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クリスタ「死にたい…」
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- 1 : 2014/04/03(木) 22:15:40 :
- アルクリまたはクリアル要素があります。
文章がおかしくなっている所があると思います。良ければ指摘して下さると嬉しいです。
キャラ崩壊もあるかもしれません。ご注意下さい。
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- 2 : 2014/04/03(木) 22:19:23 :
- それは、訓練兵になってしばらく経った日の事でした。
この日は雨が降っていて、憂鬱な気分だったのを覚えています。
クリスタ「うぅ…」
あの時の私は、自分の目の前にある現実を受け止めたくありませんでした。
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- 3 : 2014/04/03(木) 22:24:59 :
- ユミル「お、クリスタじゃねえか。どうした?」
隣ではユミルが私を心配してくれていましたが、私はそれに答える事が出来ませんでした。
クリスタ「……また…」
ユミル「また?」
クリスタ「また体重増えてる…」
その位のこと、と思うかもしれませんが、それが私には辛い事でした。
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- 4 : 2014/04/03(木) 22:33:46 :
- この間の休日に買ってきたお菓子がとても美味しく、食べ過ぎてしまったのが原因と思えました。
ユミル「…あのなあ、気にしすぎだと私は思うぞ?お前どこからどう見ても細いじゃねえか。」
ユミルが私を気遣って優しい言葉を投げかけてくれましたが、私はそれが逆に辛かったのです。
クリスタ「ユミルは痩せてるから私の気持ちなんて分かんないよ!」
そして、あろうことにもユミルに暴言を吐いてしまいました。
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- 5 : 2014/04/03(木) 22:39:53 :
- そんな私を見て、ユミルは呆れた顔をして言いました。
ユミル「あのなあ…ん、例えば…サシャを見ろ。」
ユミルが指した先を見ると、サシャがパンを頬張っている所でした。
彼女はスタイルが良く、純粋で、私の憧れでもありました。
……食欲はおいておくとして。
クリスタ「痩せてて良いよね…」
はあ、と私が溜め息をつくと、ユミルがぽつりと呟きました。
ユミル「でもよ…本人は太ってるって思ってるかもしれないぞ?」
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- 6 : 2014/04/03(木) 22:56:26 :
- ユミルのその言葉に、私は思わず立ち上がって叫びました。
クリスタ「そんなことない!痩せてるよ!」
ユミル「だろ?私もそれが言いたかったんだよ。」
クリスタ「……あ…」
自分は太っている、と思っていても、周りからは太ってない、と思われているのだとユミルは言いたかったんだと思いました。
クリスタ「………ありがとう」
自然にその言葉が口から零れました。ユミルはいつも私を支えてくれていて、自分が少し情けなくなりました。
サシャ「あれ?二人共何やってるんですか?」
噂をすれば影、というもので、先程まで話題の中心となっていた人物が話しかけてきました。
クリスタ「サシャ…ふふっ。あのね、サシャは痩せてて良いな~って二人で話してたの。」
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- 7 : 2014/04/03(木) 23:07:08 :
- 微笑みながらそう言ったのですが、返ってきた言葉が予想外の物で、一瞬自分の耳を疑いました。
サシャ「そうなんですよね…私はもう少し体重増やしたいんですけど……太りにくい体質なのか、全然体重増えなくて…筋肉つけて増やすしかないんですかね?」
彼女には全く悪気はないんです。体重を気にしている方、許してあげて下さい。
頭の中ではそう言いつつも、口から出た言葉は違いました。
クリスタ「…嘘つき」
ユミル「あ、あのな……」
ユミルが何か言おうとしていましたが、そんなの関係ありません。私はユミルを睨み付けて、叫びました。
クリスタ「ユミルの馬鹿!気なんて遣わないで本当のこと素直に言ってくれたら良かったのに!酷いよ!…ユミルなんて、……大っ嫌い!」
心にもない言葉を並べ立て、部屋から逃げるように出ていきました。
こんなこと、言いたかったんじゃないのに。
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- 8 : 2014/04/03(木) 23:33:44 :
- アルクリキター(・д・ = ・д・)
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- 9 : 2014/04/03(木) 23:45:19 :
- >>8さん、コメントありがとうございます!アルクリ良いですよね!
拙い文章ですがどうぞ見ていって下さい。
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- 10 : 2014/04/04(金) 00:01:26 :
- ー食堂ー
あの時、どうすれば良かったんだろう。
サシャの言葉に対して笑って誤魔化せば良かったのかな?そもそも体重の話しなければこんなことには…
クリスタ「……どうしたら…」
アルミン「クリスタ?」
アルミンが心配そうに私の顔を覗き込んでくる。ごめんね、心配かけて。…って、あれ?アルミン?
クリスタ「本物っ!?」
アルミンがいたことに驚きすぎて、椅子から転げ落ちてしまった。まさか見られていたなんて…
アルミン「あはは…本物ですいません…。」
クリスタ「えっと、あの、違うの!私が言いたかったのは…!」
アルミン「…それより、大丈夫?」
クリスタ「…え?」
体制を立て直しながら聞いたため、【椅子に体重を掛ける少女】の図が出来上がっていた事は気にせず、素直に疑問をぶつけた。
クリスタ「何が?」
アルミン「あの、さ…目、すっごい腫れてるよ?」
クリスタ「あ。」
思わず目に触れる。確かに腫れている。どうしよう、思いっきり見られた。しかも男子に。
………恥ずかしい。今はそうとしか言えない状況だった。
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- 11 : 2014/04/04(金) 00:03:22 :
- >>10そもそも体重の話なんてしなければ、です。
すいません。
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- 12 : 2014/04/04(金) 00:12:05 :
- アルミン「…えっと、大丈夫?」
クリスタ「……ダイジョウブ、デス…」
もうやだ。ウォール・ローゼの上から飛び降りたい。さっきのことを無かったことにしたい。
アルミン「……あの、何か…あった…?」
クリスタ「…え?」
アルミン「…いや、なんか元気無いな~…と。あ、気のせいだったらごめん。でも…あの、良ければ…相談してくれるかな?」
アルミンが少し困ったように笑いながら言ってくる。
………アルミンなら、言いふらしたりしない、よね…?
…………相談、しようかな。
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- 13 : 2014/04/04(金) 00:22:41 :
- 私はさっき起きた事を、出来るだけ正確に、詳しく話した。
クリスタ「…っていう事なの………」
アルミン「…そっか。ん~…クリスタが悪いって思ってるなら、きちんと謝ろう?」
アルミンがそう言うが、自己嫌悪に陥った私は本音が口から出てしまった。
クリスタ「死にたい…」
アルミンなら、きっと慰めてくれる。正解に導いてくれる。そう、思っていた。
だから、つい甘えてしまった。
アルミン「じゃあ、死ねば?」
初めは自分の耳を疑った。
今、アルミンが…?死ねばって…?
有り得ない、ただそれだけだった。
困惑していたのが分かったのか、アルミンは私を突き放すように、酷く冷たい声で言う。
アルミン「だって、クリスタは死にたいんだろ?だったら死んだら良いじゃないか」
この時、初めて『アルミン』という人を、
怖い、と思った。
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- 14 : 2014/04/04(金) 00:30:46 :
- それと同時に、【死ぬ】事が怖くなった。体の震えが止まらなくなった。
クリスタ「………ぁ…嫌、だ………死にたく……ない……!」
精一杯声を出そうとするが、これが限界だった。
そんな私の言葉に、アルミンは不服そうに眉間に皺を寄せた。
アルミン「…君はさっき、死にたい、と言ったよね?…なのに今度は死にたくない、なんて…結局どっちなの?死にたいの?死にたくないの?」
怒っている。そんなことはコニーでさえ分かったと思う。私は思った事をそのまま伝えた。
クリスタ「……死にたくない。…死ぬのは、怖い。」
アルミン「……そう。」
すると、さっきまでの声とは別人のような声を発した。…温かくて、優しい声。
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- 15 : 2014/04/04(金) 00:47:13 :
- アルミン「……ねえ、知ってる?」
クリスタ「豆しば?」
私の間の抜けた返答に、またアルミンの顔が険しくなる。
アルミン「…違うよ、心臓の重さって、何gか、分かる?」
心臓。私が生きるのに最も必要な部位。やっぱり1kg位だろうか。いや、2kgかもしれない……
クリスタ「…分かった!間を取って6kg!!」
※この場合1.5kgが正答とされます。
アルミン「なんでやねん。……実際はね、成人した人で250~350g…平均すると300gだよ。」
300g。私の言った6kgとは全然違う。お芋1、2個分位だろう。
クリスタ「…そんなに軽いの…?」
アルミン「ふふっ、軽い、と思うだろう?僕も最初は思ったよ……でもね、その300gで僕達は生きる事が出来る。」
軽く笑みを溢しながらアルミンが語る。生きる、それは、さっきの私の言葉とは逆の事だった。
アルミン「…生きるってさ、何だろう。」
クリスタ「アルミンにも…わからない事があるの?」
それを聞くと、アルミンはお腹を抱えて笑い始めた。…むっ、ちょっと失礼じゃない!?ねえ!!
アルミン「…ははっ、クリスタは面白いね、僕だって人間だもの。わからない事位あるよ。」
アルミン「…まあ、この場合の生きる、は…自己解釈でいいんだけどね……僕は、幸せを掴む為の一歩、かな?」
クリスタ「…幸せ……?いつ死ぬのかわからないこの世界なのに…?」
すると、アルミンは私の目をじっと見て、口を開いた。
アルミン「だからだよ。」
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- 16 : 2014/04/04(金) 00:56:02 :
- 期待です!
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- 17 : 2014/04/04(金) 01:06:44 :
- アルミン「まず、ここに僕がいる、それだけで幸せだよ」
…?アルミンがいるのは当たり前なのに…?…一体、どういう意味なのだろうか。
アルミン「そして、僕の周りにはエレンやミカサ、そして104期の皆がいる。勿論その中にはクリスタもいるよ。…これってさ、幸せだよね。」
アルミン「当たり前、って感じてたら気付けない、人の温かさ。クリスタは…気付けてた?」
ふ、と脳裏にユミルの顔が浮かぶ。不器用な優しさをいつも私にくれる。とってもとっても優しい人。
アルミン「クリスタ、君は今、幸せ?」
クリスタ「……うん。」
アルミン「…あのね、クリスタ。」
クリスタ「?」
アルミン「……僕は、クリスタに死んでほしくない。きっと、104期の皆も。」
そう言ったアルミンの目は、真剣だった。豆しばの下りの時とは違った。
…本当に大切に思ってくれているのだと、思った。
アルミン「なのに、死にたい、なんて…軽々しく…言わないでくれ。」
アルミン「……命はさ、軽いようで、重いものなんだよ?…死ぬってさ、取り返しのつかない事なんだよ?後悔することも、出来ないんだよ?」
アルミン「…生きることは、辛いかもしれない。死にたいって、思うかもしれない。……だけど、その先には巨人のいない世界があるかもしれない。」
アルミン「……そんな、幸せな未来を、信じよう…?」
アルミンの声は、震えていた。
泣きそうだった。
触れたら、壊れてしまいそうだった。
もし私が死んでしまったら、アルミンは悲しむのだろうか。
嫌だ。
アルミンが悲しむ姿なんて、想像もしたくない。
生きよう。
自分のために。
今を、大切にしよう。
クリスタ「……アルミン…」
アルミン「…?何…?」
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- 18 : 2014/04/04(金) 01:08:43 :
- >>16さん、ありがとうございます!
期待してもられるなんてすごく嬉しいです!
所々おかしい点もありますが、楽しんでいただけたらよろしいです。
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- 19 : 2014/04/04(金) 01:23:25 :
- クリスタ「……私なんかが…生きてもいいの…?…欲張っても…いいの……?」
アルミン「…勿論。」
…満面の笑みを浮かべたアルミンにドキッとしたのは、秘密にしておこう。こうなったら墓場まで持っていってやろうじゃないか。
クリスタ「…私、欲張りなの。……だから、欲しいものは手に入るまで、諦めたくない。」
アルミン「人類は皆、欲張りだから安心して。」
きっと私の思いはアルミンに伝わってないだろう。だけど、諦めるつもりはない。
だって、貴方が言ったんだよ?欲張ってもいいって。
貴方が、この残酷な世界の美しさを教えてくれた。
希望を、教えてくれた。
クリスタ「…アルミン。…ありがとう。」
アルミン「もう死にたいなんて言わないよね?」
クリスタ「うん!死んでなんかやるもんか!」
そう言って手を振り上げた私は、今の今まで忘れていた。
あれ?私……目腫れたまま洗ってないよ?
死にたい。…って、違う!前向きに!
クリスタ「そうだよ!目が腫れてようが馬に引かれたウシガエルみたいな顔だろうが前向きに!」
アルミン「…へ?」
アルミンがポカンと口を開けて見ている。
何なの私。ただの痛い子だよ。馬鹿…
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- 20 : 2014/04/04(金) 01:29:15 :
- アルミン「……えっと…」
クリスタ「ごめんなさい!目線逸らさないで!見てない振りしないで!」
思わず泣きそうになる。今日は運が良いのか悪いのかわからない。
とりあえず、私可哀想…!
アルミン「…あ、ほら。王子様が迎えに来たよ。」
アルミンの指した方を見ると、ユミルが走ってこっちに来ている所だった。
ねえ、アルミン。
私にとっての王子様は、ユミルじゃないよ。
今、私の目の前にいる、貴方……
ユミル「クリスタ!」
…………目の前に、ユミル?
状況が掴めず、とりあえずユミルに平手打ちをした。
ユミル「いや、何でだよ!?」
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- 21 : 2014/04/04(金) 01:43:06 :
- クリスタ「あっ!ごめん!」
どうしよう…つい平手打ちしてしまった…あぁ…ばかばかばか!私のばか!コニーと同じ位のばか!
こうやって自分を貶していても仕方ない。兎に角ユミルに謝ろう!!
クリスタ「ユミル…ごめんなさい……」
ユミル「平手打ちならさっき謝っただろ?」
違うよ、ばかユミル。
クリスタ「…ごめんなさい……ユミルは私のこと気遣ってくれたのに……」
ユミルは状況を理解したようで、ああ、と呟いた。
ユミル「馬鹿」
クリスタ「…ごめんなさい」
ユミル「いっつも人の役に立とうと無理してんじゃねーよ。」
クリスタ「…ごめんなさい」
ユミル「謝るな!」
ユミルが急に怒鳴ったためか、私はひっ、と言いながら頭を下げた。
クリスタ「……ごめんなさい」
ユミル「謝るな。」
クリスタ「だって!謝り足りないもん…!」
ユミル「お前…これから私に会うたびに謝る気か?」
クリスタ「うん。」
ユミルがコニーを見る目で私を見る。あっ!絶対馬鹿にしてる!
ユミル「あのな…こっちも困るから…私のために謝るな。」
……うぅ…何も言えない………
ユミル「ま、そういうところが可愛いんだけどな。」
クリスタ「ユミルも可愛いよ?」
私は素直に思った事を言う。
ユミル「…っ!…おまっ!…………可愛くなんかねーよ。」
そうやって顔を真っ赤にして恥ずかしがるユミルがすっごく可愛いと私は思った。
ユミル「部屋、帰るぞ。」
クリスタ「……うん!」
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- 22 : 2014/04/04(金) 01:52:31 :
- ー後日ー
最近クリスタが心から笑うようになった。
私と喧嘩した日からずっと。
あの日、何があったんだ?
クリスタ「……でねっ!……が、…って、ユミル!聞いてるの?」
ユミル「お、おう。聞いてるよ。」
するとクリスタは満足気に頷く。ああもう可愛いな畜生。
クリスタ「あ、アルミンだ!」
そう言ってアルミンの方へと走っていく。
……今、あいつ…私に見せたことない位キラキラの笑顔だった。
クリスタ「アルミン!」
アルミン「わっ、クリスタ?」
クリスタ「あのね!今度の休日お出掛けしない?この間のお礼も兼ねて!」
アルミン「いいけど…ユミルは?」
クリスタ「これはお礼だからユミルは着いて来ないの!」
うん、なんか勝手に決めてやがるぞあの天使は。
ユミル(にしても、アルミンの野郎を…か。)
正直アルミンをぶっ飛ばしたいが、クリスタが生きたい、と思えるようになるんなら、まあ、いいか。
ユミル「……幸せになれよ」
完
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- 23 : 2014/04/04(金) 01:54:22 :
- ここで本編は終わりです。
次から少しおまけを投稿していきたいと思います。
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- 24 : 2014/04/04(金) 01:58:08 :
- おまけ1 「体重」
クリスタ「…アルミンって細いよね。」
アルミン「そ、そう、かな…?なんか悲しいんだけど……でも、確かに体重増えないなあ…太りにくい体質なのかな?筋肉付けるしかないのかな…」
クリスタ「…………………」
クリスタ「アルミンの馬鹿ー!」
アルミン「!?」
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- 25 : 2014/04/04(金) 01:58:53 :
- あれ…>>24が2つ…?すいませんミスです。
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- 26 : 2014/04/04(金) 02:01:53 :
- おまけ2 「馬鹿」
クリスタ「ユミルって可愛いよね。」
サシャ「そうですよね!照れたりした時とか特に!」
ユミル「なっ!馬鹿野郎!私が可愛いわけねえだろ!?」
クリスタ「野郎じゃないもん」
サシャ「馬鹿じゃないですよ」
ユミル「いや、馬鹿だろ。」
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- 27 : 2014/04/04(金) 10:18:35 :
- 乙ー
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- 28 : 2017/08/11(金) 11:48:01 :
- 続編求む!デート編とか!お願いします!
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- 29 : 2017/08/11(金) 12:27:33 :
- 乙
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- 30 : 2019/09/07(土) 15:01:38 :
- アルミンってかわいいし賢いし頭いいしそれからカッコいい!
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- 31 : 2019/09/07(土) 15:03:25 :
- ライナーはホモだしキモいし息臭いww
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