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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

マルコ「僕には何もできないけれど」

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  1. 1 : : 2014/04/20(日) 19:55:17
    マルコは死にました。
    けど、存在はこの世に残っていました。

    そんな彼が、この世に残した未練。とどまっていられる時間はいつまでかはわからない。

    マルコは、残された時間で何をするのでしょうか。
  2. 2 : : 2014/04/20(日) 19:57:45
    幽霊?
  3. 3 : : 2014/04/20(日) 19:59:15
    期待です♪
  4. 4 : : 2014/04/20(日) 20:01:40
    ーあれ?

    ふと気づいた時、僕は自分の異変をすぐに察知した。

    自分の手が、透けて見える。

    街を見渡すと、あちこちで兵が死体を掻き集め、ワッペンやジャケットを探っている。

    …下を見ると、上右半身のない、見覚えのある見慣れない遺体。

    ー僕…か。

    それが自分だと気づくまで、そうは時間はかからなかった。

    僕は…僕は…。

    直前のことは…思い出せない。

    なぜ、僕は死ななければならなかったのか。よくわからない。
  5. 5 : : 2014/04/20(日) 20:03:15
    コメントありがとうございます!

    がんばって最後まで書いて行きますので、遅筆ですがよろしくお願いします!
  6. 6 : : 2014/04/20(日) 20:09:20
    確かに、僕は戦闘に参加していた。

    前門が破られ、巨人が入ってきて…。何度もギリギリのところですり抜けながら、ガスを補給し、地獄から生還した、はずだった。

    確か、エレンが変身できることがわかって…。僕らは…トロスト区を取り戻すために…。

    ダズが逃げようとしたのを止めたっけ。

    サシャは…あはは、覚えてる。

    でも。その先の記憶は…ない。

    何か重要なことを見たような気もする。

    …ダメだ、思い出せないや。

    僕はなぜ、死んでなお、ここにいるんだろう。
  7. 7 : : 2014/04/20(日) 20:12:01
    期待です(゜▽゜*)
  8. 8 : : 2014/04/20(日) 20:14:05
    ありがとうです!頑張ります(≧∇≦)!
  9. 9 : : 2014/04/20(日) 20:55:16
    「おい…お前…マルコか?」

    ふと、後ろから声が聞こえ、振り返る。

    ージャン!

    ジャン「おい、誰かこいつの最期を見た奴はいないか?」

    ージャン、僕だよ、ここにいるよ!

    方をつかもうとしたけど…ダメか。

    僕の手は、何も掴むことはできない。
    ジャンの肩をするりと抜けて、むこうへと突き出てしまった。

    ジャンの体を通る腕に、ほのかに温かみを感じる、
    さわれなくても、温度はちょっとは感じられる…のかな。
  10. 10 : : 2014/04/20(日) 22:27:05
    ジャン、僕の事は気にしなくていい。だから。だから。

    君の生を目いっぱい、過ごして欲しい。

    君は、軋轢を生みやすい。

    でも、君の力を、僕は信じて疑わないよ。

    …だから……生きて。


    僕は、ジャンについて行くことにした。

    見ている間に、僕の遺体は片付けられる。

    …そうだよね。感染症があるもの。

    さようなら、僕の人生。
  11. 11 : : 2014/04/20(日) 22:36:39
    店員さん、早速始動ですね…!
    期待を込めて、星をぽちりさせていただきました。楽しみにしておりますうふふ!
  12. 12 : : 2014/04/21(月) 11:26:49
    マリンさん、早速ありがとうございますー!
    まだまだ星もらえるほどの内容じゃないですが、地道な足場がためしていきます!
    いい作品にできるようにがんばります!
  13. 13 : : 2014/04/21(月) 16:17:22
    店員さん期待です!僕がスレ数覚えられるのは好き過ぎる作品だけです!楽しみにしてます!
  14. 14 : : 2014/04/21(月) 19:52:36
    マルコ…
    店員さんのSS大好きです!!
    期待!!
  15. 15 : : 2014/04/23(水) 19:43:01
    期待です!
    店員さん頑張って下さい!
  16. 16 : : 2014/04/23(水) 23:46:42
    期待なんです!!
  17. 17 : : 2014/04/24(木) 13:20:15
    さいとーさん、ベルさん、葉月さん、エネちゃん、ありがとうです!
    がんばってやってきますね!
  18. 18 : : 2014/04/24(木) 13:35:36
    ジャン「マルコ…お前、憲兵団になって、王に尽くすんだろ…」

    そう呟きつつも、手は遺体の回収、身元確認をやめようとしない。

    ドライな俺らしく、目から涙の一滴もこぼれてこない。

    多分、俺にとって唯一の…そう、唯一の親友と呼べる奴。


    思えば、マルコにはサポートばかりしてもらっていた。

    すぐに悪態をついたり、物を語るにもすぐ衝突する、そんな俺を、上手く周りに溶け込ませてくれたりな。

    そんな俺とずっと一緒にて、お前、損ばっかりしてたよな。

    …なぁマルコ、お前、俺といたこと、公開してたりしないか?正直、俺にはお前に何かしてやったっていう自信がねえよ。


  19. 19 : : 2014/04/24(木) 14:02:48
    一日の業務が終わり、兵舎に戻り、死臭の染み付いた服を脱ぎ、体をきれいに洗い流していく。

    俺がお前のためにできること…お前が死んでか考えても遅いよな…。でもさ、最後くらい、何か考えさせてくれよ。

    俺がお前に、してやれることを。



    ―――――

    …きっと君は

    自分を責めて、後悔しているんだろう?

    僕のこと、損ばっかりさせたんじゃないか、俺はお前に何もしてやれなかったんじゃないかってね。


    …いいんだよ。

    僕は、そんな君との日常が好きだった。とても楽しかった。

    ねえ。どうにかして君にそう伝えたいんだ。

    …でも。僕は君には触れない。

    もう、僕の声は君には届かない。

    ジャン、自由に生きて。僕のことは放っといていいんだよ。
  20. 20 : : 2014/04/24(木) 14:13:20
    着替えたジャンは、また部屋を出た。

    それはきっと、荼毘にふす仲間の弔い。


    ジャン、そんなに思いつめないで。

    僕の人生はここまでだったけど、君の人生はここからがある。


    …伝わらないか。


    ただ付いていくことしかできない、このもどかしさを押し殺しつつ僕も進む。仲間のもとへ。

    ベルトルト、ライナー、ユミル、サシャ、アルミンにミカサ…。

    みんな、思い思いの表情を浮かべている。でも、誰も明るい表情を浮かべていない。
  21. 21 : : 2014/04/24(木) 14:21:02
    焼かれていく自分の遺体。

    こんな光景を見るなんて、数日前まで考えてもいなかった。


    ねえみんな、そんなに暗い顔をしないでよ!

    この残酷な世界では、これから僕みたいに居なくなる人がいっぱいいるんだろう。

    生き残るのは大変なことだと思う。

    でも、僕の仲間はすごい人ばかりだと思うんだ。


    …ジャン?
  22. 22 : : 2014/04/24(木) 14:32:27
    「お前ら、所属する兵団はもう決めたか?」


    …ジャン?


    「俺は決めた…」


    ジャン…そうなんだね。


    「俺は…調査兵団に行く……!」


    そう言って見開いた目には、僕が最後まで持つことができなかった、強い意志の力を宿しているように見えた。
  23. 23 : : 2014/04/24(木) 15:06:02
    あれから、どれくらい経ったろうか。

    僕は、何度も、何度もジャンにコンタクトを取ろうとした。

    でも、やっぱりジャンには、触れない、伝わらない。



    ジャン「……」

    ーキシッ…

    ジャンの腰掛けるベッドの隣に、僕もそっと腰を下ろす。



    …不思議だね。

    いつもこうやって一緒にいたのに、あの頃とは全く違うんだ。

    ね、ジャン。
  24. 24 : : 2014/04/24(木) 15:24:55
    ジャン「……」

    不思議だな。前はこうしてベッドに座ると、お前が隣にいたんだけどな。ありがたいものってのは失ってから気づく。

    …へ、この言葉も、お前が教えてくれたんだっけか。


    よっ…コツ…コツ…


    さて、そろそろ行くことにするか。

    -ギィ…


    部屋を出て、廊下を抜け、外に出る。

    広間には104期兵が集まっていた。
  25. 25 : : 2014/04/24(木) 15:27:09
    あ、ログアウトしてますが上記は店員です!
  26. 26 : : 2014/04/24(木) 15:41:05
    「…ジャン!!」

    アルミン「本当に…調査兵団に?」

    ジャン「ああ」


    サシャ「どうして突然…その……怖くはないのですか?」

    本当だよな。

    ジャン「はぁ?嫌に決まってんだろ、調査兵団なんて」


    コニー「じゃあ…お前なんで調査兵団に」

    本当に、なんでなんだかな。でもな…。

    ジャン「別に巨人が怖くないから、そう決めたわけじゃねえ。それに、有能な奴は調査兵団に入るべきだ、なんて言うつもりもない。俺ぁ死に急ぎ野郎とは違う」

    コニー「エレンか…あいつはとっくに調査兵団に入ってるんだよな…」


    その時、声が響いた。

    「訓練兵、整列!」
  27. 27 : : 2014/04/24(木) 15:59:21
    「俺はな、誰かに説得されて命をかけてるわけじゃない」

    アルミン「…」

    ジャン「こればっかりは…自分で決めずに務まる仕事じゃねぇよ」


    そう言って俺は歩き出した。


    巨人どもが…どうやって人を食うか、俺は知っちまった。


    それにな…マルコが教えてくれたからな…。

    俺の、命をつかうべきところを…。
  28. 28 : : 2014/04/24(木) 17:00:44
    「私は、調査兵団団長、エルヴィン・スミス」

    ーふふ、こうやってみんなが集合することはなくなるんだろう。僕も便乗して…みんなの顔を拝ませてもらおう。

    エルヴィン「私が話すのは、率直に言えば調査兵団への勧誘だ。今回の巨人の襲撃により、諸君らはすでに、巨人の恐怖と己の力の限界を知ってしまったことだろう…」

    ーふふ、クリスタ、泣きそうな顔をして。ユミルは…やっぱりクリスタ心配して。

    エルヴィン「しかしだ、この戦いで人類は、これまでにないほど勝利へ前進した」

    コニーとサシャは…やっぱり覚悟を決めたのか…。

    エルヴィン「エレン・イェーガー、彼が間違いなく我々の味方である事は、彼の命がけの働きが証明している」

    ー……?

    エルヴィン「さらに我々は彼によって巨人の侵攻を阻止するだけならず、巨人の正体にたどり着く術を得た!」

    ーやっぱり…。
  29. 29 : : 2014/04/24(木) 17:17:25
    勧誘式の終わりを見届けず、僕はある人物をつける。

    団長の話を聞いて、顔色が変わった人。

    あの場から少し進むと、その人は身を潜めるようにして立ち止まった。


    ー僕も、その場に立ち止まる。きっと僕の姿は見えないだろうけどね。


    「アニ、来たよ」

    アニ「名前は出さないで」

    ベルトルト「ごめん」

    アニ「あいつは?」

    ベルトルト「アルミンたちに捕まってる」

    アニ「…どうする?」

    ベルトルト「壁街調査を順調に済ますわけにはいかない」

    アニ「…で?」
  30. 30 : : 2014/04/24(木) 17:32:42
    ベルトルト「彼には僕から言うよ。壁外調査で正体を掴まれる前に…」

    アニ「やるしか…ないんだね…。」



    冷静にならなきゃ…!

    誰か…!誰かに言わないと。

    彼らが、何かを企てていて、それはきっと良くないこと。


    そして、僕は思い出した。

    僕が死んだ理由を。
  31. 31 : : 2014/04/24(木) 17:43:52
    『ねえ、アニ、さっき、壁の外に何人かで飛び出した人を見たんだ』

    『…そう』

    『僕は人を見るくせがあるから。多分、君と、ライナーと、ベルトルトだった』

    『その直後に現れた超大型…君たち、何か知ってるんじゃないのかな』

    『…ごめん』

    次の瞬間、右の脇腹に異物が入ってくるのが分かった。

    ゆっくり、ゆっくりと傾いて行く地面。巨人が近づいてくる。

    待って。

    君たちが何かをしようとしてるなら止めなきゃ…ああダメだ…。

    大きな口が近づいてくる。

    ーうわぁぁぁぁぁぁ!…
  32. 32 : : 2014/04/24(木) 17:58:59
    -…気づくとアニとベルトルトは居なくなっていた。

    今思い出した、生々しい最期。

    肝心なのは僕がどうやって死んだかではない。



    あの時のアニの表情……泣いていたよね。

    きっと、深い事情があって、やりたくないことをやらなきゃいけないんだ。



    そしてその内容は…きっとみんなにとって、人類にとってよくないこと。

    どうする?どうすればいい?

  33. 33 : : 2014/04/24(木) 18:17:30
    アルミン、ミカサ、コニー、サシャ、ユミル、クリスタ、こういうとき、探しても見つからない…。

    せめて騒ぎをおこして…

    ーブルルル…

    ん?

    振り返るとそこは、懐かしい馬小屋。

    ブッフヴァルト…。


    そこにいたのは、ジャンの愛馬、ブッフヴァルト。

    とてもおとなしく、ちょっと気まぐれなジャンによく付き合ってくれる子。

    -ねえ、ブッフヴァルト、僕はなんにもできないのに、なんでここにとどまっているのかな?

    そう語りかけたブッフヴァルトは、答えとも言えるような言えないような鳴き声を上げるだけだった。
  34. 34 : : 2014/04/24(木) 18:32:59
    新月の夜、一目につかないところでまたあの三人を見かける。

    ライナー「アニ、泣いていたのか?」

    アニ「3年…一緒にいた奴を…刺した…後ろには…巨人が来てて…」

    ライナー「落ち着け、もうあれから何日も経ってるんだ」

    アニ「落ち着いてなんかいられないよ…!!」

    ベルトルト「アニ…」


    アニ「父さんが私に仕込んだ唯一の親子の絆が…殺人術だなんてね…」

    アニ「なんでこんな事…………ごめん、おかしかった」

    冷静になったのかな?



    …アニ、僕は怒っていないよ。それが君に課せられた命題で、君はそれほどまでに罪の意識に苛まれてる。

    でも、君たちがしていることを止めることはできないのかな。

    …時間ばかりが迫ってくる。
  35. 35 : : 2014/04/24(木) 18:59:56
    ネス「さあ、今日は長距離索敵陣形の説明をするぞ」

    ネス「荷馬車、補給がここ。」


    ネス「索敵はこれで、新兵のお前らはこの索敵前列と中央の間だ」

    …話を聞く限り、索敵陣形にはかなり無駄が少ないように見える。

    みんな、ライナーやベルトルト、アニの企てに気づいてないんだよね…僕も何をするのかはわからない。

    …何ができるんだ、僕に、何が…!
  36. 36 : : 2014/04/24(木) 19:03:08
    >>24>>35は店員です。すみません、パソコンだとなぜかちょいちょいログアウトしてしまいます(>Д<)
  37. 37 : : 2014/04/24(木) 19:07:43
    K☆T☆I☆
  38. 38 : : 2014/04/24(木) 19:22:33
    ちょー期待です!!
    頑張って下さい!
  39. 39 : : 2014/04/24(木) 22:03:30
    期待なのですよ、これ決定事項!!!!!!!!!
  40. 40 : : 2014/04/25(金) 18:25:03
    読ませてもらってます
    期待です
  41. 41 : : 2014/04/25(金) 19:16:01
    マルコ!アニ辛いです...
    期待です!
  42. 42 : : 2014/04/26(土) 11:24:09
    アルミン「エレン!」

    エレン「アルミン、久しぶりだな!」

    ミカサ「エレン!大丈夫⁉︎精神的な苦痛とか受けてない?」

    ミカサ「あのチビ…いつか必ず私が叱るべき報いを…」

    エレン「お前…リヴァイ兵長のことを言ってるのか?」

    ーみんな!聞こえてくれ!

    エレン「じゃあ、憲兵団に行ったのはアニとマルコとジャンだけ…」

    ー……‼︎

    ジャン「マルコは死んだ…」

    エレン「ジャン……!」
  43. 43 : : 2014/04/26(土) 11:42:55
    ジャン「人間誰しも劇的に死ねるってわけじゃないらしい…」

    エレン「……!」

    ーエレン、そんな顔をしないで。

    僕は自分の生に悔いはない。あるとしたら、今迫るこの危機を知らせられない事だ。

    ジャン「お前、巨人になったときミカサを殺そうとらしいな?」

    エレン「……」

    ミカサ「違う、エレンはただハエを…」

    エレン「…本当らしい。俺は巨人になったとき、ミカサを殺そうとした…」

    ジャン「聞いたかみんな⁉︎」

    ージャン、エレンは…この世界で一番の重責を背負ったんだ。そんなに追い詰めないで…

    ジャン「知っておくべきだ。エレンもオレ達も、オレ達が何のために命を使うのかをな…じゃねぇといざという時に迷っちまうよ」

    ジャン「オレ達はエレンに見返りを求めている。きっちり値踏みさせてくれよ、自分の命に見合うのかどうかをな……」

    ジャン「だから・・・エレン、お前・・・本当に …頼むぞ?」

    ージャン…君は…‼︎

    大丈夫、僕が君を…殺させやしないよ。
  44. 44 : : 2014/04/26(土) 11:44:46
    これは期待しかありませんねー
    頑張ってください!
  45. 45 : : 2014/04/26(土) 11:48:25
    オルオ「おい新入り!行くぞ」

    エレン「はい!すみません!」

    エレン…君の重責が少しでも軽くなることを…祈ってる。



    アルミン「…なんだか不思議だね」

    ミカサ「アルミン?」

    アルミン「ジャンの最後の一言、ジャンの横に、マルコがいるみたいだ」

    ジャン「…へ、いるのかもな。あいつのことだ、俺たちが心配で…なんて言ってな」

    ー…みんな……!

    ジャン「さあ、俺たちもただじゃ殺されねぇ。足掻いて足掻いて…生き残ってやる…!」

    アルミン「…うん!」
  46. 46 : : 2014/04/26(土) 12:00:43
    期待です(⌒‐⌒)
  47. 47 : : 2014/04/26(土) 12:35:22
    僕の夜は…長い。

    ジャン「……明日か…」

    こうなってからは…寝ることがないから。

    ジャン、ちょっと出かけてくるね。

    窓を抜け…多分「彼ら」の集まるだろう場所へ。



    「見つからなかったか?」

    「ああ」

    君たちがどんな思いで…ねえ。考え直してくれないかい?


    ベルトルト「君は兵士か?」

    ライナー「大丈夫、戦士だ。アニには…?」

    ー…もどかしい。もし手が届くなら…思い切りビンタしてやるのにね。

    ベルトルト「アニは明日、出発して30分後にカラネスから南に4キロの壁上からスタートする」

    ライナー「よし、馬の平常進行でちょうど右翼に当たるな」

    ベルトルト「うん。そこからエレン探しが必要だから…」

    ライナー「エレンには悪いが…ベルトルト、顔色が悪いぞ」

    ベルトルト「彼らは悪魔の末裔…故郷の為に…やるしかないんた…」

    ライナー「気負うな。いざとなったら俺も鎧の巨人になる」

    ー……!
  48. 48 : : 2014/04/26(土) 12:50:46
    ベルトルト「それはダメだよ!君の巨人体は決して足は早くない!調査兵団は巨人殺しのプロ達だ、囲まれたら危険だよ!」

    そこから先の彼らの話は、もう、どうでもよかった。

    彼らの狙いはエレンで、右翼から、巨人になって襲ってくる。

    なんとか、なんとか出来ないのか…。

    もしかしたら、ただただその思いで、僕は進む。


    ーここは兵団本部。彼らに言えば…!



    エルヴィン「どうした?ハンジ」

    ハンジ「明日の本当の作戦、その真意を確認にね」

    ーいた。エルヴィン団長。
  49. 49 : : 2014/04/26(土) 13:01:49
    エルヴィン「明日はおそらくエレンを連れ去りに、巨人が現れる、それを捕らえる」

    ハンジ「それはわかってる。その先だよ。エレンの存在は人間が巨人になる、つまり巨人の本質は人間であることを証明してる」

    エルヴィン「ああ」

    ハンジ「その先に、この壁の外にいる人類を考えているのかい?」

    ー……。流石は本部の幹部。僕が驚いたことを、もう推測していたのか…。

    エルヴィン「そうだろうな…本当の敵はそこにあり。今回はその未知なる敵とのファーストコンタクトだ…犠牲は避けられないだろうな…」

    ー団長…。


    ならば僕は。最後まで足掻こう。みんなの命を守るため。
  50. 50 : : 2014/04/26(土) 13:18:54
    ー前門前整列よし!

    ー援護部隊!周囲の巨人の掃討中!目視であと3体程度!

    ー開門2分前!

    エルヴィン「……」

    ー付近の巨人は掃討しました!

    ー開門可の信煙弾を確認!

    ジャン「……へへ、怖えぇなぁ…」

    大丈夫。大丈夫だよ。

    ー開門!

    エルヴィン「前進せよ!」

    ーおぉぉおぉぉぉぉぉおぉおぉぉお!

    ついに、このときが来てしまった。

    走り出す馬たち。

    雄々しい猛りとともに進撃する兵士たち。

    その先に待つ、巨人達の恐怖とそれに隠れる悪意。

    僕には何もできないけれど、何かはできるはず…。僕も行こう、ねぇ、ジャン。
  51. 51 : : 2014/04/26(土) 13:39:22
    ジャン「よし、いい子だブッフヴァルト…」

    ーばしゅぅぅぅぅ!

    ジャン「また右翼で…奇行種!…くそ!」

    ー口頭伝達!右翼は壊滅だ!足の速い巨人が群れになって襲って来やがった!左へ回してくれ‼︎

    ジャン「了解!…くっそ…マジかよ…!」

    ああ、ついに来てしまったんだね…。

    ジャン「くそ…誰もいねぇのかよ…いねえよな、ここは壁外だ…」

    ブッフヴァルト、ちょっと興奮してる?

    大丈夫、落ち着いて。巨人は君は襲わない、大丈夫。

    ブッフヴァルト「……」

    よし、いい子だ。そのまま行って!
  52. 52 : : 2014/04/26(土) 14:29:16
    ジャン「おおい!」

    ジャンが見つめる先にいるのは…アルミン?それと…ライナー……‼︎

    思い切り殴ってやりたいこの衝動、僕にはどうにもできないのか…?

    「右翼索敵が一部壊滅したらしい‼︎ 巨人がわんさかと来たんだ‼︎ なんでか知らねぇけど!」

    ジャン「足の速ぇヤツが何体もいる‼︎今は何とか食い止めているがもう索敵が機能していない!既に大損害だが下手すりゃ全滅だ‼︎」

    一瞬の間の後、ジャンと僕は気づいた。

    ジャン「何であんなところに巨人がいるんだよ…奇行種か?」

    アルミン「奇行種じゃない、人間だよ」


    ーそうだよアルミン、流石の一言だよ。

    目の前を走るアニの前に回り込む。

    …どしん、どしん、どしん。

    人間が全力で走るような構えで風を切り進む巨人。

    アニ、やめて、お願いだよ!

    無駄だと分かっても、前で手を広げてみる。

    …突き抜けてまたアニは進む。
  53. 53 : : 2014/04/26(土) 14:35:05
    ジャン「…つまりだな、この距離ならまだヤツの気を引けるかもしれねぇ。オレ達で撤退までの時間を稼いだりできる…かもしれねぇ…何つってな…」

    アルミン「あの巨人からしたら僕らは…本当にゴミみたいに潰されちゃうよ⁉︎」

    ジャン「マジかよ…ハハッ、そりゃあおっかねぇな…」

    ジャン、やめてくれ!

    「…オレはただ、誰の物とも知れねぇ骨の燃えカスに…がっかりされたくないだけだ…」

    ジャン…!本当に君は…でも、逃げて欲しいんだよ…!

    「オレは…!オレには今何をすべきかがわかるんだよ!そしてこれがオレ達の選んだ仕事だ‼︎力を貸せ‼︎」
  54. 54 : : 2014/04/26(土) 14:52:53
    僕の制止なんて届くはずもなく、三人は進む。

    アルミンが倒される。目型が振り返る。

    ああ!ジャン…ダメだ!

    アルミン「みたんだ!そいつの足の裏に!」

    アルミン?

    アルミン「仇を討ってくれ!」

    ジャン「……!」ばしゅっ!

    よし!立て直した!

    ああ!ブッフヴァルト!待って!

    ージャン‼︎君とアルミンならここは大丈夫だよね。

    ブッフヴァルト!待って。
  55. 55 : : 2014/04/26(土) 15:04:56
    止まらないブッフヴァルト。

    ブッフヴァルト、落ち着いて!

    …君には僕が見えるんだろう?

    ブッフヴァルト「……」がばっ!

    そう、そうだよ。

    なぜだろう。今までさわれなかったものに、触れることができる。

    『よし、よし、そうだよ、一回止まろう?そう、そう』

    次第に落ち着き、ブッフヴァルトは歩を止める。

    『ブッフヴァルト、ごらん?あの煙。あっちには人がいる。行こう。』

    ブッフヴァルトの背中に乗せてもらい、僕らは進む。

    なんでだろうね、あそこに人がいると確信してるんだ。


    「あなたは…ジャンの子?」

    ほらね。

    クリスタ「どうしたの、そんなに怯えて…よしよし…ちょっと待ってね」

    『クリスタ、お願いだ、聞こえて!』



    クリスタ「……?」

    『あっちだよ、振り返って!』

    クリスタ「……?」

    クリスタ「指…笛?」

    ブッフヴァルト「ブルルル」

    クリスタが、そちらに目を向ける。

    そして、僕は、自分の役目を悟った。
  56. 56 : : 2014/04/26(土) 15:10:43
    ねえ、ジャン。僕には何にもできないけれど。

    少し早くに立てたのかな?

    もう僕は、ここにとどまれないみたいだ。

    だんだん薄れる僕の手足。ジャンのところまで、持つかな?

    指笛が聞こえた。

    ジャンの下手くそな、あの音色。


    …よかった、無事だったよ。

    ああ、だんだん薄れてきたみたいだ。

    最期に君の顔が、みたかったんだけど…。


    いいんだ、僕が、一回でも、君の為になれたのなら…。

    クリスタ「みんなぁぁぁぁ!」

    僕の時は、ここまでだ。みんな、さようなら…。ジャン…生きてくれ…。

    ジャン「クリスタ!…俺の馬じゃねぇか!」
  57. 57 : : 2014/04/26(土) 15:23:46
    あれからどれぐらい経ったんだろうな?

    ーへへ、腕も、足も、食われちまった…。でもよ、エレンはやったんだぜ。

    なぁマルコ、俺はあいつに、ひでえことを言ったよな…。

    『頼むぞ』

    あいつは…本当にやってくれたよ…

    くそ、あと少し、あと少しなのに…

    なぁマルコ…。もう、どんな顔だったかもはっきり思い出せない親友。

    俺は、お前の骨にがっかりさせない人生を歩んだのかな?

    願わくば、お前と同じところに、行きたいものだよ。

    ああ、最期か…意外に、悪くないもんだな…







    ージャン…お疲れ様。迎えに来たよ。
  58. 58 : : 2014/04/26(土) 15:30:22
    以上で、このお話は終了です。皆様、たくさんの期待と支援、ありがとうございました!
  59. 59 : : 2014/04/26(土) 15:54:20
    お疲れさまでした。



    店員さんのSSには珍しいシリアスものでしたが、マルコのジャンを気遣う姿に胸を打たれました。


    原作で、少し違和感のあった、クリスタが馬を率いてくる場面でしたが、あそこでマルコが活躍していた、と考えると思慮深いものがあります。




    ・・・最後はジャンもやられてしまう展開でしたが、一番の親友が迎えに来てくれるのは、唯一の救いかもしれませんね。



    ありがとうございました。
  60. 60 : : 2014/04/26(土) 15:58:17
    お疲れ様でした!
    アニの描写もマルコが亡くなった後も
    ジャンや仲間の事を思ってる所が(泣)
    店員さんのSSは
    面白いSSも沢山ですが!こういうSSも最高ですね!!!

    最後のジャンの所にマルコが
    【迎えに来たよ】で親友なんだなって
    改めて思えました!!
    素敵な作品をありがとうございます!!
  61. 61 : : 2014/04/26(土) 15:59:07
    シュウさん、読んでいただいてありがとうございました!
    ある方と会話してる時、ぴーんと骨子が思い浮かんですぐ投稿してみた作品でしたが、自分にはどうにもシリアスはしんどいですね。でも、マルコの無念が少しでもこれで晴れれば、それでいいと思ってます。マルコがいいやつすぎて書いてて泣いてしまったのは秘密でw
  62. 62 : : 2014/04/26(土) 16:01:42
    エレアニさん。・゜・(ノД`)・゜・。
    ありがとうございます!シリアスの巨匠と仰ぐエレアニさんにそう言っていただけるとそれだけで泣きそうです!
    この世界のジャンは残念な結果になってしまいましたが、ジャンにはきっとバッドエンドではなかったと思います。
    マルコが迎えに…本編ではこうはならないで欲しいですけどね…。
  63. 63 : : 2014/04/26(土) 18:36:50
    すごい感動しました。゚(゚´Д`゚)゚。
    マルコのジャンを思う気持ちや、アニの切ない気持ちなど、すごくグッときました!

    最後のマルコがジャンを迎に来たシーンは最高でした!

    執筆お疲れ様でした!
  64. 64 : : 2014/04/26(土) 19:38:07
    ジャンどうなったんですか?
  65. 65 : : 2014/05/06(火) 21:21:14
    お疲れ様でしたー!!やっと読めました。笑
    あの話からここまで膨らませて書いてくださったことに本当に脱帽です。
    店員さんらしいテンポのよさを残しつつ、最後をじんわり閉めてくださったのがもう素晴らしかったです。
    ジャン!マルコみたいな親友を持ってあんたは本当に幸せものだよ!笑
  66. 66 : : 2015/09/23(水) 19:56:44
    お疲れ様です!
    面白かったです
    頑張ってくださいね
    期待していますb
  67. 67 : : 2020/10/06(火) 10:09:31
    高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
    http://www.ssnote.net/archives/80410

    恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
    http://www.ssnote.net/archives/86931

    害悪ユーザーカグラ
    http://www.ssnote.net/archives/78041

    害悪ユーザースルメ わたあめ
    http://www.ssnote.net/archives/78042

    害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル)
    http://www.ssnote.net/archives/80906

    害悪ユーザー提督、にゃる、墓場
    http://www.ssnote.net/archives/81672

    害悪ユーザー墓場、提督の別アカ
    http://www.ssnote.net/archives/81774

    害悪ユーザー筋力
    http://www.ssnote.net/archives/84057

    害悪ユーザースルメ、カグラ、提督謝罪
    http://www.ssnote.net/archives/85091

    害悪ユーザー空山
    http://www.ssnote.net/archives/81038

    【キャロル様教団】
    http://www.ssnote.net/archives/86972

    何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
    コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
    http://www.ssnote.net/archives/86986

    http://www.ssnote.net/categories/%E9%80%B2%E6%92%83%E3%81%AE%E5%B7%A8%E4%BA%BA/populars?p=18
  68. 68 : : 2020/10/26(月) 14:14:48
    http://www.ssnote.net/users/homo
    ↑害悪登録ユーザー・提督のアカウント⚠️

    http://www.ssnote.net/groups/2536/archives/8
    ↑⚠️神威団・恋中騒動⚠️
    ⚠️提督とみかぱん謝罪⚠️

    ⚠️害悪登録ユーザー提督・にゃる・墓場⚠️
    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️
    10 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:30:50 このユーザーのレスのみ表示する
    みかぱん氏に代わり私が謝罪させていただきます
    今回は誠にすみませんでした。


    13 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:59:46 このユーザーのレスのみ表示する
    >>12
    みかぱん氏がしくんだことに対しての謝罪でしたので
    現在みかぱん氏は謹慎中であり、代わりに謝罪をさせていただきました

    私自身の謝罪を忘れていました。すいません

    改めまして、今回は多大なるご迷惑をおかけし、誠にすみませんでした。
    今回の事に対し、カムイ団を解散したのも貴方への謝罪を含めてです
    あなたの心に深い傷を負わせてしまった事、本当にすみませんでした
    SS活動、頑張ってください。応援できるという立場ではございませんが、貴方のSSを陰ながら応援しています
    本当に今回はすみませんでした。




    ⚠️提督のサブ垢・墓場⚠️

    http://www.ssnote.net/users/taiyouakiyosi

    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️

    56 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:53:40 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ごめんなさい。


    58 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:54:10 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ずっとここ見てました。
    怖くて怖くてたまらないんです。


    61 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:55:00 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    今までにしたことは謝りますし、近々このサイトからも消える予定なんです。
    お願いです、やめてください。


    65 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:56:26 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    元はといえば私の責任なんです。
    お願いです、許してください


    67 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    アカウントは消します。サブ垢もです。
    もう金輪際このサイトには関わりませんし、貴方に対しても何もいたしません。
    どうかお許しください…


    68 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:42 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    これは嘘じゃないです。
    本当にお願いします…



    79 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:01:54 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ホントにやめてください…お願いします…


    85 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:04:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    それに関しては本当に申し訳ありません。
    若気の至りで、謎の万能感がそのころにはあったんです。
    お願いですから今回だけはお慈悲をください


    89 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:05:34 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    もう二度としませんから…
    お願いです、許してください…

    5 : 墓場 : 2018/12/02(日) 10:28:43 このユーザーのレスのみ表示する
    ストレス発散とは言え、他ユーザーを巻き込みストレス発散に利用したこと、それに加えて荒らしをしてしまったこと、皆様にご迷惑をおかけししたことを謝罪します。
    本当に申し訳ございませんでした。
    元はと言えば、私が方々に火種を撒き散らしたのが原因であり、自制の効かない状態であったのは否定できません。
    私としましては、今後このようなことがないようにアカウントを消し、そのままこのnoteを去ろうと思います。
    今までご迷惑をおかけした皆様、改めまして誠に申し訳ございませんでした。

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