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リヴァペト「世界の果ての青い海」

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  1. 1 : : 2013/12/07(土) 14:46:31


    *もはやSSではないです注意(地の文多し)

    *なんとなくハッピーなような、そうでないような






    ザザ…――

    ――……

    ザ…




    波の音が聞こえる。


    ペトラ「兵長?」


    いつからだかわからないが、俺たちはずっとここにいた。

    ペトラと俺との2人きり。他には誰も、誰もいない。


    リヴァイ「本当に、綺麗だな」

    ペトラ「ええ、本当に」


    目の前に広がるのは、青い海。

    どこまでもどこまでも果てしなく広がる、青い海。


    ペトラ「やっと見れた」


    いつからだかわからないが、俺たちはずっとここにいた。

    飽きもせずただただ、世界の果てでふたりきり、青い青い海を、眺めていた。
  2. 2 : : 2013/12/07(土) 14:58:11

    俺たちはかつて、兵士だった。

    空を駆け、肉を削ぎ、自由を求めて進む兵士だった。


    ペトラ「青は、こんなにも綺麗な色だったんですね」

    リヴァイ「ああ」


    赤と黒の世界の中で、俺たちは夢中で空へと駆けた。

    だがしかし空は青く尊く、駆けても駆けても届かなかった。


    ペトラがほほえんだ。


    ペトラ「ここが世界の果てなんですね」

    リヴァイ「そうだな」


    空に届かなかった俺は、次に、海を夢見た。

    世界の果てに広がるという、大きな青い水たまり。


    まあしかし、いざ目の前にすると、水は青くはない。透明だ。

    それなのに、遠くは青く見える。不思議でたまらない。


    ペトラ「兵長、どうして海は青いんでしょうか」

    リヴァイ「さあな」

    ペトラ「空の色を、映しているのでしょうか」

    リヴァイ「…さあな。俺にはそういうことはわからん」

    ペトラ「ハンジ分隊長ならわかったかも知れませんね」

    リヴァイ「そうだな」

    ペトラ「分隊長はどこですか?」

    リヴァイ「さあな」


    はぐらかしたのではなく本当に知らない。

    あいつらはどこへ行ったんだろう。


    この世界の果てに、俺とペトラはふたりきり。
  3. 3 : : 2013/12/07(土) 15:06:00



    いつしか夜になり、朝になり、また夜になり、朝になり、

    500を越えたあたりから俺は数えるのをやめた。


    いつからだかわからないが、俺たちはずっとここにいた。


    ペトラ「兵長、どうして海は青いんでしょうか」


    ペトラの瞳はキラキラと黄金に輝いていた。


    とても、綺麗だと思う。


    朝を越え夜を越え、

    俺たちはただただ海を見て言葉を交わしていた。


    他には何もしない。

    その場から動くこともなく、朝も夜も関係なく、俺たちは青い海を見ていた。
  4. 4 : : 2013/12/07(土) 15:23:30


    ペトラ「兵長、どうして海は青いんでしょうか」

    リヴァイ「さあな」

    ペトラ「向こうの水は、青いのでしょうか」

    リヴァイ「さあな」

    ペトラ「気になりませんか」

    リヴァイ「気にはなるな」


    ペトラの瞳は今日も黄金色に輝いていた。


    ペトラ「ねえ兵長」

    リヴァイ「なんだ」

    ペトラ「今日がなんの日だかわかりますか」

    リヴァイ「日付なんざとうに忘れた」

    ペトラ「教えてあげましょうか」

    リヴァイ「ああ」




    世界の果ての青い海。

    どこまでも果てしなく続く、青い青い、綺麗な海。




    ペトラ「あなたが亡くなった日ですよ」




    世界の果ての青い海。

    どこまでも果てしなく続く、青い青い、綺麗な海。


    血の赤なんて知らない、どこまでも青い青い海。




    リヴァイ「――……そうだったな」

    ペトラ「兵長、私2000年も待ったんですよ」

    リヴァイ「2000年?」

    ペトラ「もう、許してくれますか。あなたを置いて先に死んでしまった私を許してくれますか」

    リヴァイ「――怒っちゃいねえよ」

    ペトラ「本当に?」

    リヴァイ「ああ」

    ペトラ「本当の本当ですか?」

    リヴァイ「ああ」

    ペトラ「兵長、大好きです」

    リヴァイ「そうか」


    そっと、ペトラの小さな唇にキスをした。


    リヴァイ「お前だけが想ってると、思うなよ」

    ペトラ「はい」


    照れくさそうに笑うペトラの手を握る。


    リヴァイ「気になるんだろう?」

    ペトラ「はい」

    リヴァイ「どうして海が、青いのか」

    ペトラ「はい」


    世界の果ての青い海。

    どこまでも果てしなく続く、青い青い、綺麗な海。


    ペトラ「確かめに、行きましょう」

    リヴァイ「ああ、悪くない」



    世界の果てを出て、果てのない海の向こうへ。

    向こうの水は、青いだろうか。



    チャプ



    冷たい透明な水が足を、膝を、腰を、胸を、肩を、首を、顔を、頭を濡らしていく。

    透明な水に、飲まれていく。


    なあペトラ、答えはわかったか?


    ん? そうか、まだもっと向こうまで見なけりゃ、わからないよな。


    行こう、ペトラ。


    どこまでもどこまでも。


    水が透明でなくなるその場所まで。


    なあペトラ。ペトラ。







    おしまい
  5. 5 : : 2013/12/07(土) 15:27:25

    リヴァペトin海が書きたくてやらかしました

    なんかあんまり綺麗な海書けなかったな
    すみません

    冗談抜きでつまらないSSをここまで読んでくださいましてありがとうございました!
  6. 6 : : 2013/12/11(水) 08:36:06
    すっごく切なくなりました。
    こういう感じの好きです(*^_^*)
  7. 7 : : 2013/12/13(金) 19:14:09
    >>6
    ありがとうございます!
    そう言っていただけたら、このSS書いて良かったなあと思います
  8. 8 : : 2014/03/26(水) 12:03:04
    スゲー好みだ
  9. 9 : : 2014/12/26(金) 14:42:32
    なんか胸が暖かくなりました~
    こんなssもいいですね~(^▽^)

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カズナ

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