このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
この作品は執筆を終了しています。
ミカサ「ずっと忘れない赤い日を。」
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- 1 : 2014/05/05(月) 12:48:58 :
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「…。」
もしも、この空の下で…
生きていけるなら。
もしも、この空の下で…
皆平和で暮らせるなら。
エレン「ミカサ、何空なんか見詰めてんだよ?早く帰るぞ。」
ミカサ「…うん。」
私は…彼とずっと居たい。
手を引っ張る彼の背中は、
とてもかっこよかった。
ミカサ「…….。」
しばし空を見詰めていたら、
懐かしい温もりを感じた。
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- 2 : 2014/05/05(月) 12:54:07 :
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パタン、とドアの閉める音がする。
私達の家に帰ってきた。
エレン「母さん、ただいま!」
カルラ「おかえり、エレン。」
カルラ「ミカサもおかえり。」
笑顔で出迎えてくる、「おばさん」。
とても素敵だった。
料理を作る姿。
洗濯物を干す姿。
出迎えてくれる姿。
どれも素敵だった。
まるで、あの日の温もりを…
思い出させてくれるかのように。
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- 3 : 2014/05/05(月) 12:55:45 :
- 期待です!!
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- 4 : 2014/05/05(月) 13:00:03 :
部屋でエレンと遊んでいる時。
エレン「なぁ、ミカサ…調査兵団って何だ?」
その質問には、まだ分からなかった。
ミカサ「分からない。」
首を横に振ると、
エレンは深い溜め息を吐いた。
エレン「俺、入ってみたい。」
多分、その時は単純な考えだったんだろう。
エレンは「馬鹿」だったから。
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- 5 : 2014/05/05(月) 13:02:10 :
>>3
Gloriousさん、期待コメント感謝です。
ミカサ視点で進めさせていただきます(●' v '●)短編ですが、どうぞよろしくお願いしますorz
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- 6 : 2014/05/05(月) 13:07:26 :
そしてそして、
ある日の事。
エレンは完全に決意を決めてしまっていた。
エレン「早く、調査兵団に入りてぇ!」
キラキラと瞬きすらしない、輝きの瞳。
当然、私は呆れた。
何度も注意したはずなのに。
ミカサ「エレン、絶対に駄目。ちゃんと考えて。」
エレン「ミカサまで……、俺は絶対入るからな!」
そう言って、エレンは先へ行ってしまう。
いつもの事だ。
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- 7 : 2014/05/05(月) 13:18:45 :
アルミン「ミカサ、エレンに本を貸してるんだけど、返してもらってもいい⁇」
あぁ、壁の外の本か。
当然、私達みたいに幼い子供は
壁の情報に触れることなど許されないはず。
ミカサ「ええ、言っとく。」
エレンじゃ、とても危険だ。
そうだ、アルミンなら知ってるだろう。
ミカサ「アルミンは……、調査兵団に入るの?」
アルミン「え……。」
アルミンは目を丸くした。
そりゃ、いきなり聞かれたら困るだろう。
アルミン「僕は………まだ、分からない。」
ミカサ「なぜ?」
アルミン「なぜって……、それは、僕が弱いから。」
ミカサ「…。」
この世界では「強い」と「弱い」で
差別をされていた。
私は何も言い返せず、
黙り込んでしまった。
アルミン「でも………。」
アルミン「強くなりたい。」
アルミンは顔を伏せて、深刻な表情をした。
アルミン「強いか、弱いかじゃないのかな。……自分で決めた意志なのかな。」
そんなの分からない。
意志なんて……夢なんて…
叶うかどうかも分からない。
結果、強さで決まってしまう。
窮屈な世界だ。
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- 8 : 2014/05/05(月) 13:27:02 :
__
もう無理だ。
私の目の前には巨人が立っていた。
カルラおばさんが家の瓦礫で押し潰されて、出れない状況だと言うのに…
どんな勇気すら足りない。
エレン「母さん!!」
エレンは泣き喚く。
ただただ、泣き喚く。
カルラ「早く逃げなさい!!」
エレン「何で!」
カルラ「早く!!」
エレン「死なせたくない!!」
カルラ「そんなの、どうだっていい!」
エレン「良くないよ‼」
カルラ「エレン、早くミカサを……!」
おばさんはもう、体力が無い状態だった。
脚と手が震えて、言葉がうまく出ない。
ミカサ「ぁ……ぁあ……。」
巨人が迫る。
止まってはくれない。
その時、声がした。
「カルラ!」
ハンネスおじさんだ。
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- 9 : 2014/05/05(月) 13:30:51 :
カルラ「ハンネス!エレン達を連れて逃げて!」
カルラおばさんは息が苦しそうだった。
もう無理なのかな。
ハンネス「俺がやる……!」
ハンネス「3人とも助けてやる!」
ブレードを手にするおじさんは、
巨人へと向かって行った。
その時は、少し安心してしまった。
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- 10 : 2014/05/05(月) 13:36:03 :
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ハンネス「……っ!」
カルラおばさんを助けられるかもしれなかった時に、おじさんは勢いで私とエレンを抱えた。
カルラ「ありがとう…!」
ポロポロと涙を流すおばさんが
徐々に遠くなってゆく。
その時、私にははっきりと聞こえた。
「行かないで……。」
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- 11 : 2014/05/05(月) 13:40:47 :
ぐしゃっ
おばさんは巨人の口の中に入る、
その光景を受け止められず、
ショックで脳内が停止した。
エレン「やめろぉぉぉぉぉ!!!」
必死に叫ぶ声は…。
希望へと届かなかった。
赤い紅い朱い雨が降る。
赤い空
紅い地べた
朱い手
赤い赤い赤い塊
その赤い日を、
私は永遠と忘れないだろう。
紅くて残酷な世界は
この世から消えることは無いだろう。
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- 12 : 2014/05/05(月) 13:41:53 :
終わりです!
観覧ありがとうございましたm(_ _)m
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- 13 : 2014/07/27(日) 01:07:30 :
- 悲しいですね
良かったです
お疲れさま
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- 14 : 2014/08/01(金) 16:27:52 :
- こういうの好きです!お疲れ様でした!!
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- 15 : 2014/08/04(月) 10:00:09 :
お二人共嬉しいコメントをありがとうございます!
短編でしたが、面白くしようと書いた甲斐がありました!
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