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人類駆逐計画

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  1. 1 : : 2014/05/03(土) 23:03:57
    ・ストーリー改変あり 
    ・シリアス
    ・エレアニ 
    ・ゲスミン



    アルミン「ねぇ?分かってるよね?」

    ライナー「・・・」

    ベルトルト「・・・」

    アニ「・・・」

    アルミン「君たちの役目は巨人を完全に抑制させる事が出来る"座標"を見つけ出す事だよ?」

    アルミン「それなのに未だに手掛かりも掴めていないなんて・・・」

    ライナー「手掛かりがないワケではない・・・」

    アルミン「へぇ?」

    ベルトルト「目星は大体ついてるんだ・・・エレンだ」

    アルミン「じゃあそのエレンから何か有益な手掛かりが見つかったのかい?」

    ライナー「・・・それは・・・まだ」

    アルミン「はぁ~。やる気ある―――の!」

    シュ!!

    バキィ!!!!

    ベルトルト「ライナー!」

    アルミン「君達の見て通りエレンは確かに座標である可能性はあるかもしれない」

    アルミン「でもね?本来座標と言うものは産まれ持っての先天性であって、後から獲られる代物じゃないんだよ」

    アルミン「まぁ前例が無いからと言って、そんな決めつけは良くないと思った寛大な僕は―」

    アルミン「ここしばらくエレンの様子を陰で見ていたけど」

    アルミン「―――そんな傾向はまったく見られなかった」

    アルミン「これで分かっただろう・・・?」




    アルミン「エレンは!」シュ!

    ドゴ!!

    ライナー「う!!!」

    アルミン「君達と同じ!」ザン!

    ドガ!

    ベルトルト「ぐぅ!」

    アルミン「下等巨人だって事を!!!」シュ!
    アニ「やめるんだ!アルミン!」バッ!!


    アルミン「へぇ~僕に楯突く気?」シュ

    ドゴ!

    アニ「うぅ!」ガク

    アルミン「ハッハッハ・・・」

    アルミン「ああ・・・君をもっと効率的に痛めつける良い方法思いついちゃった」

    アニ「・・・な・・・に?」ゾワ

    アルミン「・・・エレン」ボソ

    アニ「―――!エレンに手は!!」ガバ!

    アルミン「やはり、その反応を見るからに君はエレンの事を」ニヤァ

    アニ「貴様っ!もしエレンに手を出してみろ!貴様を八つ裂k」

    バキィ!

    アニ「ぎゃっ!」バタ!

    アルミン「んん?ちょっと耳が遠くて聴こえなかったな」ツカツカ

    アルミン「・・・ねぇ・・・今何喋ろうとしたの?ねぇアニ!」

    倒れているアニの顔を目掛け蹴り上げるアルミン

    ドゴ!バキイ!

    アニ「ギャッッ!!ウ"あぅ!っや"・・・やめ!!」

    ライナーベルト「やめるんだ!」

    アルミン「邪魔をする権利は君たちには無いよ」キッ!

    ドガ!

    ライナーベルト「ぐあああ!」

    アニの胸倉を片手で掴み、締め上げる。

    アニ「っひ・・・」グググ

    アルミン「立場を弁えろ、劣化巨人風情が」

    アルミン「下等種族のお前が僕に意見する気か?」

    アルミン「身の程を知れ」スッ

    アルミンは片方の拳を脇に構えを取り正拳突きの姿勢をとる

    ベルトルト「やめるだアルミン!!!!!」

    ライナー「よせ!!!!!!!!」

    アニ「・・・イヤ・・・ヤメ・・・」ガクガクガク

    アルミン「冗談♪」っぱ

    ドサ

    アニ「はっ・・・はっ・・・」ブルブル

    アルミン「君達は君達の役割を果たせばいい事のだけさ」

    アルミン「君たちが座標を見つけられなければ人類を攻撃して"座標"をあぶり出す他無いんだからさ」


    アルミン「その時は君達の友人は助けてあげるよ」

    アルミン「他は知らない――――皆殺しさ」

    ライナー「ぐ・・・」

    アニ「・・・・・」ブルブル

    ベルトルト(ベリック・・・)



    アルミン「皆を助けたければ早々に座標を見つけることだね」

    アルミン「―――何時までも冗談が続くと思わないことだよ?」

    アルミン「さ、朝食の時間だから僕は行くね」

    アルミン「それと君らを常に監視していることも忘れずに」


    アルミン「あぁ、もう一つ。―――アニ」

    アニ「・・・・・なんだい」ビク











    アルミン「その顔の傷は治しちゃダメだよ?」


    アニ「―――え?」













    アルミン「――――エレンに見せ付けてやるんだ」ニヤァ






    アニ「っ――――!?」

    ベルトルト(く・・・この悪魔の末裔が!!!)ギリ

    アルミン「じゃ、それじゃ」
  2. 2 : : 2014/05/04(日) 08:32:08
    -廊下-

    アニ「(顔の痣が酷い・・・エレンに見せたくない・・・)
    ライナー「・・・アニ・・・辛いと思うが・・・」
    ベルトルト「・・・・・・・クソ」

    ギィィィ

    -食堂内-

    エレン「ようお前ら・・・ってアニ!?どうしたんだ!?その顔!!!!!!!!!」

    アルミン「ん・・・うわ!どうしたの!?」

    アニ「ちょっと・・・ね」

    エレン「見せてみろ!ひでぇ・・・どうしたんだ!?誰かにやられたのか?!」

    アニ「階段で転んだだけだよ・・・大げさな(殴打特有の痣だが...隠せるだろうか)」

    エレン「嘘付け!明らかに殴られた痣じゃねえか!」

    アニ「何でもないって言ってるだろ・・・(やはり無理か)」

    ミカサ「階段で転んで出来るような痣じゃない」

    コニー「馬鹿な俺でもわかるぞ!」

    アニ「エレン...本当に何でも無いんだ(エレンに心配かけたくない)」フルフル

    ユミル「おい、ライナー、ベルトルさん」ボソ

    ライナー「何だ・・・?」

    ベルトルト「・・・・・」

    ユミル「あんた等アニの顔の事について何か知ってるんじゃねえか?」

    ライナー「残念だが俺たちも知らない・・・。今言ってたように階段で転んだの一点張りだからな・・・・」

    ベルトルト「うん・・・」

    ユミル「そうか・・・(コイツら何か隠してるな)」

    アルミン「アニ」

    アニ「なんだい?」ビク

    アルミン「とりあえず医者に診てもらったほうがいいんじゃない?」

    ライナーベルトルト「(クソ・・・!)」

    クリスタ「そうだよ!絶対診てもらったほうがいいよ!」

    エレン「そうだ!飯なんか食ってる場合じゃねえ!ちょっと来い!医務室へ行くぞ!」ガシ!

    アニ「あっ・・・ちょっエレン・・・!」チラ

    アルミン「」パクパク

    アニ「!?」













    ―――――"""喋ってみろ、そいつを残虐の限りを尽くしブチ殺す"""――――

    アルミン「」ニヤァ

    エレン「ほら、早く行くぞ!」グイ

    アニ「っ!いいって言ってるだろ!!!!!!」

    バシィ!

    エレン「!!」ジーン

    食堂内に乾いた音が鳴り響く。

    アニ「・・・・・ゴメンナサイ」ボソ

    タッタッタッタッタッタッタッタ!バタン!

    エレン「」

    ジャン「おい、死に急ぎ野郎!何やってんだ!さっさと追いかけやがれ!」

    サシャ「そうですよ!」

    ミカサ「エレン」

    エレン「あ、あぁ!」

    ダッダッダッダッダッダ!バタン!

    シーン

    ユミル「朝食とは思えないほど静寂な空気になったな・・・」

    クリスタ「・・・アニ・・・大丈夫かな」

    ユミル「あいつが付いてるから大丈夫さ」




    ユミル(アルミンに呼ばれた時のアニの反応、それにアイコンタクト・・・アルミンも関係してるのか?)
  3. 3 : : 2014/05/04(日) 17:15:59
    期待です!
  4. 4 : : 2014/05/04(日) 18:42:45
    ダッダッダッダッダッダッダッダ!

    エレン「おい!アニ!待てよ!!!」

    アニ「!!っっ付いてくるな!」

    エレン「待てって・・・!行ってるだろ!」ガシ!

    アニ「ほっといてくれよ・・・!」

    アニ(エレンにこんな顔見せたくない)」ポロポロ

    エレン「!」

    アニ「うぅ・・・」ポロポロ

    エレン「こんなお前を・・・ほっておける訳無いだろう」

    エレン「・・・とりあえず部屋に来い」ガシ



    -エレン部屋-

    エレン「よし、シップ貼ってやるぞジッとしてろ」ジー

    アニ「う、うん・・・」

    アニ(顔が・・・近い。整った顔立ち、真っ直ぐで綺麗な瞳・・・吸い込まれそうだよ)ドキドキ

    ペタ

    アニ「ひゃぁう?!」ビク!

    エレン「うおう!?」ビク!

    アニ「・・・乙女の顔なんだから・・・丁重に扱いな(変な声出ちゃった・・・)」カー

    エレン「お前が変な声出すからだろ!ったく。

    エレン(ビックリした。しかし、普段のアニからは考えられない声だったな)


    ペタ・・・ペタ・・・ペタ・・・

    アニ(心臓が破裂しそうなくらい鼓動してる・・・バレてないよね・・・っ?!」ドキドキドキドキ

    ペタ

    エレン「よし!コレで終わりだ・・・」ジー

    指で頬ツー

    アニ「ひぅ!?」ビク

    エレン「あ!悪い?!痛かったか!?」アタフタ

    アニ「い、いきなり何するんだい!?」

    エレン「いや・・・今までこんなにアニの顔を見た事無かったから・・・綺麗だなと思って・・・悪い!」

    エレン(思わず見惚れちまった・・・)

    アニ「っっ~~~!!ぉっ、おだてても何も出ないよ!」クル!

    エレン「(拗ねてる・・・可愛いな)」


    アニ「顔出しな!」

    エレン「へ?」キョトン

    アニ「あんたも・・・その・・・頬腫れてるだろ?・・・ゴメン・・・叩いて・・・」

    エレン「い、いやいいよ!俺は!これくらい」

    アニ「」ジー

    エレン「・・・分かった!分かったから見つめるな!」

    エレン(思わず目逸らしちまった)ドキドキ

    アニ「何で目つぶってるの?」ジー

    エレン「・・・」ギュー

    アニ「」

    ペタ・・・

    頬ペタペタペタペタペタ

    エレン「あの・・・アニさん?っっっ!?(顔近!)」ドキドキ

    アニ「いや・・・あんたの顔、整っててカッコイイなと思って」

    エレン「な!?なに言って!!(本当何言ってんだ!?)」ドキドキ

    アニ「ふふふ、"仕返し"さ」

    エレン「・・・『ひゃぁう?!』」

    アニ「」カー

    コチョコチョコチョ!

    エレン「っく!やめろ!コチョコチョは反則だ!っくははは!」

    アニ「うるさい」

    ワーワー!ギャーギャー!
  5. 5 : : 2014/05/04(日) 18:46:34
    エレン「・・・どうだ?少しは落ち着いたか?」

    アニ「えぇおかげさまでね(違う意味で落ち着かないケド)」

    エレン「話してくれないか・・・?顔の怪我の事・・・誰かにやられたんじゃないのか?」

    アニ「・・・・・・・・・・」

    エレン「話せないか?」

    アニ「・・・・・・・・・・ゴメン」

    エレン「俺じゃあ・・・お前の力になれないか?」

    アニ「・・・」

    エレン「話は変わるが・・・アニ、俺はお前を尊敬している」

    アニ「・・・」

    エレン「今だから言うが、俺は訓練団入団当初、周りの人間を見下していた所があった」

    エレン「巨人も見たことが無いお前らなんかに負けるはずが無い、そこらの凡人と違うんだ!――ってな感じでだな」

    エレン「周りが見えてなかったんだと思う。仲間を蔑んだり、支離滅裂な事言ってたっけか。今となっちゃ恥ずかしい話だが」

    アニ「・・・」

    エレン「そして、対人格闘術でお前と組んで俺が派手にやられた時、俺は自分の弱さに改めて気づいた。俺も所詮そこら奴らと同じなんだなって。」

    アニ「・・・」

    エレン「その日を境に俺はお前と共に訓練をしたいと思うようになった。」

    アニ(だからあんなに構ってきたのか・・・)

    エレン「お前に格闘術を教えてもらって、もっと強くなりたいという向上心が芽生えた。

    エレン「その向上心が他の訓練でも繋がったのか、他の訓練でも良い成績を残すことが出来た」

    エレン「お前が居てくれたから俺は変った。周りも見えるようになった。お前が居てくれたお陰で俺は強くなったと言ってもいい」

    エレン「もしお前が居なかったら、訓令兵団上位に入ることも出来なかっただろうな。」

    エレン「もう一度言うが・・・俺はお前を尊敬してるんだ、今度は俺がお前の力になりたい、お前を助けたい!」

    エレン「俺じゃあ力になれるかどうか・・・分からないが、話してくれないか?!」

    アニ「お節介だね・・・あんたは・・・・」

    エレン「・・・お互い様だろう」ニヤ

    アニ(あぁ・・・私はコイツのこういうところに惹かれたんだろうな・・・真っ直ぐで素直でお節介で・・・そして優しい)

    エレン「・・・・・・」

    アニ(返事を待ってる・・・・今すぐ吐き出したい・・・でも、それを明かしたら、私が――――巨人であることも)

    アニ(それを知ったエレンは私を―――――――――拒絶するのではないだろうか)ポロポロ

    エレン「・・・・・」

    アニ(エレンが真っ直ぐ私を見ている・・・エレンに縋りたい・・・話したい・・・!助けてもらいたい・・・!)ポロポロ

    エレン「・・・」

    アニ「っっ、エレ・・ン・・・その」











    ――君らを常に監視している

    ―――喋ってみろ、コイツを残虐の限りを尽くしブチ殺す














    アニ「っっっっ!!!!!!!!!!ゴメンナサイ!!!!」タッタッタッタッタッタ!

    バタン!

    エレン「・・・・・ダメだったか・・・」





    エレン(あの様子は尋常じゃねえな)

    エレン(どこのどいつだ?アニを苦しめてる奴は・・・)

    エレン(許さねえ・・・!)ギリ・・・!
  6. 6 : : 2014/05/04(日) 20:08:55
    >>3

    ありがとう
  7. 7 : : 2014/05/04(日) 23:42:17
    ― アニ部屋 ―

    バタン!


    ベッドボフン!
    アニ「うぅ・・・」ポロポロ





    ――喋ってみろ、コイツを残虐の限りを尽くしブチ殺す





    アニ(アイツが見てる・・・!話したらエレンが殺される!エレンを巻き込みたくない・・・)

    アニ(・・・あぁ・・・もう今日は・・・・疲れた・・・・寝ようかな。でも、今日の訓練とか業務どうしよう・・・あぁもうどうでもいいや・・・寝よ)

    アニ(・・・・・・そういえばさっきエレンに綺麗って言われた・・・・・こんな状況だけど・・・嬉しかったな)

    アニ(しかも結構いい雰囲気だったし・・・エレンがあんなに笑ってたとこ初めて見た)


    アニ(ふふっエレンの事考えるだけで憂鬱な気分も少しは...)



















    アルミン「ア~ニ♪」















    アニ「っ!?」ッバ!

    アルミン「そんな驚く事無いじゃないか」

    アニ「驚くも何もここはあたしの部屋だ!なんであんたがここにいるんだい!?」

    アルミン「言っただろう?僕はいつでも監視している...と。」

    アニ「あんたはプライベートにまで干渉するつもりかい?!」ギロ

    アルミン「.......さっきエレンと一緒に居たようだけど」

    アニ「」ギク

    アルミン「―喋ったんじゃないだろうな?」

    アニ「いいから出て行っておくれよ!今は私一人だ!監視する必要も無いだろう!?」

    バキィ!!!!!

    アニ「・・・うぐぅ!?」

    アルミン「――喋ったんじゃないだろうな?」

    アニ「しゃ・・・喋っ」

    バキィ!!!

    アルミン「――喋ったんじゃないだろうな?」

    アニ「あ"ぅ"う!しゃ・・・喋って無」

    バシィ!バキィ!ドガ!ドゴン!ドガ!バシイ!

    アニ「ひっ!や"ッギャっ!!や!あ"ァ"アゥ!」

    アルミン「――――喋ったんじゃないだろうな?」

    髪を掴んで毟り上げるアルミン

    ギリギリギリギリ・・・

    ブチブチ...ブチブチ...


    アニ「ひゃ・・・しゃっ・・・べて・・・ません」ポロポロ

    アルミン「――――よろしい、喋ってないようだな、良い子だよ」


    アルミン「・・・あーあ、せっかくの顔が台無しだ」ッス

    サワサワ

    アニ「っひ!(気持ち悪い!気持ち悪い!)」ゾワゾワ

    アルミン「そんなに怯える事無いだろう?」ッシュ!

    パァン!!!!

    アニ「あぅ!」

    アルミン「さて・・・僕はもう行くね・・・君はいつでもどこでも監視されていると言う事を忘れずに」

    アルミン「あっ、今僕がヤったその顔は治しておくんだよ?流石に怪しまれるからさ」スタスタ

    バタン

    アニ「ぅ・・・うぅぅうぅ・・・エレン・・・・・助けて・・・・」シュウウウウウ
  8. 8 : : 2014/05/05(月) 00:03:16
    -廊下-
    エレン「一体誰が・・・アニを・・・」ブツブツ

    アルミン「エレン!!」

    エレン「おっアルミン」

    アルミン「アニの様子はどうだった?」

    エレン「とりあえず、顔の怪我は応急処置してやった。・・・かなり精神的に追い詰められてるような感じだ。俺じゃ・・・力になれなかった」

    アルミン「そうか・・・アニは何か話してくれたかい?」

    エレン「・・・・・何も」

    アルミン「・・・そうか。エレン、僕らに出来る事は彼女の味方となって励ましてやる事ぐらいだ。

    アルミン「誰にだって道に行き詰まる事はある。今は・・・彼女を一人にさせてあげる時間が必要だよ。」

    エレン「そう・・・だな・・・俺、教官に言ってアニの休暇を要請してくる!」ッタッタッタッタッタ!

    アルミン「うん・・・いってらっしゃい」

    アルミン(アニは本当に喋ってないようだね。関心関心)」
  9. 9 : : 2014/05/05(月) 00:47:12
    - アニ部屋 夜 -


    アニ「ぅ」パチ

    アニ「・・・寝てたのか」

    アニ「きっと今のあたし、酷い顔になってるだろうな・・・一日中泣いてたし・・・」

    ベット脇には配膳台には食事が置いてあった。すっかり冷めきってしまっている。エレンが持ってきてくれたのだろうか?

    アニ「・・・ん」

    配膳台の横にメモと・・・長ネギが添えてある?


    『アニ、これ食って早く元気になれよ! ps今度の対人格闘は負かしてやるからな!』
    ――エレン
    アニ「エレン・・・・・ふっ、望む所だね」

    『次にエレンと対人格闘を組むの私。でも貴方がもし来るのであれば譲ってやらない事も無い』
    ――ミカサ
    アニ「相変わらずブレないね・・・ミカサは」

    『お前が何に悩んでるか知らねえが、頼れる仲間は沢山いる。いくらでも頼れ。拒む奴はいねえよ』
    ――ジャン
    アニ「ふ・・・何かっこつけてるんだ・・・コイツは・・・」

    『特別に私のパンを差し上げますよ!感謝してくださいね!』
    ――サシャ
    アニ「ありがとう・・・サシャ」

    『怪我をしたんならネギを首に巻くといいんだぞ!俺の村のネギやるよ!』
    ――コニー
    アニ「それは風邪だ、馬鹿」

    『あまり自分を思いつめるなよ』
    ――ライナー
    アニ「・・・あんたもね」

    『辛かったらすぐ言うんだよ?僕らは幼馴染なんだから』
    ――ベルトルト
    アニ「あんたも辛いだろうに...」

    『早く怪我治して元気になってね!せっかく綺麗な顔なんだから!ここだけの話、エレンの事好きなんでしょ?!だったら早く治さないと!』
    ――クリスタ
    アニ「・・・気づいてたのかい。女の勘ってやつは恐ろしいねぇ」

    『はよ来いバカ』
    ――ユミル

    アニ「短い!彼女なりの気遣いなのかもしれない・・・ん?」














    良く見るとユミルのメモは二つ折りになっていた。裏地にかなり小さな字で何か描いてある。






    『アルミンか?もしそうであるならな尾行して問い詰めてみる。このメモは読んだら燃やせ』




    アニ「!!!」
  10. 10 : : 2014/05/05(月) 01:10:49
    思考するよりも先に身体が動ていた

    バン!

    タッタッタッタッタッタッタッタ!

    アニ「(何故ユミルが?!気付かれた?!どちらにしろユミルが危ない!アイツを尾行出来る筈無い!ユミルが殺される!!)」

    ―ユミル部屋前―

    アニ「ユミル!」

    バン!

    アニ「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・い、いない?」


    まさか―――もう既にユミルは―――最悪の展開が頭を過る。
    いや、ユミルは生きてる筈だ。流石にアイツもこの壁地内で容易に殺人が行えるとは思えない。
    しっかししろ、アニ・レオンハート悲観的になってはダメだ。

















    アルミン「ア~ニ♪」
  11. 11 : : 2014/05/05(月) 01:40:57
    アニ「ハッ!・・・ッハ!・・・ッハァ!ハァ!・・・?」




    ―――いない?何今のは・・・幻覚?



    アニ「ははっ・・・疲れてるのかな?あたし・・・」

    何もかも全てアイツのせいだ。







    ――――君はいつでもどこでも監視されていると言う事を忘れずに

    昼間言われたアイツの言葉が脳裏に浮かぶ



    もしかしてあたしは・・・今とんでもない事をしているのではないだろうか。



    ―――もし、アイツが私が部屋で手紙を読んでる時から監視をしていて

    ―――私が二重メモに気付き血相を変えて部屋を飛び出したのも見られていて

    ―――ユミルの部屋何かに向かったら












    ユミルがあたしの秘密に気付いたと示唆している様なものじゃないか











    ユミルが部屋に居ないのは用を足しているのか

    それともクリスタの部屋に行ってるだけかもしれない。

    自分の軽率な行動でユミルを危険に陥れてしまったのではないか?

    いや、もしそうならばユミルだけでなくクリスタも...






    何て馬鹿なの・・・?あたしは・・・

    仲間を助けに行く所か危険にさらしてるじゃないか
  12. 12 : : 2014/05/05(月) 02:35:39
    ガタ!!











    アニ「ひぃ!?(な、なに?まさか)」」ビク!!!










    ニャー












    アニ「・・・(なんだネコか)ッホ











    ―――ユミルの事だけばかりを考えていたけど、自分も危ないのではないか?

    どちらにせよ私はユミルと接触を計ったのは明白だ。

    しかもこんな深夜に血相を変えて走れば何かあると誰もが捉えるだろう

    そうなるとアルミンが黙っていないはずだ・・・














    ヒュゥゥゥゥゥゥゥ 












    アニ「!ひ・・・!」ガクガク












    ガタガタ!













    アニ「ぃ・・・ぃや!あぁ!あぁぁああ!」ビク!


    ダッダッダッダッダッダッダ
  13. 13 : : 2014/05/05(月) 02:37:14
    ―アニ部屋―

    ガチャ!バタン!

    逃げ込むようにベットに潜るアニ

    アニ「はぁ・・・はぁ・・・」ガクガクブルブル

    アニ「・・・・・・・・」ガクガク

    極度の緊張と疲労で喉が乾ききっていた。

    落ち着きを取り戻す為、何か無いか飲み物が無いかと部屋を見渡すと配膳台に牛乳瓶が乗っていた。

    牛乳瓶に手を伸ばし、蓋をあけ牛乳を注ぐ

    アニ「ん・・・・」ゴクゴク

    アニ「っんぐ!?」



    ゲホ!ゲホ!!ゲホ!!!



    え?何?口の中が痛い・・・吐きだした牛乳が赤で染まってる



    アニ「ゲホゲホ!うぇぇえ!」ガクガク



    カラン!


    アニ「はぁ・・はぁ・・?」ガクガク

    吐しゃ物の中には人間がギリギリ吸飲可能な大きさの平たい鋭利なガラス板が入っていた。

    アニ「はぁ・・・はぁ・・・ガラス?なんで・・・」




























    それを拾い上げると、文字が刻まれている事に気づくアニ














    『明日の夜、巨大樹の森に集合、来なければ皆殺しだよ。
    psところでアニ、仲間に助けを求めたりなんかは・・・
    してないよねぇ?僕は――君を―――ずっと見ているよ―――』
    ――アルミン
  14. 14 : : 2014/05/05(月) 02:38:05
    アニ「いやぁぁあぁあぁぁあああ!!!!!!」ブン!!!

    パリィン!







    キミヲミテイル カンシシテイル シャベッテミロ ミナゴロシサ
    カンシシテイル ウラギルノアニ? ブチコロス







    アニ「っひっ!」ガクガク













    カンシシテイル カンシシテイル カンシシテイル カンシシテイル カンシシテイル
    カンシシテイル カンシシテイル カンシシテイル カンシシテイル カンシシテイル
    カンシシテイル カンシシテイル カンシシテイル カンシシテイル カンシシテイル
    カンシシテイル カンシシテイル カンシシテイル カンシシテイル カンシシテイル
    カンシシテイル カンシシテイル カンシシテイル カンシシテイル カンシシテイル












    アニ「いやぁぁあぁぁぁああああ!!!」

    アニ(もうこんなの耐えられない!!!!)

    アニ(誰か・・・!誰か助けて!ライナー!ベルトルト!)

    アニ(エレン!!!!!!!!!!)



    タッタッタッタッタッタッタッタッタ!

    バタン!



    ―廊下―



    ドコイクノアニ? キミヲカンシシテル ウラギルノアニ?


    アニ「(止めて!止めて!煩い!聴きたくない!エレン!!!!助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて)」


    タッタッタッタッタッタッタッタッタ!


    ―エレン部屋―

    ガチャ!バタン!

    アニ「エレン!!!」

    私はエレンの名を叫ぶと同時に彼のベットに潜り込んで彼にすがりついた

    エレン「う~ん」ムニャムニャ
  15. 15 : : 2014/05/05(月) 02:39:52
    一旦ここで切ります
  16. 16 : : 2014/05/05(月) 23:04:17
    アニ「(エレン!エレン!)」ギュゥゥ

    エレンの胸に顔を埋めるアニ。エレンは鍛錬もあってか熟睡していた。

    エレン「zzz」グウグウ

    アニ「(幻聴が・・・治まった?)」ギュゥー

    アニ「・・・・・・・・・・・」


















    興奮も収まり、ふと我に返ると自分が陥ってる現状を分析する

    アニ「(私、エレンのベットでエレンの横でエレンに抱きついてる!?)」カー

    エレン「zzz」グウグウ

    アニ「(エレン・・・暖かい)」ギュウウウ



    エレンの匂い・・・良い匂い・・・

    鼻孔をくすぐる

    男らしい引き締まった体

    ・・・ずっとこのままで居たいな

    心臓が飛び出るんじゃないかってくらい鼓動してる



    エレン「zzz」グウグウ

    アニ「・・・・・・・・・・」ドキドキ

    エレン「zzz」グウグウ

    アニ「」ジー

    エレン「zzz」グウグウ

    アニ「」プニプニ

    エレン「ムム・・・」

    アニ「」

    頬を抓ってみる

    エレム「ムゥー!ムゥー!」フルフル

    アニ「(か、可愛い!)」

    エレン「ゃめろミカサァ~・・・zzz」

    アニ「(・・・・・・ミカサじゃないわよ)」キュ!

    エレン「ンー!ンー!」フルフル

    アニ「」クスクス

    エレン「ゥ~ン...ァルミン~」

    アニ「っ!」ビク

    アニ(・・・エレンは裏のアルミンを知らない)

    アニ(こいつにとってのアルミンは優しい親友なんだろうけど・・・)

    アニ(私にとっては、もはやあいつは悪魔としか写らない・・・)






    エレン「ん~」ゴロ

    ダキ!






    アニ「ぇ?っちょっちょ!」

    エレン「zz」ギュゥゥ

    アニ「(エレンに抱きしめられてる・・・!)」ドキドキ

    エレン「う~ん」ゴロゴロ

    スリスリ

    アニ「(っ~~~~どこに顔埋めてんだい!!この変態!)」カー

    スリスリスーハースーハー

    アニ「(っぁ!ん!っちょ!こっこのいい加減にしな!)」

    ボコ

    エレン「グハ」

    アニ「あ」

    エレン「」

    アニ(まぁいいや、おやすみ・・・エレン)ギュウ
  17. 17 : : 2014/05/06(火) 14:23:12

    ―朝―

    エレン「ふぁあぁあ・・・朝か?・・・」パチ、ムク

    エレン「・・・」ムニャムニャ

    アニ「zzz」すぅすぅ

    エレン「まだ起きるには早いな、もう少し寝とくか」バサ

    ガバ!!!!!!!!!!!

    エレン「!?!?」


    バサ!←毛布をめくる


    アニ「zzz」すぅすぅ


    パサっ←毛布を被せる


    バサ!←毛布を(ry


    アニ「zzz」すぅすぅ


    エレン「何でアニが!??寝ぼけてアニの部屋で寝ちまったのか!?―――いや、ここは俺の部屋だ!」

    アニ「zzz」スゥスゥ

    エレン「可愛い寝顔だな・・・」

    アニ「う~ん」ゴロゴロ

    エレン「ぶっ!?」








    アニの格好はパーカーと――――下着だけの状態であった。おまけにパーカーが捲れ、たわわに実ったアニの形の良い健康的なモノが見えかけていた
  18. 18 : : 2014/05/06(火) 14:41:38
    エレン「(落ち着けエレン・イェーガー!後頭部より下のうなじにかけての縦1m幅10cm!後頭部より下のうなじにかけての縦1m幅10cm!!)」ドキドキドキドキ

    アニ「(すぅすぅ)」

    エレン「(取りあえず、この状態はマズイ!)」ソー

    捲れたパーカーの裾に手に掛け

    エレン「(起きるなよ~、起きるなよ~!)」ドキドキ

    アニ「」パチ


    アニと目が合う



    エレン「・・・」

    アニ「・・・?」


    数秒間にわたる沈黙


    ポクポクポクポクポクポクポクポクポク


    エレン「おっ・・・おはよう」プイ





    アニ「っっ~~~!(しまった!昨日エレンのベットに潜り込んでそのまま寝ちゃったんだ!)」カー!

    エレン「ア、アニ・・・えっと、その・・・その格好・・・」チラチラ

    アニ「・・・え?・・・っ~~~~!あっ!見るんじゃないよ!」カー

    毛布を体に巻きつけうずくまるアニ

    アニ「(格好を気にせず部屋から飛び出したから忘れてたよ・・・!恥ずかしくて死にそう・・・!)」カー!

    エレン「と、とりあえず着替え持って来てやるから!そこに―」








    コンコン


    ミカサ「・・・エレン?起きてる?」

    アニ「!!!」

    エレン「(マズい!ミカサだ!!!)」

    ミカサ「エレン?」

    エレン「俺は起きてる!大丈夫だ!ミカサ!」

    ミカサ「(怪しい)・・・エレン、入るね」

    エレン「え?待てミカ――!!!」

    ガチャ!
  19. 19 : : 2014/05/06(火) 16:04:52

    ミカサ「おはよう、エレン」

    エレン「あぁっ、お、おはようミカサ」アセアセ



    アニ『ンー!ンー!』ジタバタ

    モゾモゾ

    ミカサ「?」

    エレン「(コラ!ジタバタするな!)」ギュウウウ



    ミカサ「・・・エレン、何か私に隠し事してない?」

    エレン「(やべっ勘づかれた?!)隠して事なんか無いぞ」ビク

    ミカサ「(耳が赤くなってる)どうしてベットから出ないの?」ジー

    エレン「あ・・・あぁ実は、朝から調子悪くてな、ちょっと寒くて毛布に包まってるんだっへへ」

    ミカサ「そう・・・」スッ・・・

    エレン「」ビク!

    ペタ

    ミカサ「熱は無いみたいだけど・・・無理はしないでね。私は朝食に行くけど・・・」

    エレン「あっあぁ先に行っていてくれ、後で行く」

    ミカサ「分かった、じゃあまたあとで」

    バタン


    エレン「ふぅ~間一髪ってところだったな」

    バサ!

    アニ「んー!んー!」バタバタ

    エレン「あ!悪い!」ッバ!

    アニ「ぷはぁ!!あ・・・あんたって奴は!私を窒息させる気かい!?」

    エレン「す、すまん咄嗟の事だったから」

    アニ「構わないよ・・・嫌・・・じゃなかったし」ボソボソ

    エレン「え?なんだって?」

    アニ「うるさいバカ!早く着替え取って来ておくれ!」カー

    エレン「あっあぁ!分かった!」

    タッタッタッタッタッタッタッタ!

    バタン!

    アニ「(あああ~~~!恥ずかしい所見せちゃった!もう顔合わせらんないよ!)」枕に顔を埋めジタバタ
  20. 20 : : 2014/05/06(火) 16:18:22
    アニ「・・・遅かったね」

    エレン「・・・あぁ、部屋が少し散らかってたからな、少し片付けてきた」

    アニ「・・・・・すまないね」

    エレン「別にいいさ。ほら、着替えだ」

    アニ「ああ、すまないね」

    衣服をアニに渡すエレン。しかし、アニは一向に着替える気配が無い

    エレン「どうした?」

    アニ「・・・・・」ジー

    アニ「あっち向いててくれないかい?」カー

    エレン「あっ悪い!」クル!




    スルスル...パサッ...スルスル

    エレン「」ドキドキ

    アニ「いいよ」

    エレン「あ、あぁ」クル

    アニ「すまないね、朝からバタバタさせて」

    エレン「いいさ―――でだが、な、何で俺のベットで寝てたんだ?」

    アニ「そ、それは―――」ぐぅ~

    アニ「」カー

    エレン「っぷ」

    エレン「とりあえず朝食、行こうぜ?昨日から何も食べてないんだろう?」

    アニ「・・・・・うん」
  21. 21 : : 2014/05/06(火) 17:13:41
    死ねっ!!!!!アァァァルミイィィン!!!!!!!!
  22. 22 : : 2014/05/06(火) 18:05:15
    ― 廊下 ―

    スタスタスタ

    エレン「・・・・・」

    アニ「・・・・・」

    エレン「(きっ気まずい!!)」

    アニ「あっあのさ!」

    エレン「おっおう!?」

    アニ「(言うぞ!がんばれ私!)今日・・・せっかくの休みだからさ!」

    エレン「あ、あぁ」

    アニ「私と・・・ちゅっ付きあってくれないかい(言えた!)」ボソボソカミカミ

    エレン「!?そ、それは・・・こ、こここ告白的な意味で?!」

    アニ「!ち、ちちちがう!!!!どこか一緒に行かないかと行ってるんだ!」カー

    エレン「あ!?あぁ!いいぜもちろん!(ビックリした!)」ドキドキ

    アニ「(やった!)!じゃ、じゃあ10時に中央通りに集合!い、以上!!!」ギクシャク

    エレン「わ、わわわわかった!(これってもしかしてデート?あのアニが!こんな事言うなんて...!)」ギクシャク

  23. 23 : : 2014/05/06(火) 18:08:37
    もっとやれぇアルミィン
  24. 24 : : 2014/05/06(火) 20:23:17
    ― 食堂 ―

    ガチャ!バタン


    エレン「よう、お前ら。おはよう」

    ベルトルト「あっエレンおは・・・あ!」

    アニ「・・・・・おはよう」

    ライナー「!アニ、もう大丈夫なのか・・・?」

    アニ「心配掛けたね、大丈夫さ」

    ライナー「そうか、良かった(大分顔色は良くなったな。エレンに感謝しねーとな)」

    ベルトルト「無理しちゃだめだよ・・・?」

    アニ「ありがとう(お互いね)」

    コニー「俺のネギが効果あったんだな!?」

    ジャン「ネギ?なんだそりゃぁ」

    コニー「あぁ、ネギを首に巻くとな―――――」


    ハァ?ナニイッテンダオマエ

    チガウゾコニー ネギヲクビニマクトアタマガヨクナルンダ

    マジカ?!オレ、ジュギョウノトキマイテミル!オウマケマケ



    アニ(気になる事がある。ユミルの事だ)

    アニ(昨日彼女の部屋に行ったが、部屋に居なかった)

    アニ(見た所、食堂には居ない・・・それどころか、アルミンの姿も見えない・・・


    アニ(―――嫌な予感がする)

    クリスタ「―――アニ?」

    アニ「ん、なんだいクリスタ」

    クリスタ「アニ、顔の傷は大丈夫?」

    アニ「あぁ大丈夫さ、ありがとう。所で、クリスタ。ユミル見なかった?」

    クリスタ「う~ん,昨日私の部屋に押し掛けてきて、そのまま一緒に寝たんだけど、朝早く起きて部屋を出たよ。それっきり見てないよ」

    アニ(とりあえずは、無事?良かった)ホ

    アニ「そうか、ありがとう、ところで・・・アルミンは?)



    クリスタ「アルミン?アルミンは見てないなぁ、食堂にもまだ来てないよ。エレンなら知ってるかも」

    アニ「そうかい」

    アニ(アルミンの動きが気になるな)
  25. 25 : : 2014/05/06(火) 20:42:16
    クリスタ「ところで、アニ!」ニコニコ

    アニ「なんだい、ニコニコして」

    クリスタ「」ヘ(^-^ )ィ ネェネェ、耳かして…

    アニ「?」

    クリスタ「愛しのエレンとはどうなの?」ボソボソ

    アニ「なっ!なっ!一体何言って!」カー!

    クリスタ「照れてる!カワイーアニ!」

    アニ「どっどうもこうもないよ・・・あいつと私の間になんて」

    クリスタ「一緒のベットで一夜を明かしといて何も無いワケないじゃない」

    アニ「どうしてそれを!?!?」ガタ!

    クリスタ「・・・え?」

    ン?ナンダナンダ?ドウシタンダ?ガヤガヤ

    アニ「ッハ!」ッス

    クリスタ「もしかして・・・本当にエレンとベットで逢い引―――もがぁ!?」

    アニ「それ以上喋ったら次の対人格闘の時、二度と立て無くしてやる」ゴォォ


    ジャン!ミテクレ!コノタイリョウノネギヲ!クビダケジャナクテ、ウデニモマイタンダ!
    コレデオレテンサイニナレルカナ!
    アァ、オマエハマギレモナイテンサイダヨコニー



    クリスタ「えぇー!?エレンをデートにお誘い?やったじゃん!アニ!」

    アニ「・・・・・・・・・ウン」カー

    クリスタ「そうなればこうしちゃおれない!アニ!デート経験は!?服は持ってる?!オススメスポットは知ってる?!キスの仕方とか手のつなぎ方とか、あとは――」ベラベラ

    アニ「え?え?え?経験はないよ、服はいつも通りのつもりだったし、場所も特に決めてないしとりあえず喫茶店にでも行こうかとは――」

    クリスタ「ブー!0点!アニ、せっかく綺麗で可愛いんだからこういう所はちゃんとしないと!とりあえず、私の部屋に行こうか!」ガシ!

    アニ「え、ちょ!待っておくれ!ああああ!」ズリズリズリ
  26. 26 : : 2014/05/06(火) 20:42:48
    今日はここまでデス

    明日投稿します
  27. 27 : : 2014/05/06(火) 20:49:31
    期待するよ!
  28. 28 : : 2014/05/06(火) 21:27:26
    >>27

    サンクス!
  29. 29 : : 2014/05/06(火) 21:51:07
    ハッピーエンドに終わって欲しい!!

    お願いですぅうううう
  30. 30 : : 2014/05/07(水) 20:30:59
    ちと厳しいので、時間が空き次第投稿します
  31. 31 : : 2014/05/07(水) 22:47:37
    ― クリスタ部屋 ―

    クリスタ「コレがいいかな!?」

    アニ「う~ん」

    クリスタ「コレ何てどう!?」

    アニ「え?!こんなヒラヒラしたのヤだよ!」

    クリスタ「これでどうだ!」

    アニ「ろ、露出が多すぎだ!」カー

    クリスタ「モー!アニったら選り好みし過ぎ!」

    アニ「しょ、しょうがないだろ!ファッション何て今まで気にしたこと無かったんだし、そ・・・それにデート出し・・・エレンに・・・か、かかか」ブツブツ

    クリスタ「か?」

    アニ「・・・カ・・・ワイイッテイッテモライタイ・・・シ」カー

    クリスタ「(ア、アニかわいい)」

    アニ「あ・・・これいいかも」

    クリスタ「あ、確かに似合うかもね、着てみる?」

    アニ「・・・ウン」ボソ







    着衣後~

    クリスタ「わー!似合ってる!!それならエレンも一発で堕ちるよ!」

    アニ「そ・・・そうかい?」モジモジ

    クリスタ「うんうん似合ってる!それにしなよアニ!」

    アニ「ん・・・ワカタ・・・」

    クリスタ「ん・・・もう少しで約束の時間じゃない?」

    アニ「あっ本当だ、そろそろ行かないと」

    クリスタ「準備は大丈夫?ハンカチは持った?」

    アニ「うん」

    クリスタ「手の繋ぎ方とか、コミュニケーションの取り方はOK?」

    アニ「うん、大丈夫」

    クリスタ「キスの仕方とかは?」

    アニ「ぅ・・・だ、だだだ大丈夫・・・ジャナイカモ」カー

    クリスタ「お財布持った?」

    アニ「持ってるって、・・・あんたは私の母親か・・・」

    クリスタ「コンド―もがぁ!?」

    アニ「それ以上喋ったら次の立体起動訓練で貴様は巨人と間違えられ背後から謎の一撃を受けるだろう」

    クリスタ「もがもが―――アニ、いってらっしゃい」

    アニ「あぁ・・・行って来ます――あ、クリスタ。」

    クリスタ「――――なぁに?」

    アニ「―――――ありがとう」

    クリスタ「どういたしまして」ニコ

    ガチャ

    バタン

    シーン

    クリスタ「(アニ・・・ファイト)」













    ― 廊下 ―


    アニ「・・・・・」






    クリスタの笑顔を見るのは――今ので最後

    次はもう―――無い。

    例え次があったとしても










    あの笑顔を再び私に向けられることは、もう無い
  32. 32 : : 2014/05/07(水) 22:47:37
    最終的にアルミン倒してエレアニハッピーエンドにしてほしい!
  33. 33 : : 2014/05/07(水) 22:50:06

    『ウォール・シーナ』
    ウォールローゼより更に内側位置する壁。
    人口は20万人程で、王城と首都があり政治・経済の中心地である。
    この壁内で居住権を得ている者の大半は富裕層が占めている。
    そのため、餓えや職に苦しむ人間がおらず、治安は良好であり犯罪も少ない。
    事業で優れた功績をあげた者や、あるいは偉業を成し遂げた者は居住権を得ることが出来る。













    ユミル「―――と、言う感じで庶民じゃ住むことはおろか、歩くことさえも間々ならないボンボンの街だが・・・」

    ユミル「アルミンの野郎、こんな所で何をしてるんだ?」コソコソ

    アルミン「~♪」

    ユミル「店に入るわけでもなく、知人の家に訪ねに行くわけでもなさそうだ」

    ワイワイ、ガヤガヤ、ワイワイ、ガヤガヤ

    ユミル「(今度は繁華街か・・・アルミンを尾行してから中央通り、商店街を周ったが、コイツの行く先、人が多いところばかりだな・・・人ごみは苦手だぜ」)」

    アルミン「~♪」

    ユミル「(もう少し、様子を見てみるか)」
  34. 34 : : 2014/05/08(木) 21:18:32
    ― 中央通り 待ち合わせ場所 ―

    『――明日の夜、巨大樹の森に集合』

    ――今までにアルミンからの召集は幾度もあったが、今回の様に壁の外での召集は初めてだった

    それも壁から遠く離れた巨大樹の森で――だ。

    そんな人里離れた場所へ召集をかけた真意は、誰にも聴かれてはならない内容なのだろう。
    アルミンはどのような事を言うつもりなのか、大よそ見当が付いた。それはライナーやベルトルトも同じだろう


    それは打つ手なしの窮余の策、最悪の展開―――考えたくもない









    アニ「(・・・・・駄目だ、せっかくのエレンとデートなのにこんなネガティブになっては)」

    アニ「(しっかりしろ!私!こんな顔エレンに見せられないぞ!)」パンパン!

    アニ「(・・・・・クリスタ恋愛指南その1『スマイル&スマイル』」




    ― 回想 ―

    クリスタ「アニはいつも無愛想な顔してるから取っつきにくいイメージが定着してると思うんだよねぇ」

    アニ「悪かったね、無愛想で」ブス

    クリスタ「そこで!」スッ

    ギュゥゥゥゥ

    アニ「?・・・にゃ、にゃに?」グググ

    クリスタ「笑顔を振り撒いて、普段のアニじゃ想像できない素顔を見せてギャップ受けを狙う!」

    ―――――――――






    アニ「(スマイルスマイル)」

    アニ「(・・・笑顔になってるか分からないや)」チラ


    鏡に反射して映る自分を見るアニ



    アニ「(スマイル、スマイル)ヒクヒク

    アニ「(う~ん微妙)」



    アニ「(スマイル、スマイル!)ニッコリ!

    アニ「(あ、イイ感じ!)」



    アニ「(―――もう一度)」

    アニ「(スマイル!スマイル!)ニッコリ!

    エレン「あ、アニ!」

    アニ「ん?なあに?」ニッコリ!
  35. 35 : : 2014/05/08(木) 21:34:52
    ハッピーエンドになって欲しい…

    期待です。
  36. 36 : : 2014/05/08(木) 23:16:42
    >>35
    ありがとう

    一応、終わりまではもうかいてます。
    エレアニがまだもうちょい掛かりそうですね
    暇があれば更新していきたいと思います
  37. 37 : : 2014/05/08(木) 23:30:34
    期待です
  38. 38 : : 2014/05/11(日) 00:01:04
    アニ「あ」

    エレン「!、いや、そのゴメン、待たせちまったか?(やべぇ、ドキっとした!)」ドキドキ

    アニ「!」

    クル!

    アニ「」カー

    アニ「(ッハ!!)」







    ―回想―

    クリスタ「アニはやっぱり笑うと可愛いね~」

    アニ「そ、そうかい?」

    クリスタ「うん!可愛い!アニは可愛いよ~!エレンもアニの笑顔を見るとメロメロじゃないのかな」

    アニ「そ、そんな・・・」カー

    クル!

    クリスタ「・・・・・はい、ブー!!」

    アニ「・・・?」

    クリスタ「アニ、照れると相手に背を向ける癖があるでしょ?ダメだよ!逃げちゃ!正面から向き合わないと伝わる想いも伝わらないよ?」


    ―――――――――――






    アニ「(そんなこと言ったて、恥ずかしいものは恥ずかしい!)」

    エレン「アニ?」

    アニ「(エレンが呼んでる・・・ええい、もうヤケクソだ!)

    クル!

    アニ「ううん、いみゃっ来たところ!」パァ

    エレン「あ、あぁそうか(今噛んだ?)」

    アニ「(噛んだぁぁあああああああ)」ズーン

    エレン「アニの私服姿見るの初めてだな」マジマジ

    アニ「」ッハ!



    アニの服装は上から、ジップが斜めに刺繍され襟元にボリュームのあるスタイリッシュなパーカー。いつもの無地のパーカーとは違う。

    下はデニム生地のショートパンツに革ベルトを巻いて、彼女の色白でスラっと伸びた綺麗な脚が強調され、色気を醸し出している。

    靴は茶色のロングスエードブーツで、露出している脚と程良いバランスを保っている。
    クールなアニにはとても似合う服装であった。




    アニ「う・・・、あまりまじまじ見ないでおくれ(うわぁぁ見られてる!見られてる!)」モジモジ

    エレン「アニがそんな格好するなんてな~」

    アニ「・・・私がこんな格好しちゃおかしいかい?(・・・またコイツはデリカシーの無い事を・・・)」

    エレン「いや?凄い似合ってる。そのアニらしいと言うか・・・」

    アニ「えっ?!」カー

    エレン「凄く可愛い」

    アニ「」ボン!












    ――ああっ女神クリスタさまっ、一生貴女に付いて行きます










    エレン「さぁ、行こうか」

    アニ「ウン」シュウウウ
  39. 39 : : 2014/05/11(日) 11:07:32
    期待!
  40. 40 : : 2014/05/11(日) 11:22:00
    期待大
  41. 41 : : 2014/05/12(月) 23:04:18
    アニ「(クリスタ恋愛指南その2『スキンシップ』)」


    _______


    クリスタ「相手を意識させるためにはスキンシップは必要不可欠ね。」

    アニ「スキンシップって・・・エレンに触れるってことかい?」

    クリスタ「そ。訓練以外でエレンに触れた事は?」

    アニ「あるわけ無いよ・・・フレタイシ...サワッテホシイ...」ゴニョゴニョ

    クリスタ「なら最初は手をつなぐ事からだね。次に抱擁。最終段階は接吻」

    アニ「キキキキ、キキキキスぅ!?私と・・・エレンが!?」





    エレン『アニ・・・好きだ』

    アニ『エレン・・・私もよ』

    チュ




    アニ「(っ~!!)」デレデレ

    クリスタ「お~いアニ、戻ってこ~い」


    _______








    エレン「何処か行きたい所はあるのか?アニ」

    アニ「そ、そうだねぇ、商店街に行かないかい?(手をつなぐ・・・手をつなぐ・・・)」ソワソワ

    エレン「分かった!行こうぜ!」テクテク

    アニ「あっ(勇気を出すんだ!私!)」ドキドキ

    エレン「どうしたんだ?アニ」






    アニ「んっ」スッ

    手を差し出す

    エレン「??何だ?」キョトン

    アニ「んっ!(気付かないの?!呆れるほど鈍感だね!まったく!)」カー

    エレン「あぁ!なるほど!」ポン!

    アニ「(エレン!やっと分かってくれて・・・!」パァ!












    エレン「便所用のハンカチ忘れたんだな?!ほら、貸してやるよ!」つ




    アニ「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
  42. 42 : : 2014/05/12(月) 23:08:08
    >>39
    >>40

    ありがと
  43. 43 : : 2014/05/12(月) 23:39:10
    エレンすごい鈍感だwww
    アニちゃんファイト!!

    期待です!
  44. 44 : : 2014/05/12(月) 23:59:16
    アニ「(おいおいおい、こいつ鈍感過ぎるだろ。鈍感にもほどがあるよ)」

    期待!
  45. 45 : : 2014/05/13(火) 00:06:48
    エレン...デリカシーが無いぞ...それはNGワードだよ
  46. 46 : : 2014/05/13(火) 00:07:03
    あと期待ですよ!
  47. 47 : : 2014/05/18(日) 21:01:27
    暇を作ってちょくちょく書いてます
    更新遅くてごめんなさい
  48. 48 : : 2014/08/01(金) 23:01:17
    無言でローキックしてやった








    エレン「いてぇ!?何すんだ!」

    アニ「あんたって奴はデリカシーというモノは無いのかい!?」



    こいつのデリカシーの無さは今に始まった事じゃないけど・・・

    今のは蹴っていいよね?



    エレン「なら一体何だってんだよ」



    唐変木なエレンにはあのくらいじゃ伝わらないのかもしれない。

    も、もう少し大胆に行ってもいいかな?

    ・・・ようし



    アニ「こ、こういう事だよ!」

    ダキ!

    エレン「!」

    手をつなぐ所か、思い切って腕を抱いてみる。

    アニ「(ちょ、ちょっと大胆すぎたかな)」カー




    エレン「ア、アニ?その・・・当たってるんだが」タドタド

    アニ「!!」カー

    バッ

    アニ「ヘ、ヘンタイ!」キッ

    エレン「お、お前が当ててきたんだろう!!」

    アニ「フン」プイ

    い、いま明らかに私を意識した?

    嬉しい...

    アニ「(はぁ、でもさっきの気付かないなんてなぁ・・・期待した私がバカだった・・・」


    アニ「ま、エレンらしいと言えばエレンらしいけどネ)」



    エレン「ほ、ほら。行くぞアニ」パシ

    アニ「あっ」


    私の手を取って前へ歩くエレン。

    大きくゴツゴツした男らしいエレンの手が私の手を包み込む

    エレンの表情は僅かに紅潮していた、ように見えた


    スタスタ


    う、うそ?!

    どうしよ!どうしよ!どうしよう!?

    手つないでるぅ!エレンと!!
  49. 49 : : 2014/08/02(土) 02:08:56
    エレン「―――――ニ。」

    アニ「」ボー

    エレン「―――――ニ。おい、アニ」

    アニ「!」ハッ

    エレン「何黙ってんだよ・・・な、何か喋れよ」

    アニ「ふぇっ?!あ!うんうん!(ヤバ、変な声出た!)」コクコク

    エレン(今の声可愛かったな・・・)






    ―回想―

    クリスタ「さっきも言ったけど、普段ぶっきらぼうで無愛想でツンドラなアニがさ、」

    アニ(・・・クリスタじゃなきゃ手が出てる処だ)


    クリスタ「急に言葉使いを変えて女の子らしい一面を見せたら、こんな一面もあるんだ――って思うはずだよ?いわゆるギャップ萌えって奴かな?」


    アニ「(ギャ、ギャップ萌え?)そんな、急に言葉使いを変えるだなんて・・・」

    クリスタ「何も一から十まで変える必要はないんだよ。むしろ、時々でいいのよ。そっちの方が受けがいいと思うわ。」

    アニ「さ、参考までに聞くけど、具体的にどのような感じで喋ればいいの?」


    クリスタ「う~ん、そうだねぇ。――――」
    __________________________



    アニ「えっとっとエ、エレン!!」



    エレン「おう?!何だ!?」ビク
  50. 50 : : 2014/08/02(土) 02:12:02










    アニ「エレンの手、おっきくて温かいね!ずっと握って居たいな~♪エレンの手で頭を撫で撫でして欲しいな♪」









    アニ(言えるかボケェェェエエエェェェ!)カー

    アニ(ナデナデ・・・)ボー



    ―妄想―

    エレン「アニは可愛いなぁ」ナデナデ

    アニ「」ァゥァゥ

    ――――――――――――――――――――







    アニ「~~~~~~っ!」プルプル


    エレン「おい、アニ?おい!」


    アニ(ヤバ、想像しただけで頭が・・・)フラフラ

    エレン「おい!アニ!!」

    アニ「ふぇっ?」






    エレン「――――――鼻血出てんぞ!!!」




    アニ「?」ダラー

    アニ「あっ!!!!!」ダバダバ
  51. 51 : : 2014/08/02(土) 02:39:37
    アニ「っぅ~~~!~~~~!」ダバダバ

    エレン「ほ、ほら!ハンカチ!」サッ

    アニ「!、ありがとう!」フキフキ














    エレン「血、止まったか?」

    アニ「ウ、ウン・・・」











    アニ(や ら か し た)ガーン
  52. 52 : : 2014/08/02(土) 03:09:00
    アニ「」ズーン

    エレン(ア、アニが沈んでる・・・ここは何かフォローを!)





    エレン「ア、アニ!鼻血ぐらいで落ち込む事無いぜ?!誰にでもある事じゃねえか!」

    アニ「エ、エレン・・・」ウル

    エレン「ほら、よく言うじゃねえか!」

    アニ「?」

    エレン「エロい事を考えると鼻血が出るって!」

    アニ「それ!フォローになってないから?!!」クワ!

    エレン「エロい事考えてたんだろう?!」

    アニ「聞けよ!」

    エレン「ライナー何ていつもクリスタの事考えて鼻血出してんだぜ!」

    アニ「知らんわ!」

    エレン「ベルトルトなんて、お前と対人格闘組んだ時、貧血で倒れるくらい鼻血を出している!」

    アニ「・・・へー」


    _____________________________


    ベルトルト「行くぞ!アニ!」ダダダ

    アニ「ふん。来なよ」ス

    ベルトルト「アー、ナイフヲウバヲウトシタラ、テガスベッタ!」モミモミ

    アニ「!どこ触ってんだ!この下衆が!」

    ベルトルト「ワザトジャナイヨ」テヘペロ

    _____________________________


    アニ(やけにボディタッチが多いと思ったらそういう事かい。コロス)




    エレン「それに俺だってお前と組んでる時、鼻血が出そうになる事だって・・・」


    アニ「え?」ドキ
  53. 53 : : 2014/08/02(土) 17:28:50
    アニ「え、エエエレン、そそそれってつまり、」カー

    エレン「あっ、いや、ちがくて!」アタフタ

    アニ「クッ、コ、このヘ、ヘンタイ!」クル

    エレン「違うぞ!アニ!俺はお前に対して邪な気持ちを抱いていた訳ではなく、ただ純粋に格闘術を励んでいた俺は決してお前に絞められている時、体柔らかいなぁとかいい匂いするなぁとか思ったりなんてしてないからな!」

    アニ「あ、あんた何言ってんだい!」カー

    エレン「別に俺はお前をエロい目で見て何かないからな!絶対にだ!」

    アニ「ム・・・それはつまり、私に魅力が無いってことかい?」

    エレン「い、いやそういう訳じゃないぞ、その・・・」ボニョゴニョ

    アニ「その?」ジト

    エレン「少なからずエロい目で見たこともありました。すみません。はい」

    アニ「あ、あんたってやつは・・・!」カー

    エレン(やべぇ、蹴られるか?!)

    アニ「っ~!」クル!


    本当、エレンはどうしようもないなぁ♪

    まったく本当にしょうがない奴だね!

    別に許してやらないこともないかな!



    アニ「ほ、ほら!道草食ってないでさっさと行くよ!」スタスタ

    エレン「あ、おいアニ、待てよ!――――って前!前!」



    ドン!
  54. 54 : : 2014/08/02(土) 17:36:02
    アニ「あ」

    不意に通行人とぶつかってしまった。

    アニ(しまった、浮かれて気付かなかった)

    「ってーな!この!アマ!」

    「どこ見て歩いてんだコラ?」


    ぶつかった男とその連れが凄んでくる。


    アニ(やけに攻撃的な態度が気に入らないけど。ま、ぶつかったのは私だし適当に謝るか)

    アニ「すみません」ペコ


    謝罪し軽く頭を下げたアニは、そのまま男達を横ぎろうとした

    「おいちょっと待てや、コラ」

    男は、横ぎろうとしたアニの腕掴み、無理やり制止させた

    「あー。いってぇ、今ので骨にヒビが入っちまった。治療費と慰謝料払えや」

    アニ「はぁ?少し肩が当たっただけじゃないか。大袈裟な事言ってんじゃないよ。それに私は謝っただろう?」

    「あぁ?!」
    「んだとコラ!」

    アニの言葉に反応し、眉間に皺を寄せる男達。

    いつ掴み掛かってきてもおかしくない険悪な雰囲気を醸し出している




    エレン「――アニ、よせ。すみませんでした。少ないですが、これで勘弁してください」ス

    エレンは無言で財布を取り出し、貨幣を不良に差し出す

    アニ(エレン?!こんな奴らに金を払う義理なんて!!)
  55. 55 : : 2014/08/02(土) 17:49:16
    「ふん、さっさと払えば良いものを。このグズが」

    「まったくだ。余計な時間を取らせやがって。行くぞ」

    エレン「すみませんでした」ペコ

    アニ(・・・穏便に済ませたかったって事かい。ちょっと納得いかないけど、こんなのに時間を取られるのはバカらしい。賢明と言えば賢明かもね)



    「――あぁ。ん―――おい、ちょっと待て」

    ぶつかった男が立ち止り、相方の男を制止させる

    「どうした?」

    「良く見ろよ、この女―――」ボソボソ

    「ん、・・・あぁ、確かに」ニヤリ

    ニヤニヤと気持ち悪い表情を浮かべアニを凝視していた男達がアニに話しかける

    「ねーね彼女」

    アニ「・・・・・何だい(話しかけてくるんじゃないよ)」

    「君、可愛いよねぇ~」

    「こんな冴えない彼氏クン何かより俺たちと遊んだ方が絶対楽しいって」」

    「ほら、今彼氏から貰ったお金もあるし!」
    「俺らとパァーっと遊ぼうよ!」

    アニ「あんたらねぇ・・・!」プルプル

    エレン「アニ。―――この人は俺の彼女なんで」

    アニ(かっ!?っかっかかか、かの、彼女??!)ボン

    「いいじゃん、そんな事別に」

    「俺らにも幸せ分けてくれよ~」ゲラゲラ

    「ほら、こんな何もできないヘタレほっといて行こうよ彼女ちゃん」

    アニ(くっ!コイツら。言いたい放題言いやがって!!)
  56. 56 : : 2014/08/02(土) 17:50:44
    KI☆TA☆I!
  57. 57 : : 2014/08/02(土) 17:52:29
    グイ!

    アニ「!!ちょ!放して!」

    男がアニの腕を無理やり取り引っ張ろうとする

    「絶対楽しいからさ!」グイグイ

    アニ「(チッ、痛い目合わないと分からないようだね)」スッ

    アニ(待っててエレン!今邪魔なこいつらを・・・ッハ!?)」




    ――――――――――――――――――――――――――――――


    ドゴ!バギ!グシャ!

    「「ぐぁぁぁぁ!!!」」

    アニ「ふん、口程にも無いね」

    エレン「アニはやっぱり凄いな!」

    アニ「ふふん!」エッヘン

    エレン「でもアニって女の子なのに野獣だな」

    アニ「え」

    エレン「まるでミカサみたいだ」

    アニ「」ガーン


    ――――――――――――――――――――――――――――――




    アニ「(――――と言う事に!!!ここはエレンにか弱い女の子だと思ってもらうべく手は出さず儚げな女の子アピールを・・・!)
  58. 58 : : 2014/08/02(土) 18:01:07
    アニ「エレン~タスケテェーー」ボーヨミ

    エレン「」

    これまで冷静に対応していたエレンの表情が少し真剣な表情になる。

    エレン「・・・彼女を放してもらえませんか?」

    アニを無理やり連れて行こうとする男達を肩を掴み歩を止めるエレン

    男二人はエレンを威嚇するように取り囲む

    「あぁ~ん?何だい?ヘタれ彼氏クン」

    「彼女は俺らと遊ぶの。キミは大人しく家に帰ってママのおっぱいでもしゃぶってなさい」

    「「ぎゃはははははは!」」ゲラゲラ





    アニ(前言撤回――こいつ等を蹴っ飛ばす!)ブチ

    二人の後頭部に上段蹴りを御見舞してやろうと蹴りの体制へ入る
  59. 59 : : 2014/08/02(土) 18:02:33
    エレン(アニ!待て)スッ

    エレンに制止される

    アニ「(エレン?!こいつらを許すって言うの!?)






    「ん~?何急にダンマリしちゃってるのかなぁ~?」

    「もしかしてビビってるぅ~?そうだよねぇー可愛い可愛い彼女が俺達にとられるんだもんね~!怖いよねー!」

    エレン「・・・すいませんが、手を引いてくれませんかね?僕は"彼女"と用がありますので」

    アニ(ま、また!か、彼女!!!)カー

    エレン「――――でなければ、痛い目に遭いますよ?」

    「えぇ~こわ~~い!痛い目だってよ?俺達を痛い目合わすんだってよぉ~?」ゲラゲラ

    「やーん、怖い~い!」ゲラゲラ


    周囲の目を気にする事無く下品な高笑いをあげる不良達

    騒ぎに気付いた民衆が足を止め、人だかりが出来始めている


    ザワザワ...ナンダナンダ?

    ガヤガヤ...ケンカカ?ケンペイヨンダホウガ

    ヒソヒソ...アイツエレンヲバカニシタシカルベキムクイヲ

    ワイワイ...ヤルナラヤレ!ヤッチマエ!


    エレン「(まずいな)・・・・・貴方達と相手している時間が勿体ないので・・・では僕達はこれで。行こうアニ」スッ

    アニの手を取りこの場を去ろうとするエレン

    アニ「ウン」プシュウウウ
  60. 60 : : 2014/08/02(土) 18:03:34
    そういえば、アルミンチートとかアルミンハーレムってあんまないよな…
  61. 61 : : 2014/08/02(土) 18:11:28
    ガシ!

    男がエレンの肩を掴み歩を止める

    「おい、待てやコラ」

    「俺達の話を聞いていたか?それとも何?お前が痛い目に遭う?」

    エレン「・・・貴方達こそ僕の話を聞いていましたか?貴方達と相手していると『"時間の無駄"』だと告げたはずですが・・・」

    "時間の無駄"という言葉が癪に障ったのか、額に青筋を浮かべ 怒りをあらわにする男達

    「へ、へぇ~」ピクピク

    「どうやら本当に痛い目に合いたいらしいな!」

    男が唐突にエレンを掴み、殴りかかる

    「オラァ!」ビュッ

    大きく振りかぶる右ストレートがエレンを襲う

    アニ(何て緩い攻撃。あんなへなちょこパンチ、エレンに当たる訳が無い。なんたってエレンは私が育てたんだから)エッヘン





    ガス!





    エレン「ぐっ!」

    ストレートをモロに食らい、低い呻き声をあげるエレン

    アニ「(エ、エレン!?)」

    「「はははは!!」」

    調子づいた男達は、続けざまにエレンに暴行を加える

    ドカ!ボカ!バキ!

    エレン「くっ!っう!」

    アニ(エレン!?どうして、そんな攻撃避けれるはずでしょ!)

    「ははは、どうした?彼氏クン?早く俺達を痛い目に合わしてくれよ~!」

    「ぎゃははカレシ君よえー!」


    ザワザワ...ナンダナンダ...ケンカカ?
    ガヤガヤ...ショウネンガナグラレテルゾ
    ヒソヒソ...アイツラコロス



    アニ(もう我慢の限界。エレンが止めようが私はこのクズ共を―――)


    エレン「・・・もう一度、言います。貴方達と戯れている時間はありません。これ以上私達の邪魔をするようであれば、貴方達も無事では済まないと思って下さい」

    一呼吸置いて更に続ける

    エレン「―――これは警告です」


    「ぎゃははははおもしれー、こいつ!」

    「やっちまえ!」

    再び男達はエレンに暴行を加えようと襲いかかる
  62. 62 : : 2014/08/02(土) 18:33:53
    ブワ!



    「―――っえ?っえ?」



    男の顔面に何かが掠った。何が起きたのか分からんばかりに、唖然と立ち尽くす男





    エレン「『上段足刀蹴り』・・・鼻骨骨折」スッ

    シュ!

    「あ?、!?!ブふぅ!?」ブシュウ

    突如、男が鼻血を吹きだした。エレンの上段足刀蹴りが鼻を掠めたのだ。

    エレン「・・・次は"当てます"」

    アニ(あれは・・・私が教えた技だ)


    ザワザワ

    オオスゴイゾ!アノオトコノコ!

    ザワザワ

    サスガエレン

    イイゾー!ヤッチマエー!



    「な、、、なめんじゃねぇぞ!コラァアアア!」

    激昂した男は感情任せにエレンに飛掛かり殴りかかろうとする

    エレン「」ス

    エレン「『上段浴びせ蹴り』...前頭骨折」スッ

    ボ!

    「んあ!?」

    エレンが繰り出した蹴りは、またも額を掠め、男の額から一筋の線が走り血が流血する

    「何だこいつ・・・!」

    アニ(あの技も・・・)

    エレン「」スッ

    「ひ・・・」ガクガク

    「おい!やめろ!止まれ!こいつがどうなってもいいのか!」ガシ!


    後ろに居たアニを無理やり羽交い絞めにし人質に取る男達



    アニ(へぇ、私を人質に取るとは...こいつらの命運も――)



    エレン「私がどれだけ罵られようが傷つけられようが多少の事は水に流してあげます。しかし――――」

    エレン「仲間に手を出すと言うのであれば話は別です」









    エレン「―――――覚悟は出来てるんだろうな?てめぇら」ギロ

    「ひっ!まっ待――」

    エレン「」スッ

    エレンは瞬く間に距離を縮め連続蹴りを繰り出す



    エレン「『上段回し蹴り』...頸髄損傷」

    エレン「『上段刺し蹴り』...胸骨圧迫骨折」

    エレン「『中段突き蹴り』...腹部内臓破裂」

    シュ!シュ!シュ!シュ!シュ!

    「ぁ!うぁ!ひぃ!ぁぁぁ!うあああ!や!ひゃめ!あああ!!!」ジョォォォ


    エレンの繰り出す多彩な蹴りは男の全身を掠めた。

    どの蹴りも直撃には至らずじわりじわりと男達を嬲る。

    男達は恐縮して受け身を取る事は愚か、指先一つ動かせない





    エレン「『空中踵落とし』...頭蓋骨陥没...」

    エレン「この技はまだ成功した試しがねぇんだ」

    エレン「こんな技当てたら死んじまうだろ?」

    エレン「当たったらゴメンな?」スッ


    「ひぃ!やめ!やめてくれぇ!!!!!」

    「おい!!逃げるぞ!」

    「「ひぃぃいいいいい」」



    タッタッタッタッタッタッタッタ!!!

    エレン「ふぅ、やれやれだな」



    オオオオオ!スゲェ!アンナスゴイケリハジメテミタゼ!
    アノニイチャン、ヘイシカ?スゲェナ!
    エレン、カッコイイ
    ワーワー!ヒューヒュー!


    いつの間にか民衆が沸いていてエレン達を取り囲んでいた。

    エレン「ちと目立っちまったか。」

    アニ「エレン・・・その・・・」

    エレン「話は後だ。取りあえず、人気が少ない場所まで移動しよう」手を掴む

    アニ「あっ・・・うん」
  63. 63 : : 2014/08/02(土) 22:48:00
    ―某所―


    アニ「・・・エレン」

    エレン「ん~?」

    アニ「ごめなさい!」

    エレン「は?何でお前が謝るんだ?」

    アニ「絡まれた時、私ならあの二人を倒す事は簡単だった。でも、それをしなかったんだ...その結果エレンが傷ついた!私のせいで――」

    頬ぺち

    アニ「・・・?」キョトン

    エレン「バーカ。そりゃ、お前の言う通り、暴力でねじ伏せる事も出来ただろうさ。だがそれは根本的な解決にはならないと思わないか?」

    エレン「むしろ、恨みを買われて報復されちまうかもしれねぇ。ただでさえ民衆に反感を買ってる調査兵団に所属しているとなれば尚更だ」

    アニ「・・・また向かってくれば返り討ちにしてやればいいさ」

    エレン「相手が必ず正面から来るとは限らねえさ。闇討、人質、暗殺どんな手を使ってくるかわからねぇ」

    アニ「じゃあどうすればいいのさ」

    エレン「"武力"をそれとなく相手に示唆させればいいのさ。敵対すれば無傷では済まない、抑止の力を相手に示唆すればいい。そこまですれば相手も向かっては来ないさ」

    アニ「・・・あんた、変ったねぇ。こんな冷静な男だったかい?昔のあんただったらところ構わず突っ込んでただろうに」

    エレン「変えたのはお前だよ、アニ。お前のおかげだ。だから俺はあの時落ち着いて対処出来た。さっきの蹴り技もアニの教えがあってこそだ。」

    アニ「・・・どういたしまして。だけど、態々攻撃を受けた必要性はあったのかい?」

    エレン「ある。アイツ等が殴りかかって来た時、避けて反撃する事も出来たが・・・それを民衆に目撃されていれば、傍から見れば俺が暴力を振るったと捉えるだろうよ。アニ仕込みの体術だからな」

    アニ「あぁ、なるほどね。事が大きくなるまでは一方的に攻撃を受けて、民衆が少年(エレン)が一方的に暴行を振るわれている"と認識するまでは手を出さなかった…って事かい?」

    エレン「正解。人の目がつきゃ、そこから反撃しても立派な正当防衛だ。寸止めなら尚更だな。」

    アニ「しかし、随分と回りくどい事したねぇ、他に方法は無かったのかい?」

    エレン「あれが一番最適だと判断したんだ―――と言うものの、半分私怨が含んでたんだがな」

    アニ「私怨?」

    エレン「俺のアニに手を出した事だな」

    アニ「エレン・・・(俺の?!)」カー

    エレン「――あと、俺の立場上の問題でもあるんだ」

    アニ「立場?・・・あ、そういうことね」



    巨人化出来るエレンは未知の存在として重要視され、人類の勝利へ近づく為の救世主だと称える推進派もいれば、危険分子であり即刻排除すべきだと考える反対派も居る訳だ。

    そんなエレンが暴力事件で憲兵にでも取り押さえられたら、反対派が黙っていないだろう。

    あの絡んできた二人も実は反対派の連中で、エレンを陥れるための工作だった可能性もあるのだ。

    自分の立場を良く分かってるじゃないか・・・
  64. 64 : : 2014/08/02(土) 22:57:37
    「はぁ、はぁ、はぁクソ!ついてねえ!」

    「ひでぇ目に遭ったぜ・・・」

    「ねぇ、貴方達」

    「あぁん?!俺達は今虫の居所が・・・ってマブいな、あんた」

    「お、君も可愛いねぇ。俺達と遊ばない?」

    「えぇ、いいわよ」

    「マジで?!俺らと一緒にイイコトしようぜ!」

    「キミ、名前何て言うの?」


    「私はエレンやアニと違って甘くない。のであの二人に変わって私が貴方達に報復する」


    「は?」

    「何言ってんの?」


    ヒ!ナンダコノオンナ!

    ドコ!バキ!グシャ!

    ギャアアアアアアアアアアアアアアア!!!
  65. 65 : : 2014/08/07(木) 20:28:18
    土日に投稿します
  66. 66 : : 2014/08/08(金) 18:32:29
    期待です!!
  67. 67 : : 2014/08/10(日) 07:50:14
    投稿まだー?
  68. 68 : : 2014/08/21(木) 22:11:44
    アニ「あんた、怪我大丈夫かい?」

    エレン「あぁ、全く大したことない。それより、さっきは、ありがとな。アニ」

    アニ「?」

    エレン「さっきは俺の為に怒ってくれてたんだろう?表情に出てたぜ」

    アニ「!!べ、別にあんたの為に怒ったわけじゃ・・・ないワケジャナイ」

    エレン「なんだそりゃ」

    アニ「う、うるさい!」カー

    エレン「まぁ、お前が他人の為に怒るとはな、昔のお前じゃ考えられねえよ。そして、あそこで手を出さなかったのは凄いだと思うぜ、えらいえらい」ナデナデ


    アニ「ん・・・ふぁ・・・ハッ?!子供扱いするんじゃない!(モットナデテ)」カー

    エレン「で?どうだった?さっきの俺の蹴りは!」

    アニ「!ふ、ふん、まだまだ荒削りもいいとこだね」

    エレン「クソー!完璧だと思ってたのに!」

    アニ「次の対人格闘術の時にまた骨抜きにしてやるよ」

    エレン「おう!頼むぜ!」

          




    ―――次なんて無いのにね
  69. 69 : : 2014/08/21(木) 22:12:36




    そんなこんなで多少のアクシデントがあったが

    私の人類としての残り少ない生活をエレンと一緒に満喫した


    繁華街へ行きエレンに連れられ服屋へ立ち寄った

    私の残念なセンスでは残念ファッションとなるため、服はエレンに見繕ってもらった

    私が言うのもあれだが、普段のエレンも服装には無頓着で、ファッションセンスがあるとはお世辞にも思えなかった。

    彼に任せても大丈夫だろうかと心配したがそれは杞憂のようだった

    どうやら、ミカサに無理やり連れて行かされた事が何度かあったらしい。その都度試着しては感想を求められていたそうな

    そのおかげか流行りには詳しくどのように着こなしたらいいかを教えてくれた

    エレンが選んでくれた服を試着して

    「・・・似合うぞ」「ま・・・可愛いんじゃねーか」

    気恥ずかしい半面褒めてくれて嬉しかった。

    ――それを照れくさそうに呟く彼も微笑ましかった
  70. 70 : : 2014/08/21(木) 22:13:20
    服屋を後にし、丁度昼時だったため食事を取る為にした

    そこでクリスタ直伝、"はい、あ~ん""というものを実践してみた。

    正直、クリスタに実演されてる時これのどこがいいのか疑問に思ったが

    実際にやってみて納得した

    自分が口に含んだスプーンをエレンの口に押し込む、つまり間接キスなのだ

    しかし、唐変朴のエレンはただ単に料理の感想を述べただけであった。

    少しは意識しろよ!と、苛立ってしまった

    私はあんなにもドキドキしてたのに・・・
  71. 71 : : 2014/08/21(木) 22:25:44

    腹を満たした後は、それぞれ欲しいものを買い物しに店を回った。

    私は欲しいものが特に無かったためエレンの付き添いとなったが

    そんな私を見てエレンは、何か欲しいものは無いか?

    と訊いてきた

    しかし、無難に断っておいた

    私はエレンと一緒に居るだけで満足なのだ











    そして、日も沈み始め空が暗くなり始めた頃

    私はエレンに連れられ、ある場所へ足を運んでいた
  72. 72 : : 2014/08/21(木) 23:00:20
    エレン「~♪」

    アニ「どこへ行こうってのかい?」

    エレン「秘密だ」

    アニ「え~、勿体ぶってないで教えなよ」

    エレン「行けば分かるさ。あともう少しで着くぜ」

    アニ(こんなひと気無いところで一体何を―――はっ?!まさか!!?)


    ___________________________




    エレン「アニ!!!」ガバ!!

    アニ「ちょっエ、エレン?!」

    エレン「アニが可愛すぎて俺も我慢できねえんだ!!」

    アニ「なななななな何を!」

    エレン「好きだ――アニ。」

    アニ「っぁ...だ、だめ・・・そこは・・・ん!」


    ___________________________






    アニ(エ・・・エレンたら、大胆・・・でもエレンなら・・・)カー






    エレン「よし、着いた!」

    タッタッタッタ

    アニ「あっ待ってよ!」

    唐突に走りだすエレン。そのあとを追いかける







    エレン「おい、アニ!見ろよ!」

    アニ「なんだい?突然」


    横へ並んでエレンが指す方へ目を向ける









    アニ「―――――!」






    エレン「ここは俺の秘密の場所なんだぜ」




  73. 73 : : 2014/08/21(木) 23:01:26
    私たちは、街一帯見渡せる見晴らしの良い高台へ来た。









    カーン...カーン...

    一日の終わりを告げる鐘の音色

    建物の煙突から揺ら揺らと立ち昇る煙

    街を点々と照らす篝火の仄かな明かり

    街の中心を横断する幅広い川は月明かりが反射し、チラチラと光っている

    そして、目前に広がる広大な大空には無数の星が競い合うかのように輝いている


    この背景を言葉に表すなら―――神秘的、いや幻想的が相応しいか

    私はそのあまりにも壮大な景色に言葉を失った





    エレン「どうだ?綺麗だろう」

    アニ「うん・・・凄く―――綺麗」





    セカイは、あまりにも綺麗で美しくそして――――残酷だ

    この素晴らしい景色をライナーやベルトルトにも見せたかったな






    エレン「嫌な事があったりした時は、よく来たもんだな。ここに居る間は嫌なことも全部忘れられる」

    エレン「壁の中は窮屈で退屈でつまらないと思ってた、いや思い込んでいた。だから目を向けようとしなかったんだよなぁ」

    エレン「壁の外の探究を諦めた訳じゃないが、壁の中にも探せばすげぇものがあるってのが分かったんだ」

    エレン「ここがその一つだ。最初に見つけた、壁内の宝」

    アニ「秘密の場所なんだろう?私を連れてきて良かったのかい?」

    エレン「いいさ。アニだから」

    アニ「そ、そう。ありがと」



    エレン「・・・」

    アニ「・・・」



    お互い無言のまま時間が流れる

    その沈黙は決して居心地が悪いものではなかった





















    エレン「アニは―――俺の事が好きか?」



    アニ「―――――!」
  74. 74 : : 2014/08/21(木) 23:03:40
    いきなりエレンの口から発せられた言葉

















    アニ(大好き!!)


    私はふたつなに返事をした


    ・・・心の中で



    アニ(くぅぅ!あたしのバカ!どうして言葉に出せないの?!)




    アニ(――ってちょっと待った!これってもしかして告白の前兆?!)

    アニ(どどど、どうしよう!?そんな、まだ心の準備が――!)プルプル


    エレン「・・・やはり嫌いか?」

    アニ「――え?」

    エレン「まぁ・・・しょうがねぇか。俺なんかと居ると疲れるだろう」



    何やら勘違いされてる!

    返事をせず葛藤してた私を見て、無言の否定と受け取ったのだろう

    私は慌てて弁明しようとする



    アニ「え?!いや!これは、ちがくて!――」



    エレン「いや、いいんだ。制約に縛られてる俺と一緒に居たって迷惑に――」

    アニ「そんな事ない!!!」


    声を荒げてしまう


    エレン「アニ?」

    アニ「そんなことない!わ、私はエレンと一緒に居ると安心すると言うか、楽しいしというか、居心地がいいんだ!」

    エレン「・・・」



    私、もの凄く恥ずかしい事言ってるような・・・

    えーい、もうヤケクソだ!


    アニ「私はエレンと一緒に居たい!」

    アニ「だから…迷惑なんてそんな・・・私はエレンの事迷惑だなんて絶対思ってないからね!」

    エレン「ア、アニ・・・」

    アニ「分かってくれた?」

    エレン「いや、いいんだ・・・そんな気を使わなくたって。どうせ俺は――」

    アニ「ちょ」





    ―――く、こいつは…まったく!仕方ないね!





    アニ「後ろを向け!」

    エレン「・・・は?」


    私はエレンに後ろを向くよう促す


    アニ「ほらっ、いいから。早く」

    エレン(何だよ)
  75. 75 : : 2014/08/21(木) 23:27:32
    アニは後ろからエレンに抱きついた




    エレン「ア、アアアニ?!」アタフタ

    アニ「・・・動かないで...」






    エレン「ア、アニ・・・」

    アニ「こ...これが、私のその、、、答えさ!」カー

    エレン「―――!アニ!!!」

    アニ「あっ動かないで・・・もう少し、このまま・・・で」

    エレン「あっあぁ(む、胸がぁ!)」ドキドキ

    アニ(エレン、温かい・・・)ドキドキ




    アニ「ねえエレン・・・貴方は私の事――」

    エレン「好きだ。他の誰よりも。アニ以外考えられない」


    アニ「―――っ!エレン、嬉しいっ」キュウウ

    よりエレンの温もりを感じるべく、アニは抱きしめる力をより強くした

    ギュゥゥゥ

    エレン「ア、アニ」

    アニ「ん?なぁに?」

    エレン「我慢の限界・・・」

    アニ「へ?」


















    エレン「鼻血出そう」
  76. 76 : : 2014/08/21(木) 23:28:11
    アニ「」









    ――また・・・この男は・・・まったく本当に













    アニ「・・・くっ」

    エレンの背中を力強くばんばんと連続で叩く

    エレン「いてぇ!いてぇ!」

    アニ「くくっあはははは!!」

    思わず笑いがこみ上げる

    エレン「わ、笑うなよ!こっちは真剣なんだからな!」


    ――こんな状況でもデリカシーの無さは健在とは・・・しかし


    アニ「はははエレンらしい、エレンらしいやっ」

    エレン「・・・こんなテンション高かったお前初めてだな・・・」

    アニ「あははっそうかい?」












  77. 77 : : 2014/08/21(木) 23:28:54





    アニ「――エレン」

    エレン「ん?」

    アニ「目つぶって」

    エレン「え?」

    アニ「ほら、いいから。早く」

    エレン「あ、あぁ・・・」

    アニ「30数えるまでは目、開けちゃ...ダメだからね?」
  78. 78 : : 2014/08/21(木) 23:34:52












    アニ「30数えるまでは目、開けちゃ...ダメだからね?」

    エレン(なんだ?いきなり...)



    ――さっきまでの高いテンションが嘘のように発せられた
    その言葉は、柔らかく優しい喋り方だった。

    しかし、それは弱々しくも感じ取れた

    まるで何かに縋るような...何かに期待しているような



    エレン「・・・わかった」


    俺は黙って目を瞑る

    後ろで何やらガサガサと物音を発てている

    ・・・エロい事考えてた事を根に持たれて背中を刺してくるんじゃねえだろうな...



    ガサガサ...ガサガサ...

    エレン(15...16...17)

    ガサガサ...シーン

    ―音が止んだ?

    エレン(18...19...20)


    チュ

    エレン(?)


    ―今、頬に柔らかく暖かい何かが触れた?


    アニ「...グス」



    鼻を啜る音が洩れる

    アニ、もしかして泣いてるのか?



    エレン(25...26...27)

    アニ「.........エレン」




    微かに俺の名前を呼んだのが聴き取れた




    また悩んでいるのか?

    俺はお前の味方だ――いつでも助けてやる
  79. 79 : : 2014/08/21(木) 23:38:08
    エレン「・・・30だ。アニ、後ろ向いてもいいか?」


    アニからの返事は無い

    エレン「アニ?・・・後ろ向くぞ?」



    再度呼びかけるがまたしても返事は無い

    俺は後ろを振り向いた

    エレン「・・・アニ?」











    アニは――












    ――いなくなっていた
  80. 80 : : 2014/08/21(木) 23:40:51
    エレン「おい、アニ。何の悪戯だ?」


    カサ


    エレン「?」



    何かを踏んで音を立てた


    エレン「・・・何だこれ?」


    傍に落ちていた紙を拾い上げる











    ――エレンへ

    文章だけでは伝えきれないほど

    貴方への想いは沢山あるけど伝えます


    独りだった私に話しかけてくれてありがとう

    こんな私と友達になってくれてありがとう

    私の事を気にかけてくれてありがとう











    私なんかを好きになってくれてありがとう



    今までありがとう









    私の事は、忘れてください
    _____________________
















    エレン「...........は?」
  81. 81 : : 2014/08/21(木) 23:51:12












    アニ「――さよなら、エレン」















    アニ「・・・。・・・・・・・・・・・これで良かったのかな」ポロポロ










    ―ウォールローゼ壁上―


    パシュウウウウウウウウ!

    スタ!



    ライナー「揃ったな・・・」

    ベルトルト「・・・もういいのかい?アニ」

    アニ「あぁ・・・・・もう未練はない」

    ライナー「そうか・・・(それが未練の無い奴の顔か)」

    ベルトルト「・・・」

    ライナー「今回異例の集合で、お前らも大方予想は付いてると思うが・・・」

    ライナー「アルミンは、近々いや、明日でもおかしくない―――人類消すつもりだぞ」

    ベルトルト「・・・そうだね、それ以外に考えられないよ。僕らの不甲斐なさを叱責する為に態々あんな場所へ呼び出すとは考えづらい」

    ライナー「無論、最後までは抵抗するつもりでは要るが」

    ライナー「・・・流石に貢の納め時か?俺達も覚悟を決めなければならない時が来るかもしれない」

    ベルトルト「ライナー・・・」

    ライナー「―――そろそろ行くぞ。遅れたら洒落にならん」

    ライナー「俺が下に降りて巨人化する。お前らは立体起動で降りてきて俺に飛び移れ」




    バッ!

    ヒュウウウウウウゥゥゥゥゥゥ・・・

    ピカ!!!!!




    ベルトルト「さて・・・僕らも行こうか」

    アニ「」ボー

    ベルトルト「アニ?」

    アニ「・・・・・・・ウン」

    ベルトルト「っ――」




    ベルトルト(だから僕は反対だったんだ、ライナー・・・)

    パシュ!シュウウウウウウウウウ!
  82. 82 : : 2014/08/27(水) 22:15:53
    ________________________


    ライナー「アニがエレンとデートだって?」

    ベルトルト「うん、そうみたいなんだ」

    ライナー「そうか、アイツがエレンを―――クク、そうか、あのアニがな」ニヤニヤ

    ベルトルト「・・・うん」

    ライナー「先を超されたな、ベルトルト」ポン

    ベルトルト「な、なんのことだい?」

    ライナー「シラを切るな、お前は、見過ぎだ」

    ベルト「なっ!」

    ライナー「まぁ、先を越されたのは遠くでボンヤリ見つめるだけで何も行動しなかったお前が悪い」

    ライナー「俺達は同郷仲間としてあいつ等を黙って祝福してやろうぜ」

    ベルトルト「・・・ライナーは、君は反対しないのかい?アニの事」

    ライナー「?反対する理由が何処にある。・・・お前まさか」

    ベルトルト「違うよ!僕が言いたいのは―――アニはバカだって事だ」

    ライナー「・・・どういう事だ?」

    ベルトルト「アルミンから召集が掛かったのは知ってるよね?そして、その召集の目的も・・・」

    ライナー「―――あぁ」

    ベルトルト「人類に――エレンに刃を向けられるかもしれないのに・・・アニは自分で自分の首を絞めている」

    ライナー「・・・」

    ベルトルト「別れが辛くなるだけなのに・・・」

    ライナー「そうだな」

    ベルトルト「・・・なら!」

    ライナー「――止めてやるな、ベルトルト」

    ベルトルト「どうして?!」

    ライナー「ベルトルト、ここへ来た時のアイツを憶えて居るか?」

    ベルトルト「あぁ・・・」

    ライナー「誰にも心を開かず寄せ付けず、他人との関わりは一切遮断。

    ライナー「その上、無表情無感情で何を考えているか分からねぇ。」

    ライナー「毎日退屈そうでつまらなそうな顔をしていたよな。陰で何て言われていたか知ってるか?」

    ベルトルト「・・・"氷の女"」

    ライナー「そうだ。そんなアイツを見かねた俺が、これから生活していく上で何か一つでも楽しみを見い出してもらいたいと思ってな」

    ライナー「アニの得意な格闘術が活かせる対人格闘訓練がいいと思ったんだ。それに訓練を通じて友達も出来るかもしれないしな」

    ベルトルト「・・・」

    ライナー「しかし、アイツは積極的に訓練に励む意欲は無くブラブラと一人サボってた」

    ライナー「人数の関係上でペアを組んでいた事もあったが、適当に流してやがった」

    ライナー「アニの格闘術が活かせるのは全力で向かってくる相手のみだ」

    ライナー「だが、哀しい事に対人格闘訓練自体、評価点が低かったからな」

    ライナー「あんな訓練で全力を出すバカは居ないと思って半分諦め掛けて居たんだが・・・」
  83. 83 : : 2014/08/27(水) 22:17:32
    ベルトルト「・・・エレンか」

    ライナー「そう。当時のエレンは弱い癖に、俺に何度も何度も挑んでは倒され、また懲りずに挑んで来る奴でな

    ライナー「奴の執念には目を見張る所があった」

    ライナー「評価の低い科目で何故そこまで本気になるのかと奴に問いたら、純粋に強くなりたいだとよ」

    ライナー「耳を疑ったぜ、そんな糞真面目野郎がいたなんてな。だがエレンならアニの相手が務まると確信したぜ」

    ベルトルト「・・・」

    ライナー「案の定、アニの格闘術に魅せられ、エレンは格闘訓練ではアニを誘うようになった。」

    ライナー「最初はアニもめんどくさそうに軽くあしらっていたが」

    ライナー「エレンの馬鹿正直の真っすぐな性格に感化されたのか、次第にエレンと向き合うようになった」

    ライナー「エレン自身、訓練以外でも何かとアニに絡んでたな。表情には出さないが、エレンと組んでいる時のアイツは本当に楽しそうだったな」

    ベルトルト「そう・・・だね」

    ライナー「そして、アニを取り巻く周りの環境の変化も現れた。ミーナやクリスタがアニに話しかけるようになったな」

    ライナー「最初は戸惑っていたが、次第に心を開いて今では親友と呼べるまでの存在になっている」

    ライナー「エレンはすげぇよ。あの氷の女をあそこまで引き出したんだぜ?俺たちには到底無理だったろうな」

    ライナー「エレンにならアニを任せられる。アイツらを信じてやれ、ベトベルト」

    ベルトルト「で、でも」

    ライナー「『でも』、じゃねえ。アイツはもう俺達の知る氷の女、アニ・レオンハートじゃねえんだ」

    ライナー「あいつ自身がそう決めたんなら、俺たちは陰で応援し見守ってやるのが幼馴染としての務めってもんだろうが」

    ベルトルト「・・・確かに、君の言う事も分からない訳では無い・・・」


    ベルトルト「ライナー、でも、僕らは・・・・・人間じゃなくて―――巨人n」






    ライナー「何も変わらねえのな――ベルトルト、お前は」

    ベルトルト「―え?」

    ライナー「はぁ・・・もういい。これ以上言っても無駄だ。お前がアイツらを祝福する気も無いってのも分かった」

    ベルトルト「・・・・・否定はしないよ」












    ライナー「お前の・・・言い分も分かる」

    ベルトルト「―――なら」

    ライナー「だが、それじゃあ何時までたってもお前は変われないぞ」





    ベルトルト「・・・・・・」
  84. 84 : : 2014/08/27(水) 22:20:42
    ―ウォール・マリア内部 移動中―

    ズン!ズン!ズン!

    ライナー『(後もう少しだな)』

    巨人化したライナーの肩にはアニとベルトルトが乗っている

    ライナー『(満月で助かったぜ。月明かりのおかげで道が見える)』

    アニ「・・・・・・・エレン」ボソ







    ベルトルト「・・・・・・」




    ―――違うよライナー・・・

    僕は、自分がその'何か'に変わる事が怖いんだ









    ベルトルト(いったい何なんだ――僕は)
  85. 85 : : 2014/08/27(水) 22:21:54
    ― 巨大樹の森 未明 ―

    パシュ!シュウウウウウウ!

    スタ!

    アルミン「ふぅ・・・やぁ、皆。集まってるね」スタスタ


    立体起動装置を身に付けたアルミンが到着する

    体全体をマントで被って、顔半分は覆面で隠していた

    マントの隙間から突出しているカートリッジには予備の刃が

    すべて収納されている

    いつ巨人が出現しても対応出来るよう臨戦態勢が整えられている


















    ライナー「・・・・・なんだ?急にこんな場所に呼び出して」

    ベルトルト「・・・」

    アニ「・・・」

    アルミン「今日君たちをここへ呼び出したのは他でも無い」

    アルミン「君たちが、あまりにも『グズ』で」

    アルミン「『役立たず』の」

    アルミン「『ゴミ』だから――」
  86. 86 : : 2014/08/27(水) 22:23:43
    ライナー「・・・!待ってくれ!!!」

    アルミン「待たない♪」シュ!

    ガ!

    アルミンはライナーの首を片手で鷲掴みにして締め上げる

    ライナー「ぅぉ・・・っぉ"ぉ"ぁぁ"・・ヵ・・ヵ"!!!」ガクガクガク

    ライナーの足が宙に浮かぶ。

    ベルトルト「ライナー!」
    アニ「・・・・く!」

    アルミン「僕の堪忍袋の尾が切れちゃったワケ・・・さ!」

    アルミンは自分より一回り図体のでかいライナーを軽々と片手で投げ飛ばす

    ブン!!!

    ズダーン!!!!!!

    思いっきり地面に叩きつけられ鈍い音が響く

    ライナー「がはぁっ!!!!っはっ・・・ヒュー・・・ヒュー」ガクガク

    ベルトルト「ライナー!!!大丈夫?!」サスサス

    アルミン「僕が言ってた通り、人類を攻撃して"座標"をあぶり出す...この計画を実行せざる終えなくなったわけさ。君たちがあまりにもノロマだからね。」

    ベルトルト「ま・・・待ってくれ!チャンスをくれ!絶対見つけてみせるから!!!」

    アルミン「うん、いいよ♪」

    ベルトルト「・・・え、本当かい」
  87. 87 : : 2014/08/27(水) 22:26:13
    アルミン「嘘♪」シュ!

    ドガン!

    ベルトルト「ぐぁっ!!!!」ドサ

    アルミン「ベルトルト。それは耳にタコが出来るくらい聞いたよ」

    アルミン「こんなにも猶予を与えたのに、何時までも悠々としてた君達が悪い」

    アルミン「手段を選んでいる余裕はない状況だったはずだよ?」

    アルミン「・・・例えばエレンを座標だと睨んでいたのなら、エレンを監禁し、拷問して無理やり座標を開花させる...」

    アルミン「なんて事も出来たのじゃないのかい?」

    アニ「そんな事・・・仲間に出来る分けないだろう!」

    アルミン「はぁ~。そんなんだから甘ちゃん何だよ君らは」

    アルミン「君たちは長きに渡る人間ごっこを興じた事で、自分が人間だ!って錯覚してるんじゃないのかい?」

    アルミン「人間の感情、温情、―――あるいは恋情が芽生えたとしても、君らの正体は人の皮を被った人間を喰らう巨人なんだよ」

    アルミン「――普通の人間のからするとね」

    ライナー「・・・・・・・」

    ベルトルト「・・・・・・・」

    アニ「・・・・・・」

    アルミン「そんな半端な覚悟だから、いざ人間を手に掛ける時の局面で躊躇してしまう。

    アルミン「巨人なら何も考えず、黙って無心に人類を貪ってればいいんだよ」

    アルミン「はっきりしなよ、君らは巨人なのか、それとも―――」

    アルミン「・・・・・話が脱線したね」

    アルミン「あぁ・・・計画の内容について話しておくか―――――」
  88. 88 : : 2014/08/27(水) 22:28:25










    アルミン「―――――――と言う内容だよ」ニコ

    ライナー「・・・・・・・・・承知した」
    ベルトルト「・・・・・・・・わかったよ」
    アニ「・・・」

    アルミン「とりあえず話は以上だ。各時、作戦に備えて今の内にゆっくりしとくんだね」









    アルミン「僕はこれから作戦の下ごしらえ――――っと、その前に」スッ

    突如言葉を遮ってアニをじっと見据えるアルミン

    アニ「な、なんだい?」

    アルミン「・・・」スッ

    懐からナイフを取りだすアルミン


    ジリッ...ジリッ...

    一歩・・・一歩と、口の端をつりあげ邪悪な笑みを浮かべながらアニへ接近する

    アニ「ひっ...何...?いやっ...やめ...やめて!」ガクガク

    ライナー「まっ待て!アルミン!」

    アニは恐怖で体が固まっている

    アルミン「」ニヤァ

    アニの目前に来たアルミンはナイフを高らかに振りかざした

    アニ「ーーっ!~~っ!」パクパク

    ベルトルト「アニ!!!」

    ライナー「やめろぉぉぉ!アルミン!!」
  89. 89 : : 2014/08/27(水) 22:34:57
    ピュ!

    風を切る音が鳴る

    ライナー「・・・?」

    アルミンが振り上げた手にはナイフは無かった

    アニ「っハ・・・っハッ!・・・」プルプル













    アルミン「―――盗み聴きとはタチが悪いなぁ・・・」





    ?(あ、あぶねぇ!!!)ツー





    アルミン「ここ最近僕を尾行していた人だね?

    アルミン「面白そうだから敢えて気づかぬフリをしてたんだけど」

    アルミン「まぁよくもここまで来れたものだ」


    ?(やべぇ!見つかった!)

    ライナー(・・・誰だ?)


    アルミン「まぁいいや。今まで泳がせてきたけどここでの話を聴いていた以上―――」









    アルミン「―――ブチ殺す...」チャキ!



    ?(ま・・・マズイ!逃げろ!)ゾク

    パシュ!シュウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!






    アルミン「ははは!!逃げた?逃げたね?!」バ!

    パシュ!シュウウウウウウウウウウウウ!!






    アニ(まさか――今のは)

    ライナー「あれは一体誰だ・・・?」


    ベルトルト「巨人の活動が落ちる夜間とは言えど、暗い道で馬を走らせこの巨大樹の森まで辿り着くなど不可能に近い・・・」

    ベルトルト「僕達のように、巨人化でもしなければ普通の人間がここに来れるはずが無い・・・」

    ライナー「まぁ・・・いいだろう。俺達には関係の無いことだ」


    ライナー「・・・それよりお前達、訊いて欲しい事がある」






    ベルトルト「どうしたの?」

    ライナー「――――――――――」
         
    ベルトルト「!」 

    アニ「!」
  90. 90 : : 2014/08/28(木) 20:44:12

    ―巨大樹の森 外部近辺―


    シュウウウウウウウウウウウウウ!!!


    ユミル(ック・・・!まさかあの野郎が・・・)



    ユミル(アルミンがあんな奴だったとは!)チラ





    シュウウウウウウウウ!!



    アルミン「あはははは!待ちなよ!痛い目合わせたりしないからさ!」










    アルミン「――"痛い"なんて感じさせる間も与えずあの世に送ってやるよ」






    ユミル「やべぇ・・・!やべぇぞ!」

    ユミル(早く皆に報せないと!皆が・・・クリスタが危ない!)












    ギュン!!!!!










    アルミン「何がやばいのかな?」ニコ


    ユミル「っ!?(いつのまに!)」



    アルミンは空中で体を捻らせ回転する



    それと同時にガスを強めに吹き出して自身を加速させる



    ブババ!ギュルルルルルルルルルルルル!



    アルミン「ふん!」


    ギュルルルルルル!シュ!!!


    加速した勢いを殺さず


    慣性と遠心力を最大限に活用し更に回転を加える



    ギュルルルルルルルル!

    アルミン「ふッ!!」シュッ!


    そして、ユミルと平行に並ぶと同時に足を突き出し、



    ユミル「っー!!?」

    アルミン「」ニコ





    ハ”キ"ィ"ィ"ィ"!






    物凄い衝撃音を放ちユミルを蹴り飛ばした


    ガサ!ガサ!ガサ!ガサ!ガサ!







    アルミン「おっと吹き飛ばしてしまったか。流石に今のは死んだかな?」



    アルミン「―――さて素顔拝ましてもらおうか」
  91. 91 : : 2014/08/28(木) 20:47:50
    ユミル「ッヒュー!!ッッハァ・・・ッハ!・・・!ッッ!」ガクガク




    ユミル(・・・・・意識が・・・飛びそうだ...!)




    ユミル(逃げねーと・・・!)ヨロヨロ











    アルミン「どこかな~?子猫ちゃん。出ておいで~」

    パシュ!シュウウウウウウウウウ!







    ユミル(はぁっ・・・はぁ!もう来やがった!どうする!?)


    ユミル(クソ!巨人化して闘うか?!)


    ユミル(この地形は私にとって多いに優位だが・・・)シュウウウ


    ユミル(しかし、正直な所―――)






    アルミン「可哀相に、痛かろう?怖いろう?でも大丈夫」







    アルミン「―――今僕が楽にしてあげるからさ」




    ユミル(正直な所―――巨人化したとしても・・・)



    ユミル(奴に―――勝てる気が、しない)シュウウウウウ














    アルミン「見~つけた♪」チャ



    ユミル「っ!」


    ユミル(逃げる他ないだろう!ガスが切れてもいい!とにかく今は森の外まで逃げるんだ!!)


    ユミル(後は巨人化して壁まで逃げればいい!!)」

    パシュ!シュウウウウウウウウウウウ!!!!!!



    ユミルは燃料を枯渇させる勢いでガスを噴出させ

    アルミンから距離を取る
  92. 92 : : 2014/09/02(火) 22:28:43


    アルミン「・・・つれない―――」







    チャキ...







    アルミンはカートリッジに収納されている

    予備のブレードを両手に掛ける






    アルミン「――なぁ!!!」


    シュ!!



    ブン!





    ユミル「!?」






    ユミル(アイツ、ブレードを投げてきやがった?!)


    獲物の首を刈り取る死神の鎌のごとく

    風を切りながら高速で回転するブレードが

    ユミルへ飛んでくる



    ビュン!ビュンビュンビュンビュンビュン!




    ユミル「っ!避けないと――っ!う!!」ズキ!



    ユミル(っ!さっきの怪我で体が!!まずい!)






    ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!ビュン!
  93. 93 : : 2014/09/02(火) 22:31:31
    スカ...







    ユミル「――――?」





    ブレードはユミルには当たらず脇を素通りする




    ユミル(――?)



    そのまま左右に間隔を広げ伸展しながら飛んでいった





    ユミル(あぶなかった・・・外れてよか――)







    パキィィィン!!パツン!!

    パキィィィン!!パツン!!




    前方で何か金属が破裂したような音が鳴る







    ユミル(―――?今の何の音だ?)




    ユミル()チラ

    後方にいるアルミンを尻目に見る





    アルミン「」ニコ






    ユミル(アイツが何かしたワケでもなさそ―――)



    ブワ!!!



    ユミル「っウ!!???)」





    突然の浮遊感に襲われ

    バランスを崩し体制が乱れるユミル


    ユミル「っ!」バッ


    アンカーを打ち変えて

    体制を整えようとトリガーに指を掛けた
  94. 94 : : 2014/09/02(火) 22:32:43
    カチ!カチ!カチ!


    ユミル(ん?!)



    カチ!カチ!カチ!



    トリガーを何度も押しても

    ワイヤーは巻き取られず収納されない




    ユミル(故障か?!こんな時に!!!)


    ユミル(動けよっ!動け!!)



    カチ!カチ!カチ!カチ!カチ!カチ!



    焦りを募らせ幾度もトリガーを押すもワイヤーは巻き取れない


    その間にも地表へ向かってどんどん加速していく








    アルミン「使い物にならないよ、ソレ」









    アルミン「ワイヤーの先端、見てみなよ」






    ユミル(―――?)







    ユミル「!!!!!!」







    ユミル(―――そんな、馬鹿な!!!)
  95. 95 : : 2014/09/02(火) 22:34:46












    ユミル「―――ワイヤーを切っただと!!!?」








    ユミル(まずい!!!墜ちる!!!!)シュウウウウ







    ヒュウウゥゥゥゥゥ!!!






    アルミン「ねぇ・・・君、巨人でしょう?」



    アルミン「その体から発している蒸気は巨人のソレそのものだ」



    アルミン「君に興味が湧いたよ―――とりあえず殺すのは辞めよう」


    アルミン「手足をもいで生け捕りにして―――じっくり拷問してあげる」










    ユミル「っ―――!クソがァ!!」




    ユミル「やるしかねえのかよォ!!!!!!!!!!!」















    カッ!!!!!!!!!!

    アルミン「!!」










    ユミル『ギィアァァァァァアアァァァァァァアア!!!!』
  96. 96 : : 2014/09/02(火) 23:06:41










    アルミン「・・・そら―――化けの皮が剥がれたぞ」







    巨人化したユミルは咆哮と同時に



    右腕を伸ばして先端の鋭利な爪を突き出しアルミンに突進する




    アルミン「―――」




    ユミル《捕えた!!!》





    鋭利な爪がアルミンの頭部を貫通させる目前に迫った時





    アルミン「」スッ



    ヒュン!




    ユミル《っっーー!??消え――》











    アルミン「―――ふふふ」










    ユミル《っ――?!後ろか!!!》クル!














    アルミン「あははははははははは!!」








    狂喜に溢れた高笑いをして天を仰ぐアルミン


    そして"血が付着した"ブレードを一閃し血を払いのける



    アルミン「ふふっ」スッ




    すると、アルミンは両手に持っていたブレードを

    カートリッジへ収納し始めた



    シャラシャラ...




    ユミル(・・・ブレードを?何の真似だ・・・?)







    シャラシャラ...



    ユミル(戦闘の意思が無くなった・・・わけねーよな)



    シャラシャラ...



    金属同士が擦れ合う


    高く澄んだ小気味の良い音が森に響き渡る


    薄暗く静寂に包まれた森で鳴り渡るその音は


    ユミルにとっては、焦燥感や不安を掻き立てる


    不快な音でしか感じ取れない





    シャラシャラ...




    ユミル(ク...何をするか知らねーが...やらせねーぞ!)




    アルミン「」ニヤァ




    ユミル(な、なんだ?)ゾク








    アルミン「―――おもしろい!!」





    シャラシャラ...チャキン!!



    ブレードが底へ到達し

    納刀した事を告げる、金属の打ち合うが鳴った



    その瞬間――











    ユミルの右腕と右脚が―――飛んだ
  97. 97 : : 2014/09/25(木) 22:09:35







    《キ”ィ''ァ"”ァ"ァ”ァ""ア""ア"ァ”ァ”ァ!!!》










    ライナーアニベルト「!!!!!」ビク!





    突然、森に響き渡った断末魔のような叫びに三人は驚愕する





    ライナー「なっ何だぁ!?今のは!!」


    ベルトルト「きょ、巨人の叫び声...だよね?今の」


    ライナー「...ベルトルトの推測通り、先程逃げた奴は巨人化が可能な人間で、それをアルミンが仕留めた...という処か?」


    ベルトルト「おそらく...そうだろうね」


    アニ(そっそんな...ユミルが...!!!!)


    ライナー「一体どんな奴なんだろうな、俺ら以外にも巨人化出来る人間なんて」


    ベルトルト「さぁね...。もしかすると、僕らと同じ境遇の人かもしれない」


    ライナー「・・・・・・」






    ベルトルト「ところで、ライナー」

    ライナー「何だ?」

    ベルトルト「さっきの話、本当に・・・やるのかい?」







    ライナー「あぁ・・・アルミンを―――殺す」
  98. 98 : : 2014/09/25(木) 22:12:14


    ベルトルト「・・・無理だよ、そんな事・・・」


    ベルトルト「アルミンを殺す...すなわち、アルミンを裏切ると言う事は・・・」

    ベルトルト「人質に取られてるマルセルが殺されるのを意味するんだよ?」


    ベルトルト「マルセルは―――五年経った今も、僕たちの助けを待ってるかもしれない...」


    ベルトルト「君は――親友を見捨てる気なのかい?ライナー」



    ライナー「・・・・・・・・・」







    ライナー「親友一人の命と――」


    ライナー「人類の命、どちらを天秤に掛けるか何て愚問だ」


    ライナー「誰に聞いても...答えは同じだ」


    アニ「...ライナー・・・」


    ベルトルト「・・・・・・・・」


    ライナー「それに、マルセルも戦――いや、兵士だ」

    ライナー「これが正しい判断なのは、兵士であるアイツにも理解出来るはずだ」
  99. 99 : : 2014/09/25(木) 22:14:11
    ベルトルト「君の覚悟は伝わったよ。でも――」


    ベルトルト「・・・ライナー、忘れた訳じゃないよね?」


    ベルトルト「過去に僕らとマルセルの四人でアルミンを殺そうとした事があったよね・・・?」


    ベルトルト「でも、僕らが束になっても全く歯が立たなくて、殺されかけた僕たちは、巨人化をしてまで戦ったけど


    ベルトルト「・・・一矢報いることは愚か、傷一つ付ける事が出来ず、完膚なきまでに徹底的に打ちのめされたよね・・・」


    ベルトルト「その結果、マルセルが人質に取られた」


    ベルトルト「生身の人間相手にとんだ醜態だったじゃないか・・・」



    ライナー「・・・・・・・・・・」



    アニ(...思い出したくもない...記憶だね)



    ライナー「・・・今と昔では状況が違う」


    ライナー「俺達は・・・訓練を経て成長した」


    ベルトルト「確かにあの時と比べたら僕らはあらゆる面で成長したと思うけど...」


    ベルトルト「それでも勝算があるとはとても思えない」


    ベルトルト「あいつの強さは明らかに僕らの――いや、人類の常軌を逸している」


    ベルトルト「特に...身体技術においてのアルミンの身のこなしは、明らかに常人離れしてる」


    ベルトルト「そして、立体起動の技術は人類最強のリヴァイ兵長に匹敵する実力を持ってる...」


    ベルトルト「...巨人に関する知識が僕らより豊富なところにより、アイツが巨人化出来ても不思議じゃない」


    ベルトルト「何となくだけど...アイツは巨人化の力以外にも"何か特別な力"を隠し持っているような気配を感じるんだ」


    ライナー「・・・・・」


    ベルトルト「・・・君が相手しようとしているのは、そんな化け物じみた相手なんだよ・・・?分かってる?」
  100. 100 : : 2014/09/25(木) 22:15:20
    ライナー「殺す方法なら...いくらでも、ある」



    ベルトルト「へぇ?暗殺?闇打ち?毒殺でもするのかい?」


    ベルトルト「警戒心が強いアイツにそんなの通用する訳ないよ」


    ライナー「それを今から考えるんだろうが!!!」


    ベルトルト「...計画も何も無いくせにっ!!そんな無謀な事をして死んでたまるか!」



    ライナー「何だと!?」ギロ!


    ベルトルト「無謀なんだよ!!!もしアルミンに僕らの暗躍が事を成す前に悟られば、僕らが逆に殺される!!人質であるマルセルも!人類も!みんな殺される!これが無謀じゃなきゃ何だって言うんだ!?あぁ無謀無謀無謀無謀ッ!!」



    ライナ「ック!この野郎がァ!!!!!!」

    ガシ!!!

    ベルトルト「――何だ?僕を殴ってそれで君の気は済むのかい?!僕みたいな優柔不断野郎を殴って!!!」

    アニ「...やめなよっ!!!こんな時に喧嘩なんてっ―――」












    シュゥゥゥゥウウウウウウウウウ!!!

    スタ!!









    アルミン「―――やぁ・・・すまないね。話の途中で抜けちゃって」
  101. 101 : : 2014/09/25(木) 22:27:30
    ライナーベルトルトアニ「!!!!!!」




    アルミンが立体起動で戻ってきた――血で全身を赤く染めて




    ライナー(まずい!聞かれたか?!)


    ベルトルト(う...!!!)ブルブル


    アニ(――終わったかも)





    アルミン「―――?どうしたんだい?」



    ライナー「いっいや、何でもない」


    ベルトルト(どうやら大丈夫だったみたいだね...)


    アニ(ホ...)






    アルミン「―――」ジ



    ライナー(うっ!)




    アルミンは怪訝そうな表情を浮かべ

    ライナー達をじっと見据える

    何かを見透かすような鋭い眼光に堪え切れず


    ライナーは気を逸らすため、しどろに口を開いた
  102. 102 : : 2014/09/25(木) 22:35:09



    ライナー「と、ところで!――その体中の血はどうした?」



    アルミン「あぁ・・・これ?」



    血が付着していない箇所の方が少ない程

    アルミンの体には血が纏わりついていた

    そしてそれは未だ真っ赤で生々しい鮮血であり

    その血がアルミン自身の血なのか

    それとも他人の血なのかは判別は出来ない








    アルミン「さっきの尾行者を八つ裂きにした時に返り血を浴びたのさ」







    ライナー「そ、そうなのか」


    ベルトルト(やはりそうか...)



    アルミン「だけど、失敗だった――クソッ。やはりあの時―」ブツブツ



    ベルトルト「ア、アルミン?」



    アルミン「遊ばずに――殺しておくべきだった」ブツブツ


    アニ(何言ってるの、この男...)ゾク


    アルミン「まさか――アイツが原初の――だったとは」ブツブツ


    アルミン「」ブツブツ








    ライナー「ははっ。良くわからんが、仕留め損ねたってことか?それはとんだ骨折れ損だったな」ケラケラ

    ベルトルト(よ、よせ、ライナー)
  103. 103 : : 2014/09/25(木) 22:39:00












    アルミン「...あぁ?」ギロ







    ライナー「!!」ビクッ





    アルミン「.........何?」





    アルミン「.....君は僕を、馬鹿に、してるの...かい?」





    ライナー「ちっちがう!そういう意味で言った訳じゃない!断じて違う!」ビクビク






    アルミン「..........」スッ...




    ライナー「うっ!」ビク!!





    アルミン「・・・・・・・・フン。まぁいいや」


    ライナー(殺されるかと...思ったぜ)ホ





    アルミン「・・・・・・・・」







    ベルトルト(尾行してた人間の事について聞きたい事があるけど...)


    アニ(...訊きだせる気配じゃないね...)




    その人物は誰なのか

    先程の巨人の叫び声の正体もその尾行者によるものなのか

    何故アルミンが追跡を断念せざるを得ない状況になったのか

    色々と訊きたい事はあったが

    殺気を漂わせているアルミンに訊き出せるはずも無かった



    藪をつついても災が降りかかるだけ

    ライナー達は黙ってアルミンを見守る
  104. 104 : : 2014/09/25(木) 22:40:25

    アルミン「クソ、少し厄介だな――」ブツブツ




    アルミン「狂いが出る――しれない」ブツブツ






    しばらくアルミンの独り言が続く


    ベルトルト(どうしたんだろうね...アルミン)ボソボソ


    ライナー(さあ・・・な。だが、こんな狼狽してるアルミンは初めて見た)


    アニ(言い予感は...しないね)






    ―――唐突に

    アルミン「あぁ、さっきの作戦、もとい"人類駆逐計画"だけど」






    ライナー「・・・何だ?」


    ベルトルト「それがどうかしたのかい?」


    アルミン「―――予定変更だ」





    アニ「...予定変更?」


    アルミン「うん、作戦決行は3日後って話だったけど―――」












    アルミン「――――本日の午前に変更する」
  105. 105 : : 2014/09/25(木) 22:41:49
    ライナー「・・・は?!!?」


    ベルトルト「な!!!」


    アニ「ちょ?!!どうしてさ!!!!何で!??」




    アルミン「どうしたもこうも無いさ。奴に逃げられた以上、作戦内容が人類に漏洩すれば色々と面倒な事になるからね」




    ベルトルト「そんな・・・突然だなんて!!!」

    ライナー「アルミンっ!何も今日じゃなくとも!」





    アルミン「―――馬鹿か?悠長にしている暇があると思ってるの?」


    ライナ「っ!!なら、逃がした尾行者が壁にたどり着く前に口を封じれば問題ないだろう?!」


    ライナー「何なら俺が巨人化して追いかけて、俺が殺して――!」

    アルミン「―――却下だね」


    ライナー「何故だ!!」


    アルミン「そいつが一人だとは限らないだろ?森の外に仲間がいるとしたら、もう既に情報が行きわたってるだろう」





    ライナー「ぐっ...」


    アルミン「...それに、君たちじゃあアイツは―――殺せない」



    ライナー「な・・・なに?」

    ベルトルト(どういうことだろう・・・僕らじゃ敵わない程強いってことなのか・・・?)



    アルミン「――ーとは言え、まだあまり遠くに逃げていないようだし追跡はするけどね」


    アルミン「あの怪我じゃあそう遠くに行けないだろうし」



    ライナー「!じゃあ、俺が追いかけて――!」
  106. 106 : : 2014/09/25(木) 22:44:48












    アルミン「―――不思議だなぁ...ライナー、どうして君はそんなに必死なの?」ジロ


    ライナー「!」


    アルミン「君は三人の中で自発的に発言をよくするけど、僕に意見をするような男じゃなかったよねぇ?」


    ライナー「いっいや、急な話にちょっと混乱してるんだっ...はははっ」

    ベルトルト「そっそうだよ。突然な事で僕らが動揺するのは無理無いだろうっ?」


    アルミン「ふぅん・・・まぁいいか」


    アルミン「じゃ、そういう事で僕は追跡するね」


    アルミン「君たちは作戦に備えて待機だよ、いいね」

    パシュ!シュウウウウウウウウウ















    ライナー「クソ!!!」ダン!!!


    ベルトルト「どうするだ?!ライナー!!」




    ライナー「最悪だ・・・計画が丸崩れだ!」


    ベルトルト「元々計画も何も無かっただろう!??」

    ベルトルト「本当どうするんだ!?早くしないと!アルミンが行ってしまうぞ!!」

    ライナー「分かってるッッ!今考えてだッ!!!!」










    アニ「・・・ベルトルト」
  107. 107 : : 2014/09/25(木) 22:46:02
    これまでずっと俯いて無言だったアニが口を開く




    ベルトルト「・・・何だいアニ?」


    アニ「こんな時にこんな事言うのもアレだけど...」


    アニ「ライナーだけに大事な判断を委ね、それを責め立てるのは...ちょっとずるいんじゃないのかい?」


    ライナー「アニ・・・別にいいんだ。俺はお前らの兄貴分として――」


    アニ「ライナーは黙ってて」









    アニ「どうなの?ベルトルト」」


    ベルトルト「・・・・・確かに...その通りだ」


    アニ「なら、あんただったらどうする訳さ?」


    アニ(・・・どうせ何も言えないんだろうケド)


    ベルトルト「・・・・・」




    アニ(ほら、やっぱり―――「逃げる」



    アニ(――え?)










    ベルトルト「僕なら...僕なら―――逃げる」
  108. 108 : : 2015/02/28(土) 15:10:18
    このSSは、もうかかれないのですか?
  109. 109 : : 2017/06/15(木) 04:46:36
    これ終わってないよね?
  110. 110 : : 2022/02/16(水) 19:10:49
    放置

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