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あの日の少年

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  1. 1 : : 2014/04/04(金) 10:18:56
    クリスタ(図書室でゆっくり本を読むなんて、久しぶりね♪)


    クリスタ(あ。あそこの日当たりの良い席にしようかな。)


    クリスタ(あれ・・・背中があったかくて眠くなってきっちゃた・・・)


    クリスタ(いいや。誰もいないし・・・)


    クリスタ(ちょっとだけ・・・)

    ──────────

    ─────

    ───
  2. 2 : : 2014/04/04(金) 10:24:55
    ばあや「良いですか?お嬢様。」


    クリスタ「ん〜?何が?」


    ばあや「くれぐれも『ヒストリア』という名前を出してはいけませんよ。」


    クリスタ「わかってるって! さ、早く行こ‼︎」


    ばあや「お嬢様、絶対にこの手を離さないでくださいね。」


    クリスタ「うん! わあ〜。久しぶりの街だぁ〜!」
  3. 3 : : 2014/04/04(金) 10:29:26
    ばあや「あの店でも見てみますか。」


    クリスタ「うん。なにこれ、すごくかわいい!」


    ばあや「それは『ミサンガ』でございます。」


    クリスタ「あ! あっちの店でも何か面白い物売ってる!」


    ばあや「お、お嬢様⁉︎ ちょっと・・・」
  4. 4 : : 2014/04/04(金) 10:34:18
    クリスタ「ねぇ、ばあや。これはなあに?」


    クリスタ「あれ?」


    クリスタ(ばあやがいない・・・)


    クリスタ「ばあやぁー‼︎」


    クリスタ「ばあやあー‼︎」


    クリスタ(やだ・・・私、迷子になっちゃった・・・)


    クリスタ「う・・・ひっく。う、うわああぁぁあん‼︎」


    クリスタ「ば、あやぁー‼︎」
  5. 5 : : 2014/04/04(金) 10:40:17
    ドンッ

    クリスタ「あ・・・ごめんなさい。」


    少年「こちらこそ。ケガはない?」


    クリスタ「・・・うん。」


    少年「どうしたの? そんなに涙流して。」


    クリスタ「迷子に・・・なっちゃったの・・・」


    少年「そうなんだ。じゃあ一緒に街を周って探そう。」
  6. 6 : : 2014/04/04(金) 10:45:26
    クリスタ「え・・・」


    少年「いいからいいから♪」


    クリスタ「・・・・・・」


    少年「君、見慣れない服装だね。どこからきたの? 名前は?」


    クリスタ「場所も名前も・・・人に言ってはいけないって言われているの。」


    少年「そっか。僕も名前は伏せておくね。」

  7. 7 : : 2014/04/04(金) 10:52:49
    アルクリかなー
    期待です。
  8. 8 : : 2014/04/04(金) 10:55:11
    クリスタ「あなたは・・・街へよく来るの?」


    少年「うん。今日もおじいちゃんにおつかいを頼まれているんだ。」


    クリスタ「そうなんだ。」


    少年「あの店だよ。さ、行こう!」


    クリスタ「お野菜を売っているのね。」


    少年「人参とじゃがいもを買いにきたんだ。」


    クリスタ「そのメモに書いてあるものを買うのね。」


    少年「そうだよ。まだまだ買う物はたくさんあるから忙しいよ♪」


    クリスタ「えーと、次は『干しきのこ』ね。」
  9. 9 : : 2014/04/04(金) 10:56:31
    >>7 カンのいい人はやっぱり『少年』の正体がわかりますよね♪

    期待ありがとう‼︎
  10. 10 : : 2014/04/04(金) 11:03:03
    少年「乾物屋に行くんだよ。」


    クリスタ「『かんぶつや』?」


    少年「食べ物を干して、日持ちするようにしたものを売っている店だよ。」


    クリスタ「そうなんだ。」


    少年「この店だよ。」


    クリスタ「すごい・・・食べ物って干すとこんな風になるのね!」


    少年「はは、びっくりするよね!」


    クリスタ「わあ。これ宝石みたい。」
  11. 11 : : 2014/04/04(金) 11:06:22
    少年「それは『ドライフルーツ』っていうんだよ。」


    クリスタ「『ドライフルーツ』?」


    少年「果物を干したもの。とても美味しいんだ。」


    店主「お嬢ちゃん達、一個食べてみるかい?」


    少年「ありがとうございます‼︎」


    クリスタ「ん・・・甘くてとっても美味しい‼︎」
  12. 12 : : 2014/04/04(金) 12:11:06
    期待なのです!
  13. 13 : : 2014/04/04(金) 16:58:49
    期待
  14. 14 : : 2014/04/04(金) 16:59:37
    お嬢ちゃん達だと!?
  15. 15 : : 2014/04/06(日) 11:11:18
    >>12 >>13 ありがとうございます♪

    >>14 ・・・その少年が女の子みたいだったのかも・・・
  16. 16 : : 2014/04/06(日) 11:16:39
    少年「君のその髪留めも宝石みたいにキラキラしてるね。」


    クリスタ「この髪留めは去年の誕生日プレゼントなんだ。」


    少年「へえ。じゃあ今君はいくつなの?」


    クリスタ「8歳だよ。」


    少年「僕も8歳! 同い年なんだね‼︎」


    クリスタ「私、背が低いから8歳に見えないって言われているの。」

  17. 17 : : 2014/04/06(日) 11:23:08
    少年「そんなの気にすることないよ。僕だって、女の子みたいだって言われるし。」


    クリスタ「ふふ。お互い色々あるんだね。」


    少年「そうだね♪」


    クリスタ『ぐ〜』


    クリスタ「おなか鳴っちゃった・・・」


    少年「そういえばもうすぐお昼だね。」


    クリスタ「私・・・お昼ご飯持ってきてないの。」


    少年「じゃあ、一緒に食べようよ!」


    クリスタ「え・・・?」
  18. 18 : : 2014/04/06(日) 11:33:45
    少年「おじさーん。いつもの2つ‼︎」


    店の人「あいよ。へい、おまち!」


    少年「ありがとう‼︎」


    クリスタ「えっと・・・食べていいの?」


    少年「もちろん‼︎ ここの『ホットサンド』は絶品なんだ。」


    クリスタ「おいしい! 中に半熟卵とハムとレタスが入っているのね!」


    少年「この卵のトロトロ感がたまらないんだよね。」


    クリスタ「初めて食べた。」


    少年「えっ、そうなの⁉︎ この辺りじゃ定番メニューなんだけど。」
  19. 19 : : 2014/04/06(日) 11:41:09
    クリスタ「でも・・・今まで食べた物の中で、これが一番おいしいかな♪」


    少年「よかった♪」


    クリスタ「その・・・おごってもらって、ありがとう。」


    少年「気にしないで♪ 僕も君と一緒に食べれて嬉しいし。」


    クリスタ「うん。わかった♪ ところで次は何を買うの?」


    少年「えーと。トマトの缶詰めだね。」


    クリスタ「これ食べたら行こっか。」
  20. 20 : : 2014/04/08(火) 13:37:07
    少年「トマトの缶詰めは家でスープにすることが多いんだ。」


    クリスタ「『ミネストローネ』ね!私も家でよく食べるよ。」


    少年「おいしいよね。僕大好き!」


    クリスタ「トマトの缶詰めここにあったよ!」


    少年「ありがとう。これでおつかいは終わりなんだ。」

  21. 21 : : 2014/04/08(火) 13:48:05
    クリスタ「そうなの。全部買えてよかったね。」


    アルミン「うん。そうだ! これから本屋さんへ行こうよ!」


    クリスタ「行きたい! 私、本が大好きなの‼︎」


    少年「そうなんだ。どんな本が好きなの?」


    クリスタ「これだよ♪ 今日カバンに入れて持ってきたの。」


    アルミン「『マザーグース』?」


    クリスタ「童謡集だよ。全部暗記してるの♪」
  22. 22 : : 2014/04/08(火) 14:12:47
    少年「ぜ、全部⁉︎ じゃあ・・・『小さな女の子』は?」


    クリスタ「There was a little girl, Who had a little curl, Right in the 〜♪…」


    アルミン「すごい‼︎ じゃあ・・・『ネコとバイオリン』は?」


    クリスタ「Hey,diddle,diddle,The cat and the fiddle, The cow jumped〜♪…」


    アルミン「いいな〜、すごく羨ましいよ♪」


    クリスタ「ふふ。ありがとう♪ あなたはどんな本が好きなの?」
  23. 23 : : 2014/04/18(金) 15:44:13
    少年「『ファウスト』だよ。劇の台本みたいなやつかな。」


    クリスタ「へえ〜♪ おもしろそうね♪」


    少年「僕は寝る前にこの本を読んでいるんだ。」


    クリスタ「あっ、いいこと思いついた!」


    少年「なに? 教えて‼︎」


    クリスタ「お互いの本を交換し合うのはどう⁉︎」


    少年「交換? いいね!これで読める本も増えるし‼︎」
  24. 24 : : 2014/04/18(金) 15:48:36
    クリスタ「じゃあ、はい♪」


    少年「僕のも。どうぞ♪」


    クリスタ「ありがとう‼︎読むのが楽しみだなぁ♪」


    ばあや「お、お嬢様⁉︎ こんな所にいたんですか⁉︎」


    クリスタ「あっ!ばあや‼︎」


    ばあや「心配したんですからね‼︎ さ、帰りますよ‼︎」


    クリスタ「あ、ちょっと待って・・・」
  25. 25 : : 2014/04/18(金) 15:54:52
    少年「よかった。見つかったんだね♪」


    クリスタ「うん。えっと・・・ありがとう、とっても楽しかった‼︎」


    少年「じゃあね♪」


    クリスタ「さようなら♪」

    ──────

    ────

    ──

  26. 26 : : 2014/04/18(金) 16:06:15
    クリスタ「あ・・・・・・」


    アルミン「おはよう。よく眠れた?」


    クリスタ「アルミン!」


    アルミン「あ、その本・・・」


    クリスタ「アルミンの読んでいる本・・・」


    アルミン「『ファウスト』だよね?その本、僕も大好きなんだ♪」


    クリスタ「アルミンの本は『マザーグース』ね! 私も大好きな本なの‼︎」

  27. 27 : : 2014/04/18(金) 16:14:40
    アルミン「そうなんだ♪ じゃあ今からゆっくり本を一緒に読もうよ。」


    クリスタ「うん!」


    アルミン「偶然だね、お互いがお互いの本が好きなんて。」


    クリスタ「本当。神様のイタズラかもね♪」


    アルミン「ふふ。そういえばこの本に思い出があるんだ。」


    クリスタ「思い出?」


    アルミン「・・・ヒミツ♪」




    end*
  28. 28 : : 2014/04/26(土) 13:14:29
    進撃、全巻買ってないからわかんないですが(買ってなくてすいません;)もしかして少年っていうのは・・・アルミンなんでしょうか?
  29. 29 : : 2014/04/26(土) 13:51:33
    おもしろかったです(*^^*)

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shikano

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