このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
この作品は執筆を終了しています。
Someone kill me
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- 1 : 2016/03/23(水) 20:21:01 :
- まだストーリー等は決めていません。
執筆中に貰ったコメントは非表示にさせていただきます。ごめんなさい。
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- 8 : 2016/03/26(土) 18:55:01 :
- 誰か俺を殺せ。
この純粋な血で濡れてしまった俺を、誰か殺してくれ。
許してとは言わないから。
優しく殺せとは言わないから。
どうか、どうか、誰かーー。
誰か、俺を殺してくれ。
Someone kill me
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- 9 : 2016/03/27(日) 08:47:46 :
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午前八時三十分。最近買った目覚ましの音が、俺の脳みそをガンガンと揺する。
「…雪…。」
窓を見れば、そこは真っ白な草原になっていた。
でも俺の職業ではそんなの関係無い為、数秒見つめてから背伸びをして、洗面所に行った。
俺の職業は、殺し屋。
いや、殺し屋では無いな。標的 に自殺をさせる。俺自身が殺す訳ではない。
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- 10 : 2016/03/29(火) 12:43:24 :
- 自殺屋、というのか。
首を吊らせる時は小便やクソを垂れ流すし、銃で死ぬ時も死後硬直で色々と大変だ。
『そんな事言うなら、辞めろよ。』
俺が銃殺した十六の少年が耳元で囁いてきた。
『辞めて、罪を償えよ。』
プルルル、と最新のスマホが鳴った。
ああ、もう、今日は亡霊も出てくるし、咲さんから指令がくるし、大変だ。
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- 11 : 2016/03/29(火) 22:10:31 :
- 「へい、ボス。なんですか。」
『ああ、メガネ。雪が降ってるな。ところで指令だ。』
「はい。」
『今回は大手○○会社の娘さんだ。私は女は苦手だな。』
「そうですか。」
『詳細は…そうだな、いつものバーだ。』
「…はい。分かりました。」
ぷつり、と電話が切れた。
全く、咲さんは話が早くて困る。
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- 13 : 2016/03/30(水) 14:01:35 :
- 雪で渋滞が起きるか。バーはここから離れているからな、早めに出た方がいいだろう。
いつもの黒い革のバッグを手に取り、その中にスマホと煙草と、ライターを入れた。
さて、今回の仕事は女だと言うが。
女は咲さんで慣れているので問題は無いだろう。
自殺屋は、指定されたビル、建物で首吊りをさせる。
指定はきっとバーで言われるだろう。
『女?女か?なぁ、自殺屋って、性欲溜まるだろ?』
「…溜まるぞ。人並みにはな。」
『やらないのか?』
「やらねぇよ。」
あぁ、死んだ奴と喋っている俺。気持ち悪いな。
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- 14 : 2016/03/30(水) 14:34:44 :
- 「死体を抱く趣味はねぇしな。」
『ほう、俺は抱けるか?』
「はっ、同性だろうが。」
『何言ってんだ。世の中には同性愛の奴もいるぜ。』
亡霊が俺の肩に手を置こうとしたので、さっ、と避ける。
酷いじゃねぇか、と言っているような気がするが、無視をする。
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- 15 : 2016/03/30(水) 21:16:27 :
- 「さあ、行くか。」
防寒用の帽子を被り、外に出る。
外はやはり、白かった。
「メガネ。来たな。」
「はい、ボス。」
「まあ座れ座れ。」
「ありがとうございます。」
バーにつくと、咲さんはもうそこにいた。
遅れましたね、と言うと、気にするな、と返された。
「で、今回の標的 だ。」
一枚の綺麗な女の写真を出される。
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- 16 : 2016/03/31(木) 18:09:48 :
- 「大手○○会社…飯田寛の娘、飯田瞳だ。」
綺麗な、綺麗な女だと思った。ただ、単純に。
しかし、俺も伊達に殺し屋をやっているつもりはない。惚れる事は無いだろう。
…俺が普通の人間だったら、きっとこいつに惚れていた。
「おい、聞いているかメガネ。」
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- 17 : 2016/04/01(金) 17:43:38 :
- 「っ、あ、すみません。」
「全く…集中しろよ。」
……そもそも、殺し屋に恋人など不要だ。
いつ殺されるのかも分からない俺を、愛してくれるのか分からないしな。
いや、愛も要らないな。
「メガネ!何を考えている?集中しろと言ったはずだが?」
「!す、すみません、ボス!」
「担当を外すか?他は誰でもいるのだが。」
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- 20 : 2016/04/02(土) 10:02:19 :
- 「すみません、ちゃんとやります。」
「何を考えていた?」
俺は少し考え、咲さんの芽を見た。
とても、綺麗な目。この人になら、咲さんになら、話してもいいかもしれない。
「殺し屋が、標的 に惚れる事なんて、ありますか。」
「…知らんな。私は惚れた事はないが、ある奴は標的 に惚れて駆け落ちしたらしいぞ。まあ、殺されたがな。名前は確か…里葉とか言ったか。」
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- 21 : 2016/04/02(土) 18:39:41 :
- 里葉…里葉は多分、俺の同期だ。
里葉竜。殺し屋としては情に脆い奴だった。大方、女に泣きつかれてでもしたんだろう。
「馬鹿な奴だよな。」
「本当に馬鹿ですね。」
「…と、雑談はここまでだ。仕事の話に戻るぞ。」
「はい、ボス。」
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- 22 : 2016/04/03(日) 09:29:19 :
- 実行日は12月14日。一週間後の今日だ。
ボディガードがついているらしいが、それを一週間の間で俺を信用させ、『瞳』と二人きりにさせる。そこで自殺をさせるのだ。
複雑な作戦だな。
ただ、そう思った。それだけ、ただ、それだけだった。
「大丈夫か?メガネ。思い詰めたような顔をしているぞ。」
「…はい、大丈夫です。」
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- 23 : 2016/04/03(日) 18:52:56 :
- さあ、このバーを出てから仕事は始まる。
ーーカッコ良くいこうじゃないかーー。
俺はぺろりと、乾いた唇を舐めた。
「寒い…寒いなぁ…。」
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- 24 : 2016/04/03(日) 21:38:56 :
- 俺の
標的 の飯田瞳が呟いた。
…ここは出て行って声を掛けるのが普通だろうか。
「大丈夫ですか?お嬢さん。」
周りの空気がざわついた、ような気がした。
「え?」
「手、寒いでしょう?今日は手袋を二つ持っているんです。」
手袋を二つ持っているなんて、不思議だな。
「ふふっ、お借りしてもよろしくて?」
「勿論。」
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- 25 : 2016/04/04(月) 08:42:45 :
- 小さい頃、俺がまだ幸せだった頃に読んだ童話の会話に似ているかもしれない。
母さんと、こういう会話、したっけな。
「暖かい…またお会いしたら、返しますね。」
「はい。またどこかで。」
それでは、と後ろを振り向くが、少し寂しいような、後ろ髪を引かれる想いをした。
「メガネ。」
咲さんに呼び止められる。
「先程の仕事、少し見ていたが、あいつに惚れたのか?いつもなら早歩きなのに…。」
はぁ、咲さんは勘が鋭い。
俺にも、こんな勘があったら良いのに。
「いえ、全く。ただ…。」
「ただ?」
「ただ、慣れない雪を、少しでも感じていたかったんですよ。」
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- 26 : 2016/04/04(月) 08:53:34 :
- 慣れない雪、か…
実際、ここ東京では、あまり雪が降らない。
まぁ、咲さんは俺が雪に関心があるとは、思ってないだろうけど。
「…そうか。変な気は起こすなよ。」
「起きませんよ、ボス。」
俺は殺し屋なんだ。殺す為の人間なんだ。
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- 27 : 2016/04/04(月) 11:49:01 :
- 惚れてはない。ただ、少し、少しだけ殺すのか、と躊躇っただけだ。
惚れては、ない。
依頼を受けてから二日目の朝、俺は早朝からコンビニで菓子パンを買い、瞳を待っていた。
こう、名前を呼ぶと恋人を待っているようだが、それは断じてない。
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- 28 : 2016/04/04(月) 12:21:58 :
- 「……あれ、貴方は…。」
「!」
「手袋を貸してくれた方ですね!」
黙って足元を見ていると、急に声を掛けられた。
それは、俺が探していた瞳。
「昨日は…ありがとうございます!」
「っ、あ、あぁ、はい。」
「そ、その、よろしければ、名前を教えてくれませんか?私、外出したりする友達が少なくて…あっ、いや、一緒に外出したいっていう訳ではないんですけど…その…。」
少し困ってるようだ。助け舟を出す。
「亀田新八。」
「え?」
「亀田新八と申します。僕も友人は少ない方なので…外出したりするのとか、よろしければ…。」
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- 29 : 2016/04/04(月) 18:30:33 :
- 亀田新八は、今回与えられた仮の名前。
穏やかで、争い事が嫌いな青少年だと言う。
争い事が嫌い、か…。
「っ!はい!よろしくお願いします!」
初めて見た時は、都会に慣れている、都会の色に染まっている少女かと思ったが…。
純粋な子だったようだ。
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- 30 : 2016/04/05(火) 11:24:01 :
- 「へへ、私が声を掛けたの、貴方が初めてかもしれません。」
「……。」
俺は目を細め、少し微笑む。
綺麗だ……。
「あぁ、汗が止まらない…今日は雪なのに…。珍しいですよね、雪。」
「そうですね、北海道では毎日降るのに。」
「ほんとに不思議……。」
同じ日本なのにな、と煙草をやろうとしたが、今の俺は亀田新八なので、我慢する。
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- 31 : 2016/04/05(火) 20:52:31 :
- 「あ、今日はお父さんと約束してるんです。」
「そうか…じゃあ、また明日。」
俺がそう言うと、瞳は一瞬驚いたような顔をしてから、ぱぁっと笑顔になった。
「また明日!」
何故瞳は驚いたのか。それを考えながら歩いていると、気付いた。俺は「また明日。」と言っているのだ。なんの約束もしていないのに。
「……あぁ、」
そんな俺の呟きも、都会に珍しく降る雪は、全部掻き消してくれるような気がした。
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- 32 : 2016/04/06(水) 13:22:28 :
全く、夜は短い。
おかげで寝不足だし、今日終わらせるつもりだった殺し屋関連の書類もまだ終わっていない。
しかし、夜が短くて良い事はある。
瞳に、会えるのだ。
瞳が俺の殺す相手だということは知っている。
瞳がじきに死ぬ事は知っている。
だが、やはり………、
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- 33 : 2016/04/06(水) 14:41:49 :
「新八さん!」
「!瞳さん!」
「あはは、おはようございます。三日目、ですね。」
「…ええ、そうですね…。」
あと、四日。四日で瞳を殺さなければいけない。
ボディガードやら言っていたが、瞳にはそんなものはついていなかった。
だから、すぐに、消せる筈なのに…。
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- 34 : 2016/04/06(水) 14:49:23 :
- 「あの……私、映画が好きなんです……!し、新八さんは、映画、好きですか…?」
「映画、ですか。僕も映画は結構見る方ですよ。良ければ今日、映画を見に行きませんか…?い、いえ、駄目だったらいいんです。ましてや、こんな出会ったばかりの異性と…。」
「そんなっ、とんでもない!映画、見に行きましょう!……それに、なんでだろう、貴方といると、新八さんといると、楽しいんです……心が温まる、というか…。あれ、なに言ってるんだろ私…。む、無視してください!ほんとに私、どうして…。」
「瞳さん…僕も、貴方といると、心が温まります。」
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- 35 : 2016/04/06(水) 20:11:05 :
- どきん、と心臓が跳ね上がった。
告白、みたいな言葉で。
告白みたいな言葉で、映画に誘われてしまった。
ふわふわと気持ちが浮き立つ反面、『亀田新八』ではなく、『佐藤優』と呼んでくれ。と欲張りを言う自分もいる。
違う、俺自身を呼んでくれと言ってるんじゃない。亀田新八なんて名前、ダサいからだ。ダサいから亀田新八と呼ばないでくれと言っているだけだ。
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- 36 : 2016/04/06(水) 20:20:21 :
結局、映画はホラー映画を見て、二人でぎゃあぎゃあ騒ぎあった。
知らぬ間に手を取り合い、顔をくっつけていて、終わった時には顔を赤くして、ばっと離れたのも、瞳との良い思い出になるのか。
思い出、か。
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- 37 : 2016/04/06(水) 20:33:17 :
- 俺と瞳の間に残るのは、思い出だけか。
思い出と、裏切られた悲しみと、裏切った罪悪感だけが、俺と瞳の間に残るものなのか。
いや、違う。
忘れかけていた亡霊の声が聞こえた。
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- 38 : 2016/04/06(水) 21:10:43 :
お前と瞳の間に残るものを、お前が作るんだ。
何を…俺は殺し屋だ。人の命を壊す奴が、思い出を作るだって?
そんなの関係ないだろ?作るんだよ。お前が。
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- 39 : 2016/04/06(水) 21:14:26 :
つく、る。
お前が作るんだ。なんでもいい。ガキでもなんでもだ。
瞳を生かして、これからも思い出を作ろうぜ。
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- 40 : 2016/04/06(水) 21:16:37 :
ーー好きなんだよ、瞳…。
ずっと前から、分かっていたんだ。殺し屋が一目惚れなんてな…。
「っ…くぅ…っ!」
涙を流す。
瞳を想って泣いた涙は、外に降る雪みたいに、キラキラと光っていた。
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- 41 : 2016/04/06(水) 22:09:02 :
- まだ四日。もう四日。
昨晩は、考えに考え抜いた結果、瞳に俺の真実を全て話し、自分の想いも伝える事にした。
もしそれで瞳が警察に通報しようが、どこかへ逃げようが、何をしても俺は瞳を尊重する。
そして、自殺する。
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- 42 : 2016/04/06(水) 22:11:44 :
- 任務を無断で放棄した奴はどちらにしろ殺されるし、生きる意味はないと気付いたからだ。
依頼を受け、殺し、報酬を貰う。
俺の人生は、そんな事の繰り返しだと、気付いたからだ。
そんな事だったら、死んだ方がいい。
でも、瞳がいれば話は違う。
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- 43 : 2016/04/06(水) 22:19:49 :
- 何故だ?何故、何故………。
「新八さん…?」
「っ、瞳!…さん。」
「ど、どうされました?だ、大事な話を抱えている顔ですね、それは…。さぁ、カフェに入りましょう?」
にこりと笑うその顔が、とても愛おしい。
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- 44 : 2016/04/06(水) 22:24:27 :
- 今日も、東京は雪が降っているようだ。
天気良いのに、な。
この空を、今の自分の心を表すようにはできないけれど。
「瞳さん。」
「はい。」
「俺は殺し屋です。」
「……え?」
「俺は殺し屋です、人を沢山殺しています。亀田新八というかっこいい、汚れていない少年はいません。ここにいるのは、」
「待って下さい…!!」
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- 45 : 2016/04/06(水) 22:27:50 :
- 驚いているな、とぼんやりとそんな事を思いながら、言葉を続ける。
「ここにいるのは、佐藤優という、汚れた男なんです。」
「待っ、」
「でも!」
泣きそうになる瞳の鼻の頭に、雪がつく。
可愛い、な。
愛おしい、な。
「そんな汚れた佐藤優は、貴方を、飯田瞳を愛しているんだ…!!」
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- 46 : 2016/04/06(水) 22:42:44 :
- 心の底から絞り出す、声。
「好き、なんだ…!!」
「ころ、しや。」
ぽつりと、瞳が声を落とした。
「新八さんは、いや、優は、殺し屋なの?」
「……そうだよ。お前が、お前が標的 なんだ。」
「私を、殺しに…………、」
でも、と少し語尾を強めて瞳が言う。
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- 47 : 2016/04/06(水) 22:45:14 :
- 「嬉しい。嬉しいの。殺し屋に告白されて、嬉しい…の…っ。」
瞳は、泣いていた。
俺よりも綺麗な涙を流し、泣きじゃくる。
どうすれば、いいんだ。
「優…っ、逃げたい…ずっと一緒に、いたい…!」
「!!お、俺も…!ずっと一緒に…!!」
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- 48 : 2016/04/06(水) 22:50:01 :
- 瞳は、俺の手を取り走った。
「逃げよう!逃げて一緒に暮らそうよ!」
「っああ!!」
幸せになれると、思った。
瞳となら…!!
『危ない。』
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- 49 : 2016/04/06(水) 22:52:35 :
- パァンと、乾いた銃声の音が聞こえた。
「メガネ!!!戻って来い!!!!その女を殺して戻って来い!!!」
周りにいた人間がざわざわとした空気になり、次の瞬間、逃げ出した。
きゃあ、逃げろ、助けて、誰なの。
「早く!!!!殺せ!!!」
この声は、咲さんだ。
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- 50 : 2016/04/06(水) 22:53:01 :
『だから、言っただろう。』
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- 51 : 2016/04/06(水) 22:55:10 :
- 「お前を殺さなきゃいけなくなる!!辞めろ!!!お願いだ!!!!」
叫びに近かった。でも、母に縋る子供のようでもあった。
「い、いや…優…いかないで…私…、」
「いかない、から。」
「メガネ!!!優!!!優っっ!!!」
辞めろ、俺は、俺は、
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- 52 : 2016/04/06(水) 22:55:47 :
『あの時、罪を償えばよかったんだ。』
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- 53 : 2016/04/06(水) 22:58:19 :
- その間にも、パァンパァンと、銃声は響く。
「おォい、佐藤とやら!!ボスは…ボスはな!」
「っ、言うな小里。」
「……でも、これから殺すんですぜ。」
「…………私が、どっちも殺す。」
銃声が止まった。
咲さんの雰囲気を感じ取ったようだ。
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- 54 : 2016/04/06(水) 22:58:46 :
『後悔、してるか?』
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- 55 : 2016/04/06(水) 23:01:53 :
- 「愛する者は、自分で殺したいだろ…?メガネ。」
「やだ、やだ来ないで……来ないで…、優…。」
「お前に選択肢を与える…。」
咲さんは二つ指をたてる。
「一、飯田瞳をお前が殺し、お前が私に殺される。」
「…っ、そんな、咲さん、俺は、」
「二、飯田瞳もお前も、私が殺す。二分で決めろ。」
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- 56 : 2016/04/06(水) 23:02:30 :
『お前があそこであんな選択をしていれば、こうはならなかったかもしれない。』
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- 57 : 2016/04/06(水) 23:08:10 :
- 「瞳……、」
「優…、私…優と一緒にいたかったの。」
「うん。」
「でも、もう駄目なんだよね。」
「だから、私は貴方に殺してほしい。」
「身勝手かな?最期くらい、我儘言わせて?」
「……わかったよ。」
俺が恋をしたからか?
俺が叶わない事を知っているのに恋をしてしまったからか?
俺が殺し屋になったからか?
「瞳は俺が殺します。」
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- 58 : 2016/04/06(水) 23:08:58 :
『はは、決めたんだ。もう、死ぬんだね。お前も。』
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- 59 : 2016/04/06(水) 23:15:11 :
- 「…殺れ。」
愛してる、と呟いて、瞳の首に手をかける。細くて白い、瞳の首。
「愛してる。」
「あい、してる…。」
けほ、とむせる瞳。
「好きだ、ごめん。ごめん。ごめん。ごめん。」
「ぁあ…か、は…っ。」
かちり、と銃をセットする。
「ごめんな。ごめんな。俺が、俺が、」
「頭に、一つ。」
「ごめんな。ごめんな。愛してる。愛してる。愛してる。愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる。」
ばぁぁぁん。
だらりと腕が下がった。
ごめんな。ごめんな。
「心臓に、一つ。」
ばぁぁぁん。
血が、飛び散った。
「ごめん…っ、ごめん!!ごめん!!すまない!!!!」
死体に向かって、謝り続けた。
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- 60 : 2016/04/06(水) 23:15:47 :
『死んじゃったな、お前の女。次は、お前の番だろ?』
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- 61 : 2016/04/06(水) 23:20:55 :
- 「すまないな、メガネ。」
はや、く。
「私も、お前を愛していたんだ。」
早く。
「もっと早くに言えば、お前はこいつに惚れる事は無かっただろうな。」
早く!!
「すまないな。」
早く、早く殺せ!!!純粋な血で汚れた俺を、殺せ!!!俺を殺せ!!!早く!!!あいつの元に、一刻も早く!!
「ありがとな、さよなら。」
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- 62 : 2016/04/06(水) 23:24:30 :
『死んだのかい?…あぁ、死んだんだね。だから、言ったのにね。馬鹿だね。本当に馬鹿な人間だよ。』
Someone kill me
ーー俺を殺せ。
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- 63 : 2016/04/06(水) 23:27:37 :
- 終わりました。
今回は急いでいたので内容が薄くなったというかグダグダでした。
次回、また未分類に挑戦したいですなぁ!
これからも色々とよろしくお願いします。
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- 64 : 2016/05/05(木) 21:33:04 :
- お疲れ様です。
とても物語に引き込まれました(T ^ T)
次回作も期待してます!
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- 65 : 2016/05/05(木) 21:35:09 :
- 自分でもう駄目だろうなと思ったのですが、そう思っていただけると光栄ですヽ(;▽;)ノ
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