サシャペト「ー今度は、みんな幸せになれますか?」
-
- 1 : 2014/04/29(火) 14:32:46 :
-
サシャside
ー時々、2000年以上も前のことを思い出すんですよ。
ーはっきりとは覚えてません。
ーでも、とても懐かしく思うんです。
ーそして、その世界ではみんな幸せになれなかったんです。
ー今度は、みんな幸せになれますか?
-
- 6 : 2014/04/29(火) 16:27:20 :
***
サシャ「……んっ」
心地よい風が私を撫でる。
それが、少しくすぐったくて目を覚ました。
「……で、あるからして……」
数学の教師の張りがある声が響く。
……あ、そうでした、今は数学の授業中でしたね?
???「……お前、よく堂々と寝れるなぁ」
右隣の席から、苦笑いをしてその人は言った。
サシャ「……別にいいじゃないですか、エレン」
エレン・イェーガー。
時々、思い出す2000年前の世界にいた少年。
確か巨人化できる能力をもっていたはずです。
理想ばっか語る彼で周りとの衝突もしばしば……、でも言っていることは正しくてみんな彼に惹かれていきました。
そんな彼に私も惹かれて調査兵団とか言う、訳の分からない組織に入りましたね。
……今となっては、どうでもいいことですが。
エレン「お前……その成績のままじゃ、夏休み補習だぞ?」
やっぱり、言っていることは正しいですね。
こう言うときは無視です。
サシャ「お菓子でも食べましょう!」
スクールバッグから、お菓子専用の袋を取り出す。
お腹が空いちゃいました。
まだ、2限目なのに……お昼まで持ちませんよー。
サシャ「あんな訳の分からない文字なんて知りませんよ」
それより、ポテチおいしいですよ!
新発売のアボカドマヨネーズ味……買い占めよう。
エレン「まぁ、同意はするけどな」
……エレンは頭良いから、いいじゃないですか。
怒りました。
サシャ「……何ですか、嫌味ですか!?」
「サシャ・ブラウス……、先程の発言とそのお菓子は私に対する嫌味か???」
せ、先生……いつの間に!?
サシャ「や、えーっとですね……数学はちょっと受け付けないというか。まぁ………」
サシャ「お腹空きましたッ!!!」
-
- 11 : 2014/04/29(火) 17:26:38 :
- *
サシャ「……ひどい、ひどすぎます!!!何で私だけーっ!」
サシャは、今バケツを両手に廊下で立たされている。
一体、いつの時代なのやら……。
サシャ「くうっ……最悪です」
まったく、どうしてエレンは怒られないんですか。
頭が良い人と悪い人には、こんなにも差があるなんて……!?
私だってすっごく頑張って勉強してんですよ!
でも、成績なんて上がらないっ。
体を動かす方が好きなんだもん!
サシャ「……はぁ、早くお昼休みになってくれませんかねぇ?」
-
- 31 : 2014/05/01(木) 17:21:03 :
ペトラside
ーいつからだろう。
ー2000年以上も前のことを思い出すようになったのは。
ー大切な人達と過ごしたあの愛しい日々。
ーでも私を含め、その世界ではみんな幸せになれなかった……。
ー今度は、みんな幸せになれますか?
-
- 37 : 2014/05/03(土) 18:17:45 :
***
ー時間は、ひどく止まることを嫌う
あの世界で私は、###。
それでも、時間は進む。
止まることを知らない。
私は独りぼっち。
ー私を置いてけぼりにして、あの世界は進んでいく
誰も振り返ってくれない。
私を忘れていく。
……でも、貴方だけは私を忘れないでくれた。
ー今になっては、悔いが残ってばかり
ーだから……
ーだから、2000年前の想いを今度は、私が貴方に……
-
- 40 : 2014/05/18(日) 21:45:28 :
***
ペトラ「……ハッ!!?」
懐かしいその人の声で私は、目が覚めた。
???「それでねー、って聞いてるー?ペトラ?」
自習中とはいえ、真面目に自習している者は居らず、賑やかを通りこし騒がしい。
ペトラ「……え、ごめん!!聞いてなかったよ、ハンジ」
その中でも一際、五月蝿いのが目の前の彼女……ハンジさん、ハンジ・ゾエだった。
ハンジ・ゾエ。
今でもはっきりと覚えている2000年前の世界にいた女性。
巨人のいた世界で、共に戦った仲間だ。
調査兵団第四分隊分隊長で、かなりの実力者だった。
あの世界で私と仲良くしてくれた。
ちょっと変わった人だけど、とてもいい人だと言うことは2000年前から知っている。
ハンジ「えぇーっ!!!それ、ちょっとひどくない?」
頬を膨らませる様子は、とても可愛らしい。
ペトラ「ハンジ……、あんたは自習ぐらいしときなよね!もう高校三年の五月だよっ!?」
2000年前、とても頭の切れるハンジさんだったが、今ではその成績に目も当てられないぐらいにひどい。
ある意味、人はこんなにも変わるものだと思い知った。
ハンジ「私は、理系で人生を歩んで行くからいいんだってばー」
ペトラ「はいはい、そーですか」
こんなに、だらだらしちゃって……。
私の目の前の席だが、机をこちらに向けて話している。
机の上には、食べっぱなしのお菓子や開きかけのノートに参考書や携帯やノートパソコンが散乱している。
何でノートパソコンを高校に持ってきてるかは、気にしない方向で。
周りの人達もだが、ハンジ同様だらしない……。
もう少し緊張感をもってほしいものだ。
ハンジ「って言うかペトラだって、勉強してないじゃん!!!ファッション雑誌なんて、広げちゃってさぁ!?」
ペトラ「……あんた、私の全国模試の順位分かって、それ言ってんのかなぁ???」
人の事なんて言えないくせに。
ハンジ「……へ?」
ペトラ「……一位よ、全国一位!!?」
あえて、二度言った。
ハンジ「えええええええええええええっ!!?ちょ……初めて知ったんだけど!!!」
ペトラ「……最近、教えたばかりなんだけど」
話を聞いていないのは、ハンジの方だ。
ペトラ「……まぁ、モデルで生きてくから、勉強なんてしなくてもいいんだけどね」
高校一年生の頃に、街中でハンジと遊んでいたら、スカウトされた。
最初の頃は親の反対もあり迷ったが、文武両道を条件に結果モデルとなった。
今は、モデルだけでなく、女優やタレントとして活躍している。
ハンジ「文武両道で、モデル活動までして……ペトラって超人だね!」
ペトラ「……あれ、今頃気づいたの?」
嫌みのように、返しておく。
ペトラ「でも……リヴァイの方がすごいよ」
ハンジ「アレと比べちゃ、駄目でしょ」
アレ呼ばわりとは……リヴァイがいたら、ハンジはどうなることやら……。
ペトラ「……あっ!!!そう言えば、リヴァイ何処に居るのっ!?」
同じクラスでペトラの隣の席だが、今は此処にいない。
もしかして……
ハンジ「あぁ、授業さぼってんじゃないの?さっき、教室から抜け出してたよ」
やっぱり、さぼりか。
私も自習なんてしていないから、さぼりと同じだが。
ペトラ「探して来るね」
そう言い残し、私は教室を出た。
???「忙しい奴だよな、アイツ」
???「あはは……まったくですねぇ。ハンジ程では、ないけど」
ハンジ「ひどいこと言うよねー。エルドもモブリットも」
モブリット「僕、そんなにひどい事言ってないけど。ねぇ、エルド」
エルド「あぁ」
???「モブリットの言う通りだと思うが?」
???「……あたしもそう思うけど」
ハンジ「イアンにリコも……ひどいよぉ」
エルモブイアリコ「「「「何か違うこと言った???」」」」
-
- 50 : 2014/05/19(月) 23:13:03 :
- *
ペトラ「……うーん、何処に居るかしら?」
大体はいつも屋上で寝ているはずだから、探しに行こう。
それにしても、一階から四階まで駆け上がるのは以外と、キツくない。
日々の部活での練習が報われるように感じる。
授業中なのでいつもごった返している廊下も、当然、誰もいない。
教師の張りが弱まった細い声やシャーペンでノートを書き写す音、僅かな話し声ぐらいしか聞こえない。
ちょうど三階についた時だった。
ゲラゲラと変に高い声をばらまく、二年生の女子達がいた。
ペトラ(……品がないわね)
思わず、眉を細める。
彼女らは、廊下に座り込み大声で雑談をしている。
制服は着崩れ、これでもかと言う程に、メイクが厚い。
目も当てられない程、あられもない姿だった。
本当にこの学校の二年生は……などと考えていると、彼女らはペトラに気づいたのか、突然ピタリと会話を止めた。
「……あの人さぁ、モデルやってんだっけぇー???」
「そぉーらしいよぉ」
「ちょっと、可愛いからってさぁ……。何かこっち見てんだけどぉー」
「何よ、アンタ用でもあんの?」
鼻を突き刺すような、しつこい甘い匂いがした。
臭い……香水のつけすぎよ。
???「……んー?ペトラじゃん。何してんのぉ、アンタ」
その彼女らの内の一人がペトラに声をかけた。
人を小馬鹿にしたような笑みを浮かべ、ぼーっとこちらを見つめている。
ペトラ「……ヒッチこそ何してんのよ?」
会話が成立するかも分からないほどに、だだらした口調で話かけてくる。
ヒッチ「……あぁーっ、分かった!リヴァイ先輩探してんでしょお?」
ペトラ「そうだけど。じゃあね」
こんなのが私の部活の後輩なのか……。
ニヤニヤとして、締まりのない人だ。
ヒッチ「……くふふっ!!!そっけないのー、ちょっとひどーい。素直じゃないんだからぁ」
早足に階段を昇り出した。
変に相手すると面倒くさい人達だ、無視しとけばいい。
四階につくと、屋上へ続く廊下を歩く。
まだ、真新しい制服を身に包んだ一年生が真剣に授業を受けていた。
二年生と三年生の腐敗ぶりが恥ずかしいぐらいだ。
そんなことを考えていると、1ーBクラスの目の前にバケツを両手で持ち立たされている少女がいた。
今時、珍しい……おかしいものを見たので、少し笑ってしまう。
と言うか、あの少女は……
ペトラ「……サシャ???」
すると、少女は俯いていた顔を上げた。
満開の花を咲かせた様に笑う。
サシャ「……ううっ、ペトラ先輩ーっ!!!!」
バケツを捨て、いき良いよく抱きついて来た。
ー私の後輩は、本当に……何なのだろう。
-
- 56 : 2014/05/20(火) 22:36:54 :
- サシャside
ー何の因縁か、2000年前の私達は再び出会いました。
そもそもあの世界の記憶を思い出したのは、小学生の頃だった。
はっきりとは覚えていない。
何となく、皆……知っている人達で。
とても懐かしくて。
でも、もう……私の知っていた皆じゃない気がして、怖くて。
ーこの世界で、私だけあの世界の時間が止まっているようで……。
『……お前って、意外と寂しがり屋だよな』
ふと、脳裏にその記憶が蘇った。
確か……訓練兵時代で高い高い50mの壁の上に色づく夕日を眺めていた時だったような気がする。
頭上から声をかけてきたのは……、エレンだった。
『よく、ご存知ですね。エレン』
『こんなとこに一人でいて、何かあったのか?』
『何もありませんよ、ただ……』
『ただ……?』
『……一人は、寂しいですね』
薄っぺらい記憶の中で思い出すと現実から離れ、夢を見ているようだった。
『一人じゃねぇだろ』
『……へ、はい???』
『俺がいる。これで二人だ!』
自分の口から出たその「寂しい」は、何が寂しかったのか……何も覚えていない。
エレンが私の顔を右から覗き込み、ニヤッと笑った。
安心したのか……悲しいのか……、私は涙を溢した。
ー私は、あの世界で気づかないうちにエレンに恋をしていたらしいです。
ーそして、この世界でもいつの間にかに……
ーまたエレンを好きになったみたいです。
-
- 61 : 2014/05/21(水) 19:10:35 :
- *
ペトラ「ど、どうしたの……サシャ???」
首を傾げながら、そう聞いてきたのはペトラ先輩だ。
ペトラ・ラル。
2000年前のあの世界にいた少女。
確か……調査兵団特別作戦班通称・リヴァイ班の班員だ。
巨人殺しに関しては、並みの兵士より秀でていた。
二十歳前の子供が無理矢理大人にならざるをえない世界で、兵士として少女として、生き抜いた。
そして……あの世界では、人類のために心臓を捧げ散っていった兵士の一人だ。
彼女らの#は、あの世界で私に絶望を与え、人類の無力さを改めて思い知った。
この世界では私の部活の先輩であり、またモデルや女優、タレントとして活躍している。
ーだから、この世界で幸せそうに笑うペトラ先輩を見ると、頬が緩む。
サシャ「廊下でバケツ持たされてたんですよーぉ!!!」
私はペトラ先輩に抱きつく。
あぁ、何か温かいし良い香りがする……
お母さんみたいですっ。
ペトラ「……あのね、サシャ。一回離れよう、ね?」
サシャ「?」
ペトラ「今までのセリフ、全部口から出てたわよ」
え"……あ、やっちゃっいました?
悪いクセが……、気をつけないと。
サシャ「あ、あはは……」
ペトラ「……どうせ、授業でもさぼってたんでしょ?」
違う?と艶のある赤毛のロングヘアを指で弄びながら、私に問いかける。
高校生とは思えない程、大人びていて。
その姿に思わず見とれてしまう。
私もいつかは……などと、憧れてしまう。
サシャ「お、仰るとおりで……す」
確かに授業をさぼっていたのは、悪いとは思う。
けど、華の女子高生に廊下でバケツを持たせるなんて……ありえないですよっ。
どんな教師ですか、一体!!?
何処の誰でもいいですけどね!!!
まったく……
ペトラ「でも、サシャは部活を一生懸命に頑張ってるから……見逃しとくね」
サシャ「本当ですかっ!?ありがとうございます!!!」
か、神様ですか?
見逃してくれたあああっ!
ペトラ「……アイツに怒られないで、良かったわね」
……アイツとは、おそらくリヴァイ部長のことだろう。
私の所属する陸上部の鬼部長である。
噂では、非公式の大会記録で100m走の世界記録を上回ったとかないとか……。
成績優秀、運動神経抜群、容姿端麗で、世間の注目も熱い。
少しばかり素行がひどいが、皆見ぬふりを決め込んでいる。
日々の生活態度に厳しく、部活内だろうが部活外だろうか、関係なく指導を徹底する。
だから、授業をさぼったなんてバレた日には……お、恐ろしい。
その恐ろしさは2000年経っても変わらない。
サシャ「は、はいっ!」
優しい先輩がいて、本当に良かった……。
ペトラ「じゃ、また後で。お昼休みにねー」
サシャ「はい!って……、置いてかないでくださいよおおおお!!?」
前言撤回、やっぱり厳しい先輩です。
そ、そんな……後何分で授業が終わるんですか???
一人は、嫌ですよぉ。
サシャ「ほんまに嫌やって……」
ポロっと出た方言が誰にも聞かれてないことに安心した……瞬間だった。
???「やほー、サシャぁ!!!方言とか、かわいいねぇー」
サシャ「!!?、は……ハンジ先輩っ!!!いつからそこにっ……」
ハンジ「いやぁ、ね。ペトラの後追いかけてんだよーっ!アイツの弱味が握れるかもしれないし……」
本当に懲りない人だ。
前にそれでボコボコにされたのを覚えてないんでしょうか?
ハンジ「じゃ、またねー」
もう止めに行くのも馬鹿らしく思った。
-
- 70 : 2014/05/28(水) 20:42:29 :
- ペトラside
ペトラ「……方言なんて、かわいいなぁ」
4階の一番端にある階段をのぼりながら、ふとさっきのことを思い出した。
本人は誰にも聞かれてないと思ったのだろうが、残念ながら丸聞こえだ。
私の後輩は、かわいい。
サシャ・ブラウス。
2000年前のあの世界にいた少女。
調査兵団に入団した勇気ある人。
あの世界ではあまり接点はなかった、が。
人懐っこい性格なのか、食べ物をあげただけで、私は神のように慕われてしまった。
我が道を行くマイペースな面白い子だ。
新兵の中では、一番仲が良かったと思う。
よく喋ったのはエレンだが、仲が良いわけではなく……一線引いているような気もした。
この世界では、私が副部長の陸上部の後輩であの世界以上に仲が良い。
ペトラ「今度、何か奢ってあげよーかな」
そんなことを考えている内に、屋上の扉の前に着いていた。
私は音をたてないように、そっと扉を開いた。
たいして広くない屋上のベンチに私の探し人はいた。
ベンチの上に仰向けになって寝ていた。
5月になったとはいえ、こんなところで寝ていたら……
ペトラ「こんなところで寝てたら、風邪ひいちゃうよ!リヴァイ」
リヴァイ「……耳元で叫ぶんじゃねぇよ」
わざとだ、いたずらということでいいでしょう。
上体を起こすリヴァイの前に、私は立つ。
ペトラ「もうっ、授業中に抜け出してここんなところで寝てるなんて……!!」
リヴァイ「……別にいいだろ」
眠気が覚めないのか、ぼーっと私の顔を見つめている。
……やっぱり、かっこいいな。
とか思ってしまう。
いや、リヴァイのことを一番分かっているのは私なんだから、かっこいいことは知っている。
「リヴァイ兵長」。
2000年前の世界では、毎日のように私は貴方の名前を呼んでいた。
調査兵団で最も腕の立つ兵士で、人類最強の兵士と称えられていた。
英雄として囁かれていたが、実は神経質で粗暴で潔癖病で怖くて近寄りがたい、そんな人だ。
でも、私は知っています……っていうか、兵長の前だと敬語が中々直らない。
もう……上司ではなく、恋人なのに。
って、そういう話じゃないって!
本当は、優しくて頼りになって仲間思いで……と語り尽くしたら切りがない。
私はあの世界で###が、リヴァイだけは忘れないでいてくれた。
独りぼっちになっていく感覚は、###私にもある……不思議なことだ。
この世界では、リヴァイに渡したい想いがある。
いや、もう渡してしまったが……。
ペトラ「……大好きだよ、リヴァイ」
襟元を引かれ、バランスを崩した瞬間ー……
唇を塞がれた。
その激しさに甘美な感覚に囚われ、戸惑ってしまう。
どうしよう、恥ずかしいよ……。
ゆっくりと随分長い時間が流れた。
呼吸が少し苦しい。
そして、リヴァイが口を開いた。
リヴァイ「……俺は、お前を愛している」
何回目だろうか。
この言葉は、反則だ。
ペトラ「私もだよ」
あぁ、心臓に悪すぎるって……。
ペトラ「……私、どうかしちゃいますよ?」
リヴァイ「どうかしとけ、ばーか」
全身が浮遊した。
リヴァイが私を左の懐に担ぎ上げていた。
ペトラ「……ちょ、お、下ろしてよ!女の子を担ぎ上げるなんて!!?」
身長は私とあまり変わりないのに、体格はしっかりしていて力持ちだ。
すると、リヴァイはいきなり高笑いをあげた。
驚いてリヴァイの顔を覗き込むと……、目があった瞬間ニヤリと口元をつり上げた。
ヤバい、何か企んでる。
逃げようとジタバタと抵抗するがそれは、無意味だった。
ペトラ「……あの、リ、リヴァイ。これは、私どうなっちゃうの…???」
あ、嫌な予感がした、時にはもう遅かった。
リヴァイ「……どうかしとけよ。たっぷり躾してやるからな」
その時のリヴァイの表情は、おもちゃで遊ぶ子供のように楽しそうだった。
ー私、どうなっちゃうの???
-
- 79 : 2014/05/29(木) 23:13:13 :
- サシャside
2限目の授業終了のチャイムがなった。
サシャ「やっと終わりましたよーっ!!!!」
一人は本当に寂しかった。
私は教室の中へ駆け込む。
サシャ「エレーンっ!!!」
エレン「うわっ!!?ちょ、サシャどーした??? 」
わざととぼけたフリをするエレンは、ニヤニヤと笑っていた。
どーしたか、知ってんちゃうの!!?
サシャ「エレンの意地悪ですっ」
何で私だけ廊下に立たされたんですか、半分はエレンのせいですっ!!!
エレン「ごめんな、悪かったって。それよりも次は体育だろ?早く着替えて来た方がいいんじゃねぇか」
あ!!!!
そっか、次は体育でした!
もうずっと楽しみにしてましたよ。
エレン「なんか一年で合同体育なんだってよ」
サシャ「そうなんですかっ!じゃあ、ミカサとかアルミンも……いるんですね!!!!」
思わず、大声を出してしまった。
まぁ、いっか。
あぁーっ、他のクラスにいる親友達にも会える!
エレン「お、おうっ!じゃ、先行ってるからな」
サシャ「わかりましたっ!!!」
体育着を持って更衣室へ急ぐ。
サシャ「体もなまっていたところですし、丁度いいですねっ!!!」
私の鼻歌が廊下に響いた。
-
- 87 : 2014/06/05(木) 18:43:43 :
***
一年生合同体育……スポーツテストという訳で私はいつもよりやる気に満ちている。
「サシャ・ブラウス! 記録、7秒02」
体育教師キース先生の張りのいい声が響く。
サシャ「やったあああああああああああああ!!!!」
種目は50m走。
中三の時よりかなり記録が良くなっていた。
エレン「お、サシャ!記録どうだったんだ?」
サシャ「7秒02ですよ!!!」
エレン「……0.1秒負けた」
サシャ「当たり前じゃないですか!!!私、体育だけが取り柄なんで」
いやぁ、エレンに勝つことって、なんて機嫌のいいことでしょうか!
いつも負けてばっかなんでとっても嬉しいです。
「ミカサ・アッカーマン!記録5秒98……って、何だとッ!!!?」
私の友人でもあるミカサがちょうど走り終わったところだった。
その驚くべき記録にキース先生も周りで色々な種目をしていた生徒達もざわついている。
ミカサ・アッカーマン。
2000年前のあの世界にいた少女。
確か……訓練兵団の時に仲良くなり、同じ調査兵団にも所属していた。
104期生の中でも訓練兵イチの実力を持っていた。
覚えてるのは、それぐらい。
あとはエレンの幼馴染みでとても仲が良いのと、……怖いことしか記憶にないはずだ。
この世界では、成績優秀、運動神経抜群、容姿端麗と恐ろしいほどに超人だ。
ミカサのモテぶりは尋常でなく、マニアックなファンも多いらしい。
ちなみに、陸上部に所属しており、期待のルーキーで注目を浴びている。
何と言うか……私の周りには、超人な人が多いと思うのは気のせいだろうか?
サシャ「ミカサぁーっ!!!!!」
ミカサに届くように大声で叫ぶ。
すると、ミカサは私の大声に気付きたらしい、こちらに向かって歩いて来た。
エレン「よ、ミカサ!」
ミカサ「エレンにサシャ、二人とも元気?」
サシャ「元気百倍ですよ!!!!」
エレン「ミカサ……お前朝にも同じこと言ってたよな?」
ミカサ「忘れた」
意外と天然なんですよね。
サシャ「あれ?ミカサの彼氏さんはどこに行ったんですかー???」
ミカサ「!!!?、ちょ……だ、黙って。サシャ!」
頬を僅かに赤く染め、照れるミカサは可愛い。
あの世界ではこんな表情、めったにしてなかったようなーとか考えてしまう。
ミカサ「多分、どこかにいると思う」
エレン「アイツとは、どんな感じなんだ?」
サシャ「あ、私も聞きたいですっ!」
悲しいことだが、リア充さん達のお話を聞くのは何気に楽しかったりするものだ。
ミカサ「そんなに……たいしたことじゃないけど」
サシャ「うんうんっ!」
ミカサ「……とても楽しい。結構、優しかったりもする。毎日が輝いている気がする」
ミカサがとても素直になった気がする。
サシャ「わあーっ、羨ましい……とか何ちゃってー!」
エレン「良かったじゃねぇか、な!」
ミカサも恋をしただけで、こんなにも変わるんですね……。
すごいことですよ!
ミカサ「うん。……あ、ごめん。また後で」
サシャ「また後でですよーっ!」
まだ終わっていない種目があるのだろう。
私達も早めに種目を終わらせなくては。
エレン「……『幸せ』って、何だろうな」
え……???
今、エレン何か言ってたような。
全然聞こえませんでした。
サシャ「エレン、どうかしましたか?」
エレン「いや、どうもしてねぇって。それより、早く持久走で対決でもしねぇか?」
どうもしてないならいいですけど。
何だろう……、
サシャ「じゃあ、そうしましょう!!!」
『何か……エレンがおかしい?』
ーもしこの時に、エレンの抱える闇に気づけていたのなら、私は……
-
- 96 : 2014/06/16(月) 12:43:59 :
- エレンside
ーこれはあの世界……2000年前の世界の最期のお話。
結局、人類が自由などを掴むことはなかった。
今まで巨人によって###人達の意思も無駄となった。
これは、夢なのだろうか?
女性の奇声。
はぐれてしまったお母さんの手を掴もうと手を伸ばす子供。
逃げ惑い、混乱する人々。
醜く泣き喚き、叫ぶ姿。
大勢の巨人の行進。。
そして……人類に心臓を捧げると誓った兵士達の#闘。
そんななか、のんびりと撫で声で鳴く猫。
まるで人間を見下ろすよう。
鉄臭い強烈な色を放つ、赤黒い血が街中に雨のように降り注ぐ。
ーそういえば、何でこんなことになってるんだ?
あぁ、駄目だ。
脳が回らない。
ただ一つ分かることは……
ー俺もあと少しで##のか。
不思議と怖くもないのは、どうしてだろう。
一回、###ことがあるから?
俺の名を叫ぶ声が聞こえた。
仲間の皆か?
俺のことは、ほっといていいから。
ー俺はもう##だろうけど、皆は生き延びてくれよ。
こんなことを冗談でなく、本気に思ってしまう。
皆に怒られるな。
先に##だなんて。
ー俺の意思を貫き通すことは最期まで叶わなかったけど、俺がやれることは全てやった。
だから後悔だなんて特にすることがない。
きっと、あの時リヴァイ班の皆もそう思いながら、###いったのだろう。
空を仰ぐように、重たい体を上へ向ける。
濁った灰色の空。
絶え間なく降り注ぐ血の雨。
青空を拝むことでさえ、人類には出来ないんだ。
と、俺の顔に影が差した。
???『どうしてこんなことになったと思いますか?エレン』
そこには、俺の顔を覗き込み、問いかける少女がいた。
その少女の姿に俺は目を見開いた。
額から血を流し、右腕はもう使いものにならないほどに怪我をしていた。
それは今この状況では珍しいことではない……ただそれが、顔見知りだったら?
……何でお前がここにいるんだ。
???『それすらも覚えてない。思い出してください』
俺が何を覚えてないって言うんだ。
お前は何を言いたいんだ。
???『意外とひどいですね。彼らに謝ってほしいぐらいですよ』
何がひどいんだ。
彼らって誰のことだ?
???『***も***も***でさえ、###んですよ。エレンのせいで』
***が……???
嘘だ。
アイツが##訳ない。
こんな時に限って冗談を言うのは、やめろ!!!
すると少女は俺の襟首をつかみ、自分の方へ強引に引き寄せた。
俺の耳元で、深くゆっくりと重たい声で囁いた。
???『エレンが仲間を信じなければ、こんなことにはならなかった。あの時も今も。……違いますか?』
その一言で俺の記憶を思い出させるには、十分だった。
全部俺のせい……???
俺があの時、あんな選択をしたから?
***も***も皆###?
じゃあ、何でお前はここにいるんだ。
ここにいるってことは、それはー……
有る限りの体力を振り絞って俺は言った。
エレン「……お前が裏切り者だったのか、サシャ」
少女……サシャは顔を歪ませ、俺の腹を蹴り飛ばす。
すでに体は動かず、ふきとばされる。
俺がサシャを見上げると、サシャはお腹を抱えながら高笑いを上げた。
サシャ『あははッ!!!!そうです、私が裏切り者ですよ』
何でお前が?何の理由があって?
俺達を騙していたんだ?
そう聞きたいが声を出す力がでない。
サシャ『……裏切り者だなんて、言ってほしくなかったのになぁ』
地鳴りを彷彿とさせる音が響く。
すぐ近くまで巨人が来ているのだろう。
サシャ『私をとり残して先に##なんて……約束、破らないでほしかったのに』
サシャの瞳は揺れることなく、俺を睨みつけていた。
サシャ『だから、言いましたよね? 私、「一人は寂しい」って』
遠退いて行く意識の中、サシャは妖艶な笑みを浮かべ涙を流しそう呟いたのが記憶にしがみついている。
ー全てが崩れ去って消えていく、あの世界のあの瞬間の最期の終焉……俺は一体何を望んでいたのだろうか?
-
- 101 : 2014/07/04(金) 22:53:33 :
- ***
ー気に食わない。何がだ?
サシャ「エレーンっ!!!持久走で対決でもしましょうよ!」
この女だ。
2000年前のあの世界でしたことを全て忘れたのだろうか???
それを忘れて、俺の前で呑気にヘラヘラと笑う。
俺がどう思っていて、どうなろうとこの女には関係ないのだ。
……だって、俺がこんな状態に陥っていても誰も、この女でさえ気づかないのだから。
エレン「あぁ、そうだったな」
サシャ「私、絶対勝ちますからねっ!」
もう、うんざりなんだ。
何も知らないで無邪気に笑いかけてくるこの女が。
ーそして、憎たらしくて仕方ないこの女に"恋"をした俺が……忌々しいほどにうんざりするんだ。
何で……こんな女を。
サシャ「具合でも、悪いんですか?」
ほら、こうやって……俺にかまわないでくれよ。
エレン「いや、何でもない。はやく走ろうぜ」
もう関わりたくないんだ。
あの世界のような終わりを迎えたくないんだ。
サシャ「なら、いいんですけど……」
ー気が狂ってしまいそうで。
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- 103 : 2014/07/14(月) 22:30:38 :
皆さん、こんばんわ。
この度は読者様にお知らせがあります。
ssへの感想、ご意見はこのグループ http://www.ssnote.net/groups/570にしていただくと嬉しいですっ。
執筆中はグループに、執筆終了後は今まで通りにssへコメントお願いします。
理由はssをより読みやすくするためです。
お手数かけてすいませんm(__)m
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- 104 : 2014/07/15(火) 21:37:51 :
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サシャside
サシャ「う"ーっ……やっとお昼の時間です」
人が群がりつくす売店のエリアは、もはや戦場だ。
何で、私がこんなところにいるのか?
それは……。
スポーツテストの結果は、それなりに満足できる結果だった。
だが、エレンと持久走で対決した結果ボロ負け。
幻のあんパンと呼ばれる一日限定5個を奢るという約束をしてしまった。(うん、された)
やっとのことで売店のなかに入り、商品を見たが……
サシャ「まぁ、幻ですしね……あはは」
なかった。
なので、今は仕方なく少し高そうな売店食を買ったところである。
お小遣いがピンチだというのに……エレンの鬼、悪魔、人でなしっ!!!!!
サシャ「あ~っ、皆、何処にいるんでしょうね?」
お昼の時間は、部活の皆……陸上部のいつものメンバーと共に中庭の芝生で過ごしている。
先輩・後輩は仲が良く、賑やかでとても楽しい。
……一部、犬猿の仲の悪さの二人がいたりもするが。
ミカサ「サシャ、こっち!」
周りを見回していると、ミカサがこちらに手を振っていた。
中庭の芝生はとても広くて、附属の大学生や中学生も利用しているため、人が多い。
私立のマンモス校を馬鹿にはできませんよ。
サシャ「ごめんなさ~い!遅れちゃいましたっ」
ミカサ「ううん。まだ一年生しか集まってないから大丈夫」
???「つか、お前のその両手の袋なんだよ?」
と、ミカサの後ろから長身の少年が現れた。
サシャ「あ、ミカサの彼氏のジャンさん、こんにちは~っ!」
ジャン「うるせぇ、芋女っ!!!」
サシャ「そ、そのアダ名やめてくださいっ!!!?」
なんて、失礼な奴だ。
ミカサが彼女だなんて、もったいない……。
もっといい相手いますよ、とは決して口には出さない。
下手したら、あの世行き決定だ。
ジャン・キルシュタイン。
2000年前のあの世界にいた少年。
そして、同じ調査兵団とかいう組織に所属していた。
本当に曖昧な記憶しかないのでよく分からないが。
傲慢な性格だったが、現状を把握するのも早いし、何をすべきか理解している。
まぁ、いい奴なのかな?
この世界では、そこそこの人気が女子生徒からあるらしい。
成績優秀、運動神経抜群、容姿端麗……と、こいつもまた超人だ。
陸上部では、記録を次々と積み立てている。
私の周りはやっぱり超人が多い。
そして、つい最近ミカサに猛烈アタックし、告白して、付き合い始めたらしい。
サシャ「……馬面のくせに」ボソッ
ジャン「聞こえてんぞ」
知らないフリをしよう。るんるるーんっ!
と後ろから声がかけられた。
???「やぁ、サシャ」
???「はろーっ、サシャ!」
サシャ「アルミンにクリスタっ!」
後ろを振り向くと、金髪碧眼の二人……アルミンとクリスタがいた。
そして、こいつらもリア充……。
アルミン・アルレルト。
2000年前のあの世界にいた少年。
少女のような線の細い容姿をしているが、中身は意外と腹黒いということだけは記憶が曖昧な私でも覚えている。
恐ろしく頭のキレがよく、その頭脳は今のこの世界でも顕在らしい。
敵に回すと面倒なタイプだけど、味方にすると超頼りがいのあるいい人。ってカンジだろうか?
陸上部に所属しているが、記録はそこそこである。
クリスタ・レンズ。
2000年前のあの世界にいた少女。
周りに気がきいて、優しくて女神のような存在で男子からの圧倒的な人気を誇っている。
アルミンが彼氏になってからは、落ち着いてはいるらしいが。
身長も低くて、言動もおしとやかで……私とは、正反対のタイプの女の子。
陸上部では、短距離走でその実力を垣間見せている。
ミカサ「アルミンとクリスタ、元気?」
サシャアルクリジャン「「「「それ、朝も言ってた」」」」
ミカサ「……そうだっけ」
今日はいつにまして、ミカサの天然っぷりがすごいことになってる。
クリスタ「あ、サシャこれ!」
クリスタ「サシャの元気な声が聞こえたからさ~っ!はいっ、お菓子あげるね」
サシャ「えええっ!!!!ありがとうです、クリスタ~っ!」
アルミン「僕も欲しいなぁ……なんちゃって」
まるで女の子みたいとか、口に出しそうになったが心にしまっておこう……。
クリスタ「アルミンには、お弁当作ってきたから我慢っ!」
アルミン「本当にっ!!!?」パアァ
目をキラキラと輝かせている姿はまるで女のry
クリスタ「絶対おいしいはずだから、楽しみにしてよねっ!」ウフ
アルミン「もちろんさっ! 」
……リア充め。
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- 105 : 2014/07/17(木) 22:31:11 :
- わわわっ、言葉には気をつけないとですね!!!
???「サシャ~っ」
後ろから両肩をぽんっ、と軽く叩かれた。
その絡んでくるような声の主は、私の両頬を左右に引っ張り始めた。
サシャ「ちょ、ほぉ、いっ……いたゃいですっ、ユミル~っ」
ユミル「いいから、いいからっ!ほれほれ~っ」
まるで、飼い犬を躾しているような飼い主の図である。
頭を撫でくりまわし、頬を引っ張る……いじられまくりだ。
ユミル。
2000年前のあの世界にいた少女。
クリスタと仲が良く、私も仲良くしていたのを覚えている。
サバサバとした歯切れの良い物言いと親しみやすい雰囲気が意外にも男子から猛烈な人気を得ており、隠れ親衛隊なるものもあるらしいが、彼氏が出来てからもその人気が衰えることがないらしい。
長身で細身でスタイルも良く、間違っても……あれは高校一年生の胸の大きさじゃない。
陸上部では、長距離走や高跳びなどの幅広い種目で活躍している。
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- 106 : 2014/07/18(金) 19:02:51 :
- サシャ「もほぅ、なぁにしゅるんでしゅかぁ~」
両頬を引っ張られたままで上手く喋ることが出来ない私を皆は、笑っていた。
うわぁ……何かちょっと皆さん、失礼じゃないですか!?
ミカサ「サシャ、かわいい」
ジャン「ま、まぁミカサがそう言うなら、そうなんじゃないか…!」
クリスタ「写メとろっと♪」
クリスタが目にも止まらない速さでスマホを取りだし、私のこの変な姿を写メった。
す、素早い子……!?
っていうかその写メはどうするつもりですかっ!!?
サシャ「とりゃにゃいでくだしゃい!」
と、私が叫ぶとユミルは私の両頬を引っ張るのを止め、「そういや、サシャ」。
ほっぺた痛い……。
ユミル「何で彼氏作んねぇの?」
頬を擦っていると斜め上の予想外すぎる質問に驚きを隠せず、思わず目線を逸らす。
サシャ「え、あ、いやぁ……あはははっ?」
返事を返そうとするが言葉が見つからず、焦って誤魔化そうとするが、勘の良いユミルの目は誤魔化せなかった。
ああああ、ど、どうしよう……!?
疑り深い瞳でサシャの全身を見回すユミルのその姿は、まるでエロオヤジのようだ。
ユミル「……お前、エレンのこと好きだろ?」
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- 107 : 2014/07/19(土) 11:45:17 :
サシャ「な、なななななななななななななななななな……何言ってんですか!!!!?あ、いや違いますけどねっ!違うっ」
核心をつかれた。
そして此処で誤魔化すことが出来ないのが私だ。
大声を出した後に、しまったと気づく。
こんなに一生懸命全否定していたら、誰でも……私がエレンに恋してることに気づいてしまう。
ユミル「やっぱりなぁ~、だと思ってたんだよっ!」
サシャ「だから、違いますって!!!で、何で気づかれてたんですか!?」
何処でどうやって気づかれたのだろうか?
ああああっ、もうっ!
ユミル「行動パターンが単純だからなっ!」
何気にひどいこと言われたような気が……。
この容赦ない言い方はユミルの特徴だ。
ミカサ「……サシャになら、エレンをあげてもいい」
サシャ「いや、お母さんみたいなこと言われても!?」
かなり話がブッ飛んだ方向に行っているミカサは、何を想像しているのだろうか……「結婚式の予算……」などとブツブツ呟き何かを考えている。
天然、恐ろしや……。
クリスタ「サシャ、恋してるの!?協力してほしいことがあったら、何でも言って!応援してるから!」
サシャ「え、あ、いや、はいっ?」
普通の反応だが、キラキラした瞳で「応援してるから!」と言われると、断るに断れない。
ジャン「芋女が"#に急ぎ野郎"に恋か、ハッ!」
サシャ「……なんかぁ言いましたか~っ、ジャン?そしてそのアダ名やめてくれませんかね~っ」
聞き捨てならないセリフに思わず、こめかみが動く。
私のアダ名はともかく、エレンのそのアダ名を言うなんて……
ジャン「いやぁ、そいつのアダ名をそのまま言っただけだがぁ?」
サシャ「はぁあ?黙れ、馬面が」
ジャン「何だと……この芋女っ!!?」
アルミン「二人共、落ち着きなって」
二人の間に険悪なムードが流れ始めた頃、それまで黙って話を聞いていたアルミンが間に割って入った。
大人の対応……。
サシャ「とりあえず、この対決はおあずけですよ……?」
ジャン「ふんっ、覚えとけよ……」
何の対決だか分からないが、これで一息つく。
ユミル「……バレバレだっーの!!!可愛いんだよ、この野郎っ」
ユミルは立ち上がり、私の頭をまた撫で回す。
髪の毛ボサボサになる……。
???「……やっぱりそうなんだ。アンタ」
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- 108 : 2014/07/21(月) 17:15:55 :
- サシャ「あ、アニっ!?」
涼しげな顔をしたアニがジュースの紙パックを飲みながら、仁王立ちしていた。
アニ「あんだけ分かりやすい態度とってれば、バレバレだって」
サシャ「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ!!!?」←声にならない声
あ、声にならないよぉ……。
アニにまでバレてるだなんて。
アニ・レオンハート。
2000年前のあの世界にいた少女。
彼女については、あの世界でのほとんどの記憶がない。
切れ長の目、外国人のような顔立ち、ざ・女の子というべきな身長……モテるんだよね、この子も。
そして、彼氏がいるリア充。
陸上部では、ミカサとかなり争い(?)が勃発している問題児でもある。
……まぁ、ちょっぴり不良ちゃんですし。
ユミル「もう皆、知ってるしなーっ」
サシャ「あぁ、そうですよっ!!!!好きですけど、何かっ!?」
開き直ってやる。
???「アニ。はい、買ってきたよ」
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- 109 : 2014/08/29(金) 18:02:31 :
- 期待でーす(笑)
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- 110 : 2014/08/29(金) 18:02:59 :
- 期待ッス
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- 112 : 2014/09/03(水) 15:50:45 :
- 最初から見ました
面白い!
超期待でーす
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- 113 : 2014/09/05(金) 19:26:59 :
- >>112norikaさん
読んでいただきありがとうございますっ!!!!
面白いと思ってくれて嬉しいです(^-^)/
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- 114 : 2015/01/02(金) 21:28:02 :
- 期待×芋(?)
続きをはやく!!
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- 115 : 2015/01/23(金) 19:41:58 :
>>114アーインストールさん
読んでいただきありがとうございます!!!
続きはもう少し待ってください…すいません
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- 116 : 2015/04/04(土) 18:58:30 :
- ベルトルトかっ!!!?
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