この作品は執筆を終了しています。
「親友」
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- 1 : 2014/05/21(水) 20:51:44 :
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どうも初めましての方は初めまして!
いつもご覧になって下さっているかたはありがとうございます、ゆきと申します!
今回はジャン主人公でサッと短編を思いついたので執筆していきたいと思います!
読みにくさ、誤字脱字が多々あると思われますが、生温かい目で見てくださいね!w
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よければSS作家、読者支援のグループも作成しましたので興味がある方はどうぞ!(最近は活動低迷気味です(汗))↓
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では、以下本編となります!
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- 2 : 2014/05/21(水) 20:52:26 :
・・・
小高い丘の上。
何をするでもなくただ青空の下で佇む一人の彼の元へ、一人の青年が駆け寄る。
「よう、マルコ!」
――― 歩み寄る彼の名前はジャン・キルシュタイン。
「やぁ、よく来たね!ジャン!」
――― 佇む彼の名前はマルコ・ボット。
二人はとても仲の良い親友だった。
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- 3 : 2014/05/21(水) 20:52:48 :
「あん?なんだこれは・・・」
ジャンは彼の傍らに置かれた一冊の本を手に取る。
「ああ、これ?これはアルミンが僕に譲ってくれた本だよ」
マルコは答える。
「・・・なるほど、またアルミンの奴か」
「うん。アルミンの勧めてくれる本は面白いから飽きなくて助かるよ」
「・・・ったく、こんな難しい本ばっかり読んでるなんて。相変わらずだな、お前は」
「ふふ、そういうジャンだって」
「はぁ?なんだよ、お前こそって顔しやがってよぉ・・・」
「だって、エレン達と会ってから随分経つのに相変わらずだからね、ジャンは」
「これでも少しはマシになったっつーの」
「ふふっ、本当かなぁ?」
溜め息混じりに弁解するジャンと、受け流すように笑うマルコ。
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- 4 : 2014/05/21(水) 20:53:18 :
「・・・ったく、お前もお袋も、人の事ばっかり世話焼きやがってよ」
「僕はそうでもないと思うよ?」
「お袋のやつも、この間しばらく振りに帰ってやったっつーのに。人に迷惑かけてないかだのなんだのってしつこくてよぉ、困ったもんだぜ」
「心配性なお母さんだね・・・ふふっ」
「おい、今笑っただろ?!」
「バレちゃった?流石はジャンだ」
「俺だって兵に志願した頃なんかよりずっと成長したってのにお前らはよぉ、まったく」
――― 呆れたようにジャンは言い放つ。
「・・・そうだね、本当に。ジャンはどんどん成長して、僕よりもずっと先に行っちゃったような気がするよ」
――― 少しばかり曇ったような表情でマルコは言う。
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- 5 : 2014/05/21(水) 20:53:44 :
「――― けど。」
ジャンはいつになく柔らかな表情で言葉を紡ぐ。
――― けれど。
「俺が今こうして立派な兵士で居られるのは・・・」
「――― お前のお陰だぜ、マルコ。」
その視線の先にいるのはマルコではなく、親友『マルコ・ボット』の名が刻まれた石碑。
その名を見つめる彼の瞳には、ほんの少しの憂いの色が宿っている。
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- 6 : 2014/05/21(水) 20:54:14 :
「・・・そっか」
ポツリと言葉を漏らすマルコ。
「僕の死は・・・決して無駄じゃ無かったんだね、ジャン」
「――― いや。」
「ジャンのお陰で無駄にならなかったんだ。だから・・・」
「――― ありがとう。」
親友の視線よりも少し高い位置から、彼は想いを伝える。
だがそれは、決して伝わる事など無い。
誰よりも近く、何よりも遠いマルコ言葉は、
ただ風となり、空の彼方へと消えてゆくばかりだった。
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- 7 : 2014/05/21(水) 20:54:37 :
・・・
「・・・うっし、それじゃそろそろ俺は行くぜ!」
ほんの数秒の後、ジャンは立ち上がりマルコへ別れを告げる。
「あ、それとこれは今回の土産だ・・・」
ジャンは少し懐を探るような仕草をした後、小さな小瓶を墓石《ぼせき》の前に置く。
「これは何だい、ジャン?」
マルコはその小瓶の中に入った透明の液体を興味深そうに覗き込む。
「これは海水つってよ。塩分を含んだ水から成る、バカでけぇ湖みたいなところから採ってきたんだよ!」
自慢気に語るジャン。
今や調査兵団は、巨人の脅威に晒される事の無い世界で、壁外の未知なる物への調査を行う部隊となっていた。
そして彼は、その大部隊の団長に座に腰を下ろす存在となっていた。
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- 8 : 2014/05/21(水) 20:55:05 :
「海を見つけた時のエレンやアルミンの顔っつったら凄かったぜ?そりゃもう嬉しそうでよぉ!」
「ふふっ、ジャンも随分嬉しそうだけどね」
「いやまぁ・・・俺もつい興奮はしちまったけどな、ははっ!」
――― 少し照れくさそうに、けれど嬉しそうにジャンは笑う。
――― そんな彼の姿を、ただ嬉しそうに見つめるマルコ。
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- 9 : 2014/05/21(水) 20:55:29 :
「んじゃ、また土産話でも持ってくるからよ。楽しみにしといてくれよな!」
――― ジャンはまた歩き出す、いつものように。
「うん、本でも読みながらまた待ってるよ」
――― マルコはまた待ち続ける、いつものように。
――― 二人はとても仲の良い親友だった。
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- 10 : 2014/05/21(水) 20:55:42 :
- 〜おわり〜
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- 11 : 2014/05/21(水) 22:35:08 :
- 単純に良い話だった。なんか涙でてきちゃった....
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- 12 : 2014/05/21(水) 22:42:59 :
- とても素晴らしい作品でした!
届いていないのに心が通じ合っているような、揺るぎない信頼関係に惚れ惚れいたしました!
情景が浮かんでくるようです!ジャンが生を終えるまで、こんな会話が2人の間で伝わりあっていると良いなあと思いました!
執筆お疲れさまでした!o(^-^)o
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- 13 : 2014/05/21(水) 22:49:54 :
- こんばんは。
はじめまして(…ですよね?(^^))
数珠繋ぎと申します。
いいお話でした。そうですよね、マルコの死は、ジャンによって、意味のあるものになったんですよね…。
素晴らしいSSを、ありがとうございました。お疲れ様でした。
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- 14 : 2014/05/21(水) 23:02:16 :
- 執筆お疲れ様でした。
ゆきさんのジャンマルううう。・(ノД`)・。
なんだか本当にありそうなお話で、頭の中で容易に場面を想像出来ました。
そして何より「二人はとても仲の良い親友だった。」という言葉がとても効果的に使われているなと感じました。勉強になりました。ふむふむ
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- 15 : 2014/05/22(木) 08:02:52 :
- 後から見ると・・・誤字めっちゃ多いですね(泣)
やってしまったヽ(´・∀・`)w
>11 鎧の兄貴さん
コメントありがとうございます♪
たまにはしっとりした作品を書きたくなったので、今回の作品を執筆しました(・∀・`*)
いい話だなんて言って頂けて嬉しい限りであります!><
>12 卿さん
通じ合ってるようですれ違っている、そんな会話の「よう」な言葉を選ぶのがなかなか悩みましたが、違和感なく読んで頂けたみたいでホッと一安心です、w
原作では話を重ねて行く毎にマルコの影が無くなりつつありますが、やはりジャンの中にはいつまでも彼の影が消えずに残ってくれているのではないかと信じております(๑′ᴗ‵๑)
>13 数珠繋ぎさん
初めまして、ですね!
(お名前は何度かお見かけした事がありますが、w)
ジャンの成長という視点ではよくマルコの死は描かれる事がありますが、逆にマルコの立場から自分の死についてどう考えているのか、それを描いてみたくてその辺りの会話を織り交ぜました。
仲の良い二人だからこそ、どちらが上とか下とか無く、対等に、お互いに認め合う二人、という姿がお似合いかなと思いましたので♪
お読み下さりありがとうございました(∩´∀`)
>14 マリンさん
「だった」という言葉は情景を描写している場合にも、過去の話をしている場合にも、どちらの場合にと違和感なく用いれるので、読者の方に前半と後半で印象が変わるように、と思ってその表現を使いました、!
初のジャンマルで、かつ初めて三人目の視点からの地の文を利用してみたのでなかなか悩みましたが、皆様からお褒めの言葉を頂けて嬉しく思います٩(◦`꒳´◦)۶
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- 16 : 2014/06/06(金) 22:37:54 :
- ジャンマル…(泣)
もう、相変わらずの文章力で読んでて本当にありそう…ってか本当にありそう!!って気分で読ませてもらいました!!!本当にゆきさんの文章力は尊敬します!!!素敵な作品を読ませて頂けて本当に嬉しいです!!!ありがとうございます!!
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- 17 : 2014/06/07(土) 08:07:39 :
- >16 EreAniさん
いつも読んで頂きありがとうございます(・∀・`*)
今後の進撃の巨人の展開がまだまだわからないのでこんな未来があるかはわかりませんが、念願叶って平和と希望に満ち溢れてればなぁという想いも乗せて執筆致しました、w
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