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サシャ「あなたの暖かさ」
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- 1 : 2014/04/04(金) 17:12:57 :
- まだバスケの方もあるのに立てちまった…
エレサシャです
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- 2 : 2014/04/04(金) 17:15:57 :
- サシャ「〜♪」
ーー月の綺麗なある晩。サシャはいつものように、食糧庫へと向かっていた。
サシャ「お肉、お肉…えへへ」ジュル
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- 6 : 2014/04/04(金) 17:24:19 :
- だらしなくよだれを垂らしながら、月明かりの下を歩く、周りの人の気配に気を配りながら。
サシャ「〜♪」
…すると、少し離れたところに、人影が一つ、月明かりに照らされていた…
サシャ「誰でしょう…」
教官にしては背が低く、髪も多い。何より、体を動かし、トレーニングしているのだから、教官ではないだろう。
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- 13 : 2014/04/04(金) 17:33:35 :
- …何よりその人影は、美しかった。
月明かりに照らされた黒髪は艶やかに輝き、彼の洗練された動きがその美しさを際立たせていた…
サシャ「…」ボー
サシャは当初の目的…食糧庫への侵入も忘れ、ただただその姿に見入っていた。
…遠くから近づく教官にも気づかずに。
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- 14 : 2014/04/04(金) 17:40:32 :
- そのときだった。人影…エレンはサシャに向かって走ってきたのだ。
エレン「おいサシャ!こんなところで何を…って聞くまでもねえか…」
サシャ「エ、エレン…?」
エレン「とにかくどっか隠れるぞ!教官が来てる!」
エレンはそう小声で言うと、サシャの手を引いて走り出した。
サシャ「ふぇぇ!?」
エレン「バカ、大声出すな!」
キース「誰だ!」
エレン「!やっべ…くそっ、ここでいいや!」
エレンはとっさに、食糧庫の横の小さな倉庫へ飛び込んだ。
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- 15 : 2014/04/04(金) 17:58:52 :
- ドサッ!
サシャ「キャッ!」
エレンが倉庫の床に倒れ、その上にサシャが飛び乗るように倒れこむ。
エレン「げほっ!」
サシャ「エ、エレン!大丈夫ですモゴッ!」
エレン「お、俺は大丈夫、とりあえず静かにしてろ…」
エレンはサシャの口を手で塞ぐと、小声で言った。
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- 16 : 2014/04/04(金) 18:38:17 :
- 音を立てないように、もし教官が入ってきても見つからないように、2人は壁際で固まっていた。
だが、狭い倉庫の中。自然と体が触れ合う。サシャはエレンの体に触れながら、ぼんやりと考えていた。
サシャ「(細く見えるのに、本当はこんなに筋肉ついてるんですね…)」
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- 19 : 2014/04/04(金) 21:35:28 :
- サシャは驚いていた。自分とあまり体格に差がないエレン。その彼には、自分の予想を遥かに越えた筋肉がついていた。そして何より…
サシャ「(こんなに、逞しいんですね)」
男女の違いを実感した。…その瞬間サシャは無意識の内にエレンを同期ではなく、「男」として見始めていた。
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- 20 : 2014/04/04(金) 21:51:46 :
- その時、エレンがサシャの耳元で囁いた。
エレン「教官がこっち来てる、そこの藁の後ろに隠れるぞ」
サシャ「は、はい…」
エレンに手を引かれ,藁の後ろへと隠れる。それから数秒後、キース教官が倉庫の中を覗き込んだ。
キース「…ふむ、ここも誰もおらんか…いや、確認してみるか」
そういうとキースは倉庫の中へ入ってきた。
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- 37 : 2014/04/05(土) 00:17:42 :
- キース「…」チラッ
エレン「(やべえ…バレたか?)」
キース「…ふむ、猫が2匹入り込んでるが…まあ処置は明日の朝でいいだろう」ニヤリ
そういうとキースは倉庫から出て行った。
エレン「(バレてるよ…だが、見逃してくれたのか?)」
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- 42 : 2014/04/05(土) 00:24:12 :
- エレン「ふぅ、どうにか乗り切ったか…サシャ?」
サシャ「…」ボー
エレン「…おい、どうした?」
サシャは顔を赤くして固まっていた。それもそうだろう。つい先ほど、異性と意識し始めた相手との密着した時間。年頃の少女には強すぎる刺激だった。
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- 46 : 2014/04/05(土) 00:39:42 :
- エレン「(どうしちまったんだ…?)おい、サシャ」ツンツン
エレンはサシャを突つくが、サシャは全く動かない。
エレン「…ったく、しゃーないな…」ヒョイ
エレンは軽々とサシャを抱き上げ、お姫様抱っこした。そして、そのまま倉庫を出た。
…
女子寮前
サシャ「…はっ!」
エレン「お、気づいたか」
エレンがサシャを降ろそうと立ち止まった時、サシャはようやく我に返った。
サシャ「エ、エエエエレン!!??何で私をお姫様抱っこしてるんですか!?」
エレン「何でって…お前が動かなくなったからだろ」
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- 49 : 2014/04/05(土) 01:17:48 :
- サシャ「う…」カァァ
…密着していたときのエレンの身体の感覚を思い出し、サシャの顔は瞬時に紅く染まる。
エレン「ま、とにかく今度からは気をつけろよ?食糧庫行くときは。じゃあな」
サシャ「は、はい…あの!」
エレン「ん、どうかしたか?」
サシャ「あ…いえ、なんでもないです…お休みなさい…」
エレン「おう、お休み。明日な!」
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- 56 : 2014/04/05(土) 12:21:08 :
- サシャ「(ダメだ…眠れません…)」
サシャは眠れぬ夜を過ごした…
…
翌朝。
クリスタ「ふあ〜、みんなおはよう!」ニコッ
ユミル「おはようクリスタ、今日も可愛いな。結婚してくれ」
クリスタ「ユミル、結婚はしないっていつも言ってるでしょ?」プクー
ユミル「(頬膨らませたクリスタマジ天使)」
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- 58 : 2014/04/05(土) 12:45:19 :
- クリスタ「ユミルったら…あれ、サシャまだ寝てる…珍しいね」
ユミル「いつもは飯に一番乗りつって早起きだしな。ま、ほっとけほっとけ」
クリスタ「起こしてあげないと可哀想だよ…サシャ、朝だよ」ユサユサ
クリスタはサシャを揺さぶって起こそうとする。すると…
サシャ「うーん…エレン…」
クリスタ・ユミル「!?」
ユミル「…待て、なんで今こいつは死に急ぎ野郎の名前を呼んだ?」
クリスタ「うーん…後でエレンに聞いてみよっか。…サシャ、起きなよ、朝だよ」
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- 62 : 2014/04/05(土) 14:43:26 :
- サシャ「ん…もう朝ですか…?」
クリスタ「そだよ。もう朝ごはん始まるよ?」
サシャ「…先、行っててください…」
クリスタ・ユミル「!?」
ユミル「…おい、芋女が飯に乗り気じゃないってどう言うことだ!?」
クリスタ「わ、私も分かんないよ…」
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- 63 : 2014/04/05(土) 14:55:53 :
- サシャ「はあ…(エレン…)」
サシャは完全に、恋する乙女だった。
元よりエレンと特別仲がいいわけではなく、意識していたわけでもない。訓練で一緒になったら話す…せいぜいその程度の関係だった。だが、エレンへの感情は、昨晩で大きく変わった。そしてその感情は、少女の心を動揺させていた。
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- 64 : 2014/04/05(土) 15:00:41 :
- サシャ「(この感情って…何なんですか…?)」
少女は悩む。自分の胸に新しく生まれた感情に。その感情の名前を探し、彼女は頭を抱えるのだった。
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- 67 : 2014/04/05(土) 16:59:50 :
- 〜食堂〜
アルミン「で、そのときコニーがね…」
エレン「はははは!マジかよ!」
アルミン「あはは、信じられないよね。あ、ミカサおはよ」
ミカサ「エレン、アルミン、おはよう」
エレン「おう、おはようミカサ」
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- 68 : 2014/04/05(土) 17:14:52 :
- ミカサ「おはよう。朝食を取りに行こう」
エレン「おう」
アルミン「うん」
…
サシャ「…」ボー
クリスタ「…ねえ、サシャどうしちゃったのかな…」ヒソヒソ
ユミル「分かんねえが…多分死に急ぎ野郎が関わってるだろうな」ヒソヒソ
クリスタ「そうだよね…私、聞いてくるね」タタタ
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- 69 : 2014/04/05(土) 17:25:39 :
- クリスタ「エレン、ちょっといいかな?」
エレン「クリスタ?どうかしたのか?」
クリスタ「うん…あのね、サシャが朝から元気ないの。何か知らないかな?」
エレン「んー…てかなんで俺に聞くんだ?」
クリスタ「え!?いや、その…(うう、言いづらいなぁ…)」
エレン「…ま、あいつが元気ないのは珍しいな。ちょっと声かけてくる」
ミカサ「!エレン、私が行く!」
エレン「何でだよ…クリスタが俺に聞きに来たってことは俺に関係してるってことだろ?なら俺が行くよ。アルミン、ミカサ頼む」
アルミン「え!あ、ああ。分かった」
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- 72 : 2014/04/05(土) 22:52:50 :
- サシャ「…」ボー
クリスタ「朝からずっとあんな感じで…ご飯もいつもより全然食べてないの」
エレン「確かに変だな…よし、ちょっと行ってくる」スタスタ
…
サシャ「…」ボー
サシャは悩んでいた。大好きな食事すらも喉を通らないほどに。
サシャ(エレン…)
目を開けていても閉じていても、浮かぶのはエレンの顔。意識しないようにしていても思い出す身体の感覚。サシャは自分でも驚くほどに、エレンに染められていた。
サシャ(どうしちゃったんです、私?)
…本当は分かっている、この感情の名前だって。でも、認めたくなかった。
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- 77 : 2014/04/06(日) 23:55:35 :
- …恋。意識したことなんてなかった。ハンナとフランツを見てぼんやり知っている程度。いや、知ってはいても理解はしていなかった。つまりは縁遠いもの。きっとそんなもの知らずに死んで行くんじゃないかとと思っていたくらいに。
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- 79 : 2014/04/07(月) 14:14:58 :
- エレンが好きだ。
…自覚してしまえば、あとは加速するだけのこの想い。どうやって向き合っていこう…
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- 82 : 2014/04/07(月) 23:15:45 :
- 悩んでいた、時だった。
エレン「おい、サシャ」
…想い人の声が聞こえたのは。
…
エレン「なんかボーッとしてるけど、何かあったか?あ、昨日のあれでなんかやったか?」
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- 89 : 2014/04/09(水) 22:14:02 :
- サシャ「…べ、別に、どうもしてませんよ…」
エレン「嘘つけ。どうもしてないやつがそんな暗い顔するかよ?」
サシャ「…でも、エレンには関係ありません」
…つい、心にもないことを言ってしまった。別にエレンのせいだと言うつもりはないけれど。
エレン「うーん…まあ、とりあえずさ」
エレンは少し困ったような顔をすると、言った。
エレン「俺は、いつもみたいに元気よくもの食ってるお前の方が好きだぜ?」
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- 90 : 2014/04/09(水) 23:07:40 :
- …サシャの、表情が固まった。かと思うと、いきなり段々と頬が紅く染まり、持っていたスプーンを床に落とした。
…理由は明白だろう。
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- 91 : 2014/04/10(木) 05:57:45 :
- サシャ「い、今なんて言いました…?」カァァ
エレン「ん?いつものお前の方が好きだぜ、って」
サシャ「〜〜ッ!」カァァ
…仕方ないだろう。想い人に好きだ、と言われれば恋する乙女はこんな反応を示す。
エレン「…顔赤いぞ、大丈夫か?」ピトッ
…更に追い打ちをかけるのがこの鈍感男である。エレンはサシャの額に自分の額を当て、熱を計ろうとしたのだ。
サシャ「あうう…」プシュー
エレン「熱はないみたいだな…って、本当にお前大丈夫か?」
もうこいつ鈍感すぎるだろ。
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- 92 : 2014/04/10(木) 06:07:18 :
- クリスタ「エ、エレン!この先は私たちでどうにかしとくから!ありがとう!サシャ、行くよ!」
サシャ「あ…」シュン
…クリスタに引っ張られるサシャが、一瞬残念そうな顔をしたのは気のせいではないのだろう。
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- 95 : 2014/04/12(土) 07:07:33 :
- クリスタ「(あの反応…間違いない、よね)」
ミカサ「(…あとでサシャに何があったか聞かなくては)」
エレン「大丈夫かな、サシャは…訓練中に怪我でもしなけりゃいいんだがな…」
…
サシャはクリスタに連れられ、食堂の外にいた。
サシャ「あ、あのクリスタ…?」
クリスタ「…サシャ、ひょっとしてだけど、エレンのこと好きなの?」
サシャ「!」カァァ
クリスタ「やっぱりかあ…昨日、何かあったの?」
サシャはクリスタに昨晩の一部始終を話した。
クリスタ「へえ、そんなことが…そんなことされたら、好きになっちゃうよね…」
サシャ「…」
クリスタ「…サシャ頑張ってね!私、応援するよ!」
サシャ「え…?」
クリスタ「だって友達の女の子が恋してるんだよ?いつ何が起きるかわからない今なら、短い時間だって幸せであって欲しいんだもの」
サシャ「クリスタ…」
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- 97 : 2014/04/12(土) 18:41:52 :
- ユミル「…天使と芋女がふたりして何してんだ?」
サシャ・クリスタ「ユミル!」
ユミル「…なんてな。本当は一部始終聞かせてもらったぜ」
クリスタ「ユ、ユミル!あのね、何でもするからこのこと誰にも話さないで!」
ユミル「…天使の何でもする、って条件も後ろ髪が引かれる、いや千切れそうな勢いで引かれる思いなんだが…ま、心配しなくても何も言わないよ」
サシャ「!」
サシャは驚いていた。ユミルのことだ、きっと自分をからかったり、もしかすると皆にバラしたりするのではないか、と思っていたのだから。
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- 103 : 2014/04/15(火) 20:32:52 :
- ユミル「…なんだよ、その顔は?私の顔になんかついてるか?」
サシャ「え、いや…」
ユミル「らしくないってんだろ?そんなことは百も承知だ。でもな、私もお前も、ここの訓練に耐えてきた。死ぬかもしれないし、事実何人も同期は死んでる中で、私たちは生きてきた。そうだろ?」
サシャ「は、はい…」
クリスタ「(ユミル…?)」
ユミル「だから、まあ…柄でもないけどよ、[いいこと]してみてもいいだろ?」
そう言ったユミルの顔は、いつものような仏頂面ではなく、どこか照れ臭そうな顔をしていた。
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- 104 : 2014/04/15(火) 20:40:24 :
- ユミル「あー…チッ、やっぱこんなこと言うのは慣れてねえな…ま、芋女。こんなことを私が言うのも気持ち悪いが…命短し、恋せよ乙女、だ。あの野郎はすぐに死に急ぐからな、さっさと告っちまえ」
サシャ「…ユ、ミル…」ポロポロ
気がつけば、サシャの眼からは涙がこぼれ落ちていた。
ユミルから、そんな言葉をかけられるなんて思いもしなかったから。そして何より、ユミルのことを本当に信用できるようになったから。
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- 107 : 2014/04/19(土) 18:47:54 :
- ユミル「ったく…泣くんじゃねえよ。私はそんないいこと言ってないぞ」
サシャ「だ、だって、ユミルがそんなこと言ってくれるなんて思わなかったんですよう…」ポロポロ
ユミル「…ちょっと今腹立ったんだが、それは置いておこう」
クリスタ「…ユミルも、やっぱりサシャのこと応援してくれるんだね。さすがは私の親友だよ!」ダキ
クリスタは嬉しそうに、満面の笑みを浮かべながらユミルに抱きついた。
ユミル「天使のハグだと!?…ヤバいな、これは死ねる…」ダラー
ユミルの鼻から、色鮮やかな血が流れ出る。
クリスタ「ユミル!大丈夫!?」アセアセウルウル
ユミル「ぐふっ…我が生涯に…一片の悔いなし…」ガクリ
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- 113 : 2014/04/21(月) 06:51:01 :
- ユミルという尊い犠牲を払い、サシャは決意を固めた。
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- 114 : 2014/04/22(火) 06:47:39 :
- ヒュン…ヒュン…
木々の横を通り過ぎ、先へと進む。
今は立体機動の訓練中。集中しないと、死に繫がる。
無論、サシャも集中していた。…だが、やはりいつもとは違う心境、状態。この難しい訓練では、ちょっとした環境の変化が著しく現れる。
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- 115 : 2014/04/22(火) 06:56:18 :
- サシャと班になったのは、クリスタとユミル。それほど速いペースで進んでいたわけではなかった。
サシャ「ふっ!」
ヒュッ!
サシャはアンカーを射出した。
…だが、そのアンカーは、目標としていた木にはかからなかった。
サシャ「え…?」
それが意味することは一つ。…サシャの体は、遥か下の地面へと、落ち始めた。
クリスタ「サシャ!??」
ユミル「くそっ…(間に合わねえ…だが、ここであれを使うわけには…!)」
クリスタの悲鳴と、ユミルの悲痛な言葉が森に消える…
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- 116 : 2014/04/22(火) 07:04:05 :
- サシャ(ああ…死ぬんですね。私)
サシャは自分でも驚くほどに落ち着いていた。助かるのはかなりの至難の技。そんな状況にいながら、サシャは冷静だった。
サシャ(エレンには、何も言えないままでしたね)
こんな状況なのに、浮かぶのはエレンのことばかり。…いや、こんな状況だからだろう。
サシャ(でも、エレンならきっといい人が見つかるはずですよね)
そう、考えて。必死にエレンを忘れようとして。それでも忘れられなくて。…だから最期くらい、大声で叫びたかった。
サシャ「エレェェェェン!!!!!」
力の限り、叫び叫んで。地面が迫ってくる感覚を感じながら、サシャは静かに目を閉じた。
エレン「バカ、何を諦めてんだよ!」
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- 122 : 2014/04/26(土) 00:43:51 :
- サシャ(…ああ、やっぱり私は)
閉じた目を、開ける。
サシャ(この人のことが…)
見えたのは、想い人。聞こえたのは、叫ぶ声。
サシャ(好きなんですね)
…予想していた、地面に叩きつけられる感覚はなく、代わりに感じていたのは、抱きかかえられる感覚だった。
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- 124 : 2014/04/27(日) 09:11:26 :
- エレン「危ねえ…どうにか間に合った…」
サシャは、エレンにお姫様抱っこされていた。…エレンに恋をした、あの日のように。
あのときと状況は全く違うけれど、あのときと全く同じ腕の感触をサシャは感じていた。
サシャ(安心します…)
そのまま、時は流れて行った。サシャにとってその時間は悠久にも等しかったが、周りにとってはほんの一瞬の出来事だったのかもしれない。
その沈黙を破ったのは、エレンの声だった。
エレン「…本当に、死ななくてよかった」ニコ
エレンの言葉は、心の底から安心したように穏やかで。エレンの笑顔も普段の笑顔とは違い、優しく、落ち着いていて。恋する乙女には刺激的すぎた。
サシャ「ッ!!!???///」カァァ
サシャ(そんなこと言って…そんな笑顔向けるなんて…反則ですよ…)ガク
サシャは緊張の糸が解けたのもあり、気を失った。
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- 131 : 2014/04/30(水) 16:51:50 :
- …うっすらと意識が戻ってきた。背中に感じるのはエレンの腕ではなく、硬いベッド。それが少し寂しかった。
サシャ(エレンは、何をしてるんでしょう…)
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- 132 : 2014/05/01(木) 09:33:35 :
- すると、サシャはふと、右手に暖かさを感じた。誰かに手を握られている…それを理解するのに時間はいらなかった…
サシャ(クリスタ…?いや、クリスタはこんなに手は大きくないですよね…)
ゆっくり目を開けると、手の方を見る。
…エレンが、サシャの手を握りながら眠っていた。
-
- 136 : 2014/05/04(日) 08:55:00 :
- サシャの頭の中は真っ白になり、直後、状況を整理しようと働き出した。
サシャ(な、何でエレンがここで寝てるんです!?しかも、私の手を握りながら…///)
すると、手に力が入ったのかエレンが目をゆっくりと開けた。
エレン「ん…おお、サシャ起きたのか…」
サシャ「は、はい…じゃなくて、何でエレンがこんなところで寝てるんですか!?しかも、その…私の、手を握りながら…///」
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- 141 : 2014/05/06(火) 16:50:09 :
- エレン「どうしてって…そんなもん、決まってるだろ」
さも当然、といった顔でエレンは言う。
エレン「お前のこと心配だったからな。それに、目を覚ました時に誰かそばにいた方がいいだろ?」
…想いは、抑えられなくなっていた。恋をして、まだ2日と経っていないけれど…あまりにエレンに触れすぎた。親友達に励まされた。
サシャにとって、今は最高のチャンスの時だった。
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- 142 : 2014/05/06(火) 16:53:17 :
- サシャ「エレン」
全ての想いを。
サシャ「私は」
親友達の想いを。
サシャ「あなたのことが」
全て、この一言に乗せる。
サシャ「大好きなんです」
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- 143 : 2014/05/06(火) 17:01:45 :
- エレンの表情が固まる。
サシャ(もう、悔いはありません。言い切ったんですもん。フラれたって仕方ない。その時はその時ですよ)
目を、瞑る。どんな答えが返ってきても動じないように。…辛い現実でも、目に入らないように…
エレンの口がゆっくり開く。
エレン「…俺、なんかでいいのか?」
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- 145 : 2014/05/06(火) 17:17:21 :
- …その言葉に、サシャの目が開く。てっきり、拒否されるかと思っていたから、その言葉が予想外だった。
エレン「俺は、駆逐しか言わねえし、死に急ぐバカだ。…こんな俺で、本当にいいのか?」
サシャ「…それは、私の告白に対して、どういう意味の返事なんですか…?」
想定外の反応に、頭はパニックだった。もう自分で何を言っているかもはっきりしないまま、エレンに尋ねた。
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- 149 : 2014/05/10(土) 07:50:16 :
- エレン「…やっぱ、言うか」
エレンはふう、とため息をつくとサシャの目をじっと見つめた。澄んだ翠色の瞳を見るだけで、サシャの心臓の鼓動は速くなった。
サシャ(…私、今すごいドキドキしてる…)
…見つめ合ったまま、時は過ぎた。それは一瞬だったのかもしれないし、数分、数時間だったのかもしれない。ただ、その沈黙はエレンの言葉で破られた。
エレン「…俺、サシャのこと、好きだと思う」
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- 151 : 2014/05/13(火) 06:25:30 :
- …頭の中が、真っ白になった。フラれるんだ、とずっと思っていたのだから当たり前だった。
しかし、現実は全く予想と違う方向へ進んだ。まさか自分の恋が実るだなんて思っていなかった。…エレンが、自分のことを好きでいたなんて、気づかなかった。
エレン「えっとさ、俺はその…死に急ぎ野郎って言われるくらいのバカだけど…こんな俺でよければ…その…」
…もう、何も考えてはいなかった。その言葉を聞き、サシャは自分が思うままに動いた。
サシャは、エレンの唇に自分のそれを重ねた。
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- 157 : 2014/05/23(金) 23:40:07 :
- エレン「…ぷは!サシャ、お前…」
エレンの顔は紅潮していた。それを見ながら、サシャも顔の火照りを感じていた。
サシャ「…何度でも言いますよ、私はエレンが好きなんです」
エレン「なら俺だって。俺はサシャが好きだ」
サシャ「私だって…ふふ」
エレン「へ?どうしたんだよ」
サシャ「幸せだな、って思ったんですよ。エレンとこんな会話ができるんですもん、幸せじゃないわけないでしょう?」
エレン「おま…はあ、やれやれ」
エレンはため息をつくと、サシャの顔をじっと見つめて言った。
エレン「…絶対、生き残ろうな…そんで、幸せになろう」
サシャ「エレン…約束、ですよ…?」
エレン「おう…」
窓から差し込む夕日に照らされ、2人の顔は赤く染まる。そのまま、2人の唇は再び重なった。
…2人を邪魔するものは何も存在することはなかった。
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- 158 : 2014/05/23(金) 23:42:41 :
- エレン「でもさ、サシャはなんで俺のことを…?」
サシャ「そんなの、決まってるじゃないですか」
サシャ「あなたの、暖かさですよ」
完
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- 179 : 2015/04/26(日) 12:01:16 :
- 最高でした‼︎
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- 180 : 2016/03/01(火) 23:46:38 :
- エレサシャ好きにはたまらないなぁ~最高
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- 189 : 2016/11/07(月) 13:48:03 :
- よほど暇なんだね
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- んぎゃおおおおおおおおおううううううううううええええええええええああああああああ(*/□\*)
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- 195 : 2018/03/13(火) 03:35:17 :
- やっぱりエレサシャ最高
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- 196 : 2018/08/02(木) 16:17:56 :
- エレサシャかぁ~···
GOOD!
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- 197 : 2019/11/09(土) 20:59:02 :
- これでエレサシャ好きになった!
凄い(/_;)
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- 198 : 2020/09/27(日) 16:33:05 :
- 高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
http://www.ssnote.net/archives/80410
恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
http://www.ssnote.net/archives/86931
害悪ユーザーカグラ
http://www.ssnote.net/archives/78041
害悪ユーザースルメ わたあめ
http://www.ssnote.net/archives/78042
害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル)
http://www.ssnote.net/archives/80906
害悪ユーザー提督、にゃる、墓場
http://www.ssnote.net/archives/81672
害悪ユーザー墓場、提督の別アカ
http://www.ssnote.net/archives/81774
害悪ユーザー筋力
http://www.ssnote.net/archives/84057
害悪ユーザースルメ、カグラ、提督謝罪
http://www.ssnote.net/archives/85091
害悪ユーザー空山
http://www.ssnote.net/archives/81038
【キャロル様教団】
http://www.ssnote.net/archives/86972
何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
http://www.ssnote.net/archives/86986
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- 199 : 2020/12/14(月) 15:35:54 :
- いい話だったぜ
-
- 200 : 2023/07/04(火) 00:44:35 :
- http://www.ssnote.net/archives/90995
●トロのフリーアカウント(^ω^)●
http://www.ssnote.net/archives/90991
http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3655
http://www.ssnote.net/users/mikasaanti
2 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 16:43:56 このユーザーのレスのみ表示する
sex_shitai
toyama3190
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catlinlove
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errenlove
cherryboy
momoyamanaoki
16 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 19:01:59 このユーザーのレスのみ表示する
ちょっと時間あったから3つだけ作った
unko_chinchin
shoheikingdom
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unko
http://www.ssnote.net/archives/90992
アカウントの譲渡について
http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3654
36 : 2021年11月6日 : 2021/10/13(水) 19:43:59 このユーザーのレスのみ表示する
理想は登録ユーザーが20人ぐらい増えて、noteをカオスにしてくれて、管理人の手に負えなくなって最悪閉鎖に追い込まれたら嬉しいな
22 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:37:51 このユーザーのレスのみ表示する
以前未登録に垢あげた時は複数の他のユーザーに乗っ取られたりで面倒だったからね。
46 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:45:59 このユーザーのレスのみ表示する
ぶっちゃけグループ二個ぐらい潰した事あるからね
52 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:48:34 このユーザーのレスのみ表示する
一応、自分で名前つけてる未登録で、かつ「あ、コイツならもしかしたらnoteぶっ壊せるかも」て思った奴笑
89 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 21:17:27 このユーザーのレスのみ表示する
noteがよりカオスにって運営側の手に負えなくなって閉鎖されたら万々歳だからな、俺のning依存症を終わらせてくれ
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