この作品は執筆を終了しています。
クリスタ「夕焼け」
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- 1 : 2014/03/19(水) 18:03:55 :
- こんばんは。
この作品は、
ミカサ「夕焼け」http://www.ssnote.net/archives/12336
の続きとなりますので、上の方も合わせて是非ご覧下さい。
明日から執筆予定です、よろしくお願いします。
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- 2 : 2014/03/19(水) 18:15:37 :
- あ、すいません、ちょっと訂正…
ミカサ「夕焼け」の続きではなく、別視点バージョンです!
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- 5 : 2014/03/20(木) 13:31:29 :
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辛い…。
クリスタは思わず顔をしかめた。
今日の訓練は、いつも以上にハードだった気がする。
立体機動の訓練は、今だに慣れない…というか、普通の人は慣れていない。
(そんなのを平気でこなすミカサは…すごいなぁ)
今日もミカサは涼しい顔をして、見るからに疲れているエレンと話していた。
「うるせぇ」「俺は疲れてるんだ」「…お前は俺の姉ちゃんかよ」とエレンが言っているのが聞こえる。
(…さ、早く兵舎に戻って……)
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- 6 : 2014/03/20(木) 13:48:57 :
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「……よぉ、クリスタ。兵舎まで一緒に行こうぜ。」
「あ、ユミル…。うん、行こう!」
いつもなら、ユミルにいきなり飛びついて肩を組まれるのだが…
今日は、クリスタに近づいてくるだけだった。
「ユミル…、疲れてる?」
「ああ、今日は流石にな…みんなそうだろ。」そう言って、苦笑をする。
「えぇ、私も今日はいつも以上に疲れたわ…」
兵舎まで行く間、クリスタとユミルは一言も話さなかった。
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- 11 : 2014/03/20(木) 22:01:40 :
でも、その疲れを一気に癒してくれるものがあった。
部屋に戻り、自分のベッドに身を投げ出すように倒れこむと、窓から何かをみつめているミカサに気がついた。
彼女の顔は、いつもの無表情ではなく、何かを懐かしむような、でもそれでいて、どこか悲しそうなもので。
ミカサをそんな表情にさせるものが何か気になり、横から窓の外をのぞくと、そこには-
「うわあ、綺麗な夕焼けだね!」
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- 12 : 2014/03/20(木) 22:07:44 :
- 思わず声を上げ、隣のミカサに微笑むと、ミカサもそうね、と僅かに微笑んだ。
クリスタの声につられたように、サシャとユミルもその夕焼けを見た。
ユミルがサシャにちょっかいを出した。サシャも負けじと反論する。
また始まった…とクリスタは少し呆れた。
「……、クリスタは私の中でいつもナンバーワンだ。」
わしゃわしゃといきなり頭を撫でられ困惑したが、ユミルがいつもの調子に戻ってくれて良かった、と思う。
(夕焼け、か…)
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- 15 : 2014/03/20(木) 22:19:22 :
昔、訓練兵団に入団する前、クリスタはウォール・シーナ内のレイス家が所有する牧場にいた。
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- 16 : 2014/03/20(木) 22:24:30 :
物心つく前から牧場の手伝いをし、母や祖父母、牧場の人とは全く話さなかった。
手伝いは大変だし、人と話さないのは多少寂しかったが、クリスタは孤独ではなかった。
…彼女には、動物という友達がいたから。
たとえ、毎日が辛くても、
たとえ、周りから白い目で見られても、
たとえ、自分が生きていることを快く思われていなくても、
動物達は、みんな優しく、なついてくれた。
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- 17 : 2014/03/20(木) 22:30:29 :
ある日、ちょっとした興味で、クリスタは初めて母に抱きついてみた。
すると、母は、クリスタを突飛ばし、目に涙を浮かべて、こう言った。
「こいつを殺す勇気が…私にあれば…!」
母は、そのあと走ってどこかへ行ってしまった。
クリスタは、ただその姿を見つめていた。
後には、例えがたい虚無感が、募っていくだけであった。
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- 19 : 2014/03/20(木) 22:38:30 :
その日、夕方になり、ふらりと馬小屋に行くと、一頭の馬が、ヒヒーン、と鳴いていた。
頭をなでると、彼は嬉しそうに喉を鳴らす。
その近くに座って、なんとなく空を見ると―
(夕焼け…)
空はオレンジ色に染められ、ゆっくりと動いていた。
カラスが鳴き声をあげながら飛んでいく。
夕方の涼しい風がわ、クリスタの横を吹き抜けた。
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- 20 : 2014/03/20(木) 22:44:09 :
「ねぇ、私さ、お母さんに、『こいつを殺す勇気があれば』って言われたの。」
「私って…必要とされてない存在なのかなぁ…」
愛馬に、話しかけてみる。
馬は、ただじっとクリスタを見つめている。
その目に、クリスタの姿がうつった。
(馬に言っても、伝わらないか…)クリスタは心の中で、思わず苦笑いをした。
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- 21 : 2014/03/20(木) 22:47:27 :
もう一度、夕焼けの空を見上げる。
眺めていると、あることに気がついた。
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- 22 : 2014/03/20(木) 22:50:43 :
私がこの世界でいくら必要とされていなくても、
夕焼けはとても綺麗で。
きっと、私がこの世界から消えても、
「世界が悪く変わることなんて、ないんだ。」
クリスタが呟いたあと、そこには重たい沈黙がのしかかった。
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- 23 : 2014/03/20(木) 22:57:03 :
(あの日―私の中で自殺衝動が本格的に出てきた日も、こんな感じの綺麗な夕焼けだったよなぁ…)
部屋の窓から、オレンジと赤黒いような色が絶妙に混じり、なんとも言えない色を醸し出している夕焼けを見ながら、クリスタはふと、思った。
(………‘ヒストリア・レイス’を皆知ったら、どんな反応をするんだろうか…)
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- 28 : 2014/03/20(木) 23:40:55 :
カーン カーン
遠くで夕食の鐘がなる。
「夕食ですよっ、みなさん、お先です!」
サシャが物凄い勢いで食堂へ走っていく。
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- 31 : 2014/03/20(木) 23:45:10 :
「…もう、足音があんなに遠い。」
「いつもの事だろ…。」ユミルも、はぁ、とため息をつく。
「それよりお前、ミカサを起こしてやれ。」
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- 34 : 2014/03/20(木) 23:55:59 :
「あ、、、うん。」
ミカサは確かに、先程から物思いにふけっているのかボーッと夕焼けを見ていた。
「おーい、ミカサ?ミカサー?ミカサ?」
彼女の顔をのぞいて声をかけると、はっと我に返るようにして、クリスタとユミルを見た。
「なんだか、考え事してたみたいだけど…。夕食の鐘が鳴ったから。」
「…そう。」
「おい、さっさと行かねーとあの芋女にパン取られちまうよ。」
「…そうね」
ミカサとドアの方へと歩く。
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- 36 : 2014/03/21(金) 00:03:24 :
ユミルが開けているドアの外に出ると、ミカサが隣にいないことに気づいた。
ミカサはまた、夕焼けを眺めている。
よっぽど、思い入れがあるんだろうなぁ
そう思って、クスリと笑った。
「ミカサー?食堂まで一緒に行こーよー!」
「…今行く。」
ミカサはドアを閉め、小走りにクリスタの方へ来た。
…食堂に着いてから、サシャとのパンを巡る争奪戦が繰り広げられたなんて、言うまでもない。
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- 37 : 2014/03/21(金) 00:04:17 :
クリスタ「夕焼け」
終わり
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- 38 : 2014/03/21(金) 00:10:49 :
- …なんだか、微妙な終わりかたになってしまい、申し訳ないですが、終わります。
支援してくださった方、期待してくださった方、ありがとうございます!
次作は、ちょっと長編を書いていきたいと思います!そちらも是非、見ていただければ幸いです。
また、感想を書いてくださると、嬉しいなぁ、なんて、言っておきますw
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- 39 : 2014/03/21(金) 00:20:24 :
- とても面白かったです!!
夕焼けをバックに繰り広げられてるストーリーなので
常に夕焼けが頭に浮かんで、その中でクリスタの過去を
振り返る場面なんかはとても良かったです!!
次作も頑張ってください!!
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- 40 : 2014/03/21(金) 00:27:03 :
- いつもGLORIOUSさんにはコメントを頂いていて、励みになってました。
ありがとうございます!
次作も、頑張ります!
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- 41 : 2014/03/21(金) 12:13:41 :
- すごく良かったですよ!
キャラ崩壊もなかった!
シリアスっぽいけど笑えるのがよかったですー
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- 42 : 2014/03/21(金) 16:16:49 :
- soraさんありがとうございます!
キャラ崩壊なくて良かったですー
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