この作品は執筆を終了しています。
アルミン「君は誰?」
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- 1 : 2014/01/13(月) 18:16:00 :
- http://www.ssnote.net/archives/7637 ←の続き。
特に見る必要はないっちゃないか……な?
アルアニです。
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- 2 : 2014/01/13(月) 18:53:58 :
- 期待
-
- 3 : 2014/01/13(月) 18:55:30 :
- ふぁぁ……
小さな欠伸をして、私は目覚める。
あれ?ここはどこだ……
辺りを見回す。
散らかった部屋。
窓の外から差し込む光を覗く。
見慣れた風景
アニ「ここは……」
憲兵団の宿舎。
いつものベッドだった。
あれ?確か私は水晶の中に……
どうなっているんだろう。
とりあえず、動ける。
誰かに事情を聞こうか……
私は早急に立ち上がって半分開いていたドアから外に出た。
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- 4 : 2014/01/13(月) 18:56:29 :
- >>2 ありがとう。
-
- 5 : 2014/01/13(月) 19:00:59 :
- 誰もいない。
ふむ……
今日は休日らしいな。
ヒッチも部屋にいなかった。
あいつは大抵、休日は女友達と遊びに行くから。
酷く眠い。
とりあえず日の光を浴びたい。
いつものようにどこか汚い廊下を抜け、建物から出た。
勢いよく差し込んでくる光。
快晴だ。
だが、妙に暑くはない。
ひんやりと涼しい日だった。
アニ「さて……」
誰かに事情を聞こうと思っても、さっき来た感じでは、憲兵団宿舎には誰もいない。
上官方も朝から飲み遊んでいるんだろう。
街を散歩することにした。
暇なんだし、やる事も特にないのだから。
トボトボと、のそのそと歩いた。
行き交う人々。
誰も私の存在を気にかけはしない。
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- 6 : 2014/01/13(月) 19:06:41 :
- 足取りが止まる。
いや、止めた。
アニ「アルミンに会いたい」
私の口から零れたのはその一言だった。
……どこにいるのだろうか
休日だし、もしかしたら本屋にでもいるかもしれないな。
そう思った私は、アルミン行きつけの本屋を目指すことにした。
道は覚えている。
私はそういうところはしっかりしているから
……何自分で言ってるんだ恥ずかしい。
そんな変な事を考えてるうちに本屋についた。
なんとなくレトロな外見
古臭い本達
間違いなくここだ。
店内に入る。
入り組んだ棚の森を抜けて……
いた。
アルミンは本を読んでいた。
丸テーブルに本を置き、イスに座ってお行儀よく本を読んでいる。
その姿はいつも見ていたが、なんとなく懐かしい感じがした。
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- 7 : 2014/01/13(月) 19:09:54 :
- 続きですと?
読ませていただきます
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- 8 : 2014/01/13(月) 19:10:40 :
- アルミンそりゃモテるわ
-
- 9 : 2014/01/13(月) 19:12:19 :
- アニ「ねぇ、アルミン」
声をかける
反応はない。
まぁ珍しい事ではない。
アルミンが集中して読書している時の集中力は相当なものだ。
前も、エレンとジャンが喧嘩していた時、本を読み終わって
「え?そんなことがあったの?気付かなかったよ」
とか笑って言っていた気がする。
私が異変に気付いたのは次の瞬間だった。
アルミンの肩を叩こうとしたその時。
そう
アニ「あ……れ?」
アルミンの肩に私の手が触れれない。
なんで?
嘘でしょ……
何度やってもダメだった
耳元で叫んでも。
机を叩こうとしたが、その手は机をすり抜けた。
アニ「…………」
間違いない。私は今
「存在していない」
-
- 11 : 2014/01/13(月) 19:16:06 :
- この後の展開に期待
-
- 12 : 2014/01/13(月) 19:24:43 :
- 信じられない話だが、自分の身に起こっているのだ。
今の私は「意識」だけ。
実体がない。
つまり、いわゆる「霊体」だとか「幽霊」に属する存在。
アニ「……」
黙って自分の足元を見つめた。
やっぱりだ。
影の一つもない。
アニ「……」
急に悲しさが込み上げてきた。
せっかくまたアルミンに会えたと思ったのに……
自分はもう
人間でも、巨人になれる人間 ですらないのだ。
「人間」という枠を大きく外れてしまったのだ。
アニ「……はぁ」
私は少し溜息をつき、アルミンの隣のイスに座った。
もう一度考える、頭を整理する。
まず、今日はこんなに日が照っているのに涼しい。
幽霊。
喉が全く乾かない。
幽霊。
影がない、歩くのが軽い。
幽霊。
だめだ
どう考えても私は実在しない。
アニ「私はもう……あんたと話せないんだね」
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- 13 : 2014/01/13(月) 19:33:31 :
- そう呟いた。
悔し紛れにアルミンの髪を叩く。
手はすり抜けたが、一瞬アルミンの髪が風でふわりと動いた。
アルミンは不思議そうな反応をしていたが、また本に目を移した。
今度は手元に置いてあった眼鏡をかけて。
ペラペラとページをめくる。
…………
アルミンの顔をじっと眺める。
……懐かしい
いつもと変わらない表情。
可愛い。
……本当にもう
二度と話せないのか。
パタッ
アルミンが本を閉じた。
棚に本を置き、机に戻ってくる。
考え事をしているのか、その場からじっと動かなくなった。
アニ「……よし」
私はイタズラ心で、アルミンの顔に息を吹きかけてやった。
また、ふわりと髪が動く。
アルミン「……?」
アルミンはキョトンとしている。
それもそうだ
何もない筈の正面から突然風が吹いてくるのだ。
すぐにアルミンはまた何かを考え始め、
しばらくして口を開いた
アルミン「ねぇ」
アニ「!?」
驚いた。
アルミンに私は見えていないのに
-
- 14 : 2014/01/13(月) 19:39:25 :
- 楽しみ〜ψ(`∇´)ψ
前作読みました!アルアニ大好き!
体を壊さない程度に頑張ってください!d(^_^o)
超期待!
-
- 15 : 2014/01/13(月) 19:47:29 :
- >>14 ありがとうございます!
頑張ります
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- 16 : 2014/01/13(月) 19:52:16 :
- アルミンは霊能力者だったか・・
-
- 17 : 2014/01/13(月) 19:53:04 :
- アルミン「そこに誰かいるの?」
アニ「いるよ! ここに!」
当然その声はアルミンに届かない。
アルミン「気のせい……なのかな」
首をかしげるアルミン。
ダメだ
どうにかして私がいることを……
思いついたのは一つ、
私は滅茶苦茶にアルミンの顔をイジり回した。
息を吹きかけ続けた。
アルミン「……分かってるよ、誰かいるんだよね……」
とりあえず、何かがいることには気付いてもらえたらしい。
アルミン「それで?僕に何の用なのかな?」
アニ「あんたに会いたくて来たんだよ!」
無謀な叫びだ。
どれだけ声を張り上げてもアルミンの耳には届かなかった。
アルミン「……ふぅん まぁいいや」
アルミンはそれだけ言うと、ひょいと席を立ち上がった。
追おう!
私もアルミンの後を追った。
私は風のような存在になったのか、私が歩く度、アルミンの髪は揺れた。
アルミン「……僕と一緒に来たいの?」
私が肯いていることを、アルミンは知らない。
-
- 18 : 2014/01/13(月) 20:19:13 :
- とりあえず期待
-
- 19 : 2014/01/13(月) 20:20:01 :
- アルミンかっけぇw
-
- 20 : 2014/01/13(月) 20:38:52 :
- 支援
-
- 21 : 2014/01/13(月) 20:46:22 :
- ありがとう!
-
- 22 : 2014/01/13(月) 20:51:11 :
- アルミン「……そう……だよね 聞いても答えられる訳ないや」
そう言ってアルミンはまた歩き出した。
一緒に並んで歩く。
久しぶりにこんな事をする。
手を繋げないのがちょっぴり寂しかった。
アニ「……手、繋ぎたいなぁ」
私のこんな台詞を聞けるなんてあんたは幸運だね。
……と言っても、あんたには届いてないだろうけど。
アルミンの手に手を乗せる。
握ろうとすると、すり抜けてしまうので
そっと優しく、手に手を添えた。
アルミンの掌の中には小さく風が吹く。
アルミン「君、風なんだね」
ボソッとアルミンはそう呟いた。
本当は、アニなんだけどね……
ーー
やがて、アルミンの足が止まる。
そこは意外な場所だった。
そう、訓練場だったのだ。
-
- 23 : 2014/01/13(月) 20:56:28 :
- アルミン「紹介するね、ここは僕の訓練兵時代の訓練場なんだ」
アニ「うん、よく知ってるよ」
アルミン「ここで三年間……って 聞こえてるかな? そよ風さん?」
アニ「聞こえてるよ! さっきからずっと!」
アルミン「そうだ! もし聞こえてたら、風を吹かせてみてよ」
私はアルミンに息を吹きかける。
アルミン「ありがとう」
アルミンは話を続けた。
アルミン「ここには色んな思い出があって……中、入るよ?」
アルミンに言われるままについて行った。
揺らぐ髪から、ほんのり甘い香りがした。
-
- 24 : 2014/01/13(月) 21:03:57 :
- ガチャリ
未だボロボロのドア。
聞き慣れたその音を懐かしみながら、中に入る。
食堂だ。
中の景色はやはりまだ変わっていない。
記憶が鮮明に蘇る。
アルミン「ここは食堂、ここでご飯を食べるの」
アルミンは私の事を一体何歳だと思っているのだろう。
ご飯って……
ご を付けるあたり、かなりの幼児だと思っているのだろうか
アニ「……知ってる 私も食べてたし」
アルミン「懐かしいなぁ」
人にスルーされる気分は、決していいものではない。
少し苛立って、イスを蹴っ飛ばした。
透ける足で。
ガタッと音を立て、イスが倒れる。
アルミンはその音に驚いた。
アルミン「……なんで勝手に倒れたんだ!?」
アニ「私が蹴ったからだよ!!」
耳元で叫ぶ。
声は聞こえない。
アルミン「あっ……このイス」
アルミンは急に表情を変え、イスをまじまじと見つめ始めた。
-
- 25 : 2014/01/13(月) 21:16:45 :
- アルミン「話すと長くなるけど……」
アニ「……」
アルミンは少し頬を赤らめて話し始めた。
アルミン「僕の……大切な人に、アニって女の子がいたんだ」
「大切な人」その言葉が嬉しくて、アルミンに抱きつきたくなる。
でも抱きつけない身なんだと思い出し、踏みとどまった。
アルミン「それでね……このイス、アニが蹴っ飛ばしたイスなんだよ」
アニ「へーー」
アルミン「アニはすごく対人格闘が強くて……足技が凄かったんだ」
アニ「そうなんだ」
アルミン「それで……男勝りに気が強くて」
アニ「うん?」
アルミン「冷たい性格」
私は沸騰していた。
男勝り辺りからイライラしていた。
私は純粋な乙女なんだ
さらに冷たい性格。
吹き飛ばしてやりたいところだが、そよ風では限度がある。
アルミン「だけどとっても可愛くてさ」
アニ「……!」
アルミン「みんなは……怖いとか言ってたけど……優しい所もあったんだ」
アニ「……」
アルミン「僕は大好きだった」
その言葉を聞いた途端だった。
涙が零れるのを感じた。
アルミン……
私は……ここにいるのに……
アルミン「……場所、変えるね?」
私はまたアルミンに息を吹きかける。
これで「はい」という意味だ
-
- 26 : 2014/01/13(月) 21:21:34 :
- これは新しい
-
- 27 : 2014/01/13(月) 21:25:43 :
- 外に出た。
大きな木。
これにも見覚えがある。
アルミン「あはは……懐かしいや この木」
アルミンは木の表面を撫でながら話しだした。
アルミン「ここ、秋になるとたくさん落ち葉が落ちてね? それを掃除しなくちゃいけないんだけど」
アニ「……懐かしいね」
アルミン「さっきも言った、アニと一緒に掃除したんだ」
アルミンはとても懐かしそうに、でも寂しそうに話している。
辛そうな表情。
やめて、私なんかの為にそんな顔するんじゃないよ。
あんたのそんな顔、私は好きじゃない。
アルミンは続けた。
アルミン「落ち葉の数……数えたんだ……あはは バカみたいだよね?」
アニ「本当だよ! もうなんであんなことしたのか今でも分かんないよ」
アルミン「結局、数え切れなくて……そのままになっちゃったんだよね」
アニ「あんたが途中でやめたんでしょ」
アルミン「まぁ……僕が途中でやめちゃったんだけどね」
アニ「そうそう」
そこで話は途切れた。
アルミンは樹木の面に顔を寄せるようにして、じっと立っていた。
キラリと何かがアルミンの目から零れ出た気がしたが、あれは気のせいだったのかもしれない。
-
- 28 : 2014/01/13(月) 21:39:03 :
- アルミン「ごめんね、待たせちゃって」
アニ「いいよ別に」
また、息を吹きかける。
少しだったが、体がまた軽くなったように感じた。
アルミン「とにかくアニとは色んな思い出があるんだ。ちょっと訳あって……今は会えなくなっちゃったんだけどね」
その言葉に私は俯く。
私は会えているつもりなのに……
あんたは私に会えていない。
それを改めて実感させられる。
また、悲しみが心の奥底から襲ってくる。
アルミン「君さ……」
アニ「?」
アルミン「ううん、なんでもない ごめん」
アルミンは一瞬不思議そうな顔をしたが、一言そう言って元に戻った。
アルミン「歩き疲れちゃったや、どこかで休みたいな」
アルミンはそう言うと、また歩き出した。
その後を私は追う
少し歩いて、アルミンは喫茶店に入っていった。
ここは……
アルミンはジュースを頼んだ。
よく分からない、フルーツジュース。
これも知っている
昔、私とアルミンが来た喫茶店なのだ。
アルミン「アニの事ばかりだけど……ここの店で、このジュースをアニと飲んだんだよ」
アニ「そう……だったね」
アルミンの喉は小さく音を立てて、ジュースを通した。
ぷはっと小さくアルミンの吐息。
ふんわりとジュースの匂いが漂った。
アルミン「……アニとここで理想の男子とかいるの?って話したっけ」
アニ「話したよ……」
アルミン「アニ……会いたいなぁ」
その後は、しばらく静寂が続いた。
やがてアルミンは全部ジュースを飲み干し、店から出て行った。
私もその後を追った
-
- 29 : 2014/01/13(月) 21:48:11 :
- ……
どれくらい歩いただろうか、どこかの丘についていた。
街を見下ろせる程度の小高い丘だ。
夕焼けに染まる街が綺麗だ。
私の体は、もっと軽くなった気がした。
……いや、気がしたではないか。
なった。
確実に感じていた。
時間が経つ度、どんどん私の体が軽くなっていっている。
アルミン「……綺麗でしょ ここの丘」
アニ「うん……とっても」
アルミン「いつかね……アニとここに来ようと思ってたんだけどさ……結局来れなくて」
アニ「……そう」
アルミン「なんでかな……君を……ここに連れてこなくちゃならないって思ったんだ」
アニ「……」
アルミン「本当に……なんでだろうね 会った時からずっと思ってたんだ」
アニ「何を?」
アルミン「君……さ もしかしたらアニなんじゃないかな……って」
-
- 30 : 2014/01/13(月) 21:54:19 :
- バチッ
何の音かわからない。
目の前が真っ新になる。
フラッシュのように、真っ白に染まる。
……やがて目が見えるようになった。
アルミン「…………」
アニ「……なんでそう、思ったの?」
アルミン「……!?」
アルミンは酷く驚いた。
何故だろうか
アルミン「ア、アニ!?」
アルミンは辺りをキョロキョロと見回し始める。
何故だ? アルミンに声が届いた気がした。
アニ「アルミン?……聞こえてるの?」
アルミン「アニ! …‥どこに……?」
アニ「やっぱり……聞こえてる……アルミン……っ!!」
私は嬉しさと興奮で一杯になった体をアルミンに擦りつけた。
優しいそよ風がアルミンの体を撫でた。
アルミン「やっぱり……アニだったんだね……」
アニ「……うん……なんで……気付いたの?」
アルミン「……風」
アニ「?」
アルミン「その……風だよ」
アニ「……」
アルミン「ほんのり……アニの匂いがしたんだ それで、もしかしたら……って」
アニ「そうなんだ……覚えててくれて……嬉しい」
姿は見えていなくても、アルミンに私の声が
ちゃんと届いている。
それだけで充分だった。
嬉しかった。
とても、とても
-
- 31 : 2014/01/13(月) 22:01:49 :
- アニ可愛いなあ( ´ ▽ ` )ノ
私もこうなりたいww
またしもみてます!あんきちです!
更新まってます!応援!
-
- 32 : 2014/01/13(月) 22:49:12 :
- まだかなぁ( ̄(工) ̄)っコーヒー
-
- 33 : 2014/01/13(月) 22:56:12 :
- だが、時は過ぎるのを待ってくれなかった。
私の体は、とうとう感覚が無くなってしまったかのように軽くなった。
宙に浮きそうになる程だ。
アルミン「アニ……」
アニ「アルミン……」
アルミン「声だけでも……また聞けて嬉しいよ」
アニ「……私もだよ」
アルミン「なんだ……本当にアニだったのか じゃ、じゃあ……」
アルミンは急に頬を赤らめる。
震える口調で言った。
アルミン「僕が言ったことも……全部聞こえちゃってた……?」
アニ「当たり前だよ」
アルミン「……うっ」
アニ「何?本音聞かれたのがそんなに嫌なの?」
アルミン「だ、だって……」
アニ「だけどとっても可愛くてさ?とか言ったのが……ふふっ」
私はアルミンを少し馬鹿にするように笑った。
アルミンの顔は更に火照った。
アニ「……可愛いね」
思わず口からこの言葉が零れ出た。
アルミン「……酷いよぉ」
アルミンは真っ赤な顔でそう言っている。
アニ「……ごめんごめん あんたと話すのが楽しくて……つい」
-
- 34 : 2014/01/13(月) 23:03:55 :
- 楽しそう*\(^o^)/*
-
- 35 : 2014/01/13(月) 23:41:53 :
- アニ「ねぇ、アルミン?」
アルミン「何?」
アニ「もう一回……キス、したいな?」
アルミン「……僕もだよ」
アルミンはそう言うと、慎重に手を出した。
私の体に手が触れる。
アルミン「アニ……ここら辺にいるのかな?」
アルミンが私の体をゆっくり撫でる。
アニ「そこ……胸だよ」
アルミン「えっ、あっ……わあぁっ ご、ごごめん……」
アルミンは慌てて手を引っ込めた。
アニ「ふふっ……嘘だよ」
アルミン「な、なんだ……びっくりしたじゃないか!」
アニ「ぷっ……あんたのそういう可愛いとこ、本当好き」
アルミン「もうっ……」
アルミンとのやり取りはとても楽しい。
アルミンも楽しいって感じてくれるのかな?
……そうだったら嬉しい。
ふわっ
アニ「!」
その時は突然訪れた。
いよいよのようだ。
私がもし、幽霊のように
この世になんらかの目的があって戻ってきた
のだとしたら、それはアルミンと話すこと。
それが達成された今、私にはこの世界にいる必要が無くなってしまったという訳だ。
アニ「アルミン……私、そろそろ時間みたい」
アルミン「時間? 何が?」
アニ「この世界にいられるのが……って事だよ」
アルミン「えっ、そんな……もう」
アニ「すごく短い間だったけど、また話せて良かった」
私はアルミンの唇にそっと口づけをした。
また、会えたらいいな
……そんな念を込めて。
アルミン「アニ……」
アニ「安心して、今度は泣いてないから」
アルミン「……寂しいよ」
アルミンは涙を零した。
アニ「なんだい、今度はあんたが泣いてるじゃないか」
アルミン「…………だっ……て」
涙で震える声を出しながらそう言うアルミン。
アニ「はぁ……仕方ないね 今度は、私の番だもんね」
そう言って私は手でアルミンの頬に流れた涙を拭おうとした。
当然手はすり抜けてしまうと思ったが
最後の最後
私の手はしっかりとアルミンの頬に触れれた。
……気がした。
-
- 36 : 2014/01/13(月) 23:52:19 :
- ーー
数ヶ月経っただろうか。
僕は不意にこの丘に来たくなった。
根拠は無い。
やっぱり夕焼けが綺麗だ。
ポツポツと見える街の建物。
それを覆い尽くすような綺麗な橙色の夕日。
思い出す、アニとの本当に最後のやり取り。
アニ、もう僕は泣かないよ。
どれだけ辛くても。
せっかく君に涙を拭ってもらったんだもん。
僕はもうアニの涙を拭えない。
君も僕の涙を拭えない。
僕がまた泣いてしまったら、僕は君より一回多く泣いちゃったことになる。
僕は男なんだから……
アニ、君より強くなくちゃならないもんね。
今日は少し風があって気持ちいいな。
そよ風。
アルミン「……君を思い出すよ」
一人、丘でそう呟いた。
優しい、小さな風が僕の髪を揺すぶった。
それだけで、涙が出そうになる。
鼻で風の匂いを嗅ぐ。
すうっと大きく息を吸い込んで。
アルミン「……はぁっ」
アニの匂いは、もうしなかった。
-
- 37 : 2014/01/13(月) 23:53:31 :
- 終わりです。
すいません……急ぎで書き上げたので駄作感MAXです。。。
読んでくれた方、感謝です。
-
- 38 : 2014/01/14(火) 00:41:40 :
- 良い話だった!(涙)
アニどうなっちゃったんだろう・・・
-
- 39 : 2014/01/14(火) 16:38:37 :
- これは・・ヤバイ
-
- 40 : 2014/01/14(火) 16:38:55 :
- アニの孤独感が伝わる
-
- 41 : 2014/01/14(火) 16:52:40 :
- アルアニ最高ですな
原作でもアルミンとアニが両思いであることを願うよ
-
- 42 : 2014/01/14(火) 18:23:15 :
- 。・゜・(ノД`)・゜・。ウワァァン
切ない...いいssありがとうございました!
-
- 43 : 2014/01/14(火) 21:58:56 :
- みなさま、ありがとうございました!
-
- 44 : 2016/01/04(月) 01:10:25 :
- いいね。
-
- 45 : 2017/12/21(木) 22:50:20 :
- いい話、感動的、泣ける
-
- 46 : 2018/07/30(月) 17:23:30 :
- アニ~ーしんじゃやだーしなないでー
いい話でした
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