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アニ「結晶の中から想う」
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- 1 : 2014/03/21(金) 22:53:47 :
-
「私は・・・・・・」
「許されないことをした・・・・」
「恨まれて当然のことを・・・・」
「でも・・・・・・」
「ここにいるのは・・・・」
「辛いよ・・・・・」
「寂しいよ・・・・・」
「怖いよ・・・・・」
-
- 2 : 2014/03/21(金) 23:06:23 :
「ここでは・・・・・」
「何も聞こえない・・・・」
「聞こえるのは・・・・」
「ただただ・・・」
「私の後悔の声だけ・・・・・」
「でも・・・・」
「それでも私は・・・・」
「やらざるを得なかった・・・」
「使命の為に・・・・・」
-
- 3 : 2014/03/21(金) 23:12:50 :
ーーー
ーー
ー
「アニ・・・・・」
「この世のすべてを敵に回したっていい」
「これだけは約束してくれ・・・・」
「絶対ここに帰ってくるって・・・・」
お父さんの
今にも泣き出しそうな顔
私の顔もきっと同じだろう
「うん・・・・・」
感情を押し殺して言った
それでも・・・・
「うん・・うん・・」ポロポロ
涙が止まらなかった
私のその姿を見て
「ああ・・」ポロポロ
お父さんも泣き始めた
その日は
私達の心情を表すように
たくさんの雨が降り続けた
-
- 4 : 2014/03/21(金) 23:16:08 :
ーーー
ーー
ー
「だから私は・・・・」
「絶対に帰らなければ・・・」
「いけなかった・・・・」
「でも・・・・」
「それももう叶わないだろうね」
「今はこの結晶の中にいるけど」
「出たらすぐに殺されるだろう」
「まずここからどうやって出るのか分からない」
「・・・・・・」
「あの時から・・・・」
「私の決心は揺らぎ始めた・・・・」
「あんたのせいだよ」
「エレン・・・・」
-
- 5 : 2014/03/21(金) 23:39:23 :
あの日はよく晴れていた
絶好のお昼寝日和だったと思う
「・・・・・・はぁ」
私はため息混じりに
得点が低く
やる意味のない
対人格闘をさぼっていた
そしたら
「よぉ・・・教官の頭突きをくらうのは嫌か?」
「それ以上背が縮むのはやだろ?」
ライナーが意味分かんないことを言ってきた
「はぁ・・・?」
エレン「ライナー止せって!」
すると
ライナーの後ろから
あんたは現れた
-
- 6 : 2014/03/21(金) 23:53:57 :
「いーや、こいつに兵士ってもんを教える」
こいつは何言ってんの?
てかライナー・・・
あんたは兵士じゃなくて
戦士じゃなかったっけ?
「そら・・・エレン」ポイッ
エレンの方へ
木で作られた
短剣が渡る
「オレがやんのかよ!?」
予想外のことで
驚いているみたいだね
「・・・・・・・」
「アニ!やり方は知ってるよな!?」
「いくぞっ!!!」ダッ
それでも向かってくるんだね
「はぁ・・・・!」ゲシッ
「うっ・・・・!?」ドサッ
めんどくさがりながらも
こいつの足を蹴る
「何だ・・・うっ!?」
「足を・・・蹴られたのか!?」
「くそ・・まだだ!」ダッ
懲りないね
けっこう強めに蹴ったのに
しょうがない
「ふん」ガシッ
「うっ!?」グルンッ
ドサアッ
エレン「」チーン
-
- 7 : 2014/03/22(土) 00:22:47 :
足を蹴って
1回転させて転ばせてやった
我ながら
なかなかの技術ではあると思う
「いてて・・・」
そう言うこいつを無視して
「はいっ」ポイッ
「・・・・・・・?」
「次は・・・・・・」
「あんたが私を襲う番だね」ゴゴゴ
「いや、オレは・・・」
「やれよ」
「!」
「やれよライナー」
「兵士ってもんを教えてやるんだろ」
「っ!ああ!」
「兵士には退けない状況がある」
「今がそうだ!!」クワッ
「ふん!」ゲシッ
ドサアッ
ライナー「」チーン
「すごい技術だな」
そう言われた
でも私は
「どうでもいい」
突き放すように言った
私は使命の為に・・・
ここで
皆と馴れ合う訳には行かないから
仲良くなると
後にきっと
《辛くなるから・・・》
-
- 8 : 2014/03/22(土) 00:28:18 :
「まずい教官だ!」
「!」バッ
「えっ!?」ドサアッ
「私は・・・・」
「こんな世界で兵士ごっこに興じられるほど」
「ばかにはなれないよ・・・・」
「・・・・・・」
「お前はとことん兵士には向かんようだな」
これでいい
これでいいんだ
私には
馴れ合いなんて必要ない
そう思ってた
-
- 9 : 2014/03/22(土) 10:22:38 :
ガヤガヤ
相変わらず食堂は賑やかだ
「・・・・・はぁ」
出されるのはいつも同じ
味が薄いスープに固いパン
食えるだけましってやつかな
「やんのか!!」
「おう!いいぜぇ!」
食堂が更に騒がしくなってきた
誰かと思えば・・・
「エレン、ジャン、やめなさい」
「いや、でも!」
「やめなさい」
「ちっ・・・」
「てめー…羨ましいんだよぉ!!」
「離せよ!服が破けちゃうだろうがぁ!!」
突っ込むとこそこなの?
とか不覚にも思ってしまった
「ふっ!」ゲシッ
「なっ・・・・!?」グルンッドサアッ
「!」
あれは・・・・!
「いってぇ…今何しやがった!」
「お前がのんきに過ごしている間に痛い目にあって覚えた技だ」
あれはさっき私がやったやつ
へぇ
ガチャァッ
「今しがた大きな音が聞こえたが…誰か説明してもらおうか?」
「サシャが放屁した音です」
「なっ・!?」
「慎みを覚えろ」
バタンッ
-
- 10 : 2014/03/22(土) 10:26:48 :
ーーー
ーー
ー
「あれが私とあんたの初めての出合いだったね」
「懐かしいね」
ーーー
ーー
ー
「どうだった?さっきのやつは?」
「全然なってない」
少しだけ笑みをこぼしながら言う
「えーーー…」
あれから私とこいつで
よく対人格闘をするようになった
「教えてあげようか?」
「え?やだよ。痛いのやだし」
こいつは・・・・
人が親切に教えてやろうとしてるのに
「ふんっ!」ゲシッ
「あっ・・・・!?」グルンッドサアッ
むかついたから
いつもより強めに蹴ってやった
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- 11 : 2014/03/22(土) 10:34:25 :
それからというもの
「アニ!いくぞっ!!!」ダッ
「はぁ・・・・」ゲシッ
「うおっ!?」
「懲りないね」
「勝つまで諦めないぜ」
「はあ・・・・」
こいつと対人格闘を
毎日するようになった
さらに・・・・
「・・・・・」パクッ
いつものように
旨くもないパンとスープを食べてると
「隣いいか?」
「・・・・・」
「黙ってるってことはいいってことだな」
いやいやそうはならないでしょ
「まっ座るぜ」
「はいはい」
食堂でも一緒に居るようになっていた
悪くはなかった
-
- 12 : 2014/03/22(土) 10:42:00 :
そんな日が何日か続くと
「・・・・・」ソワソワ
私の心に変化が起きた
あいつと対人格闘をするのが
毎日の楽しみになっていた
「アニ!いいか!」
「来な」
表情は冷静を装ってみるけど
少し嬉しくて
頬が緩みそうになったよ
「・・・・・」ソワソワ
「・・・・・」ジーー
「どうしたの?そんなにソワソワして?」
「!」
食堂でミーナが話し掛けてきた
「ソワソワしてないけど・・?」
「ふーーーん」ニヤニヤ
「」ビクッ
そんなにソワソワしてたのかな
ミーナが気付いたみたい
「誰かが来るのを待ってたとか?」
「!」
「ち、違うよ!別に死に急ぎ野郎なんて・・・」
「死に急ぎぃ?」ニヤニヤ
「あ・・・・」
やってしまった
つい口に出してしまった
「やっぱりね」
「エレンのこと・・・好きなんでしょ?」ボソッ
「好き・・・・なのかな?」
私はこの気持ちが何なのか
完全には分からない
だからそう答える
-
- 13 : 2014/03/22(土) 10:51:34 :
「エレンのことを考えると、胸がドキドキしたりする?」
「する」
「頭から離れない?」
「そんなときもある」
「はいー…それもう好きだね」
「・・・・・・・」
そう・・・・なんだ
この気持ちが
好きという気持ちなんだ
ここでは
誰とも
馴れ合わないつもりだったのに
それはもう無理だね
人を好きになってしまったから
「アニ!隣いいか?」
ミーナと話してると
いつものようにあいつがやって来た
「いいよ」
「ふふ…お邪魔かな?私」ニヤニヤ
「いや、別に邪魔じゃないぞ」
「そうー?でもアニが邪魔だよって顔してるから私は先に行ってるね!」ニヤニヤ
「えっ!?」
ミーナめ
勝手なことばっかり言って
邪魔なんて思ってないよ
でも二人きりになりたいっいう
気持ちは
少しあったかな
「ミーナのやつどうしたんだ?」
「さあね」
「なぁ…アニ」
「何だい?」
「今度の休日さ…出掛けない?」
「~~!?」ゴホッゴホッ
「!大丈夫か!?」
突然の言葉に驚いた私は
パンを喉につまらせてしまった
「大丈夫・・・でも急にどうしたんだい?」
「いやぁ、最近ずっと対人格闘でもお世話になってたし…お礼したいなって思って」
「ふーーん」
「いいよ」
「よっしゃぁぁ!」
すごい喜んでるね
まず断る理由なんてないしね
まあ…お出掛けか・・・
「ふふっ」
自然と笑みがこぼれる
-
- 14 : 2014/03/22(土) 18:50:28 :
「・・・・・」スタスタ
少し上機嫌になりながら
寮へと戻る
ガチャッ
私の部屋のドアを開く
すると
「アニ!どうだった?」
ミーナが飛んでくる
私はそれを
「邪魔なんて思ってないよ!」ゲシッ
蹴りで受け返す
「いたっ!?でも嬉しくかったでしょ!?」
「うっ・・・!・・・・うん」
うつむきながら
そう答える
「照れてるのかなぁ?」
「っ!また蹴られたいの?」
「すみません!」
「まっそれは置いといて…エレンに何か言われた?」
「何で?」
「だって嬉しそうな顔して部屋に入ってきたから」
「!」バッ
嘘
そんなに嬉しそうだったんだ
「ふふ…今さら無表情になったって遅いよ!」
「で!何があったの?」
「休日にお出掛けしようって」
「ふんふん…デートですな!」
「いや、お礼って・・・」
「絶対デートだよ!」
「そう・・・なんだ」
デートなんてしたことないから
楽しみ
「ねえねえ…何の話してるの?」
やってきたのは
訓練兵の間で
天使やら女神と呼ばれてるクリスタと
「何だなんだー?」
ユミル
「アニがね!明日エレンとデートするんだってぇー!!」
「ちょっ!」
「ふーーん」ニヤニヤ
「えぇー!デート!!?」
「うん!」
ミーナ
後でまた蹴っとかないとね
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- 15 : 2014/03/22(土) 18:51:12 :
「あの氷の女王がねぇ」ニヤニヤ
ユミル・・・
何かむかつくね
「いって!蹴るなってば!」
「じゃあ服決めないとね!」
クリスタが
楽しそうにそう言う
「それいいね!」
「えっ?」
「えっ?って・・・アニ…明日いつものパーカーで行くつもり?」
「うん」
パーカー着やすいし
動きやすいし
私は好きだからね
「だめだよ!おしゃれしないと!」
「私たちがやってあげるからね!」
「えっ?」
「面白そうだな」ニヤニヤ
「じゃあ!明日は早く準備しないとね!」
「そうだね」
嘘ぉ・・・
私が・・・おしゃれなんて
きっと似合わないよ・・・
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- 16 : 2014/03/22(土) 18:59:07 :
そして迎えた休日
「アニ!起きて…起きてよ!」
「うぅーーん」
朝早くから
ミーナに起こされる
「もぉ…起きないなら…こうだ!」
「!」
「寒い・・・」ブルブル
布団取られた
こうなるの起きるしかない
「アニが起きないからだよ!」
「はいはい・・・・」
「さぁ…ショータイムだよ!」
「なにそれ・・・・」
気が進まないなか
私はミーナに連れてかれる
「あっ!来た来た!」
「やっと来たか」
「私はどうすればいい?」
「まあまあ…座って座って!」
「・・・・はあ」
無理矢理椅子に座らされる
「ジャーーーン!」
いつもよりも元気な声で
クリスタが色々服を出す
「うーん…やっぱスカートかなぁ?」
「いや、ショーパンでも良さそうじゃないか?」
「悩むね・・・」
「アニ!どっちがいい?」
「私は・・・・」
スカートなんて履いたことない
だから
履きたいとか思ってしまった
「す、スカート・・・?」
慣れない言葉だから
少し言うのに手間取ってしまう
「スカート・・・」
「いいね!」
「はいはい!履いてみよぉー!」
「わっ!ちょっ!自分で履けるよ!」
-
- 17 : 2014/03/22(土) 19:08:52 :
「わぁぁ…可愛い!」
「ああ…似合ってるな」
「あっ…髪もおろしてみようよ!」
「えっ?」
「おろして!!」
「・・・うん」
強引におろす感じになる
「どう・・・?」
「・・・・・・・・」
反応がない
やはり似合わなかったみたい
「すっ」
「すっごく可愛い!!」
「ほんと!!」
「お前・・・ほんとにアニか?」
あれ?思ってた反応と違う
それでも
可愛いって言われるのは
悪くないね
「これなら…エレンもイチコロだね!」
「うん!ほんとほんと!」
いや…別に
エレンを惚れさせるのが目的じゃないけど
まあ
それなってもいいなとか
思ってしまう
自分が居た
-
- 18 : 2014/03/22(土) 21:14:28 :
「・・・・・・・・」ソワソワ
そろそろ時間になる
私は待ち合わせ時間よりも早く着いて
その時を待っていた
こうゆう時って
男の子のほうが待ってるもんじゃないの?
とか思ってみるけど
私が楽しみ?で
勝手に早く来ただけだからね
何も文句なんて言えないさ
「はぁ・・・・はぁ・・」
すると
息を切らしながら
走ってくる
来たね
「はぁ・・・アニは・・・まだみたいだな」
えっ?
ちょっと
私居るよ?
「ねぇ」
背後から話しかける
「はい?」
キョトンとした顔で
私の顔を見つめてくる
「どなた・・・ですか?」
「はぁ」
「これで分かるかい?」ゲシッ
「なっ・・!?」グルンッドサアッ
いつものように
一回転させる
「なっ・・!?まさか・・?」
「アニィィ!?」
すごい驚いてる
そんなに驚くもんなのかな
-
- 19 : 2014/03/22(土) 21:53:11 :
「まじかよ」
「アニだと思わなかったぞ!」
これは
嬉しいのか
悲しいのか
よく分かんないね
「そう・・・」
「可愛いな!すっげぇ似合ってるぞ!」
「~~~っ!!!」ゲシッ
「ちょっ!何で蹴るの!?」
顔が熱い
きっと赤くなってるのかな
期待はしてなかったけど
可愛い・・・・か
ふふ
悪くないね
でも
恥ずかしさのあまり
蹴ってしまったのは
悪かったね
「さっ…行こうぜ」
「う、うん」
ぎこちない返事で私はそう答えた
-
- 20 : 2014/03/22(土) 22:19:03 :
「どこ行くんだい?」
「いや…ちょっと一緒に食べたいものがあったり…買い物したかったり」
「そう」
会話しながら
どんどん歩いていく
「おっ!ここ!ここ」
「ここは・・・・?」
「アイスクリーム?とかいう食べ物が売ってるらしいんだ」
「それを食べたくてな!」ニコッ
屈託のない笑顔で
こいつは言う
「ちょっと待ってろよ」タッ
-
- 21 : 2014/03/22(土) 22:41:42 :
「ほらっ!」スッ
「ありがと」
「ん」パクッ
「おいしい・・!」
こんなの
初めて食べたよ
冷たくて
おいしい
「ほんとだなっ!」
「あ、アニ」
「どうしたの?」
「ん」スッ
「えっ・・!?」
そう言いながら
こいつは突然頬を触ってくる
「な、何してんだいっ!」
動揺を隠せない私は
慌てながら
言葉を発する
「いや…アイスがついてたからさ」
「そ、そう」
「あ、ありがと」
素直に礼を言った
でも私の顔は
素直過ぎるくらい
真っ赤になっていく
-
- 22 : 2014/03/22(土) 23:50:01 :
「次は…」
「ここ・・・かな」
「服屋?」
「おう!女の子って何が欲しいのか分かんなかったけど…」
「服で良かったかな?」
「うん…大丈夫だよ」ニコッ
嬉しかったから
素直に笑顔で答えた
「どれがいい?」
「これでいいよ」
「これって…パーカー?」
「うん、好きなんだ」
「そっか…分かった!」
「はい、買ってきたぞ!」
「うん。ありがとね!」ニコッ
「っ!」
「アニ…笑った顔今日初めて見たけど…めちゃくちゃ可愛いなっ!」ニコッ
「あ、ありがと。嬉しいよ」
こいつは
そんな恥ずかしいことを
よく普通に言うね
いつもなら蹴るところだけど
嬉しいから
許してあげる
-
- 23 : 2014/03/22(土) 23:50:48 :
「・・・・・・」スタスタ
「・・・・・・」スタスタ
二人で
来た道を戻っていく
「アニ…ちょっとあそこいいか?」
「いいよ」
近くのベンチへ座る
「で、何だい?」
「・・・・・」
あっ・・・・
珍しいね
こいつが
私でも分かるくらいに
顔が赤くなってるよ
「アニ・・・」
「オレさ・・・・」
「アニのことが好きなんだ」
「だから、オレと」
「付き合ってください!」
初めて受け取った
その言葉
嬉しい・・・・
嬉しいよ・・・
ライナー・・・・
ベルトルト・・・・・
今・・・・
兵士でいる間だけは・・・・
素直に
自分に素直になってもいいかな・・・?
-
- 24 : 2014/03/22(土) 23:55:24 :
自分にそう言い聞かせて
決心して一言
「私も」
「エレンのこと好きだよ」
「アニ…初めて名前で呼んでくれたな」
「ありがとう」
「こちらこそ」
「これからよろしく」
「ああ…よろしくなっ!」
エレンはそう言って
私のことを抱き締める
それに反応して
エレンの背中に回る私の腕に
力が入っていくのが分かる
-
- 25 : 2014/03/23(日) 00:00:35 :
「そろそろ戻ろうぜ」
「うん」
私はそう言った後に
エレンの手を
そっと取った
「!」
エレンの驚いた顔が見える
それを気にしないで
強く・・・・
強く・・・・
エレンの手を握る
今感じられる
幸せなひとときを
噛み締めるかのように
-
- 26 : 2014/03/23(日) 00:10:41 :
ーーー
ーー
ー
「あれが初デートだったね」
「初デートで告白されたのには驚いたよ」
「まあ…嬉しかったから良かったけど」
「懐かしいね・・・・」
「二人して赤くなって」
「楽しかったな・・・・」ぽろぽろ
ーーー
ーー
ー
-
- 27 : 2014/03/23(日) 00:20:00 :
「アニィィィ!!!」
とんでもない形相をしたミカサが
私の方へ飛んでくる
何となく理由は分かる
「アニ!エレンと付き合っているってゆうのはほんとなの!?」
やっぱりね
ミカサが黙ってないと思ったからね
「ああ…ほんとだよ」
嘘、偽りなんて何もないからね
あるとすれば
言うのが少し
恥ずかしいことかな
「嘘だ!」
「エレンに聞けば分かるよ」
「どうしたんだ?」
タイミング良くエレンがやってくる
「エレン…アニと付き合ってるのはほんと?」
「なっ!?お前…何でそれを!?」
「エレンのことなら何でも分かる」
「で、ほんとなの?」
「ああ…ほんとだ!!」
「ああ…なんてこと」フラッ
ミカサがその言葉を聞いて
力なく
その場に崩れ落ちる
「エレンは幸せ?」
「ああ!」
「エレンが幸せなら・・・いい」
「アニ…エレンを捨てたら・・ほんとに削ぐから」
女の子とは思えない殺気を放ち
私にその言葉を送ってくる
「分かった」
-
- 28 : 2014/03/23(日) 00:21:46 :
ーーー
ーー
ー
「あの時のミカサは怖かったね」
「ほんとに」
「削がれると思った」
「今思えばいい思い出なのかな」
「約束はやぶっちゃったけどね・・」ぽろぽろ
ーーー
ーー
ー
-
- 29 : 2014/03/23(日) 00:51:41 :
「アニ!」
「何だい?」
「今日…アニの誕生日だろ?」
「うん」
へぇ…
教えてないんだけど
よく知ってたね
誰かから聞いたのかな
「だから、これ…誕生日プレゼント」
「受け取ってくれ」
恥ずかしそうに
私に
小箱を渡してくる
「開けてもいい?」
「おう!」
パカッ
そこにあったのは
「指輪…?」
「ああ!つけてくれないか?」
「わ、分かった」
指輪なんてもらったことなくてさ
嬉しすぎたよ
「どう?」
「すっげぇ似合ってる!」
「ふふ…ありがとね」ニコッ
エレンといると
自然と笑顔がこぼれるようになった
「これからも一緒に居てくれよ」
「・・・・うん」
嬉しいその言葉
なのに・・・・・
辛い
-
- 30 : 2014/03/23(日) 00:54:03 :
「・・・・・」スッ
「!」
返事をしてから
私は
そっと
エレンの唇に
私の唇を重ねた
「~~っ!!!」
「ぷはっ…嫌だった?」
「全然…ただ恥ずかしいかったかな」
「そう…私のファーストキスだよ」ニコッ
「お、おう」
私だって恥ずかしかったよ
でも
したくてしょうがなかった
しなきゃいけないと思ったんだ
その時実感した
いいや
二人が実感したはず
愛し合ってる・・・・と
その日は
私たちが
所属兵団を決める前の日だった
-
- 31 : 2014/03/23(日) 01:41:52 :
あの日以降
エレンとは会話しなかった
そして
いつものように3人で集まって
「いよいよ明日だ」
「準備は大丈夫か?」
ライナーが言う
「ぼくは大丈夫だけど…」
言葉をつまらせながら
ベルトルトが私の方を見る
「大丈夫だよ」
「エレンは…」
「やめてっ!」
「!」
私は自分でもびっくりするくらい
大きな声で言った
ライナーとベルトルトも
すごくびっくりしてる
でも叫ばないと耐えれそうになかった
エレンの名前を聞くだけで
やりたくないっていう気持ちが
出てきてしまうから
「すまん…」
「とにかく明日だ」
「心してかかるからな」
そう言って解散した
私は
「うっ・・・うぅ・・・あぁぁぁぁぁぁぁ・・!!」ぽろぽろ
泣いた・・・
ひたすら泣いた・・・
泣かないって決めてたのに
涙が止まらなかった
「うっ・・・ひっぐ・!あぁぁぁ・・!!」ぽろぽろ
人がいなくなって
私しか居ない
夜空の下で
私は
泣き叫び続けた
-
- 32 : 2014/03/23(日) 01:42:37 :
ーーー
ーー
ー
「っ…!」ぽろぽろ
「今でも・・・その時を考えると・・」ぽろぽろ
「涙が出てくるんだ・・」ぽろぽろ
ーーー
ーー
ー
-
- 33 : 2014/03/23(日) 01:42:54 :
「・・・・」バシュッ
「兵長か!?」
「・・・・・」ザクッ
ごめんなさい
「・・・・」
「グンタ!!?」
「エレンを守れぇ!!」
「くそっ!エルド!どうすればいい!?」
「とにかく本部の方へ!!」
「かかってこい!刺し違えてでも倒す!!」
「キィィヤァァァ!」
「止めだぁ!」バシュッ
パクッ
ごめんなさい・・・・
「何でよ…何で!!」
「ペトラぁぁぁぁぁ!!」
グシャッ
ごめんなさい・・・・・
「おい…死ね」バシュッ
ブオンッ
ごめんなさい・・・
「お前を…殺す!」
-
- 34 : 2014/03/23(日) 01:43:35 :
ーーー
ーー
「あーーー・・・」パクッ
「・・・・」
「エェェェレェェェェン!!」
「待っててね…その女の身体中かっさばいて…助けてあげるからね」バシュッ
「・・・・・」ドスドス
「かえせぇぇぇぇ!!!」
ーーー
ーー
「オレがやつを削る…お前は注意を退け」
「らぁぁっ!!」バシュッ
「ずらかるぞ」
「・・・・・・」ぽろぽろ
なぜ涙が出たんだろうね
エレンを連れていけなかったから?
エレンに殺すって言われたから?
分からない
でも
人を殺すのは
嫌なもんだね・・・・
それに好きな人と戦うのも
辛いよ
-
- 35 : 2014/03/23(日) 01:46:38 :
「アニ…どうして…」
「おい!嘘だろ!いいからこっちに来いよ!」
「行けない」
「あんたみたいな勇敢な死に急ぎには…かよわい乙女の気持ちなんて分かりやしないよ」
行けるもんなら
行きたかった
エレンの方へ
でも
その感情を押し殺して言った
私には帰らなければいけない
場所があったから
「不毛…」
-
- 36 : 2014/03/23(日) 01:50:39 :
「アニ…落ちて」
ヒューー
ーーー
ーー
ー
「そして、私は今・・・・」ぽろぽろ
エレン
今何をしてるの?
どんなことを考えてるの?
「私は・・・・」ぽろぽろ
後悔と・・・・
あなたのことを想ってるよ
もしも・・・・・
こんな世界じゃなくて・・・・
巨人なんて居なくて
使命なんてものもない
世界だったら・・・・
あなたと
「愛し合えたのかな」ぽろぽろ
会いたい・・・・
会って抱き締めたい・・・・
「あの楽しかったな時みたいに」ぽろぽろ
戻りたい・・・・
「あの幸せだった時に」ぽろぽろ
-
- 37 : 2014/03/23(日) 01:54:04 :
ただ
あなたに会えるだけでもいいから
私は・・・・
いつか
あなたが
この結晶から助け出してくれる
そんな夢みたいなことを
毎日考えてるんだ
そんなことなんて
「あり得ないのに」ぽろぽろ
でもそんな日が来ればいいな
-
- 38 : 2014/03/23(日) 01:58:42 :
エレン
あなたのこと
この世界の誰よりも
私は
大好きだったよ
ほんとに・・・・
「こんな世界じゃない・・・!」ぽろぽろ
「せがいで会いだがったぁぁ…!!」ぽろぽろ
今までしてきた
自分の行動への反省、後悔
そして
あなたのことを想いながら
私は今日も
いつまで続くか分からない
この長い長い
時を過ごす
結晶の中より
あなたへの愛を捧げる
ーー完ーー
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- 39 : 2014/03/23(日) 02:00:50 :
文章作る才能ないですが
見てくれる人が居たら
ありがとです
これで終わりです
結晶の中のアニのことを考えると
ちょっと胸が痛みますね
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- 40 : 2014/03/23(日) 02:03:19 :
- 泣けますね…
でも凄いです!!どうか原作で幸せになって欲しいですね!!(泣)こらからも期待してます!!
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- 41 : 2014/03/23(日) 02:07:38 :
- >>40
ありがとうございます(泣)
ほんと原作のアニには
幸せになってもらいたい(;_;)
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- 42 : 2014/03/23(日) 02:13:59 :
- 素晴らしい泣
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- 43 : 2014/03/23(日) 02:21:59 :
- >>42
そういってもらえると
嬉しいです(泣)
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- 44 : 2014/03/23(日) 12:49:18 :
- これはマジ泣けた(;_;)素晴らしかった乙
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- 45 : 2014/03/23(日) 13:59:36 :
>>44
ありがとです(泣)
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- 46 : 2014/03/23(日) 14:00:16 :
http://www.ssnote.net/archives/12781
↑こんな感じで
また新しいの書きます
良かったらどうぞ
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- 47 : 2014/03/23(日) 14:02:33 :
- アニ・・・。
泣きました・・・、お気に入り登録します><
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- 48 : 2014/03/23(日) 23:26:38 :
- この世界は残酷だ…そしてとても美しい…
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- 49 : 2014/03/30(日) 23:22:59 :
- ジャン『好きという気持ち』エピソードオブ『ジャンミカ』「執筆中」
http://www.ssnote.net/archives/13325
アニ『好きという気持ち』エピソードオブ『エレアニ』
http://www.ssnote.net/archives/13422
このシリーズとしての次作品です
良かったらどうぞ
>>47
>>48
ありがとうございます(泣)
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- 50 : 2014/04/01(火) 23:12:19 :
- なんで俺はこんなに切ないけど素晴らしいssをもっと早く見つけて読まなかったんだ(。-_-。)
ほんと原作のアニに幸せになってほしい( ;つД`)ブワッ
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- 51 : 2014/04/01(火) 23:14:52 :
- >>50
そう言ってもらえると嬉しいです(泣)
原作のアニには
ほんとに幸せになってほしい。・゜゜(ノД`)
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- 52 : 2014/04/02(水) 00:44:14 :
- とっても感動
しました、
いままでで一番の感動
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- 53 : 2014/04/03(木) 22:27:15 :
- アニ…… いつか本当にエレンが迎えに来てくれるといいな (T T)
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- 54 : 2014/04/28(月) 02:29:34 :
- 感動しました。
ア二あんまり好きじゃなかったけど、幸せになってほしい
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