この作品は執筆を終了しています。
ジャン『どうしようもないくらい』ミカサ『君が好きなんだ』 〜オレンジ〜 前編
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- 1 : 2014/03/15(土) 18:08:08 :
- このSSは現パロで、GReeeeNさんの『オレンジ』を聞いて思いついたものです。
GReeeeNさんの曲に対する誹謗中傷はご遠慮ください。
自分なりの解釈が含まれますが、おつきあいいただければ幸いです。
ジャンミカ。
更新カメさんですが、よろしくお願いします!
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- 2 : 2014/03/15(土) 18:19:10 :
夕方、1つ2つと星が出てきた。
綺麗な夕焼けを見ていると思い出す。
【あの日】の帰り道の
並び歩いた【何気ない日】の
あの綺麗な夕焼け空を…
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- 3 : 2014/03/15(土) 18:22:05 :
Chapter1 : はじめて
エレン『おーい、ミカサ!帰るぞ』
ミカサ『今行く』
私、ミカサ・アッカーマンとエレンは家が近所の幼馴染。毎週月曜日はエレンと帰れる唯一の日。自分の好きな人と帰れるのは誰にとっても嬉しいこと…私も同じ
でも…
ピリリリリリリ…
エレン『っと…悪い、クリスタから電話だ。先行っててくれ』
ミカサ『…わかった』
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- 4 : 2014/03/15(土) 18:28:30 :
私の好きな人には、彼女がいる。私より小さくて可愛い…
だから正確に言えば、エレンはもう好きな人ではなく好きだった人。
初恋だった、告白しないまま終わった。
辛くないと言えば嘘になる。
もう吹っ切れたとは思っているけれど…
せっかくの特別な月曜日も、エレンがいなければただの月曜日だ。
1人で帰ることにする。
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- 8 : 2014/03/16(日) 10:49:17 :
数m前を同じ高校の制服を着た男子が歩いている。
私も彼も、毎日この道を使って帰るのだ。
余程のことがなければ、毎日【一緒に】帰っている。
いつもこの距離感を保って
いつからこうやって歩くようになったのだろう。
はじまりは…【なんとなく】
こう言うべきだと思う。
お互い、顔も名前も知らない。
もちろん、声すらも。
でも私は、少し前を歩く彼のおかげで、エレンと帰れない日も独りじゃないと思えている…私の勝手な思いだけれど。
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- 9 : 2014/03/16(日) 10:52:42 :
交差点を渡り、裏道へ入ってからから3つ目の角。
私の家はこの角を曲がってすぐそこ。
彼は直進、同じ道はここまでだ。
私がエレンと一緒に帰る時も、1人の時も、いつも前を歩いている夕焼け色に染まった背中。
いつもそのまま歩いて行ってしまうその背中が不意に振り返り、目があった。
刈り上げた焦茶の髪
鋭い、でもどこか優しい目
お互い、初めて相手の顔を見た。
彼の目に、私はどう映っているのだろう…
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- 10 : 2014/03/16(日) 11:10:06 :
そんなことを考えたからか、期せずして彼と目があったからか、私は自分の頬が紅くなっていくのを感じる。
『今日は1人なんだな』
初めて聞く彼の声に緊張する。
ミカサ『ええ…いつもこの日は2人なんだけれど』
『知ってる、いつもお前らの声聞こえるから』
聞こえてたんだ、変な話してなかっただろうか。
『…顔赤いな、熱でもあんのか?』
どうしよう、気づかれてしまった。
どうにか誤魔化さなくては。
なんて言おう…
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- 12 : 2014/03/16(日) 11:45:35 :
ミカサ『…きっと、夕焼け空の色が反射しているんだと思う』
自分でも何言ってるんだと思う。
とっさに、空の色のせいにするなんて…
『そうか、ならよかった。呼び止めて悪かった、じゃあな』
ミカサ『っ…待って!』
思わず呼び止めた、このままじゃいけない気がして。
ミカサ『私は、ミカサ・アッカーマン。あなたの、名前は?』
『…俺はジャン・キルシュタイン。よろしくな』
そう言って彼は行ってしまった。
明日も会えるだろうか
明日も話せるだろうか
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- 25 : 2014/03/16(日) 18:17:18 :
Chapter2 : 違う色の背中
今日は朝から彼を探したが、校舎のどこにも見つけることはできなかった。
私の教室のある校舎が、他の教室のある校舎と別だからかもしれない。
私の学校は校舎が2つあるのだ。
帰りには会えるだろうと思っていると、先生から放課後に委員会があると告げられた。
少しイラっときたがすぐに思い直す。構わない、委員会の日も余程のことがなければ彼と帰る時間は同じだ。特に問題はないだろう。
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- 26 : 2014/03/16(日) 18:23:04 :
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あんなこと思っていた私が甘かった、予定よりもかなり長引いてしまった。
今日の致命的な遅れは余程のことに入る…きっと帰ってしまっただろう。
『よう』
そう思い込んでいた私が、校庭横の通路で出くわしたのは
ミカサ『ジャン…!どうしてこんな時間に…用事か何か?』
彼だった。
ジャン『…んーまぁそんなところだ』
それだけ言って歩き出してしまった、慌てて後から追いかける。
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- 27 : 2014/03/16(日) 18:29:57 :
もう帰ってしまったと思ってた。
でも、いつもみたいに少し前を歩いている。
だいぶ遅くなってしまったのでもう辺りは真っ暗だ。
いつもと違う色の背中が見える。
夕焼けのオレンジと、夜の青が混ざったような不思議な色。
夢なんじゃないか、そう思って自分の頬をつねる。
痛い
また、話せたんだ。夢じゃ、ないんだ。
なぜか緩んでくる頬を必死に隠しながら歩いた。
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- 36 : 2014/03/17(月) 13:48:07 :
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帰り道はこんなに短かっただろうか、あっという間に3つ目の角がすぐそこまできてしまった。
彼は直進、私は右折。
ここでお別れだ。
ミカサ『じゃあ、私はここで』
ジャン『おう』
なんだかとても幸せな気分だ。
でもそれは、単に彼と帰れたから嬉しいというものではない…ようだ。
何なんだろう、この感情は…
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- 37 : 2014/03/17(月) 13:53:25 :
Chapter3 : わからない
昨日はなんだかとても嬉しかった。
今日は何もないから、きっとまたあの夕焼けの中、あのオレンジ色の背中を見ながら帰れる。
そう思うと、またふわふわした気持ちになる。
エレン『ミカサ今日すげぇ嬉しそうだな』
今日の朝は、たまたまエレンに会って一緒に登校することになった。
それはとても嬉しいこと。
だが、彼と話せた時の嬉しさとはまた違う気がする。
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- 38 : 2014/03/17(月) 13:59:05 :
しかし、あの鈍感なエレンにまで言われてしまった…顔に出ているのだろうか。
ミカサ『いろいろあったの』
エレン『なんだよ教えろよ!』
ミカサ『ふふ、内緒』
笑いながら答える。
そんな私が視界の端に捉えたのは、交差点をわたっている彼。
ミカサ『ーーっ!エレン、先に行ってて!』
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- 39 : 2014/03/17(月) 14:07:51 :
エレン『え?お、おいミカサ!?』
急いで彼の背中を追いかける。
ミカサ『…!?』
全力で走ったつもりだったが一歩及ばず、信号は青から赤へ変わっでしまった。
彼の背中はどんどん遠ざかる。
ああ、あと少しだったのに…
エレン『ミカサ?どうしたんだよ急に』
ミカサ『いえ、なんでもな……』
あれ?
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- 40 : 2014/03/17(月) 14:24:12 :
どうして私は、彼を見た瞬間走り出したの?
せっかくエレンと一緒に登校できてたのに
どうして?
それに、追いつけなかっただけなのにどうしてこんなに気持ちが沈むの?
ミカサ『わからない…』
エレン『?????』
何なんだろう、この感情は…
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- 41 : 2014/03/17(月) 15:09:02 :
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昼休みになった。
先生に呼ばれていたのを思い出し職員室へ行く。
その途中で
彼を見つけた。
ミカサ『ーーっ!』
今度こそ、追いつきたい。
話したい!
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- 46 : 2014/03/17(月) 17:36:19 :
ミカサ『ジャン!』
ジャン『…あ、お前か』
今度は気づいてもらえた、やっぱりなんだか嬉しい。
ミカサ『あ、えっと…呼び止めてごめんなさい。話したくて…』
ジャン『?俺に何か用事?』
ミカサ『いえ…あの…そういう訳じゃ…』
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- 47 : 2014/03/17(月) 17:44:58 :
ジャン『ならもう行かねえと、次移動教室だからよ』
ミカサ『あ、ごめんなさい…』
やってしまった
ただ自分の感情に任せて話しかけてしまった。彼だって、私と同じ学生で、忙しいのに…
ジャン『…それじゃ、またな』
それでも彼は、またな、そう言ってくれた。
また、話しかけていいんだろうか。
よし、今日の帰りは頑張ってみよう。
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- 48 : 2014/03/17(月) 17:48:22 :
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今日も彼は前を歩いている。
不思議な感じ、昼休みに声をかけたのに久々な感じがする。
帰りが待ち遠しかった。
授業中も、ずっと彼のことを考えていた。いつもならエレンのことを考えるのに…
最近の私はおかしいのかもしれない
ふと前を見ると、3つ目の角がすぐそこにある。
どんどん遠ざかる彼の背中
ああ、頑張るって決めたのに…
ミカサ『…ジャン!』
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- 49 : 2014/03/17(月) 17:49:20 :
- >>48は私です、ごめんなさい(´・_・`)
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- 50 : 2014/03/17(月) 17:50:41 :
昨日みたいに呼び止めた。
ここで勇気を出さなきゃ、また後悔すると思ったから…!
彼がゆっくり振り返る。
ミカサ『ま、また明日!』
ジャン『…おう、また明日な』
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- 51 : 2014/03/17(月) 17:51:26 :
そう言って彼は
笑った。
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- 52 : 2014/03/17(月) 18:15:21 :
ミカサ『ーーっ!』
始めて見た彼の笑顔
きっと今、私の頬はまた紅くなっているに違いない。
もう夕焼け空のせいにするのはキツいぐらい、真っ赤に
嬉しい、ふわふわする、モヤモヤもするし…恥ずかしい。
なんなんだろう、この感情は?
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- 59 : 2014/03/18(火) 16:37:25 :
Chapter4 : 気がつく
ミカサ『雨…』
あれから数日経った。
彼とはいつも通りの距離を保って、【一緒に】帰っている。
毎日、2人だ。
今日は職員会議で早帰りの日。エレンから帰ろうと誘われたのだが、断った。
彼と帰れるかもしれないからだ。
以前の私なら、こんなことしなかっただろう…ここのところ自分が理解できない。
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- 60 : 2014/03/18(火) 16:45:18 :
ただ今日は選択を間違えた、外はかなりの雨が降っている。
私は今日、不覚にも傘を持ってきていない。朝から雨の予報はあったというのに。
ミカサ『止むまで待とう…』
せっかくいい日が続いていたのに…
また【一緒に】帰れると思ったのに…
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- 61 : 2014/03/18(火) 16:52:43 :
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雨が止んだ。もういつもの帰りと同じ時間になっていた。
ミカサ『はぁ…』
ため息をつく。
1人の帰り道は、いつぶりだろうか。
そんなことを考えながら歩く。
しかし、雨が上がった校庭横の通路を歩く私の視界に入ったのは
彼だった。
ミカサ『っ…!?』
なんでこんな時間まで?
もう帰ったと思っていたのに…
でも嬉しい…!
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- 62 : 2014/03/18(火) 17:08:15 :
ミカサ『ジャン!』
ジャン『…よう、すげえ雨だったな』
ミカサ『ええ、本当に…傘がなくて雨宿りしてたの。止んでよかった…あなたはなぜこの時間まで?』
ジャン『あー…先生に呼び出しくらっててさ』
呼び出し?
ミカサ『今日先生方は職員会議のはず…だから』
ジャン『…あ』
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- 63 : 2014/03/18(火) 17:54:10 :
ミカサ『本当は?』
ジャン『…傘忘れたんだよ』
傘
確かにそう言った、けど…
ミカサ『あなたの、鞄からはみでてるそれは何…?』
聞かなくてもわかってる
折り畳み傘だ
ジャン『あ、やべ。えっとこれはな…うわ、俺かっこわり…』
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- 64 : 2014/03/18(火) 18:08:01 :
少し頬を赤くしながら、焦る彼。
そんな彼を見ていたら、一つの結論に辿り着いた。
…いや、そんなはずない。
そうだとしても自分から聞くなんて図々しい…そんな結論
もしかして
ミカサ『私のこと待ってたの…?』
彼の動きが止まり、顔がさらに赤くなる。
ジャン『その…』
ジャン『【いつもみたいに】帰ろうと思ってさ…』
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- 72 : 2014/03/21(金) 10:40:33 :
信じられない
彼も私と同じ気持ちでいてくれたなんて。
そしてその言葉で理解した
偶然帰りが一緒だったんじゃない、彼が私を待っててくれたんだ。
…念のため確認をとる。
ミカサ『今日だけじゃなくて、いつも待っててくれたってこと…?』
ジャン『…嫌だったならすまない、全部俺のわがままのようなも』
ミカサ『嫌じゃない!』
思わず叫ぶ。
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- 73 : 2014/03/21(金) 10:59:13 :
ジャン『…え?』
ミカサ『あ、えっと…』
手が震える
勇気を出せ、言うんだ私。
ミカサ『…私も、あなたと【一緒に】帰れて嬉しいの。1人の帰り道でも、あなたがいたから独りじゃないって思えたの!だから…』
ミカサ『これからも、【一緒に】帰ってもらえませんか…?』
全て言い終え、目をつぶり顔を下げる。
ジャン『…むしろ俺が頼みたいぐらいだよ』
その言葉を聞いて顔を上げると
ジャン『これからもよろしくな』
あの笑顔を浮かべた彼が手を差し出していた。
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- 74 : 2014/03/21(金) 13:46:50 :
ミカサ『ええ…よろしく』
手を握り返し、精一杯の笑顔で応えた。
…不自然な笑いじゃないといいけれど。
ジャン『ーーっ!』
彼の顔が赤い…?
でもさっきとは違う感じの赤だ。
ミカサ『顔が赤いけれど…どうしたの?』
ジャン『…きっと、夕焼け空の色が反射してんだよ』
ミカサ『それ、私が言ったやつ…?』
覚えてたんだ。
自分で言っておいてなんだが、あまりにも苦しい言い訳だと改めて思う。
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- 75 : 2014/03/21(金) 14:50:01 :
ジャン『…ほら、帰るぞ』
ミカサ『!ええ』
数m前を歩く彼の背中
同じオレンジ色に染まっているはずなのに、なんだかいつもと違う気がする。
あ…距離がいつもより近いんだ。
ジャン『…歩くペース、速かったら言えよ?』
ミカサ『あ、ありがとう』
歩くペースを合わせてくれているようだ。
なるほど、だから近いのか。
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- 76 : 2014/03/21(金) 14:50:50 :
それにしても…ここのところの私は自分でも理解できない。
彼の後ろ姿を何回も追いかけた。
話せた時は嬉しくて、逆に話せなかったらすごく落ち込んで。
そしとエレンと一緒に帰れそうなチャンスを放棄してまで、彼と【一緒に】帰ろうとした。
どうして?
どうしたの?私。
…思い出した。過去も同じ経験があるじゃないか。
エレンを好きだと自覚する前もこんな感じだった。
当時一番仲の良かった子にこの行動について聞いたらこう返ってきたんだっけ
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- 77 : 2014/03/21(金) 14:52:00 :
【それは恋じゃないですか?】
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- 78 : 2014/03/21(金) 15:07:18 :
- そうだ、恋だって言われたんだ。
いや、待て。落ち着くんだ。
いつからこんな私になった?
彼とはじめて話した日からだ。
いつからあの幸せで、嬉しくて、ふわふわした、でももやもやして、恥ずかしいような不思議な気持ちを自覚し始めた?
彼とはじめて話した日からだ。
心臓の鼓動が早くなる。
どんどん大きな音になってる気がする。
この鼓動、彼に聞こえてしまっているのではないか?…少し距離を取ろう。
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- 79 : 2014/03/21(金) 15:11:59 :
ジャン『…速かったか?』
彼が振り返り、スピードを緩める。
ミカサ『全然!大丈夫!ので、スピードは、落とさなくて平気…!』
ジャン『…?おう』
本当は、もう少し近づきたい。
聞こえないとわかってても、心臓が持たない…
ーーーーーーーーーーーーーーーー
あっという間に3つ目の角まできた。
ミカサ『じ、じゃあ私はここで』
ジャン『ああ、そうだったな』
ミカサ『…ありがとう』
ジャン『礼を言うのは俺の方だ、ありがとな』
ミカサ『そんな…』
ジャン『…』
ミカサ『…じゃあ、さよなら』
ジャン『おう、また明日な』
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- 80 : 2014/03/21(金) 15:21:34 :
また明日
そうか、これからは【一緒】が一緒になるんだ。
彼に背を向け、歩き出す。
ジャン『なあ!』
後ろから大声で呼び止められ振り向く。
ジャン『せっかくだからよ!明日からは、となり歩いていいか!?』
思いもよらぬ提案、嬉しいけど、私の心臓は大丈夫だろうか…
ミカサ『ええ!是非!』
そんな考えとは正反対に、返事はイエスを出していた。
並んで歩くのか…どんな感じなのだろう。あ、でもあの背中は見れなくなってしまうのか…
それでも、嬉しい。
ただでさえ緩んでいた頬が、もっと緩んできた。
やっと、最近の自分の行動が理解できた。
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- 81 : 2014/03/21(金) 15:22:29 :
ああ私、どうしようもないくらい彼が好きなんだ。
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- 82 : 2014/03/21(金) 15:22:51 :
後編へ続く
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- 83 : 2014/03/21(金) 15:25:02 :
- はい、というわけで前編終了です!
後編はただいま執筆中、残り半分ほどです。
前編におつきあいしてくださった皆様、ありがとうございました!
後編の方は下書きが終わり次第URLをここに貼りますのでよろしくお願いします!
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- 84 : 2014/03/21(金) 15:25:37 :
- もしよければ過去の作品もよろしくお願いします!
1作目
ミカサ『部分記憶障害』
http://www.ssnote.net/archives/3445
2作目
『待つ人の話』
http://www.ssnote.net/archives/4701
3作目
『泣いた巨人』
http://www.ssnote.net/archives/7726
4作目
ヒッチ『マルロが女になった』 マルロ?『だーかーら!マルロじゃなくてマロルですって!』
http://www.ssnote.net/archives/10351
ジャン↑
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- 89 : 2014/03/22(土) 14:49:51 :
- 後編スレ
ジャン『どうしようもないくらい』ミカサ『君が好きなんだ』 〜オレンジ〜 後編
http://www.ssnote.net/archives/12689
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- 96 : 2015/03/12(木) 00:14:51 :
- 彩華のSSに対するコメントはこちらへお願いします!
http://www.ssnote.net/groups/1306/archives/1
- 著者情報
- この作品はシリーズ作品です
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進撃GReeeeN シリーズ
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