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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品はオリジナルキャラクターを含みます。

東方座敷物語 〜はじまりのはじまり〜

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  1. 1 : : 2016/01/31(日) 02:32:23
    この話は完全オリジナルです。

    東方Projectの作品としては、主は初めて書きます。なので原作と違ったりする部分があることがあります。ご了承ください。


    本作品は、とても過激な描写があります。もし、その様なものが嫌いなようでしたら、見ることをオススメしません。

    それでも大丈夫な方は、何卒暖かい目で見てください。
  2. 2 : : 2016/01/31(日) 02:33:13

    いまから語られる話は、とある「平凡な日常を過ごしていた人間」が、「大妖怪」になるまでの長い…とても長い……お話である________

  3. 3 : : 2016/01/31(日) 02:34:09

    その町は、なにもかもが平凡で、なにかが突出した訳でもない、極々普通の町に住む齢10代半ばの男が過ごしていた………

    「……っよいしょ……ふー」

    男の父(これ以降は父と略していきます)「おい、休憩なんかしてねーでとっとと荷物運んでくれ」

    「わーってるわーってるって」

    彼は、現在父が経営している、八百屋の手伝いをしていた。

    「おやじー、これはどこ置けばいいだー?」

    父「あー?……あー、それは…そこだ」

    「あいあい」

    父「よーし、これでラス……ト!」ドスン

    「……なあ」

    父「ああ?」

    「なんていうか…いつもより多くね?」

    父「今年は、豊作みてーだからな」

    「なるほど…」

    父「よし、手伝いあんがとな」肩ポン

    「……そう思うんだったら、給料かなんかくれよ」

    父「もう少し手伝うんだったら、あげてやってもいいけど……これっぽっちじゃなあ」

    「いやいやいや、充分多いからね!?それに、いつもより量が多いんだろ!?なら、いいじゃねえかよ!」

    父「量が多いだけだろ」

    「………だから、俺はまったく働いてなかったの!!親父とは違って俺はまだまだ非力なの!」

    父「自分で非力っておめー……」アワレミノメ

    「な、なんだよ…」タジ

    父「………いや、別に」

    「んだよ!はっきり言えよ!」

    父「んなこと、どーでもいいんだよ」

    「……ちっ」

    父「どうだ?このまま商売もやってくれれば、給料を出してやってもいいぞ?」

    「……いや、無理だわ」ハア

    父「なんだ?どうしたよ」

    「金は、貰いてーけど、体が……」

    父「なら、出せねーな」ニヤリ

    「くっそ!くっそ!」ガンガン

    父「……ふっ」

    「…………ま、でもその内嫌でもここで働くことになるか」

    父「嫌でもって…………その内働くことになるのは、確かだがな」

    「なら、いいや」

    父「そーか」

    「親父」

    父「どーした?」

    「出かけてくるわ」

    父「あんまり遅くなんなよ、最近は、良くなったが、この辺りにも妖怪はいるからな」

    「そんなの分かってるって」


    そして彼は、町の中心とは逆の方向へと体を向け、歩き出した。
  4. 4 : : 2016/01/31(日) 02:34:42
    _____________________

    「………よっ!」

    「おー、あんたか」


    彼は、少し街の中心から外れた川にいた。
    そこにいたのは、彼と歳はそう対して変わらないであろう見た目の少女であった。


    「……それで、なにやってんの?」

    「知恵の輪とかいうやつ」

    「なにそれ」

    「なんか、ぱずる?とかゆう奴の1種らしい」

    「…ふーん」

    「それで、この繋がった部品を外せばいいみたい」

    「楽しいか?」

    「うーん…結構頭使うし暇つぶしには最適だよ」

    「俺もやっていい?」

    「別にいいけど、ほんと難しいに!私まだ1つも外せてないんだよね〜」

    「へー……ま、俺はそれなりに、頭の自信あるし、いける気がするわ」ニヤリ

    「なんていうか、私も最初そう思ってたんだよね、でもそんなこと全然ないんだよね」

    「それは頭が悪いってことじゃねーの?」ニヤ

    「………怒るよ?」ジッ

    「す、すまん、冗談だってば」ハハハ‥

    「……なら、いいけど…」プイ
  5. 5 : : 2016/01/31(日) 02:35:06
    _____________________

    「それにしても」

    「ん?」

    「やることねーよな」

    「ああ、なんだ、そっちか」

    「他になんかあるのか?」

    「……いや、別にないけど…」

    「ふーん……それよりも少し遠い所でもいくか?まだ昼時だし、時間はあるだろ」

    「遠い所って?」

    「この川の上流の方とか?」

    「なにかあるの?」

    「いんや、なーんも知らない」

    「じゃあ、なにしにいくの?」

    「うーん………探検?」

    「いいね、のった」

    「そうこなくちゃな」


    そうして、彼ら二人組は、川の上流へと足を進めるのであった。
  6. 6 : : 2016/01/31(日) 02:36:27
    ____________________

    「ねえ」チョンチョン

    「ん?」

    「この先って……」


    目の前に広がっているのは、見渡す限りの木であった。どうやら、川の上流は、森の中にあるらしい


    「森……だな」ブルッ

    「流石にやめた方が…」


    その森は、日の光を通さないほどの葉で覆われていた。そのため、昼の今でも明かりなしでは迷いそうなほどの暗さである。


    「……うーん」

    「いやいや、帰った方がいいって!そこで迷っちゃだめだよ!?」ブンブン

    「いや、でも…………あ」

    「え?」

    「なんだありゃ」

    「どれ?」キョロキョロ

    「ほら、あれだよ、あれ」ユビサシ


    彼が指さしていたのは、少し森に入ったところにある、なにか光っているものであった。ただ、暗すぎるせいか、そのものが一体どのような形をしているのかがわからない。


    「気になる…」ウズッ

    「アホか!」コツン

    「えぇー、いいじゃねえかよ…結構近いんだし…」

    「もしあれが、妖怪の罠だったら、どうすんの!?」

    「……妖怪ねぇ、最近は全く聞かないから、大丈夫でしょ」ザッザッザッ

    「やめよーって!」タッタッタッ

    「大丈夫、大丈夫」ザッザッザッ

    「せめて、手を繋いで!」

    「なんで?」

    「なにがあるか分かんないから!」

    「そしたら、行かせてくれるなら」

    「…あー!もうしょうがない!それでいいけど、すぐ戻るからね!」

    「当たり前だ。こんな薄気味悪いとこにそう長くいられるかっての」

    「なら、いかないでよ…」ブツブツ


    そうして、彼らは森の中へと慎重に1歩ずつ歩みを進めていく。


    「えーと、どこだ?」ガサガサ

    「はやく見つけて、帰るよ」ガサガサ

    「もちろん……たしかこの辺に…」ガサガサ

    「あったー?」ガサガサ

    「えーと………あった!あんなとこに…」ザッザッザッ

    「______あぶない!」

    「え」ガラッ


    彼が探していたものがあった場所は、怪獣でも出てきんじゃないかというほど大きな大きな穴の側であった。まるで、いまのいままでその姿を確認出来なかったことが嘘に思えるほどの大きさの穴があった。光が全くないのと、穴の淵が盛り上がっていたからなのか上手い具合に隠れていた。だから、彼は落ちてしまったのだ。
    その巨大な穴に____彼は、後悔した。


    (なんで、やめなかったんだろ。いつもなら、好奇心よりも恐怖心やら理性が勝るっていうのに…なんで、こんな時に限ってなんでだよ…………なんで、あいつの言葉を聞かなかったんだろ……くそったれが……まだ、まだやりたいことがあんのに…)


    そうして彼は、なぜか手を伸ばした。


    「__________!」パシッ


    その架空のものを掴もうとしていた彼の手を誰かが掴んだ。

    少女の手であった。

    そして、彼は、包まれた。

    彼女の体に。

    そして彼らの小さな体はその巨大な穴へと吸い込まれていくのであった。
  7. 7 : : 2016/01/31(日) 02:37:04
    ____________________

    「____________はっ!」バッ

    彼は、目を覚ますと

    隣に横たわる彼女が。

    その瞬間、彼は、理解した。あれは、夢じゃないと。そして、自分達が生きていると。今は、たったそれだけで充分であった。


    「__________おい、おーい、起きろー!」ユサユサ


    彼は、数分後ようやく彼女を起こすことにした。もう少し時間が欲しかったが、今はそんなにゆっくりしていてはだめなのではある。

    「______う、ううん」

    「起きろってば!」ユサユサ

    「______」パチッ

    「おう、起きたか」

    「…………あれ?生きてる?」

    「ああ」

    「…………」ウルッ

    「泣くなってば」ゴシゴシ

    「……ぅん」ヒック


    彼女を宥めているとまた数分過ぎた。


    「落ち着いたか?」

    「なんとか」コク

    「なら、取り敢えず状況整理だ。一刻も早く帰ろうぜ。」

    「うん」コク


    不幸中の幸いなのか、穴の淵が辛うじて見えるし、穴の側面は、でこぼこしていてやろうと思えば穴の側面を上がれるほどである。


    「どうするの?」

    「壁を登るしか…ねーよな」ハア


    そして、彼らは無謀とも思える賭けに出た。


    「………クッ、大丈夫かー!?」ガシッ

    「う、うん」ガシッ

    巨大と思える穴は、どうやらそこまで深くはないらしい。上から見た時は、底が見えないほど深いと思ったが、それはどうやら、日の光がないからのようだ。故に登るのにそこまで時間は掛からなかった。それでも三十分ほどかかったが…


    「はっはっはっ、戻ってこれた……」ハアハア

    「つ、疲れた。」

    「それにしても俺らは、一体何時間寝てたんだよ」


    辛うじて見える空の色は、既にオレンジ色になっていた。

    「ねえ、早く帰るよ」グイ

    「ああ、それにしても疲れたな」グッタリ


    彼らが体験した、この事件?は、彼らの人生の中でも1番印象に残るもので、これ以上不幸なことが起こるはずは、なかった。
  8. 8 : : 2016/01/31(日) 02:37:47
    ____________________


    彼が森を抜けて目にしたものは


    「なんだよ…あれ…」

    「ま、町が……」


    まるで夕焼けのように……オレンジ色に光る彼らの町であった。森から彼の町は、遠いがその距離でも分かるほどに輝いていたのだ。そう、彼の町は、


    「燃えてる。」


    _____________________

    (なんで?なんで?なんで?なんで?)


    彼は、ひたすら困惑した。なぜ自分の町が燃えているのかと…。


    「__________!__________!ねえ!待ってよ!」ダッダッダッ


    彼は、走る。オレンジ色に輝く自分の町へと…。少女は、彼を止めようとしたが、彼は、止まらない。少女の言葉が耳に届かない。


    「________親父!親父!親父!どこにいんだよ!!」


    町についた彼は、家族である父親を探していた。だが、返事はない。あるのは、町中に広がる死体であった。たった数時間前までは生きていた町の住人である。


    彼は、祈った。自分の家族の無事を。




    その彼の祈りを踏みにじるような現実がそこにあった。たった数時間前までそこにあった自分の家が燃えていた。




    いや、まだだ、まだ、親父が死んだわけじゃない!そうだ、きっとどこかに避難を…


    「__________おや………じ?」


    彼の目に写っていたのは、家の前の道の隅に横たわる大の大人を半分にしたようなもの

    彼の父親であった。

    彼の父親だったものはまるでなにか化物のようななにかに食いちぎられたのかのように下半身がなかった。
  9. 9 : : 2016/01/31(日) 02:42:09
    補足説明です。一応これは、シリーズとして作っていくつもりです。

    今回の話では、主人公達の町は、幻想郷とはなんら関係の無い町という設定です。時代も、スペルカードなんてものが普及されていない時代です。

    それと恐らくですが、今回のSSでは、全くと言っていいほど、東方Projectのキャラクターが出てきません。そこら辺は、ご了承ください。

    それと主は、ちょっとずつ書きだめしてから投稿していくタイプなので、あげる時は、一気にあげて、時間を空けてまた一気にあげてという形になると思います。
  10. 10 : : 2016/01/31(日) 08:11:13
    期待です~!
  11. 11 : : 2016/01/31(日) 12:35:07
    名無き白さん、期待ありがとうございます。
    その様な言葉を聞くと、やる気が出てきます!
  12. 12 : : 2016/01/31(日) 13:05:11

    (は?)


    辛うじて残っていた彼の思考は、完全に停止した。まるで周りの音が全てなくなったかの様に世界が、彼が、完全に止まっていた。

    父が死んでいる。

    そのたった1つの事実によって彼の頭は、彼は、時間が止まっているかのように動かない。


    「____________ぅ、嘘だ」ブルブル


    彼は、そのたった1つの事実、彼にとって1番大切な父親の死が受け止めれないでいる。


    「う、嘘であってくれよ_______頼むからさあ、誰か_________嘘っていってよぉ_______嫌なんだよ_______こんなの_______こんなの!」ガチガチ


    少年は、祈る。


    「お、親父、死ぬなよぉ」エグッ


    変えられない事実を変えてもらいたいがために。


    「か、神様_______俺がどうなってもいいから、親父を生き返らせてくれよ_______」


    祈る。


    「頼むからさあ_______」ギュッ


    祈る。


    「誰か_______」


    _______だが、なにも変わらない。


    「ああああああ!!なんでだよお!」ガンガン


    彼は、叫ぶ。


    「親父は_______親父は_______」


    その時だった。

    彼の目になにかが写る。


    「_______これは」


    ペンダントであった。そのペンダントは、


    「_______たしか、母さんの」


    彼の母親のものであった。彼の母親は、彼がまだ小さい頃に亡くなった。彼がまだ、5歳ぐらいの頃に。


    「_______母さん」


    彼の記憶の中の母親は、ほとんど薄れている。小さい頃しか一緒に過ごせてないから。

    けれど、彼は母親との約束は、覚えている。

    きっとこの先も忘れないであろう約束。
  13. 13 : : 2016/02/02(火) 01:13:19
    _____________________ねえ、一つ約束して。どんなことがあっても人を傷つけないで。それとあなたは、男の子なんだから、皆を守ってあげて?これがお母さんとの約束。

    と、彼の母親は、最後にこの約束をし、亡くなった。


    「…………母さん。」


    彼の目から、1粒の涙が流れる。


    「………っ」ゴシゴシ


    彼は、その涙を拭い、彼の父親に体を向ける。


    「…親、父__________っ、い、いま、まで、ありがとうな。俺、これからも強く生きてくから!」ニカッ

    彼は、目に涙を浮かべ、彼の父親に別れとなる、言葉をつげ、里を出ようとした__________

    その時であった。

    彼の体を包み込む一つの大きな大きな手が


    「がっ!」(な、なんだ!?)

    「あれ〜、まだ生き残りが居たんだ〜。」


    彼を掴んだ大きな大きな手の主は、妖怪であった。


    「ぐはっ!」(よ、妖怪!?)

    妖怪「ま、いっか〜。お腹空いたし、食べちゃお〜っと。」アーン

    (や、やめろ!やめてくれ!俺は、まだ!やることが_______!)

    「そいつをはなせー!!!」


    その絶対絶命の状況で、彼の視界に映ったのは、彼を掴んでいた、妖怪の手が切れている絵と


    「お、お前!」


    あの少女である。


    妖怪「お前、なんのつもりだ?」


    妖怪は、自分の手が切られたにも関わらず、冷静である。


    「うるさい!」

    妖怪「つまり、お前も殺せばいいわけだ。」ダンッ

    「逃げて!」

    「え?」


    少女は、妖怪と対峙する寸前に彼の方へと振り返り、そう告げた。


    「はやく!」

    「い、いやだ!お前も逃げるんだよ!」ガクガク


    彼の体は、恐怖のあまりか震えている。


    「いいから!」

    妖怪「ん?まさか、お前…」


    妖怪がなにかに気付いたのかのように、動きを止める。


    妖怪「なあ、お前コイツが妖怪だってこと知らないのか?」


    「__________は?」


    彼は、少女へと視線を映す。


    「…………」

    「お前、妖怪だったのか?」

    「……ごめん」


    少女は、肯定ともとれる謝罪の言葉を口にする。

    その瞬間であった。

    彼女の意識が彼へと映った。その一瞬であった。妖怪は、少女へと襲いかかる。


    「しまっ______」


    妖怪は、鋭い爪で少女の腹を突き刺すと、間髪いれず、少年へと襲いかかる。

    そして、そのまま鋭い爪を_______少年の腹へと

    少年の目には、妖怪の鋭い爪が自分に迫るのがスローモーションに映る。

    少年は、死を覚悟し、そのまま鋭い爪が自分の腹へと___________刺さらない。いつまでたっても妖怪の爪が自分に刺さらない。彼は、恐る恐る目を開けると自分の目の前には、少女がいた。

    体に更に大きな穴を開けて


    妖怪「なんだ、まだ動けたのか。」

    「かはっ!」ダバッ


    少女は、口から大量の血を吐き出すと、前のめりに倒れる。


    妖怪「あ、死んだかな?………よし、今度こそ君を殺すよ〜」クルッ


    彼は、まだその場を動けないでいた。


    (う、動け!動け!動けよ!俺の足!逃げるんだよ!)ガクガク


    そうして、ゆっくりと妖怪の大きな大きな手が近づくと彼を掴み持ち上げる。


    (や、やばい!喰われる!)


    妖怪は、口を開けると、そのまま彼を口に運び________コン


    妖怪「あ?」


    妖怪の頭になにかが当たった。


    「ま、まて…」ハアハア

    妖怪「なに?」

    「彼に一つだけ聞きたいことがあるんだ。」ハアハア

    妖怪「しょーがないなー」ポリポリ

    「…………なあ」


    少女は、妖怪から彼へと視線を移すと、ゆっくりと問いかける。


    「な、なんだよ」

    「まだ、生きたい?」


    彼女は、聞く。


    「当たり前だ。」


    彼は、即座に答える。


    妖怪「まあ、そんなこと叶わないんだけどね。」


    妖怪は、彼を掴み、自分の口に放りこもうとした瞬間、少女の体から光が発せられる。


    「…………こんなことしたくなかったんだけど、ごめん」


    少女は、涙を目に浮かべ、そう言う。


    「なんだこ__________」


    妖怪が、言葉を言い終える前に3人を不思議な光が包み込んだ。
  14. 14 : : 2016/02/02(火) 23:05:43


    「うぅ、一体何が……」フルフル


    彼が目を覚まし、顔を上げると目の前には、なにやら、白いオブジェクトが


    「……なんだ、これ」


    周りは、相変わらず、燃えていてそのオブジェクトは、余計に存在感を増していた。


    「やっと起きた……」


    彼は、その声がした方へと振り向くと少女がいた。


    「お、お前大丈夫か?」


    彼は、少女に対して声をかけると、少女は驚いたような顔をして彼を見つめる。


    「な、なんだよ」

    「いや、私が妖怪って知ったのに、話し掛けてきたから…」

    「いや、なんというか俺は、お前が妖怪だってことあまり実感がわかない訳で……っていうか今の状況というか……これは、何なんだ?」


    彼が指さしたのは、白いオブジェクト。


    「あー…えーと、よく分からないと思うけど、それが妖怪。私達を襲ってきた妖怪。」

    「………えーと、つまり俺らは、助かったってことでいい?」

    「まあ、そう……かな」

    「そっか………あ、そういえば、お前!腹の傷は!?」


    彼は、思い出したかのように少女の腹の部分を見るが、穴など空いておらず、丁度腹の部分の服が破けているような形になっていた。


    「あ、えっと……大丈夫だよ。妖怪だから」アハハ…


    少女は、少し苦笑いを浮かべながらそう言う。


    「なら、移動しようぜ」

    「え?移動するって?」

    「だから、別の町に行くんだよ。どうせこの火の勢いなら、なにひとつ残りやしねえ。せいぜい残るのは、小物ぐらいだろ。」


    彼の手にはペンダントが握られている。


    「ああ、そういうこと。分かった、すぐに行こう。」


    彼らは、そう言うと村の出口へと歩きだした。
    それはまるで、先ほど川の上流へ向かった時と同じような足取りであった。

    ただ、違うところは、少女の服に穴が空いているとのと______________



    彼の背中から腹部へと穴があいていることだった。
  15. 15 : : 2016/02/08(月) 00:52:35
    間違った文を削除しました。
  16. 16 : : 2016/02/08(月) 00:52:58
    間違った文を削除しました。
  17. 17 : : 2016/02/08(月) 00:53:45
    あれ?上手く文字が反映されないぞ?

    すみません、二つも同じ文を投稿してしまい
  18. 18 : : 2016/02/08(月) 00:55:18
    文を削除しました。
  19. 19 : : 2016/02/08(月) 01:00:35


    彼は、疑問を口にする。


    「な、んで_______」ドサッ


    彼の問いに答える者はいない。


    「まずは、ひっとり〜」


    新たに現れた、その妖怪は余程機嫌がいいのか、鼻歌を唄っている。


    「____________死ね」


    少女は、低くそう発すると妖怪の半身が無くなる。

    否、少女によって殺される

    妖怪はなんの抵抗も出来ず、上半身が消え、膝から崩れ落ちる。



    「________いで!________ないで!死なないで!」


    少女は、止めどなく溢れる血を必死に抑えようと彼の傷口を抑える。

    けれど、傷口と呼んでいいのかと躊躇うほどに彼に開けられた穴は、大きい。


    「イヤ!イヤ!死なないでよ!」


    少女は、涙を目の端に浮かべる。


    と、少女の頭に一つの手が近づき、頭を撫でる。


    「_______泣くなよ……」ニコッ


    彼は、精一杯の笑顔を少女に向ける。


    「な、んでこの状況でも笑ってれるのよ!」

    「お前が泣いてるからだ」

    「え?」

    「お前が泣いたまんまだと俺があの世に行けず、迷っちまうからな、笑って欲しいんだよ」ニカッ

    「_______バカ」

    「そりゃ、お互い様だ」

    「分かった。私も覚悟を決める。」

    「良かった。残念だけどお前ともこれで_______」


    少女は、彼の腹部へと手をかざす。


    「なに、しようとして_______」


    彼女がなにか呟くと、周辺が光り出す


    「おいおいおい、やめろ!」


    彼には一体これからなにが起こるのか分かっていなかったが、とてつもなく嫌な予感がする。


    「_______えへへ、ごめんね_______でもこれが私の気持ちなの」


    彼らを包み込む光が一層強くなり、周りが見えなくなるまで光る
  20. 20 : : 2016/02/08(月) 01:00:58
    よし、投稿できた。

    迷惑かけてすみません…
  21. 21 : : 2016/02/11(木) 21:22:17
    _____________________

    「_______っ!」ガバッ


    彼が目を覚ますと、周りは何もなく辺り一面真っ白な所にいた。


    (ここは、一体どこだ……?たしか……さっきまで夕方だったはずなのに周りが明るい……え?)


    彼は、今いる場所がどこなのか把握するために周りを見渡すと、不思議なことに気づく。


    (なんで太陽がねえんだ?いや、それどころかなんもねえ!どうゆうことだ!?ここは、俺の村じゃねえとこなのか!?)


    「あ、気づいた。」


    彼が必死になって答えを探そうと思考を巡らせていると声が聞こえる。

    彼が声のした方向へと振り向くとそこには_______


    「_______俺?」


    自分と何ら変わらない姿をしている「彼」であった。
  22. 22 : : 2016/02/15(月) 23:54:50

    彼は、全く状況が読み込めれておらず、呆然と立っている。


    「_______あれ?反応薄くない?」


    彼と全く同じ姿をしている"彼"が話しかける。


    「だ、だれ_______ですか?」


    思わず敬語になってしまう。


    「そう来るか……うーん、そーだなー……もう1人の君_______みたいな?」


    もう1人の自分と名乗る目の前の"彼"の言葉に何故か説得力のある感じがし、言いかけていた言葉が出ず、彼は口ごもってしまう。


    「じゃ、じゃあ、質問を変えます。君は一体"何者"ですか?」

    「妖怪。」

    「_____はい?」


    あまりにも答えが返ってくるのが早すぎて思わず、間抜けな声が口から漏れてしまう。妖怪と名乗る"彼"はその反応がツボにはまったのか体をくの字にして笑っている。


    「えっと……妖怪ですか…」

    「まあね」

    「どうして妖怪さんがここに…?_______というかここはどこですか?」

    「どうしてって言われてもな〜……まあ、そうなったからとしか……。あ、ここは君の精神世界みたいなもん」

    「そうなったからって……。それで、妖怪さんは人を食べたりは……」

    「しないよ」

    「そうですか……それよりも精神世界?とはなんですか?」

    「うーん……例えるなら、夢の中みたいなもの。そんな解釈で大丈夫だと思うよ。」

    「じゃあ、これは現実とはなんら関係ないということでよろしいですか?」

    「よろしくないです。」

    「え」

    「つまり、ここでの出来事は実際に起きていることだっていうこと、おーけー?」

    「おーけーじゃないっす」

    「ま、そんなこと言ったってこれは事実なんだけどね」

    「いっそ全部夢って言ってくれたら、良いのに……」

    「残念だったね。」

    「人事みたいに……まあ、人事なんだろうけど」ボソッ

    「あ、そういえば俺、今日から君の体で生活するから。」

    「は?」
  23. 23 : : 2016/02/21(日) 22:15:44

    「いや、だから君と俺とで一つの体で共同生活をするってこと」

    「は?」

    「いや、だから_______」

    「は?」

    「怒るぞ?」

    「いや、こっちが怒りますよ!?」

    「なんで」

    「なんでって!この体は僕のものなんですよ!?だから、いきなり一緒に使おうな!と言われても!」


    彼は、これまでの会話の内容が半分以上理解をすることが出来ていない。いや、理解をしたいのだが、彼の理解を越しているせいか全く持って理解が出来ていないのだ。

    そのせいか反論の言葉が意味不明な事になっている。


    「一旦落ち着けって」

    「ま、まあそうですね……」フーフー

    「落ち着いたか?」

    「な、なんとか…」

    「1から説明するぞ?まず、俺は妖怪だ。」

    「どうして妖怪なんかが僕の体に…」

    「質問は、後だ。」

    「……」

    「そしてどーゆー訳か分かんねーんだが、今こーしてお前の中にいる。けど、自分が妖怪って事とするお前の体からは、出れないってことは何故か分かる。現状を整理するとこんなもんだ」

    「……色々と突っ込みたいですけど、やめときます…。なんだか真面目に捉えるだけ馬鹿に見えますよ……」

    「……とそろそろ時間みたいだな」

    「え?なんの?_______ってうわっ!?」


    彼の体は、消えかけて始めている。まるでこの世界から消えていくように。


    「今お前は、眠ってる状態みたいなもんだ。意識だけがここにあるんだよ。体は、ちゃんと現実にある。」

    「………今更なんですけど、僕って死んでないんですね………」

    「まあ、そういう事だ。そろそろお前は目が覚めるだろうな。」

    「まだ色々と聞きたいんですけど…」

    「それは、別のやつに聞けよ。」

    「いや、他に誰も……」

    「いーや、居るはずだ。こーなっちまったのは、必ず原因となったであろう奴がいるはずだ。なら、そいつに聞け。」

    「でも、誰に聞けば……」

    「知るか。自分で探せ」

    「そんな無茶苦茶な……」


    彼が嘆きの言葉を言い終える前に彼の体は、彼の意識は、完全に消えてしまう。
  24. 24 : : 2016/02/21(日) 22:16:54
    何故か既存のアカウントでログインすることが出来なくなってしまったので、急遽新しいアカウントを作りました。

    けど、ID以外は変化していませんので特に困ることは、ないかと……。

    一応の報告でした!
  25. 25 : : 2016/03/01(火) 20:47:12
    「___っ、」


    彼は1人目を覚ます、


    (あいつは……?)


    周りを見渡すとそこには先程自分を庇ってくれて、助けてくれた小さくもとてもとても大きな背中の少女が横たわっていた。


    「んだよ……こりゃ…」


    彼は、目の前の信じられないその光景を信じたくない。……が、現実はそれを嘲笑うかのように冷たく事実を突きつけてくる。


    「息は……」


    彼は、少しでも残っている希望に縋るために横たわっている少女の元へと近寄り首元に手を当てる_______が、脈はない_______


    彼は、その冷たい事実に目を背けるのかと__________思いきや


    「_______あいつの形見になるもんでも……なんかねえ…かな」


    彼が、少女の墓に添えるために、彼が、少女のことを忘れないために_______形で残そうと決断し、形見になるであろうものを探していると、

    目の前に見える白で塗られている像が_______


    「似たようなものをどこかで_______」


    彼は、眠りに落ちる前、つまりはあの自称妖怪と話し合う前の時と同じものを見ている。


    「あ、思い出した……。あいつが言ってたな………妖怪だっけか?俺達を襲ってきた」


    そう、妖怪。彼らを襲い、この白いオブジェクトにされた妖怪である。


    「……ほんと、なんなんだろうな…」


    誰に向けても発していない声は、空に消える。
  26. 26 : : 2016/03/01(火) 20:49:04
    放置していてすみませんでした!

    そろそろこの話は終わりです。
    ですが、主の頭の中ではこの話の続編がありますし、別のシリーズも組み立て始めてますので、気長にお待ちください。
  27. 27 : : 2016/03/06(日) 10:03:22

    あれから、何十分、何時間経ったのだろう…。村にあった遺体を1箇所に集め、墓を作り村中を回って使えそうなものを片っ端から集めているだけで、空が白んできてしまっていた。


    「…取り敢えず、こんなものかな…」


    村の家は殆どが燃えてしまっていたので、集められたのは衣服、食料の二つだけだった。といっても、どちらも数には限りがある。


    「近くの村まで行くしかねーか…」


    少年は、そう呟くと村の皆がいる墓に手を合わせ、次の目的地の村へ歩みを進めるのであった…


  28. 28 : : 2016/03/06(日) 10:04:18
    取り敢えずは、終わりです!

    ですが、前にも言ったようにこの話には続きがありますので首を長くしてお待ちください。


    ではでは〜( ・ω・)ゞ
  29. 29 : : 2016/03/06(日) 10:07:03
    乙です~、続きも期待です~!
  30. 30 : : 2016/03/07(月) 06:47:22
    >>29さん
    ありがとうございます。そのような言葉を頂けるとやる気が出てきます!
  31. 31 : : 2016/03/15(火) 23:32:50
    続きのスレを立てました!

    良かったら、見ていってください。

    次スレ
    東方座敷物語 〜妖の道〜

    http://www.ssnote.net/archives/44233
  32. 32 : : 2016/03/15(火) 23:33:04
    それと報告ですが、名前を変えました。

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ryotsusa

Attack on titan

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