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親友の誕生日
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- 1 : 2014/06/17(火) 23:28:13 :
- ジャン「…」
俺らしくない…俺らしくない事をしているのは…まぁ、わかってるんだよ
ミカサには絶対に見られたくない姿だ
死に急ぎ野郎に見られたら絶対に笑われちまうからな…
ジャン「こんなもんか?あ~母ちゃんみたいに美味しくは…いやいや!母ちゃんの料理も美味しくは…」
誰もいない調理場でブツブツと言っている俺は、訓練兵のジャン・キルシュタインって言うんだ。
ジャン「あぁ…面倒だな」
ガチャ
ジャン「!?」
急にドアが空いたと思ったら、今日の主役が目の前に現れやがった。
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- 2 : 2014/06/17(火) 23:28:42 :
- マルコ「ジャン?何か美味しそうな匂いがしたからさ」
ジャン「あ~」
まぁ、完成してるから良いんだけどよ?
俺の気持ちの問題だよな?似合わない事してるって思われるのは覚悟してるけどよ…
マルコ「あ!もしかして、ミカサに?僕が呼んできてあげるよ!?」
ジャン「バカ野郎」
マルコ「いやいや、照れなくても良いよ!絶対に喜んでくれるよ!」
俺の言葉を無視してミカサを呼びに行こうとするから、俺は親友の腕を掴んで止めたんだ。
マルコ「ジャン?」
不思議そうな顔して見てくるんじゃねぇよ?お前は今日がなんの日か忘れてるのか?
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- 3 : 2014/06/17(火) 23:29:11 :
- ジャン「マルコ?お前は今日がなんの日か忘れたのか?」
マルコ「え…?」
ジャン「お前さ、もしかして誤魔化してるか?照れてるのか?」
マルコ「え、え~と…もしかして…」
ジャン「今日はお前の誕生日だろうがぁ!!ふざけてるのか?」
マルコ「ふざけてないよ!もしかしてこの料理って…」
ジャン「お前の誕生日だから俺が作ってやったんだよ!えぇ?どうですか?美味しそうに見えますかぁ?」
照れ臭かったから、わざとな?わざと嫌味ぽっく言ったんだよ。
それなのにさ…
マルコ「……」
ジャン「何だよ…?迷惑だったかよ?」
マルコ「ここでね…た、誕生日を…祝って貰えるなんて…おもっ…思ってなかった…からさ…」
ジャン「お、おい!マルコ?」
何で泣き出すんだよ?これじゃあ…何かよ?俺が泣かしたみたいに見えるじゃねぇかよ…
ジャン「おい…マルコ?」
マルコ「な…何?」
ジャン「食ってみろよ…まぁ、俺の母ちゃんよりは…美味しくは作れてねぇけどよ」
マルコ「うん…いただきます」
俺が作ったオムレツを口に運ぶ、内心ドキドキしてるだ…
料理は苦手だからよ、不味いって言われなければ良いぐらいに思ってるんだ
それなのにお前は
マルコ「美味しい!ジャン、凄く美味しいよ!!」
まるで子供みたいに喜んでくれるんだ
お前の誕生日なのに、何か俺の方が喜んでる気がするよ…
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- 4 : 2014/06/17(火) 23:29:50 :
- それから2人で俺が作った料理を食べてたんだ、色々と話ながら食べてたんだ…
マルコ「本当に嬉しいな…」
ジャン「お前な…さっきから同じ事しか言ってねぇな」
マルコ「えへへ…ねぇ、ジャン?」
ジャン「あぁ?」
マルコ「本当にありがとう…凄く嬉しいんだよ」
ジャン「あぁ…喜んで貰えて…嬉しい…かな…」
喜んで貰えて本当に嬉しかったんだよ
素直になれないからさ…照れ臭かったから嫌味ぽっく言ってしまうけど…
今日は素直に言わせてもらう
ジャン「マルコ」
誕生日おめでとう
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- 5 : 2014/06/17(火) 23:30:14 :
なぁ?何で死んだんだよ?
お前は俺と一緒に内地に行くって…
ジャン「…」
信じられないだろ?
俺が今どこの兵団にいるか…
俺の背中には自由の翼があるんだ
ジャン「お前が生きてればな…きっと今日も…あの時と同じで…」
お前の誕生日を祝ってたのにな…
リヴァイ「おい、何してる…何を泣いてやがる」
ジャン「今日…親友の誕生日なんです…」
リヴァイ「…」
ジャン「そいつは…死んじまったんですけどね」
仲間の死は何度も目にして来た
助けてあげたかった…本当に俺は弱くて…
ライナーやベルトルトにアニ…あいつらも強くなかったんだ…
俺達と同じ弱い人間だったんだ
【ジャンは強い人ではないから、弱い人の気持ちがよく理解できる。】
お前の言ってくれた言葉…
胸にしまってるよ
あの3人が…やった事が正しいとは思わねぇし…理解するのは…難しいかもな…
それでも、人を好き好んで殺してた
そんな事はねぇって理解してるよ
ジャン「…」
なぁ?
………………マルコ?
俺はこれで良いのかな?
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- 6 : 2014/06/17(火) 23:31:19 :
- リヴァイ「俺は先に行く…お前もさっさと戻って寝ろ」
ジャン「……はい」
俺も戻って寝ようと思う
今度はお前の誕生日を思い出す事が出来るのか…
ジャン「マルコ……誕生日…おめでとう」
耳元を風が通りすぎる
強く吹いてた風が、優しい風に変わった
心地いい風に変わったんだ…どこか、落ち着いて、どこか懐かしい風に…
その風の音が
お前の【返事に聞こえた】
―Fin―
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- 7 : 2014/06/18(水) 21:05:17 :
- ジャンとマルコには、やっぱり弱いです。
個人的に、ジャンは'葛藤する人'であってほしいので、このお話はとても好みでした!ありがとうございました。
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- 8 : 2014/06/18(水) 22:30:18 :
- Artさん
コメントありがとうございます!!
リヴァイ「ペトラ、聞け。伝えたいことがある」を自分がSS読み出した時や書き出した時に読ませてもらって!大ファンでした!!コメント貰えて本当に嬉しいです!!ありがとうございます!!
ジャンは葛藤してるイメージがありますね
兵士として闘う道を選んでも人間らしさがある人だと私は考えてます!!読んで頂き本当にありがとうございました!
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- 9 : 2014/06/18(水) 23:22:04 :
- ええ話やー
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- 10 : 2014/06/18(水) 23:35:29 :
- 江蓮・家牙さん
ありがとうございます!!嬉しいです!!
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- 11 : 2014/06/18(水) 23:59:09 :
- オムオムを作ってあげるジャンに萌っとしました(笑)
ジャンの人生観を変えた親友マルコ…この二人の絆の強さ、切ないですね…。
良いお話でした。ありがとうございました。
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- 12 : 2014/06/19(木) 16:53:12 :
- なすたま@兵長、お慕いしていますさん
あわわ!なすたまさん!!
4月の馬鹿やマルコのおきて!読ませて頂きました!!尊敬してます!!!コメントありがとうございます!
オムオムを作ってるジャンは可愛くて良いですよね(笑)
この2人の絆は自分もグッと来るところがあります、切ないけど親友だから…みたいな感じで作りました!!コメントありがとうございます!!
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- 13 : 2015/01/02(金) 14:21:10 :
- いいね。乙
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