖では…>
ニファ 「ああ、ハンジさん…素敵よ、素敵すぎだわ…」ハァ…。
ケイジ 「な、なぁ、ニファ…この舞台が終わったら…」
ニファ 「もう見てて、惚れぼれしちゃう…そう思うわよね、ケイジ?」
ケイジ 「お、おう…」
そんなニファとケイジを、少し離れた所で見ているペトラと髭ゴーグル。
ペトラ 「…やっぱり、奇行種ハンジ分隊長の班員とあって、変わってるわね。とくにあのニファって子…。」
髭ゴーグル 「…もう、3年程前の事だが…」
ペトラ 「…え?」
髭ゴーグル 「僕たちが、ハンジ分隊長の班に配属された直後の事だった。ニファの親友が…彼女の目の前で巨人に捕食され、死んだ…」
ペトラ 「」
髭ゴーグル 「もちろん、僕たちは兵士だ。そんな経験は誰しもあるだろうし、乗り越えなければならない。しかし、ニファは精神的にまだ未熟で、ショックのあまり、食事どころか、会話すらできなくなるほど、精神的に壊れてしまった…」
ペトラ 「…そんな…」
髭ゴーグル 「そんな彼女を救ったのが、ハンジ分隊長だった…」
ペトラ 「ハンジさんが…」
髭ゴーグル 「ハンジさんは、ニファを励ますでもなく、ひたすらそばに寄り添い、話しかけた。本来なら、上官であれば、兵士としての自覚が足りないと、叱責しても良いところを、ハンジさんはそれをせず、常に明るく接し続け、次第にニファも、笑顔を取り戻していった…」
ペトラ 「そんなことが…そうとも知らず、私ったら…」
髭ゴーグル 「…いいさ。自由の翼を背負う者であれば、誰しも、他人には見えない絆を背負ってる…そうだろ?」
ペトラ 「ええ…そうね。」
髭ゴーグル 「リヴァイ班の君たちの想いも、ハンジ班の僕たちの想いも、大して違わない…」
ハンジを見つめる髭ゴーグル。
髭ゴーグル 「あの人に…ついてゆく…」
リヴァイを見つめるペトラ。
ペトラ 「…あの人に…」
ニファ 「…えっ、食事?いいわね。ハンジさんと夜景のみえるレストランで2人きり…きゃっ///」
ケイジ 「…ニファ…俺の話、聞いてねぇだろ…」(…まぁ、可愛いから許すけどよ…///)
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- 39 : 2014/06/22(日) 08:53:02 :
- 【公演再開】
エレン 「…す、すみません…遅くなりましたっ!」
オルオ 「チンタラ走ってんじゃねぇぞ、ガキんちょ。」
エレン ムッ。「色々探したんですが…こんなものしか見つからなくて…」
⊃ゴミ袋。
ハンジ 「トロスト区指定のもやすゴミ袋…長靴は?」
エレン 「それが…これしかなくて…」
⊃モップスリッパ。
ハンジ 「ああこれ。これを履いて歩くと、同時に床のホコリも取れるという、通販定番商品だね。」
エルド 「兵長…こんなもの履かずとも…兵長?」
ネコ耳 ピクピクピク…。
エレエルグンオルハン (この人…履く気だ…!)
エルヴィン 「ネコは、王様たちの住む城へ、大きな袋を使って捕獲した野ウサギを持って向かいました。」
リヴァイ 「…ウサギなんて無いが…」
エレン 「あ、倉庫にこんなものが…」
⊃ウサちゃん。
リヴァイ 「…ならさっさとこいつを袋に入れて、王の城とやらへ向かうぞ。」
ハンジ 「…なんか、ウサちゃんをゴミに捨てるみたいで、心が痛むね…」
リヴァイ 「…何ぬいぐるみに感情移入してんだクソが。」
ガサッ…。ウサちゃんをゴミ袋に入れるリヴァイ。
エレン 「…ああっ…!」
エルド 「…どうした、エレン。」
エレン ヒソ…「エルドさん、兵長のネコ耳が…」
ネコ耳 ペタン…。
エルグンオル (耳ぺったんこ…!)
エルド 「兵長…」キュン。
オルオ 「俺には分かる…兵長の優しさが…」キュン。
グンタ 「…兵長…このウサちゃんは袋から出して、持っていきましょう。どうせ逃げやしませんし…」
リヴァイ 「…そうか…お前らがそう言うんなら…」
エレン (…あ、耳が元に戻った…)
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- 40 : 2014/06/22(日) 09:10:56 :
- <王の城にて>
※王の役は、髭ゴーグルです。
髭ゴーグル 「…そろそろ来る頃だな…」
ペトラ 「私、今頃になって気づいたんだけど、物語の筋書きでは、どうも最終的には末っ子がお姫様と結婚するみたいなのよね…エルドの解釈、全然違うじゃない…」ブツブツ。
髭ゴーグル 「…お、何やら人影が…おい、新兵…エレンとか言ったな…なぜ一生懸命カーペットを剥がして歩いてるんだ?」
エレン ハァッハァッ…「へ…兵長のご命令で…」ハァハァ…。
ペトラ 「兵長が、どうして?」
エレン 「せっかく取ったホコリが、カーペットにこびりつくからと…」
髭ゴペト 「???」
リヴァイ 「全部剥がしたか、エレン…」
エレン 「はいっ、兵長!」
髭ゴーグル 「…こ、こいつは…」
ペトラ 「へ…兵長…!///」
リヴァイ 「…あ?」
ペトラ (頭にはネコ耳カチューシャ、足元にはなぜかモップスリッパを履き、そして最大の萌えポイントは小脇に抱えたウサちゃん…!)
リヴァイ 「…ウサギを届けに来てやった。」
⊃ウサちゃん。
髭ゴーグル 「…はぁ…それはどうもご苦労様…」
ペトラ 「私にくださいっ!」シュバッ!(毎晩抱いて寝よ♪)
エルヴィン 「ネコは王に、このウサギは、カラバ公爵からの贈り物だと説明しました。」
リヴァイ 「…だとよ。」
ペトラ 「カラバ公爵?」
エレン 「どうやら、オレのことらしいです。」
ペトラ 「そうなの!?ありがとう、エレン。このウサちゃん、一生大事にするわ!」
エレン 「…いえ…しかし、カーペットってけっこう重いんですね…」イイアセカイタ…。
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- 42 : 2014/06/22(日) 12:03:22 :
- エルヴィン 「ネコは今度は、カラバ公爵を川へ連れていき、裸にさせ、水浴びをするように言いました。」
リヴァイ 「…というわけだエレン…脱げ。」
エレン 「…はい?」
リヴァイ 「脱げ。」
エレン 「いや…しかし…」
リヴァイ 「いいから脱げ…脱がされてぇのか…」
ハンジ 「ちょちょっ待ってリヴァイ!誤解を生むような発言はやめてよね…よっし、ハンジさん思いついちゃったよ。」
リヴァイ 「…何をだ。」
ハンジ 「楽しくドキドキしながら、1枚ずつ脱いでゆく遊びといえば…野球拳だ!」
グンタ 「…宴会の定番…」
エレン 「…なんですか?」
オルオ 「ガキんちょにはまだ、分からねぇだろうな…」フフン。
リヴァイ 「…よし、行け、オルオ。」
オルオ 「俺が行って…って、はい?」
リヴァイ 「オルオ、エレンと野球拳をして、エレンを裸にしろ。」
オルオ 「…ちょっと待ってくださいよ兵長、負けたら俺も脱ぐってことになるんじゃ…」
リヴァイ 「…大丈夫だ。勝てばいい。」
オルオ 「じゃあ兵長がやれば…」
ネコ耳 ビクビクビク…!
リヴァイ 「…あぁ?」
オルオ 「…俺がやりますやらせていただきますっ!」
ハンジ 「よ~し、じゃあ、いっくよ~!観客のみんな、手拍子よろしくっ!」
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- 43 : 2014/06/22(日) 12:17:25 :
- ハンジ 「…じゃあ2人とも、準備はいいね?」
エレン 「はいっ!」
オルオ 「おうっ!」
ハンジ 「せ~のっ…♪や~きゅ~う~うす~るなら~♪こ~ゆ~ぐあい~にしりゃさんせ~♪」
エレン 「アウト!」
オルオ 「セーフ!」
エレン&オルオ 「よ~よい~のよいっ!」
<30分後…>
オルオ ブルブルブル…「ヘックシッ…寒ぃ…」
ハンジ 「エレン、君…じゃんけん強すぎ…」
エルド 「エレン、1枚も脱いでいない…そしてオルオは…」
グンタ 「パンツ1丁…見苦しい…」
エルヴィン 「そこへちょうど、王様とお姫様が通りかかりました。」
ハンジ 「今来るの、今!?」
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- 44 : 2014/06/22(日) 12:35:14 :
- 馬車から降りるペトラ。
ペトラ 「みんな~、調子はどう…って…」
オルオ 「…へへ…」
ペトラ 「…………きゃあぁぁぁ変態ぃぃ!!!」
オルオ 「ま、待てペトラ、これにはわけが…」
ペトラ 「いやぁ来ないでぇ!!!」
オルオ 「違うんだペトラ、誤解だ話を聞けって!」
ペトラ 「いや!!!追いかけて来ないでよ!!!オルオの…バカー!!!」
舞台袖に走り去ってゆく2人。
エレン 「…行ってしまいましたね…」
グンタ 「…まぁ、あの2人は放っておくか…」
リヴァイ 「…気にはしておけ。舞台袖からペトラの悲鳴が聞こえたら、憲兵団へ通報しろ。」
エルエレグン「…はっ!」
髭ゴーグル 「…なんか、すごい展開になってきたな…これが、調査劇団か…」
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- 45 : 2014/06/22(日) 17:05:09 :
- オルオ 「ぎぃやぁぁぁっ!!!」
エレン 「…オルオさんの悲鳴が聞こえますが…」
エルヴィン 「王様は、カラバ公爵を、彼の領地まで、馬車で送っていくことにしました。」
エレン 「…あの…オルオさんの…」
髭ゴーグル 「さ、カラバ公爵、馬車にお乗りなさい。」
リヴァイ 「さっさと乗れ、グズ野郎。」
エレン 「…いや…オルオさん…」
エレン 「」
エレン 「…ま、いいか…」
エルヴィン 「さて、ネコはというと、急いで先回りし、王様にカラバ公爵の領地だ、と嘘をついた村へと向かいました。」
リヴァイ 「チッ…めんどくせぇ…」
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- 46 : 2014/06/22(日) 17:17:27 :
- <カラバ公爵領地(仮)の村>
ニファ 「…さ、いよいよ私の出番ね。この公演が成功した暁には…ハンジさんと…きゃっ///」
リヴァイ 「…おい…」
ニファ 「わっ…びっくりした…」
リヴァイ 「お前…あのクソメガネのどこがそんなに気にいってるんだ?」
ニファ 「ふっふっふ…私にそれ、聞いちゃいます?」
リヴァイ 「」
ニファ 「ハンジ分隊長は、どっかの目付きの悪い兵士長から奇行種なんて言われてるけど、決して変わってるわけではないのよ。誰よりも強い信念をもっていて、それでいて頭脳明晰で、その見た目も美しく、部下からの信頼も厚い…もう、言うこと無しの理想の兵士なのよ!」ハァハァ…。
リヴァイ 「…そうか…そりゃ良かったな…」
ニファ 「…あ、そうだわ。私は村人の役だから、王様たちが来たら、ここはカラバ公爵の領地ですって、言えばいいのよね!?」
リヴァイ 「…ああ…そう…だな…」
ニファ 「分かったわ!必ず言ってみせる。ハンジさんのためだもの!“ハンジさん…私、あなたのために、全力を尽くしますわ…”
“嬉しいよ、ニファ。私も君のためならば…” “きゃ、ハンジさん、そんな…”…きゃあっ、私ったら、何考えてるのもう!」
リヴァイ 「」
リヴァイ 「…とにかくエレンたちと合流するか…」スタスタスタスタ。
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- 47 : 2014/06/22(日) 17:23:51 :
- ハンジ 「…あ、リヴァイ。おっかえり~」
リヴァイ 「…お前らもちゃっかり馬車に乗ってやがるのか。狭いな。」
ハンジ 「細かいことは、気にしない。」
リヴァイ 「…ところでハンジ…」
ハンジ 「ん、なに?」
リヴァイ 「お前んとこの班員は…何て言うか…すごいな…」
ハンジ 「え、そうお?リヴァイ班のみんなよりは、普通だと思うよ?」
エルド 「…俺は今、リヴァイ班でいることに、一抹の不安をおぼえた…」
グンタ 「…偶然だな、エルド…俺もだ…」
髭ゴーグル (…聞いたか、ニファ。お前、人類最強の兵士に、すごいと言わせたぞ…)
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- 48 : 2014/06/22(日) 17:38:42 :
- <カラバ公爵の領地(仮)の村>
髭ゴーグル 「着いたか…って、ニファ!?」
ハンジのお膝の上に乗っかるニファ。
ニファ 「ハンジさん、ここはカラバ公爵、カラバ公爵の領地ですよ。いいですか、ここは…」
ハンジ 「はっはっは。分かってるよ、ニファ。君の気持ちは、痛いほどね…」
ニファ 「ハッッハンジさん…///」
エレン 「…ちょっと、すみません、ただでさえ狭いんで、降りてもらえると…」
ニファ ギロ。「…なにか、言ったかしら…」ウフフ。
エレン ヒッ…「…い、いえ…何でもありません…」
ニファ 「あら、そう…」ウフフ。
エルド 「…な、なぁ、グンタ…」
グンタ 「…なんだ…」
エルド 「エレンは…巨人になれるんだよな…」
グンタ 「…ああ…」
エルド 「その存在に、人類は恐れてもいて…精鋭部隊である俺たち特別作戦班が結成された…俺の解釈、今度は間違ってないよな?」
グンタ 「…うん、合ってるぞ…」
エルド 「そのエレンが今…1人の兵士にひどく怯えているような…」
グンタ 「…気にするな…」フッ…。
エルド 「…ああ…そうする…」フッ…。
ハンジ 「あはは。可愛いなぁ、ニファは…」ヨシヨシ。
エルド 「ハンジ班…おそるべし…」ムムム。
髭ゴーグル (このニファとハンジさんのシーンをケイジがどうかどうか目撃していませんように…!)
エルヴィン 「ネコは再び先回りして、魔王の住むお城へと向かいました。」
リヴァイ 「…また俺か…仕方ねぇ、エルド、ここは頼んだぞ。」
エルド 「…兵長…早く帰ってきてくださいね…」
リヴァイ 「弱気になるな…巨人よりはマシだと思え。」
エルド 「」
-
- 52 : 2014/06/22(日) 19:36:46 :
- <魔王の城にて>
ケイジ 「う~ん…魔王の役をやれ、といきなり言われてもな…」
ケイジ 「」
ケイジ 「…俺、もともと温厚な性格だから、悪役ってなかなか出来ないんだよな…」
ケイジ 「」
ケイジ 「もし仮に、俺が見事な魔王っぷりを見せたところで…ニファのやつが “きゃあっ、ケイジカッコいい!”…な~んて、なるわけねぇしな…」ハァ…。
ハァ…。
ケイジ 「…ニファ…」
リヴァイ 「おい。」
ケイジ 「…っと、びっくりした…リヴァイ兵長!?」
リヴァイ 「お前…あのニファとかいう女に惚れてんのか?」
ケイジ 「…!?///お、お、大きなお世話じゃないですか!」
リヴァイ 「…ま、そうだな…で、俺は何をすればいいんだ?」
ケイジ 「…えっと、俺が魔王なんで、俺になんだかんだ言っておだてて、最終的にネズミに変身させればいいんですよ。」
リヴァイ 「…で、どうなるんだ?」
ケイジ 「ネズミに変身した魔王は、ネコにパクリと喰われて…」
リヴァイ 「…ほう、それで?」
ケイジ 「…で、魔王がいなくなった城を、カラバ公爵のものにするんですよ。」
リヴァイ 「…それで?」
ケイジ 「それで…カラバ公爵はお姫様と結婚し、めでたしめでたし、と…」
リヴァイ 「…チッ…つまらん展開だな…てめぇはそれでいいのか、なぁ、ケイジよ…」
ケイジ 「えっ…ま、まあ、そういう物語なんで…」
リヴァイ 「…現状からいって、今までの調査劇団の演目の中で、本物の物語の筋書き通りに終わったことは、1度も無い。」
ケイジ 「そ、そうなんですか…」
リヴァイ 「だからこそ、今お前に問う…このままで良いのか…と。」
-
- 53 : 2014/06/22(日) 20:02:12 :
- ケイジ 「…あの…でしたらリヴァイ兵長…1つ、お願いしたいことが…」
リヴァイ 「…なんだ、言ってみろ。」
<その頃エレンたちは…>
エレン 「…いよいよ、魔王の城に行くんですね…」
ハンジ 「ケイジ、リヴァイと仲良くやってるといいけど…」
ニファ 「…あ、ハンジさん。リヴァイ兵長が戻ってきましたよ!」
リヴァイ 「…ニファ…」
ニファ 「…はい?」
リヴァイ 「お前にケイジから伝言がある。」
ニファ 「えっ?」
ケイジからの伝言を伝えるリヴァイ。
ニファ 「…えっ…ええっ…!?」
ハンジ 「ケイジ…本気なの!?」
リヴァイ 「ああ…あいつは真剣だと、俺は思う。あとはニファ、お前の気持ち次第だ。」
ニファ 「…ケイジ…」
リヴァイ 「…さ、俺はまた1足先に魔王の城へ戻る。まったく今日はよく走らされる…」
-
- 54 : 2014/06/22(日) 21:11:51 :
- <魔王の城にて>
ケイジ 「リヴァイ兵長…もうニファに伝言を伝えたかな…」
リヴァイ 「…待たせたな…」
ケイジ 「…はい…」
リヴァイ 「お前の伝言は伝えた。さあ、どうする、ケイジ…」
ケイジ 「…俺の気持ちは…変わりません…」
リヴァイ 「…そうか…なら…」
構えるリヴァイ。
リヴァイ 「…来い…」
-
- 55 : 2014/06/22(日) 21:33:49 :
- ハンジ 「…着いたね、ニファ。」
ニファ 「」
ハンジ 「…大丈夫。自分の素直な気持ちを、彼にぶつければ良い。そうすればケイジも満足するさ。」
ニファ 「…ええ…」
髭ゴーグル 「…中ではもう、始まってるみたいですね…」
ケイジ 「…くっ…」(動きが速すぎて、防御するのもままならねぇ…これが人類最強の力…)
ニファ 「!?ケイジ…!」
ケイジ 「!?…ニファ…」
リヴァイ 「おいおい…余所見してると、ケガするぞ…」
ドカッ!
ケイジ 「…ぐはっ…」
エルド 「兵長…本気で戦っているようだな…」
グンタ 「…ああ…ケイジに勝ち目はあるのか…」
エルド 「さあ…分からんな…惚れた女が目の前にいる時は、男は実力以上の力を発揮できるからな…」
グンタ 「…それはのろけか、エルド…」
エルド 「…さぁ…どうだかな。」
ケイジ 「…うっ…く…」
完全にねじ伏せられるケイジ。
リヴァイ 「さて…そろそろとどめか…もう少し楽しんでも良かったが…」
ケイジ 「…くっ…」
ニファ 「…もうやめて!」
ケイジに駆け寄るニファ。
リヴァイ 「…邪魔だ、どけ。」
ニファ 「どきません!」
リヴァイ 「では…お前とも一戦交える必要がありそうだな…」
ニファ 「望むところですっ!」
ケイジ 「や…めろ…ニファ…」
髭ゴーグル 「そうだニファ、お前の敵う相手じゃない!」
ニファ 「そうだけどっ…私…大切な人が目の前で傷つくのを見るのは…もう…イヤなのっ!」
ケイジ 「…ニ…ファ…」
ニファ 「大切な人を守るためなら…100回死んだって、その度に強くなって…守り抜いてみせるんだからっ!」
ケイジ 「」
リヴァイ 「…おっと、うっかりしてた…」
ニファ 「…え?」
リヴァイ 「そういや俺、今モップスリッパを履いたままだったな。このままこいつに蹴りを入れると、ホコリが散ってしょうがねぇ。今回はここまでだ…次は容赦しねぇ。」
ニファ 「リヴァイ兵…長…」
ニファ …ニコ…。
ニファ 「…ありがとうございますっ!」
リヴァイ 「…あ?俺は何もしてねぇ。ただそいつがケンカ売って来やがったから、買ってやっただけだ…」
エルド 「兵長…流石です!」キラキラ。
グンタ 「兵長…素敵です!」キラキラ。
エレン 「兵長…カッコいいです!」キラキラ。
髭ゴーグル (…よかったな、ケイジ…。)
ハンジ 「…青春だねぇ…」ウンウン。
髭ゴーグル 「…とにかく、ケイジを病院へ…」
ニファ 「そうだった!大丈夫なの、ケイジ!?」
ケイジ 「大した事はねぇ…それよりニファ、確かめたい事があるんだが…」
-
- 56 : 2014/06/22(日) 21:56:55 :
- ニファ 「確かめたい事って…なぁに?」
ケイジ 「さっきオレの事…大切な人って言ってたけど…それは…つまりその…」
ニファ 「あ~あ、ケイジも、大切よ。同じハンジ班の仲間じゃない。」
ケイジ …ガーン…。「…そ、そうか…そうだよなぁ…はは…」
髭ゴーグル 「ケイジ、復活まで時間を要しそうだな…」
ニファ 「でも~、ケイジ…」
ケイジ 「…なんだよ…」
ニファ 「いちいち、“リヴァイ兵長とタイマンで勝負して勝てたら、デートしてほしい”…なんて頼まなくても、デートくらい、してあげても…良かったりする…わよ?」
ケイジ 「…え…今、なんて…」
ニファ 「…だ~か~ら、デートしてあげても良いわよ。1回だけね。」
ケイジ 「それは…俺とニファの2人ででだよな、ハンジ分隊長は、抜きだよな?」
ニファ 「…あら、ハンジさんも一緒でも良いのなら、ぜひそうしたいけど…」
ケイジ 「いやいやいや。2人きりで、お願いしまっす!」
ニファ 「…しょうがないわね…さっさとケガ、治してよね…」
ケイジ 「ケ、ケガなんてもう…痛ったたた…」
ニファ 「バ~カ。」
髭ゴーグル 「この分だと、ケイジの回復も早そうですね、ハンジさん?」
ハンジ 「そうだね…ハンジ班も、タフにいかなきゃね…」
モブリット 「…一時はどうなるかと、ヒヤヒヤしましたが…」
ハンジ 「モブリット!?」
髭ゴーグル 「副長!?居たんですか!」
モブリット 「居たよ居たんだよ。じゃなきゃ誰が音響や照明をやって誰が会場整備をして誰が…」
ハンジ 「はいはいはい。今回もご苦労だったね、モブリット!」
エルド 「…なんか、ニファとケイジの2人を見てると、妙に親近感がわくのは、俺だけか?」
グンタ 「なんだエルド、お前もか。」
エルド 「なんか、同じようなカップリングを、毎日見ているような…」
グンタ 「…そういえば、ペトラとオルオはどうなったんだ?」
エルヴィン 「見事、意中の彼女とデートの約束ができた魔王は、喜びにわきました。そして、何はともあれ、みんな幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。」
ハンジ 「…最後、超ざっくりとまとめたね、エルヴィン。」
エレン 「…あ、幕が下りてゆく…」
エルド 「ペトラとオルオについては、カーテンコールのなかで、補足があるみたいだ。」
エレン 「…あの悲鳴のあと、声1つ聞こえないけど、大丈夫なのかな…」
-
- 62 : 2014/06/25(水) 08:33:31 :
- 【カーテンコール】
舞台袖をぬけ、楽屋前通路まで走ってきたペトラとオルオ。
オルオ 「ぜぇっ…ぜぇっ…」
ペトラ 「はぁっ…はぁっ…」
オルオ 「ペ、ペトラ…俺はな…エレンと…野球け…」
ペトラ 「そうよ!本当なら、エレンがあそこで脱いで水浴びするシーンじゃなかったの!?」
オルオ 「…そ…そうなんだが…」
ペトラ 「大体、あんたのヌードの需要なんて、どこにあるっていうのよ!?」
オルオ 「フッ…ペトラ、そんなに俺の体を独り占めしたいか…だがまだ必要な手順をこなしてな…っておい、やめろ…」
パイプ椅子を振りかざすペトラ。
ペトラ 「オ~ルぅ~オ~のぉ~…」
オルオ 「ひっ…やめ…」
ペトラ 「バーカー!!!」
オルオ 「ぎぃやぁぁぁっ!!!」
<舞台上>
エレン 「…オルオさんの悲鳴が聞こえますが…」
-
- 63 : 2014/06/25(水) 08:45:19 :
- <再び楽屋前通路>
オルオ チーン。
ペトラ 「…ふぅ…っていうかオルオ、服着なさいよね…確か舞台袖によけてあったわね…」
オルオの服をとってくるペトラ。
ペトラ 「オルオ、とりあえず服を着るわよ。楽屋に入って。」
オルオ 「…痛てて…おう…」
ペトラ 「さっさとしなさいよ…」
オルオ 「…分かってるよ…」
そこへ偶然、モブリットが通りすがる。
モブリット 「楽屋に忘れ物しちゃったな…ん?あれはペトラと…もう1人誰かいるみたいだけど…」
ペトラ 「…ほら、さっさとしなさいよ…もう、私も手伝うわよ!しょうがないわね…」
オルオ 「…すまねぇな…痛てて…」
ペトラ 「…ごめん…ちょっと頭に血がのぼったみたい…」
オルオ 「いや。いいんだ。俺の方こそ、驚かせちまって…」
ペトラ 「…もう…ほら、早く…」
モブリット カチャ…「…ペトラ、何し…て!?」
ペトラ 「!?」
オルオ 「!?」
モブリット 「…あ…いや…///」
モブリットには、ペトラがオルオの服を脱がしているように見えてしまったようです…見てしまったようです(^_^;)
モブリット 「しっ…失礼しました!…ごゆっくりどうぞ!!」
-
- 65 : 2014/06/25(水) 10:50:25 :
- バタンッ。
ペトラ 「…ねぇ今私たち…すっごい誤解されてるわよね…」
オルオ 「…だろうな…」
ペトラ 「早くモブリットさんの誤解をとかないと…私、お嫁にいけない…」
オルオ 「安心しろペトラ…俺がもらってや…うっががが!?」
ペトラ 「あんたの次のセリフの予想がついてしまうようになって…私は悲しいわっ!」
オルオ 「いへへ…はなへへとら…」※ペトラは今、オルオの口を思いっきり引っ張ってます。
ペトラ 「とにかくあんたは服着ててよ。私モブリットさんを捜して来るから。
オルオ 「って…簡単に見つかるのか?モブリットさんは裏方で、しょっちゅう動き回ってるぞ。」
ペトラ 「公演が終わるまで、待ったほうがいいのかしら…せっかくお姫様役になったのに、兵長と結婚できないし、オルオとは変な誤解されるし、もう…ふえぇ(;_;)」
オルオ 「おい、泣くなよペトラ…ここでまた誰か来たら、また誤解されんだろ。」
ペトラ 「ふぇぇぇん…」
オルオ 「ペトラ…よし俺が慰めて…」
ペトラ 「早く服を着ろ!」
<公演終了直後…>
モブリット 「分隊長分隊長、先ほど僕、衝撃的なシーンを目撃しまして…」
ハンジ 「えっ、なになに?」オセーテ?
-
- 66 : 2014/06/25(水) 10:52:46 :
- ※以上で終了とさせていただきます。
ご来場いただいた皆さま、S席をご購入いただいた皆さま、コメントをくださった皆さま、ありがとうございました。
さてっ、次の公演に移りたいと思います。すぐです。
またよろしくお願いします。
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