PIXY≪相棒 まだ生きてるか?≫
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- 1 : 2014/04/05(土) 21:06:22 :
- 「あいつか」
「あぁ 知っている」
「話せば長い 古い話だ」
ーーー1995.4.2ーーー
≪降ってきたな≫
ー1995年3月25日、オーシア大陸中央部に位置するベルカ公国は隣国ウスティオ共和国での天然資源発見を機に周辺国へ侵攻を開始。
ベルカ戦争の開戦である。
この戦争は'88年に行われたベルカ連邦法見直しに端を発する。
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- 2 : 2014/04/05(土) 21:07:20 :
- Ustio Base Command≪ガルム隊へ 敵爆撃機を全機撃墜せよ 基地には到達させるなよ≫
UBC≪ガルム2 お前はガルム1の指示に従え≫
UBC≪作戦中の勝手な行動は禁じる≫
PIXY≪了解 指示は頼んだぜ サイファー あんたがガルム1だ≫
PIXY≪サイファー 噂は聞いている
獲物は逃がさない性分らしいな≫
FRIEND≪さっさと片付けてホット・ウィスキーといこうか≫
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- 3 : 2014/04/05(土) 21:07:43 :
- 「 そう、あの雪の日が始まりだった」
「最初の印象は…そうだな、筋はよかったな」
「ヤツが頭角を現し始めたのは…、1995年5月28日の『ベルカ絶対防衛戦略空域 エリアB7R』制圧戦だった」
「その頃からだ、あいつが『円卓の鬼神』とか呼ばれ始めたのは」
「場数を踏む度にあいつの強さが目についた」
「気がつけば」
「色んなやつがあいつを見てた」
「出撃の度に見送りが増えてたなぁ」
「他の傭兵も 整備兵までもだ」
「皆あいつの姿を目に焼き付けようとしていた」
「俺もー、もう少し見ていたかった」
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- 4 : 2014/04/05(土) 21:08:33 :
- ー1995年6月6日、当時学生だった私の脳裏にもあの日のニュース映像は焼き付いている
ベルカの地で 彼らの手で7つの核が起爆した
彼らは語りたかったのだろうか
『これより先はベルカの聖地だと』
全てを巻き込んだ壮絶な自決行為
残された無惨な光景
ベルカの人たちはそれをどう見たのだろう
そして、その空に居た『彼』は何を思っただろうか
「その日は気分が晴れなかった」
「晴れるわけがなかったんだ…」
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- 5 : 2014/04/05(土) 21:09:05 :
- ーーー1995.6.6ーーー
AWACS≪ガルム2 どうした?遅れているぞ≫
PIXY≪大丈夫だ すぐ追いつく ≫
仲間と話す会話の一言一言が重かったよ
PJ≪こちらクロウ隊のPJ ガルム2 機器に不調でも?≫
PIXY≪いや…ただ悲しいだけだ≫
自分でも何を言ってるのか…
笑いが出たよ
俺は一体どうしたいのかって
AWACS≪連合軍作戦本部より入電≫
AWACS≪核を搭載したベルカ爆撃機部隊がウスティオに向けて飛び立った≫
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- 6 : 2014/04/05(土) 21:09:29 :
- PJ≪なんだって⁈≫
AWACS≪敵爆撃機は本空域へ接近中 ガルム クロウ隊は迎撃に向かえ≫
PIXY≪いっそ全部吹き飛ばしてくれたら戦争なんて終わるのにな≫
あいつ…、あまり喋るほうじゃないんだが、その日は珍しく俺に声をかけていたな
ー相棒、元気がないな
ーどうした?具合でも悪いのか?
ー引き返さなくてもいいか?
って心配した声でな
もう引き返せないんだよ…
今日に限ってこいつは…って思ったよ
AWACS≪敵機エンゲージに備えよ 後5マイル≫
AWACS≪後4マイル≫
PJ≪見えたぞ 核搭載機を視認!≫
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- 7 : 2014/04/05(土) 21:09:51 :
- AWACS≪イーグルアイからガルム1 爆撃機だけは全部やれ 一機も逃すな!≫
AWACS≪本空域の全隊へ 核攻撃を阻止する ベルカ爆撃機部隊を全て撃墜せよ≫
Belkan Squadron≪我々は任務を遂行するだけだ≫
Belkan Squadron≪焦るな 確実に行け≫
Belkan Squadron≪ターゲットを固定する≫
Belkan Squadron≪予定のポイントまで落とされるな≫
AWACS≪一機でも撃ちもらせば我々の負けだ≫
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- 8 : 2014/04/05(土) 21:10:17 :
- PJ≪絶対にやらせない≫
PJ≪AWACSへ こちらクロウ3 敵の数が多い 搭載機の識別を頼む≫
AWACS≪クロウ3へ 時間が無いここで全機落とすしかない≫
Belkan Squadron≪警告する 直ちに進路を変更し基地へ引き返せ さもなくば撃墜も辞さない≫
PJ≪敵が仲間割れを起こしている⁈≫
Belkan Squadron≪最早友軍ではない 躊躇するな 撃墜しろ!≫
AWACS≪気を取られるな 爆撃機への攻撃に集中しろ≫
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- 9 : 2014/04/05(土) 21:10:41 :
- Belkan Squadron≪キサマらのやり方では国を滅ぼすだけだ!≫
Belkan Squadron≪生まれ故郷を消し飛ばす気か もはや正気ではない≫
Belkan Squadron≪作戦通りに行動すればいい≫
AWACS≪全機へ どうも様子がおかしい 爆撃機も離脱していく≫
PJ≪全機撃墜を確認 やったぞ!≫
PJ≪ん?何だ?≫
それが合図だった
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