ジャン「いつも笑ってるあの人。」
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- 1 : 2014/03/21(金) 23:23:46 :
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初 ジャンメインSSです。
よろしくお願いします!
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- 2 : 2014/03/21(金) 23:33:15 :
ジャン「アルバイトかぁ…」
大学のキャンパス内のカフェでバイト情報雑誌を読み漁るジャン。
コニー「お前馬面だから動物園にしろよ。好かれんぞ。」
サシャ「そーですね!動物園にしましょう!」
ジャン「お前ら…俺は真剣に悩んでるのに。」
アルバイトと言っても大学生になると選択できる職種は沢山ある。
コンビニや塾講、カフェに焼き肉店…。
どれもこれも別にそこまでしたい!みたいな職種ではない。
しいて言えばカフェ…?
ジャン「お前らは何のバイトしてんだよ?」
サシャ「私はファミレスです。
前まで接客だったのに食器洗いになっちゃったんですよぉ…。お客さんの残したやつ食べれるから気に入ってたのに。」
コニー「そらな…。クビになってねぇだけ不思議だぜ。
あ、俺はラーメン屋さんだぜ!
賄いがすげー美味いんだ!」
サシャ「私もコニーのラーメン屋さんの賄い食べたい!」
コニー「来んな!」
2人は和気あいあいと話しているが
俺は悩んだままだ。
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- 3 : 2014/03/21(金) 23:42:32 :
- 結局、家の近くのツタババッスクというカフェの面接を受け採用が決まった。
やはり1人暮らしだとバイト終わり家が遠いのはしんどいからここでよかったと思う。
ジャン「もう大学生になって2ヶ月だもんな。いい加減貯金頼りの生活やめて働かねぇと。」
こうしてジャンのアルバイト生活は始まりを告げた。
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- 4 : 2014/03/22(土) 19:59:27 :
- コニー「へぇージャンがツタバでバイト?あの爽やか制服着んのかよ!へっ。」
ジャン「うっせーよ。」
コニー「って次の講義遅れるわ。
ヤバ!またな!ジャン!」
ジャン「ああ。」
この時はまだこうやって平和に過ごしていけると思っていた。
コニーとサシャといつも3人で絡んで
適当に講義流してバイトして
こうやって4年間過ごす。
そう思っていた。
そのつもりだった。
あの時までは。
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- 5 : 2014/03/22(土) 22:16:56 :
3ヶ月後の出来事だった。
母が亡くなったと病院から連絡がきた。
突然のことだった。
手が震えて何も出来ない。
状況がなに一つ掴めない。
ジャン「母さん。
おい…。母さん。起きろよ。なぁ!!!!!」
ジャン「なんで…なんでだよ…。
癌はもう完治したんじゃねぇのかよ!!!!!!」
いくら叫んでも母さんは眠ったままだ。
後悔だけが募った。
何もかもが崩れ去っていった。
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- 6 : 2014/03/22(土) 22:19:50 :
コニー「おい!ジャン正気かよ!考え直せって!」
サシャ「そうですよ!!突然大学辞めるなんて…。どうしたんですか?!」
ジャン「うっせーよ。話しかけんな。」
コニー「おい…ジャン。一体どーしちまったんだよ。」
生きる気力を失い
きらびやかなバイト先を辞め
しまいには大学まで辞めてしまった。
ずっと心配してくれたあいつらに背を向けた。
何が正しいかなんてわからなかった。
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- 7 : 2014/03/22(土) 22:28:32 :
死んだような生活。
散らかった家に不衛生な食事。
たまにあいつらがやって来るが無視した。
コニー「おい、ジャン!大丈夫か?!
ちゃんと食ってんのか?おい!居留守すんな!」
サシャ「ジャンー?!
今なら復学できるよう頼んでみますから
大学来てください。ジャンは優秀なんですから!!」
ここまでおちた俺をまだ心配してくれるなんて優しいな。お前ら。
ジャン「腹減った…。」
買い物に行こうとしたが
貯金は底をつき持ち金もない状態だった。
ジャン「クッソ。んだよ。」
俺は仕方なくコンビニの深夜バイトを始めた。
ジャン「やってらんねぇ。」
クソだ。
こんな人生。
クソだ。
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- 8 : 2014/03/22(土) 22:39:53 :
- コンビニのバイトというのは俺が考えてる以上にハードだった。
深夜にコンビニに来るのは
社畜の疲れ果てたサラリーマンに親父連れのデリヘル、クソみてぇなヤンキーにエロ本漁りの下半身勃起野郎。
こんな奴らの接客をしながら
クッソ重いダンボール運んで並べて…。
ジャン「単純作業のくせになんでこんなに疲れんだ。やってらんねぇ。」
また自動ドアの扉が開く。
ジャン「いらっしゃいませー。」
こんな時間には珍しい車椅子の女性だった。
女性はしばらく店内を見回った後
何も持たずにレジへ来た。
ジャン(んだよ。何も買わねーのかよ。)
女性はジャンの前に立つと声を発した。
「あの…。」
ジャン「はい。」
「あそこの棚の水を取って頂けないでしょうか?車椅子では届かないんです。」
ジャン(ああ。そういうことか。
確かにそうだよな。車椅子だし。)
ジャンは言われたとおり棚の水を女性へ渡した。
「ありがとうございます。」
ジャン「いえ。
…こんな夜中に車椅子なのに来られたんですか?」
女性は無愛想な店員が突然口を開いたので少し驚いたがニコリと笑って続けた。
「昼間に行くと邪魔だから来るなって言われたんです。」
ジャン「は?
それうちの店員ですか?」
「いいえ。でも確かにそうかなって……。」
ジャンは言葉では言い表せない怒りを覚えた。
ジャン「そんなわけねーだろ。
あんたが車椅子だからって邪魔なわけねぇよ。胸はれよ。」
まるで自分に言い聞かせるようにジャンは言った。
女性は目に涙をためて
「ありがとう。」
と言った。
ジャン「べ…べつに。
これ。商品。」
「ありがとう。
店員さん。また来てもいいですか?」
ジャン「変わったこと聞くんだな。
ここコンビニだから別に許可いらねーよ。」
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- 9 : 2014/03/23(日) 00:52:26 :
その日から女性は毎日同じ時間に決まって
来るようになった。
どうせ客も来ないから
話すことが日課になった。
ジャン「なー。お前
1人暮らしなのか?」
「ううん。お兄ちゃんと妹と!
でも普段はあまり話さないかな…。
ジャンくんは?」
ジャン「俺は1人暮らし。
てかジャンくんやめよろ。キモい。」
「口悪いよね。ジャンさん。」
ジャン「なんでくんからさんになるんだよ!!!
ああもう!呼び捨てでいいっつってんだよ!」
「えー。えー。じゃぁ…
ジャン。」
ジャン「お…おう!」
この人と話してる時だけ
昔の自分に戻れた気がした。
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- 10 : 2014/03/23(日) 23:15:12 :
ある雨の日もあの人はやってきた。
なんとなく分っている。
きっとこの人は用事なんてない。
ここに来たいだけだ。
ジャン「おい。今日雨だぞ。」
「そーだね、雨だね。」
ジャン「なんで来たんだよ。」
「ここコンビニじゃんか。」
ジャン「…。車椅子でか?」
「…ごめん。」
ジャン「別に責めてねぇよ。」
「会いたかったの。ジャンに。」
ジャン「は//はぁ?!」
久しぶりのこの感情。
忘れかけていたけど思い出す。
この甘酸っぱい気持ち。
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- 11 : 2014/03/23(日) 23:16:39 :
- 馬鹿だろ。
車椅子のくせに
雨だっつーのに。
俺なんかに会いに来たのかよ。
なんで笑うんだよ。
その気持ちには答えられねぇのに。
ジャン「すまない。」
「え?」
ジャン「俺に会いたいだけなら
もう来るな。」
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- 12 : 2014/03/23(日) 23:22:14 :
「なんで。」
ジャン「…。何も聞くな。」
「…だよ。嫌だよ!!
私は晴れの日でも雨の日でもジャンに会いたいんだよ!!!
それが…私の私が…
初めて見つけた幸せなんだもん。」
ジャン「何でだよ…。」
ジャン「これ以上俺の心に入ってくんなよ。バカじゃねぇの。」
「馬鹿って言われちゃった!それは昔からだよ!」
また笑った。
この笑顔が好きだ。
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- 13 : 2014/03/28(金) 15:17:25 :
- 期待!
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- 14 : 2014/04/09(水) 18:32:39 :
- 期待です!
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- 15 : 2014/04/20(日) 10:40:10 :
- 期待!!
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