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アルミン「思ってたのは自分だけ」

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  1. 1 : : 2014/05/15(木) 00:04:10
    今回、私が執筆を行いましたこちらの作品『アルミン「思ってたのは自分だけ」』 は、 【進撃SS作家陣による制限SS執筆大会!】という グループにて開催された『制限付きSS投稿企画』 へ向けて執筆した作品となります。

    今回の制限内容は『キャラクター』で、指定は 『アルミンを主人公』となっております。

    こちらのグループに詳細が記載されてありますの で、 詳しく知りたい人や興味がある方、また他の参加 者の作品を閲覧したいという方がいらっしゃいま したら、以下のURLからご覧になってください。

    http://www.ssnote.net/groups/132


    駄作なのでそこをご了承願います☆
  2. 2 : : 2014/05/15(木) 00:04:59


    ザァァァー
    と大きな音を立てながら雨が降るなか

    訓練兵になった彼等は兵站行進をしていた


    アルミン「はぁ…はぁ…」ザッザッ
    皆が走っている列に一つ遅れているのは、アルミン・アルレルト


    キース「どうした!?アルレルト!?遅れているぞ!貴様だけ荷物を下ろすか!?」
    と激を飛ばすのはキース教官こと、キース・シャーディス


    アルミン「くっ…」ザッ
    悔しい気持ちが全面に出てるかのような声
    しかし気持ちとは裏腹に体は動いてくれない…といった様子である


    エレン「アルミン!その荷物をよこせ!」コソッ
    するとアルミンに声をかけてくる男が一人
    アルミンの幼馴染みであり、親友のエレン・イェーガーだ

    アルミン「いや…ぜぇ…大丈夫だ…よ」ザッ
    大丈夫と口では言うが…その声には元気がこもっていない


    エレン「いいから!」バッ
    その様子に気づいてかエレンはアルミンの荷物を無理矢理奪い去っていく

    アルミン「あ…」ザッ


    エレン「あんま無理すんなよ」
    と一言


    アルミン「…」
  3. 3 : : 2014/05/15(木) 00:05:16

    天気のいい日
    訓練兵達はグラウンドに居た
    何故かというと
    対人格闘の訓練の為だからだ


    エレン「よし…アルミン!来い!」


    アルミン「うん!」スッ


    アルミン「やぁぁぁっ!」ブンッ
    大きな声と共にエレンの下へと向かい
    持っている木刀をエレンへと当てようとする


    エレン「…」スッ
    エレンは冷静に木刀をかわして

    エレン「らぁっ!」ガシッ


    アルミン「っ!」


    ピタッ


    アルミンを投げ飛ばし木刀を奪い取る
    いや、正確に言うと投げ飛ばしたのには変わりはないが、地面には当てていない


    アルミン「…」


    エレン「さ…次はオレの番だな!」


    アルミン「う、うん」
    うんとは言うが何処と無くアルミンの顔は暗かった
  4. 4 : : 2014/05/15(木) 00:05:31


    ある立体機動訓練の日


    アルミン「…」バシュッ


    ミカサ「…」バシュッ


    二人は立体機動で森の中を飛んでいく


    ミカサ「はぁっ!」ザシュ!
    と快音を響かせミカサはターゲットである巨人の模型を削いでいく


    アルミン「やぁっ!」ザシュ
    アルミンも削いでいくが、ミカサに比べると音が小さく傷も浅い


    アルミン「やっぱミカサはすごいね」


    ミカサ「私は体をコントロール出来る。でもアルミンも頑張ればコントロール出来る…と思う」
    と冗談なのか本気なのか分からないことを言う


    アルミン「ははっ…ボクには無理かな」
    と苦笑いを見せて言った


    アルミン「…」カンッ!


    アルミン「!」
    会話をしていると、普段とは違う音がする
    何故かというとアルミンの射出したアンカーが木に刺さらなかったからである


    ミカサ「アルミン!」バシュッ
    ミカサが猛スピードで追う


    ダキッ


    アルミン「み、ミカサ…」


    ミカサ「大丈夫?怪我はない?」


    アルミン「大丈夫だよ。ありがとう」
    間一髪ミカサによって助かった
  5. 5 : : 2014/05/15(木) 00:06:15


    ――――
    ―――
    ――


    アルミン「はぁ…」
    ため息がこぼれる


    今日も…駄目だったな…

    いつもいつも…二人に助けられてる


    昔とちっとも変わってないよね…


    アルミン「…」パクッ
    そんなことを考えながらボクは配給される食べ物を口へと運んでいく


    エレン「アルミン?どうかしたのか?元気がないけど」
    とエレンが不思議そうに聞いてくる


    アルミン「いや…何でもないよ」
    とボクは返す


    エレン「?…ならいいけど」


    ミカサ「でも無理はいけない。体調が悪いときは休むことも大事」
    ミカサが心配そうに言ってくれる
    ほんとにありがたいことなんだよね


    アルミン「ほんとに大丈夫だよ」ニコッ
    無理して笑顔を作る
  6. 6 : : 2014/05/15(木) 00:06:31


    アルミン「先に部屋に戻ってるね」スッ
    そう言うとアルミンは足早に食堂を出ていった


    バタンッとドアが閉まる音が響く


    コニー「なぁ?エレン。アルミンのやつ何か元気無かった様に見えたんだが…気のせいか?」
    とコニーが心配そうにエレンに聞いてくる


    エレン「オレもいつもとは違うなぁと思ってたんだけど…アルミンは大丈夫って言ってるからな…」


    コニー「そうか…ならいいけどよ…」


    ジャン「でもよ…あいつ…普段からそう言うこと言うやつだったか?」
    とジャンが会話に入ってくる


    エレン「そう言えば…聞かないな…」


    ミカサ「確かに…アルミンはいつも自分で抱え込むタイプ」


    ジャン「まっ…本人が何ともないって言ってんだからいいが…何かあったらどうにかしてやれんのはエレンとミカサ…お前らだからな」


    エレン「分かってるよ」


    ミカサ「ええ」
  7. 7 : : 2014/05/15(木) 00:07:04


    ――――
    ―――
    ――


    キース「今日の訓練は雪山で行う!」


    キース「3人一組で雪山の頂上を目指してもらう!成績上位のチームには点をやる。成績上位を目指すもの…憲兵を狙っている者にとっては非常に大事なものになるからなっ!!心してかかれ!!」


    「はっ!!」
    キースから訓練内容を聞き
    皆心臓を捧げる


    キース「ではその組を発表する!」
  8. 8 : : 2014/05/15(木) 00:07:24


    ――――
    ―――
    ――


    アルミン「エレンとミカサと一緒だね」


    エレン「おう!頑張ろうな!」
    無邪気な笑顔を浮かべながら言うエレン


    ミカサ「勝つ」
    と言葉こそ少なかったがエレンにも負けず劣らずの気合いを見せるミカサ


    キース「では…始めぇぇっ!!」
    教官の気持ちいいくらいに大きな号令を合図に一斉に登り始める
    場所は各それぞれ別で色々な方向から目指すものだった
  9. 9 : : 2014/05/15(木) 00:07:36


    アルミン「何だか雲行きが怪しいね」
    アルミンが空を見上げて言った


    エレン「そうか?」
    エレンには分からない様だった


    ミカサ「ではどうする?」
    とミカサがアルミンに問いかける


    アルミン「うーん…急いで悪い天候に当たるのも厳しいから…ゆっくり進んだ方がいいかも」


    エレン「そっか…そうしよう!」
    と元気よく飛び出していくエレン


    ミカサ「意外と雪で滑るからエレン。もっとゆっく――」
    とミカサが言いかけた時


    エレン「うおわっ!?」ツルンッ


    ドサッ!


    エレンが転ぶ
    ミカサの予想通りと言ったところだろう


    ミカサ「ふふっ…」


    アルミン「ははっ…」

    そんなエレンの姿を見て二人に笑いが起きる
  10. 10 : : 2014/05/15(木) 00:08:06


    エレン「…」


    ミカサ「…」


    アルミン「…」


    サクッ…サクッと音を立てて雪山を登っていく


    エレン「なぁ…ミカサ…」


    ミカサ「何?」


    エレン「何でオレの腕の裾を掴んでんだ?歩きずらいんだよ!」
    とエレンが疑問に思っていたことを声を荒げてミカサに聞く

    アルミン「…」
    アルミンは口には出していなかったが何故ミカサがそうしているかは分かっていた


    ミカサ「さっき見たいに転んだら大変だから私が転ばないように対策をしている」


    エレン「だぁぁ!お前はオレのお母さんかっ!?」
    と怪訝そうな顔で言うエレン


    ミカサ「そんな…お母さんだなんて…言うならママの方がいい。エレンのことはパパって呼ぶから」
    ミカサが少し照れながらエレンへと言う


    エレン「え?やだよ」
    といつかエレンがアニに見せた時の様な口調で言う


    アルミン「(あれ…確か…アニに言った時はこの後蹴られてた様な…)」


    ミカサ「…」ドンッ


    エレン「わっ!?ミカサ…ちょ…押すな――」ツルンッ


    ドサッ!


    アルミン「(あっ…普通に突き飛ばして…案の定…また転んじゃったね)」


    エレン「何すんだよ!」


    ミカサ「エレンが悪い」


    アルミン「ふふっ…」
    二人のやり取りを見てまた笑みをこぼすアルミン
  11. 11 : : 2014/05/15(木) 00:08:28


    けっこう登り続けた頃


    ヒュウウウウゥ


    エレン「くっ…」ザッザッ


    ミカサ「…」ザッザッ


    アルミン「うぅ…」ザッザッ
    3人は吹雪の中歩いていた
    アルミンの予想通り天候が悪くなってしまった


    エレン「くそ…視界が悪い!…アルミン!どっかで休んだ方がいいか!?」


    アルミン「そうだね…まずは…何処か――」
    と言いかけた時

    ズルッ!

    アルミン「わっ!?」


    ミカサ「アルミン!?」

    ヒュウウウウゥン


    ミカサとエレンの視界から…アルミンが消えた
  12. 12 : : 2014/05/15(木) 00:08:42



    エレン「アルミン!大丈夫か!?」


    ミカサ「アルミン!」
    と二人は下に向かって叫ぶ

    アルミンはエレン達から離れた所に落ちてしまっていた

    吹雪で視界が悪く、また雪が積もっていたこともありアルミンは足を滑らして崖下に落ちてしまったようだ


    エレン「アルミーーン!聞こえるか!?」


    アルミン「エレン…!大丈夫だよ!雪がクッションになってくれたおかげで何とか怪我はないから!」


    アルミン「っ…!」ズキッ


    エレン「ならよかった!」


    ミカサ「エレン…でもゴールするには3人じゃないと…」


    エレン「成績なんて今はいい!ミカサは先に行って教官達を呼んできてくれ。さすがにオレ一人じゃきつい」


    ミカサ「エレンは?」


    エレン「オレは…アルミンのとこに行く!あいつ怪我ない言ってるけどしてるかもしれないからな!」バッ!


    ミカサ「エレ――」
    ミカサは名前を呼ぼうとするがエレンはもう下に飛び降りていた


    ミカサ「皆を呼んでくるしかない」
    そう言ってミカサは先を急ぐ
  13. 13 : : 2014/05/15(木) 00:09:01


    ヒュウウウウゥ


    ドサッ!


    アルミン「…!」ビクッ


    エレン「ててて…よし…何とか着地成功だな」


    アルミン「エレン…どうして?」


    エレン「どうして…って、心配だったからだよ」


    アルミン「でも…この訓練大事なんじゃ…」


    エレン「はっ…どうせオレは調査兵団に入るからな順位なんてどうでもいい。訓練して強くなれさえすればいいからな!」


    アルミン「そっか…ありがと…」ズキッ


    アルミン「うっ…!」


    エレン「アルミン?大丈夫か!?」


    アルミン「ちょっと…足が…」
    とアルミンが痛そうな顔をしてエレンに言う


    エレン「見せてみろ」スッ


    エレン「捻挫だな…こうなったらどうすればいいかオレはわかんねーからよ…教官達来るまで耐えれるか?」


    アルミン「大丈夫」


    エレン「そっか」
  14. 14 : : 2014/05/15(木) 00:09:19


    アルミン「ごめんね…」
    アルミンが申し訳なさそうな顔で言う


    エレン「だから、別にいいって」
    エレンは笑って返す


    アルミン「…」


    エレン「…?」
    二人の間に沈黙が流れる


    それを破ったのは…


    ミカサ「エレンっ!アルミンっ!」
    ミカサだった


    エレン「ミカサ…!?早くね!?」
    エレンが驚きながら喋る


    キース「イェーガー訓練兵にアルレルト訓練兵!ロープを持ってきた!これに掴まれ!」
    キースがロープをエレンとアルミンの下へと投げつける


    エレン「ありがとうございますっ!」


    エレン「ほら、アルミン」スッ
    そう言うとエレンは背中をアルミンに向ける


    アルミン「え?」


    エレン「ほら…捻挫してんだから…オレの背中に乗れよ」
    と優しい声で言うエレン


    アルミン「ありがとう…」スッ
  15. 15 : : 2014/05/15(木) 00:09:39


    エレン「教官!オッケーです!」ガシッ


    キース「よーし!分かった!アッカーマン訓練兵も手伝ってくれ」


    ミカサ「はい」


    ズルズルズル



    こうして二人は引き上げられた



    ミカサ「アルミン…って…怪我してるの?」


    アルミン「ははは…捻挫だから大丈夫だよ」
    苦笑いをしながらアルミンは言う


    ミカサ「アルミンが捻挫して歩くのが困難。ので私がおぶろう」


    エレン「待てよ!オレがおぶってくよ!」


    ミカサ「じゃあ二人でおぶるとしよう」


    エレン「えっ?」


    ミカサ「こういうこと」ガシッ


    アルミン「わっ!?わわっ!?」


    エレン「おお!これなら行けるな!」


    ミカサ「でしょ」


    アルミン「(これはおぶるじゃないよね…?二人の肩にボクが乗せられてて…視線が高い…)」
    アルミンはそう思ったが心の中に留めておくことにした
  16. 16 : : 2014/05/15(木) 00:09:56


    ジャン「おっ?エレン達だぞ!」


    ジャン「って…ん?」
    ジャンの顔にはてなマークが浮かぶ


    ライナー「あれは…どういう状況だ?」
    ライナーも不思議そうに見つめる

    いや、ライナーやジャンだけではない
    皆が不思議に思ったことだろう


    アルミン「(うぅ…皆見てる…恥ずかしいな…)」


    エレン「到着!」


    ミカサ「でも順位は最下位ね」


    エレン「まぁーいいじゃねぇか」


    ジャン「なぁ?一つ聞いていいか?」


    エレン「どうした?」


    ジャン「何でアルミンはお前らの肩に乗ってるんだ?組体操みたいになってんぞ」


    エレン「アルミンが捻挫したからよ」


    ジャン「そうなのか…大丈夫か?アルミン」


    アルミン「うん。何とか…」


    アルミン「ところで…何処の組が一番だったの?」


    ジャン「あぁ…それなら…」


    ジャン「オレとユミルとクリスタの組だ」
    少しどや顔で言うジャン

    それを無視して

    エレン「意外だな。アニとかライナーとかの方が上だと思ってたけど」


    ジャン「無視かよ…」


    ライナー「まったくだ…ユミルの野郎…クリスタの為だー!とか言って…今までに見せたことのないくらいに速かったぞ」


    エレン「そりゃすげーな!後で聞いてみよ!」
  17. 17 : : 2014/05/15(木) 00:10:15


    ――――
    ―――
    ――


    医務室


    医師「はい…これでOK!」


    アルミン「ありがとうございます」
    医師に手当てをしてもらい礼を言うアルミン


    医師「じゃあ…私はちょっと出掛けるけど…あなたはここに居てね。とりあえずは安静にしてなさい。」


    アルミン「は、はい」


    バタンッ

    医師はそう言って医務室から出ていった

  18. 18 : : 2014/05/15(木) 00:10:29


    医務室に一人残るアルミン


    アルミン「はぁ…」

    ほんとボクは…何をやっているんだろう…

    今日もだ…

    毎日、毎日。毎回のように二人に助けられる日々

    エレンはあー言ってくれたけど…

    今日の訓練は成績に関わる大事なものだった…

    それなのに…ボクのせいで…

    迷惑ばかり…疫病神…ってとこかな…

    いつも優しく接してくれるけど…
    ほんとは面倒がられたりしてるんじゃないかな…

    これなら…

    迷惑をかけるくらいなら…

    いっそのこと開拓地にでも静かに暮らした方がいいのかな…


    助けられると言えば…
    今思えば…あの時もそうだったな…




    ――――
    ―――
    ――


    『おい!異端者』ドンッ


    『うっ…!』ドサッ


    『どうした?異端者?悔しかったら殴り返してみろよ!』


    『そんなことするもんか!それじゃお前らと同レベルだ!』


    『何だと!?』


    『ボクが言ったことが正しいと認めているから、言い返せなくて…悔しいから殴ることしか出来ないんだろ?』


    『それはボクに降参したってことじゃないのか!?』


    『うるせえぞ!この屁理屈野郎!』グイッ


    『うわぁぁぁぁ!』


    『やめろーー!!』


    『いい加減にしなさい』
  19. 19 : : 2014/05/15(木) 00:10:55


    ――――
    ―――
    ――


    あの時から助けられてた

    それなのに…ボクは…

    二人に何もしてあげれていないじゃないか…

    何も支えになることは出来ていないじゃないか…


    アルミン「くっ…」ポロ


    ベットのシーツに一粒の雫がこぼれる
  20. 20 : : 2014/05/15(木) 00:11:15


    ガチャッ

    アルミン「!」

    医務室のドアが開く


    エレン「よっ!アルミン…って…アルミン!?」
    エレンが驚く。きっとボクが涙を流していたからだろう

    ミカサ「アルミン…泣くくらい痛いの?」
    ミカサが心配そうに聞いてくる

    アルミン「…」ブンブン
    ボクは首を横に振った


    エレン「じゃあ…どうかしたのか?」
    今度はエレンが聞いてくる


    アルミン「…」
    ボクはその問いに答えなかった


    しばしの間、沈黙が続く
  21. 21 : : 2014/05/15(木) 00:11:31


    ミカサ「アルミン…私達にも言えないことなの?」
    ミカサがボクに問いかけてくる
    それもいつもより真剣な顔で


    アルミン「…」
    ボクは俯いたまま何も喋らない…


    エレン「アルミン…何かあったんなら…言えよな…オレたちの仲だろ?」
    エレンが優しく接してくれる…

    今はその優しさが

    胸に突き刺さるように…








    『痛い』








  22. 22 : : 2014/05/15(木) 00:11:49


    アルミン「くっ…うっ…」ポロポロ

    二人には言わないって…決めてたのに…

    心とは裏腹に…ボクの目からは涙があふれる


    エレン「アルミン!?」
    エレンの声が裏返る
    それくらいに驚いたんだろう…


    ミカサ「アルミン…」
    ミカサが不安そうな顔でボクの方を見つめてくる…


    アルミン「エレン…ミカサ…」
    そんな二人の優しさに耐えれなくなった…



    アルミン「ボク…開拓地に戻るかな…」
    ついに打ち明ける


    エレン「どうしてだ?」
    エレンの顔が真剣になる


    アルミン「だって…ボクは…いつも…いつも…二人に迷惑ばかりかけて…!助けられてばかりで…!足手まといで…ボクは何もしてあげれていない…!」ポロポロ


    アルミン「二人にとってボクは…助けられる存在なんだ…!それなら…いっそのこと…ボクだけ開拓地に行ったほうが――」
    と言いかけた時


    スパァァァーン
    と快音が医務室に響く
  23. 23 : : 2014/05/15(木) 00:12:05


    アルミン「えっ…」


    ミカサ「…」


    ミカサにビンタされた…
    でも…音が凄かったのに…痛くない…


    エレン「アルミン…お前…それは違うぞ」


    アルミン「エレン…」


    エレン「オレやミカサはアルミンに何度も救われてる」


    アルミン「そんな…いつ…」


    エレン「巨人が街に攻めてきた時も…アルミンがハンネスさんを呼んでくれなかった…オレとミカサはここに居なかっただろう」


    ミカサ「それに…開拓地ではアルミンはおじいちゃんから貰ったと言って私達にパンをくれた。でも私は知っていた。私やエレンを起こさないようにこっそりとおきて、朝早くから配給所に並ぶアルミンの姿を」


    アルミン「…!」


    エレン「それに…座学の面ではアルミンが居なければやっていけないってくらい頼ってる。」


    ミカサ「悩み事だって…打ち明けられるのはアルミンくらい。それくらいアルミンを頼りにしてる」


    アルミン「…!!」


    アルミン「でも…何でじゃあ…いつも助けてくれるの?」


    エレン「助けるって…友達…いや…親友だから…当然のことだろ…?」


    アルミン「!!」


    アルミン「うぅ…うわぁぁぁぁぁぁぁん」ポロポロ


    エレン「アルミン」ナデナデ




    二人は…ボクのことを…下に何か見てなかった…

    対等の立場として見てくれていた

    ボクは…どうして…気づけなかった…

  24. 24 : : 2014/05/15(木) 00:12:30


    アルミン「うわぁぁぁぁぁぁぁん…!」ポロポロ


    エレン「おっ…そうだ!」


    ミカサ「エレン?」


    エレン「ミカサ…ちょっとアルミンを頼む!」


    ミカサ「え?」


    と言ってエレンは医務室から飛ぶように出ていった


    アルミン「うぅ…ぅっ…ひっぐ…」ポロポロ


    ミカサ「アルミン…」ナデナデ
  25. 25 : : 2014/05/15(木) 00:12:45

    少し経ってエレンが戻ってくる

    エレン「アルミン!ミカサ!ちょっと来てくれ!」
    息を切らしながらエレンは言う


    アルミン「え…でも…ボク今日一日安静にって…」


    エレン「いいから行くぞ!」スッ


    アルミン「あっ…」
    無理矢理エレンにおぶられ
    3人は医務室を後にした
  26. 26 : : 2014/05/15(木) 00:12:59


    アルミン「外…?」


    エレン「おう!」


    ミカサ「外に布団…はっ…!」
    ミカサが何かに気づいたようだ
    気づいた…というより思い出したという感じだ


    アルミン「何で…布団があるの?」


    エレン「何でって…ここで3人で寝るからに決まってんだろ?」


    アルミン「え?」


    ミカサ「そう」


    アルミン「でも何で…?」


    エレン「はは…アルミンは忘れたのか?開拓地にいた頃のことを」


    アルミン「開拓地…外…布団…」


    アルミン「…!!」


    思い出した…

  27. 27 : : 2014/05/15(木) 00:13:17


    ――――
    ―――
    ――


    あれはボクが
    おじいちゃんが亡くなってから…元気が無くて…泣いてばかりいた頃のことだ…!


    『うっ…うぅ…おじぃ…ちゃん…』


    『…』


    『ミカサ!アルミン!ちょっと待ってろ!』













    『よし!』


    『エレン…何で…布団を?』


    『今日はここで寝る!』


    『えっ?』


    『ほら!いいからいいから!』


    『ちょ…押さないで』


    『ボクが真ん中?』


    『おう…アルミン元気無かったからな』


    『…』


    『温かい』


    『だろ?』


    『今日はよく星が見えるな』


    『うん…綺麗』


    『私みたい』


    『…』


    『ここで無視されると傷付く』


    『嘘だって。ミカサも綺麗だよ』


    『ありがと』


    『あっ!流れ星だよ!』










    『よし!お願い事したぜ!』


    『私もした!』


    『ボクもしたよ!』


    『何てお願いしたんだ?』


    『それは秘密』


    『秘密』


    『ちぇ…』












    『…』


    『スゥースゥー』


    『ガー…ガー』


    『(二人とも…ボクにくっついて寝てる…ちょっと寝づらいけど…温かい。温度とかだけじゃなくて…何だか心が温まる…落ち着く…)』


    『(ありがと…ミカサ…エレン)』

  28. 28 : : 2014/05/15(木) 00:13:48


    ――――
    ―――
    ――


    アルミン「思い出したよ」


    エレン「そっか…なら話は分かるな…この後どうするか?」


    アルミン「分かるよ…ここで寝るんでしょ…」


    ミカサ「ええ」ガシッ


    アルミン「ミカサに掴まったら…まず逃げれないしね」











    エレン「狭いな」ギューギュー


    アルミン「そりゃそうだよ!ボクたちあの頃より大きくなってるんだからね!」


    ミカサ「ふふ」


    エレン「アルミン…さっきより元気になったな」


    アルミン「…うん」


    エレン「良かった良かった」


    エレン「な?ミカサ」


    ミカサ「ええ…アルミンにもついに反抗期が来たのかと思ってた」


    エレン「お前はアルミンのお母さんか!」


    ミカサ「それでもいいかも…私がお母さん。エレンがお父さん。アルミンが子供」


    エレン「おい!…って…まあ…それならまだいいかもな」


    アルミン「エレン!?」


    エレン「だって…オレたち…家族同然だろ?」


    アルミン「!」


    アルミン「うん」

  29. 29 : : 2014/05/15(木) 00:14:04


    アルミン「やっぱり温かいね」


    エレン「そうだな」


    ミカサ「でも…やっぱり狭い」


    エレン「確かにな…オレなんか下地面だからな」


    ミカサ「私は地面じゃない」


    アルミン「エレンの方が多分出てるんだよ。エレンは優しいからミカサを地面に、当てないようにしてくれてるんだよ」


    エレン「ちょ」


    ミカサ「ありがと…エレン大好き。」


    エレン「…調子狂うなぁ…」


    ミカサ「勿論アルミンも大好き」


    アルミン「ボクも二人のこと大好きだよ」


    エレン「オレもな」


    アルミン「あっ!見てみて!星だよ!」


    エレン「今日も一杯出てるな!」


    ミカサ「あの時と同じくらい」


    エレン「ってことは…もしかして…!」


    キラン!


    エレン「流れ星だ!!」













    エレン「何てお願いしたんだ?」


    ミカサ「さあ…」


    アルミン「秘密だよ」


    エレン「くっそー!またかよ!!」




  30. 30 : : 2014/05/15(木) 00:14:32







    ―二人ともほんとにありがとう


    ―ほんとに落ち着くよ


    ―ボクの為に…布団まで持ってきて…嬉しいよ


    ―ボクのことを下に見ないで対等に見てくれて


    ―ボクだけだったなんてね…そんな風に考えてたのは


    ―二人はそんなこと…これっぽっちも思ってなかったのに


    ―でも…今日で吹っ切れたよ


    ―明日からのボクは違うからね。エレン。ミカサ


    ―二人を助けれるように…二人の支えになれるように頑張るよ


    ―そして…あっ!と驚かせてあげる



    ―お願い事だけど


    ―何も言ってないけど…きっと…皆一緒のことを思ってたんだと思う。今も昔も





    ―ね?エレン。ミカサ。そうだよね?



















    『ボク(オレ)(私)の親友といつまでも一緒に入れますように』






    ―ってね














    ―この世界で最も信頼できて


    ―この世界で誰よりも尊敬することが出来て


    ―この世界で一番


    ―大好き君達へ























    『いつもありがとう』












    ―完ー


  31. 31 : : 2014/05/15(木) 00:23:09
    執筆お疲れ様でした♪
    アルミンの挫折から覚悟まで、あますところ無く表現されていて、胸を打ちました!!
    感動しました!!

    暖かく、素敵なお話をありがとうございました!!
  32. 32 : : 2014/05/15(木) 09:25:15
    お疲れさまでした♪

    優しい気持ちになれるお話でした(つд;*)
    それに、エピソードの一つ一つが、原作にかなり忠実に描かれていて、感動しました(*´∀`)

    幼馴染み3人組には、これからも3人で助け合いながら頑張ってほしいですね(*^^*)

    これからも頑張ってください♪
  33. 33 : : 2014/05/15(木) 12:18:05
    執筆お疲れ様でした。
    原作の一部になっていてもおかしくないようなストーリーの組み方ですね!素晴らしいです。
    3人で布団を並べて寝ている様子が目に浮かんで、思わずにやりとしてしまいました。
    素敵なお話をありがとうございました。
  34. 34 : : 2014/05/15(木) 17:17:04
    >>88さん
    今回は温かい作品に仕上げてみました\(^^)/
    ただ、書き始めたのが〆切の二日前だったので…しっかりと内容になっているかが不安でした(笑)(._.)

    感動してもらえて何よりです(^^)

  35. 35 : : 2014/05/15(木) 17:23:51
    >>泪飴さん
    優しい気持ちになってもらえて何よりです(^^)/

    話の内容はちょっと原作に近付けてみたのでそう言ってもらえると嬉しいですヾ(´▽`*)ゝ

    幼馴染み3人でのSSあまり見ないのでたまにはこういうのもいいかなーと思いまして(^^ゞ

    原作でのこれからの3人に期待です(´∇`)

    これからもが、頑張ります(°▽°)

    泪飴さんも頑張ってください(о´∀`о)

  36. 36 : : 2014/05/15(木) 17:31:12
    >>submarineさん
    そ、そんな…原作に比べたらなんてことないですよ( ゜o゜)。でもそう言ってもらえると嬉しいです♪ありがとです(´∇`)

    ほのぼのとした姿が目に浮かびますねヾ(´▽`*)ゝ
    にやり頂きました(о´∀`о)

  37. 37 : : 2014/05/15(木) 21:52:07
    よかったです!幼馴染3人組最高!
  38. 38 : : 2014/05/15(木) 21:57:58
    >>ゲスミンさん
    そう言ってもらえると嬉しいです♪
    幼馴染み3人組もいいですよね(´∇`)
  39. 39 : : 2014/05/15(木) 23:39:57
    アルミンが悩む姿が浮かびました!!
    そして、エレンとミカサの優しさがグッときますね!3人で同じ布団で寝るって言うのが原作で開拓地にいた頃にありそうで3人の寝てる姿を想像してました!(笑)
    素敵な作品をありがとうございます!!
  40. 40 : : 2014/05/15(木) 23:57:31
    その場面の一つ一つがすごく想像しやすく、
    とても素敵な作品でした!
    良かったです!
  41. 41 : : 2014/05/16(金) 06:26:08
    >>EreAniさん
    原作だとアルミンはもっと強い子(意志が強い子)だと思うんですけど…きっとアルミンだってこうなる時ぐらいはあると思い書きました(;o;)
    エレンとミカサとアルミンは仲良しですからねヾ(´▽`*)ゝ
    布団のところはあったらいいなと思い書いてました(笑)

  42. 42 : : 2014/05/16(金) 06:29:25
    >>天然執事ルーク(元フェイル)さん
    それなら良かったです!(´∇`)
    原作よりにしてみたので想像してもらえるとありがたいですね(о´∀`о)
  43. 43 : : 2014/05/16(金) 07:36:24
    最後の三人で空を見上げて一緒の布団で寝るところがとても温かい気持ちになりました!

    過去の三人の姿と比べて体も心もずっとずっと成長しても、仲良しでお互いを想い合う気持ちは昔と全然変わらない。

    そんなやり取りに思わず頬が緩みました♪

    執筆お疲れ様です!(๑>◡<๑)

  44. 44 : : 2014/05/16(金) 17:11:38
    うわぁぁぁん(´д⊂)
    いいお話!

    幼馴染3人組ssもいいですね!

    面白かったです!(o>ω<o)
  45. 45 : : 2014/05/16(金) 18:29:51
    >>ゆきさん
    ありがとうございます♪
    布団の所は温かく仕上げて見たのでそう感じてもらえると嬉しいです(〃∇〃)

    心はいつまでも変わらない…そこまで感じてもらえたなんて…感謝感謝ですねヾ(´▽`*)ゝ(もっとそこの描写をしっかり出来ればなぁ…と反省)

  46. 46 : : 2014/05/16(金) 18:30:44
    >>いちごわさびさん
    その言葉ありがたいです(о´∀`о)
    幼馴染みいいですよね(〃∇〃)
  47. 47 : : 2014/07/27(日) 05:36:50
    最高!
  48. 48 : : 2019/08/07(水) 20:17:01
    うんこぉ!

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aniel1234

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