この作品は執筆を終了しています。
閑話【トモダチ】※転生・現パロ
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- 1 : 2014/06/15(日) 18:56:29 :
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また10レス以内の閑話です
特にネタバレは無く…転生、現パロです
物語の性質上、登場人物選択が出来ません…ごめんなさい
また自己満足作品になってしまいますが、それでも大丈夫な方はどうぞm(_ _)m
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- 3 : 2014/06/15(日) 19:03:11 :
3日間降り続いた雨は、未だ止む気配が無い
今朝の天気予報では午後には晴れ間が覗くかもしれないと言っていたのに……
雨の日は本屋にとってはそう悪くない天気だ
それでも元々繁盛しているとは言い難いこの店では、天気はあまり関係ないのかもしれない
今も店内に客の姿は無い
学生たちの下校時間まで本でも読んで時間を潰そうか……と思った時
入り口の自動ドアが開き、外の雨音を店内に運んできた
……ちぇ…ひとりでも客がいたら目を離すわけにはいかないんだよね…
手に取った本を元に戻し、レジカウンターに立った僕は、スポーツ雑誌が置いてあるコーナーに向かって真っ直ぐ歩いていく客の顔を見て、思わず声を上げそうになった
「……!!」
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- 4 : 2014/06/15(日) 19:12:23 :
平積みになったサッカー誌を立ち読みし始めた彼は、あの頃のままの面影だった
彼は翼のついた兵服の代わりに、オフホワイトのカッターシャツとジーンズを着ている
うん、シンプルだけど似合ってる
昔は悪人面とか言われていたけど…
でもこうして大人しくしていれば、なかなかの好青年だと思うんだ
僕がこの世界に転生してから、会っ
たことのある仲間は彼で4人目
駅のホームで見かけたユミルは性別が変わっていたし
ファミレスに居たクリスタはずっと年上のお母さんになっていた
ライブハウスで歌っていたコニーは性別こそ変わっていなかったけど、あの頃の面影は全く無くなっていた
まぁ……僕の変わりように比べたら些細な事かもしれないけどね
転生後の姿がどんな風に変わってしまっていても、僕にはそれが誰だか一目見ただけで分かった
人とはちょっと違う力を持っているみたい
だけど彼はそんな力がなくてもすぐ分かる
彼は……
僕のとても大切な親友だから
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- 5 : 2014/06/15(日) 19:17:15 :
あの頃
僕たちはよく「兄弟みたい」って言われてたね
いつも一緒だったからかな
「こいつは俺の家族だから」
なんて
嬉しいこと言ってくれたよね
いつも僕の世話を焼いてくれて…
いつも僕のことを気にかけていてくれて…
巨人との戦いでたくさんの仲間を失った君は、僕だけに涙を見せて子供みたいに泣いていたね
僕はそんな君に、なんの慰めの言葉もかけてあげられなかった…
好きな子の話を僕だけにしてくれたこともあったっけ
「俺、あいつのことがずっと好きだったんだ…」
誰にも言ってなかったらしいけど…たぶんみんな知ってたよ
君が彼女を見る時の目は、とても優しかったから
僕と君は他にもたくさんの秘密を共有しながら、ずっと一緒に戦って来たんだ
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- 6 : 2014/06/15(日) 19:18:17 :
そういえば…
君を裏切って離れてしまったことが一度だけあったよね
きっととても怒ってるだろうな…と思いながら帰ったけど、僕を見た君は僕の無事をとても喜んで、抱きしめてくれた…
あの時はほんとにごめんね
もうニ度と君から離れないから
僕はそう心に誓ったんだ
君と駆け抜けた時代はとても残酷な時代だったけど、僕にとっては宝物みたいな日々だった…
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- 7 : 2014/06/15(日) 19:20:28 :
そしてあれは最期の日
君は横たわった僕の身体に涙の雨を降らせながら、必死でマッサージを続けてくれた
少し前に怪我を負って、兵団を追われるはずだった僕が、なんとか残れるようにと働きかけてくれたのに…
(ごめんね…側に居られなくなっちゃって…)
もう声を出すことも出来なくなってしまった僕は……
君の涙に濡れながら、幸せな眠りについたんだ
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- 8 : 2014/06/15(日) 19:23:05 :
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ふと気付くと、彼の他にも何人かの客が来店していた
彼は母親に手を引かれた小さな女の子をじっと見つめている
あれは……
5人目の仲間だ…
もしかして……彼にも分かるんだろうか……?
それとも彼女は彼にとって特別な存在だから、何かを感じているだけなんだろうか……?
その答えは、雑誌をレジカウンターに持って来た彼の驚きの表情で分かった
「……………お前……!」
「僕がわかるの?」
「………ブッフバルトか?」
僕はこれ以上ない位の笑顔を彼に見せた
「うん、そうだよジャン」
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- 9 : 2014/06/15(日) 19:24:06 :
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ねぇジャン
また一緒に走りたいな
僕サッカーはよく分からないけど、教えてくれるよね?
今なら君にたくさんの言葉をかけてあげられるよ
あの時言えなかった思いもちゃんと伝えられるよ
とりあえず
今は
「僕を見つけてくれて…ありがとう」
ジャンは少し照れたような笑顔になって
「当たり前だ。お前は俺の大切な親友だからな」
僕が一番欲しかった言葉を掛けてくれた
気がつくと
3日間降り続いていた雨はすっかり止んでいて…
雨上がりの澄み切った空気が、細く開けた窓から爽やかに流れ込んで来ていた
fin
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- 10 : 2014/06/15(日) 19:26:35 :
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以上です
ごりらの次はウマです
何故ジャンの馬は、ネス班長の愛馬のような牝馬じゃなかったのでしょう……(´・_・`)
ブッフバルトが本屋の店員なのは、直訳すると「本の森」になるからでした
「僕」がウマだと分かった後に読み返すと、また違ったイメージで読めると思います
最後まで読んで下さりありがとうございましたm(_ _)m
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- 11 : 2014/06/15(日) 19:47:54 :
砂糖楽夢音さん、応援ありがとうございました(o*。_。)o
活動休止されるのですね…短歌のシリーズ拝読してました。あちらに感想入れさせて頂きますね(。-_-。)
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- 12 : 2014/06/15(日) 21:27:56 :
- 途中までマルコかな……って思ってたら彼でしたか!
思わず読み返してしまいました。
こんな転生もアリですよね。
いつも良いお話をありがとうございます。
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- 13 : 2014/06/15(日) 22:56:40 :
- 私もマルコだと思ってたら、まさか本物のうまだったとは。
解って、兄弟みたいっていうセンテンスにクスリとしました。
ジャンは現代にいたら、男子校で悶々としたむさい青春を送ってそうと私は思っちゃいます。
だらだらママチャリこいで通学してそう。
むさくて臭い教室でライナーやコニーと「女にもワキ毛が生えるらしいぜ!」とか下らない話をしている姿が目に浮かびます。
駅や予備校で見かける女子高生に異様に興奮したりして(笑)
素敵な作品ありがとうございました。
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- 14 : 2014/06/16(月) 00:58:00 :
キミドリさん、ありがとうございます。
ジャンが彼を可愛がっていたのは、あの指笛事件からも分かりましたし、ジャンの親友はマルコ以外居ないんじゃ可哀想かな…と(笑)
自分は結末を知っているので、すぐ分かってしまうかな…とも思ったんですが、最後までバレずに済んでほっとしました(。-_-。)
ありゃりゃぎさん、「兄弟」のくだりはちょっと狙ってみたので、嬉しいです。
ジャンは逆境に晒される事で成長している感がありますものね。
平和な現代にいたら、ありゃりゃぎさんの予想通りの様な気がします。
そんな普通さが、彼の魅力なんですけど(笑)
今回もお付き合い頂きありがとうございました(o*。_。)o
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- 15 : 2014/06/16(月) 13:59:36 :
- 僕がここ数日で一番素晴らしいと思った作品です。
簡潔でパズルのようにパチパチと組み立てられていくのに、隠された真実に気づいた時の感動がたまらない。
素敵な演出を、本当にありがとうございました。
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- 16 : 2014/06/16(月) 14:21:25 :
- >>11
はいっ、そうなんです……
受験生なので、執筆を停止しようと。
あのシリーズにコメントありがとうございますっ!!!
執筆、お疲れさまです!!!
私もマルコかなと思っていたので驚きました!
確かに、ジャンはお馬さんを可愛がっていますねw
ジャンとジャンのお馬さんが幸せ(?)になってくれて、良かったですっ!!!
思わず、何回も読み返してしまいます。
いつも素敵な作品ありがとうございますっ!!!
次回作にも胸の高鳴る鼓動を押さえつけながら、楽しみにしていますね♪♪♪
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- 17 : 2014/06/16(月) 20:54:28 :
- 執筆お疲れ様でした。
誰かな誰かなと推測してわくわく読んでいましたが、ものの見事に外れました。最後まで読んで、すぐさまもう一度最初から読み返した作品はこれが初めてです。笑
2回目を読み終えた後のこの清々しさは、他の作品では絶対に味わうことが出来ませんね。今まで読んだSSの中でも1、2を争う名作だと思いました。ありがとうございました。
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- 18 : 2014/06/16(月) 20:59:20 :
- 執筆お疲れワロでした。w
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- 19 : 2014/06/16(月) 22:47:34 :
Artさん、ありがとうございます。
騙し絵のように、ひっくり返したら全く違うものが見えてくるお話にしたかったので、全てのパーツを伏線にしてみました。
Artさんぐらい表現力があったら、もっと上手に騙せたと思うのですが…
これからも精進いたします(。-_-。)
砂糖楽夢音さん、ありがとうございます。
何度も読み返すほど気に入って頂けて嬉しいです。
受験を控えてこれから大変だとは思いますが、がんばり過ぎずに「良い加減」で乗り切って下さいませ。
応援しております( ´ ▽ ` )ノ
submarinさん、アルミン&エレンでミスリードしたかったので、submarinさんの作品を参考にマルコよりは少し子供っぽい感じにしたつもりだったのですが、創りの甘さでジャンの方からバレちゃってたみたいです(笑)
読み返し前提のお話にしたので、二回目を楽しんでもらえて本望です。
励みになるお言葉、ありがとうございました(o*。_。)o
>>18さん、面白いと思ってもらえたなら何よりです♪
ありがとうございました。
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- 20 : 2014/06/16(月) 22:54:45 :
- これは素敵な現パロ。
私は現パロ読むの得意じゃないのですが、この作品はすんなり入ってきました。
ブッフバルトがすんなり出てこなくて、はてどなたでしたっけとあとがきまで読んで初めて、ああなるほど!って反応が鈍かった残念さんな私がおります(笑)
優しくて暖かい光にあふれた作品ですね。
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- 21 : 2014/06/16(月) 23:13:33 :
なすたまさん、ありがとうございます。
ブッフバルトの名前はアニメでしか出て来ないので、ピンと来なくても当然かと(笑)
私も自分が現パロ書けるとは思ってませんでしたが、なんでもやりたがりなので、挑戦してみましたf^_^;)
これからも楽しんで頂けるようにがんばります。
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